JP2023118537A - 縮合多環芳香族化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】450nm付近の青色光領域の光を効率的に吸収すると共に、大きな明暗電流比を示すことのできる優れた撮像素子用の光電変換素子用材料、及び該光電変換材料を用いた有機光電変換素子を提供すること。【解決手段】下記式(1)TIFF2023118537000027.tif1671(式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に芳香族化合物から水素原子を一つ除いた残基を置換基として有するフェニル基、又は複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基を表す。)で表される縮合多環芳香族化合物。【選択図】図1

Description

本発明は、新規な縮合多環芳香族化合物とその用途に関する。更に詳しくは、本発明はベンゾチエノ[3,2-b][1]ベンゾチオフェン(以下、「BTBT」と略す)誘導体である縮合多環芳香族化合物、該化合物を含む有機薄膜及び該有機薄膜を有する有機光電変換素子に関する。
近年、電界効果トランジスタや有機光電変換素子などの有機薄膜デバイスが注目されており、これらの薄膜デバイスに用いられる縮合多環芳香族化合物に代表される種々の有機エレクトロニクス材料が研究、開発されている。
例えば、特許文献1には、N型有機半導体を光電変換層とした光電変換素子が示されているが、暗電流を十分に低減できていなかった。
この問題に対して、特許文献2には、特定の構造を有する有機光電変換材料により、暗電流を低減した光電変換素子が開示されている。しかしながら、この光電変換素子には、電子ブロッキング層と正孔ブロッキング層を素子の構成要素としており、単一の光電変換層のみで暗電流を十分に低減できていない課題があった。
特許文献3にはBTBT誘導体が優れた電荷移動度を呈し、その薄膜が有機半導体特性を有することが示されている。特許文献4にはBTBT誘導体を有機光電変換素子に適用した検討がなされている。
以上のように、有機半導体材料を用いた光電変換素子の開発が行われてきたが、これらの文献で報告されている有機半導体材料は、単独では十分な明暗電流比が得られないことや、青色光領域(波長450nm)における吸収係数が低いために青色光領域の光電変換特性が充分ではないことが問題であった。即ち、青色光領域の光電変換特性に優れ、十分な明暗電流比が得られる有機半導体材料は未だ見出されていない。
特許第5520560号公報 特開2017-174921号公報 WO2006/077888A1 WO2019/081416A1 特開2008-258592号公報 特開2008-290963号公報
J.Am.Chem.Soc.,2006,128(39),12604.
本発明は、上記従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、青色光領域の光電変換特性に優れ、十分な明暗電流比が得られる有機光電変換素子用材料、該化合物を含む有機薄膜及び該有機薄膜を有する有機半導体デバイス(青色光領域での明暗電流比の大きな光電変換素子)を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、特定構造の新規の縮合多環芳香族化合物を用いることにより上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
[1]一般式(1)
Figure 2023118537000002
(式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に芳香族化合物から水素原子を一つ除いた残基を置換基として有するフェニル基、又は複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基を表す。)
で表される縮合多環芳香族化合物、
[2]RおよびRが、それぞれ独立に酸素原子若しくは硫黄原子を含む複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基を有するフェニル基、又は芳香族炭化水素化合物から水素原子を一つ除いた残基を有するフェニル基である前項[1]に記載の縮合多環芳香族化合物、
[3]RおよびRが、それぞれ独立にベンゾチオフェンから水素原子を一つ除いた残基を有するフェニル基、ベンゾフランから水素原子を一つ除いた残基を有するフェニル基、又はフェニル基を有するフェニル基である前項[2]に記載の縮合多環芳香族化合物、
[4]RおよびRが、それぞれ独立に酸素原子を含む複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基、又は硫黄原子を含む複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基である前項[1]に記載の縮合多環芳香族化合物、
[5]RおよびRが、それぞれ独立にベンゾチオフェンから水素原子を一つ除いた残基、又はベンゾフランから水素原子を一つ除いた残基である前項[4]に記載の縮合多環芳香族化合物、
[6]RおよびRが同一である前項[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物、
[7]前項[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物を含む有機光電変換素子用材料、
[8]前項[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物を含む有機薄膜、及び
[9]前項[8]に記載の有機薄膜を有する有機光電変換素子、
に関する。
450nm付近の波長領域に吸収帯を有する本発明の式(1)で表される縮合多環芳香族化合物は、青色光領域の光に対する大きな明暗電流比を示すことから、該化合物を含む有機光電変換素子用材料は、青色光用の有機光電変換素子並びに有機撮像素子等に好適に用いられる。
図1は本発明の有機光電変換素子の実施態様を例示した断面図を示す。
以下、本発明の内容について詳細に説明する。ここに記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づくものである一方、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。
本発明の縮合多環芳香族化合物は、上記一般式(1)で表される。
式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に芳香族化合物から水素原子を一つ除いた残基を置換基として有するフェニル基、又は複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基を表す。
式(1)のRおよびRが表すフェニル基が有する置換基となり得る芳香族化合物とは、芳香性を有する化合物でありさえすれば特に限定されないが、例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ピレン、トリフェニレン、フルオレン、ピリジン、チオフェン、フラン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、チエノチオフェン、ナフトフラン及びナフトチオフェン等が挙げられる。
式(1)のRおよびRが表すフェニル基上置換数としては1乃至2が好ましく、1がより好ましい。
また、フェニル基上の置換位置はo位、m位、p位の何れにも限定されないが、m位又はp位置換基を有することが好ましく、m位又はp位に置換基を一つ有することがより好ましく、p位のみに置換基を有することがより好ましい。
式(1)のRおよびRが表すフェニル基の有する芳香族化合物から水素原子を一つ除いた残基としては、酸素原子若しくは硫黄原子を含む複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基、又は芳香族炭化水素化合物から水素原子を一つ除いた残基が好ましく、ベンゼン、ナフタレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ナフトチオフェン又はナフトフランから水素原子を一つ除いた残基がより好ましく、ベンゼン、ベンゾチオフェン又はベンゾフランから水素原子を一つ除いた残基が更に好ましい。
式(1)のRおよびRが表す複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基となり得る複素芳香族縮合多環化合物とは、複素環を構成単位に含み、芳香性を有する縮合多環化合物でありさえすれば特に限定されない。複素芳香族縮合多環化合物の構成単位に含まれる複素環とは、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子の何れかを一つ以上含む5員環以上の環構造であり、その具体例としては、チオフェン環、フラン環及びピリジン環等が挙げられる。
式(1)のRおよびRが表す複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基となり得る複素芳香族縮合多環化合物において、複素環と縮環し得る環構造は、チオフェン環、フラン環並びにピリジン環等の複素環、及びベンゼン環、ナフタレン環並びにアントラセン環等の芳香族炭化水素環のいずれでもよく、複素環と縮環する環構造の縮環数も特に限定されない。尚、複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除く位置も特に限定されない。
式(1)のRおよびRが表す複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基としては、酸素原子若しくは硫黄原子を含んだ複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基が好ましく、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ナフトチオフェン又はナフトフランから水素原子を一つ除いた残基がより好ましく、ベンゾチオフェン又はベンゾフランから水素原子を一つ除いた残基が更に好ましい。
式(1)におけるR及びRは同一であることがより好ましい。
次に、本発明の一般式(1)で表される縮合多環芳香族化合物の合成方法について詳細に述べる。一般式(1)で表される縮合多環芳香族化合物は、従来公知の様々な方法で合成することができるが、一例として下記スキームの合成方法について説明する。
式(1)で表される化合物は、特許文献5、特許文献6及び非特許文献1に開示された公知の方法などにより合成することができる。例えば以下のスキームによる合成方法が挙げられる。原料としてニトロスチルベン誘導体(A)を用いて、ベンゾチエノベンゾチオフェン骨格(D)を形成し、これを還元することによりアミノ化物(E)が得られる。この化合物(E)をハロゲン化してやればハロゲン化物(F)(以下のスキームにはハロゲン化物(F)の一例としてヨウ素化物を記載したが、これに限定されるものではない。)が得られる。
次いで、前記で得られた化合物(F)と、化合物(G)又は化合物(G’)を原料として、一般式(1)で表される本発明の縮合多環芳香族化合物を合成する。ここで、化合物(F)と化合物(G)との反応は鈴木・宮浦カップリング反応に準じた公知の方法で、また化合物(F)と化合物(G’)との反応は右田・小杉・スティルクロスカップリング反応に準じた公知の方法でそれぞれ行えばよく、これらのカップリング反応の詳細は、例えば、「Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions - Second, Completely Revised and Enlarged Edition」などの記載を参照することができる。
Figure 2023118537000003
上記のカップリング反応においては、化合物(F)1モルに対して、化合物(G)又は化合物(G’)を2乃至10モル用いることが好ましく、2乃至4モル用いることがより好ましい。
上記のカップリング反応の反応温度は、通常-10乃至200℃、好ましくは20乃至160℃、より好ましくは30乃至120℃である。また、反応時間は特に限定されないが、通常1乃至72時間、好ましくは2乃至48時間である。後述する触媒の種類により、反応温度を下げたり反応時間を短縮したりすることができる。
上記のカップリング反応は、アルゴン雰囲気下、窒素置換下、乾燥アルゴン雰囲気下、乾燥窒素気流下等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
化合物(G)を用いたカップリング反応には触媒を用いることが好ましい。カップリング反応に用い得る触媒としては、例えば、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリアダマンチルホスフィン、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリジニウムクロライド、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジニウムクロライド、1,3-ジアダマンチルイミダゾリジニウムクロライド、又はそれらの混合物;金属Pd、Pd/C(含水又は非含水)、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、メタンスルホン酸パラジウム、トルエンスルホン酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)ジクロリド、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)ジクロリド、テトラフルオロほう酸テトラキス(アセトニトリル)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体及びビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウムジクロライド(Pd(PPhCl)、(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウムジクロライド(Pd(dppf)Cl)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)等が挙げられるが、パラジウム系の触媒が好ましく。Pd(dppf)Cl、Pd(PPhCl、Pd(PPhがより好ましく、Pd(PPhCl、Pd(PPhが更に好ましい。
これらの触媒は複数種を混合して用いてもよいし、これらの触媒に他の触媒を混合して用いてもよい。
カップリング反応の際のこれら触媒の使用量は、化合物(F)1モルに対して、好ましくは0.001乃至0.500モル、より好ましくは、0.001乃至0.100モル、更に好ましくは0.001乃至0.060モルである。
化合物(G)を用いたカップリング反応には、塩基性化合物を使用することが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化バリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の水酸化物、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム及び炭酸セシウム等の炭酸塩、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウム等の酢酸塩、りん酸三ナトリウム及びりん酸三カリウム等のリン酸塩、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド及びカリウムターシャリーブトキサイド等のアルコキサイド類、水素化ナトリウム及び水素化カリウム等の金属ヒドリド類、ピリジン、ピコリン、ルチジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びN,N-ジシクロヘキシルメチルアミン等の有機塩基類等が挙げられ、りん酸塩又は水酸化物が好ましく、りん酸三ナトリウム、りん酸三カリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムがより好ましい。これらの塩基性化合物は単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カップリング反応の際のこれら塩基性化合物の使用量は、化合物(F)1モルに対して、好ましくは1乃至100モル、より好ましくは2乃至10モルである。
化合物(G’)を用いたカップリング反応には、Pd又はNi系の触媒を使用することが好ましい。触媒としては、Pd系又はNi系の触媒であれば特に制限なく用いることができる。
Pd系の触媒としては、化合物(F)を用いたカップリング反応に用い得る触媒の項に記載したのと同じものが挙げられる。
Ni系の触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(Ni(PPh)、ニッケル(II)アセチルアセトネート(Ni(acac))、ジクロロ(2,2’-ビピリジン)ニッケル(Ni(bpy)Cl)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(Ni(PPhBr)、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケルジクロライド(Ni(dppp)Cl)及びビス(ジフェニルホスフィノ)エタンニッケルジクロライド(Ni(dppe)Cl)等が挙げられ、Pd(dppf)Cl、Pd(PPhCl、Pd(PPhが好ましく、Pd(PPhCl、Pd(PPhが更に好ましい。
これらの触媒は複数種を混合して用いてもよいし、これらの触媒に他の触媒を混合して用いてもよい。
カップリング反応の際のこれら触媒の使用量は、化合物(F)1モルに対して、好ましくは0.001乃至0.500モル、より好ましくは、0.001乃至0.100モル、更に好ましくは0.001乃至0.050モルである。
化合物(G’)を用いたカップリング反応には、アルカリ金属塩を併用してもよい。
併用し得るアルカリ金属塩はアルカリ金属を含む塩であれば特に限定されないが、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム及びヨウ化リチウム等が挙げられ、好ましくは塩化リチウムである。
アルカリ金属塩の添加量は、化合物(F)1モルに対して、好ましくは0.001乃至5.0モルである。
上記のカップリング反応は、溶媒中で行ってもよい。用い得る溶媒は、必要な原料である化合物(F)及び化合物(G)若しくは化合物(G’)、更には必要により用いられる触媒、塩基性化合物、アルカリ金属塩等を溶解し得る溶媒であれば、いかなるものでも使用可能である。
溶媒の具体例としては、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類や、n-ヘキサン、n-ヘプタン並びにn-ペンタン等の飽和脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン並びにシクロペンタン等の脂環式炭化水素類、n-プロピルブロマイド、n-ブチルクロライド、n-ブチルブロマイド、ジクロロメタン、ジブロモメタン、ジクロロプロパン、ジブロモプロパン、ジクロロブタン、クロロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、トリクロロエタン、テトラクロロエタン並びにペンタクロロエタン等の飽和脂肪族ハロゲン化炭化水素類、クロロシクロヘキサン、クロロシクロペンタン並びにブロモシクロペンタン等のハロゲン化環状炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル並びに酪酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン並びにメチルイソブチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン並びに1,3-ジオキサン等のエーテル類;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド並びにN,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類、エチレングリコール、プロピレングリコール並びにポリエチレングリコール等のグリコール類、及びジメチルスルホキシド等のスルホキシド類を挙げることができる。これらの溶媒は単独でも2種以上混合して使用してもよい。
一般式(1)で表される縮合多環芳香族化合物の精製方法は特に限定されず、再結晶、カラムクロマトグラフィー、及び真空昇華精製等の公知の方法が採用できる。また必要に応じてこれらの方法を組み合わせることができる。
上記の合成スキームにおいて、化合物(G)中のR及びRはそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表すか、又はRとRが結合してアルキレン基を形成する。
及びRが表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基及びn-ヘキシル基等の炭素数1乃至6アルキル基が挙げられる。
とRが結合して形成するアルキレン基としては、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基、ブタン-2,3-ジイル基、2,3-ジメチルブタン-2,3-ジイル基及びプロパン-1,3-ジイル基等が挙げられる。
化合物(G)におけるR及びRとしては、R及びRの両者が水素原子であるか、またはRとRが結合して2,3-ジメチルブタン-2,3-ジイル基を形成していることが好ましい。
上記の合成スキームにおいて、化合物(G’)中のR乃至Rはそれぞれ独立に直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。R乃至Rが表すアルキル基の炭素数は通常1乃至8であり、好ましくは1乃至4である。直鎖アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、n-ペンチル基及びn-ヘキシル基等が、分岐鎖アルキル基の具体例としては、iso-プロピル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、iso-ペンチル基及びiso-ヘキシル基等が挙げられる。
化合物(G’)におけるR乃至Rとしては、それぞれ独立にメチル基又はブチル基であるが好ましく、全てがメチル基又は全てがブチル基であることがより好ましい。
尚、化合物(G)及び(G’)中のR及びRは、一般式(1)中のR及びRと同義である。
一般式(1)で表される本発明の縮合多環芳香族化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2023118537000004
Figure 2023118537000005
Figure 2023118537000006
Figure 2023118537000007
Figure 2023118537000008
本発明の有機薄膜は式(1)で表される縮合多環芳香族化合物を含む。有機薄膜の膜厚は、その用途によって異なるが、通常1nm乃至1μmであり、好ましくは5nm乃至500nmであり、より好ましくは10nm乃至300nmである。
本発明における有機薄膜の形成方法には、一般的な乾式成膜法や湿式成膜法が挙げられる。具体的には真空プロセスである抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、溶液プロセスであるキャスティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ブレードコーティング、ワイヤバーコーティング、スプレーコーティング等のコーティング法、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法等が挙げられ、各層の成膜にはこれらの手法を複数組み合わせた方法を採用してもよい。
一般式(1)で表される縮合多環芳香族化合物、又は薄膜を用いて有機エレクトロニクスデバイスを作製することができる。有機エレクトロニクスデバイスとしては、例えば、薄膜トランジスタ、有機光電変換素子、有機太陽電池素子、有機EL素子、有機発光トランジスタ素子、有機半導体レーザー素子などが挙げられる。
次に、本発明の有機光電変換素子用材料及び有機光電変換素子(光センサ、有機撮像素子を含む)について説明する。
本発明の有機光電変換素子用材料は上記式(1)で表される縮合多環芳香族化合物を含む。本発明の有機光電変換素子用材料中の式(1)で表される化合物の含有量は、有機光電変換素子用材料を用いる用途において必要とされる性能が発現する限り特に限定されないが、通常は50質量%以上であり、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましい。
本発明の有機光電変換素子用材料には、式(1)で表される化合物以外の化合物(例えば式(1)で表される化合物以外の有機光電変換素子用材料等)や添加剤等を併用してもよい。併用し得る化合物や添加剤等は、有機光電変換素子用材料を用いる用途において必要とされる性能が発現する限り特に限定されない。
本発明の有機光電変換素子は本発明の有機薄膜を有する。有機光電変換素子は、対向する一対の電極膜間に光電変換部(膜)を配置した素子であって、電極膜の上方から光が光電変換部に入射されるものである。光電変換部は前記の入射光に応じて電子と正孔を発生するものであり、半導体により前記電荷に応じた信号が読み出され、光電変換膜部の吸収波長に応じた入射光量を示す素子である。光が入射しない側の電極膜には読み出しのためのトランジスタが接続される場合もある。有機光電変換素子がアレイ状に多数配置されている場合、入射光量に加え入射位置情報をも示すため、撮像素子となる。又、より光源近くに配置された有機光電変換素子が、光源側から見てその背後に配置された有機光電変換素子の吸収波長を遮蔽しない(透過する)場合は、複数の有機光電変換素子を積層して用いてもよい。
本発明の有機光電変換素子は、上記式(1)で表される縮合多環芳香族化合物を含む有機薄膜を光電変換部の構成材料として用いたものである。
光電変換部は、光電変換層と、電子輸送層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、結晶化防止層及び層間接触改良層等から成る群より選択される一種又は複数種の光電変換層以外の有機薄膜層とから成ることが多い。本発明の縮合多環芳香族化合物は光電変換層の有機薄膜層として用いることが好ましいが、他にも上記の有機薄膜層(特に、電子輸送層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層)としても利用することも可能である。電子ブロック層及び正孔ブロック層はキャリアブロック層とも表される。又、光電変換層に用いる場合は本発明の縮合多環芳香族化合物のみで構成されていてもよいが、本発明の縮合多環芳香族化合物以外に有機半導体材料を含んでいてもよい。これらの有機薄膜層は積層構造でもよいが、材料を共蒸着して成る有機薄膜を含んでいてもよく、併せて、共蒸着膜や単膜或いは別の共蒸着膜が複数層形成されて成り、機能する様な有機薄膜であってもよい。
本発明の有機光電変換素子に用いられる電極膜は、後述する光電変換部に含まれる光電変換層が正孔輸送性を有する場合や光電変換層以外の有機薄膜層が正孔輸送性を有する正孔輸送層である場合には、該光電変換層やその他の有機薄膜層から正孔を取り出してこれを捕集する役割を果たし、又光電変換部に含まれる光電変換層が電子輸送性を有する場合や、有機薄膜層が電子輸送性を有する電子輸送層である場合には、該光電変換層やその他の有機薄膜層から電子を取り出して、これを吐出する役割を果たすものである。よって、電極膜として用い得る材料は、ある程度の導電性を有するものであれば特に限定されないが、隣接する光電変換層やその他の有機薄膜層との密着性や電子親和力、イオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選択することが好ましい。電極膜として用い得る材料としては、例えば、酸化錫(NESA)、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)及び酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物;金、銀、白金、クロム、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル及びタングステン等の金属:ヨウ化銅及び硫化銅等の無機導電性物質:ポリチオフェン、ポリピロール及びポリアニリン等の導電性ポリマー:炭素等が挙げられる。これらの材料は、必要により複数を混合して用いてもよいし、複数を2層以上に積層して用いてもよい。電極膜に用いる材料の導電性も、有機光電変換素子の受光を必要以上に妨げなければ特に限定されないが、有機光電変換素子の信号強度や、消費電力の観点からできるだけ高いことが好ましい。例えばシート抵抗値が300Ω/□以下の導電性を有するITO膜であれば、電極膜として充分機能するが、数Ω/□程度の導電性を有するITO膜を備えた基板の市販品も入手可能となっていることから、この様な高い導電性を有する基板を使用することが望ましい。ITO膜(電極膜)の厚さは導電性を考慮して任意に選択することができるが、通常5乃至500nm、好ましくは10乃至300nm程度である。ITOなどの膜を形成する方法としては、従来公知の蒸着法、電子線ビーム法、スパッタリング法、化学反応法及び塗布法等が挙げられる。基板上に設けられたITO膜には必要に応じUV-オゾン処理やプラズマ処理等を施してもよい。
電極膜のうち、少なくとも光が入射する側の何れか一方に用いられる透明電極膜の材料としては、ITO、IZO、SnO、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(Alドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO及びFTO(フッ素ドープ酸化スズ)等が挙げられる。光電変換層の吸収ピーク波長における透明電極膜を介して入射した光の透過率は、60%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、95%以上であることが特に好ましい。
電極膜はプラズマフリーで作製することが好ましい。プラズマフリーでこれらの電極膜を作成することにより、電極膜が設けられる基板にプラズマが与える影響が低減され、光電変換素子の光電変換特性を良好にすることができる。ここで、プラズマフリーとは、電極膜の成膜時にプラズマが発生しないか、又はプラズマ発生源から基板までの距離が2cm以上、好ましくは10cm以上、更に好ましくは20cm以上であり、基板に到達するプラズマが減ぜられるような状態を意味する。
電極膜の成膜時にプラズマが発生しない装置としては、例えば、電子線蒸着装置(EB蒸着装置)やパルスレーザー蒸着装置等が挙げられる。EB蒸着装置を用いて透明電極膜の成膜を行う方法をEB蒸着法と称し、パルスレーザー蒸着装置を用いて透明電極膜の成膜を行う方法をパルスレーザー蒸着法と称する。
成膜中プラズマを減ずることができるような状態を実現できる装置としては、例えば、対向ターゲット式スパッタ装置やアークプラズマ蒸着装置等が考えられる。
透明導電膜を電極膜(例えば第一の導電膜)とした場合、DCショート、あるいはリーク電流の増大が生じる場合がある。この原因の一つは、光電変換層に発生する微細なクラックがTCO(Transparent Conductive Oxide)などの緻密な膜によって被覆され、透明導電膜とは反対側の電極膜との間の導通が増すためと考えられる。そのため、Alなど膜質が比較して劣る材料を電極に用いた場合、リーク電流の増大は生じにくい。電極膜の膜厚を、光電変換層の膜厚(クラックの深さ)に応じて制御することにより、リーク電流の増大を抑制することができる。
通常、導電膜を所定の値より薄くすると、急激な抵抗値の増加が起こる。本実施形態の光センサー用有機光電変換素子における導電膜のシート抵抗は、通常100乃至10,000Ω/□であり、膜厚の自由度が大きい。又、透明導電膜が薄いほど吸収する光の量が少なくなり、一般に光透過率が高くなる。光透過率が高くなると、光電変換層で吸収される光が増加して光電変換能が向上するため非常に好ましい。
本発明の有機光電変換素子が有する光電変換部は、光電変換層及び光電変換層以外の有機薄膜層を含む場合もある。光電変換部を構成する光電変換層には一般的に有機半導体膜が用いられるが、その有機半導体膜は一層、もしくは複数の層であっても良く、一層の場合は、P型有機半導体膜、N型有機半導体膜、又はそれらの混合膜(バルクヘテロ構造)が用いられる。一方、複数の層である場合は、2乃至10層程度であり、P型有機半導体膜、N型有機半導体膜、又はそれらの混合膜(バルクヘテロ構造)のいずれかを積層した構造であり、層間にバッファ層が挿入されていても良い。光電変換層の厚みは通常、50乃至500nmである。
光電変換層の有機半導体膜には、吸収する波長帯に応じ、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、カルバゾール誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ペンタセン誘導体、フェニルブタジエン誘導体、スチリル誘導体、キノリン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、ポルフィリン誘導体、フラーレン誘導体や金属錯体(Ir錯体、Pt錯体、Eu錯体など)等を用いることができる。本発明の縮合多環芳香族化合物との組み合わせによってP型有機半導体、又はN型有機半導体として機能する。
本発明の縮合多環芳香族化合物を光電変換層として用いた場合には、前述の組み合わせる有機半導体のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)準位よりも浅いHOMO準位を有することが好ましい。これにより、暗電流の発生の抑制に加えて、光電変換効率を向上させることが可能となる。
本発明の有機光電変換素子において、光電変換部を構成する光電変換層以外の有機薄膜層は、光電変換層以外の層、例えば、電子輸送層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、結晶化防止層又は層間接触改良層等としても用いられる。特に電子輸送層、正孔輸送層、電子ブロック層及び正孔ブロック層から成る群より選択される一種以上の薄膜層として用いることにより、弱い光エネルギーでも効率よく電気信号に変換する素子が得られるため好ましい。
電子輸送層は、光電変換層で発生した電子を電極膜へ輸送する役割と、電子輸送先の電極膜から光電変換層に正孔が移動するのをブロックする役割とを果たす。正孔輸送層は、発生した正孔を光電変換層から電極膜へ輸送する役割と、正孔輸送先の電極膜から光電変換層に電子が移動するのをブロックする役割とを果たす。電子ブロック層は、電極膜から光電変換層への電子の移動を妨げ、光電変換層内での再結合を防ぎ、暗電流を低減する役割を果たす。正孔ブロック層は、電極膜から光電変換層への正孔の移動を妨げ、光電変換層内での再結合を防ぎ、暗電流を低減する機能を有する。
正孔ブロック層は正孔阻止性物質を単独又は二種類以上を積層する、又は混合することにより形成される。正孔阻止性物質としては、正孔が電極から素子外部に流出するのを阻止することができる化合物であれば限定されない。正孔ブロック層に使用することができる化合物としては、バソフェナントロリン及びバソキュプロイン等のフェナントロリン誘導体、シロール誘導体、キノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、キノリン誘導体などが挙げられ、これらのうち、一種又は二種以上を用いることができる。
図1に本発明の有機光電変換素子の代表的な素子構造を示すが、本発明はこの構造に限定されるものではない。図1の態様例においては、1が絶縁部、2が一方の電極膜、3が電子ブロック層、4が光電変換層、5が正孔ブロック層、6が他方の電極膜、7が絶縁基材又は他の有機光電変換素子をそれぞれ表す。図中には読み出し用のトランジスタを記載していないが、2又は6の電極膜と接続されていればよく、更には光電変換層4が透明であれば、光が入射する側とは反対側の電極膜の外側に成膜されていてもよい。光電変換素子への光の入射は、光電変換層4を除く構成要素が、光電変換層の主たる吸収波長の光を入射することを極度に阻害することがなければ、上部若しくは下部からの何れからでもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。実施例中、「部」は特に指定しない限り「質量部」を、また「%」は「質量%」をそれぞれ表す。「M」はモル濃度を表す。また、反応温度は特に断りのない限り、反応系内の内温を記載した。
実施例において、EI-MSはサーモサイエンティック社製のISQ7000を、熱分析測定はメトラートレド社製のTGA/DSC1を、核磁気共鳴(NMR)は日本電子製のJNM-EC400を用いて測定した。
実施例中の有機光電変換素子の電流電圧の印加測定は、半導体パラメータアナライザ4200-SCS(ケースレーインスツルメンツ社製)を用いて行った。入射光の照射はPVL-3300(朝日分光社製)により、照射光半値幅20nmにて行った。実施例中の明暗比は、光照射を行った場合の電流を暗所での電流で割ったものを意味する。
実施例1(具体例のNo.1で表される縮合多環芳香族化合物の合成)
(工程1)下記式2で表される中間体化合物の合成
トルエン(350部)に、2-ブロモ-チオフェン(10.0部)、4-ビフェニルボロン酸(18.2部)、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(61.3部)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(3.5部)を加え、窒素雰囲気下、還流温度で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、水を加え、固形分をろ取した。得られた固体をアセトンで洗浄し乾燥することで、下記式2で表される中間体化合物(13.6部、収率94%)を得た。
Figure 2023118537000009
(工程2)下記式3で表される中間体化合物の合成
脱水THF(400部)に工程1で得られた式2で表される中間体化合物(10.0部)を加え、窒素雰囲気下、-78℃まで冷却し、1.6Mノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(22.2部)を加え、1時間攪拌した。その後、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(9.8部)を加え、30分間攪拌し、室温まで昇温した後さらに2時間攪拌した。得られた反応液を、水(200部)を用いてクエンチし、トルエンを用いて分液抽出した。得られた有機層を、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた固体を、シリカゲルカラム(展開溶媒:トルエン)で精製し、さらにトルエン中で再結晶することで、下記式3で表される中間体化合物(11.3部、収率74%)を得た。
Figure 2023118537000010
(工程3)具体例のNo.1で表される縮合多環芳香族化合物の合成
DMF(300部)に、水(12部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した
2,7-ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2-b][1]ベンゾチオフェン(1.9部)、工程2で得られた式3で表される中間体化合物(4.2部)、リン酸三カリウム(2.5部)、酢酸パラジウム(0.04部)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(SPhos)(0.16部)を混合し、窒素雰囲気下、90℃で5時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(200部)を加え、固形分をろ過により分取した。得られた固体をアセトン及びDMFで洗浄し乾燥した後、昇華精製を行うことにより、具体例のNo.1で表される化合物(1.7部、収率61%)を得た。
Figure 2023118537000011
前記で得られた具体例のNo.1で表される化合物のEI-MS測定の結果は以下の通りであった。
EI-MS m/z : Calcd for C46H28S4 [M+]: 708.11. Found: 708.90
実施例2(具体例のNo.2で表される縮合多環芳香族化合物の合成)
(工程4)下記式4で表される中間体化合物の合成
トルエン(350部)に、2-ブロモ-チオフェン(10.0部)、4-(1-ナフチル)フェニルボロン酸(22.8部)、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(46.0部)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(3.5部)を加え、窒素雰囲気下、還流温度で3時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、水を加え、固形分をろ取した。得られた固体をメタノールで洗浄し乾燥することで、下記式4で表される中間体化合物(15.8部、90%)を得た。
Figure 2023118537000012
(工程5)下記式5で表される中間体化合物の合成
脱水THF(450部)に工程4で得られた式2で表される中間体化合物(15.0部)を加え、窒素雰囲気下、-78℃まで冷却し、1.6Mノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(39.3部)を加え、1時間攪拌した。その後、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(12.2部)を加え、30分間攪拌し、室温まで昇温した後さらに2時間攪拌した。得られた反応液を、水(200部)を用いてクエンチし、トルエンを用いて分液抽出した。得られた有機層を、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた固体を、シリカゲルカラム(展開溶媒:トルエン)で精製し、下記式5で表される中間体化合物(17.2部、収率80%)を得た。
Figure 2023118537000013
(工程6)具体例のNo.2で表される縮合多環芳香族化合物の合成
DMF(300部)に、水(12部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した。2,7-ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2-b][1]ベンゾチオフェン(1.9部)、工程5で得られた式5で表される中間体化合物(4.8部)、リン酸三カリウム(2.5部)、酢酸パラジウム(0.04部)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(SPhos)(0.16部)を混合し、窒素雰囲気下、90℃で5時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(200部)を加え、固形分をろ過により分取した。得られた固体をアセトン及びトルエンで洗浄し乾燥した後、昇華精製を行うことにより、具体例のNo.2で表される化合物(0.99部、収率32%)を得た。
Figure 2023118537000014
前記で得られた具体例のNo.2で表される化合物のEI-MS測定の結果は以下の通りであった。
EI-MS m/z : Calcd for C54H32S4 [M+]: 809.09. Found: 809.30
実施例3(具体例のNo.8で表される縮合多環芳香族化合物の合成)
(工程7)下記式6で表される中間体化合物の合成
1,2-ジメトキシエタン(95部)に、2-ブロモ-チオフェン(3.1部)、WO2018/016465公報に記載の方法で合成した。2-(4-ベンゾ[b]フラン-2-イル)フェニル-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(5.0部)、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(17.5部)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.63部)を加え、窒素雰囲気下、還流温度で4.5時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、水を加え、固形分をろ取した。得られた固体をメタノールで洗浄し乾燥することで、下記式6で表される中間体化合物(3.9部、90%)を得た。
Figure 2023118537000015
(工程8)下記式7で表される中間体化合物の合成
脱水THF(150部)に工程7で得られた式6で表される中間体化合物(6.0部)を加え、窒素雰囲気下、-78℃まで冷却し、1.6Mノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(30.0部)を加え、2時間攪拌した。その後、ほう酸トリメチル(5.6部)を加え、30分間攪拌し、室温まで昇温した後さらに2時間攪拌した。得られた反応液を、1Nの希塩酸水溶液(100部)を用いてクエンチし、ジクロロメタンを用いて分液抽出した。得られた有機層を、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた固体を、酢酸エチルで再結晶し、下記式7で表される中間体化合物(6.2部、収率88%)を得た。
Figure 2023118537000016
(工程9)具体例のNo.8で表される縮合多環芳香族化合物の合成
DMF(220部)に、水(9部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した
2,7-ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2-b][1]ベンゾチオフェン(1.5部)、工程5で得られた式7で表される中間体化合物(2.8部)、リン酸三カリウム(4.5部)、酢酸パラジウム(0.04部)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(SPhos)(0.16部)を混合し、窒素雰囲気下、90℃で5時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(150部)を加え、固形分をろ過により分取した。得られた固体をアセトン及びDMFで洗浄し乾燥した後、昇華精製を行うことにより、具体例のNo.8で表される化合物(0.64部、収率27%)を得た。
Figure 2023118537000017
前記で得られた具体例のNo.8で表される化合物のEI-MS測定の結果は以下の通りであった。
EI-MS m/z : Calcd for C50H28O2S4 [M+]: 789.01. Found: 789.71
実施例4(具体例のNo.28で表される縮合多環芳香族化合物の合成)
(工程10)下記式8で表される中間体化合物の合成
ノルマルブタノール(260部)に、水(10部)、2-ブロモ-チオフェン(8.5部)、2-ベンゾフランボロン酸(7.3部)、水酸化ナトリウム(4.2部)、酢酸パラジウム(0.27部)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(SPhos)(0.59部)を混合し、窒素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。得られた反応液に水と酢酸エチルを加え、分液抽出した。得られた有機層を、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた固体をシリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=1/2(体積比))で精製し、下記式6で表される中間体化合物(5.8部、65%)を得た。
Figure 2023118537000018
(工程11)下記式9で表される中間体化合物の合成
脱水THF(150部)に工程10で得られた式8で表される中間体化合物(5.8部)を加え、窒素雰囲気下、-78℃まで冷却し、1.6Mノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(54.7部)を加え、1時間攪拌した。その後、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(17.5部)を加え、1時間攪拌し、室温まで昇温した後さらに2時間攪拌した。得られた反応液を、水(100部)を用いてクエンチし、酢酸エチルを用いて分液抽出した。得られた有機層を、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた固体を、シリカゲルカラム(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=97/3(体積比))で精製し、得られた固体をエタノールで再結晶し、下記式9で表される中間体化合物(4.1部、収率43%)を得た。
Figure 2023118537000019
(工程12)具体例のNo.28で表される縮合多環芳香族化合物の合成
DMF(400部)に、特許第4945757号に記載の方法で合成した。2,7-ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2-b][1]ベンゾチオフェン(2.5部)、工程11で得られた式9で表される中間体化合物(4.9部)、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(20.0部)、酢酸パラジウム(0.13部)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(SPhos)(0.37部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で2時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(200部)を加え、固形分をろ過により分取した。得られた固体をアセトン及びDMFで洗浄し乾燥した後、昇華精製を行うことにより、具体例のNo.28で表される化合物(2.1部、収率65%)を得た。
Figure 2023118537000020
前記で得られた具体例のNo.28で表される化合物のEI-MS測定の結果は以下の通りであった。
EI-MS m/z : Calcd for C38H20O2S4 [M+]: 636.82. Found: 636.03
実施例5(具体例のNo.31で表される縮合多環芳香族化合物の合成)
(工程13)下記式10で表される中間体化合物の合成
トルエン(550部)に、5-ブロモベンゾチオフェン(30.0部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(56.1部)、酢酸カリウム(36.1部)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(3.3部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、固形分をろ別し、生成物を含むろ液を得た。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;トルエン)にて精製し、溶媒を減圧除去することにより、白色固体を得た。得られた固体をトルエンで再結晶にて精製することで、下記式10で表される中間体化合物(40.2部、収率84%)を得た。
Figure 2023118537000021
(工程14)下記式11で表される中間体化合物の合成
DMF(400部)に、水(15部)、工程13で得られた式10で表される中間体化合物(20.5部)、Organic Letter,2013,15(18),4666に記載の方法で合成した。2-ブロモ-5-ヨードチオフェン(22.7部)、炭酸カリウム(21.8部)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.3部)を加え、窒素雰囲気下、80℃で4時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(150部)を加え、固形分をろ過により分取した。得られた固体をシリカゲルカラム(展開溶媒:トルエン/ヘキサン=1/15(体積比))で精製し、得られた固体を酢酸エチルで再結晶し、下記式11で表される中間体化合物(19.1部、収率82%)を得た。
Figure 2023118537000022
(工程15)下記式12で表される中間体化合物の合成
トルエン(200部)に、工程14で得られた式11で表される中間体化合物(15.0部)、ビス(ピナコラト)ジボロン(15.5部)、酢酸カリウム(10.0部)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.1部)を混合し、窒素雰囲気下、還流温度で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、固形分をろ別し、生成物を含むろ液を得た。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;トルエン)にて精製し、溶媒を減圧除去することにより、白色固体を得た。得られた固体を酢酸エチルで再結晶にて精製することで、下記式12で表される中間体化合物(11.2部、収率64%)を得た。
Figure 2023118537000023
(工程16)具体例のNo.31で表される縮合多環芳香族化合物の合成
DMF(350部)に、水(12部)、特許第4945757号に記載の方法で合成した。2,7-ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2-b][1]ベンゾチオフェン(3.5部)、工程15で得られた式12で表される中間体化合物(6.1部)、リン酸三カリウム(4.5部)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.41部)を混合し、窒素雰囲気下、90℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(200部)を加え、固形分をろ過により分取した。得られた固体をアセトン及びDMFで洗浄し乾燥した後、昇華精製を行うことにより、具体例のNo.31で表される化合物(1.6部、収率33%)を得た。
Figure 2023118537000024
前記で得られた具体例のNo.31で表される化合物のEI-MS測定の結果は以下の通りであった。
EI-MS m/z : Calcd for C38H20S6 [M+]: 668.94. Found: 668.10
比較例1(下記式R1で表される縮合多環芳香族化合物の合成)
(工程17)下記式R1で表される縮合多環芳香族化合物の合成
DMF(100部)に、特許第4945757号に記載の方法で合成した。2,7-ジヨード[1]ベンゾチエノ[3,2-b][1]ベンゾチオフェン(1.5部)、Organic &Biomolecular Chemistry,2019,17(20),5055に記載の方法で合成した(5-フェニルチオフェン-2-イル)ボロン酸(1.9部)、リン酸三カリウム(2.6部)、酢酸パラジウム(0.03部)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(SPhos)(0.10部)を混合し、窒素雰囲気下、90℃で6時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水(100部)を加え、固形分をろ過により分取した。得られた固体をアセトン及びDMFで洗浄し乾燥した後、昇華精製を行うことにより、下記式R1で表される化合物(1.2部、収率74%)を得た。
Figure 2023118537000025
前記で得られた式R1で表される化合物のEI-MS測定の結果は以下の通りであった。
EI-MS m/z : Calcd for C34H20S [M+]: 556.77. Found: 556.04
実施例6(実施例1で得られた具体例のNo.1で表される化合物の有機光電変換素子の作製と評価)
ITO透明導電ガラス(ジオマテック(株)製、ITO膜厚150nm)に、実施例1で得られた具体例のNo.1で表される縮合多環芳香族化合物を抵抗加熱真空蒸着により75nmの膜厚に成膜した。次に、電極としてアルミニウムを100nm真空成膜し、本発明の有機光電変換素子1を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、3Vの電圧を印加し、照射光波長が450nmの光照射を行った場合の明暗比は430,000であった。
実施例7(実施例3で得られた具体例のNo.8で表される化合物の有機光電変換素子の作製と評価)
実施例1で得られた具体例のNo.1で表される縮合多環芳香族化合物を実施例3で得られた具体例のNo.8で表される縮合多環芳香族化合物に変更した以外は実施例6に準じた方法で、有機光電変換素子2を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、3Vの電圧を印加し、照射光波長が450nmの光照射を行った場合の明暗比は490,000であった。
実施例8(実施例4で得られた具体例のNo.28で表される化合物の有機光電変換素子の作製と評価)
実施例1で得られた具体例のNo.1で表される縮合多環芳香族化合物を実施例4で得られた具体例のNo.28で表される縮合多環芳香族化合物に変更した以外は実施例6に準じた方法で、有機光電変換素子3を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、3Vの電圧を印加し、照射光波長が450nmの光照射を行った場合の明暗比は290,000であった。
実施例9(実施例5で得られた具体例のNo.31で表される化合物の有機光電変換素子の作製と評価)
実施例1で得られた具体例のNo.1で表される縮合多環芳香族化合物を実施例5で得られた具体例のNo.31で表される縮合多環芳香族化合物に変更した以外は実施例6に準じた方法で、有機光電変換素子4を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、3Vの電圧を印加し、照射光波長が450nmの光照射を行った場合の明暗比は310,000であった。
比較例2(比較例1で得られたR1で表される化合物の有機光電変換素子の作製と評価)
実施例1で得られた具体例のNo.1で表される縮合多環芳香族化合物を比較例1で得られた式R1で表される縮合多環芳香族化合物に変更した以外は実施例6に準じた方法で、有機光電変換素子R1Dを作製した。ITOとアルミニウムを電極として、3Vの電圧を印加し、照射光波長が450nmの光照射を行った場合の明暗比は30,000であった。
本発明の式(1)で表される縮合多環芳香族化合物を用いた有機光電変換素子は、450nm付近の青色光領域に吸収帯を有し、大きな明暗電流比を示すことから、青色光用の有機光電変換素子並びに有機撮像素子、その材料などへの利用することができる。
(図1)
1 絶縁部
2 上部電極
3 電子ブロック層
4 光電変換層
5 正孔ブロック層
6 下部電極
7 絶縁基材若しくは他光電変換素子


Claims (9)

  1. 一般式(1)
    Figure 2023118537000026
    (式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に芳香族化合物から水素原子を一つ除いた残基を置換基として有するフェニル基、又は複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基を表す。)
    で表される縮合多環芳香族化合物。
  2. およびRが、それぞれ独立に酸素原子若しくは硫黄原子を含む複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基を有するフェニル基、又は芳香族炭化水素化合物から水素原子を一つ除いた残基を有するフェニル基である請求項1に記載の縮合多環芳香族化合物。
  3. およびRが、それぞれ独立にベンゾチオフェンから水素原子を一つ除いた残基を有するフェニル基、ベンゾフランから水素原子を一つ除いた残基を有するフェニル基、又はフェニル基を有するフェニル基である請求項2に記載の縮合多環芳香族化合物。
  4. およびRが、それぞれ独立に酸素原子を含む複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基、又は硫黄原子を含む複素芳香族縮合多環化合物から水素原子を一つ除いた残基である請求項1に記載の縮合多環芳香族化合物。
  5. およびRが、それぞれ独立にベンゾチオフェンから水素原子を一つ除いた残基、又はベンゾフランから水素原子を一つ除いた残基である請求項4に記載の縮合多環芳香族化合物。
  6. およびRが同一である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物を含む有機光電変換素子用材料。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物を含む有機薄膜。
  9. 請求項8に記載の有機薄膜を有する有機光電変換素子。



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