JP5271896B2 - 電気分解装置、それに用いる電極および電気分解方法 - Google Patents

電気分解装置、それに用いる電極および電気分解方法 Download PDF

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Description

本発明は、電解液を電気分解するための電気分解装置、それに用いる電極および電気分解方法に関するものである。
半導体製造装置等をクリーニングするガスとして、温暖化係数の小さいフッ素ガスが注目されている。しかしながら、フッ素ガスは爆発性が強く、高圧でガスボンベに充填することができず、さらにこれらの性質により運搬コストが高くなるという問題がある。そのため、フッ素ガスを使用する場所に供給することができるフッ素ガス発生装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、隔壁によって正極室と負極室に分離された電解槽と、前記正極室と前記負極室にそれぞれガスを供給し、前記正極室及び前記負極室内を所定の圧力に維持する圧力維持手段を備えたフッ素ガス発生装置が記載されている。特許文献1には、このようなフッ素ガス発生装置によれば、フッ化水素を含む混合溶融塩を電気分解して高純度のフッ素ガスを生成することができると記載されている。
特開2002−339090号公報
しかしながら、電解液を電気分解する過程において発生したガス等の処理が不適切であると、電解液中の成分と相まって電極の表面に絶縁性の化合物が形成される。このような電極の表面を被覆する絶縁性化合物を未処理の状態で電気分解を継続した場合、電気分解が停止することもあった。詳しくは以下のとおりである。
1)電気分解で発生したガスが、電極の表面から剥離せず、電極の表面に長時間にわたって付着する。
2)電圧が印加された電極には電流が生じており、電気分解で発生したガスとの電気化学作用によって、そのガスが電極の表面に絶縁性化合物を形成する。
3)気泡が付着している電極の表面は電解液に接触していないので、電流は流れず電気分解に寄与しない。一方、気泡が付着していない電極の表面は、相対的に電流密度が上昇する。このように、同一電極表面における電流密度の不均一が生じ、効率よく所望のガスを生成することができない。特に電気分解装置を駆動した場合、気泡が付着している電極の表面に絶縁性化合物が形成される場合があり、この結果、電極表面の電流密度の不均一性が増大することがあった。
4)上記のように電極面における発生ガスの影響を受けるので、電極構造および電解槽の設計の自由度が制限されていた。
本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、電気分解の効率を向上することによって所望のガスを効率良く生成することが可能な電気分解装置、それに用いる電極および電気分解方法を提供するものである。
本発明は以下の構成を備える。
(1)電解液に接する陽極および陰極を備える電気分解装置であって、
前記陽極および前記陰極の少なくとも一方が、
前記電解液を電気分解することにより気体が発生するガス生成面と、
前記ガス生成面から他方の面に通じ、該ガス生成面で発生した前記気体を選択的に通過させる多数の貫通孔と、
前記ガス生成面から前記貫通孔を介して供給された前記気体を放出する、前記他方の面であるガス放出面と、を備える通気性構造の電気導電体からなり、
前記ガス生成面に前記電解液に対して親液性となる表面処理および前記ガス放出面に前記電解液に対して疎液性となる表面処理の少なくとも一方の処理が施されていることを特徴とする電気分解装置。
(2)前記電解液が貯留槽に充填されていることを特徴とする(1)に記載の電気分解装置。
(3)前記陽極および前記陰極は並行に設けられ、各々の前記ガス生成面は対向していることを特徴とする(1)または(2)に記載の電気分解装置。
(4)前記陽極および前記陰極の少なくとも一方は、前記電解液の液面に対し垂直方向に浸漬していることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の電気分解装置。
(5)前記陽極および前記陰極の少なくとも一方の前記ガス放出面を覆い、前記ガス放出面から放出された前記気体を収容するガス収容部を備えたことを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の電気分解装置。
(6)少なくとも2対の前記陽極および前記陰極を備えるとともに、前記陽極の前記ガス放出面同士および前記陰極の前記ガス放出面同士の少なくとも一方が対向しており、
対向する一対の前記ガス放出面のいずれも覆う前記ガス収容部を備えることを特徴とする(5)に記載の電気分解装置。
(7)前記ガス収容部は不活性ガス供給部を備え、前記ガス収容部内に前記不活性ガス供給部から不活性ガスを供給することにより換気可能に構成されていることを特徴とする(5)または(6)に記載の電気分解装置。
(8)前記陽極または前記陰極の前記ガス収容部は原材料ガス供給部を備え、
前記原材料ガス供給部から供給された原材料ガスを、前記貫通孔を介して前記電解液に供給可能に構成されていることを特徴とする(5)または(6)に記載の電気分解装置。
(9)前記陽極および前記陰極の少なくとも一方は、前記電解液面に対して水平に配設されるとともに、前記ガス生成面のみが前記電解液の液面に接触していることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の電気分解装置。
(10)前記電解液面に対して水平に配設された前記陽極および前記陰極の少なくとも一方は、上下動可能に構成されていることを特徴とする(9)に記載の電気分解装置。
(11)前記貯留槽には原材料ガス供給部が設けられており、
前記原材料ガス供給部から前記電解液に原材料ガスを供給可能に構成されていることを特徴とする(2)に記載の電気分解装置。
(12)前記陽極または前記陰極の少なくとも一方に対して超音波を印加する超音波発生手段を備えたことを特徴とする(1)乃至(11)のいずれかに記載の電気分解装置。
13)親液性となる前記表面処理はプラズマ処理、オゾン処理またはコロナ放電処理であり、
疎液性となる前記表面処理はフッ素樹脂コーティング処理、フッ素系のガスを用いたプラズマ処理またはフッ素ガス処理であることを特徴とする(1)乃至(12)のいずれかに記載の電気分解装置。
14)前記陽極および前記陰極の少なくとも一方は、メッシュ構造、ポーラス構造、多孔質膜構造およびフィルム状または板状の前記電気導電体の厚さ方向に多数の前記貫通孔が設けられた構造から選択される通気性構造を有することを特徴とする(1)乃至(13)のいずれかに記載の電気分解装置。
15)前記電解液は、フッ化水素を含む溶融塩であり、前記原材料ガスが、フッ化水素を含み、
前記陽極においてフッ素ガスを発生させることを特徴とする(8)、(11)乃至(14)のいずれかに記載の電気分解装置。
16)電解液を電気分解することにより気体が発生するガス生成面と、
前記ガス生成面から他方の面に通じる多数の貫通孔と、
前記ガス生成面から前記貫通孔を介して供給された前記気体を放出する、前記他方の面であるガス放出面と、を備える通気性構造の電気導電体からなり、
前記ガス生成面に前記電解液に対して親液性となる表面処理および前記ガス放出面に前記電解液に対して疎液性となる表面処理の少なくとも一方の処理が施されていることを特徴とする電極。
17)(1)乃至(15のいずれかに記載の電気分解装置を用いた電気分解方法。
18)任意の一面から背反面に通じる多数の貫通孔を擁した電気導電体に対し、電解液で濡らしたい面を親液性とする表面処理と、電解液で濡らしたくない背反面を疎液性とする表面処理との、何れか、もしくは両方を施すことにより気体のみを通過する通気性構造の導電体でなる電極を、陽極もしくは陰極の少なくとも何れかに用いたことを特徴とする電気分解装置。
本発明の電気分解装置によれば、電極の表面における気泡の付着およびそれに伴う絶縁性化合物の生成を抑制することにより、電極の単位面積あたりの電流密度が長時間に亘り均一なものとなるので、電気分解において効率的に所望のガスを得ることができる。さらに、電極面における発生ガスの影響が抑制されるので、電極構造および電解槽の設計の自由度が向上する。
本実施形態に係る電気分解装置の概略構成図である。 本実施形態に係る電気分解装置に用いる電極の拡大平面図である。 図3(a)、(b)および(c)は本実施形態に係る電気分解装置に用いる電極の拡大縦断面図である。 本実施形態に係る電気分解装置に用いる電極の(a)正面図、(b)上面図である。 本実施形態に係る電気分解装置に用いる電極の(a)正面図、(b)縦断面図、他の電極の(c)正面図、および(b)縦断面図である。 本実施形態に係る電気分解装置に用いるメッシュ電極の拡大平面図である。 本実施形態に係る電気分解装置に用いる換気ダクト付電極の概略構成図である。 本実施形態に係る換気ダクト付電極を用いた電気分解装置の概略構成図である。 本実施形態に係るガス放出面に気体流路を配設した電気分解装置の概略構成図である。 本実施形態に係る落し蓋形状の電極を用いた電気分解装置の概略構成図である。 本実施形態に係る落し蓋形状の電極を用いた電気分解装置の概略構成図である。 本実施形態に係る短冊状の複数の電極を用いた電気分解装置の概略構成図である。 本実施形態に係る短冊状の複数の電極を用いた電気分解装置の概略構成図である。 本実施形態に係る陽極および陰極が水平に配設された電気分解装置の概略構成図である。 本実施形態に係る陽極および陰極が水平に配設された電気分解装置の概略構成図である。 本実施形態に係る超音波発生装置を備える電気分解装置の概略構成図である。 本実施形態に係る電気分解セル実験装置の(a)平面図、(b)正面図である。 本実験装置における電気分解セルの(a)正面図、(b)そのD−D断面図である。 本実験装置における電気分解セル用の(a)電極の正面図、(b)通電用金属枠の正面図である。 実験1において、電気分解する時間と電流密度の関係を示すグラフである。 実験3において、電気分解する時間と電流密度の関係を示すグラフである。 本実施形態に係る電気分解セルの(a)上面図、(b)A−A線断面図である。 本実施形態に係る電気分解セルのカソード電極の側面図である。 本実施形態に係る電気分解セルの(a)上面図、(b)A−A線断面図である。 本実施形態に係る電気分解セルの(a)上面図、(b)アノード電極の側面図である。 図25(b)のカソード電極のA−A線断面図である。 本実施形態に係る、対向するガス生成面をいずれも囲繞するガス収容部を備えた電気分解装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
以下、図1に基づいて第1実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本実施形態に係る電気分解装置は、電解液7に接する陽極5aおよび陰極5bを備える。この陽極5aおよび陰極5bの少なくとも一方は、以下の構成を備える通気性構造の電気導電体からなる。
(a)電解液7を電気分解することにより気体が発生するガス生成面αと、ガス放出面βに通じる多数の貫通孔6と、ガス生成面αから貫通孔6を介して供給された気体を放出するガス放出面βとを備える。
(b)次の少なくとも一つの処理が施されている。(i)ガス生成面αに電解液7に対して親液性となる表面処理。(ii)ガス放出面βに電解液7に対して疎液性となる表面処理。
図1は本実施形態に係る電気分解装置の概略断面図である。図1に示すように、電気分解装置は、貯留槽である電解槽100に、溶融塩を含む電解液7を満たし、その電解液7中に、直流電源に接続された電極5が浸漬されている。電極5は、陽極(アノード電極)5a、陰極(カソード電極)5bとからなる。
電解槽100の一端には、気体流路入口(以下、「原材料ガス入口」ともいう)1が配設されている。原材料ガス入口1を介して、電解槽100の電解液7中に原材料ガス80が吹き込まれ、電解槽100の底部の一角から電解液7中に気泡81として導入される(バブリング)。これにより、電解液7の濃度を維持することができるとともに電解液7の濃度を均一にすることができる。なお、電解槽100は、別途、電解液7を撹拌することにより電解液7の濃度を均一にすることができる撹拌手段が設けられていてもよい。
また、電解槽100のほぼ中央の上部には仕切10が設けられている。この仕切10の両側に陽極5a、陰極5bが配設されており、電気分解の進行に伴って所望の気体が仕切10の両側において、混合することなく区別されながら得られるように構成されている。
電解槽100は、電解液7の上部空間から所望の気体を排出することができる気体流路出口(以下、「ガス出口」ともいう)2A,2Bを備える。
ガス出口2Aは、陽極5aにおいて発生した気体(気泡8a,8A)を効率良く回収することができるように構成されている。ガス出口2Bは、陰極5bにおいて発生した気体(気泡8b,8B)を効率良く回収することができるように構成されている。
陽極5aおよび陰極5bは、気体を選択的に通過する通気性の貫通孔(気体微細流路)6を備えている。この貫通孔6を備える電極は、メッシュ構造(図6)と、ポーラス構造(図示せず)と、多孔質膜構造(図示せず)と、フィルム状または板状の電気導電体の厚さ方向に多数の貫通孔6を設けた構造(図5,6等)と、織物構造(図7)の少なくとも何れかの構造を有する。
図2は本実施形態に係る電気分解装置に用いる電極5の部分拡大平面図である。図2に示すように、電極5には直径100μmの貫通孔6が150μmピッチに60度の角度で千鳥状に規則正しく開口している。
本実施形態においては、取り扱うガスや電解液7の種類、電解槽100の形態、電解液7の撹拌方式によっては、例えば、直径が0.05〜1mm程度の貫通孔6が多数形成された構造とし、電気分解の結果発生した気泡8a,8A,8b,8Bがこの貫通孔6を通過させる構成とすることもできる。
図3(a)〜(c)は、本実施形態に係る電気分解装置に用いる電極5の拡大縦断面図である。図3(a)〜(c)に示すように、電解液7に対して親液性となる表面処理110および/または疎液性となる表面処理111が施されている。
図3(a)に示す電極5は、異極に対向する電極面であって、電解液7を電気分解して気体が発生するガス生成面(以下、「対向電極面」、「電極おもて面」または「おもて面」ともいう)αに、電解液7に対し親液性の表面処理110が施してある。一方、ガス生成面αの裏面は、ガス放出面(以下、「電極裏面」または「裏面」ともいう)βであり、無処理である。
このような電極5を電解液7に浸して電気分解を行うと、電気分解の結果、ガス生成面αにおいて気体が発生する。親液性のガス生成面αは、電解液7と馴染みやすいので、ガス生成面αにおいて電気分解により発生した気体(気泡8a,8b)は、貫通孔6を介してガス生成面αの裏面であるガス放出面βに移動する力を受ける。
電極5のガス放出面βに、気泡8a,8bが集まって気泡8が形成されると、更に効率よく気泡8a,8bが気泡8へ移動する。つまり、電極5のガス生成面αの液体と、電極5のガス放出面βの気体との気液界面において、気液分離が行われる。その結果、ガス生成面αにおいて気泡8a,8bを速やかに除去することが可能となる。そして、ガス放出面βにおいて気体の蓄積量が所定量以上となると、気泡8A,8Bとして放出される(図1)。
また、図3(b)に示す電極5は、ガス生成面αは無処理であり、ガス生成面αの裏面に位置するガス放出面βは、電解液7に対し疎液性の表面処理111が施してある。
このように、ガス放出面βは、ガス生成面αと比較して疎液性であり電解液7よりも気体と馴染みやすいので、ガス生成面αにおいて電気分解により発生した気体(気泡8a,8b)は、貫通孔6を介してガス生成面αの裏面に位置するガス放出面βに移動する。そして、ガス放出面βにおいて、気泡8における気体の蓄積量が所定量以上となると、気泡8A,8Bとして放出される(図1)。
また、図3(c)に示す電極5は、ガス生成面αに電解液7に対し親液性の表面処理110が施してあり、ガス放出面βに電解液7に対し疎液性の表面処理111が施してある。ガス生成面αにおいて電気分解により発生した気体は、貫通孔6を介してガス生成面αの裏面に位置するガス放出面βにさらに効果的に移動する(図1)。
以下に説明するような、液体の表面張力に関連する作用によって、気泡8a,8bはガス生成面αに付着せず速やかに排除される。
液体の表面張力γ[N/m]、電極と液体の接触角θ[deg]、電極の貫通孔の半径r[m]に対して、液体が穴の内部に入り込むために必要な圧力「ヤング・ラプラス圧力」△Pは以下のように定義される。
△P=−2γcosθ/r
そして、電解液7に発生する圧力として、電解液7の深さによる圧力があるが、その圧力が前記△P以下であれば、電解液7は電極5の貫通孔6を通過することができず、ガス放出面βに気泡8がより安定的に形成され保持される。
本実施形態において電極5の貫通孔6は上記の式を考慮して形成される。
以下に、本実施形態において用いることができる電極5の構造についてさらに説明する。
図5(a)は、本実施形態に係る電気分解装置に用いられる電極5の正面図であり、図5(b)は縦断面図である。
図5(c)および(d)に示される電極5'は、図5(a)および(b)に示される電極5よりも、貫通孔6'のサイズが小さく、貫通孔6'の数が多い電極である。図5(c)は、電極5'の正面図であり、図5(d)は縦断面図である。なお、図5(a)、図5(b)に示す電極5において、貫通孔6の寸法や形状や配置を適宜に選択することにより、所望の電極構造を作成することができる。
図6は本実施形態に係る電気分解装置に用いられるメッシュ構造の電極の拡大平面図である。図6に示すように、複数の導電性の繊維を織り込んだメッシュ電極は、各繊維が所定範囲の隙間を確保している。そのため、この隙間によって気体微細通路を確保することが可能である。
この気体微細通路は、電解液7に対してはその表面張力により浸入・透過・浸潤を阻み、生成された気体のみは通過できるような微小な大きさの穴が通路として多数形成されている。なお、メッシュ電極の構造は、図6の構造に限定されるものではなく、気体微細通路が形成されるのであれば、導電性の繊維の編み方を適宜選択することができる。
以下に、図5に示される電極5(5')の製造方法を説明する。
まず、板状またはフィルム状の電気導電体からなる電極板に、ドリル加工、レーザ加工やサンドブラスト加工等で貫通孔6(6')を穿設する。また、電気導電体で作製した多孔質構造等の電極板も使用することができる。電気導電体としては、炭素材や金属を挙げることができる。
電極板のガス生成面αには、電解液7に対して親液性となるような表面処理を施すことができる。親液性の表面処理としては、プラズマ処理、オゾン処理、コロナ放電処理等を挙げることができる。
一方、ガス生成面αの裏面に位置するガス放出面β(他方の電極と対面しない面)には、電解液7に対して疎液性となるような表面処理を施すことができる。疎液性の表面処理としては、フッ素樹脂コーティング、フッ素系ガスによるプラズマ処理、フッ素ガス処理等を挙げることができる。フッ素樹脂コーティング材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やアモルファスフッ素樹脂(製品名:CYTOP(旭硝子株式会社製))を挙げることができる。
また、他の製造方法として、以下のような方法を挙げることもできる。
まず、電極板に、電解液7に対して疎液性の材料板を張り合わせて積層板を作成し、ドリル加工、レーザ加工、サンドブラスト加工等によりその積層板に貫通孔を形成する。そして、更に親液性となるような前述の表面処理を電極板表面に施す。
さらに、多孔質やメッシュ構造の電極の一方の面に、電解液7に対して疎液性の材料で作製した多孔質やメッシュを貼り付け、更に前記親液性となるような表面処理を施す方法を挙げることもできる。
なお、陽極5a、陰極5bのいずれにおいても、ガス生成面における電極の劣化等が問題になり、速やかな気泡の除去が要求される場合は、本実施形態のように陽極5aおよび陰極5bのいずれも上記の電極を用いることができる。これに対し、一方の電極の劣化等が問題にならない場合、その電極は通常の棒状、板状あるいは、他方の電極を取り囲むような円筒状であってもよい。
本実施形態において、電解液7としては、フッ化水素を含む溶融塩を挙げることができ、原材料ガス80としては、フッ化水素ガスを用いることができる。さらにこの場合、陽極5aのガス生成面αで発生する気体はフッ素ガスであり、陰極5bのガス生成面αで発生する気体は水素ガスである。
以下に、本実施形態の電気分解装置における効果を説明する。
本実施形態の電気分解装置において、ガス生成面αに電解液7に対して親液性となる表面処理、ガス放出面βに電解液7に対して疎液性となる表面処理の少なくとも一方が施された電極が用いられている。
これにより、ガス生成面αの表面の気泡8a,8bを速やかに除去することができ、電極の表面における気泡の付着およびそれに伴う絶縁性化合物の生成が抑制される。そのため、電極の単位面積あたりの電流密度が長時間に亘り均一なものとなり、電気分解において効率的に所望のガスを得ることができる。
さらに、ガス生成面αおよびガス放出面βが電解液7に接触している場合には、ガス生成面αの表面に生成した気泡8a,8bがガス放出面βにおいて気泡8を形成する。そのため、気泡8a,8bは、さらにガス放出面βに移動しやすくなり、ガス生成面αの表面の気泡8a,8bをより効率よく除去することが可能となる。
また、電極5の貫通孔6は、ガス生成面αで発生した気体を選択的に通過させる。つまり、電解液7にその深さに応じた圧力(液圧)が発生した場合においても、気泡8側への電解液7の流出が抑制されている。
これにより、電解液7が貫通孔6を介してガス放出面β側に移動するのを抑制することができ、気泡8a,8bの移動が阻害されず、効率よく電気分解を行うことができる。
また、本実施形態の電気分解装置は、貯留槽(電解槽100)に電解液7が充填されている。
本実施形態においては、上記のような表面処理が施された電極5を用いており、ガス生成面αから気泡8a,8bを容易に除去することができるので、生成ガスによる電気分解の阻害を抑制することができる。そのため、比較的大型の装置構成とすることができ、所望のガスを効率よくかつ多量に供給することができる。
本実施形態においては、陽極5aおよび陰極5bは並行に設けられ、陽極5aのガス生成面αおよび陰極5bのガス生成面αは対向している。
これにより、電気分解装置における面積効率が向上し、電極構造および電解槽の設計の自由度が向上する。
本実施形態において、陽極5aおよび陰極5bの少なくとも一方は、電解液7の液面に対し垂直方向に浸漬している。
これにより、ガス生成面αからの気泡8a,8bの剥離が促進されるため、電極の単位面積あたりの電流密度が長時間に亘り均一なものとなる。そのため、電気分解において効率的に所望のガスを得ることができる。
本実施形態においては、原材料ガス供給部から電解液7に原材料ガス80を供給可能に構成されている。
これにより、継続して電気分解を行うことができるとともに、原材料の濃度を一定に保つことができるので効率よく所望のガスを得ることができる。
また、原材料ガス供給部から電解液7に原材料ガス80を供給する際に、原材料ガス80は電解槽100の底部からバブリングにより電解液7中に導入することができる。
そのため、電解槽100の容積不足や、陽極5a,陰極5bの間隔が狭い等の理由で、電解液7の撹拌が不完全であっても、電解槽100の内部や電極5の近傍において原材料濃度を均一にすることができ、そして電極5の表面における電流密度を均一にすることができる。これにより、効率よく電気分解を行って所望のガスを得ることができる。この際、電解槽100を局所的に加熱することによって電解液7に自然対流を起こすことが好ましい。また、ポンプ等により強制的に液を流すことも可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る電気分解装置について、図7,図8に沿って説明する。
図7の電極5の概略構成図に示すように、電極5のガス放出面βを覆い、ガス放出面βから放出された気体を収容する気体流路3を内部に有するガス収容部(以下、換気ダクトともいう)12が設けられている。
これにより、図8に示すように、電気分解に伴ってガス生成面αで発生した気泡8a,8bが、ガス放出面βにあるガス収容部12の気体流路3A,3Bへ速やかに放出される。ガス収容部12は上部に開口部を有し、開口部から放出されたガスは気体流路出口(排出口)2A,2Bから排出され回収される。
図9は、本実施形態の他の態様の電気分解装置であり、図8に示された電気分解装置と異なり、陽極5aと陰極5b間においてのみ電解液7が充填されている。電解槽100には、不活性ガス供給部1A,1Bが設けられており、不活性ガス供給部1A,1Bより気体流路3A,3Bに窒素やヘリウム等の不活性ガスを供給することができるように構成されている。これにより、気体流路出口(排出口)2A,2Bから生成された気体が排出され回収される。
図9の電気分解装置においては、不活性ガスに変えて、原材料ガスを陽極5aおよび/または陰極5bの貫通孔6を介して電解液7に供給されるように構成することができる。
気体を選択的に通過可能な貫通孔6を通して、原材料ガスはガス収容部12から電解液7に供給され、電解液7に溶解する。そして、電気分解によって生成された気泡8a,8bはガス生成面αからガス収容部12内に移動する。原材料ガスは電解液7に容易に溶解するので、原材料ガスが選択的に貫通孔6を通過して電解液7に溶解される。すなわち、目的生成ガスは電極5のガス生成面αからガス放出面βの向きに電極5の貫通孔6を通過して分離され、原材料ガスは電極5のガス放出面βからガス生成面αの向きに、電極5の貫通孔6を通過して電解液7中に分散され、原材料が補充される。
本実施形態においては、電解液としてフッ化水素を含む溶融塩を用い、原材料ガスとしてのフッ化水素ガスを、水素ガスが発生する陰極側のガス収容部12に供給した例によって示す。
図27は、本実施形態の他の態様の電気分解装置であり、図8に示された電気分解装置と異なり、対向するガス放出面β,βをいずれも囲繞するようにガス収容部12が設けられている。ガス放出面βから放出されたガスは、ガス収容部12の気体流路3A,3Bへ速やかに放出される。ガス収容部12は上部に気体流路出口(排出口)2A,2Bを備え、気体流路出口2A,2Bから生成ガスが排出され回収される。
以下に、本実施形態の電気分解装置における効果を説明する。
本実施形態の電気分解装置は、陽極5aおよび陰極5bの少なくとも一方のガス放出面βを覆い、ガス放出面βから放出された気体を収容するガス収容部12を備える。
ガス放出面βが気体で覆われている場合、気泡8a,8bが貫通孔6を介して効果的にガス放出面β側に移動するため、電極5の劣化を抑制するとともに、生成ガスを回収する能力を高めることもできる。そのため、本実施形態の電気分解装置は、比較的大型の装置においても好ましく用いることができる。
また、本実施形態の他の電気分解装置は、ガス収容部12内に、不活性ガス供給部1A,1Bから不活性ガスを供給することにより換気可能に構成されている。
不活性ガスの供給により気体流路3A,3B内に気体の流れが形成されるので、気体8a,8bを気体流路3A,3B内へ吸引する表面張力が働く。そのため、効率よく電気分解を行うことができる。
本実施形態の電気分解装置は、陽極5aまたは陰極5bのガス収容部12にガス供給部が設けられており、該ガス供給部から供給された原材料ガスを貫通孔6を介して電解液7に供給可能に構成されている。
これにより、継続して電気分解を行うことができるとともに、原材料の濃度を一定に保つことができるので効率よく電気分解を行うことができる。
本実施形態の電気分解装置は、少なくとも2対の陽極5aおよび陰極5bを備え、陽極5aのガス放出面β同士および陰極5bのガス放出面β同士の少なくとも一方が対向している。そして、対向する一対のガス放出面βのいずれも覆うガス収容部12を備える。
これにより、装置構成を簡略化することでき、電解槽の設計の自由度が向上する。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る電気分解装置について、図10〜図13に沿って説明する。
図10〜図13は、電解液7の液面に対して水平に配設されるとともに、ガス生成面が電解液7の液面に接触する陽極または陰極を備える電気分解装置である。
図10は、陽極52aおよび陰極52bのいずれもが、ガス生成面αが電解液7の液面に接触する電気分解装置の概略構成図である。これらの電極の位置決めは、電極を電解液7液面に浮かせる方法、または液面を常時管理する方法等を挙げることができる。このような構成によれば、気泡8a,8bを速やかに回収することができる。
また、陽極52aまたは陰極52bは上下動可能に構成することができる。
図11は、貫通孔6を有する陽極52aのみが、そのガス生成面αで電解液7の液面に接触する電気分解装置の概略構成図である。なお、陰極50としては、貫通孔が形成されていない電極が用いられている。陰極50は、棒状や板状であってもよい。陰極50において生成される気体が電気分解を阻害しない場合、このような構成を採用することもできる。
本実施形態において、電解液7としては、フッ化水素を含む溶融塩を挙げることができ、陽極52aのガス生成面αで発生する気体はフッ素ガスであり、陰極52bで発生する気体は水素ガスである。
なお、本発明の他の実施形態として、相互に隙間を空けてほぼ等間隔に配設された複数の短冊状の電極から構成された電極53を備え、複数の短冊状の前記電極のうち両端に位置する電極間に直流電圧を印加することにより電気分解を行う電気分解装置を挙げることもできる。
図12は、ガス生成面が電解液7の液面に接触する分割された電極53を備える電気分解装置の概略構成図である。電極53は上蓋9の下面側に配設されており、両端の電極は断面L字状であり電解槽104の外に突出して直流電圧を印加することができるように構成されている。
図12に示すように、短冊状に分割された電極間の上蓋9の下面に、気体流路3A,3Bが配設されている。気体流路3Aは陽極で発生する気体の流路であり、気体流路3Bは陰極で発生する気体の流路である。気体流路3Aを通って回収されたガスは気体流路出口2Aへと導かれ、気体流路3Bを通って回収されたガスは気体流路出口2Bへと導かれるように構成されている。
図4(a)(b)に、図12の電気分解装置に用いられる電極53を示す。
図4(a)は、電極53の正面図であり、図4(b)はその側面図である。図4(a)、図4(b)に示すように、電極53は、短冊状に分割され相互に隙間4を空けて配設された複数の電極からなり、両端に位置する電極53′,53′に直流電圧を印加することができる。
図12に示すように、分割された電極においてガスを発生させるには、分割された電極の長尺方向の長さに比べ、電極53′と電極53′との間の距離が短いことが必要である。
図13は、図12の電気分解装置において、電解液7に下方から原材料ガス80を供給することができるように構成されている。具体的には、電解槽104の底部に気体のみ通過可能な底基板13が設けられている。電解槽104と底基板13との間には、空間が形成され、この空間内に原材料ガスを圧送すれば、底基板13の上方に位置する電解液7に原材料を供給することができる。一方、電解液7は底基板13を下向きに透過して漏洩することはない。
このように構成された電気分解装置によれば、同一電解槽104の電解液7中において、これら分割された電極53の配列の両端に位置する電極53′の相互間は、電線等で結線することなしに、実質上、直列接続されていることに等しい電気化学的な作用効果がある。この電極列53′〜53′を用いて電気分解すれば、気体流路3A、3Bから気泡8a,8bが排除されるので、気泡を除去する効率が高められる(図4,図12参照)。
以下に、本実施形態の電気分解装置における効果を説明する。
本実施形態の電気分解装置(図10、11)は、陽極52aおよび陰極52bの少なくとも一方が、前記電解液7の液面に対して水平に配設されるとともに、ガス生成面αが電解液7の液面に接触する。
これにより、ガス放出面βが気体に覆われ、気泡8a,8bはより迅速にガス放出面β側へ移動するので、気泡8a,8bを回収する効率を高めることができる。さらに、電解液7と接するガス生成面αの親液性が低下しても、貫通孔6を介して電解液7がガス放出面β側に移動することがないので、気相と液相との分離が容易であり、ガス回収能力は低下しない。
また、本実施形態においては、電解液7の液面に対して水平に配設された陽極52aおよび陰極52bの少なくとも一方は、ガス生成面αが電解液7の液面に接触するとともに、上下動可能に構成されている。これにより、電極52aの位置決めが容易になるとともにメンテナンスが容易になる。
また、図12,13に示される電気分解装置は、相互に隙間を空けてほぼ等間隔に配設された複数の短冊状の電極から構成された電極53を備え、複数の短冊状の前記電極のうち両端に位置する電極53'間に直流電圧を印加することにより電気分解を行う。
これにより、電解液中において、これら分割された複数の短冊状の電極53間は、電線等で結線することなしに、実質上、直列接続されていることに等しい作用効果がある。そして、前記電極列を用いて電気分解すれば、隙間から気泡が排除されるので、気泡を除去する効率が高められる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る電気分解装置について、図14,図15に沿って説明する。
図14,15に示すように、陽極5aおよび陰極5bは対向して配置されるとともに、水平に配設されている。これらの電極の間には、電解液7が充填されている。
図14の電気分解装置においては、電解槽106に設けられた気体流路入口(導入口)1Aを介してガス収容部内に原材料ガス80を供給することができ、原材料ガス80を陰極5bの貫通孔6を介して電解液7に供給されるように構成されている。なお、原材料ガス80は、陽極5aの貫通孔6を介して電解液7に供給されるように構成することもできる。
気体を選択的に通過可能な貫通孔6を通して、原材料ガスはガス収容部から電解液7に供給され、電解液7に溶解する。そして、電気分解によって生成された気泡8aはガス生成面αからガス収容部に移動する。原材料ガス80は電解液7に容易に溶解するので、原材料ガスが選択的に貫通孔6を通過して電解液に溶解される。すなわち、目的生成ガスは電極5のガス生成面αからガス放出面βの向きに電極の貫通孔6を通過する。一方、原材料ガスは電極5のガス放出面βからガス生成面αの向きに、電極5の貫通孔6を通過して電解液7中に分散される。これにより、電解液7に原材料を補充することができる。
気泡8a,8bのいずれかが所望の気体である場合には、所望の気体が生成する電極の貫通孔6を介して原材料ガス80を補充せず、目的生成ガスのみを回収するように構成することができる。本実施形態においては、電解液としてフッ化水素を含む溶融塩を用い、原材料ガス80としてフッ化水素ガスを、水素ガスが発生する陰極側のガス収容部に供給した例によって示す。
図15は、図14に示される電気分解装置において、電解液7へ原材料ガスをバブリングする電気分解装置の概略構成図である。
図15に示す電気分解装置は、図14に沿って前述した電気分解装置において、電極5の貫通孔6を通して原材料ガスを供給していたことに代えて、電解液7へ直接バブリングするように構成されている。具体的には、電解槽107の気体流路入口1から電解液7に直接原材料ガス80を供給する。
陽極5aおよび陰極5bの間隔が離れている場合は、電解電圧が高くなる等の弊害が生じる場合があり、所望の電解電圧とするために陽極5aおよび陰極5bの間隔を狭くする場合がある。
陽極5aおよび陰極5bの間隔が狭くなると、これらの電極間においては加熱による対流や、バブリングによる対流が起き難くなり、電極間において電解液7の濃度が低くなり、もしくは濃度が不均一となり、電界が一定でなくなる場合がある。また、電解槽107の深さ(陽極5aと陰極5bとの距離)が、電極5の幅および面積や電解槽107の幅および面積と比較して浅い場合は、加熱による対流や、バブリングによる対流が起き難くなり、電極間において電解液7の濃度が低くなり、もしくは濃度が不均一となり、電界が一定でなくなる場合がある。この現象を解決するために、図15において、陽極5aおよび陰極5bのガス放出面βから原材料ガス80を供給する方法を採用することもできる。
以下に、本実施形態の電気分解装置における効果を説明する。
本実施形態の電気分解装置は、陽極5aまたは陰極5bのガス収容部12にガス供給部が設けられており、該ガス供給部から供給された原材料ガス80を貫通孔6を介して電解液7に供給可能に構成されている。
これにより、継続して電気分解を行うことができるとともに、原材料の濃度を一定に保つことができるので効率よく電気分解を行うことができる。
なお、図15のように、電解槽107の気体流路入口1から電解液7に直接原材料ガス80を供給する構成であれば、図14の構成と比較して、原材料ガスの混入しない目的生成ガスのみを、陽極5aおよび/または陰極5bから取得することが可能である。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係る電気分解装置について、図16に沿って説明する。
図16は、図1の電気分解装置において、陽極5aに超音波131を印加する超音波発生手段(超音波素子130)を設けた電気分解装置の概略構成図である。図16に示すように、電気分解装置は、電解槽100の側壁に超音波素子130を配設されている。なお、陰極5bに超音波が印加されるように構成することもできる。
以下に、本実施形態の電気分解装置における効果を説明する。
陽極5aに超音波を印加する超音波素子130が設けられているので、超音波素子130から発生する超音波131の振動が陽極5aに付与されるため、この陽極5aのガス生成面αから気泡8aが容易に剥離する。これにより、ガス生成面αの表面の気泡8aを速やかに除去することができ、電極の表面における気泡の付着およびそれに伴う絶縁性化合物の生成が抑制される。そのため、電極の単位面積あたりの電流密度が長時間に亘り均一なものとなり、電気分解において効率的に所望のガスを得ることができる。このような効果は、電極5が電解液7に垂直に浸漬している場合に効果的である。
(第6実施形態)
第6実施形態に係る電気分解装置は、陽極のガス生成面αにおいて発生する気体が電解液7の電気分解を阻害する場合に、陽極に貫通孔6を備える通気性構造の電極を用いたものである。この電気分解装置(電気分解セル)について、図22〜26に沿って説明する。なお、本実施形態においては、電解液としてフッ化水素を含む溶融塩を用い、陽極からフッ素ガス、陰極から水素ガスが生成する例によって示す。
図22〜26は、フィルム状または板状の電気導電体の厚さ方向に多数の貫通孔が設けられたに電極を陽極として用いた電気分解装置を示す。
図22は、陽極122のガス生成面αが電解液の液面に接触するように配置される電気分解装置の概略構成図である。なお、電解液槽および電解液の図示を省略する。
図22(a)は、電気分解装置の概略上面図であり、図22(b)は図22(a)のA−A線断面図である。図23は、陰極112の平面図である。
図22(a)(b)に示すように、ガス収容部110は、陽極122のガス放出面βを覆っている。陽極122は接続部116,116を介して陰極112と電気的に接続されており、これらの電極間に電圧を印加できるように構成されている。さらに、ガス収容部12の上面には不活性ガス導入口118、ガス排出口120が設けられている。これにより、陰極122において発生したガスを回収することができる。
ガス収容部110の両脇には2つの陰極112,112が配置されている。陽極122は接続部114,114を介して陽極122と電気的に接続されており、これらの電極間に電圧を印加できるように構成されている(図23)。
図22〜23に示す電気分解装置において、陽極122のガス生成面αにて発生したガスは、貫通孔6を介してガス収容部110内に移動する。そして、不活性ガス導入口118からガス収容部110に不活性ガスを導入し、そしてガス排出口120から不活性ガスとともに所望のガスを回収する。
一方、図22(a)に示すように、2つの陰極112、112は、陽極122の両サイドに配置され、電解液の液面に対して垂直に設置されている。陰極112は貫通孔6を有しておらず、陰極112で発生するガスはガス生成面αにおいて気泡となって成長する。そして、気泡は、所定の大きさとなるとガス生成面αから浮上し、回収される。
図24は、陽極132と陰極134が対向して並行に配置され、これらの電極間に電解液を充填して水平に設けられている電気分解装置の概略構成図である。
図24(a)は、電気分解装置の概略上面図であり、図24(b)は図24(a)のA−A線断面図である。
図24(b)に示すように、陽極132と陰極134は対向して並行に配置され、これらの電極間に電解液7を充填して水平に設けられている。陽極132は陰極134の下方に位置する。ガス収容部12は、陽極132のガス放出面βを覆っている。ガス収容部130には不活性ガス導入口138が設けられており、ガス排出口139から所望のガスを回収することができるように構成されている。
電気分解装置において、陽極132のガス生成面αにて発生したガスは、貫通孔6から表面張力によって下方に位置するガス収容部12内に移動する。そして、不活性ガス導入口131からガス収容部12に不活性ガスを導入し、そして図示しないガス排出口から不活性ガスとともに所望のガスを回収する。
一方、陰極134は、ガス生成面αが電解液に接しており、ガス生成面αで発生した気体は貫通孔6を通って、上方に抜けるように構成されている。陰極134の上面にも図示しないガス収容部が設けられており、陰極134において生成した気体を回収することができる。陰極134にて発生した気体は、浮力によって貫通孔6を通り上方に抜けるので、例えばニッケル網のような構造を使用することも可能である。
図25は、陽極152のガス放出面βのみがガス収容部に覆われている電気分解装置の概略構成図である。図25(a)は、電気分解装置の概略上面図であり、図25(b)は図25(a)の陽極152の平面図である。図26は、図25(b)に示す陽極152のA−A断面図である。なお、電解液槽および電解液の図示を省略する。
図25に示すように、陽極152と陰極112は対向して並行に配置され、これらの電極は電解液面に対していずれも垂直に設けられる。図26に示すように、ガス収容部150は、陽極152のガス放出面βを覆っている。ガス収容部150には不活性ガス導入口118が設けられており、ガス排出口120から所望のガスを回収することができるように構成されている。
電気分解装置において、陽極152のガス生成面αにて発生したガスは、貫通孔6から表面張力によってガス収容部150内に移動する。そして、不活性ガス導入口118からガス収容部150に不活性ガスを導入し、そしてガス排出口120から不活性ガスとともに所望のガスを回収する。
一方、陰極112で発生するガスはガス生成面αにおいて気泡となって成長する。そして、気泡は、所定の大きさとなるとガス生成面αから浮上し、回収される。
なお、本実施形態においては、陽極に貫通孔6を備えた構造の電極を用いた例によって示したが、陰極において生成するガスが電気分解を阻害する場合には、陰極に貫通孔6を備えた構造の電極を用いこともできる。
以下に、本実施形態の電気分解装置における効果を説明する。
本実施形態の電気分解装置は、電解液7の電気分解を阻害する気体が発生する電極のみ(陽極)を、貫通孔6を備える通気性構造の電極としている。これにより、他方の電極(陰極)の設計の自由度が向上し、ひいては電気分解装置の設計の自由度が向上する。
[実験1]
以下に、図17〜図19に沿って、電気分解セル実験装置(以下、「本実験装置」という)による実験結果を説明する。
図17(a)は本実験装置の上面図、図17(b)は正面図である。
図17(a)、図17(b)に示す電気分解セル実験装置は、溶融塩槽35の中央部に電気分解セルEを組み込んで電気分解の実験を行なう装置である。溶融塩槽35は図示する便宜上、内部を透視した状態で図示している。
溶融塩槽35の上部を覆う天蓋36には、予備も含めて複数のテフロン(登録商標)管22,23が、テフロン(登録商標)ジョイント28により垂直に固定されている。
図17(b)に示すように、棒状の電極32が、電解液7に浸漬するとともに、その上部が溶融塩槽35外に存在している。電極32は、図示せぬ導線を通じて直流電源の負極に接続されている。さらに、溶融塩槽35の中央部には、電気分解セルEが天蓋36から吊り下げられて電解液7に浸されている。以下に、図18を参照して、電気分解セルEについて説明する。
図18(a)は、本実験装置における電気分解セルEの断面図、図18(b)は図18(a)のD−D断面図である。図18(a)、図18(b)に示すように、電気分解セルEは、絶縁材料による電気分解セル本体29の前面中央に電極51が配設されている。電極51は、電極押さえ板27で固定されている。電極押さえ板27により電極51のガス発生面αを電極液7に接触させることができる。電極51は通電用金属ワイヤ(ニッケルワイヤ)26を通じて直流電源の正極に接続されている。
電気分解セル本体29は、PTFE板からなり、35mm×40mm×15mmtの形状を有する。さらに、その中央部に深さ10mmの凹部37を備え、窓31が形成されている。電極51のガス放出面βは凹部37内にさらされている。さらに、電気分解セル本体29には、気体流路3がテフロン(登録商標)管22,23内に設けられ、外部から凹部内空間34に気体を導入、排出することができる。
凹部37の前縁部には凹部が形成されており、この凹部に、通電用金属枠30がはめ込まれている。一方、電極押さえ板27の凹部37には、電極51がはめ込まれており、電極押さえ板27を電気分解セル本体29に接続することにより、電極51は電気分解セルEに固定される。
電気分解セルEに接続されたテフロン(登録商標)管22により、窒素ガスを凹部内空間34内に導入し、排出管であるテフロン(登録商標)管23から排出する。テフロン(登録商標)管23から流出するガスを採集して分析することができる。
負の電極32は直径3mmのニッケル棒2本により構成されている。この電極32は、電極51を観察する視界を遮らないように、電極51の正面を避けて脇に寄せ、かつ、正負の電極間距離を均等にするため、左右対称な位置に2本設置されている。
溶融塩液面レベル33は、電気分解セルEの電極51が電解液7に浸る高さに維持する。なお、電解液7の液面が、電極51の最下部より4cm以上上方に存在している状態で、電解液7が貫通孔を介して凹部37内に浸潤・透過・漏洩しないことが必須要件である。
溶融塩槽35の底部は銅製のヒータブロック18にテフロン(登録商標)シート(t=0.2mm)を挟んで載置されるように構成さている。そのヒータブロック18にはロッドヒータ20および熱電対21が配設され、溶融塩槽35の底部から電解液7を適宜に加熱する。電解液7の温度は、熱電対21の検出する温度情報を図示せぬサーモスタット等にフィードバックし、指定の温度に保持することが可能である。
本実験例において、Fガスを得るために、HFを含む電解液を電気分解する。一般的に、無水HFは電気抵抗が高く、電気分解し難いが、例えばKFとHFを反応させて、HF・nHFの電解液7を作製すると、電解液7の電気抵抗は低く、電解液7中のHFの電気分解が可能となる。
2HF→H+F
この反応において、KFは消費されず、原材料としてのHFのみが消費される。したがって、生成されたFガスの量に応じてHFガスを電解液7中に供給する必要がある。そこで電解槽35内の電解液7にHFガスをバブリングする等して、電解液7にHFを供給する。電解液7はその融点以上に加熱されており、その内部には対流が発生し、さらにバブリングにより発生する対流の効果と合わせて電解液7は撹拌されている。したがって、電解液7に供給されたHFは電解液7内にほぼ均一に拡散する。
図19(a)は本実験装置における電気分解セルE用の電極51の正面図、図19(b)は、通電用金属枠30の正面図である。図19(a)に示す電極51は、炭素板(東海カーボン社製 G348 1mmt)を、24mm×14mm(r=1mm)とした後、ざぐり面14に深さ0.6mmだけ凹部を形成し、このざぐり面14の凹部に、炭素板の厚さ方向に貫通孔を設けることにより製造される。
貫通孔6は、図2にも示したように、ドリル(超硬ソリッドルーマドリルADR−0.1)によって、直径100μm、150μmピッチで60度の千鳥に穿設した。また、貫通孔6の加工された面と電解液7の接する有効電極面は10mm×20mmとした。
図19(b)に示す通電用金属枠30は、図18(b)に示すように、電極51を支えると共に正の電圧を印加するように通電するための金属枠である。通電用金属枠30は、外側寸法24mm×14mm×2mmt(r=1mm)のニッケル板に、20mm×10mm(r=0.5mm)の窓が切削加工により形成されたニッケル枠である。
この通電用金属枠30から正の電源までの間は、通電用金属ワイヤ26である直径0.5mmのニッケルワイヤを介して接続されている。電気分解セル本体29の上部にテフロン(登録商標)ジョイント28が配設され、このテフロン(登録商標)ジョイント28にテフロン(登録商標)管22,23が固定されている。このテフロン(登録商標)管22内を通電用金属ワイヤ26が通り抜けて、電気分解セルEの外部の直流電源と接続できるように電気分解セルEおよび電気分解セル実験装置が構成されている。
この電気分解セル実験装置において、電極51を陽極、棒状の電極32を陰極として、これら両極間に直流電圧7.0Vを印加して定電圧電解した。それぞれの気体流路入口(導入口)であるテフロン(登録商標)管22より窒素を10mL/minの流量で供給した。この状態で電極51から生じたガスは、貫通孔6を通して凹部37内の空間に排出され、気体流路出口(導出口)であるテフロン(登録商標)管23から窒素ガスとともに排出された。なお、電極51の表面から電解液7の液面に浮き上がる気泡が存在しないことが観察された。
気体流路出口(導出口)23から排出された気体をテドラーパックに採集し、フッ素ガス検知管(株式会社ガステック社製ガス検知管No.17)を使って測定したところ、検知管の指示薬が白色に脱色しフッ素ガスが生成されたことを確認した。このときの電流密度の時間に対する変化量は、安定時の平均電流密度は約50mA/cmであった。電圧を8Vにしたときの平均電流密度は約120mA/cmであり、電圧を9Vにしたときの平均電流密度は約250mA/cmであった。このことは図20のグラフに示すとおりである。
[実験2]
電極51に設けた貫通孔6のピッチを1mmにした以外は、実験1と同様にして電気分解を行った。電解液7の液面を電極51の最下部から4cm上の位置まで満たしたが、電解液7は貫通孔6を通して気体流路3に漏れることがないことを、実験1同様に確認した。また、電圧を7Vにしたときの安定時の平均電流密度は約80mA/cmであり、電圧を8Vにしたときの平均電流密度は約150mA/cmであった。そして、電圧を9Vにしたときの平均電流密度は約200mA/cmであった。
[実験3] 電極51に貫通孔6を形成しなかったこと以外は、実験1と同様にして電気分解を行った。電圧7Vを印加した直後は、約90mA/cmの電流密度で電流が流れたが、しだいに減少し、約20分経過した時点でほとんど電流が流れなくなった。このことは図21のグラフに示すとおりである。
なお、前記いずれの実験も、フッ化水素の電気分解反応により、フッ素と水素に分解され、それぞれ回収することができた。また、本実験では、フッ化水素の電気分解反応をさせるための物質としてフッ化水素を含有する電解液7を用いて例示したが、この電解液7は他の物質であっても構わない。
本発明に係る電気分解装置およびその電極によれば、以下の効果が得られた。
1)電極の表面における気泡の付着を抑制することにより電極の劣化を抑制する。
2)電極の表面における気泡の付着を抑制することにより電極の単位面積あたりの電流密度を均一なものとする。
3)電流密度を均一なものとし、長時間に亘り効率的に電気分解を行い、所望のガスを生成する。
4)原材料成分の電極の表面における濃度分布の偏りをなくし、均一化することによって電極の劣化を防止する。
5)電極構造、電解槽、原材料ガスの供給効率および設計の自由度等を総合的に改善する。
また、本発明は以下の構成とすることもできる。
(1)任意の一面から背反面に通じる多数の貫通孔を擁した電気導電体に対し、電解液で濡らしたい面を親液性とする表面処理と、電解液で濡らしたくない背反面を疎液性とする表面処理との、何れか、もしくは両方を施すことにより気体のみを通過する通気性構造の導電体でなる電極を、陽極もしくは陰極の少なくとも何れかに用いたことを特徴とする電気分解装置。
(2)前記貫通孔を擁した電極が、メッシュ構造、ポーラス構造、多孔質膜構造、多数の貫通孔を穿設した構造の何れかであることを特徴とする(1)に記載の電気分解装置。
このように構成することで、異極に対向して電気分解に有効な電極面、すなわち対向電極面(あるいは電極おもて面)に親液性の表面処理が施してあれば、電気分解により発生した気泡は、対向電極面にまとわりつかず速やかに排除される。
一方、通気性の電極において、対向電極面の裏側である背反電極面に疎液性の表面処理が施してあれば、電気分解により発生した気泡は、対向電極面から背反電極面へ通過しやすく、対向電極面の気泡を速やかに除去することが可能である。
(3)短冊状に分割され相互に隙間を空けてほぼ等間隔に配設された電極列の両端に位置する電極に正負の直流電圧を印加することを特徴とする(1)または(2)に記載の電気分解装置。
このように構成された電気分解装置によれば、短冊状に分割され相互に隙間を空けてほぼ等間隔に配設された電極列に対し、その電極列の両端に位置する電極から正負の直流電圧を印加される。
そうすると、同一電解槽の電解液中において、これら分割された電極列の相互間は、電線等で結線することなしに、実質上、直列接続されていることに等しい作用効果がある。
そして、前記電極列を用いて電気分解すれば、前記隙間から気泡が排除されるので、気泡を除去する効率が高められる。
(4)前記電極の背反面に覆い被せて気泡を捕捉し換気可能な換気ダクトを備えたことを特徴とする(1)または(2)に記載の電気分解装置。
このように構成することで、背反電極面に寄せ集められた気泡は、その背反電極面に覆い被せられた換気ダクトで残らず捕捉され回収されるので、電極面から気泡を除去する効率が高められる。
(5)前記電解液に接触して水平に配設されることを特徴とする(1)乃至(4)の何れかに記載の電気分解装置。
このように構成することで、前記電解液に接触して水平に配設された電極を用いて電気分解すれば、液に接触している下側で発生した気泡が、上側に抜けて容易に排除されるので、気泡を除去する効率が高められる。
しかも、この電極の下側の電解液が上側へ抜けて移動することはない。なお、電解液に接触して水平に配設される電極の構成であれば、電解槽の底部から液面までの何れの高さであっても構わないので、設計の自由度が確保される。
(6)前記電極は前記電解液の液面に接触して被さる落し蓋の構成であることを特徴とする(4)に記載の電気分解装置。
このように構成することで、電解液に被さる落し蓋の構成である電極を用いて電気分解すれば、液面に接触している下面側で発生した気泡が、上面側に抜けて容易に排除されるので、気泡を除去する効率が高められる。しかも、前記落し蓋の構成である電極の下から上方向へは電解液が漏洩しない。
(7)前記電極は前記電解液に浸漬されて鉛直方向に配設されることを特徴とする(1)乃至(4)の何れかに記載の電気分解装置。
このように構成することで、超音波発生手段によって、超音波振動を付与された電解液または電極は、電極の表面からの気泡の剥離が促進される。
(8)正負の電極それぞれから発生する2種類の気体のうち何れか一方が価値の低い劣後気体である場合、前記劣後気体を発生する方の電極に付設された前記換気ダクトから原材料ガスを前記電解液に供給することを特徴とする(4)乃至(7)の何れかに記載の電気分解装置。
このように構成することで、電気分解で得られる2種類の気体のうち一方の必要性が高く、他方は不要であるならば、価値がより低い気体を発生する方の電極に付設された前記換気ダクトから原材料ガスを供給することによって、気体を通過する通気性の電極を介し、原材料ガスを電解液に溶解させる。そうすると、電解液における原材料の濃度を高めることになり、電気分解の効率を高めることが可能である。
(9)前記電極を、前記換気ダクトを挟む形で構成した一対電極に構成し、かつ前記一対電極を交互に配置することを特徴とする(4)乃至(7)の何れかに記載の電気分解装置。
(10)前記電解液または前記電極に対して超音波振動を付与する超音波発生手段を備えたことを特徴とする(1)乃至(9)の何れかに記載の電気分解装置。
(11)前記電解液としてフッ化水素を含む溶融塩を用いたものであって、前記電極を陽極として用いフッ素ガスを発生させることを特徴とする(1)乃至(10)の何れかに記載の電気分解装置。
このように構成することで、電解液としてフッ化水素を含む溶融塩を用いた電気分解装置によれば、陽極からフッ素ガスを発生し、陰極から水素ガスを発生させることが可能である。
(12)(1)乃至(11)の何れかに記載の電気分解装置で用いる電極。このような構成の電極は補修部品として交換自在であり、単品販売することも可能である。
(13)多数の一面から背反面に通じる貫通孔を擁した電気導電体に対し、電解液に対して電解液に接する側を親液性となる表面処理を施すとともに、電解液に接していない背反面に疎液性となる表面処理を施すことにより気体のみを通過する通気性の構造を有する導電体でなる電極を、陽極もしくは陰極の少なくとも何れかに採用し、かつ前記電極の背反面に覆い被せて気泡を補足すると共に換気も可能な換気ダクトを採用した電気分解装置を用いて電気分解により発生する気体を捕集することを特徴とした電気分解方法。

Claims (18)

  1. 電解液に接する陽極および陰極を備える電気分解装置であって、
    前記陽極および前記陰極の少なくとも一方が、
    前記電解液を電気分解することにより気体が発生するガス生成面と、
    前記ガス生成面から他方の面に通じ、該ガス生成面で発生した前記気体を選択的に通過させる多数の貫通孔と、
    前記ガス生成面から前記貫通孔を介して供給された前記気体を放出する、前記他方の面であるガス放出面と、を備える通気性構造の電気導電体からなり、
    前記ガス生成面に前記電解液に対して親液性となる表面処理および前記ガス放出面に前記電解液に対して疎液性となる表面処理の少なくとも一方の処理が施されていることを特徴とする電気分解装置。
  2. 前記電解液が貯留槽に充填されていることを特徴とする請求項1に記載の電気分解装置。
  3. 前記陽極および前記陰極は並行に設けられ、各々の前記ガス生成面は対向していることを特徴とする請求項1または2に記載の電気分解装置。
  4. 前記陽極および前記陰極の少なくとも一方は、前記電解液の液面に対し垂直方向に浸漬していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気分解装置。
  5. 前記陽極および前記陰極の少なくとも一方の前記ガス放出面を覆い、前記ガス放出面から放出された前記気体を収容するガス収容部を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気分解装置。
  6. 少なくとも2対の前記陽極および前記陰極を備えるとともに、前記陽極の前記ガス放出面同士および前記陰極の前記ガス放出面同士の少なくとも一方が対向しており、
    対向する一対の前記ガス放出面のいずれも覆う前記ガス収容部を備えることを特徴とする請求項5に記載の電気分解装置。
  7. 前記ガス収容部は不活性ガス供給部を備え、
    前記ガス収容部内に前記不活性ガス供給部から不活性ガスを供給することにより、換気可能に構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の電気分解装置。
  8. 前記陽極または前記陰極の前記ガス収容部は原材料ガス供給部を備え、
    前記原材料ガス供給部から供給された原材料ガスを、前記貫通孔を介して前記電解液に供給可能に構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の電気分解装置。
  9. 前記陽極および前記陰極の少なくとも一方は、前記電解液面に対して水平に配設されるとともに、前記ガス生成面のみが前記電解液の液面に接触していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気分解装置。
  10. 前記電解液面に対して水平に配設された前記陽極および前記陰極の少なくとも一方は、上下動可能に構成されていることを特徴とする請求項9に記載の電気分解装置。
  11. 前記貯留槽には原材料ガス供給部が設けられており、
    前記原材料ガス供給部から前記電解液に原材料ガスを供給可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の電気分解装置。
  12. 前記陽極または前記陰極の少なくとも一方に対して超音波を印加する超音波発生手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電気分解装置。
  13. 親液性となる前記表面処理はプラズマ処理、オゾン処理またはコロナ放電処理であり、
    疎液性となる前記表面処理はフッ素樹脂コーティング処理、フッ素系のガスを用いたプラズマ処理またはフッ素ガス処理であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電気分解装置。
  14. 前記陽極および前記陰極の少なくとも一方は、メッシュ構造、ポーラス構造、多孔質膜構造およびフィルム状または板状の前記電気導電体の厚さ方向に多数の前記貫通孔が設けられた構造から選択される通気性構造を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の電気分解装置。
  15. 前記電解液は、フッ化水素を含む溶融塩であり、前記原材料ガスが、フッ化水素を含み、
    前記陽極においてフッ素ガスを発生させることを特徴とする請求項8、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の電気分解装置。
  16. 電解液を電気分解することにより気体が発生するガス生成面と、
    前記ガス生成面から他方の面に通じる多数の貫通孔と、
    前記ガス生成面から前記貫通孔を介して供給された前記気体を放出する、前記他方の面であるガス放出面と、を備える通気性構造の電気導電体からなり、
    前記ガス生成面に前記電解液に対して親液性となる表面処理および前記ガス放出面に前記電解液に対して疎液性となる表面処理の少なくとも一方の処理が施されていることを特徴とする電極。
  17. 請求項1乃至15のいずれか一項に記載の電気分解装置を用いた電気分解方法。
  18. 任意の一面から背反面に通じる多数の貫通孔を擁した電気導電体に対し、電解液で濡らしたい面を親液性とする表面処理と、電解液で濡らしたくない背反面を疎液性とする表面処理との、何れか、もしくは両方を施すことにより気体のみを通過する通気性構造の導電体でなる電極を、陽極もしくは陰極の少なくとも何れかに用いたことを特徴とする電気分解装置。
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