JP4025594B2 - 酸化タンタル粉並びに酸化ニオブ粉の製造方法及びその製造方法で得られる酸化タンタル粉並びに酸化ニオブ粉 - Google Patents

酸化タンタル粉並びに酸化ニオブ粉の製造方法及びその製造方法で得られる酸化タンタル粉並びに酸化ニオブ粉 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
酸化タンタル粉又は酸化ニオブ粉の製造方法及びその製造方法で得られる酸化タンタル粉又は酸化ニオブ粉に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、酸化タンタル粉又は酸化ニオブ粉は、コンデンサー等の電子産業で用いるチップ部品分野で還元してタンタル粉又はニオブ粉にして電極等の製造に用いられたり、スパッタリングのターゲット原料等としての使用量が急増している。
【0003】
このときの酸化タンタル粉及び酸化ニオブ粉は、これらの製造メーカーより缶内にパッキングされるか、袋状の容器にパッキングされる等して出荷される。そして、出荷された製品が顧客の手元に届くまでには、自動車輸送、船舶輸送等種々の交通手段を経ることになる。従って、パッキングされた製品である酸化タンタル粉及び酸化ニオブ粉は、輸送時に加えられる振動、圧力等の外力により押し固められ、擬似的に固化した状態になる。
【0004】
このように固化した状態の酸化タンタル粉及び酸化ニオブ粉の納入を受ける顧客は、使用に際して疑似固化した状態を解消する「解し作業」を行うのが通例となっていた。酸化タンタル粉及び酸化ニオブ粉の疑似固化がかなり強固な場合には、ハンマリングする等の労力を要する解砕作業が必要となり、人力で行う場合には非常に人体負荷の大きな作業であり、また、機械的に行う場合にも解砕設備の投資を必要としてトータル製造コストの上昇を招くものでもあった。そのため、酸化タンタル粉及び酸化ニオブ粉が強固に固化することなく、容易に解れるという意味でのハンドリング性の改善が長年求められてきた。以下、この性質を「易分散性」と称する。
【0005】
上述したような問題点を解決するためには、振動等の外力を受けた場合にも、その外力を除去したときに容易にほぐれる易分散性の酸化タンタル粉及び酸化ニオブ粉を提供すればよいことは明らかである。従って、このような問題を解決するためには、酸化タンタル粉及び酸化ニオブ粉の粉粒自体の形状を工夫して、フワフワした粉体を作り出すことが考えられてきた。その代表的な方法が、水酸化タンタル又は水酸化ニオブを、スプレードライヤーを用いて加熱乾燥して酸化タンタル又は酸化ニオブを製造する方法である(以下、「スプレードライヤー法」と称する。)。この方法を用いて得られる当該粉体は、確かに振動を受けただけでは擬似的に固化した状態になることはなく、事後的に行う解砕作業の必要性も全くなくなるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スプレードライヤー法で得られた当該粉体は、非常に緻密でフワフワした易分散性に優れた粉体特性を有しているが、例えば、この粉体を押し固めてスパッタリングターゲット、ペレット等の圧縮成型品を製造しようとしたときに、押し固めることが困難で圧縮密度及び圧縮成型品の寸法精度に劣るという欠点を有している。特に、スパッタリングターゲットの場合には、圧縮密度が高いことと併せて、圧縮成形した後のターゲット厚さを0.2mm程度の誤差で仕上げなければならない。従って、圧縮成形して得られるターゲットを厚めに製造し、その後表面を研削加工する等して均一の厚さを確保するのが通常である。即ち、スプレードライヤー法で得られた当該粉体は、単に輸送途中での振動により擬似的に凝固しなくとも、製品の製造段階に置いて求められる圧縮成形性に関する特性を満足するものではなかったのである。本件明細書では、圧縮密度が高く、圧縮成形品の寸法精度が良好なことを圧縮成形性に優れるといい、「易圧縮性」と称することとする。
【0007】
これらのことから、粉体の輸送途中における振動による固化が起こらない易分散性を備えた酸化タンタル粉及び酸化ニオブ粉の粉体であり、且つ、圧縮成型時には十分な圧縮成形の可能な易圧縮性を同時に併せ持つ当該粉体の供給が要求されてきたのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本件発明者等は、酸化タンタル粉及び酸化ニオブ粉の製造プロセスの鋭意研究の結果、特定の条件下で製造した酸化タンタル粉及び酸化ニオブ粉が易分散性及び易圧縮性を同時に備えることに想到し、本件発明に到ったのである。なお、本件発明において、凝集性若しくは凝集とは、酸化タンタル等の粉粒同士が2次構造体を形成する性質をいい、固化性とは、容器内に入れた酸化タンタル等の粉体が振動を受けた場合に、強固に固まる性質を示す用語として用いているのである。
【0009】
請求項では、「単一溶液槽内でフッ化タンタル溶液にアンモニア溶液を添加することで水酸化タンタルを沈殿生成し、この沈殿した水酸化タンタルを濾別採取した後に洗浄し、得られた水酸化タンタルを焙焼することで酸化タンタル粉を得る製造方法において、前記フッ化タンタル溶液は、溶液温度が10〜40℃で、タンタル濃度が酸化タンタル換算で20〜80g/lであり、当該フッ化タンタル溶液にアンモニア溶液を添加した後の溶液温度が10〜50℃であり、且つ、pHは9〜10となるようにして水酸化タンタルを沈殿生成させ、濾別採取した水酸化タンタルを希釈したアンモニア溶液で洗浄し、0.2MPa〜1.0MPaの範囲で加圧濾過して水酸化タンタルケーキの状態にして、この水酸化タンタルケーキを800℃〜1200℃で1時間〜24時間焙焼し酸化タンタル塊とし、これを解砕処理し酸化タンタル粉とすることを特徴とした低固化性の酸化タンタル粉の製造方法」としている。
【0010】
そして、他の請求項では、「単一溶液槽内でフッ化ニオブ溶液にアンモニア溶液を添加することで水酸化ニオブを沈殿生成し、この沈殿した水酸化ニオブを濾別採取した後に洗浄し、得られた水酸化ニオブを焼成することで酸化ニオブ粉を得る製造方法において、前記フッ化ニオブ溶液は、溶液温度が10〜40℃、ニオブ濃度が酸化ニオブ換算で20〜80g/lであり、当該フッ化ニオブ溶液にアンモニア溶液を添加した後の溶液温度が10〜75℃であり、且つ、pHは8〜10となるようにして水酸化ニオブを沈殿生成させるものであり、濾別採取した水酸化ニオブを希釈したアンモニア溶液で洗浄し、0.2MPa〜1.0MPaの範囲で加圧濾過して水酸化ニオブケーキの状態にして、この水酸化ニオブケーキを500℃〜1000℃で1時間〜24時間焙焼して酸化ニオブ塊とし、解砕処理し酸化ニオブ粉とすることを特徴とした酸化ニオブ粉の製造方法」としている。
【0011】
タンタルとニオブとは金属的に見て非常に似かよった性質を備えており、鉱石中に併存することから、同様の採取プロセスが採用されるものとして一般的に広く知られている。従って、本件発明に係る酸化タンタル粉の製造方法と酸化ニオブ粉の製造方法とは、その発明の技術的思想としての主要部が共通することになる。以下に説明する各製造方法において、異なるのは原料として用いるフッ化溶液中のタンタル濃度、ニオブ濃度及び液温に違いがあるのみである。
【0012】
まず、本件発明に係る酸化タンタル粉又は酸化ニオブ粉の製造方法は、単一溶液槽内で行う製造方法であるものを前提としている。従って、特表平11−513652に開示された発明のように、3槽を用いて溶液を槽移動させながら酸化タンタル粉又は酸化ニオブ粉製造を行うものでは無いことを明らかにしておく。溶液を槽移動させる際には、移動中の溶液の管理、特に溶液温度の管理が煩雑となり、以下に述べる条件を一般操業レベルで維持することが論理的に考える以上に困難となるのである。
【0013】
酸化タンタル粉又は酸化ニオブ粉を得るためには、フッ化タンタル溶液又はフッ化ニオブ溶液にアンモニア溶液を添加することで水酸化タンタル又は水酸化ニオブを沈殿生成し、この沈殿した水酸化タンタル又は水酸化ニオブを濾別採取した後に洗浄し、得られた水酸化タンタル又は水酸化ニオブを焼成することで酸化タンタル粉又は酸化ニオブ粉を得るのが一般的である。本件発明の場合には、第1の条件として、原料として用いるフッ化タンタル溶液中のタンタル濃度(酸化タンタル換算)が20〜80g/lの範囲のものを用いるのである。そして、原料として用いるフッ化ニオブ溶液中のニオブ濃度(酸化ニオブ換算)も20〜80g/lの範囲のものを用いるのである。
【0014】
ここで、タンタル濃度及びニオブ濃度の下限値を20g/lとしたのは、これに満たない濃度の場合には、その他の条件を調節しても良好な品質を持つ水酸化タンタル及び水酸化ニオブの生産性が低下し、工業的な意味合いにおける採算性を確保できないのである。これに対して、タンタル濃度及びニオブ濃度のそれぞれを80g/lを越えるものとすると、アンモニア水を添加して生成する水酸化物の量が大きくなり、水酸化物スラリーとしての粘度が上昇し、大きな水酸化物フロックを形成して、均一な分布の水酸化物の生成が困難となるのである。このような場合には、アンモニア水濃度を極めて薄くして添加することで、水酸化物のフロック化を防止することも可能であるが、処理液量が増大するため生産性が低下する事となるのである。
【0015】
そして、当該フッ化タンタル溶液又はフッ化ニオブ溶液にアンモニア溶液を添加するのであるが、フッ化タンタル溶液の場合には、アンモニア添加後の溶液温度を10〜50℃に維持しなければならない。フッ化ニオブ溶液の場合には、アンモニア添加後の溶液温度を10〜75℃に維持しなければならないのである。双方の下限温度未満の液温となると、凝集体が大きくなるために静置見かけ密度は大きくなる一方で、タップ充填密度が小さくなってしまうだけでなく、中和熱による温度上昇を防止するために冷却装置が必要となるために設備投資負荷が大きくなる。これに対して、液温が双方の上限温度を越えると、凝集体の大きさが小さくなるため、静置見かけ密度が小さくなる一方で、タップ充填密度が高くなってしまうだけでなく、中和操作の際にフッ化水素ガスやアンモニアガスなどが揮発するため、ガス洗浄設備が必要になる等の設備投資費用を要することになる。
【0016】
更に、ここで用いるアンモニア水のアンモニア濃度は、10〜30wt%のものを用いることが好ましい。アンモニア濃度が10wt%未満のアンモニア水を用いる場合には、添加量が多くなり、生産性が著しく低下して工業的な生産性という意味で採用不可能なものとなるのである。アンモニア濃度が30wt%を越えると、上述したタンタル濃度及びニオブ濃度との関係において、各々の水酸化物のフロック化が深刻になり、均一な分布の水酸化物の生成が困難となるのである。
【0017】
更に、上述したアンモニアの添加速度についても一定条件を維持することで、均一な分布を持つ水酸化物の生成が精度良く行えるものとなるのである。この添加速度は、溶液中に存在するタンタル又はニオブの1当量(本件明細書では、タンタルの1当量は36.18g、ニオブの1当量は18.58g)に対して、5当量の水酸イオンが反応して、水酸化タンタル(Ta(OH))及び水酸化ニオブ(Nb(OH))が生成することになる。従って、理論的に考えれば最終的に、溶液中に含有されたタンタル又はニオブの当量の5倍の当量の水酸イオンを、アンモニア添加により供給しなければならない。
【0018】
ここでは、アンモニア(NHOH)を、溶液中に含有した金属の当量に対して、最終的に必要とする水酸イオンの量を100wt%としたとき、0.1〜15wt%/分の水酸イオン添加速度となるように添加するのである。即ち、溶液中に10当量のタンタルが含まれていたとすれば、最終的に50当量の水酸イオン(アンモニアとして1750g、水酸イオンとして850g相当分)をアンモニアの形で添加することになる。このとき水酸イオンの添加は0.85〜85g/分の速度で行い、アンモニア添加量に換算すると1.75〜175g/分の添加速度で加えることを意味している。
【0019】
このようにアンモニアの添加速度が重要となる理由は、溶液温度を制御するという意味合いがあるのである。ここで行うアンモニアの添加は、所謂、中和反応を行わせるものであり、発熱反応が起こるため、溶液温度を上昇させる要因となる。従って、溶液中に含有した金属の当量に対して、最終的に必要とする水酸イオンの量を100wt%としたときの10wt%/分を越える速度で水酸イオンを添加すると、溶液温度が急激に上昇し、溶液攪拌を行ってもアンモニア添加後の溶液温度が前述した上限温度を越えることになり、水酸化物フロックを形成しやすくなるのである。これに対して、溶液中に含有した金属の当量に対して、最終的に必要とする水酸イオンの量を100wt%としたときの0.1wt%/分未満の速度で水酸イオンを添加する場合には、反応速度が遅く生産性が工業的に必要とされるレベルに達しないと共に、希釈率の高いアンモニア溶液を用いなければならないため、添加するアンモニア溶液の量が多くなり、大型の反応槽を準備する必要が生じ、更に、廃液処理の負荷が急激に増大するのである。
【0020】
そして、このときの溶液の定常pHは8〜10で水酸化タンタルを沈殿生成させるのである。ここで「定常pH」とは、アンモニア溶液の添加の進行と共に水酸化物を生成しつつ、溶液pHは変化していくため、水酸化物生成が終了し、アンモニア溶液の所定量を添加し終えた時点で、変化しなくなった溶液pHを意味するものとして用いている。ここで定常pHの値が8未満の場合には、水酸化物の生成速度が遅く、工業的な意味での生産性を満足せず、生成する水酸化物の粒径がバラツクことにもなるのである。一方、定常pHの値が10を越えると、水酸化物の生成速度が速くなり、水酸化物フロックの形成が顕著になるのである。本件発明においては、ここまでの水酸化物生成を、単一槽の内部で行うのである。
【0021】
以上のようにして生成させた水酸化タンタル又は水酸化ニオブを、濾別採取して、希釈したアンモニア溶液で洗浄するのである。ここで用いる「希釈したアンモニア溶液」は、0.5wt%〜5.0wt%程度の濃度のアンモニア溶液である。洗浄に用いるアンモニア溶液の濃度が0.5wt%未満の場合には、十分な洗浄効果を得ることが出来ず、アンモニア溶液の濃度が5.0wt%を越えても、フッ素濃度を低下させるための洗浄効果の改善は見られないのである。
【0022】
また、本件発明においては、この「希釈したアンモニア溶液」には、フッ素が少量(0.01g/l〜5g/l)含有する場合を含むものとして用いている。希釈したアンモニアにフッ素を含ませるのは、例えば、フッ化アンモニウム溶液と、そのフッ化アンモニウム溶液の10〜100倍のアンモニア溶液とを混合することにより得られるものである。このときに含ませるフッ素量が0.01g/l未満の場合には、水酸化物の邂逅を防止する効果を発揮しないのである。一方、フッ素量が5g/lを越えると、水酸化物の邂逅を防止する効果は飽和してしまい、それ以上に向上せず、水酸化物に付着して残留するフッ素量が1wt%を越えることとなり、以下に述べる焙焼時に焙焼炉内の耐火煉瓦を劣化させる要因ともなる。更に、溶液中のフッ素量が増加することで、排水負荷が増大することにもなるのである。
【0023】
そして、上述した洗浄作業が終了すると、加圧濾過して水酸化タンタルケーキの状態とするのである。本件発明において、最も重要な技術的特徴が、この加圧濾過である。即ち、水酸化物を焙焼する前に、一旦加圧しながら濾過して、水酸化物の粉粒を、濾過水圧で押しつけて、一旦ケーキ状にするのである。これを本件明細書では水酸化タンタルケーキ、水酸化ニオブケーキと称しているのである。従って、加圧濾過する方法は、水酸化タンタル又は水酸化ニオブの粉体をケーキの形で得られるものであれば、特に限定を要するものではない。
【0024】
加圧濾過する場合の濾過圧力は、0.2MPa〜1.0MPaの範囲とすることが望ましい。本件明細書における濾過圧力とは、最終的に得られるケーキに対してかかる最高圧力を意味する。即ち、濾過装置としてフィルタープレスを用いた場合には、濾過工程、洗浄工程、脱水工程などによってケーキに圧力が掛かるが、これらの工程のいずれかの工程に置いてケーキに上述の圧力が掛かればよい事になる。また、静置濾過を行って得られたケーキには0.1MPa程度の圧力しか負荷できないが、このケーキを更にロールプレスする等して0.2MPa〜1.0MPaの圧力を掛け圧縮ケーキとしても、同様の効果が得られる。従って、圧縮ケーキの圧縮方法に特段の制限はない。ここで、0.2MPa未満の濾過圧力では、十分に圧縮されていないケーキとなり、本件発明の目的とするところである易分散性と易圧縮性とを同時に兼ね備えた酸化粉体を得ることが出来ないのである。これに対し、濾過圧力が1.0MPaを越えると、形成されるケーキが強固に固まりすぎて通気性に欠けるため、以下に述べる酸化粉体とするための焙焼操作が困難になる。仮に、時間をかけて焙焼操作をうまく行ったとしても、解砕処理での負荷が大きくなり、解砕して得られる酸化粉体に適度な2次構造を持たせることができず、結果として易分散性と易圧縮性とを同時に兼ね備えた酸化粉体を得ることが出来ないことになるのである。
【0025】
続いて、上述した水酸化タンタルケーキ、水酸化ニオブケーキを焙焼するのであるが、水酸化タンタルケーキの場合には、800℃〜1200℃で1時間〜24時間焙焼し、酸化タンタルとするのである。一方、水酸化ニオブケーキの場合には、500℃〜1000℃で1時間〜24時間焙焼し、酸化ニオブとするのである。この焙焼温度及び焙焼時間の設定が、最終的な酸化タンタル粉及び酸化ニオブ粉の粒度分布やタップ充填密度等の粉体特性を左右することになる。即ち、形成された水酸化タンタル又は水酸化ニオブの粉体を焙焼する過程においては、当該粉体の内部に含有され水分が蒸発することになる。この蒸発過程においては、当該粉体の内部に包含された水分が水蒸気として膨張して抜け出る際に、水酸化タンタル又は水酸化ニオブの粉体を内部から粉砕することになる。そして、水分が完全に蒸発した後は、粉砕して微細化した粉粒同士が凝集して2次構造を形成することになると考えられるのである。従って、粉体特性の受ける影響を、より厳密に考えれば、上述した水酸化物を生成する際の溶液温度、アンモニア溶液の添加速度、この焙焼条件が交絡して影響を与えることになる。従って、ここで述べた焙焼条件は、上述した水酸化物を生成する際の溶液温度、アンモニア溶液の添加速度との関係において、理想的な焙焼条件であると言えるのである。
【0026】
焙焼が終了すると、酸化タンタル塊又は酸化ニオブ塊となった状態で、衝撃型ミル、ライカイ機、サンドミル、シンプソンマラー等の圧縮型粉砕機、振動ミル等を用いて、解砕処理し、酸化タンタル粉又は酸化ニオブ粉とするのである。このときの解砕条件は、特に限定を要するものではなく、酸化タンタル塊若しくは酸化ニオブ塊の処理量及び処理速度に応じて、任意に調整することが可能である。但し、メディアを用いる解砕装置を用いる場合には、メディア材質として鉄やアルミナ等の金属材ではなくウレタン、ナイロン、フッ素樹脂等の樹脂材を用いる事が好ましい。金属製のメディアは当該メディアの金属成分が製品中に混入しやすい傾向にあるためである。
【0027】
以上に述べてきた製造方法を採用することで、従来にないハンドリング性を備えた酸化タンタル若しくは酸化ニオブの粉体を得ることが可能となるのである。従来にないハンドリング性というのを、より具体的に表現するとすれば、ここで得られる粉体はレオロジー的な性質として「さらさら」したものとなり、容器内に収納され振動を受けても、粉体自体が締まり固化することが無い易分散性が得られるものとなるのである。この結果、使用直前におけるハンマリング等による解砕作業を不要とするのである。そして、同時に、スパッタリングターゲット、ペレット等の圧縮成形したときには、非常に優れた易圧縮性が得られるのである。
【0028】
このような酸化タンタル若しくは酸化ニオブの粉体を物として表現しようとすると、以下に示すようになる。まず、酸化タンタル粉の場合は、静置見かけ密度(AD)が0.8g/cm〜1.8g/cmであり、且つ、ブレーン空気透過法による平均粒径が0.3μm〜8.0μmである。そして、酸化ニオブ粉の場合は、静置見かけ密度(AD)が0.2g/cm〜0.8g/cmであり、且つ、ブレーン空気透過法による平均粒径が0.3μm〜8.0μmである。
【0029】
「さらさら」した粉体であるためには、粉体を静置した状態で、ある一定の空隙率を有するものでなければならない。酸化タンタル若しくは酸化ニオブの粉体の粉粒が、均一な球状形態をしているとすれば、一つの粉粒を中心にして、球の中心の配置は配位数8に近いものとなり、そのときの空隙率は、理論上39.54%である。従って、易分散性と関連する「さらさら」の度合いを対比する上においては、単に空隙率を考えれば良いともいえる。ところが、現実の酸化タンタル若しくは酸化ニオブの粉体の粉粒は、均一なものではなく、粉粒同士が連結して所謂2次構造体を構成しているのが一般的であり、同時に易圧縮性を両立させようとすれば、単に空隙率を適用して考えることのできないものである。
【0030】
そこで、本件発明者等は、本件発明に係る製造方法で得られる酸化タンタル若しくは酸化ニオブの粉体の易分散性と易圧縮性とを両立させるのに必要となる要因を解析した。その結果、静置見かけ密度(AD)とブレーン空気透過法による平均粒径との相互関係が重要であると判断できた。そして、上述した製造方法を採用することで、「静置見かけ密度(AD)が0.8g/cm〜1.8g/cmであり、且つ、ブレーン空気透過法による平均粒径が0.3μm〜8μmの酸化タンタル粉」及び「静置見かけ密度(AD)が0.2g/cm〜0.8g/cmであり、且つ、ブレーン空気透過法による平均粒径が0.3μm〜8μmである酸化ニオブ粉」を得ることが可能となったのである。従来、市場に供給されてきた酸化タンタル若しくは酸化ニオブの粉体は、静置見かけ密度(AD)及びブレーン空気透過法による平均粒径の値が、同時に上記条件を満足することはなかったのである。
【0031】
また、以上に述べてきた製造方法を採用することで得られる、酸化タンタル若しくは酸化ニオブの粉体は、真密度(d)とタップ充填密度(TD)と比を用いて、特定することも可能である。即ち、真密度(d)とタップ充填密度(TD)と比であるTD/dの値が、0.1〜0.4であることを特徴とする易分散性と易圧縮性とを兼ね備えた酸化タンタル粉若しくは酸化ニオブ粉として特定できるのである。
【0032】
従来、市場に供給されてきた酸化タンタル若しくは酸化ニオブの粉体は、TD/dの値が0.4を超える値となっていた。確かに、TD/dの値が1に近づくほど、凝集しやすく易分散性が損なわれる。これに対してTD/dの値が小さいほど易分散性に優れ疑似的に凝固しにくくなるということは、ある程度考え得ることである。しかしながら、真密度(d)とタップ充填密度(TD)と比であるTD/dの値が、0.1〜0.4である易分散性と易圧縮性とを兼ね備えた酸化タンタル粉若しくは酸化ニオブ粉は、従来製造し得なかったのである。但し、上述した製造方法を用いても、TD/dの値が0.1未満の酸化タンタル粉若しくは酸化ニオブ粉を安定して得ることは困難となるのである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本件発明に係る製造方法を用いて酸化タンタル粉若しくは酸化ニオブ粉を製造し、得られた粉体の特性を比較例と対比して示すこととする。
【0034】
第1実施形態: 本実施形態では、請求項に記載した製造方法を用いて酸化タンタル粉を製造した。以下、工程の順を追って説明する。
【0035】
まず、原料として用いるフッ化タンタル溶液15リットルを槽内に入れた。このときのフッ化タンタル溶液は、タンタル濃度が酸化タンタル換算で60g/l、溶液温度30℃のものを用いた。従って、当該溶液中のタンタル濃度は、60g/l×0.819=49.1g/lであり、タンタルの1当量を36.18gとした場合に、20.4当量相当が含まれていることになる。
【0036】
そして、当該フッ化タンタル溶液を攪拌しつつ、アンモニア溶液を添加し、水酸化タンタル粉を生成した。ここで用いたアンモニア溶液は、アンモニア濃度が25wt%のものを用いた。また、アンモニア溶液の添加量は、溶液中のタンタルが20.4当量であるから、その5倍当量である102当量の水酸イオンをアンモニア溶液から供給できるように、当該濃度のアンモニア溶液7.7リットルとした。そして、アンモニア溶液の添加速度は、最終的に必要とする水酸イオンの量を100wt%としたとき、0.1〜15wt%/分の水酸イオン添加速度となるように添加するのであるから、400ml/分の添加速度とした。この結果、フッ化タンタル溶液は、アンモニア添加後の溶液温度を45℃、定常pH9.0に維持できたのである。
【0037】
次に、以上のようにして生成させた水酸化タンタルを、濾別採取して、希釈したアンモニア溶液で洗浄するのである。ここでの濾別採取には、通常の濾過フィルターを用いて、水酸化タンタルと溶液とを分離した。そして、分離した水酸化タンタルは、フッ素を0.5g/l程度含有したアンモニア濃度0.7wt%の希釈アンモニア溶液を用いて洗浄した。
【0038】
そして、上述した洗浄作業が終了すると、加圧濾過して水酸化タンタルケーキの状態とするのである。ここでの加圧濾過には、フィルタープレスを用いて、最高圧力0.6MPaをかけて濾過することで、水酸化タンタルケーキを得たのである。
【0039】
続いて、上述した水酸化タンタルケーキを塊のまま炉内で焙焼したのである。当該水酸化タンタルケーキは、1050℃で3時間焙焼し、塊りとなった状態の酸化タンタルを得た。そして、ライカイ機を用いて、1時間の解砕処理を行ったのである。
【0040】
以上に述べてきた製造方法で得られた酸化タンタルの粉体は、従来にないハンドリング性を備え、レオロジー的な性質として「さらさら」したものとなり、容器内に収納され振動を受けても、粉体自体が締まり固化することが無い易分散性に優れたものとなったのである。
【0041】
ここで得られた酸化タンタルの粉体特性は、JIS K 5101に準じて測定すると以下に示すようになった。まず、静置見かけ密度(AD)は、1.25g/cmであり、且つ、ブレーン空気透過法による平均粒径が0.60μmであった。
【0042】
また、真密度(d)を8.74g/cmとし、タップ充填密度(TD)が1.79g/cmであり、真密度(d)とタップ充填密度(TD)と比であるTD/dの値が0.205であった。
【0043】
更に、圧縮成形性の試験として、本実施形態で得られた酸化タンタル粉20gを採取し、断面積4.91cmの容器に入れ、3種類の所定の圧力で1分間加圧保持して成形体を圧縮成形した。その結果、以下のようになった。
【0044】
16MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ14.81mm〜14.88mm(幅0.07mm)、圧縮密度2.71g/cm〜2.75g/cm(幅0.04g/cm)であった。
【0045】
56MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ11.17mm〜11.23mm(幅0.06mm)、圧縮密度3.60g/cm〜3.63g/cm(幅0.03g/cm)であった。
【0046】
112MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ10.18mm〜10.21mm(幅0.03mm)、圧縮密度3.98g/cm〜4.00g/cm(幅0.02g/cm)であった。
【0047】
これらの値は、以下に記載の比較例と対比することで明らかとなるように、成形体厚さが薄く且つそのバラツキが小さく、圧縮密度が高く且つそのバラツキも小さくなっており、易圧縮性に優れていることが分かる。しかも、圧縮する圧力の増加に応じて、成形体厚さ及び圧縮密度のバラツキが小さくなっており、圧縮圧力の増加に応じた圧縮応答性が非常に良好であること分かる。なお、ここで圧縮密度とは、酸化粉体の重量を圧縮成形体の体積で割った値であり、言い換えれば成形体密度のことである。以下の実施形態及び比較例でも同様である。
【0048】
第2実施形態: 本実施形態では、請求項に記載した製造方法を用いて酸化タンタル粉を製造した。第1実施形態とは、アンモニア添加後の溶液温度が低くなっている点が根本的に相違するのである。以下、工程の順を追って説明する。
【0049】
まず、原料として用いるフッ化タンタル溶液15リットルを槽内に入れた。このときのフッ化タンタル溶液は、タンタル濃度が酸化タンタル換算で80g/l、溶液温度30℃のものを用いた。従って、当該溶液中のタンタルは、タンタルの1当量を36.18gとした場合に、27.2当量相当が含まれていることになる。
【0050】
そして、当該フッ化タンタル溶液を攪拌しつつ、アンモニア溶液を添加し、水酸化タンタル粉を生成した。ここで用いたアンモニア溶液は、アンモニア濃度が25wt%のものを用いた。また、アンモニア溶液の添加量は、溶液中のタンタルが27.2当量であるから、その5倍当量である136当量の水酸イオンをアンモニア溶液から供給できるように、当該濃度のアンモニア溶液10.3リットルとした。そして、アンモニア溶液の添加速度は、最終的に必要とする水酸イオンの量を100wt%としたとき、0.1〜15wt%/分の水酸イオン添加速度となるように添加するのであるから、200ml/分の添加速度とした。この結果、フッ化タンタル溶液は、アンモニア添加後の溶液温度を40℃、定常pH9.0に維持できたのである。
【0051】
次に、以上のようにして生成させた水酸化タンタルを、第1実施形態と同様の濾過フィルターを用いて濾別採取し、採取した水酸化タンタルを第1実施形態で用いたと同様の希釈したアンモニア溶液で洗浄した。
【0052】
そして、上述した洗浄作業が終了すると、加圧濾過して水酸化タンタルケーキの状態とするのである。ここでの加圧濾過には、フィルタープレスを用いて、最高プレス圧0.8MPaをかけて濾過することで、水酸化タンタルケーキを得たのである。
【0053】
続いて、上述した水酸化タンタルケーキを塊のまま炉内で焙焼したのである。当該水酸化タンタルケーキは、1050℃で3時間焙焼し、塊りとなった状態の酸化タンタルを得た。そして、ライカイ機を用いて、1時間の解砕処理を行ったのである。
【0054】
以上に述べてきた製造方法で得られた酸化タンタルの粉体は、第1実施形態と同様の易分散性に優れたものとなった。
【0055】
ここで得られた酸化タンタルの粉体特性は、JIS K 5101に準じて測定すると以下に示すようになった。まず、静置見かけ密度(AD)は、1.10g/cmであり、且つ、ブレーン空気透過法による平均粒径が2.47μmであった。
【0056】
また、真密度(d)を8.74g/cmとし、タップ充填密度(TD)が1.48g/cmであり、真密度(d)とタップ充填密度(TD)と比であるTD/dの値が0.169であった。
【0057】
更に、圧縮成形性の試験として、本実施形態で得られた酸化タンタル粉20gを採取し、断面積4.91cmの容器に入れ、3種類の所定の圧力で1分間加圧保持して成形体を圧縮成形した。その結果、以下のようになった。
【0058】
16MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ14.55mm〜14.61mm(幅0.06mm)、圧縮密度2.79g/cm〜2.80g/cm(幅0.01g/cm)であった。
【0059】
56MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ10.88mm〜10.92mm(幅0.04mm)、圧縮密度3.73g/cm〜3.74g/cm(幅0.01g/cm)であった。
【0060】
112MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ10.05mm〜10.09mm(幅0.04mm)、圧縮密度4.04g/cm〜4.05g/cm(幅0.01g/cm)であった。
【0061】
これらの値は、以下に記載の比較例と対比することで明らかとなるように、成形体厚さが薄く且つそのバラツキが小さく、圧縮密度が高く且つそのバラツキも小さくなっており、易圧縮性に優れていることが分かる。そして、圧縮する圧力の増加に応じて、成形体厚さ及び圧縮密度のバラツキが小さくなっており、第1実施形態の場合と同様に圧縮圧力の増加に応じた圧縮応答性が非常に良好であること分かる。
【0062】
第3実施形態: 本実施形態では、第1実施形態とほぼ同様の方法を用いて酸化タンタル粉を製造した。以下、第1実施形態と異なる部分のみに関して説明する。
【0063】
まず、原料として用いるフッ化タンタル溶液の溶液温度が異なり、10℃のものを用い、中和反応を行わせる際にも、液温を10℃に維持した。そして、水酸化タンタルを、濾別採取して、希釈したアンモニア溶液で洗浄するところまで、第1実施形態と同様である。洗浄作業が終了し、加圧濾過して水酸化タンタルケーキの状態とする際の加圧濾過には、フィルタープレスを用いて、最高圧力0.8MPaをかけて濾過することで、水酸化タンタルケーキを得たのである。その他の工程に関しても、第1実施形態と同様であるため、重複した説明を避けるため、ここでの説明を省略する。
【0064】
以上に述べてきた製造方法で得られた酸化タンタルの粉体は、従来にないハンドリング性を備え、レオロジー的な性質として「さらさら」したものとなり、容器内に収納され振動を受けても、粉体自体が締まり固化することが無い易分散性に優れたものとなったのである。
【0065】
ここで得られた酸化タンタルの粉体特性は、JIS K 5101に準じて測定すると以下に示すようになった。まず、静置見かけ密度(AD)は、1.51g/cmであり、且つ、ブレーン空気透過法による平均粒径が5.80μmであった。
【0066】
また、真密度(d)を8.74g/cmとし、タップ充填密度(TD)が2.58g/cmであり、真密度(d)とタップ充填密度(TD)と比であるTD/dの値が0.295であった。
【0067】
更に、圧縮成形性の試験として、本実施形態で得られた酸化タンタル粉20gを採取し、断面積4.91cmの容器に入れ、3種類の所定の圧力で1分間加圧保持して成形体を圧縮成形した。その結果、以下のようになった。
【0068】
16MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ14.79mm〜14.85mm(幅0.06mm)、圧縮密度2.73g/cm〜2.76g/cm(幅0.03g/cm)であった。
【0069】
56MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ11.16mm〜11.21mm(幅0.05mm)、圧縮密度3.62g/cm〜3.65g/cm(幅0.03g/cm)であった。
【0070】
112MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ10.12mm〜10.14mm(幅0.02mm)、圧縮密度3.99g/cm〜4.01g/cm(幅0.02g/cm)であった。
【0071】
これらの値は、以下に記載の比較例と対比することで明らかとなるように、成形体厚さが薄く且つそのバラツキが小さく、圧縮密度が高く且つそのバラツキも小さくなっており、易圧縮性に優れていることが分かる。しかも、圧縮する圧力の増加に応じて、成形体厚さ及び圧縮密度のバラツキが小さくなっており、圧縮圧力の増加に応じた圧縮応答性が非常に良好であること分かる。なお、ここで圧縮密度とは、酸化粉体の重量を圧縮成形体の体積で割った値であり、言い換えれば成形体密度のことである。以下の実施形態及び比較例でも同様である。
【0072】
第4実施形態: 本実施形態では、請求項に記載した製造方法を用いて酸化ニオブ粉を製造した。以下、工程の順を追って説明する。
【0073】
まず、原料として用いるフッ化ニオブ溶液15リットルを槽内に入れた。このときのフッ化ニオブ溶液は、ニオブ濃度が酸化ニオブ換算で60g/l、溶液温度30℃のものを用いた。従って、当該溶液中のニオブは、ニオブの1当量を18.58gとした場合に、33.9当量相当が含まれていることになる。
【0074】
そして、当該フッ化ニオブ溶液を攪拌しつつ、アンモニア溶液を添加し、水酸化タンタル粉を生成した。ここで用いたアンモニア溶液は、アンモニア濃度が25wt%のものを用いた。また、アンモニア溶液の添加量は、溶液中のニオブが33.9当量であるから、その5倍当量である169.5当量の水酸イオンをアンモニア溶液から供給できるように、当該濃度のアンモニア溶液12.8リットルとした。そして、アンモニア溶液の添加速度は、最終的に必要とする水酸イオンの量を100wt%としたとき、0.1〜15wt%/分の水酸イオン添加速度となるように添加するのであるから、400ml/分の添加速度とした。この結果、フッ化ニオブ溶液は、アンモニア添加後の溶液温度を65℃、定常pH9.0に維持できたのである。
【0075】
次に、以上のようにして生成させた水酸化ニオブを、濾別採取して、希釈したアンモニア溶液で洗浄するのである。ここでの濾別採取には、濾過フィルターを用いて、水酸化ニオブと溶液とを分離した。そして、分離した水酸化ニオブは、フッ素を0.5g/l程度含有したアンモニア濃度0.7wt%の希釈アンモニア溶液を用いて洗浄した。
【0076】
そして、上述した洗浄作業が終了すると、加圧濾過して水酸化ニオブケーキの状態とするのである。ここでの加圧濾過には、フィルタープレスを用いて、最高圧力0.6MPaをかけて濾過することで、水酸化ニオブケーキを得たのである。
【0077】
続いて、上述した水酸化ニオブケーキを塊のまま炉内で焙焼したのである。当該水酸化ニオブケーキは、900℃で3時間焙焼し、塊りとなった状態の酸化ニオブを得た。そして、ライカイ機を用いて、1時間の解砕処理を行ったのである。
【0078】
以上に述べてきた製造方法で得られた酸化ニオブの粉体は、従来にないハンドリング性を備え、レオロジー的な性質として「さらさら」したものとなり、容器内に収納され振動を受けても、粉体自体が締まり固化することが無い易分散性に優れたものとなったのである。
【0079】
ここで得られた酸化ニオブの粉体特性は、JIS K 5101に準じて測定すると以下に示すようになった。まず、静置見かけ密度(AD)は、0.42g/cmであり、且つ、ブレーン空気透過法による平均粒径が0.9μmであった。
【0080】
また、真密度(d)を4.55g/cmとし、タップ充填密度(TD)が0.89g/cmであり、真密度(d)とタップ充填密度(TD)と比であるTD/dの値が0.195であった。
【0081】
更に、圧縮成形性の試験として、本実施形態で得られた酸化ニオブ粉20gを採取し、断面積4.91cmの容器に入れ、3種類の所定の圧力で1分間加圧保持して成形体を圧縮成形した。その結果、以下のようになった。
【0082】
16MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ14.79mm〜14.85mm(幅0.06mm)、圧縮密度2.73g/cm〜2.76g/cm(幅0.03g/cm)であった。
【0083】
56MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ11.16mm〜11.21mm(幅0.05mm)、圧縮密度3.62g/cm〜3.65g/cm(幅0.03g/cm)であった。
【0084】
112MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ10.12mm〜10.14mm(幅0.02mm)、圧縮密度3.99g/cm〜4.01g/cm(幅0.02g/cm)であった。
【0085】
これらの値は、以下に記載の比較例2と対比することで明らかとなるように、成形体厚さが薄く且つそのバラツキが小さく、圧縮密度が高く且つそのバラツキも小さくなっており、易圧縮性に優れていることが分かる。しかも、圧縮する圧力の増加に応じて、成形体厚さ及び圧縮密度のバラツキが小さくなっており、圧縮圧力の増加に応じた圧縮応答性が非常に良好であること分かる。
【0086】
第1比較例: 本比較例では、従来のスプレードライヤー法を用いて、酸化タンタル粉を製造した。以下、工程の順を追って説明する。
【0087】
まず、第1実施形態と同様の方法を用いて、水酸化タンタルを採取した。即ち、水酸化タンタルを製造するところまでは、第1実施形態と同様である。従って、重複した記載を避けるため、ここでの水酸化タンタルの生成に関する説明は省略することとする。
【0088】
第1実施形態と同様にして生成した水酸化タンタルを、濾別採取して、希釈したアンモニア溶液中に入れて攪拌して洗浄したのである。ここで洗浄に用いたアンモニア溶液は、アンモニア濃度0.7wt%のものとした。
【0089】
そして、上述した洗浄作業が終了すると、洗浄液中に酸化タンタルを分散させたまま、回転円盤式スプレードライヤーの回転円盤の中心に滴下させ、スプレー液滴とし、このスプレー液滴とドライヤーから吹き出す300℃の熱風とを接触させ、水分を瞬間的に蒸発気化させ、水酸化タンタル粉を得た。
【0090】
続いて、上述した水酸化タンタル粉を炉内で焙焼したのである。当該水酸化タンタル粉は、1050℃で2時間焙焼し、酸化タンタルの粉体を得たのである。
【0091】
本比較例で示した製造方法で得られた酸化タンタルの粉体は、第1実施形態と同様の易分散性に優れたものであった。
【0092】
しかしながら、ここで得られた酸化タンタルの粉体特性は、JIS K 5101に準じて測定すると以下に示すようになり、本件発明に係る製造方法で得られた酸化タンタル粉とは全く異なる物性を示すものとなる。まず、静置見かけ密度(AD)は、2.21g/cmであり、且つ、ブレーン空気透過法による平均粒径が5.8μmであった。
【0093】
また、真密度(d)が8.74g/cm、タップ充填密度(TD)が3.57g/cmであり、真密度(d)とタップ充填密度(TD)と比であるTD/dの値が0.408であった。
【0094】
更に、圧縮成形性の試験として、本比較例で得られた酸化タンタル粉20gを採取し、断面積4.91cmの容器に入れ、3種類の所定の圧力で1分間加圧保持して成形体を圧縮成形した。その結果、以下のようになった。
【0095】
16MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ15.38mm〜15.55mm(幅0.17mm)、圧縮密度2.55g/cm〜2.68g/cm(幅0.13g/cm)であった。
【0096】
56MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ11.50mm〜11.65mm(幅0.15mm)、圧縮密度3.40g/cm〜3.51g/cm(幅0.11g/cm)であった。
【0097】
112MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ10.51mm〜10.62mm(幅0.11mm)、圧縮密度3.80g/cm〜3.89g/cm(幅0.09g/cm)であった。
【0098】
これらの値は、第1実施形態及び第2実施形態と対比することで明らかとなるように、成形体厚さが厚く且つそのバラツキが大きく、圧縮密度が低く且つそのバラツキも大きくなっている。しかも、圧縮する圧力の増加に応じての、成形体厚さ及び圧縮密度のバラツキが大きく、圧縮圧力の増加に応じた圧縮応答性に欠け、易圧縮性に劣ることが分かる。
【0099】
従って、以上に述べた粉体特性は、本件発明に係る製造方法で得られた酸化タンタル粉の備える粉体特性を全く満たさない事が明らかである。
【0100】
第2比較例: 本比較例では、従来のスプレードライヤー法を用いて、酸化ニオブ粉を製造した。以下、工程の順を追って説明する。
【0101】
まず、第3実施形態と同様の方法を用いて、水酸化ニオブを採取した。即ち、水酸化ニオブを製造するところまでは、第3実施形態と同様である。従って、重複した記載を避けるため、ここでの水酸化ニオブの生成に関する説明は省略することとする。
【0102】
第3実施形態と同様にして生成した水酸化ニオブを、濾別採取して、希釈したアンモニア溶液中に入れて攪拌して洗浄したのである。ここで洗浄に用いたアンモニア溶液は、アンモニア濃度0.7wt%のものとした。
【0103】
そして、上述した洗浄作業が終了すると、洗浄液中に酸化ニオブを分散させたまま、回転円盤式スプレードライヤーの回転円盤の中心に滴下させ、スプレー液滴とし、このスプレー液滴とドライヤーから吹き出す300℃の熱風とを接触させ、水分を瞬間的に蒸発気化させ、水酸化ニオブ粉を得た。
【0104】
続いて、上述した水酸化ニオブ粉を炉内で焙焼したのである。当該水酸化ニオブ粉は、900℃で2時間焙焼し、酸化ニオブの粉体を得たのである。
【0105】
本比較例で示した製造方法で得られた酸化ニオブの粉体は、第3実施形態と同様の易分散性に優れたものであった。
【0106】
しかしながら、ここで得られた酸化ニオブの粉体特性は、JIS K 5101に準じて測定すると以下に示すようになり、本件発明に係る製造方法で得られた酸化ニオブ粉とは全く異なる物性を示すものとなる。まず、静置見かけ密度(AD)は、2.21g/cmであり、且つ、ブレーン空気透過法による平均粒径が1.75μmであった。
【0107】
また、真密度(d)が4.55g/cm、タップ充填密度(TD)が1.96g/cmであり、真密度(d)とタップ充填密度(TD)と比であるTD/dの値が0.431であった。
【0108】
更に、圧縮成形性の試験として、本比較例で得られた酸化ニオブ粉20gを採取し、断面積4.91cmの容器に入れ、3種類の所定の圧力で1分間加圧保持して成形体を圧縮成形した。その結果、以下のようになった。
【0109】
16MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ14.05mm〜14.20mm(幅0.15mm)、圧縮密度2.81g/cm〜2.92g/cm(幅0.11g/cm)であった。
【0110】
56MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ11.23mm〜11.35mm(幅0.12mm)、圧縮密度3.48g/cm〜3.61g/cm(幅0.13g/cm)であった。
【0111】
112MPaの圧力を採用し10個の成形体を製造した場合の成形体厚さ10.71mm〜10.81mm(幅0.10mm)、圧縮密度3.80g/cm〜3.92g/cm(幅0.12g/cm)であった。
【0112】
これらの値は、第1実施形態及び第2実施形態と対比することで明らかとなるように、成形体厚さが厚く且つそのバラツキが大きく、圧縮密度が低く且つそのバラツキも大きくなっている。しかも、圧縮する圧力の増加に応じての、成形体厚さ及び圧縮密度のバラツキが大きく、圧縮圧力の増加に応じた圧縮応答性に欠け、易圧縮性に劣ることが分かる。
【0113】
従って、以上に述べた粉体特性は、本件発明に係る製造方法で得られた酸化ニオブ粉の備える粉体特性を全く満たさない事が明らかである。
【0114】
【発明の効果】
本件発明に係る酸化タンタル粉又は酸化ニオブ粉の製造方法によれば、従来の製造方法により得られる酸化タンタル粉又は酸化ニオブ粉に比べ、「ふわふわ」したレオロジー的な性質を備えた易分散性及び圧縮成形性に優れる易圧縮性を同時に備えたものとすることが可能である。従って、酸化タンタル粉又は酸化ニオブ粉を容器内に封入梱包して、輸送途中に振動を受けても、当該粉体自体が固く締まって固化することがなくなる。そのため、開封して使用時に行っていた固化した酸化タンタル粉又は酸化ニオブ粉の解砕作業が不要となり、作業の効率が大幅に改善されることになるのである。そして、これらの粉体を押し固めてスパッタリングターゲット、ペレット等の圧縮成型品を製造する際のコストダウンを可能とし、製品品質を大幅に向上させることが可能となるのである。

Claims (4)

  1. 単一溶液槽内でフッ化タンタル溶液にアンモニア溶液を添加することで水酸化タンタルを沈殿生成し、この沈殿した水酸化タンタルを濾別採取した後に洗浄し、得られた水酸化タンタルを焙焼することで酸化タンタル粉を得る製造方法において、
    前記フッ化タンタル溶液は、溶液温度が10〜40℃で、タンタル濃度が酸化タンタル換算で20〜80g/lであり、
    当該フッ化タンタル溶液にアンモニア溶液を添加した後の溶液温度が10〜50℃であり、且つ、pHは8〜10となるようにして水酸化タンタルを沈殿生成させ、
    濾別採取した水酸化タンタルを希釈したアンモニア溶液で洗浄し、0.2MPa〜1.0MPaの範囲で加圧濾過して水酸化タンタルケーキの状態にして、
    この水酸化タンタルケーキを800℃〜1200℃で1時間〜24時間焙焼し酸化タンタル塊とし、これを解砕処理し酸化タンタル粉とすることを特徴とした酸化タンタル粉の製造方法。
  2. 単一溶液槽内でフッ化ニオブ溶液にアンモニア溶液を添加することで水酸化ニオブを沈殿生成し、この沈殿した水酸化ニオブを濾別採取した後に洗浄し、得られた水酸化ニオブを焼成することで酸化ニオブ粉を得る製造方法において、
    前記フッ化ニオブ溶液は、溶液温度が10〜40℃、ニオブ濃度が酸化ニオブ換算で20〜80g/lであり、
    当該フッ化ニオブ溶液にアンモニア溶液を添加した後の溶液温度が10〜75℃であり、且つ、pHは8〜10となるようにして水酸化ニオブを沈殿生成させるものであり、
    濾別採取した水酸化ニオブを希釈したアンモニア溶液で洗浄し、0.2MPa〜1.0MPaの範囲で加圧濾過して水酸化ニオブケーキの状態にして、
    この水酸化ニオブケーキを500℃〜1000℃で1時間〜24時間焙焼し酸化ニオブ塊とし、これを解砕処理し酸化ニオブ粉とすることを特徴とした酸化ニオブ粉の製造方法。
  3. 請求項1に記載の製造方法により得られた酸化タンタル粉であって、
    静置見かけ密度(AD)が0.8g/cm〜1.8g/cmであり、ブレーン空気透過法による平均粒径が0.3μm〜8.0μmであり、真密度(d)とタップ充填密度(TD)との比であるTD/dの値が0.1〜0.4であり、
    容器内に封入梱包した際に振動を受けても固化しないことを特徴とする酸化タンタル粉。
  4. 請求項2に記載の製造方法により得られた酸化ニオブ粉であって、
    静置見かけ密度(AD)が0.2g/cm〜0.8g/cmであり、ブレーン空気透過法による平均粒径が0.3μm〜8.0μmであり、真密度(d)とタップ充填密度(TD)との比であるTD/dの値が0.1〜0.4であり、
    容器内に封入梱包した際に振動を受けても固化しないことを特徴とする酸化ニオブ粉。
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