JP5266786B2 - 新規なフェノチアジン化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なフェノチアジン化合物に関するものである。
有機電子デバイスの電荷輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される電荷輸送性高分子と、N,N−ジ(m−トリル)N,N‘−ジフェニルベンジジンや1,1−ビス[N,N−ジ(p−トリル)アミノフェニル]シクロヘキサン等のジアミノ化合物及び4−(N,N−ジフェニル)アミノベンズアルデヒドーN,N−ジフェニルヒドラゾン化合物の低分子化合物がよく知られている。現在の複写機やプリンターに用いられている有機電子写真感光体は、材料の多様性、低分子化合物と高分子の組み合わせ等により高機能化が可能であることから低分子をポリマーに分散したものが主に用いられている。また、電荷輸送性高分子においても、高機能化、高寿命といった観点から電子写真感光体の光導電材料や電荷輸送材料として検討されている。
電子写真感光体に関しては、近年、有機電子写真感光体の高性能化に伴い、高速の複写機やプリンターにも使用されるようになってきた。電子写真感光体には、電荷発生効率の高い材料に加え、電荷輸送能力の高い電荷輸送材料が求められている。これは、電界印加下で光照射により電荷発生材料にて発生した電荷を効率良く受け取り、感光体層内を速く移動させることである。しかし、現在の電荷輸送性材料の性能では十分ではなく、より一層の電荷輸送能力の向上及び電荷発生材料にて発生した電荷を効率よく受け取る電荷輸送材料が切望され、盛んに研究されている。例えば、フェノチアジン誘導体を用いた有機感光体が提案されている(特許文献1、2参照)。
また、近年においては、これら電荷輸送材料は有機電界発光素子材料としても用いられている。これら中でも、熱安定性を向上させる目的で、ガラス転移温度を向上し、安定なアモルファスガラス状態が得られるα‐ナフチル基を導入したN,N−ジ(1−ナフチル)N,N‘−ジフェニルベンジジン(非特許文献1)、スターバーストアミン(非特許文献2)、フェニキサジン誘導体及びフェノチアジン誘導体(特許文献3)を用いた有機電界発光素子が報告されている。
特開平10−59952号公報 特開平11−158165号公報 電子情報通信学会技術研究報告、OME95−54(1995) 第40回応用物理学関係連合講演会予稿集30a−SZK−14(1993) 特開平6−271846号公報
電荷輸送材料には、溶解性、成膜性、電荷移動度、耐熱性、電荷注入等、種々の特性が要求される。これらの要求を満たすために、置換基を導入して物性をコントロールすることが一般的に行われている。有機電子デバイスにおいては、溶解性が良く残留電位が小さい事が望まれる。特に、ポリマーに分散する場合は、溶解性が高いと有機電子デバイス作製時に一部結晶が析出せずに機能の低下を抑制する。
したがって、例えば、より高輝度の発光を有し、繰り返し使用時での安定性に優れた有機電界発光素子等の有機電子デバイス開発のためには、合成が容易であり、物性をコントロールし易く、高い電荷輸送能を有する有機電荷輸送材料の開発が望まれている。
そこで、本発明の課題は、合成容易であって、溶解性、成膜性を有すると共に、電子・正孔の双方の電荷輸送・注入特性を有する新規なフェノチアジン化合物を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、下記一般式(I)で示されるフェノチアジン化合物である。但し、一般式(II)中、Rは、それぞれ独立に水素原子、又はアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。
請求項1に係る発明によれば、合成容易であって、溶解性、成膜性を有すると共に、電子・正孔の双方の電荷輸送・注入特性を有する新規なフェノチアジン化合物を提供することができる。
本実施形態のフェノチアジン化合物は、下記一般式(I)で示されるフェノチアジン化合物である。但し、本実施形態では、フェノチアジン化合物として、下記一般(II)で示されるフェノチアジン化合物が採用される。
一般式(I)中、Arは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換の1価の芳香族基、又は芳香族複素環を含む置換もしくは未置換の1価の芳香族基を表し、nは1〜3の整数を表す。
一般式(I)におけるArを表す基として具体的には、例えば、下記の基が挙げられる。
一般式(I)におけるArが表すアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上8以下、より好ましくは1以上6以下)のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。当該アルキル基は、直鎖状であってもよく、分鎖状であってもよい。
一般式(I)におけるArが表す1価の芳香族基は、芳香族環数は特に制限されないが、具体的には例えば、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換の芳香族環数2〜20の1価の多核芳香族炭化水素、置換もしくは未置換の芳香族環数2〜20の1価の縮合芳香族炭化水素が挙げられる。
ここで、「多核芳香族炭化水素」とは、具体的には以下に定義される多環式芳香族を意味する。即ち、「多核芳香族炭化水素」とは炭素と水素から構成される芳香環が2個以上存在し、環同士が炭素−炭素結合によって結合している炭化水素を表す。具体的にはビフェニル、ターフェニル、スチルベン等が挙げられる。
また、「縮合芳香族炭化水素」とは、具体的には以下に定義される多環式芳香族を意味する。即ち、「縮合芳香族炭化水素」とは、炭素と水素から構成される芳香環が2個以上存在し、これらの芳香環同士が1対の隣接して結合する炭素原子を共有している炭化水素を表す。具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン、フルオレン等が挙げられる。
一般式(I)におけるArが表す、芳香族複素環を含む置換もしくは未置換の1価の芳香族基は、芳香族複素環の少なくとも1種を含む1価の芳香族基を示し、芳香族環数、複素環数は特に制限はない。ここで、「芳香族複素環」とは、炭素と水素以外の元素も含む芳香環を表す。その環骨格を構成する原子数(Nr)はNr=5及び/又は6が好ましく用いられる。また、環骨格を構成する炭素原子以外の原子(異種原子)の種類及び数は限定されないが、例えば、硫黄原子、窒素原子、酸素原子等が好ましく用いられ、前記環骨格中に2種以上及び/又は2個以上の異種原子が含まれていてもよい。特に、5員環構造を有する複素環としてはチオフェン、ピロール、フラン、もしくはこれらの3位及び4位の炭素をさらに窒素で置換した複素環が好ましく用いられ、6員環構造を有する複素環としてはピリジン環が好適に挙げられる。
また、「芳香族複素環を含む1価の芳香族基」は、骨格を形成する原子団中に、少なくとも1種の前記芳香族複素環を含む結合基を表す。これらは全てが共役系で構成されたもの、あるいは一部が共役系で構成されたもののいずれでもよいが、電荷輸送性の点で、全てが共役系で構成されたものが好ましい。具体的には、例えば、フェニルチオフェン環、フェニルピロール環、及びフェニルピリジン環等が挙げられる。
一般式(I)におけるArが表す基に置換し得る置換基としては、例えば、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。前記アルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基等が挙げられる。前記アルコキシ基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。前記アリール基としては、炭素数6〜20のものが好ましく、例えばフェニル基、トルイル基等が挙げられる。前記アラルキル基としては、炭素数7〜20のものが好ましく、例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。置換アミノ基の置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基が挙げられる。
また、一般式(I)におけるnは、1以上3以下の整数を示すが、1以上2以下の整数を示すことが好適である。
ここで、溶解性、成膜性に優れると共に、電子・正孔の双方の電荷輸送・注入特性に優れる点から、一般式(I)で示されるフェノチアジン化合物は、好適には、
Arが、それぞれ独立に、アルキル基、フェニル基、チオフェン環等のアリール基、を表し、nが1以上2以下の整数を表す、フェノチアジン化合物であり、
さらに好適には、
Arが、それぞれ独立に、アルキル基、フェニル基、チオフェン環を表し、nが2を表す、フェノチアジン化合物である。
これらの中でも、特に、正孔の電荷輸送・注入性に優れる点から一般式(I)で示されるフェノチアジン化合物として、特に好適には、下記一般式(II)で示されるフェノチアジン化合物である。

一般式(II)中、Rは、それぞれ独立に水素原子、又はアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。
一般式(II)におけるRが表すアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上8以下、より好ましくは1以上6以下)のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。当該アルキル基は、直鎖状であってもよく、分鎖状であってもよい。
また、一般式(II)におけるnは、1以上3以下の整数を示すが、1以上2以下の整数を示すことが好適である。
以下、本実施形態のフェノチアジン化合物の具体例につき、例示するが、これらに限定されるものではない。但し、本実施形態のフェノチアジン化合物の具体例としては、構造16〜構造26が該当する。
以下、本実施形態のフェノチアジン化合物の製造方法について説明する。
本実施形態のフェノチアジン化合物は、例えば、クロスカップリングビアリール合成を利用して得ることができる。クロスカップリングビアリール合成は、例えば、Suzuki反応、Kharasch反応、Negishi反応、Stille反応、Grignard反応、Ullmann反応などが用いられる。
本実施形態のフェノチアジン化合物は、例えば、下記のようにして合成されるが、これに限定するものではない。本実施形態のフェノチアジン化合物は、具体的には例えば、一般式(III)で示される化合物と、一般式(IV)で示される化合物とを、溶媒中において、必要に応じて、例えば金属、金属触媒、及び塩基の少なくとも1種の存在下で、反応させることで得られる。
ここで、一般式(III)及び(IV)中、X及びGは、それぞれ独立にハロゲン原子又はB(OH)
が挙げられる。また、nは1以上3以下の整数を示す。
また、上記反応の際に用いる金属としては、例えば、Pd、Cu、Ti,Sn,Ni,Pt等が挙げられる。また、金属触媒としては、金属錯体(例えば、Pd(P(C、Pd(OCOCH、Pd(dba)、Pd(P(CCl、Pd(dppf)Cl、Pd/C、Ni(C)等(なお、dbaはジベンジリデンアセトン、dppfはビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを表す。))等が挙げられる。塩基としては、無機塩基(例えば、NaCo、KCo、CsCO、Ba(OH)など)、有機塩基(例えばN(C、NH((CHCH)、NH(C、NH(CH、N(CH、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7)、DMAP(N,N−ジメチル−4−アミノピリジン)、ピリジンなど)が挙げられる。また、溶媒としては、反応を著しく阻害しない溶媒であればよく、例えば、芳香族炭化水素溶媒(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等)、エ−テル溶媒(例えばジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水、等が挙げられる。また、溶媒としては、P(C33、P(o−CH、P(C(CH、P(C等を用いてもよい。
ここで、上記反応の際に用いる金属、及び金属触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、例えば、得られるフェノチアジン化合物に対して0.001モル%以上10モル%以下であり、より好ましくは、0.01モル%以上5.0モル%以下である。
また、塩基の使用量は、例えば、得られるフェノチアジン化合物に対してモル比で0.5モル%以上4.0モル%以下の範囲であり、より好ましくは1.0モル%以上2.5モル%以下の範囲である。
また、上記反応は、例えば、常圧下、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下に実施されるが、加圧条件下に実施してもよい。また、上記反応は、例えば反応温度20℃以上300℃以下の範囲で実施されるが、より好ましくは50℃以上180℃以下の範囲である。ここで、反応時間は反応条件により異なるが、数分以上20時間以下の範囲から選択すればよい。
そして、上記反応後、反応溶液を水中に投入して、よく攪拌し、反応生成物が固形物(結晶物)の場合は吸引濾過で濾取することにより粗生成物が得られる。一方、反応生成物が油状物の場合には、酢酸エチル、トルエン等の適当な溶剤で抽出して粗生成物が得られる。その後、得られた組成生物をカラム精製(シリカゲル、アルミナ、活性白土、活性炭等を用いたカラム精製)するか、又は溶液中にこれらの吸着剤を添加し、不要分を吸着させる等の処理を行い精製する。また、反応生成物が結晶の場合には、さらに適当な溶剤(例えばヘキサン、メタノール、アセトン、エタノール、酢酸エチル、トルエン等)から、再結晶させて精製する。このようにして、目的とするフェノチアジン化合物が得られる。
以上説明した、本実施形態のフェノチアジン化合物は、溶解性、成膜性を有すると共に、電子・正孔の双方の電荷輸送・注入特性を有する。また、電荷輸送・注入特性と共に発光特性も有する。加えて、溶解性、成膜性を有すると共に、合成が容易であり、置換基を導入することによりイオン化ポテンシャルやガラス転移温度等の物性をコントロールすることも可能である。したがって、本実施形態のフェノチアジン化合物は、電子写真感光体、有機電界発光素子、有機トランジスタ、有機太陽電池、有機光メモリー等の有機電子デバイスに有用な化合物である。
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。但し、実施例1、3は参考例に該当する。
なお、本実施例において、目的物の電荷移動度は飛行時間計測(TOF; Time of Flight)法(オプテル社製、TOF−401:励起光源:窒素パルスレーザー(波長;337nm)、印加電圧;30V/μm)により測定した。この電荷移動度測定は、特に断りのない限りポリカーボネートに対する40質量%目的物分散膜を用いて実施した。
(実施例1)
下記スキームに従い、フェノチアジン(8.06g)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(11.32g)、硫酸銅五水和物(1.00g)、炭酸カリウム(9.4g)、o−ジクロロベンゼン(40ml)を100ml二口フラスコに入れ、窒素雰囲気下で180℃で6時間加熱した。反応終了後、トルエンを加え濾過した。ロータリーエバポレーターにてろ液の溶媒を留去して、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=2:5)にて精製し、エタノール+ヘキサンで再結晶し、10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジンを3.2g得た。

次に、下記スキームに従い、100mlフラスコに塩化アルミニウム(0.968g)、ジクロロメタン(10ml)を加え撹拌した。ジクロロメタン(6ml)に溶解したヘキサン酸クロリド(0.888g)を滴下して、ジクロロメタン(15ml)に溶解した。得られた10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジン(1.17g)を滴下して室温(25℃)で一日撹拌した。反応終了後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、さらにクロロホルムを加えて純水で洗浄し,硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9)にて精製し,ヘキサン+酢酸エチルで再結晶し、フェノチアジンアシル化合物1.13gを得た。

次に、下記スキームに従い、100mlフラスコにフェノチアジンアシル化合物(1.13g)を入れ、トリフルオロ酢酸(15ml)に溶解した。さらにトリエチルシラン(1.05g)を加えて、室温(25℃)で5時間撹拌した。反応終了後、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にし、酢酸エチルを加えて混合溶液を純水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製を行い、10−(4−ブロモフェニル)−3,7−ジヘキシル−10H−フェノチアジン0.87gを得た。

次に、下記スキームに従い、100mlフラスコに窒素雰囲気下でテトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.0575g)をトルエン(1ml)に溶解させた。続いて10−(4−ブロモフェニル)−3,7−ジヘキシル−10H−フェノチアジン(0.867g)、トルエン(3ml)、1M炭酸水素ナトリウム水溶液(4ml)、エタノール(2ml)、2−クロロチオフェンボロン酸(0.383g)の順に加え、11時間還流した。反応終了後、反応溶液を濾過し純水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=1:9)にて精製を行い、10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−3,7−ジヘキシル−10H−フェノチアジン0.705gを得た。


さらに、下記スキームに従い、20mlフラスコに窒素雰囲気下で塩化ニッケル(0.156g)、トリフェニルホスフィン(1.26g)を入れ、無水DMF(ジメチルホルムアミド:6ml)に溶解させた。その後、50℃まで加熱して亜鉛(0.078g)を加えた。溶液が赤色に変化したのを確認から、さらに50℃で1時間加熱した。その後、DMF(6ml)に溶解した10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−3,7−ジヘキシル−10H−フェノチアジン(0.672g)を加えて、さらに50℃で3時間加熱した。反応終了後、純水に反応溶液を入れ撹拌した。濾過し、5%EDTA水溶液(エチレンジアミンテトラ酢酸水溶液)及び純水で洗浄し、乾燥して粗生成物を得た。粗生成物を酢酸エチル+ヘキサンで再結晶を行い、[表示化合物8]0.305gを得た。

得られた例示化合物の融点は173℃乃至174℃であった。また、得られた[表示化合物8]の赤外吸収スペクトルを図1に、H−NMRスペクトル(H−NMR、溶媒:CDCl)を図2に示す。電荷移動度は、正孔が1.4×10−7cm/Vs、電子輸送が5.4×10−7cm/Vsであった。
なお、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法による。)は以下の通りである。
IR(cm‐1);794、1247、1307、1475、1498、2854、2925、2954
また、H−NMR(CDCl)は以下の通りである。
NMR(H、CDCl);0.91−0.96(12H)、1.22−1.39(24H)、1.61−1.78(8H)、2.69−2.81(8H)、6.25(4H)、6.69(4H)、6.95(4H)、6.99(4H)、7.05(4H)、7.21(2H)、7.30(2H)、7.42(4H)7.82(4H)
(実施例2)
下記スキームに従い、50ml二口フラスコに、フェノチアジン(1.38g)、2−クロロ−5−(4−ヨードフェニル)チオフェン(2.01g)、硫酸銅五水和物(0.18g)、炭酸カリウム(1.40g)、o−ジクロロベンゼン(10ml)を入れ、窒素雰囲気下180℃で13時間加熱した。反応終了後、トルエンを加え濾過し、これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=1:4)及びエタノールとクロロホルムで再結晶を行い、10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−10H−フェノチアジンを1.05g得た。

次に、下記スキームに従い、100mlフラスコに10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−10H−フェノチアジン(0.921g)をクロロホルム(30ml)に溶解させた。N−ブロモスクシンイミド(0.837g)を加えて室温(25℃)で2時間撹拌した。反応終了、純水で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=1:5)及びヘキサン+クロロホルムで再結晶を行い、3,7−ジブロモ−10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−10H−フェノチアジン0.617gを得た。

次に、下記スキームに従い、窒素雰囲気下で50mlフラスコにテトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.076g)をトルエン(2ml)に溶解させた。続いて3,7−ジブロモ−10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−10H−フェノチアジン(0.605g)、トルエン(10ml)、1M炭酸水素ナトリウム水溶液(12ml)、エタノール(4ml)、2−ヘキシルチオフェンボロン酸(0.672g)の順に加え、16時間還流した。反応終了後,反応溶液を吸引濾過し、純水で洗浄し塩化カルシウムで乾燥させた。これをエタノール+クロロホルムで再結晶を行い、10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル−3,7−ビス(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)−10H−フェノチアジン0.565gを得た。


続いて、下記スキームに従い、20mlフラスコに塩化ニッケル(0.061g)、トリフェニルホスフィン(0.493g)を入れ、無水DMF(5ml)に溶解させ、窒素雰囲気下で50℃まで加熱した後、亜鉛(0.031g)を加えた。反応溶液が赤色に換わってから50℃で1時間加熱した。その後、10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル−3,7−ビス(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)−10H−フェノチアジン(0.340g)を加え、さらに50℃で2時間加熱した。反応終了後、純水を加え撹拌した。その後、吸引濾過を行い、5%EDTA水溶液及び純水で洗浄して乾燥し、粗生成物を得た。これを酢酸エチル+ヘキサンで再結晶を行い、[表示化合物23]0.209gを得た。
得られた例示化合物の融点は219℃乃至220℃であった。また、得られた[表示化合物23]の赤外吸収スペクトルを図3に、H−NMRスペクトル(H−NMR、溶媒:CDCl)を図4に示す。電荷移動度は、正孔が3.2×10−7cm/Vs、電子は波形(シグナル)を確認し、輸送能力は確認したが、数値化できなかった。
なお、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法による。)は以下の通りである。
IR(cm‐1);796、1268、1313、1457、1492、2854、2927、2956
また、H−NMR(CDCl)は以下の通りである。
NMR(H、CDCl):0.82−0.94(12H)、1.22−1.39(24H)、1.45−1.59(8H)、2.41−2.58(8H)、6.38(4H)、6.74(4H)、6.95(4H)、7.21−7.39(10H)、7.88(4H)
(実施例3)
下記スキームに従い、窒素雰囲気下で100mlフラスコにトルエン(6ml)に溶解させたテトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.174g)を入れ、10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジン(1.78g)、トルエン(6ml)、1M炭酸水素ナトリウム水溶液(12ml)、エタノール(6ml)、2−クロロチオフェンボロン酸(1.26g)の順に加え、12時間還流した。反応終了後、反応溶液を濾過し、純水で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9)にて精製し、酢酸エチルで再結晶し10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−10H−フェノチアジン0.727gを得た。


次に、下記スキームに従い、20mlフラスコに塩化ニッケル(0.233g)、トリフェニルホスフィン(1.89g)を入れ、無水DMF(9ml)に溶解させた。その後、50℃まで加熱して亜鉛(0.118g)を加えた。溶液が赤色に変化したのを確認から50℃で1時間加熱した。その後、10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−10H−フェノチアジン(0.706g)を加えて、さらに50℃で4時間加熱した。反応終了後。純水に反応溶液を入れ撹拌し、濾過を行い、粗生成物を得た。これをヘキサンでソックスレーにて精製を行い、[表示化合物3]0.263gを得た。

得られた例示化合物の融点は360℃以上であった。また、得られた[表示化合物3]の赤外吸収スペクトルを図5に、H−NMRスペクトル(1H−NMR、溶媒:CDCl)を図6に示す。電荷移動度は、正孔、電子共に、波形(シグナル)を確認し、輸送能力は確認したが、数値化できなかった。
なお、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法による。)は以下の通りである。
IR(cm‐1);735、1270、1462、1496、3037
また、H−NMR(CDCl)は以下の通りである。
NMR(H、CDCl):6.38(4H)、6.82−6.96(8H)、7.05(4H)、7.21−7.42(8)H)、7.82(4H)
(比較例)
以上の実施例1〜3で得られたフェノチアジン化合物と比較するため、N,N−ジ(1−フェニル)N,N‘−ジフェニルベンジジンを用意し、これを比較例とした。電荷移動度は、正孔が3.1×10−7cm/Vs、電子は波形(シグナル)を確認することができなかった。
上記実施例、及び比較例で得られた化合物につき、下記表にまとめて示す。
上記結果から、本実施例で得られた化合物は、溶解性、成膜性を有し、正孔・電子の双方の電荷移動度が確認された。特に、例示化合物23は、例示化合物8、3に比べ、正孔の電荷移動度が高く、例示化合物8は、例示化合物23、3に比べ、電子の電荷移動度が高いことがわかる。
実施例1で得られた化合物の赤外吸収スペクトルを示すグラフである。 実施例1で得られた化合物のNMRスペクトルを示すグラフである。 実施例2で得られた化合物の赤外吸収スペクトルを示すグラフである。 実施例2で得られた化合物のNMRスペクトルを示すグラフである。 実施例3で得られた化合物の赤外吸収スペクトルを示すグラフである。 実施例3で得られた化合物のNMRスペクトルを示すグラフである。

Claims (1)

  1. 下記一般式(II)で示されるフェノチアジン化合物。


    〔一般式(II)中、Rは、それぞれ独立に水素原子、又はアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。
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