JP5267036B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、同一の半導体基板に、IGBT素子と転流ダイオード素子が構成された半導体装置の製造方法に関する。
従来、例えば特許文献1に示されるように、転流ダイオード素子と絶縁ゲートバイポーラトランジスタ素子(IGBT素子)とが同一の半導体基板に構成された、すなわち転流ダイオード素子がIGBT素子に内蔵された逆導通型半導体素子(RC−IGBT素子)を備える半導体装置が提案されている。
特許文献1に示される半導体装置では、IGBT素子と転流ダイオード素子の形成領域(素子形成領域)の裏面側表層に、p導電型(p+)のコレクタ領域、及び、n導電型(n+)のカソード領域が形成されている。また、素子形成領域を取り囲む周辺領域(外周領域)においても、半導体基板の裏面側表層全体に、p導電型のコレクタ領域、又は、p導電型のコレクタ領域とn導電型のカソード領域が形成されている。
特開2007−227806号公報
しかしながら、特許文献1に示されるように、外周領域の裏面側表層にコレクタ領域があると、IGBT素子の動作時に、素子形成領域におけるコレクタ領域だけでなく、外周領域におけるコレクタ領域からもn導電型(n−)の半導体基板にホール(正孔)が注入される。そして、外周領域から注入されたホールは、素子形成領域の表面側表層に形成された最も近いIGBT素子のエミッタ領域に向けて移動しようとする。しかしながら、外周領域におけるコレクタ領域から注入されたホールの移動距離は、素子形成領域におけるコレクタ領域から注入されたホールの移動距離に比べて長い。したがって、特に大電流駆動時においては、外周領域により多くのホールが滞留し、電界集中の原因となってIGBT素子や転流ダイオード素子よりも外周領域、又は、素子形成領域と外周領域の境界部で先に破壊に至ることとなる。
また、外周領域の裏面側表層にカソード領域があると、転流ダイオード素子の動作時に、外周領域におけるカソード領域からもn導電型(n−)の半導体基板に電子が注入されるため、電荷を平衡に保とう(中和しよう)として半導体基板に多量のホールが生じる。したがって、外周領域の裏面側表層にコレクタ領域が形成された場合と同様、特に大電流駆動時においては、外周領域により多くのホールが滞留し、電界集中の原因となって、IGBT素子や転流ダイオード素子よりも外周領域、又は、素子形成領域と外周領域の境界部で先に破壊に至ることとなる。このように、素子全体の耐量が、素子よりも先に破壊に至る外周領域、又は、素子形成領域と外周領域の境界部によって低いものとなってしまう。
本発明は上記問題点に鑑み、同一の半導体基板にIGBT素子と転流ダイオード素子が構成された半導体装置であって、素子耐量が向上された半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に請求項1に記載の発明は、第1導電型の半導体基板における外周領域に取り囲まれた素子形成領域に、表面側にゲート電極を有するIGBT素子と転流ダイオード素子を形成してなる半導体装置の製造方法であって、第1導電型の半導体ウェハにおける裏面全面の表層に、第1導電型、若しくは、第2導電型の第1不純物を注入する第1注入工程と、該第1注入工程後、半導体ウェハの裏面上に形成したマスクを介して、半導体ウェハの裏面側表層における素子形成領域内の所定位置に、第1不純物とは逆の導電型であって、注入した第1不純物を打ち消すのに必要となる以上の第2不純物を選択的に注入する第2注入工程と、第2注入工程後、半導体ウェハの裏面側における素子形成領域の部位のみにレーザーアニールを行い、注入された第1不純物及び第2不純物のうち、素子形成領域の裏面側表層の部分のみを活性化して、IGBT素子を構成する第2導電型のコレクタ領域と、転流ダイオード素子を構成する第1導電型のカソード領域とするアニール工程と、アニール工程後、半導体ウェハをダイシングし、外周領域に取り囲まれた素子形成領域を有する半導体基板とする工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、半導体ウェハの裏面のうち、素子形成領域の部位のみにレーザー光を照射する。これにより、第1不純物及び第2不純物のうち、レーザー光の照射された部位のみを電気的に活性化させ、IGBT素子のコレクタ領域及び転流ダイオード素子のカソード領域とする。また、第1不純物のうち、レーザー光の照射されない部位、すなわち外周領域の部位を、電気的に不活性の状態のままとする。したがって、半導体基板における裏面側の表層のうち、素子形成領域の裏面側表層のみに、IGBT素子を構成する第2導電型のコレクタ領域と、転流ダイオード素子を構成する第1導電型のカソード領域が形成された半導体装置を形成するに当たり、コレクタ領域とカソード領域を選択的に形成する際に用いるマスクを1枚のみとすることができる。すなわち、製造工程を簡素化することができる。
また、請求項2に記載のように、第1注入工程の前に、半導体ウェハにおいて、外周領域の裏面上を覆う第2マスクを介して半導体ウェハを裏面側からエッチングし、素子形成領域の厚さを外周領域の厚さよりも薄くするエッチング工程を備え、第1注入工程では、第2マスクを介して半導体ウェハの裏面表層に第1不純物を注入しても良い。
これによれば、半導体基板において、素子形成領域が、外周領域よりも厚さの薄い薄肉領域とされた上記半導体装置を形成することができる。また、素子形成領域の厚さを薄くするエッチング時の第2マスクを用いて、アニール後に素子形成領域の部位がコレクタ領域及びカソード領域のいずれかとなる第1不純物を注入する。したがって、製造工程を簡素化することができる。また、半導体基板の強度が確保されるため、薄い半導体ウェハ専用に用いる製造装置ではなく、一般的な(通常の)製造装置を用いることができる。さらには、半導体ウェハをダイシングする際に、外周領域が素子形成領域よりも厚肉となっているので、ダイシング時の基板割れや欠けを抑制することができる。
請求項3に記載のように、第1注入工程の前に、半導体ウェハの裏面表層に第1導電型の第3不純物を注入する工程を備え、アニール工程において、レーザーアニールにより、注入された第3不純物のうち、素子形成領域の裏面側表層の部分のみを活性化して、フィールドストップ層としても良い。
これによれば、素子形成領域の裏面側表層の部分のみにフィールドストップ層を備えた上記半導体装置を形成することができる。例えば、半導体基板の裏面が平坦な場合、半導体基板の裏面側にフィールドストップ層、コレクタ領域、カソード領域を形成する際のマスクを1枚とする、すなわち製造工程を簡素化することができる。また、素子形成領域を外周領域よりも薄くする場合、素子形成領域の厚さを薄くするエッチング時の第2マスクを用いて、アニール後に素子形成領域の部位がフィールドストップ層となる第3不純物を注入する。したがって、製造工程を簡素化することができる。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置において、素子形成領域と外周領域との位置関係を示す平面図である。また、図2は、図1に示すII−II線に沿う断面図である。本実施形態に示される半導体装置は、例えばEHV用インバータモジュールに使われるパワースイッチング素子として用いられる。
図1及び図2に示すように、半導体装置100は、第1導電型の半導体基板10を有しており、この半導体基板10には、素子形成領域30(図1に示す破線で囲まれた領域)と素子形成領域30を取り囲む環状の外周領域50とが構成されている。そして、図2に示すように、破線で囲まれた素子形成領域30には、転流ダイオード素子32(以下、FWD素子32と示す)を内蔵したIGBT素子31(所謂RC−IGBT素子)が形成されている。
本実施形態においては、半導体基板10として、例えば不純物濃度が1×1014cm−3程度とされたn導電型(n−)の単結晶バルクシリコン基板(FZウエハ)を採用しており、半導体基板10はダイシングされて厚さが全面略均一のチップとなっている。この半導体基板10の素子形成領域30における部分が、IGBT素子31のドリフト層及びFWD素子32(pn接合ダイオード)のカソードとして機能する。そして、半導体基板10における素子形成領域30の表面側表層に、p導電型(p)のベース領域11(pウェル)が選択的に形成されている。
ベース領域11は、IGBT素子31のチャネル領域及びFWD素子32のアノード領域として機能する。このベース領域11の表面側表層には、n導電型(n+)のエミッタ領域12が選択的に形成されている。本実施形態において、エミッタ領域12は、厚さ0.5μm程度、不純物濃度が1×1019cm−3程度となっている。そして、エミッタ領域12は、例えばアルミニウム系材料を用いて構成された表面電極13と電気的に接続されている。また、ベース領域11は、例えば表面側表層に形成された図示されないp導電型(p+)のベースコンタクト(例えば厚さ0.8μm程度、濃度が1×1019cm−3程度)を介して、表面電極13と電気的に接続されている。
半導体基板10の表面上には、図示されない絶縁膜を介して、ベース領域11におけるチャネルが形成される領域を跨ぐようにゲート電極14が形成されている。すなわち、本実施形態においては、IGBT素子のゲート電極14が所謂プレーナ構造となっている。
また、半導体基板10における外周領域50の表面側表層には、素子形成領域30を取り囲むように、電界集中抑制部としてのp導電型(p)のガードリング15が形成されている。このようにガードリング15を採用すると、半導体基板10とベース領域11との間のpn接合への逆バイアス印加により形成される空乏層が、IGBT素子31の周辺へ広がりやすくなり、素子形成領域の端部における電界集中を抑制することができる。本実施形態において、ガードリング15は、ベース領域11と同程度の不純物濃度であって、同程度の深さに形成されている。なお、図2においては、1つの環状のガードリング15のみが図示されているが、素子形成領域30を取り囲むようにガードリング15が多重に形成された構成としても良い。また、多重に形成されたガードリング15の一部が表面電極13と電気的に接続され、残りのガードリング15がフローティング状態(浮遊電位)とされた構成としても良い。
次に、半導体基板10における素子形成領域30の裏面側表層には、チャネルが形成される領域に対応して、p導電型(p+)のコレクタ領域16が選択的に形成されている。本実施形態において、コレクタ領域16は、厚さ0.5μm程度、濃度が1×1018cm−3程度となっている。また、素子形成領域30の裏面側表層には、コレクタ領域16の形成範囲を除いて(図示されないベースコンタクトに対応して)、n導電型(n+)のカソード領域17が選択的に形成されている。本実施形態において、カソード領域17は、厚さ0.5μm程度、濃度が1×1018cm−3程度となっている。そして、コレクタ領域16及びカソード領域17は、例えばアルミニウム系材料を用いて構成された裏面電極18と電気的に接続されている。この裏面電極18は、半導体基板10における裏面上全面に形成されている。
このように、半導体基板10の素子形成領域30では、IGBT素子31とFWD素子32が一体的に構成されている。そして、FWD素子32のアノード電極とIGBT素子31のエミッタ電極が表面電極13として共通化され、FWD素子32のカソード電極とIGBT素子31のコレクタ電極とが裏面電極18として共通化されている。
また、本実施形態においては、図2に示すように、半導体基板10の厚さ方向において、ドリフト層としての半導体基板10とコレクタ領域16及びカソード領域17との間に、n導電型(n)のフィールドストップ層19が形成されている。このようにIGBT素子31として、空乏層を止めるフィールドストップ層19を備えたIGBT素子を採用すると、他の構造(パンチスルー型、ノンパンチスルー型)に比べて、半導体基板10(半導体装置100)の厚さを薄くすることができる。これにより、過剰キャリアが少なく、空乏層が伸びきった状態での中性領域の残り幅が少ないため、SW損失を低減することができる。
なお、本実施形態においては、素子形成領域30のみでなく、外周領域50の裏面側にもフィールドストップ層19が形成されている。すなわち、半導体基板10における外周領域50の裏面側表層には、コレクタ領域16及びカソード領域17が存在せずに、フィールドストップ層19のみが形成されている。そして、外周領域50においては、フィールドストップ層19上に裏面電極18が配置されている。
次に、半導体装置100におけるIGBT素子31の動作について説明する。表面電極13と裏面電極18との間に所定のコレクタ電圧を、表面電極13とゲート電極14との間に所定のゲート電圧を印加する(すなわち、ゲートをオンする)と、エミッタ領域12と半導体基板10との間のベース領域11の部分がn型に反転してチャネルが形成される。このチャネルを通じて、表面電極13より半導体基板10に電子が注入される。そして、注入された電子により、コレクタ領域16と半導体基板10が順バイアスされ、これによりコレクタ領域16からホールが注入されて半導体基板10の抵抗が大幅に下がり、IGBT素子31の電流容量が増大する。また、表面電極13とゲート電極14との間に印加されていたゲート電圧を0V又は逆バイアス(すなわち、ゲートをオフする)と、n型に反転していたチャネル領域がp型の領域に戻り、表面電極13からの電子の注入が止まる。この注入停止により、コレクタ領域16からのホールの注入も止まる。その後、半導体基板10に蓄積されていたキャリア(電子とホール)が、それぞれ表面電極13と裏面電極18から排出されるか、又は、互いに再結合して消滅する。
また、半導体装置100におけるFWD素子32の動作について説明する。上記したように、エミッタ電極としての表面電極13がアノード電極も兼ねており、表面電極13と電気的に接続されたベース領域11の一部がFWD素子32のアノード領域として機能する。そして、表面電極13と半導体基板10との間にアノード電圧(順バイアス)を印加し、アノード電圧が閾値を超えると、アノード領域と半導体基板10が順バイアスされ、FWD素子32が導通する。具体的には、負荷Lに蓄積されたエネルギーにより、上記したIGBT素子31にコレクタ電圧が印加されると、上記アノード領域とカソード領域17(半導体基板10も含む)との間に形成されるFWD素子32が導通し、電流が流れる。なお、表面電極13と半導体基板10との間に逆バイアスを印加すると、アノード領域より空乏層が半導体基板10側へ伸びることで、逆方向耐圧を保持することができる。
このように、本実施形態に係る半導体装置100では、IGBT素子31を構成するコレクタ領域16と、FWD素子32を構成するカソード領域17を、半導体基板10における裏面側の表層のうち、素子形成領域30の裏面側表層のみに設けている。換言すれば、素子形成領域30を取り囲む外周領域50の裏面側表層には、コレクタ領域16やカソード領域17が存在していない。したがって、IGBT素子31の動作時においても、外周領域50の裏面側表層にホールを注入するコレクタ領域16がないため、外周領域50にホールが殆んど滞留しない。すなわち、外周領域50においてホールによる電界集中が生じないので、素子耐量を向上させることができる。また、FWD素子32の動作時においても、外周領域50の裏面側表層に電子を注入するカソード領域17がないため、電荷を平衡に保とう(中和しよう)として外周領域50に多量のホールが生じることはない。すなわち、外周領域50にホールが殆んど滞留せず、外周領域50においてホールによる電界集中が生じないので、素子耐量を向上させることができる。
なお、本実施形態に示した半導体装置100は、例えば以下に示す製造方法によって形成することができる。先ず、所定厚さ(例えば600μm)の半導体ウェハを準備する。本実施形態においては、半導体ウェハとして、n導電型(n−)の単結晶バルクシリコン基板(FZウエハ)を準備する。そして、半導体ウェハの表面側から、各素子31,32のうちの表面側部分(ベース領域11、エミッタ領域12など)とガードリング15などを、例えばイオン注入によって形成する。また、半導体ウェハの表面上に、各素子31,32の電極(表面電極13、ゲート電極14)や絶縁膜、配線などを周知の半導体プロセスによって形成する。
表面側のプロセス終了後、半導体ウェハを裏面側から除去して薄板化する。この除去方法としては、機械的な研磨やエッチングなどを採用することができる。本実施形態においては先ず機械的な研磨(所謂CMP)を実施し、研磨後に研磨によるダメージ層を除去するために、研磨面をウェットエッチングするようにしている。これにより、半導体ウェハの厚さが、ダイシング後の半導体基板10とほぼ同じ厚さとなる。
薄板化処理後、半導体ウェハにおける裏面側から、フィールドストップ層19や、各素子31,32のうちの裏面側部分(コレクタ領域16、カソード領域17など)を、例えばイオン注入によって形成する。本実施形態においては、先ず、半導体ウェハの裏面全面(素子形成領域30及び外周領域50)に、フィールドストップ層19となるn導電型の不純物(特許請求の範囲に記載の第3不純物に相当)をイオン注入する。そして、半導体ウェハの裏面上に外周領域50の部位を覆う図示しないマスクを形成し、該マスクを介して、注入された第3不純物層の表層のうちの素子形成領域30全域に、n導電型の不純物(特許請求の範囲に記載の第1不純物に相当)をイオン注入する。次に、上記マスクとは異なり、素子形成領域30の一部のみが露出する図示しないマスク(特許請求の範囲に記載の第1マスクに相当)を介して、注入された第3不純物層の表層のうちの素子形成領域30の部位内の所定位置に、p導電型の不純物(特許請求の範囲に記載の第2不純物に相当)をイオン注入する。このとき、先に注入したn導電型の不純物を打ち消すのに必要となるイオン注入量よりも多いp導電型の不純物を注入する。そして、半導体ウェハの裏面全面の表層をアニールし、上記不純物をそれぞれ活性化させて、第2不純物からなるコレクタ領域16、第1不純物からなるカソード領域17、及び第3不純物からなるフィールドストップ層19とする。
このように、半導体ウェハの裏面表層における素子形成領域30全域にn導電型の不純物をイオン注入してから選択的にp導電型の不純物をイオン注入し、アニールにより活性化させてコレクタ領域16とカソード領域17を形成すると、コレクタ領域16とカソード領域17との間にフォトリソグラフィのアライメントずれによる隙間が生じることがない。また、コレクタ領域16とカソード領域17が重なって、不純物濃度の異なる領域が生じるのを防止することができる。
そして、半導体ウェハの裏面上に、各素子31,32の電極(裏面電極18)を周知の半導体プロセスによって形成し、裏面側のプロセス終了後、半導体ウェハを、外周領域50における図示しない一部でダイシングして半導体基板10に切り分ける(チップ化する)ことにより、図1及び図2に示す半導体装置100を得ることができる。
なお、上記方法では、薄板化処理の前に、表面側のプロセスを実施する例を示したが、薄板化処理の後に、表面側のプロセスと裏面側のプロセスを順次実施するようにしても良い。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図3及び図4に基づいて説明する。図3は、第2実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図であり、第1実施形態に示した図2に対応している。図4は、半導体ウェハにおけるレーザー光の照射エリアを示す平面図である。
第2実施形態に係る半導体装置及びその製造方法は、第1実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態においては、フィールドストップ層19が、半導体基板10の裏面全面に形成されている例を示した。また、半導体ウェハの裏面における外周領域50の部位を覆うマスクを介して、素子形成領域30全域にn導電型の不純物をイオン注入した後、上記マスクとは別のマスクを介して、素子形成領域30の部位内の所定位置に、p導電型の不純物を選択的にイオン注入する。そして、半導体ウェハの裏面全面の表層をアニールし、上記不純物をそれぞれ活性化させて、第2不純物からなるコレクタ領域16、第1不純物からなるカソード領域17とする例を示した。すなわち、第1実施形態では、コレクタ領域16とカソード領域17の形成に際し、2枚のマスクを用いる例を示した。
これに対し、本実施形態においては、フィールドストップ層19が、半導体基板10における素子形成領域30のみに形成されている点を構造的な特徴とする。また、1枚のマスクのみを用いて、コレクタ領域16、カソード領域17及び、フィールドストップ層19を形成する点を製造方法としての特徴とする。
図3に示す半導体装置100は、第1実施形態に示した半導体装置100と殆ど同じ構造となっている。異なる点は、フィールドストップ層19が、半導体基板10における裏面側の表層のうち、素子形成領域30のみに形成され、外周領域50には存在しない点である。なお、図3に示す符号20は、上記した第1不純物と第3不純物が注入されたものの、アニールされずに電気的に不活性のままとされた不活性領域である。
第1実施形態(図2参照)で示したように、フィールドストップ層19が半導体基板10の裏面表層における外周領域50の部位にも形成されていると、FWD素子32の動作時において、フィールドストップ層19から半導体基板10に多少なりとも電子が注入されるため、電荷を平衡に保とうとして半導体基板10にホールが生じることとなる。これに対し、本実施形態では、フィールドストップ層19が、半導体基板10の裏面表層における素子形成領域30の部位のみに形成されている。換言すれば、素子形成領域30を取り囲む外周領域50には、フィールドストップ層19が存在していない。したがって、FWD素子32の動作時において、半導体基板10への電子の注入がより低減され、これにより素子耐量をさらに向上させることができる。
次に、上記した半導体装置100の製造方法を説明する。半導体ウェハの裏面全面(素子形成領域30及び外周領域50)に、n導電型の不純物(上記した第3不純物)をイオン注入するところまでは、第1実施形態に示した製造方法と同じである。
この第3不純物の注入後、本実施形態では、半導体ウェハの裏面全面(素子形成領域30及び外周領域50)に、上記第3不純物による層よりも浅くn導電型の不純物(上記した第1不純物)をイオン注入する。すなわち、第3不純物層の表層に第1不純物層を形成する。
次いで、半導体ウェハの裏面上に、外周領域50及び素子形成領域30の一部を覆う図示しないマスク(上記した第1マスク)を形成し、該マスクを介して、素子形成領域30の部位内の所定位置に、上記第3不純物による層よりも浅くp導電型の不純物(上記した第2不純物)をイオン注入する。このとき、先に注入したn導電型の不純物を打ち消すのに必要となるイオン注入量よりも多いp導電型の不純物を注入する。すなわち、第3不純物層の表層に第2不純物層を形成する。
そして、上記イオン注入の終了後、半導体ウェハの裏面表層のうち、素子形成領域30の部位のみを選択的にアニールし、素子形成領域30に注入された不純物を活性化させる。具体的には、半導体ウェハの裏面のうち、素子形成領域30の部位のみにレーザー光を照射し、イオン注入した各不純物(第1不純物〜第3不純物)のうち、レーザー光の照射された部位のみを電気的に活性化させる。これにより、裏面全面に注入された第1不純物のうちの素子形成領域30の部位のみが選択的に活性化され、FWD素子32のカソード領域17となる。同様に、素子形成領域30内に注入された第2不純物が活性化され、IGBT素子31のコレクタ領域16となる。さらには、裏面全面に注入された第3不純物のうちの素子形成領域30の部位のみが選択的に活性化され、フィールドストップ層19となる。なお、第1不純物及び第3不純物のうち、外周領域50の部位は、レーザー光が照射されず、不純物が電気的に活性化されない不活性領域20となる。
このようにレーザーアニールを採用すると、図4に示すように、レーザー光の照射エリア101を適宜設定することで、半導体ウェハ102のチップ領域100a(ダイシング後の半導体装置100)における素子形成領域30のみを選択的にアニールするとともに、各チップ領域100aの素子形成領域30を順次アニールすることができる。
そして、第1実施形態同様、裏面電極18やダイシングを経ることで、図3に示す半導体装置100を得ることができる。
このように本実施形態によれば、半導体ウェハの裏面のうち、素子形成領域30の部位のみにレーザー光を照射する。これにより、第1不純物及び第2不純物のうち、レーザー光の照射された部位のみを電気的に活性化させ、IGBT素子31のコレクタ領域16及びFWD素子32のカソード領域17とする。また、第1不純物のうち、レーザー光の照射されない部位、すなわち外周領域50の部位を、電気的に不活性の状態のままとする。したがって、半導体基板10における裏面側の表層のうち、素子形成領域30の裏面側表層のみに、コレクタ領域16とカソード領域17を選択的に形成する際のマスクを1枚のみ(上記した第1マスクのみ)とすることができる。すなわち、製造工程を簡素化することができる。
また、本実施形態では、レーザーアニールによって、第1不純物の一部及び第2不純物を活性化させるとともに、第3不純物のうちの素子形成領域30の部位のみを選択的に活性化させて、フィールドストップ層19とする。したがって、半導体基板10の裏面側にフィールドストップ層19、コレクタ領域16、カソード領域17を形成する際のマスクを1枚のみ(上記した第1マスクのみ)とすることができる。すなわち、製造工程を簡素化することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図5に基づいて説明する。図5は、第3実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図であり、第1実施形態に示した図2に対応している。
第3実施形態に係る半導体装置及びその製造方法は、上記した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態においては、半導体装置100を構成する半導体基板10の厚さが、IGBT素子31やFWD素子32の構成された素子形成領域30と、素子形成領域30を取り囲む外周領域50とで略均一とされる例を示した。これに対し、本実施形態においては、素子形成領域30の厚さが、外周領域50の厚さよりも薄くされている点を第1の特徴とする。また、第2実施形態同様、フィールドストップ層19が、半導体基板10における素子形成領域30のみに形成されている点を第2の特徴とする。さらには、1枚のマスクのみを用いて、コレクタ領域16及びカソード領域17を形成する点を製造方法としての特徴とする。なお、本実施形態に係る半導体装置の平面形状は、第1実施形態に示した構成(図1)と同じとなっている。
図5に示す半導体装置100においても、半導体基板10として、n導電型(n−)のバルク単結晶シリコン基板を採用しており、半導体基板10はダイシングされてチップとなっている。この半導体基板10は、互いに厚さの異なる複数の厚さ領域として、薄肉領域としての素子形成領域30と、薄肉領域(素子形成領域30)よりも厚さの厚い厚肉領域としての外周領域50を有している。
薄肉領域としての素子形成領域30の構成は、第1実施形態に示した半導体装置100と同様である。すなわち、素子形成領域30には、IGBT素子31とFWD素子32が構成されている。本実施形態においては、半導体基板10に対して裏面側から異方性エッチングが施され、薄肉領域としての素子形成領域30が、外周領域50よりも薄肉であって第1実施形態に示した半導体基板10と略同一の厚さとなっている。
厚肉領域としての外周領域50は、素子形成領域30と連結される側(内周側)の端部(エッチング面)が、図5に示すように、素子形成領域30から外周側に向けて肉厚が徐々に厚くなるテーパ状の部位(以下、テーパ部と示す)となっている。そして、このテーパ部よりも外周側の部位が、厚さ略均一の厚肉部となっている。
また、本実施形態においても、第2実施形態(図3参照)同様、素子形成領域30を取り囲む外周領域50の裏面側表層に、コレクタ領域16やカソード領域17が存在しないだけでなく、フィールドストップ層19も存在しない構成となっている。さらに、コレクタ電極とカソード電極を兼ねる裏面電極18が、半導体基板10における素子形成領域30の裏面21上のみに配置され、外周領域50の裏面(テーパ部の表面22及び厚肉部の裏面23)上には配置されない構成となっている。
このように、本実施形態に係る半導体装置100においても、第1実施形態同様、IGBT素子31を構成するコレクタ領域16と、FWD素子32を構成するカソード領域17を、半導体基板10における裏面側の表層のうち、素子形成領域30の裏面側表層のみに設けている。換言すれば、素子形成領域30を取り囲む外周領域50の裏面側表層には、コレクタ領域16やカソード領域17が存在していない。したがって、IGBT素子31の動作時においても、外周領域50の裏面側表層にホールを注入するコレクタ領域16がないため、外周領域50にホールが殆んど滞留しない。すなわち、外周領域50においてホールによる電界集中が生じないので、素子耐量を向上させることができる。また、FWD素子32の動作時においても、外周領域50の裏面側表層に電子を注入するカソード領域17がないため、電荷を平衡に保とう(中和しよう)として外周領域50に多量のホールが生じることはない。すなわち、外周領域50にホールが殆んど滞留せず、外周領域50においてホールによる電界集中が生じないので、素子耐量を向上させることができる。
なお、半導体基板10の表面上に配置された表面電極13と裏面上に配置された裏面電極18との間に電流が流れるように構成された両面電極素子のオン抵抗は、チップ化された半導体基板10の厚さが薄いほど低くすることができる。しかしながら、第1実施形態に示したように、半導体基板10(又は半導体ウェハ)全体を略均一な薄い厚さとすると、力学的強度が不足し、ダイシング時やダイシング後の搬送時などで割れが生じる恐れがある。また、力学的強度を確保しようとすると、半導体基板10が厚くなり、オン抵抗を所望の値まで下がることが困難となる。これに対し、本実施形態では、半導体基板10が、互いに厚さの異なる複数の厚さ領域として、薄肉領域としての素子形成領域30と、厚肉領域としての外周領域50を有している。したがって、素子のオン抵抗が低減され、且つ、半導体基板10の力学的強度が向上されている。
また、ダイシング後のチップ化された半導体基板10においては、半導体基板10の端部から割れが生じ易い。これに対し、本実施形態においては、素子形成領域30を取り囲む環状の外周領域50が、素子形成領域30よりも肉厚の厚肉領域となっている。したがって、ダイシング後のチップ化された半導体基板10に割れが生じにくくなっている。また、厚肉領域としての外周領域50が環状に設けられているので、チップ化された半導体基板10を、図示しない回路基板などに搭載する際の搭載性が向上されている。さらには、半導体ウェハ(半導体基板10)の強度が確保されるため、薄い半導体ウェハ専用に用いる製造装置ではなく、一般的な(通常の)製造装置を用いて、半導体装置100を形成することができる。
また、本実施形態においても、第2実施形態同様、フィールドストップ層19が、半導体基板10の裏面表層における素子形成領域30の部位のみに形成されている。換言すれば、素子形成領域30を取り囲む外周領域50には、フィールドストップ層19が存在していない。したがって、FWD素子32の動作時において、半導体基板10への電子の注入がより低減され、これにより素子耐量をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態に示した半導体装置100は、例えば以下に示す製造方法によって形成することができる。表面側プロセスまでは第1実施形態に示した製造方法と同じである。表面側プロセス後、裏面側のプロセスの前に、半導体ウェハを裏面側から選択的にエッチングして、半導体ウェハにおける素子形成領域30の肉厚を、外周領域50の肉厚よりも薄くする。エッチング方法は特に限定されるものではないが、好ましくはウェットやドライの異方性エッチングを採用すると良い。本実施形態においては、外周領域50の厚肉部となる部位の裏面(図5に示す半導体装置100の符号23の部位)上を被覆するマスク(特許請求の範囲に記載の第2マスクに相当)を形成し、該マスクを介して、例えばKOH水溶液による異方性のウェットエッチングを施すことにより、半導体ウェハにおけるマスクから露出された部分を、裏面側から部分的に除去する。これにより、半導体ウェハをダイシングした後の各半導体基板10(チップ)においても、薄肉領域である素子形成領域30と厚肉領域である外周領域50(テーパ部含む)とを含む構成となる。
エッチング工程後、半導体ウェハにおける裏面側から、フィールドストップ層19や、各素子31,32のうちの裏面側部分(コレクタ領域16、カソード領域17など)を、例えばイオン注入によって形成する。本実施形態においては、先ず、上記エッチングに用いたマスクを介して、半導体ウェハにおけるマスクから露出された部位(図5に示す、素子形成領域30の裏面21とテーパ部の裏面22に相当)に、n導電型の不純物(上記した第3不純物)をイオン注入する。そして、第3不純物の注入後、上記エッチングに用いたマスクを介して、半導体ウェハにおけるマスクから露出された部位に、上記第3不純物による層よりも浅くn導電型の不純物(上記した第1不純物)をイオン注入する。すなわち、第3不純物層の表層に第1不純物層を形成する。
次いで、半導体ウェハの裏面上に、エッチングに用いたマスクとは別の、外周領域50及び素子形成領域30の一部を覆う図示しないマスク(上記第1マスク)を形成し、該マスクを介して、素子形成領域30の部位内の所定位置に、上記第3不純物による層よりも浅くp導電型の不純物(上記した第2不純物)をイオン注入する。すなわち、第3不純物層の表層に第2不純物層を形成する。
そして、上記イオン注入の終了後、第2実施形態同様、半導体ウェハの裏面表層のうち、素子形成領域30の部位のみを選択的にアニールし、不純物を活性化させる。具体的には、半導体ウェハの裏面のうち、素子形成領域30の部位のみにレーザー光を照射し、イオン注入した各不純物(第1不純物〜第3不純物)のうち、レーザー光の照射された部位のみを電気的に活性化させる。これにより、裏面全面に注入された第1不純物のうちの素子形成領域30の部位のみが選択的に活性化され、FWD素子32のカソード領域17となる。同様に、素子形成領域30内に注入された第2不純物が活性化され、IGBT素子31のコレクタ領域16となる。さらには、裏面全面に注入された第3不純物のうちの素子形成領域30の部位のみが選択的に活性化され、フィールドストップ層19となる。なお、第1不純物及び第3不純物のうち、外周領域50の部位は、レーザー光が照射されず、不純物が電気的に活性化されない不活性領域20となる。
そして、第1実施形態同様、裏面電極18やダイシングを経ることで、図3に示す半導体装置100を得ることができる。
このように、本実施形態においても、半導体ウェハの裏面のうち、素子形成領域30の部位のみにレーザー光を照射する。これにより、第1不純物及び第2不純物のうち、レーザー光の照射された部位のみを電気的に活性化させ、IGBT素子31のコレクタ領域16及びFWD素子32のカソード領域17とする。また、第1不純物のうち、レーザー光の照射されない部位、すなわち外周領域50の部位を、電気的に不活性の状態のままとする。したがって、半導体基板10における裏面側の表層のうち、素子形成領域30の裏面側表層のみに、コレクタ領域16とカソード領域17を選択的に形成する際のマスクを1枚のみ(上記した第1マスクのみ)とすることができる。すなわち、製造工程を簡素化することができる。
また、レーザーアニールによって、第1不純物の一部及び第2不純物を活性化させるとともに、第3不純物のうちの素子形成領域30の部位のみを選択的に活性化させて、フィールドストップ層19とする。したがって、半導体基板10の裏面側にフィールドストップ層19、コレクタ領域16、カソード領域17を形成する際のマスクを1枚のみ(上記した第1マスクのみ)とすることができる。すなわち、製造工程を簡素化することができる。
なお、素子形成領域30の厚さを外周領域50よりも薄くするエッチング時の第2マスクを用いて、第1不純物と第3不純物を注入する。したがって、外周領域50よりも薄肉の素子形成領域30を有し、素子形成領域30のみにフィールドストップ層19、コレクタ領域16、カソード領域17が形成された半導体装置100を形成するに当たり、マスクの数を低減し、製造工程を簡素化することができる。
なお、上記方法では、エッチング工程の前に、表面側のプロセスを実施する例を示したが、エッチング工程の後に、表面側のプロセスと裏面側のプロセスを順次実施するようにしても良い。
また、外周領域50よりも薄肉の素子形成領域30を有し、素子形成領域30のみにフィールドストップ層19、コレクタ領域16、カソード領域17が形成された半導体装置100の形成方法としては、第1実施形態に示したように、エッチングに用いるマスク(第2マスク)とは別のマスクを介して、第1不純物を素子形成領域30のみに選択的に注入する方法を採用することもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態においては、半導体基板10の裏面側表層にフィールドストップ層19が形成される例を示した。すなわち、IGBT素子31として、フィールドストップ型のIGBT素子の例を示した。しかしながら、半導体基板10にフィールドストップ層19が形成されない構成を採用することもできる。このような構成においても、第2実施形態や第3実施形態に示した製造方法によれば、コレクタ領域16及びカソード領域17の形成に用いるマスクを1枚のみ(上記した第1マスクのみ)とし、製造工程を簡素化することができる。
本実施形態においては、IGBT素子31のゲート電極14の構造として、プレーナ構造の例を示した。しかしながら、トレンチ構造やコンケーブ構造を採用することができる。例えば、トレンチ構造の場合、半導体基板10の表面よりベース領域11を貫通し、底面が半導体基板10に達するトレンチが選択的に形成され、トレンチ底面及び側面上に形成されたゲート絶縁膜(図示略)を介してトレンチ内に例えば不純物濃度が1×1020cm−3程度のポリシリコンが充填され、ゲート電極14が構成される。そして、ゲート電極14の側面に接して、エミッタ領域12が形成される。
本実施形態においては、特許請求の範囲に記載の第1導電型をn導電型、第2導電型をp導電型とする例(nチャネルのIGBT素子31を有する構成の例)を示した。しかしながら、第1導電型をp導電型、第2導電型をn導電型(pチャネルのIGBT素子31を有する構成)としても良い。
第1実施形態に係る半導体装置において、素子形成領域と外周領域との位置関係を示す平面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 第2実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。 半導体ウェハにおけるレーザー光の照射エリアを示す平面図である。 第3実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
10・・・半導体基板
16・・・コレクタ領域
17・・・カソード領域
18・・・裏面電極
19・・・フィールドストップ層
30・・・素子形成領域
31・・・IGBT素子
32・・・FWD素子(転流ダイオード素子)
50・・・外周領域
100・・・半導体装置

Claims (3)

  1. 第1導電型の半導体基板における外周領域に取り囲まれた素子形成領域に、表面側にゲート電極を有するIGBT素子と転流ダイオード素子を形成してなる半導体装置の製造方法であって、
    第1導電型の半導体ウェハにおける裏面全面の表層に、第1導電型、若しくは、第2導電型の第1不純物を注入する第1注入工程と、
    該第1注入工程後、前記半導体ウェハの裏面上に形成した第1マスクを介して、前記半導体ウェハの裏面側表層における前記素子形成領域内の所定位置に、前記第1不純物とは逆の導電型であって、注入した前記第1不純物を打ち消すのに必要となるイオン注入量よりも多い第2不純物を選択的に注入する第2注入工程と、
    前記第2注入工程後、前記半導体ウェハの裏面側における素子形成領域の部位のみにレーザーアニールを行い、注入された前記第1不純物及び前記第2不純物のうち、前記素子形成領域の裏面側表層の部分のみを活性化して、前記IGBT素子を構成する第2導電型のコレクタ領域と、前記転流ダイオード素子を構成する第1導電型のカソード領域とするアニール工程と、
    前記アニール工程後、前記半導体ウェハをダイシングし、前記外周領域に取り囲まれた前記素子形成領域を有する前記半導体基板とする工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1注入工程の前に、前記半導体ウェハにおいて、前記外周領域の裏面上を覆う第2マスクを介して前記半導体ウェハを裏面側からエッチングし、前記素子形成領域の厚さを前記外周領域の厚さよりも薄くするエッチング工程を備え、
    前記第1注入工程では、前記第2マスクを介して前記半導体ウェハの裏面表層に前記第1不純物を注入することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1注入工程の前に、前記半導体ウェハの裏面表層に第1導電型の第3不純物を注入する工程を備え、
    前記アニール工程において、前記レーザーアニールにより、注入された前記第3不純物のうち、前記素子形成領域の裏面側表層の部分のみを活性化して、フィールドストップ層とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
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