JP5437898B2 - フッ素ガス生成装置、フッ素ガス生成方法およびガス生成用炭素電極 - Google Patents
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そして、ダイヤモンド層が炭素基材から剥離した場合には、炭素基材とダイヤモンド層との間の電導性が低下して、ダイヤモンド層に供給される電流密度が低下する。また、ダイヤモンド層から露出した炭素基材がフッ素ラジカルと接触することにより、炭素基材自体における電流密度が低下する。このため、ガス生成用炭素電極の表面にダイヤモンド層を形成する場合には、高い密着性でダイヤモンド層を形成して、電解液と炭素基材とを良好に分離することが特に望まれている。
これに対し、上記構成を備える本発明によれば、凹穴の周縁部分において、炭素基材の主面から凹穴の内部にかけてダイヤモンド層が三次元的に屈曲するため、ダイヤモンド層のアンカー性が十分に得られる。また、主面を伝うダイヤモンド層の剥離は凹穴で停止される。このため、ダイヤモンド層と炭素基材とを全体的に高い密着性によって一体化することができ、高い電流密度の炭素電極を得ることができる。
はじめに、本実施形態のフッ素ガス生成装置に用いられるガス生成用炭素電極(以下、炭素電極と略記する場合がある)について説明する。
図2(a)は、図1のII−II線断面図である。図2(b)は、同図(a)にて円Bで囲繞した領域の拡大図である。
凹穴24が配置された領域(穴加工部26)は略矩形である。穴加工部26は炭素基材20の主面21において凹穴24を包含する仮想領域である。
主面21のうち、穴加工部26の周縁には、凹穴24が形成されていない帯状領域27が設けられている。帯状領域27は、後述するフッ素ガス生成装置100の電解セルにおいて、ガスケット70(図5を参照)で押圧される平坦な保持領域である。
また、個々の凹穴24の開口形状は特に限定されず、円形や楕円形、正方形を含む矩形、多角形、またはスリット状でもよく、後述するように星形多角形でもよい。
ここで、凹穴24の開口幅を1μm以上とすることで、凹穴24の内壁面25上にダイヤモンド層30を十分な厚さで形成することができる。また、凹穴24の開口幅は、より好ましくは500μm以下、さらに好ましくは300μm以下とすることができる。
凹穴24が非貫通孔の場合、凹穴24の開口幅とは、主面21における凹穴24の開口に関する外接円の直径である。
凹穴24が貫通孔の場合、凹穴24の開口幅とは、主面21または22における凹穴24の開口に関する外接円のうち、より小さい方の直径である。
言い換えると、本実施形態の炭素電極10は、図2(b)に示すように、主面22における凹穴24の開口径D2よりも、主面21における開口径D1の方が小さい。したがって、本実施形態において凹穴24の開口幅とは、開口径D1を意味する。
これにより、内壁面25に形成されたダイヤモンド層30は、電解液と接する主面21の側への引き抜きが防止されるため、ダイヤモンド層30の剥離が低減される。
そして、ダイヤモンド層30の厚さは、凹穴24の開口幅の二分の一よりも小さい。これにより、凹穴24がダイヤモンド層30によって完全に埋まって消失してしまうことがない。
凹穴24が非貫通孔である場合、凹穴24の内部に残留した雰囲気ガスまたは電気分解により生成したガスにより、電解液が凹穴24に浸入することがさらに妨げられる。このため、凹穴24が非貫通孔の場合も、ダイヤモンド層30は凹穴24の内壁面25の全体を被覆することは必ずしも必要ではなく、主面21側の所定深さまで形成されていれば足りる。
かかる炭素材料を用いることにより、電極表面で生成したガスが速やかに電極表面から除去されるので、長時間に亘って電気分解を効率よく行うことができる。特に、電解液が、フッ化水素を含む溶融塩である場合の陽極として炭素電極10を用いた場合には、フッ素ガスと炭素との反応が抑えられる。これにより、新たな電解液が電極表面に供給されるため、効率よく電気分解を行うことができる。また、フッ化炭素(CF4)等の副生成物の生成も抑えることができる。
エッチングにより凹穴24を形成するには、板状またはフィルム状の有機樹脂膜の一方または両方の表面にフォトレジスト膜を形成した後に、通常のエッチング方法により有機樹脂膜に凹穴24を形成するとよい。エッチング方法としては、ドライエッチングまたはウェットエッチングの何れの方法も用いることができる。
レーザー加工により凹穴24を形成するには、エキシマレーザー等を用いたレーザー加工により行うことができる。
なお、凸部291の個数は特に限定されないが、5〜30個が好ましい。
(第一実施形態)
つぎに、フッ素ガス生成装置について説明する。
図4は、本実施形態にかかるフッ素ガス生成装置100の構成を示す模式図である。
そして、電解液110は、一対のダイヤモンド層30の間に供給される。
図4に示すように、本実施形態のフッ素ガス生成装置100では、陰極である第二電極10bにも炭素電極を用いた例によって示すが、金属電極を用いることもできる。
2HF → F2 + H2 (1)
2F− → F2 + 2e− (2)
2H+ + 2e− → H2 (3)
フッ素ガス生成装置100は、炭素電極10を通過したフッ素ガスまたは水素ガスを吸引して回収する吸引手段(ブロア66)をさらに備えている。また、気相130には、図示しないガス供給源から窒素(N2)などの不活性ガスが、生成ガス(フッ素ガスおよび水素ガス)のキャリアガスとして連続的に供給されている。
液体流路60を流れる電解液110の圧力P1と、気相130の圧力P2との差ΔP(=P1−P2)が以下のヤング・ラプラスの式(式(4))で求められるヤング・ラプラス圧力以下となるようにすることで、電解液110は凹穴24を通過せず、ガス(フッ素ガスおよび水素ガス)が選択的に透過する。
そして、本実施形態の貫通孔(凹穴24)は、上記供給圧の電解液110を通過させず、ガス(フッ素ガスおよび水素ガス)を通過させる開口幅である。
そして、ポンプ圧を調整して電解液110の流量を制御することで、液体流路60に対する電解液110の供給圧を昇降調整可能である。
高導電部44の材料は特に限定されないが、フッ素ガスに対する耐腐食性の観点から、金属材料、特にニッケル、またはハステロイもしくはモネルなどのニッケル系合金が好ましい。
高導電部44の厚みや形状も特に限定されないが、多孔のシートもしくは板、または金網のほか、主面22に対して蒸着法やスパッタ法などにより形成した金属薄膜でもよい。
給電部材43と高導電部44とは同種の金属材料からなる。本実施形態の場合、給電部材43と高導電部44はともにニッケルからなる。
本実施形態のガス生成方法(以下、本方法という場合がある)は、上述のガス生成用炭素電極(炭素電極10)を用いて電解液110を電気分解してフッ素ガスを生成する方法に関する。
そして、本方法は、給液工程と、通電工程とを含む。
給液工程では、ダイヤモンド層30に接して所定の供給圧で電解液110を供給する。
通電工程では、炭素基材20を通じてダイヤモンド層30に通電し、フッ素系の電解液110を電気分解してフッ素ガスを生成する。
そして、本方法では、給液工程にて凹穴24に浸入する電解液110の液面が、凹穴24の深さ位置よりも浅いことを特徴とする。
例えば、フッ素ガス生成装置100の構成は、図4に示したものに限られない。重力方向に対する炭素電極10の設置方向は任意である。また、図4では、一対の炭素電極10の間に電解液110の液体流路60を平板状に形成したが、本発明はこれに限られない。例えば、貯留槽である電解槽を電解液110で満たし、その中に炭素電極10を浸漬してもよい。
図5は、第二実施形態のフッ素ガス生成装置100に用いられる電解セル90の分解斜視図である。電解セル90は、電解槽92に貯留された電解液110に浸漬して用いられる(図6を参照)。
すなわち、本実施形態の電解セル90は、給電部材43と炭素電極10とに挟持されて、これらを電気的に接続する金属製の高導電部44をさらに有している。
押さえ板74は、ガスケット70、炭素電極10および高導電部44を電解セル本体80に圧接するための高弾性の板材である。押さえ板74の中央には開口部76が形成され、その周囲にボルト穴75が形成されている。
かかる軸力により高導電部44は面直方向に弾性的に変形する。これにより、本実施形態のフッ素ガス生成装置100によれば、炭素電極10と給電部材43とが高導電部44と良好に密着し、高い導電性を得ることができる。
陰極である第二電極10bでは、上記の式(3)により水素ガスが発生する。発生した水素ガスは電解液110を上昇して気相130に至り、キャリアガス(窒素ガス)によりガス回収管65bに送られる。ガス回収管65bに至った水素ガスは、窒素ガスとともに系外に取り出される。
上記の式(2)により発生したフッ素ガスは、第一電極10aを通過して電解セル本体80の内部に入り、ガス回収管64bより回収される。
また、本変形例の凹穴24もまた、炭素電極10を厚さ方向に貫通する貫通孔である。
なお、図7は模式図であり、上下に隣接する凹穴24の径の比率を誇張して図示している。
特に、炭素電極10の上部領域を給電点とした場合に、この効果が顕著に発揮される。なぜならば、炭素電極10の内部における電圧降下により、炭素電極10の上部領域は下部領域と比較して印加電圧および印加電流が大きくなり、炭素電極10の上部領域に位置する凹穴24の近傍でフッ素ガスが支配的に生成されることに起因する。このため、上部領域の凹穴24の開口幅を大きくしてフッ素ガスの流路を大きくすることが有効である。
また、図7では正方格子状に凹穴24を配置しているが、これに限らず、千鳥格子状に配置してもよく、またランダム配置してもよい。凹穴24の形状も、図示のように円形とするほか、星形多角形などの多角形としてもよい。
以下、参考形態の例を付記する。
1.炭素材料からなり複数の凹穴が主面に形成された炭素基材と、前記凹穴が形成された前記主面から前記凹穴の内壁面の少なくとも一部の深さ位置に亘って前記炭素基材の表面に形成された導電性のダイヤモンド層と、を含むガス生成用炭素電極と、
前記ガス生成用炭素電極に電流を供給する給電手段と、
を備え、前記ダイヤモンド層に接して供給されたフッ素系の電解液を電気分解して前記ガス生成用炭素電極でフッ素ガスを生成するフッ素ガス生成装置。
2.前記主面における前記凹穴の非形成領域の算術平均粗さが、0.01μm以上0.50μm以下である1.に記載のフッ素ガス生成装置。
3.前記凹穴が、開口幅を1μm以上1000μm以下とする止まり穴または貫通孔である1.または2.に記載のフッ素ガス生成装置。
4.前記凹穴の開口形状が星形多角形である1.から3.のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
5.前記ガス生成用炭素電極は、前記複数のうち少なくとも一部の前記凹穴の開口幅が、前記電解液への浸漬深さに応じて小さく形成されていることを特徴とする1.から4.のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
6.前記凹穴が、前記炭素基材の前記主面から裏面側に向かって拡径している1.から5.のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
7.前記凹穴が、前記炭素基材を厚さ方向に貫通する貫通孔である1.から6.のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
8.前記ダイヤモンド層に接した状態で前記電解液を貯留する液体流路と、前記液体流路に所定の供給圧で前記電解液を供給する送液手段と、をさらに含み、
前記貫通孔が、前記供給圧の前記電解液を通過させず前記フッ素ガスを通過させる開口幅である7.に記載のフッ素ガス生成装置。
9.前記ガス生成用炭素電極は、前記電解液に接しない側の主面に、前記炭素基材よりも導電性の高い材料からなり前記貫通孔を少なくとも部分的に露出させて設けられた高導電部をさらに備える8.に記載のフッ素ガス生成装置。
10.前記高導電部における前記主面の面内方向の電気抵抗が、前記高導電部への給電点からの距離に応じて小さくなっていることを特徴とする9.に記載のフッ素ガス生成装置。
11.前記ダイヤモンド層の厚さが、1μm以上20μm以下である1.から10.のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
12.互いに隣接する前記凹穴の近接縁同士の距離が3mm以下である1.から11.のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
13.前記電解液がフッ化水素を含む溶融塩であり、前記ガス生成用炭素電極が陽極である1.から12.のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
14.炭素材料からなり複数の凹穴が主面に形成された炭素基材と、前記凹穴が形成された前記主面から前記凹穴の内壁面の少なくとも一部の深さ位置に亘って前記炭素基材の表面に形成された導電性のダイヤモンド層と、を含むガス生成用炭素電極を用いて、フッ素系の電解液を電気分解してフッ素ガスを生成する方法であって、
前記ダイヤモンド層に接して所定の供給圧で前記電解液を供給する給液工程と、
前記炭素基材を通じて前記ダイヤモンド層に通電し、前記電解液を電気分解してフッ素ガスを生成する通電工程と、を含み、
前記給液工程にて前記凹穴に浸入する前記電解液の液面が、前記凹穴の前記深さ位置よりも浅いことを特徴とするフッ素ガス生成方法。
15.フッ素系の電解液を電気分解してフッ素ガスを生成する電極であって、
炭素材料からなり複数の凹穴が主面に形成された炭素基材と、前記凹穴が形成された前記主面から前記凹穴の内壁面の少なくとも一部の深さ位置に亘って前記炭素基材の表面に形成された導電性のダイヤモンド層と、を含むガス生成用炭素電極。
以下のようにして、図1に示した炭素電極10、および図6に示したフッ素ガス生成装置100の実験装置を作製し、通電実験を行った。以下、要素名の符号は上記実施形態の説明に対応するものである。
細孔を形成していない平坦部28(図2を参照)の算術平均高さを、市販の表面形状測定装置(アルバック(株)製 触針式表面形状測定装置Dektak3)を用いて80μm/sの速度で測定したところ、0.05μmであった。
また、フィラメント温度は2000℃、CVDチャンバーにおける炭素基材20の背面の温度は600℃であった。
図6に示したように、電解槽92には、電解セル本体80の内部とそれぞれ連通するキャリア導入管64aとガス回収管64bとを設けた。
第二電極(カソード電極)10bには、φ6mmのニッケル棒を用いた。第一電極10aのダイヤモンド層30と第二電極10bとの最短距離は30mmとした。
電解セル90において、給電部材43と炭素電極10との間に、50メッシュ(線径0.15mm)のニッケル金網を高導電部44として挟み込んで電気分解実験を行った以外は、実施例1と同様にして実験した(図5を参照)。
ポリイミド基板に多孔加工をした後に、800番の耐水ペーパーで表面を研磨した以外は、実施例1と同様に実験した。ポリイミド基板を2000℃で焼成した後、多孔加工していない部分の算術平均高さを、アルバック(株)製 触針式表面形状測定装置Dektak3を用いて80μm/sの速度で測定したところ、0.32μmであった。
炭素電極として、ダイヤモンド層を形成する前の炭素基材を用いた以外は、実施例1と同様にして実験した。
比較例1の結果を、図8にあわせて示す。結果より、6.7Vを印加した時、300mA/cm2の電流密度を示した。しかしながら、比較例1の場合、通電開始から1時間後には40mA/cm2まで電流密度が低下した。また、7.0Vにて電解を継続したところ、5日間に渡って電解が継続しフッ素ガスを発生させ続けることができたが、電流密度は30mA/cm2程度と低かった。
10a 第一電極
10b 第二電極
20 炭素基材
21、22 主面
24 凹穴
25 内壁面
26 穴加工部
27 帯状領域
28 平坦部
29 周縁
291 凸部
292 凹部
293 コーナー部
30 ダイヤモンド層
40 給電手段
41 直流電源
42 配線
43 給電部材
44 高導電部
45 開口部
46 給電点
60 液体流路
62 送液手段
64、65 回収路
64a、65a キャリア導入管
64b、65b ガス回収管
66 ブロア
70 ガスケット
71、75、81 ボルト穴
72 開口部
74 押さえ板
76 開口部
78 緊締具
80 電解セル本体
90 電解セル
92 電解槽
93 熱電対
100 フッ素ガス生成装置
110 電解液
130 気相
Claims (14)
- 炭素材料からなり複数の凹穴が主面に形成された炭素基材と、前記凹穴が形成された前記主面から前記凹穴の内壁面の少なくとも一部の深さ位置に亘って前記炭素基材の表面に形成された導電性のダイヤモンド層と、を含むガス生成用炭素電極と、
前記ガス生成用炭素電極に電流を供給する給電手段と、
を備え、
前記凹穴が、開口幅を1μm以上1000μm以下とする止まり穴または貫通孔であり、
前記ダイヤモンド層に接して供給されたフッ素系の電解液を電気分解して前記ガス生成用炭素電極でフッ素ガスを生成するフッ素ガス生成装置。 - 前記主面における前記凹穴の非形成領域の算術平均粗さが、0.01μm以上0.50μm以下である請求項1に記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記凹穴の開口形状が星形多角形である請求項1または2に記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記ガス生成用炭素電極は、前記複数のうち少なくとも一部の前記凹穴の開口幅が、前記電解液への浸漬深さに応じて小さく形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記凹穴が、前記炭素基材の前記主面から裏面側に向かって拡径している請求項1から4のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記凹穴が、前記炭素基材を厚さ方向に貫通する貫通孔である請求項1から5のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記ダイヤモンド層に接した状態で前記電解液を貯留する液体流路と、前記液体流路に所定の供給圧で前記電解液を供給する送液手段と、をさらに含み、
前記貫通孔が、前記供給圧の前記電解液を通過させず前記フッ素ガスを通過させる開口幅である請求項6に記載のフッ素ガス生成装置。 - 前記ガス生成用炭素電極は、前記電解液に接しない側の主面に、前記炭素基材よりも導電性の高い材料からなり前記貫通孔を少なくとも部分的に露出させて設けられた高導電部をさらに備える請求項7に記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記高導電部における前記主面の面内方向の電気抵抗が、前記高導電部への給電点からの距離に応じて小さくなっていることを特徴とする請求項8に記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記ダイヤモンド層の厚さが、1μm以上20μm以下である請求項1から9のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
- 互いに隣接する前記凹穴の近接縁同士の距離が3mm以下である請求項1から10のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
- 前記電解液がフッ化水素を含む溶融塩であり、前記ガス生成用炭素電極が陽極である請求項1から11のいずれか一項に記載のフッ素ガス生成装置。
- 炭素材料からなり複数の凹穴が主面に形成された炭素基材と、前記凹穴が形成された前記主面から前記凹穴の内壁面の少なくとも一部の深さ位置に亘って前記炭素基材の表面に形成された導電性のダイヤモンド層と、を含むガス生成用炭素電極を用いて、フッ素系の電解液を電気分解してフッ素ガスを生成する方法であって、
前記ダイヤモンド層に接して所定の供給圧で前記電解液を供給する給液工程と、
前記炭素基材を通じて前記ダイヤモンド層に通電し、前記電解液を電気分解してフッ素ガスを生成する通電工程と、を含み、
前記給液工程にて前記凹穴に浸入する前記電解液の液面が、前記凹穴の前記深さ位置よりも浅く、
前記凹穴が、開口幅を1μm以上1000μm以下とする止まり穴または貫通孔であることを特徴とするフッ素ガス生成方法。 - フッ素系の電解液を電気分解してフッ素ガスを生成する電極であって、
炭素材料からなり複数の凹穴が主面に形成された炭素基材と、前記凹穴が形成された前記主面から前記凹穴の内壁面の少なくとも一部の深さ位置に亘って前記炭素基材の表面に形成された導電性のダイヤモンド層と、を含み、
前記凹穴が、開口幅を1μm以上1000μm以下とする止まり穴または貫通孔であるガス生成用炭素電極。
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