JP3580435B2 - 窒化物粉体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、窒化物粉体及びその製造方法に関し、特に窒化物の生成段階において粒子同士の焼結が起こるのを防止され、単粒子として得られた窒化物粉体及びそれを製造するための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ファインセラミックスや磁性トナー、磁気記録媒体等の原料として、金属窒化物粉体が用いられている。この金属窒化物粉体は、通常、金属や金属酸化物、金属塩化物等の粉体に窒化処理を施することにより得られている。
この金属窒化物を製造する具体的な方法として、種々の製造方法が提案され、実施されている。例えば、窒化鉄粉体については、窒化性雰囲気においてプラズマアーク中に鉄の粉末を供給する方法や、プラズマアークにより鉄を蒸発させて鉄蒸気とし、これに窒素ガスを供給することにより、粒径0.01μm程度の窒化鉄の超微粒子を製造している。
また、金属蒸気や金属塩化物等の蒸気を、アンモニアガスと還元性ガスのガス雰囲気中で反応させて金属窒化物の微粉末を製造する方法も知られている。
さらに、ロータリキルン等の焼成装置を用いて、高温窒化性雰囲気中に原料粉体を導入し、粉末状の窒化物を製造する方法も一般的である。
【0003】
これらの窒化物粉体は、最終製品の性能の点では、一般にその粒径が小さい程好ましいとされているが、粒径が小さくなりすぎるとその加工性において種々の困難な問題が生ずる。すなわち、磁性トナーでは、磁性体粒子を樹脂などで被覆する必要あるいは樹脂と混練する必要があるが、このとき粒子が小さすぎると、磁性体粒子の体積充填率が下がり、被覆材を含めた全体としての磁化の値が小さくなったり、凝集により製品に不均一性が発生する。
このように窒化物粉体は、その用途に応じた好ましい粒径範囲があり、ファインセラミックス原料としては、平均粒径が0.2〜10μm程度、磁性トナーとしては数μm以下、また磁気記録材料としては0.5〜数μm程度であることが望ましく、概ね平均粒径が1μm程度であれば、これらの用途に共通して、しかも好適なものとして使用することができる。
【0004】
しかし、前記の方法では、粒径が1μm程度の微粉末を効率よく、しかも安価に得ることは困難であった。例えば、プラズマ法によれば、粒径が0.01μmという超微粉末を得ることができるものの、逆に1μm程度の粒径のものを多量に生産することが難しく、また金属や金属塩化物の蒸気を窒化する方法では、生成する窒化物が連珠状の連続した粉体となり、単粒子が得られないと言う問題があった。
これらの生成窒化物の生産性や形状の問題に加えて、プラズマを発生させたり、原料を一度蒸発させたりする必要があるため、大量の電力または熱エネルギーを必要とし、製造装置が高価になるとともに、反応条件の制御当の製造プロセスも複雑になり、結果的に製造コストが上昇し、製品として非常に高価なものになっていた。
【0005】
一方、ロータリキルン等の焼成装置を用いて窒化物粉体を製造する方法では、安価に、しかも多量に窒化物を製造することができるが、処理できる原料粉体の粒径に制約があり、通常粒径が数μm〜数十μm程度の粗粒粉体を処理することはできるが、粒径1μm程度の粉体を処理しようとすると、粉体はその表面エネルギーが大きいために、反応中にキルン内壁面に付着したり、粒子同士が焼結を起こして大きな粒塊となってしまう。この焼結体となった粒塊は硬度が高いために、1μm程度の粒径まで粉砕するには非常に長い時間と大きな機械的エネルギーを要し、必ずしも実用的ではなかった。
本発明者らは、この問題を解決するために、先に、原料とする粉体とともに解砕媒体を高温、窒化性雰囲気内に共存させ、かつ両者を揺動させ攪拌しながら窒化反応を行う窒化物粉体の製造方法を提案した。
この方法は、例えば、平均粒径が約0.5μmの四三酸化鉄粉と直径1mmの鉄球とを回転式加熱炉に導入して窒素ガスを流しながら加熱することにより窒化するものであって、この場合平均粒径0.7μmの窒化鉄粉末が得られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法によるときには、平均粒径の小さな窒化物粉末が得られるものの、窒化の工程で原料の粉末が焼結しやすく、解砕媒体を存在させてもその焼結を十分に防止することができず、焼結した団塊の割合が比較的高く、単粒子の割合がかなり高いものを得ることは困難であり、焼結を十分に防止しようとすると、粉砕媒体の割合を高めることが必要で、それに伴い生産性が低下するなどの問題がある。
本発明は、原料粉末の窒化の際における焼結を極力減少させて、主として単粒子からなる窒化物粉末を得ることを目的とするものである。
また、本発明は、回転式加熱炉を用いて原料粉末を窒化する際に、原料粉末の窒化するときの焼結を極力減少させて、主として単粒子からなる窒化物粉末を得ることを目的とするものである。
さらに、本発明は、原料粉末の窒化の際における焼結を極力減少させて、粒径が小さく、主として単粒子からなる窒化物粉末を得ることを目的とするものである。
【0007】
本発明は、下記の手段により前記の課題を解決したものである。
(1)金属又は金属化合物の粒子の上に金属酸化物の被膜を形成させ、該金属酸化物被膜を有する前記の粒子を攪拌しながら窒化性雰囲気において加熱することにより前記金属又は金属化合物を窒化して金属窒化物を生成させて得た、表面に薄い金属酸化物被膜を有する単粒子からなることを特徴とする窒化物粉体。
(2)金属又は金属化合物の粒子の上に金属酸化物の被膜を形成させ、該金属酸化物被膜を有する前記の粒子を攪拌しながら窒化性雰囲気において加熱することにより前記金属又は金属化合物を窒化して金属窒化物を生成させることを特徴とする窒化物粉体の製造方法。
(3)前記の窒化性雰囲気における窒化を回転式チューブ炉において行うことを特徴とする前記(2)記載の窒化物粉体の製造方法。
(4)前記の窒化性雰囲気における窒化を解砕媒体の存在の下において行うことを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の窒化物粉体の製造方法。
表面に薄い金属化合物被膜を有する単粒子からなることを特徴とする窒化物粉体。
【0008】
本発明者らは、原料粉末の窒化に際して、その原料粉末の粒子の表面を予め金属酸化物の薄い被膜で被覆しておくときには、原料粉末の粒子あるいは窒化物粉末の粒子同志の焼結が阻害され、窒化物粉末の単粒子が容易に得られることを見いだすことにより、本発明に到達したものである。
原料粉末の粒子の表面を予め被覆する物質は、金属酸化物に限らず、粒子同志の焼結を防ぐ作用を有するものならば何でもよく、金属化合物が使用される。金属化合物としては、前記の作用をするもので、均一で緻密な被膜を形成できるものであって、しかも簡単な手段により容易に形成できるものがよい。その被覆手段としては、種々の方法を用いることができ、沈殿法、蒸着法、その他の方法を用いることができるが、技術的に簡単な方法であることが好ましい。
特に、その金属酸化物の被膜を形成するさいには、金属アルコキシドの加水分解による方法を用いる場合には、薄くて均一であり、かつ緻密な金属酸化物被膜を形成することができ、原料粉末の微細な粒子に対して特に適するものである。金属化合物としては、炭化物や窒化物でもよいが、これらの被膜の形成は高温を要し、作業も煩雑であるので、特別の場合に適用される。また、窒化物の場合には焼結の問題を生じないものだけが使用できる。
【0009】
本発明において、得ようとする窒化物粉末の窒化物としては、鉄、ニッケル、コバルト、チタン、タングステン、アルミニウム等、各種の金属の窒化物を挙げることができ、この中鉄、ニッケル、コバルトの窒化物が好ましく、特に鉄の窒化物が好ましい。
原料の粉末としては、前記した窒化物を得ることができるものであることが必要であるが、当然その金属、又はその金属化合物の粉末を用いることができる。前記金属化合物としては、例えばその金属の酸化物、塩化物、硫酸塩等を挙げることができる。例えば、前記した鉄、ニッケル、コバルトの窒化物を得る場合には、それらの金属粉末、それらの金属の酸化物、塩化物、硫酸塩等を挙げることができる。
原料粉体の粒子の粒径としては、平均粒径が0.005〜100μmとすることが好ましく、目的とする窒化物粉体の粒径との関連で、細かい粒径のものを得ようとするときには、平均粒径が0.01〜50μmとすることのがよい。
【0010】
原料粉末を金属アルコキシドの溶液中に分散し、水を添加して加水分解することにより、その原料粉末の表面に金属水酸化物の被覆をし、ゾル−ゲル法により金属酸化物の被膜を形成する。金属アルコキシドとしては、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ニッケル等のアルコキシドが用いられ、またアルコシキドとしては炭素数が1〜5のアルコールのアルコキシドが好ましい。金属アルコキシドは、通常アルコール等の有機溶媒に溶解して溶液として用いる。
加水分解の条件を適切に設定することにより、原料粉体の粒子の上に均一で緻密なゲル状の金属酸化物の被膜を形成することができ、それを乾燥し、場合により加熱することにより、金属酸化物の被膜を形成する。加水分解を緩やかに生じさせるためにアルカノールアミンなどを添加することができ、酸やアミンなどの触媒を添加することもできる。
【0011】
原料粉体の上に形成する金属酸化物の被膜は、窒化工程中において粒子同士の焼結を防止する目的からいって、その厚さが0.001〜3μmとすることが好ましい。その被膜はその下の原料粉体の窒化が十分に行われるようなものであることが好ましい。金属酸化物も窒化の条件下で窒化されるから、それが先に窒化してしまっては十分に焼結防止の作用をすることができない場合には、原料粉体よりも窒化しがたい金属酸化物を用いるのがよい。
窒化の条件としては、既に知られている条件下で行うことができるが、回転式円筒状加熱炉において加熱下に窒素含有ガスを供給して窒化を行うのがよく、加熱温度としては400〜800℃の範囲が好ましい。より高い温度を採用することができるが、焼結が起こり易くなる。焼結を防止するために、鉄球やセラミック球などの粉砕媒体を共存させることがよい。窒化性雰囲気とするためのガスとしては、窒素、アンモニア等が使用されるが、これらは水素との混合ガスとして使用することもある。
【0012】
これらの製造条件を一実施態様により概略説明すると、前記した原料粉体の表面に酸化ケイ素や酸化チタン等の金属酸化物の被覆膜をゾル−ゲル法などの方法を用いて0.001〜3μの厚さで形成し、この酸化物被膜を被覆した原料粉体と、適当量の解砕媒体(例えばジルコニアボール)を回転式チューブ炉に入れ、水素と窒素に対するアンモニアの割合が体積比で100:1から1:100の混合ガス雰囲気中で、温度400〜800℃において2時間から8時間の間、ガス分圧と温度を保持しながら還元及び窒化することにより、表面に被膜が焼結防止膜の働きをし、窒化後、酸化物の膜を有する単分子からなる窒化物粉末が得られる。
【0013】
【作用】
本発明によれば、原料粉体の窒化に際して、その原料粉体の粒子の表面に設けた金属化合物の被覆が粒子同士の焼結を阻害するため、粒子同士の焼結の焼結が起こらず、単粒子状態の窒化物粉体が得られる。
前記の金属化合物の被覆が金属酸化物などの場合、その酸化物はその窒化の最終段階で窒化されることがあっても、その窒化工程の途中で原料粒子同士の付着や融着を阻害し、粒子同士の焼結を防止することができる。
特に、その窒化工程において、金属球やセラミックス球のような解砕媒体の存在において回転式チューブ炉で加熱するときには、解砕媒体による衝撃力により原料粒子同士の焼結を良く防止することができる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
金属鉄微粒子(平均粒径0.5μm)50gをあらかじめ用意しておいたチタンエトキシド3gと脱水エタノール200gの混合溶液と共にビーカーに入れ、超音波槽て分散する。
この溶液をモータ攪拌機で攪拌しながらその中に脱イオン水1.3gを含むエタノール溶液41gを滴下し、攪拌を2時間続ける。攪拌終了後、濾紙で固液分離を行い、濾紙上に残った粉末を80℃で2時間真空乾燥する。
【0015】
得られた乾燥粉末51gとジルコニアボール(直径3mm)100gを回転式チューブ炉に入れ、体積比で水素ガス1に対しアンモニアガス1の割合の混合ガスを毎分1リットル流しながら、500℃まで2時間で昇温し、さらに500℃で5時間保持した後、放冷する。
冷却後、得られた窒化物粉末は48gであり、走査電子顕微鏡での観察結果から、粒子同士の焼結は見られず、単粒子が独立して存在していた。また過粉砕により生ずる微粒子がほとんど見られなかった。
また、電子顕微鏡写真をもとに株式会社ニレコ製の画像処理装置LUZEXIII を用いて求めた平均粒径は0.6μmであった。さらに、粉末X線回折法により得られた化合物の組成はFeNであり、磁性に関して10KOeの磁場内の磁化は140emu/gであった。
【0016】
実施例2
ビーカーに四三酸化鉄微粒子(平均粒径0.2μm)30gと脱水エタノール37.5g及びオルトテトラエトキシケイ素1.56gを入れ、超音波槽で四三酸化鉄微粒子を液中に分散させる。この溶液を攪拌機で攪拌しながら蒸留水に1.45gに濃塩酸0.03gを混合した希塩酸水溶液を加え6時間攪拌を続けた後、濾過後、脱水エタノール100mlで洗浄し固形分を分離した後、真空乾燥機で100℃で8時間乾燥する。得られた乾燥粉末30gとジルコニアボール(直径1mm)50gを回転式チューブ炉に入れ、体積比で水素ガス1に対しアンモニアガス1の割合の混合ガスを毎分1リットル流しながら、700℃まで3時間で昇温し、さらに、700℃で3時間保持した後、放冷する。
冷却後、得られた窒化物粉末は48gであり、走査電子顕微鏡での観察結果から、同じ粒子同士の焼結は見られず、単粒子が独立して存在していた。また過粉砕により生ずる微粒子がほとんど見られなかった。
また、電子顕微鏡写真をもとに株式会社ニレコ製の画像処理装置LUZEXIII を用いて求めた平均粒径は0.23μmであった。さらに、粉末X線回折法により得られた化合物の組成はFeNであり、磁性に関して10KOeの磁場内の磁化は140emu/gであった。
【0017】
実施例3
八面体の四三酸化鉄50g(平均粒径0.31μm)を鉄原料に用い、被膜原料としてシリコンエトキシド25gを用い、これをエタノール2リットルに混合した後、四三酸化鉄粉末を攪拌混合した後、この溶液中にアンモニア(28%)1.0gと脱イオン水23.5gの混合溶液を5分間かけて徐々に滴下し、3時間攪拌後、上澄デカンテーションで除いた後、固液分離、さらに乾燥を行い、四三酸化鉄表面に被膜を形成した。
この被覆粉体50gと解砕媒体として平均粒径1μmのジルコニアビーズ20gと平均粒径3μmジルコニアビーズ10gを回転式チューブ炉内に充填し、体積比でアンモニアガス1に対して水素1の割合で混合ガスを毎分1000mlで流しながら、550℃に1時間半かけて昇温後、6時間550℃で保持し、その後放冷して窒化物粉体を得た。
得られた窒化物粉体の形状をSEMで確認したところ、ほぼ原料と同じく八面体であった。
また、電子顕微鏡写真をもとにニレコ株式会社製の画像処理装置LUZEXIII を用いて求めた平均粒径は0.35μmであった。さらに、粉末X線回折法により得られた化合物の組成はFeNであった。
また、磁性に関しては10KOeの磁場内での磁化は146emu/gであった。
【0018】
実施例4
球状のカルボニール鉄粉を原料として実施例1と同様の方法で被膜を形成した酸化チタン被覆粉体50gと、解砕媒体として平均粒径1mmのジルコニアビーズ30gと3mmジルコニアビーズ10gを回転式チューブ炉内に充填し、体積比でアンモニアガス1に対して水素1の割合で混合ガスを毎分1000mlで流しながら450℃に1時間半かけて昇温後、6時間450℃で保持し、その後放冷して窒化物粉体を得た。
得られた窒化物粉体の形状をSEMで確認したところ、ほぼ原料と同じ球状であった。
また、電子顕微鏡写真をもとにニレコ株式会社製の画像処理装置LUZEXIII を用いて求めた平均粒径は0.6μmであった。
さらに、粉末X線回折法により得られた化合物の組成はFeNと微量のFeNが認められた。
磁性に関しては10KOeの磁場内での磁化は150emu/gであった。
【0019】
比較例1
平均粒径0.5μmの鉄粉を原料として、実施例1と同様にして得られた酸化チタン被覆粉末50gと、解砕媒体として平均粒径1mmの鉄球30gと平均粒径3mmの鉄球10gを回転式チューブ炉内に充填し、体積比でアンモニアガス1に対して水素1の割合で混合ガスを毎分1000mlで流しながら450℃に1時間半かけて昇温後、6時間450℃で保持し、その後放冷して窒化物粉体47gを得た。
得られた窒化物粉体の形状をSEMで確認したところ、一部の粒子が潰れて偏平になったり、あるいは粉砕されて超微粉が生じた。
また、画像処理装置LUZEXIII を用いて求めた平均粒径は0.4μmであり、また0.1μm以下の粉体の割合が17%であり、原料鉄粉の0.1μm以下の粉体の割合が5%であるのに対し、増加し、粒度分布が細かい方にシフトした。
【0020】
比較例2
酸化物被覆を形成していない平均粒径0.5μmの鉄粉50gを原料として、解砕媒体として平均粒径1mmのジルコニアビーズ30gと平均粒径3mmのジルコニアビーズ10gとともに回転式チューブ炉内に充填し、体積比でアンモニアガス1に対して水素1の割合で混合ガスを毎分1000mlで流しながら450℃に1時間半かけて昇温後、6時間450℃で保持し、その後放冷して窒化物粉体を得た。
得られた窒化物粉体の形状をSEMで確認したところ、一部の粒子は焼結し反応炉に薄皮状に焼き着いたり、さらに粒子同志が焼結し0.2〜0.25mmの塊状の焼結粒が生じた。
粉体として得られた窒化物粉末は17gであり、歩留りが悪かった。
【0021】
【発明の効果】
本発明の窒化物粉体は、粒径が小さく、単粒子からなっているため、磁気トナーなどに使用した場合、磁気特性が優れたものが得られる。磁気記録材料などに使用した場合、粒子同士の凝集が少ないので、特性の変動も少ない。
また、本発明の窒化物粉体において、その表面に酸化物等の被膜を有するものは、その被膜の特性を合わせ持つことができ、その被膜の性質を利用してその用途に使用することができる。
本発明の製造方法によれば、粒径が小さく、単粒子からなる窒化物粉体が得られる。粒径が1μm程度ないしそれ以下の微粒子窒化物粉体を得る場合には、その窒化工程においては粉体粒子同士の焼結が起こり易いため、単粒子からなるものが得にくいが、本発明によるときには、容易に得られる。
特に、その回転式加熱炉において解砕媒体を使用するときには、原料粉体の粒子同士の溶着などがその解砕媒体の運動により破壊されて、単粒子に分離する作用が行われて、単粒子の得られる割合が著しく高くなる。

Claims (4)

  1. 金属又は金属化合物の粒子の上に金属酸化物の被膜を形成させ、該金属酸化物被膜を有する前記の粒子を攪拌しながら窒化性雰囲気において加熱することにより前記金属又は金属化合物を窒化して金属窒化物を生成させて得た、表面に薄い金属酸化物被膜を有する単粒子からなることを特徴とする窒化物粉体。
  2. 金属又は金属化合物の粒子の上に金属酸化物の被膜を形成させ、該金属酸化物被膜を有する前記の粒子を攪拌しながら窒化性雰囲気において加熱することにより前記金属又は金属化合物を窒化して金属窒化物を生成させることを特徴とする窒化物粉体の製造方法。
  3. 前記の窒化性雰囲気における窒化を回転式チューブ炉において行うことを特徴とする請求項2記載の窒化物粉体の製造方法。
  4. 前記の窒化性雰囲気における窒化を解砕媒体の存在の下において行うことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の窒化物粉体の製造方法。
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