JP5264037B2 - 中空微粒子状酸化タンタル及び/又は酸化ニオブの製造方法 - Google Patents

中空微粒子状酸化タンタル及び/又は酸化ニオブの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化タンタル粉末及び/又は酸化ニオブ粉末、及びその製造方法に係わり、例えば、圧電体・半導体・センサー・オプトエレクトロニクス材・誘電体・超伝導体を作製する際のタンタル原料及び/又はニオブ原料として特異な結晶形状を有し、高純度高比表面積微細粒子系の酸化タンタル粉末及び/又は酸化ニオブ粉末及びその製造方法に関する。
特開平3−153527号公報 特開平6−321543号公報 特開平11−255518号公報 特開2002−253964号公報 特開2000−080346号公報
近年、セラミックス原料、電子材料等に酸化タンタル及び/又は酸化ニオブを使用する需要が高く、殊にオプトエレクトロニクス、触媒等の材料としては粒子径が小さく、高比表面積を有する酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ原料が要求されている。しかしながら、酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ原料は一般に水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブの原料粉末を焼成し、これを粉砕して使用されるため、その粒子は不均一であるだけでなく、比較的粒子径の大きなタンタル原料及び/又はニオブ原料が使用されているのが現状である。従って、前述のような高比表面積、微細粒子径の酸化タンタル及び/又は酸化ニオブの要求が高くなっている。
さらに、結晶粒子を特異な形状にすることで、これまでには無かった機能を付加させることが可能となるため、結晶形状のコントロールの要求も高まっている。
このような現状に於いて、上述した高比表面積、微細粒子径の要求に応じるべく、近年各種の元素を微細粒子のゾルで提供する技術が開発されている。しかしこれらはゾルの製造方法に関するものであり、その後の乾燥工程及び焼結工程による融着・凝集等については一切触れられていない。微細粒子化すればするほど、乾燥あるいは焼結時に融着、凝集が起こりやすくなる。その結果、乾燥・焼結後は、目的とする微細粒子ではなく、大きな粒子径となってしまう。
ニオブ原料についても特許文献1(特開平3−153527号公報)に於いて、ペルオキシニオブ酸ゾルの技術が開示されている。このペルオキシニオブ酸ゾルを他のセラミックス材料に混合した後、焼結することでニオブ含有誘導体セラミックスの製造が可能になると報告されている。しかし、この方法では、これまでの不均一な酸化ニオブ又は水酸化ニオブをスラリーとして混合する方法に比べると若干改良はされているが、やはりペルオキシニオブ酸ゾルとニオブ以外の構成元素とが焼結の際、激しく凝集し、均一微細なセラミックス材料を作ることが難しい。さらに、このペルオキシニオブ酸ゾル(H+[NbO2(O)2]-)は、水酸化ニオブ等の原料を強酸と過酸化水素水を用いてペルオキシニオブ酸の水溶液とし、これを5〜50度の温度に保持してゾルを得るものであって、得られたゾルには過酸化物が常に存在していることから、その成分構成によって自ずと使用用途が限定される。即ち、触媒・オプトエレクトロニクス原料等として、過酸化物の存在は他の原料との反応性などの問題で致命的となり、使用できないのが現状である。
また、特許文献2(特開平6−321543号公報)においては、上記の酸化ニオブゾルの改良製造法としてしゅう酸を添加する方法を取り上げているが、この方法においても、ゾルの粒子径を細かくする方法としては効果があるものの、やはりその後の乾燥工程及び焼結工程による融着・凝集等については一切触れられていない。
更に、特許文献3(特開平11−255518号公報)では、高純度水酸化タンタル及び酸化タンタルの製造方法について示されている。この公報においては、水酸化タンタルを実際に乾燥させた後、焼成させることにより、酸化タンタルとして取り出しており、粒子径についても実際に明記されている。実際にこの方法で得られた乾燥後の水酸化タンタルの一次平均粒子径は5.0〜15.0μmであり、焼成後さらに粉砕することにより得られた酸化タンタルの一次平均粒子径は、1.0〜10.0μmとなることを報告している。
けれども、近年、セラミックス原料・電子材料等に使用する酸化タンタル及び/又は酸化ニオブは、一次平均粒子径が非常に小さく、且つ高比表面積であることが望まれている。具体的には、一次平均粒子径が1μm以下、且つ、比表面積が10m/g以上を有する酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ原料が要求されている。
一方、上述の特異な形状粒子、特に中空粒子とすることでの機能性についても、近年注目されつつある。その中で、以下二点を例として示す。
まず一点目として、酸化物光触媒材料は、従来、粉末状で用いられているため、有機物が酸化物光触媒表面の一部又は大部分を覆ってしまい、光触媒機能は粉末そのものに比べ、著しく不活性化するという欠点があった。また、光触媒機能によって有機物が分解されてしまうため、被膜強度が劣化し、粉末が次第に脱落してしまい、耐久性に係るという欠点があった。そのためこれまで、光触媒機能の高活性化を目的に光触媒体の表面状態を制御する技術、あるいは光触媒体表層部の結晶を制御する技術等が開発されてきたが、必ずしも顕著な向上は見られず、また基板の加工・膜の加工・下地層の挿入などコスト面でも問題があった。そこで、特許文献4(特開2002−253964号公報)において、酸化チタン結晶の結晶形状を、柱状結晶にし、且つその柱状結晶内部が中空構造を成すことで高活性な光触媒機能が得られたことを報告している。
二点目として、無機系紫外線散乱剤として、UV−B領域の紫外線に対しては効果的な紫外線遮蔽効果を示す酸化チタンにおいては、UV−A領域の紫外線に対してはほとんど効果がなく、また化粧料に配合した際にしばしば青白い色調をおびるという問題点を有していた。逆に酸化亜鉛は、透明性が高いものの、UV−B領域の紫外線に対しては遮断効果が十分でないという問題があった。以上の問題点に対して、種々の改良が施された無機系紫外線遮断剤が考案されているが、やはり、依然として分散性の悪さや、触媒作用による皮膚への刺激など、使用感や安全性の面で不十分であった。そこで、特許文献5(特開2000−080346号公報)において、酸化物・複合酸化物の中空粒子を用いることにより、得られる紫外線遮断剤の見かけの比重を小さくすることができ、普通のバルク粒子を用いる場合に比べ、塗料や顔料、化粧料等に配合した際の分散性が著しく向上する効果があったと報告している。
このように従来の粉末粒子に比べ、中空粒子とすることで、性能が向上もしくは新たな機能が出現するなどの特徴が出現し、注目を浴びている。
しかし、これら酸化チタン等の中空粒子、ならびに中空微粒子、中空超微粒子の製造方法として、界面反応法、多重エマルション法、スプレードライ法、液中硬化法、芯物質表面重合法、芯物質燃焼法、コアセルベーション法、液中乾燥法等により作られているが、工程が非常に複雑であり、簡易に製造することが難しい。
従って、酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ原料として使用用途が制限されること無く、しかも中空結晶形状、且つ微細な一次平均粒子径であり、高比表面積を有した酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ原料の出現が要望されているのが現状である。さらに、このような中空結晶を簡易に製造する技術も非常に望まれている。
本発明者らは、上述のような現状に於いて、各種の目的用途に適用できる酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ材料を得るべく、水酸化タンタル・酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブ・酸化ニオブ及びその製造方法について鋭意検討を重ねた。
本発明は、中空形状をしていることを特徴とする中空微粒子状酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明者等が鋭意研究を行ったところ、水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブを得るための中和工程において条件を最適化することで、中空結晶形状、且つ微細な一次平均粒子径であり、高比表面積を有した酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ原料が得られることを見出し、係る知見に基づき本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、本発明は、(1)タンタル化合物及び/又はニオブ化合物溶液、(2)フッ化タンタル酸及び/又はフッ化ニオブ酸溶液、又は、(3)フッ化タンタル酸結晶及び/又はフッ化ニオブ酸結晶を水に溶解させた液に、ヒドラジン又はヒドラジン水溶液を添加し、得られた水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブを焼成することを特徴とする中空微粒子状酸化タンタル及び/又は酸化ニオブの製造方法である。
本発明によれば中空微粒子状の酸化タンタル及び/又は酸化ニオブを製造することができる。
また、平均粒子径が1μm以下、且つ、比表面積が10m/g以上を有する酸化タンタル及び/又は酸化ニオブを得ることが可能となる。
このように簡易な方法で製造可能な微粒子中空形状を有する酸化タンタル及び/又は酸化ニオブは、圧電体・半導体・センサー・オプトエレクトロニクス材・誘電体・超伝導体としてこれまでにはない、新たな機能性が発現することが期待出来る。
本発明の製造方法を、以下に工程順に説明する。
本発明の製造方法における原料は、タンタライト及び/又はコロンバイトやニオカライト等の鉱石あるいはタンタル及び/又はニオブ含有の合金やタンタル及び/又はニオブコンデンサ、タンタル及び/又はニオブ含有ターゲット材の残部や蒸着屑、あるいは超硬工具材の加工屑等のスクラップなどを用いる。この場合、原料の組成としては、タンタル及び/又はニオブを主成分とする組成のものが好ましいが、これに限定されるものではない。
また高純度化された酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ原料を再度溶解して使用しても構わない。さらに抽出、あるいはイオン交換後のフッ酸溶液をアンモニア、アンモニア水、炭酸アンモニウム水溶液、重炭酸アンモニウム水溶液、ヒドラジン、ヒドラジン水溶液によって一旦中和させ、沈殿した水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブを使用しても構わない。
セラミックス原料・電子材料等に使用する酸化タンタル及び/又は酸化ニオブは、一般的に99.8%以上の純度、好ましくは99.9%以上の純度を有したものが使用されている。そこでタンタル原材料及び/又はニオブ原材料として純度の低い化合物を用いる場合、精製操作を行ない、純度を高める必要がある。
純度の低い化合物から、タンタル及び/又はニオブを分離したり、粗タンタル及び/又は粗ニオブ化合物中の不純物を除去する方法として、一般的な以下の方法等が使用出来る。
(1)メチルイソブチルケトン、トリブチルフォスフェート、トリオクチルホスフィンオキシド等の抽出選択性を利用した溶媒抽出法。
(2)金属化合物の溶解度差を利用した分別結晶法。
(3)イオン交換樹脂の吸着選択性を利用したイオン交換分離法。
(4)タンタル化合物及び/又はニオブ化合物の溶解液からの晶析操作法。
これらの方法により精製されたタンタル化合物及び/又はニオブ化合物溶液もしくは、高純度化された酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ原料をフッ化水素酸等に再度溶解することにより得られたフッ化タンタル酸及び/又はフッ化ニオブ酸溶液を以下の工程で用いる。さらにこれらの溶液から、晶析操作により、フッ化タンタル酸結晶及び/又はフッ化ニオブ酸結晶のみを取り出し、使用しても構わない。
なおこの溶液には、フッ化水素酸の他に、硝酸・硫酸・塩酸などの酸あるいは、水・有機溶媒等が含まれていても構わない。
次に、上記タンタル化合物及び/又はニオブ化合物溶液もしくは、フッ化タンタル酸及び/又はフッ化ニオブ酸溶液、或いは、フッ化タンタル酸結晶及び/又はフッ化ニオブ酸結晶を水に溶解させた液を、塩基性水溶液で中和し、水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブを得る。
水溶液のタンタル濃度及び/又はニオブ濃度は、タンタル換算及び/又はニオブ換算で好ましくは1〜150g/L、特に好ましくは5〜50g/Lとする。これは、タンタル濃度及び/又はニオブ濃度を希薄にすることで、中和速度が低下して急激な粒子成長を抑制することが可能となるためである。また、中和時のタンタル水溶液及び/又はニオブ水溶液の温度は、好ましくは10〜90℃、特に好ましくは50〜90℃とする。
中和に使用する塩基性水溶液は、ヒドラジン、ヒドラジン水溶液を用いる。
塩基性水溶液の濃度は、水酸化物の粒子成長による粒子の粗大化を抑制するため、出来るだけ希薄であることが望ましいことから、好ましくは1〜50重量%、特に好ましくは、1〜30重量%とする。また、塩基性水溶液の温度は、粒子成長による粒子の粗大化を促すことを抑制するため、出来るだけ高い温度が望ましく、好ましくは10〜90℃、特に好ましくは50〜90℃とする。
中和操作は、攪拌しているタンタル水溶液及び/又はニオブ水溶液中に塩基性水溶液を添加する方法、又は、攪拌している塩基性水溶液中にタンタル水溶液及び/又はニオブ水溶液を添加する方法の何れで行っても構わない。またタンタル水溶液及び/又はニオブ水溶液と塩基性水溶液との中和反応後の溶液は、pH9になるまで添加することが好ましい。さらに添加速度は、出来るだけ遅いことが望ましく、反応等量/時間で0.5〜5.0等量/時間が好ましい。
得られた水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブを固液分離するが、水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブとそれ以外の水溶液の固液分離は、自然濾過、加圧濾過、遠心分離濾過等が可能である。濾別後、洗浄操作により、水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブの純度を高める。洗浄操作は、再度洗浄剤に分散させ行う方法及び、洗浄剤を接触させて行う方法の何れの方法を用いても構わない。この時、使用する洗浄剤は、水、好ましくは一般に純水と呼ばれるイオン交換水を用いるが、洗浄剤のpH等は特に調整の必要は無い。また残存陰イオン量を低下させるために、公知のホウ素(ホウ酸)0.1〜2重量%の存在した鉱酸で洗浄処理する方法を用いても構わない。
得られた水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブを乾燥するが、この乾燥方法は、風乾、温熱乾燥、真空乾燥等で行う。この場合、乾燥温度及び乾燥時間は、特に限定されない。乾燥後、平均一次粒子が0.001μm〜1μmで比表面積が10〜200m/gである水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブを得ることが出来る。
次いで、乾燥させた水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブを、焼成し、酸化タンタル及び/又は酸化ニオブを得るが、この場合、焼成温度は、600〜1100度が好ましい。これは、微量に残留したフッ素を揮発除去できるためである。
焼成時間は、酸化を促すのに十分な時間をとればよく、例えば3〜24時間焼成する。さらに焼成雰囲気は、酸化を目的とするため酸素雰囲気が好ましいが、これは、十分に酸素が供給できる条件であれば、大気中でも問題は無い。さらに微量に残存したフッ素を除去するため、水蒸気を含有する空気の流通下に焼成する公知の方法を使用しても構わない。
焼成上昇速度は、3〜100度/分の上昇速度が好ましく、特に好ましくは、20〜75度/分である。勿論、炉の温度を先に上昇させておき、そこにサンプルを入れても構わない。焼成上昇速度が100℃/分より速い上昇速度では、ルツボが割れる可能性が非常に高い為、好ましくない。
上記水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブを焼成して得た酸化タンタル及び/又は酸化ニオブの組成は、Ta2 5 99.9重量%以上(Nbと遷移金属を除く差数法による)及び/又はNb2 5 99.9重量%以上(Taと遷移金属を除く差数法による)であり、光学材料や電子材料用等に非常に適したものである。
焼成工程で得られた酸化タンタル及び/又は酸化ニオブの粉体特性は、一次平均粒子径が0.01〜1.0μm、比表面積が10.0〜50.0m2 /gである。さらに得られた酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ結晶は、中空形状を有しており、各種材料への微量添加、均一混合性等に優れるのみではなく、新規機能性が期待出来る。従って、本発明の酸化タンタル及び/又は酸化ニオブは、触媒、オプトエレクトロニクス材・半導体・圧電体等を製造するためのタンタル及び/又はニオブ原料として好適であり、その用途は広範なものである。
(実施例)
以下に本発明の代表的な例を示しながら更に具体的に説明する。尚、これらは説明の為の単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
攪拌器を備えた容量1Lの透明PFA製の容器に、純度98%(その他不純物;Ta−30ppm,K−10ppm,Na−10ppm,Ti−10ppm,Fe−10ppm,Ni−10ppm,Al−10ppm,Sb−ppm)の酸化ニオブ150gと50 %−HF 500gを入れ、90℃で一晩攪拌した。少量の不溶分を濾過により除いた後、上記不純物を除去し、高純度酸化ニオブとするために、硫酸、及び、リン酸トリブチル(TBP )を加え、抽出操作を行った。下層の水溶液層と上層のTBP 層を分液した後、下層の水溶液層に水1.5kg(ニオブ元素換算で100g /L)を加えた。この溶液に、85%含水ヒドラジン・一水和物水溶液750gを5.5kgの水に溶解させた水溶液(ヒドラジン水溶液濃度で10.2重量%)を、90℃、攪拌下、3時間かけ滴下した。生じた水酸化ニオブの沈殿を濾過により分離し、さらにこの水酸化ニオブを水5.0kgに分散させ、リパルプ洗浄及び濾過を3度繰り返し行った。
また同様の操作(但し、中和は0℃)により、水酸化タンタルを調整した。
洗浄後の水酸化ニオブ又は、水酸化タンタルを115℃で6時間乾燥させた後、昇温速度10℃/分で800℃まで上昇させ、800℃、大気雰囲気下、8時間焼成を電気炉にて行った。
XRDにより焼成後の生成物を確認したところ、酸化ニオブ(Nb)又は酸化タンタル(Ta)に帰属された。さらに酸化ニオブの金属不純物量は、Ta<10ppm,K<5ppm,Na<5ppm,Ti<1ppm,Fe<1ppm,Ni<1ppm,Al<1ppm,Sb<1ppmであり、酸化タンタルの金属不純物量は、Nb<10ppm,K<5ppm,Na<5ppm,Ti<1ppm,Fe<1ppm,Ni<1ppm,Al<1ppm,Sb<1ppmであった。
また、表面形状写真を図1(酸化ニオブ),図2(酸化タンタル)に示す。このSEM像から、結晶は柱状中空結晶であることが分かる。更に、一次平均粒子は0.5μm、1μm、アスペクト比は5.2、8.9で、比表面積は19.8g/m、10.2g/mであり非常に微粒子・高比表面積であった。
攪拌器を備えた容量1Lの透明PFA製の容器に、純度99.9%(その他不純物;Nb−50ppm,K−10ppm,Na−10ppm,Ti−10ppm,Fe−10ppm,Ni−10ppm,Al−10ppm,Sb−ppm)の酸化タンタル100gと50 %−HF 300gを入れ、90℃で一晩攪拌した。少量の不溶分を濾過により除き、水2.4kgを加えた(タンタル元素換算で20g /L)。この溶液に、85%含水ヒドラジン・一水和物水溶液500gを3.5kgの水に溶解させた水溶液(ヒドラジン水溶液濃度で10.6重量%)を、90℃、攪拌下、2時間かけ滴下した。生じた水酸化タンタルの沈殿を濾過により分離し、さらにこの水酸化タンタルを水5.5kgに分散させ、リパルプ洗浄及び濾過を3度繰り返し行った。
洗浄後の水酸化ニオブを115℃で8時間乾燥させた後、昇温速度50℃/分で1000℃まで上昇させ、1000℃、大気雰囲気下、8時間焼成を電気炉にて行った。
同様にして、タンタル濃度20g /Lにヒドラジン濃度で55重量%溶液を滴下することにより得られた水酸化タンタルを、昇温速度1℃/分で1000℃まで上昇させ、1000℃、大気雰囲気下、6時間焼成を電気炉にて行った。
XRDにより焼成後の生成物を確認したところ、酸化タンタル(Ta2O5)に帰属された。さらに金属不純物量は、Nb<10ppm,K<5ppm,Na<5ppm,Ti<1ppm,Fe<1ppm,Ni<1ppm,Al<1ppm,Sb<1ppmであった。
また、表面形状写真を図3に示す。図3のSEM像から、結晶は柱状中空結晶であることが分かる。更に、一次平均粒子は0.6μmで、比表面積は18.5g/m2であり非常に微粒子・高比表面積であった。
(比較例)
攪拌器を備えた容量1Lの透明PFA製の容器に、純度99.9%(その他不純物;Ta−30ppm,K−10ppm,Na−10ppm,Ti−10ppm,Fe−10ppm,Ni−10ppm,Al−10ppm,Sb−ppm)の酸化ニオブ100gと50 %−HF 300gを入れ、80℃で6時間攪拌した。さらに少量の不溶分を濾過により除いた(ニオブ元素換算で250g /L)。この溶液に、28%アンモニア水溶液1500gを5.5kgの水に溶解させた水溶液(アンモニア水溶液濃度で6.0重量%)を、90℃、攪拌下、2時間かけ滴下した。生じた水酸化ニオブの沈殿を濾過により分離し、さらにこの水酸化ニオブを水3.5kgに分散させ、リパルプ洗浄及び濾過を3度繰り返し行った。
洗浄後の水酸化ニオブを115℃で8時間乾燥させた後、昇温速度50℃/分で750℃まで上昇させ、750℃、大気雰囲気下、8時間焼成を電気炉にて行った。
XRDにより焼成後の生成物を確認したところ、酸化ニオブ(Nb)に帰属された。さらに金属不純物量は、Ta<10ppm,K<5ppm,Na<5ppm,Ti<1ppm,Fe<1ppm,Ni<1ppm,Al<1ppm,Sb<1ppmであった。
また、表面形状写真を図4に示す。しかし、このSEM像から、焼成により、一次粒子が融着して大きな塊になってしまったことが分かる。更に、一次平均粒子は4.8μmで、比表面積は0.8g/mでありこれまで光学用として用いられている粒径・比表面積と変わらなかった。
なお、上記例における評価は以下の(1)〜(5)の方法により実施した。
(1)結晶構造解析;X線回折装置(XRD)により評価。
(2)金属不純物量;誘導結合プラズマ原子発光分析にて評価。
(3)表面形状写真;SEMにより評価。
(4)一次平均粒子径;粒度分布計(レーザー回折散乱法)により評価。
(5)比表面積;流動BET一点法により評価。
実施例に係る酸化タンタルをファウンデーション中に添加した。化粧料中において中実のものに比べ優れた分散性を示した。
実施例により製造した酸化ニオブのSEM写真である。 実施例により製造した酸化タンタルのSEM写真である。 実施例により製造した酸化タンタルのSEM写真である。 比較例により製造した酸化ニオブのSEM写真である。

Claims (12)

  1. (1)タンタル化合物及び/又はニオブ化合物を水に溶解させた水溶液、(2)フッ化タンタル酸及び/又はフッ化ニオブ酸を水に溶解させた水溶液、又は、(3)フッ化タンタル酸結晶及び/又はフッ化ニオブ酸結晶を水に溶解させた水溶であって、(1)、(2)又は(3)の前記水溶液のタンタル濃度及び/又はニオブ濃度はタンタル換算及び/又はニオブ換算で1〜150g/Lであり、
    前記水溶液に、ヒドラジン又はヒドラジン水溶液を添加し、得られた水酸化タンタル及び/又は水酸化ニオブを焼成することを特徴とする中空微粒子状酸化タンタル及び/又は酸化ニオブの製造方法。
  2. 前記ヒドラジンの濃度は、1〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 前記ヒドラジンの濃度は、1〜30重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記ヒドラジン水溶液の温度は0〜90℃とすることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 前記ヒドラジン水溶液の温度は50〜90℃とすることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 前記焼成時における昇温速度を3〜100℃/分とすることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の製造方法。
  7. 前記焼成時における昇温速度を20〜75℃/分とすることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の製造方法。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項記載の製造方法により製造されたことを特徴とする中空微粒子状酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ。
  9. 中空形状をしていることを特徴とする請求項記載の中空微粒子状酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ。
  10. アスペクト比(長さ/直径)が1.0〜10であることを特徴とする請求項又は記載の酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ。
  11. 一次平均粒子径が、0.01〜1.0μmである請求項乃至10のいずれか1項記載の中空微粒子状酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ。
  12. 微粒子中空形状を有することを特徴とする中空微粒子状酸化タンタル及び/又は酸化ニオブ。
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