JP2009130075A - 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のNPT−IGBTは、基板トータル厚みが薄いため、製造工程中の割れ不良の発生が多く、歩留まりが悪く、割れ不良を回避してスイッチング特性を向上させた絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】p++型半導体層3とn−型半導体層1を積層し、その境界に絶縁領域2を選択的に配置する。絶縁領域がp++型半導体層からn−型半導体層に注入されるホールのバリア層となるので、p++型半導体層の不純物濃度が高く厚みが厚い場合でも、n−型半導体層中のホール注入量を制御(抑制)可能となる。その結果オフ時のホール引き抜き時間を短縮でき、スイッチング特性(速度)を向上させることができ、基板厚みを厚く維持できるので、割れ不良の発生を防止できる。更にライフタイムキラーを用いないので、スイッチング特性の温度特性を安定させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】p++型半導体層3とn−型半導体層1を積層し、その境界に絶縁領域2を選択的に配置する。絶縁領域がp++型半導体層からn−型半導体層に注入されるホールのバリア層となるので、p++型半導体層の不純物濃度が高く厚みが厚い場合でも、n−型半導体層中のホール注入量を制御(抑制)可能となる。その結果オフ時のホール引き抜き時間を短縮でき、スイッチング特性(速度)を向上させることができ、基板厚みを厚く維持できるので、割れ不良の発生を防止できる。更にライフタイムキラーを用いないので、スイッチング特性の温度特性を安定させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタおよびその製造方法に係り、特に割れ不良を回避してスイッチング特性を向上させた絶縁ゲート型バイポーラトランジスタおよびその製造方法に関する。
図6から図8を参照し、従来の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタとしてnチャネル型のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を例に説明する。IGBTは高耐圧を必要とする領域において、損失を小さくすることができる素子である。
IGBTの基本構造として、パンチスルー型IGBT(以下、PT−IGBT)と、ノンパンチスルー型IGBT(以下NPT−IGBT)とがある。
PT−IGBTは基板の構成として、例えばnチャネル型の場合にはコレクタ層となるp+型半導体層の上に、n+型バッファ層とn型ベース層とを有する。あるいは厚いp+型半導体層の上にn型ベース層を有する。そしてn型ベース層表面に素子領域が形成される。
PT−IGBTはE端子−C端子間に所定の電圧を印加すると、空乏層がn型ベース層中を広がりn+型バッファ層に達する。
一方、NPT−IGBTは基板の構成として一般にn+型バッファ層は有さず、すなわちコレクタ層となるp+型半導体層の上にn型ベース層が接している。NPT−IGBTのnベース層は、浮遊帯溶融(FZ)結晶であり、p+型半導体層部分は、その基板にアクセプタ型不純物をイオン注入し拡散熱処理して形成される。(例えば特許文献1参照)。
図6を参照して、従来のNPT−IGBTについてトレンチ構造のnチャネル型NPT−IGBTを例に説明する。
コレクタ層となるp+型半導体層61の上にn−型半導体層51が積層され、n型半導体層51表面にはIGBTのトランジスタセルが多数配置された素子領域Eが設けられる。素子領域Eの詳細は後述する。
n−型半導体層は、例えば比較的低濃度(n−型)のFZ結晶基板51であり、p+型半導体層61はFZ結晶基板51の裏面に設けられた高濃度のp型不純物拡散領域である。p+型半導体層61を覆って、コレクタ電極62が設けられる。NPT−IGBTの基板(p+型半導体層61およびn型半導体層51)のトータルの厚みt4は、例えば600Vの耐圧の場合100μm程度である。
図7および図8を参照して、上記のNPT−IGBTの製造方法について説明する。
厚みt3が、例えば625μm程度のn−型FZ結晶基板51を準備する(図7(A))。
基板51表面に、所望の不純物拡散等によりIGBTのトランジスタセルが多数配置された素子領域Eを形成する。
すなわち、基板51の表面にp型のチャネル層53を形成する。チャネル層53を貫通するトレンチ54を形成し、トレンチ54内にゲート絶縁膜55を形成する。トレンチ54内に不純物がドープされたポリシリコンを埋設してゲート電極56を形成し、チャネル層53表面にn+型エミッタ領域57およびp+型ボディ領域58を形成すると共にゲート電極56上を覆う層間絶縁膜59を形成し、エミッタ電極60を形成する(図7(B))。
基板51の裏面をバックグラインド(以下B/G)研削する。基板51の厚みt4は、例えば100μm程度である(図8(A))。
その後、基板51の裏面にp型不純物をイオン注入した後(図8(B))、熱処理により拡散してp+型半導体層61を形成する。その後、裏面にコレクタ電極62を形成し、図6に示す最終構造を得る。
特開平7−321304号公報
NPT−IGBTは一般に、高速スイッチング動作、高破壊耐量であるが飽和電圧VCE(sat)が高い特性を有する。これは、n−型半導体層51に結晶性の良好なFZ結晶基板等を採用することにより、n−型半導体層51内に注入されるホールの量が比較的少なくても、ホールの輸送効率を高めることが可能である構造に起因する。特に、オフ時のホールの引き抜きが早いため、高速スイッチング動作には有利である。
またNPT−IGBTでは、n−型半導体層とp+型半導体層の厚みはいずれもIGBTの特性を決定する上で重要であり、裏面B/G工程において、総ウエハ厚を極めて薄くする必要がある。
たとえば、図6に示す従来構造において、600V〜1500Vの耐圧の場合、NPT−IGBTの総ウエハ厚t4は、例えば100μm〜170μm程度である。このような薄いウエハの取り扱いは困難であり、B/G研削後のp型不純物のイオン注入工程や、アニール処理、裏面の金属蒸着(コレクタ電極)形成工程などの製造工程中に割れ不良が発生しやすく、歩留まりが悪いという問題点があった。
一方、PT−IGBTは一般に、p++型半導体層の不純物濃度を非常に高濃度で且つその厚みを厚くにすることにより、ホールを多量にn−型半導体層に注入することで、低い飽和電圧飽和電圧VCE(sat)を実現できるが、オフ時にホールの引き抜きに時間がかかるため、スイッチング動作が遅く、破壊耐量も低い特性を有する。
またPT−IGBTは、n−型基板とn型バッファ層の厚みが特性を決定する上で重要となるが、p++型半導体層は所望の厚みを選択できる。つまり、製造工程上割れ不良を回避できる程度の厚みを維持することが可能である。
つまり、PT−IGBTはその構造上、製造工程中の取り扱いが容易である反面、高速スイッチング動作および高破壊耐量の要求に応えるには不十分である。
そこで、PT−IGBTにライフタイムキラー(Pt等の不純物イオン)を導入することで、n−型半導体層内のホール量を減少させ、製造工程上の取り扱いが容易な基板厚みのまま、NPT−IGBTと同様の特性を得る(特に高速スイッチングを可能にする)手法も知られている。しかし、ライフタイムキラーは温度特性に影響を与え、温度によりライフタイムキラーの効き方が悪くなり、スイッチングスピードが遅くなる。つまり半導体装置の長時間の使用により、装置の温度が高くなると、ホール量を減少させる効果が低減し、スイッチング動作等の特性が変動してしまう問題がある。
本発明はかかる課題に鑑みてなされ、第1に、一導電型半導体層と、該一導電型半導体層上に設けられた逆導電型半導体層と、該逆導電型半導体層の一主面に設けられた素子領域と、前記一導電型半導体層と前記逆導電型半導体層の境界付近に選択的に設けられた絶縁領域と、を具備することにより解決するものである。
第2に、一導電型半導体層を準備し、該一導電型半導体層表面に絶縁層を形成し、該絶縁層をパターンニングして前記一導電型半導体層上に選択的に絶縁領域を残存させる工程と、前記一導電型半導体層および前記絶縁領域上に逆導電型半導体層を形成する工程と、前記逆導電型半導体層表面に素子領域を形成する工程と、前記一導電型半導体層を所望の厚みに研削する工程と、前記一導電型半導体層に金属電極層を形成する工程と、を具備することにより解決するものである。
本発明によれば、第1に、p型(p++型)半導体層の厚みを割れ不良を回避できる程度に維持しつつ、高速スイッチング動作を可能にできる。
すなわち、コレクタ層であるp++型半導体層からドリフト層であるn型(n−型)半導体層に注入されるホール量を、選択的に設けた絶縁領域により制御する。p++型半導体層の厚みとその不純物濃度で総ホール量が決定するが、絶縁領域がバリア層になることで、p++型半導体層内のホール量が多くても、n−型半導体層への注入量が少なくなり、オフ時に短時間でホールの引き抜きが完了する。従って、高速スイッチングが可能となる。
これにより、p++型半導体層は、例えばn−型半導体層より厚く(従来のPT−IGBTと同程度)することが可能となり、製造工程中の割れ不良を回避でき、歩留まりを向上させることができる。
第2に、絶縁領域を、p++型半導体層とn−型半導体層の境界付近、特に、p++型半導体層に接して(例えば表面に)設けることにより、オフ時のホール引き抜き時間をより短縮できる。
第3に、ライフタイムキラーを採用しなくても、高速スイッチング動作が可能となる。ライフタイムキラーは温度依存が高く、装置が高温になると所望の高速スイッチング動作への寄与がばらつく問題がある。しかし、本実施形態では、ライフタイムキラーを用いないので、高速スイッチング動作の温度に対する依存性が安定する利点を有する。
本発明の実施の形態を、nチャネル型のトレンチ構造のIGBTを例に図1から図5を参照して説明する。
本実施形態のIGBT20は、一導電型半導体層3と、逆導電型半導体層1と、素子領域Eと、絶縁領域2とから構成される。
図1は、本実施形態のIGBT20の概略を示す図であり、図1(A)が断面図であり、図1(B)(C)が絶縁領域2のパターンを示す平面図である。
図1(A)を参照して、基板10は、逆導電型半導体層1と絶縁領域2と一導電型半導体層3からなる。
逆導電型半導体層1は、チョクラルスキー(CZ)結晶引き上げ法による単結晶基板からなる低濃度不純物(不純物濃度:1E14cm−3程度)のn型半導体層(以下n−型半導体層)であり、その一主面にはIGBTのセル(トランジスタの基本単位)が多数配置された素子領域Eが設けられる。すなわちn−型半導体層1はドリフト層となる。n−型半導体層1の厚みt21は、例えば50μmである。
尚、本実施形態のIGBTは素子領域Eの外周に所望の耐圧を確保するため、既知の終端領域を備えているが、図1以下の参照図面においては省略する。
一導電型半導体層3は、高濃度不純物(不純物濃度:1E19cm−3程度)のp型半導体層(以下p++型半導体層)であり、n−型半導体層1の素子領域Eが配置される一主面と対向する他の主面側と当接して設けられる。p++型半導体層3の厚みt22は、n−型半導体層1より厚く、たとえば150μmである。
絶縁領域2は、n−型半導体層1とp++型半導体層3の境界付近に設けられ、絶縁膜(例えば酸化膜)を所望の形状にパターンニングし、互いに等間隔で離間して複数配置される。
より具体的には、絶縁領域2は、p++型半導体層3のn−型半導体層1と接する表面に設けられ、n−型半導体層1は、p++型半導体層3または絶縁領域2と当接する。
素子領域Eに設けられるIGBTのセルは、以下の構成である。
ここでは、素子領域Eとはn−型半導体層1表面に設けられた、p型不純物領域であるチャネル層4の形成領域をいう。チャネル層4を貫通してn−型半導体層1に達する複数のトレンチ5が設けられ、トレンチ5内壁にはゲート絶縁膜(例えば酸化膜)6が設けられる。トレンチ5内には不純物をドープしたポリシリコン層などの導電層を埋設し、ゲート電極7を設ける。トレンチ5に隣接するチャネル層4の表面には高濃度のn型不純物領域であるエミッタ領域15が配置され、エミッタ領域15間のチャネル層4表面には高濃度のp型の不純物領域であるボディ領域17が設けられる。層間絶縁膜16は、少なくともゲート電極7上を覆い、全面にエミッタ電極18が設けられてボディ領域17およびエミッタ領域15とコンタクトする。また基板10の裏面には、金属蒸着等により、コレクタ電極19を設ける。
IGBTは、オン時に高濃度のp++型半導体層3からドリフト層となるn−型半導体層1にホールが注入され、n−型半導体層1内の伝導度変調によってドリフト層の抵抗が下がり、低抵抗で電流が流れる。
一方、オフ時には、n−型半導体層1内に存在する少数キャリア(ホール)を引き抜く(消滅させる)必要があり、この時間が速いほど良好なスイッチング特性が得られる。
本実施形態のIGBTは、p++型半導体層3上に絶縁領域20が選択的に配置されている。絶縁領域20は、p++型半導体層3からn−型半導体層1内に注入されるホール量を制御(低減)するバリア層である。
p++型半導体層3の不純物濃度が非常に高濃度(1E19cm−3程度)で厚みが例えば150μm(耐圧が600Vの場合)である。
このような場合、一般的には従来のPT−IGBTと同様の動作となりオフ時にn−型半導体層1内のホールの引き抜きに時間がかかるため、スイッチング速度が遅くなる問題がある。
しかし本実施形態では、選択的に設けた絶縁領域2がオン時にn−型半導体層1内に注入されるホールの量を阻むので、n−型半導体層1内に注入されるホール量を必要最小限にすることができる。
従って、p++型半導体層3の厚みt22が、従来のPT−IGBTの如く厚い(例えば、150μm程度)構造であっても(p++型半導体層3内のホール量が多量であっても)、オフ時にホールを引き抜く時間が短くなり、スイッチング速度を向上させることができる。
また、裏面B/G研削後のp++型半導体層3の厚みt22が従来のNPT−IGBTの厚み(例えば100μm)に比べて厚いので、製造工程中(特に裏面B/G研削後)の取り扱いが容易となり、ウエハ(基板)の割れ不良を低減できる。尚、p++型半導体層t22の厚みは、製造工程での取り扱いが問題ない程度の厚みが維持できればよく、必要に応じて更に薄くすることも可能である。
更に、絶縁領域2がバリア層となり、ホールのn−型半導体層1への流入を物理的に阻止するので、ライフタイムキラー(Ptイオン注入)などを採用することなく、ホールのn−型半導体層1への注入量を制御することができる。
ライフタイムキラーによるホール量制御の効果は、温度に依存し高温ではその効果が薄れる。すなわち、長時間のIGBTの使用により装置温度が高くなると、ホール量制御にばらつきが生じ、すなわちIGBTのスイッチング特性が時間経過と共にばらつく問題が発生する。
しかし、本実施形態ではライフタイムキラーを用いることなく、ホールの注入量を制御できるので、装置の温度変化によらず安定したスイッチング特性が得られる。
図1(B)(C)を参照して絶縁領域2について説明する。これらの平面図は、n−型半導体層1を省略して、平面パターンにおける絶縁領域2とp++型半導体層3とを示した図である。
絶縁領域2は、例えば図1(B)の如く格子状にパターンニングされる。また図1(C)の如くそれぞれが独立し、離間した島状にパターンニングされる。尚図1(C)では円形の絶縁領域2を示したが、これが矩形、六角形状等であってもよい。
絶縁領域2はバリア層であるので、この面積(またはパターン)によってp++型半導体層3からn−型半導体層1に注入されるホール量を制御(増減)することができる。一例として、チップサイズごとの絶縁領域2の総面積は、p++型半導体層3の面積の30%〜90%とする。この面積比は、スイッチング特性に応じて適宜選択可能である。
また、本実施形態の絶縁領域2は、p++型半導体層3に接して、例えばその表面に設けられる。これにより、オフ時のホールの引き抜き時間の短縮に寄与できる。
n−型半導体層(ドリフト層)1内で輸送されるホール量を制御(制限)するには、素子領域Eより下層であれば、バリア層となる絶縁領域2はn−型半導体層1中のいずれの深さに配置されていてもよい。しかし、p++型半導体層3から離間したn−型半導体層1内に絶縁領域2が配置されると、ホールの引き抜きの際には、絶縁領域2より下層のn−型半導体層1のホールを引き抜くための時間が必要となってしまう。
本実施形態では、n−型半導体層1の最下層となる、p++型半導体層3表面に絶縁領域2を設けることにより、オフ時のホール引き抜きに影響するホール量を低減することができる。
尚、IGBTはn−型半導体層1へのホール注入により伝導度変調を起こすものであるので、当然ながら伝導度変調の特性に劣化しない程度に絶縁領域2のパターン及び総面積を適宜選択する。
後に詳述するが、本実施形態の絶縁領域2はp++型半導体層3上に設けた絶縁層(たとえば厚み1μm程度)を上記の形状にパターンニングしてn−型半導体基板を張り合わせて形成する。
図2から図5を参照し、本実施形態の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法について、図1のIGBTの場合を例に説明する。
本実施形態のIGBTの製造方法は、一導電型半導体層を準備し、該一導電型半導体層表面に絶縁層を形成し、該絶縁層をパターンニングして前記一導電型半導体層上に選択的に絶縁領域を残存させる工程と、前記一導電型半導体層および前記絶縁領域上に逆導電型半導体層を形成する工程と、前記逆導電型半導体層表面に素子領域を形成する工程と、前記一導電型半導体層を所望の厚みに研削する工程と、前記一導電型半導体層に金属電極層を形成する工程と、とから構成される。
第1工程(図2参照):一導電型半導体層を準備し、一導電型半導体層表面に絶縁層を形成し、絶縁層をパターンニングして一導電型半導体層上に選択的に絶縁領域を残存させる工程。
まず、図2(A)の如く、p++型半導体層3を準備し、その表面に絶縁層2aを形成する。p++型半導体層3の不純物濃度は1E19cm−3程度であり、絶縁層2aは例えば厚みが1μmの酸化膜である。
次に図2(B)の如く絶縁層2a上に所望のパターンのマスクMを設ける。マスクから露出した絶縁層2aをエッチングにより除去する。これにより、p++型半導体層3表面に選択的に形成された絶縁領域2が得られる。絶縁領域2は、格子状パターン(図1(B))または円形パターン(図1(C))等に形成される。
第2工程(図3参照):一導電型半導体層および絶縁領域上に逆導電型半導体層を形成する工程。
p++型半導体層3および絶縁領域2上に、厚いn−型半導体基板を張り合わせ、n−型半導体基板を削る。このようにして、n−型半導体層1を形成して基板10を形成する。n−型半導体層1の厚みt21は例えば50μmであり、基板10の厚み(n−型半導体層1およびp++型半導体層3のトータルの厚み)t1は例えば625μm程度である。
第3工程(図4参照):逆導電型半導体層表面に素子領域を形成する工程。
基板10の一主面となるn−型半導体層1表面に、既知の方法によりIGBTの素子領域を形成する。すなわち、n−型半導体層1の表面にp型不純物をイオン注入(ドーズ量:例えば1E13cm−2)および拡散して、チャネル層4を形成する。
チャネル層4を貫通し、n−型半導体層1に達するトレンチ5を形成し、トレンチ5内壁を例えば熱酸化してゲート絶縁膜6を形成する。トレンチ6内に不純物をドープしたポリシリコン等の導電材料を埋設し、ゲート電極7を形成する。
チャネル層4表面にn型不純物(ドーズ量:例えば1E15cm−2)およびp型不純物(ドーズ量:例えば1E15cm−2)をイオン注入し、全面に、層間絶縁膜となる絶縁膜を形成する。このリフローによりn型不純物及びp型不純物を拡散し、トレンチ5に隣接したn型のエミッタ領域15を形成すると共にエミッタ領域15間にp型のボディ領域17を形成する。これによりトレンチ7で囲まれた領域にIGBTのセルが形成される。
絶縁膜にコンタクトホールを形成し、ゲート電極7上を覆う層間絶縁膜16を形成する。その後、各セル上を覆うエミッタ電極18を形成し、同時にゲート電極7に接続するゲート配線電極(不図示)等も形成して、素子領域Eを形成する。
第4工程(図5参照):一導電型半導体層を所望の厚みに研削する工程。
基板10の裏面、すなわち、一主面がn−型半導体層1と接するp++型半導体層3の他の主面を、バックグラインド(B/G)により所望の厚みt22に研削する。B/G研削後の厚みt22は、例えば150μmであり、基板10のトータルの厚みt2は200μm程度であり、これが最終構造における基板10のトータル厚みとなる。
第5工程(図1参照):一導電型半導体層に金属電極層を形成する工程。
基板10の他の主面(p++型半導体層3の露出した裏面)に、金属蒸着などによりコレクタ電極19を形成する。これにより、図1に示す最終構造を得る。
従来のNPT−IGBTでは、バックグラインドにより基板を50μm程度まで薄く研削し、p型不純物のイオン注入工程、アニール工程、コレクタ電極形成工程を行っており、割れ不良が多発するなど基板10の取り扱いが困難であった。
本実施形態の製造方法によれば、第3工程すなわち、裏面(p++型半導体層3)のB/G研削工程後の基板10のトータル厚みt2が200μm程度である。従って、B/G研削後のコレクタ電極形成工程(第4工程)などでの取り扱いが容易となり、割れ不良が低減でき、歩留まりが向上する。
以上、本発明の実施の形態ではnチャネル型のIGBTを例に説明したが、導電型を逆にしたpチャネル型IGBTであっても同様に実施できる。
更に、素子領域Eにトレンチ構造のIGBTが形成される場合を例に説明したが、既知のプレーナ構造のIGBTであっても同様に実施できる。
プレーナ構造のIGBTの構成の一例は以下の通りである。すなわち、n−型半導体層1表面にゲート絶縁膜6を設け、ゲート絶縁膜6上にゲート電極7を配置する。ゲート電極7上には層間絶縁膜16が設けられ、ゲート電極7はゲート絶縁膜6および層間絶縁膜16により周囲を被覆される。
隣り合うゲート電極7間にはp型のチャネル層4を設け、チャネル層4表面にはn型のエミッタ領域15を設ける。エミッタ領域15は、ゲート電極7の下方の一部と外側に配置される。エミッタ領域15間のチャネル層4表面にはボディ領域17が設けられる。エミッタ領域15およびボディ領域17は、層間絶縁膜16間のコンタクトホールを介してエミッタ電極18とコンタクトする。
1 n−型半導体層
1a n型半導体層
2 絶縁領域
2a 絶縁層
3 p++型半導体層
4 チャネル層
5 トレンチ
6 ゲート絶縁膜
7 ゲート電極
10 基板
15 エミッタ領域
16 層間絶縁膜
17 ボディ領域
18 エミッタ電極
19 コレクタ電極
20 IGBT
51 n−型半導体層
53 チャネル層
54 トレンチ
55 ゲート絶縁膜
56 ゲート電極
57 エミッタ領域
58 ボディ領域
59 層間絶縁膜
60 エミッタ電極
61 p+型半導体層
62 コレクタ電極
E 素子領域
1a n型半導体層
2 絶縁領域
2a 絶縁層
3 p++型半導体層
4 チャネル層
5 トレンチ
6 ゲート絶縁膜
7 ゲート電極
10 基板
15 エミッタ領域
16 層間絶縁膜
17 ボディ領域
18 エミッタ電極
19 コレクタ電極
20 IGBT
51 n−型半導体層
53 チャネル層
54 トレンチ
55 ゲート絶縁膜
56 ゲート電極
57 エミッタ領域
58 ボディ領域
59 層間絶縁膜
60 エミッタ電極
61 p+型半導体層
62 コレクタ電極
E 素子領域
Claims (7)
- 一導電型半導体層と、
該一導電型半導体層上に設けられた逆導電型半導体層と、
該逆導電型半導体層の一主面に設けられた素子領域と、
前記一導電型半導体層と前記逆導電型半導体層の境界付近に選択的に設けられた絶縁領域と、
を具備することを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。 - 前記絶縁領域は、前記一導電型半導体層に接して設けられることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
- 前記絶縁領域の総面積は、前記一導電型半導体層の総面積の30%〜90%であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
- 前一導電型半導体層は、前記逆導電型半導体層より厚いことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
- 一導電型半導体層を準備し、該一導電型半導体層表面に絶縁層を形成し、該絶縁層をパターンニングして前記一導電型半導体層上に選択的に絶縁領域を残存させる工程と、
前記一導電型半導体層および前記絶縁領域上に逆導電型半導体層を形成する工程と、
前記逆導電型半導体層表面に素子領域を形成する工程と、
前記一導電型半導体層を所望の厚みに研削する工程と、
前記一導電型半導体層に金属電極層を形成する工程と、
を具備することを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。 - 前記絶縁領域の総面積は、前記一導電型半導体層の総面積の30%〜90%であることを特徴とする請求項5に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
- 前記一導電型半導体層は、厚みが前記逆導電型半導体層より厚く研削されることを特徴とする請求項5に記載の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法。
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JP2007302522A JP2009130075A (ja) | 2007-11-22 | 2007-11-22 | 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタおよびその製造方法 |
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US9318589B2 (en) | 2012-11-21 | 2016-04-19 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Insulated gate bipolar transistor |
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2007
- 2007-11-22 JP JP2007302522A patent/JP2009130075A/ja active Pending
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