JPH0789721A - 球状の導電性チタン化合物及びその製造方法 - Google Patents
球状の導電性チタン化合物及びその製造方法Info
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- JPH0789721A JPH0789721A JP12683992A JP12683992A JPH0789721A JP H0789721 A JPH0789721 A JP H0789721A JP 12683992 A JP12683992 A JP 12683992A JP 12683992 A JP12683992 A JP 12683992A JP H0789721 A JPH0789721 A JP H0789721A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、球状形状を保持した導電性チタン化
合物及びその製法に関する。 【構成】球状の緻密なシリカのカプセルに導電性低次酸
化チタンや酸窒化チタンなどを内包させることにより、
球状形状に保持された導電性チタン化合物を得ることが
できる。球状の含水酸化チタンの表面に緻密なシリカの
被膜を形成した後、500〜1200℃で還元して、該
含水酸化チタンを低次酸化チタンや酸窒化チタンとし、
そのまわりの緻密なシリカのカプセルで元の球状形状を
保持する。 【効果】球状の緻密なシリカのカプセルに導電性の低次
酸化チタンや酸窒化チタンなどを内包させた本発明の導
電性チタン化合物は、黒色顔料、導電性粉末などとして
化粧料、艶消し剤などに有用である。
合物及びその製法に関する。 【構成】球状の緻密なシリカのカプセルに導電性低次酸
化チタンや酸窒化チタンなどを内包させることにより、
球状形状に保持された導電性チタン化合物を得ることが
できる。球状の含水酸化チタンの表面に緻密なシリカの
被膜を形成した後、500〜1200℃で還元して、該
含水酸化チタンを低次酸化チタンや酸窒化チタンとし、
そのまわりの緻密なシリカのカプセルで元の球状形状を
保持する。 【効果】球状の緻密なシリカのカプセルに導電性の低次
酸化チタンや酸窒化チタンなどを内包させた本発明の導
電性チタン化合物は、黒色顔料、導電性粉末などとして
化粧料、艶消し剤などに有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は球状形状を有する緻密な
シリカのカプセルで内包された一般式TiOX (但し、
Xは2未満の正の実数)で表される球状の導電性チタン
化合物及びその製造方法に関する。本発明の導電性チタ
ン化合物は、化粧料として或いは塗料用の黒色系、灰色
系色材として有用なものであり、また、その導電性を利
用してプラスチックス、ゴム、繊維などの導電性付与剤
あるいは帯電防止剤として、電子写真複写紙、静電記録
紙などの記録材料の支持体用導電性付与剤として有用な
ものである。更に、その粒径と形状から艶消し剤として
も有用なものである。
シリカのカプセルで内包された一般式TiOX (但し、
Xは2未満の正の実数)で表される球状の導電性チタン
化合物及びその製造方法に関する。本発明の導電性チタ
ン化合物は、化粧料として或いは塗料用の黒色系、灰色
系色材として有用なものであり、また、その導電性を利
用してプラスチックス、ゴム、繊維などの導電性付与剤
あるいは帯電防止剤として、電子写真複写紙、静電記録
紙などの記録材料の支持体用導電性付与剤として有用な
ものである。更に、その粒径と形状から艶消し剤として
も有用なものである。
【0002】
【従来の技術】黒色顔料粉末、導電性粉末としては、従
来からカーボンブラックなどが広く使用されているが、
このものは、樹脂媒体での分散性が悪く、しかもその安
全性に疑問が持たれているために、その利用分野は制限
される。そこで、粒状二酸化チタンを還元して得られる
低次酸化チタン(TiOX :xは2未満の正の実数)や
酸窒化チタンが用いられるようになってきた。
来からカーボンブラックなどが広く使用されているが、
このものは、樹脂媒体での分散性が悪く、しかもその安
全性に疑問が持たれているために、その利用分野は制限
される。そこで、粒状二酸化チタンを還元して得られる
低次酸化チタン(TiOX :xは2未満の正の実数)や
酸窒化チタンが用いられるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、低次酸化チタン
や酸窒化チタンを黒色フィラーとしてファンデーション
に配合して化粧料としたり、また、黒色導電性粉末とし
て黒色プラスチックの艶消し剤に用いられつつある。し
かしながら、従来の方法で得られた低次酸化チタンや酸
窒化チタンは、あまり伸展性が良くなく、また、塗料と
したときの分散性が充分でないために、化粧料や艶消し
剤などに配合する場合に所望の効果が得られにくい。
や酸窒化チタンを黒色フィラーとしてファンデーション
に配合して化粧料としたり、また、黒色導電性粉末とし
て黒色プラスチックの艶消し剤に用いられつつある。し
かしながら、従来の方法で得られた低次酸化チタンや酸
窒化チタンは、あまり伸展性が良くなく、また、塗料と
したときの分散性が充分でないために、化粧料や艶消し
剤などに配合する場合に所望の効果が得られにくい。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
を解決すべく、先ず低次酸化チタンの粒子形状に着目し
て研究したところ、前記の通常の方法では、出発原料
として用いる二酸化チタンが球形でなく、粒状形状であ
るために球形の低次酸化チタンが得られないこと、二
酸化チタンを還元する際に粒子成長や粒子焼結が生じ
て、還元前の粒状形状がさらにくずれたものしか得られ
ないこと、さらに、低次酸化チタンは、その還元度に
応じて結晶構造が変化するため還元が進むと形状維持が
難しくなることが判明した。特に、TiOX の中でTi
O1.0 〜TiO1.25の領域のものや酸窒化チタンは、そ
の結晶がNaCl型(岩塩型、立方晶系)構造に変化
し、体積収縮を起こすために、粒子が崩壊しやすく、粒
子形状が維持できにくいことを見出した。
を解決すべく、先ず低次酸化チタンの粒子形状に着目し
て研究したところ、前記の通常の方法では、出発原料
として用いる二酸化チタンが球形でなく、粒状形状であ
るために球形の低次酸化チタンが得られないこと、二
酸化チタンを還元する際に粒子成長や粒子焼結が生じ
て、還元前の粒状形状がさらにくずれたものしか得られ
ないこと、さらに、低次酸化チタンは、その還元度に
応じて結晶構造が変化するため還元が進むと形状維持が
難しくなることが判明した。特に、TiOX の中でTi
O1.0 〜TiO1.25の領域のものや酸窒化チタンは、そ
の結晶がNaCl型(岩塩型、立方晶系)構造に変化
し、体積収縮を起こすために、粒子が崩壊しやすく、粒
子形状が維持できにくいことを見出した。
【0005】さらに、本発明者らは、出発原料の二酸化
チタンや還元条件などを種々検討した結果、硫酸チタニ
ル液を特定温度下、かつ、該温度の飽和水蒸気圧以上の
圧力下に保持して、硫酸チタニルを加水分解して得られ
る球状の含水二酸化チタンまたはこの含水二酸化チタン
を焼成して得られる二酸化チタンを出発原料として用
い、このものを還元したが、やはり粒子成長や粒子焼結
が生じて球状形状を保持した低次酸化チタンや酸窒化チ
タンは得られなかった。そこで球状の含水二酸化チタン
または二酸化チタンの表面に予め緻密なシリカを被覆し
た後、還元したところ(1)還元の際の粒子成長や粒子
焼結を著しく抑制することが可能となり、元の球状形状
を保持した低次酸化チタンや酸窒化チタンが得られるこ
と、(2)粒子間でのバラツキが少ない均質な還元度の
ものが得られること、(3)TiOX のXをより小さく
した場合でも形状が維持されやすいこと、(4)球状含
水二酸化チタンまたは球状二酸化チタンの表面に緻密な
シリカを被覆した後還元すると、高密度シリカの被膜が
カプセル状になり、この中に立方晶系の結晶の低次酸化
チタンや酸窒化チタンが内包された形態の球状粒子とな
ること、(5)このカプセルによって該低次酸化チタン
や酸窒化チタンの立方晶系の結晶がばらばらになること
を防止でき元の粒子形状が保持されやすく、これらの粒
子は樹脂媒体に導電性などの優れた特性を付与するもの
であること、(6)高密度シリカを被着した後の還元で
は強い還元が可能となり、その場合還元剤としてアルキ
ルアミンやアンモニアを用いると特に望ましいこと、
(7)本発明の球状の緻密なシリカのカプセルに内包さ
れた低次酸化チタン及び(又は)酸窒化チタンは、良好
な導電性能を有し、黒色系、灰色系色材としての色目、
色相の調節が容易であることなど優れた特徴を有するも
のであることを見出し、本発明を完成した。すなわち、
本発明は、形状係数が0.9〜1.0の球状形状を有す
る緻密なシリカのカプセルで内包された一般式TiOX
(但し、Xは2未満の正の実数)で表される球状の導電
性チタン化合物を提供することにある。
チタンや還元条件などを種々検討した結果、硫酸チタニ
ル液を特定温度下、かつ、該温度の飽和水蒸気圧以上の
圧力下に保持して、硫酸チタニルを加水分解して得られ
る球状の含水二酸化チタンまたはこの含水二酸化チタン
を焼成して得られる二酸化チタンを出発原料として用
い、このものを還元したが、やはり粒子成長や粒子焼結
が生じて球状形状を保持した低次酸化チタンや酸窒化チ
タンは得られなかった。そこで球状の含水二酸化チタン
または二酸化チタンの表面に予め緻密なシリカを被覆し
た後、還元したところ(1)還元の際の粒子成長や粒子
焼結を著しく抑制することが可能となり、元の球状形状
を保持した低次酸化チタンや酸窒化チタンが得られるこ
と、(2)粒子間でのバラツキが少ない均質な還元度の
ものが得られること、(3)TiOX のXをより小さく
した場合でも形状が維持されやすいこと、(4)球状含
水二酸化チタンまたは球状二酸化チタンの表面に緻密な
シリカを被覆した後還元すると、高密度シリカの被膜が
カプセル状になり、この中に立方晶系の結晶の低次酸化
チタンや酸窒化チタンが内包された形態の球状粒子とな
ること、(5)このカプセルによって該低次酸化チタン
や酸窒化チタンの立方晶系の結晶がばらばらになること
を防止でき元の粒子形状が保持されやすく、これらの粒
子は樹脂媒体に導電性などの優れた特性を付与するもの
であること、(6)高密度シリカを被着した後の還元で
は強い還元が可能となり、その場合還元剤としてアルキ
ルアミンやアンモニアを用いると特に望ましいこと、
(7)本発明の球状の緻密なシリカのカプセルに内包さ
れた低次酸化チタン及び(又は)酸窒化チタンは、良好
な導電性能を有し、黒色系、灰色系色材としての色目、
色相の調節が容易であることなど優れた特徴を有するも
のであることを見出し、本発明を完成した。すなわち、
本発明は、形状係数が0.9〜1.0の球状形状を有す
る緻密なシリカのカプセルで内包された一般式TiOX
(但し、Xは2未満の正の実数)で表される球状の導電
性チタン化合物を提供することにある。
【0006】本発明において、導電性チタン化合物と
は、TiO2 を還元してその還元度に応じて結合酸素量
が異なるTiOX (但し、Xは2未満の正の実数、望ま
しくは1.0〜1.8、特に望ましくは1.0〜1.6
である。)の組成式で表わされる低次酸化チタンを意味
するものであるが、このほか、低次酸化チタンとチタン
炭化物の混合物、低次酸化チタンとチタン窒化物の混合
物、酸窒化チタンのようなチタン酸窒化物なども包含す
る。なお、本発明の導電性チタン化合物には、部分的に
未還元のTiO2 が残存していてもよい。TiOX のう
ちのTiOと窒化チタン(TiN)は同じ結晶構造を持
っており、ほぼ同じX線プロファイルを示す。酸窒化チ
タンの場合、その各ピークはTiOとTiNの各ピーク
の間に位置している。
は、TiO2 を還元してその還元度に応じて結合酸素量
が異なるTiOX (但し、Xは2未満の正の実数、望ま
しくは1.0〜1.8、特に望ましくは1.0〜1.6
である。)の組成式で表わされる低次酸化チタンを意味
するものであるが、このほか、低次酸化チタンとチタン
炭化物の混合物、低次酸化チタンとチタン窒化物の混合
物、酸窒化チタンのようなチタン酸窒化物なども包含す
る。なお、本発明の導電性チタン化合物には、部分的に
未還元のTiO2 が残存していてもよい。TiOX のう
ちのTiOと窒化チタン(TiN)は同じ結晶構造を持
っており、ほぼ同じX線プロファイルを示す。酸窒化チ
タンの場合、その各ピークはTiOとTiNの各ピーク
の間に位置している。
【0007】本発明は、形状係数が0.9〜1.0の球
状形状を有する緻密なシリカのカプセルで内包された一
般式TiOX (但し、Xは2未満の正の実数)で表され
る球状の導電性チタン化合物に関する。本発明におい
て、形状係数は次のようにして求める。まず、緻密なシ
リカのカプセルで内包された球状の導電性チタン化合物
の透過型電子顕微鏡写真(倍率20000倍)を、ニレ
コ社製画像解析装置で画像解析し、それぞれの粒子の面
積と最大粒子径(L)を測定する。次に、得られた粒子
の面積の値を基に、該粒子を真円と仮定した場合の直径
(D)を求める。この直径(D)と最大粒子径(L)の
比(D/L)の平均値を粒子の形状係数とする。本発明
においては、形状係数が0.9〜1.0のものを真球と
いい、望ましい形状のものである。前記形状係数が0.
9より小さいと化粧料などに配合する場合に所望の効果
が得られにくい。また、本発明の平均粒子径(MD)は
前記直径(D)の平均値であり、0.1〜5μmが望ま
しい。平均粒子径が、前記範囲より短かくなりすぎる
と、樹脂媒体に配合したときに凝集をおこしやすく、所
望の導電性能などが得られにくく、また長くなりすぎる
と得られる塗膜、シートの表面平滑性が悪くなって好ま
しくない。
状形状を有する緻密なシリカのカプセルで内包された一
般式TiOX (但し、Xは2未満の正の実数)で表され
る球状の導電性チタン化合物に関する。本発明におい
て、形状係数は次のようにして求める。まず、緻密なシ
リカのカプセルで内包された球状の導電性チタン化合物
の透過型電子顕微鏡写真(倍率20000倍)を、ニレ
コ社製画像解析装置で画像解析し、それぞれの粒子の面
積と最大粒子径(L)を測定する。次に、得られた粒子
の面積の値を基に、該粒子を真円と仮定した場合の直径
(D)を求める。この直径(D)と最大粒子径(L)の
比(D/L)の平均値を粒子の形状係数とする。本発明
においては、形状係数が0.9〜1.0のものを真球と
いい、望ましい形状のものである。前記形状係数が0.
9より小さいと化粧料などに配合する場合に所望の効果
が得られにくい。また、本発明の平均粒子径(MD)は
前記直径(D)の平均値であり、0.1〜5μmが望ま
しい。平均粒子径が、前記範囲より短かくなりすぎる
と、樹脂媒体に配合したときに凝集をおこしやすく、所
望の導電性能などが得られにくく、また長くなりすぎる
と得られる塗膜、シートの表面平滑性が悪くなって好ま
しくない。
【0008】緻密なシリカカプセルの膜厚は、5〜10
0A(オングストローム)望ましくは10〜90Aであ
る。前記厚みが5Aより薄いと導電性チタン化合物の粒
子形状を維持するのが困難となり、一方、100Aより
厚くしても形状維持効果の一層の向上は期待できない。
この緻密なシリカのカプセルの膜厚は、電子顕微鏡写真
による実測値や、緻密なシリカの被覆量、その比重及び
還元前の二酸化チタンの比表面積の値を用いた計算式な
どから求めることができる。
0A(オングストローム)望ましくは10〜90Aであ
る。前記厚みが5Aより薄いと導電性チタン化合物の粒
子形状を維持するのが困難となり、一方、100Aより
厚くしても形状維持効果の一層の向上は期待できない。
この緻密なシリカのカプセルの膜厚は、電子顕微鏡写真
による実測値や、緻密なシリカの被覆量、その比重及び
還元前の二酸化チタンの比表面積の値を用いた計算式な
どから求めることができる。
【0009】本発明の球状の導電性チタン化合物は、形
状係数が0.9〜1.0である球状の含水二酸化チタン
または該含水二酸化チタンを焼成して得られる球状の二
酸化チタンを出発原料として用い、このものの表面に緻
密なシリカを被覆し、次いで500〜1200℃望まし
くは600〜1000℃の温度で還元することにより製
造することができる。出発原料として用いる形状係数が
0.9〜1.0である球状の含水二酸化チタンは、例え
ば硫酸チタニル液を170℃以上の温度下、かつ、該温
度の飽和水蒸気圧以上の圧力下に保持して、硫酸チタニ
ルを加水分解して製造することができる。ここで用いら
れる硫酸チタニルの溶液としては、精製した硫酸チタニ
ル溶液のほか、チタン鉱石を硫酸で浸出した硫酸鉄など
の不純物を含む溶液、硫酸チタニルをアルカリで中和す
るなどして得られたメタチタン酸または含水二酸化チタ
ンを硫酸で溶解した溶液などがある。この硫酸チタニル
の溶液を耐圧容器に入れ、容器を密閉状態にした後、所
定の温度に加熱し、加水分解する。硫酸チタニルの濃度
はTiO2 基準に換算して0.05〜5mol/l程
度、好ましくは0.5〜3mol/lである。また、必
要に応じて、硫酸チタニルの濃度を調整する際、遊離硫
酸の濃度を50〜800g/l程度、好ましくは150
〜400g/lに調整してもよい。加水分解時の温度
は、170℃以上、望ましくは180℃〜250℃の温
度である。前記温度が170℃より低くなりすぎると所
望の大きさ、形を有する含水二酸化チタンが得られ難く
なる。加水分解時の圧力は、前記温度の飽和蒸気圧程度
または飽和蒸気圧以上の圧力、望ましくは前記温度の飽
和蒸気圧より0〜10Kg/cm2 高い圧力である。加
水分解時の温度が250℃より高かったり、加水分解時
の圧力が飽和蒸気圧より大巾に高くなりすぎると使用で
きる装置が限られるので好ましくない。加水分解の反応
時間は0.5〜10時間が適当である。このように加水
分解した後、適当な温度になるまで冷却し、分別し、必
要に応じて、洗浄し、乾燥して含水二酸化チタンを得
る。
状係数が0.9〜1.0である球状の含水二酸化チタン
または該含水二酸化チタンを焼成して得られる球状の二
酸化チタンを出発原料として用い、このものの表面に緻
密なシリカを被覆し、次いで500〜1200℃望まし
くは600〜1000℃の温度で還元することにより製
造することができる。出発原料として用いる形状係数が
0.9〜1.0である球状の含水二酸化チタンは、例え
ば硫酸チタニル液を170℃以上の温度下、かつ、該温
度の飽和水蒸気圧以上の圧力下に保持して、硫酸チタニ
ルを加水分解して製造することができる。ここで用いら
れる硫酸チタニルの溶液としては、精製した硫酸チタニ
ル溶液のほか、チタン鉱石を硫酸で浸出した硫酸鉄など
の不純物を含む溶液、硫酸チタニルをアルカリで中和す
るなどして得られたメタチタン酸または含水二酸化チタ
ンを硫酸で溶解した溶液などがある。この硫酸チタニル
の溶液を耐圧容器に入れ、容器を密閉状態にした後、所
定の温度に加熱し、加水分解する。硫酸チタニルの濃度
はTiO2 基準に換算して0.05〜5mol/l程
度、好ましくは0.5〜3mol/lである。また、必
要に応じて、硫酸チタニルの濃度を調整する際、遊離硫
酸の濃度を50〜800g/l程度、好ましくは150
〜400g/lに調整してもよい。加水分解時の温度
は、170℃以上、望ましくは180℃〜250℃の温
度である。前記温度が170℃より低くなりすぎると所
望の大きさ、形を有する含水二酸化チタンが得られ難く
なる。加水分解時の圧力は、前記温度の飽和蒸気圧程度
または飽和蒸気圧以上の圧力、望ましくは前記温度の飽
和蒸気圧より0〜10Kg/cm2 高い圧力である。加
水分解時の温度が250℃より高かったり、加水分解時
の圧力が飽和蒸気圧より大巾に高くなりすぎると使用で
きる装置が限られるので好ましくない。加水分解の反応
時間は0.5〜10時間が適当である。このように加水
分解した後、適当な温度になるまで冷却し、分別し、必
要に応じて、洗浄し、乾燥して含水二酸化チタンを得
る。
【0010】このようにして得られた含水二酸化チタン
は、400〜900℃の温度で焼成して形状係数が0.
9〜1.0である二酸化チタンとすることもできる。焼
成の温度が900℃より高くなりすぎると粒子間焼結な
どにより形状係数が小さくなったりして望ましくない。
焼成の時間は0.5〜10時間程度が適当である。焼成
に使用する装置は、回転炉などの一般的な焼成炉が使用
できる。焼成して得られる二酸化チタンは、焼成時の粒
子間焼結がほとんど認められず、含水二酸化チタンの形
状を保持している。
は、400〜900℃の温度で焼成して形状係数が0.
9〜1.0である二酸化チタンとすることもできる。焼
成の温度が900℃より高くなりすぎると粒子間焼結な
どにより形状係数が小さくなったりして望ましくない。
焼成の時間は0.5〜10時間程度が適当である。焼成
に使用する装置は、回転炉などの一般的な焼成炉が使用
できる。焼成して得られる二酸化チタンは、焼成時の粒
子間焼結がほとんど認められず、含水二酸化チタンの形
状を保持している。
【0011】緻密なシリカで被覆するには、まず、前記
球状の含水二酸化チタン或いは二酸化チタンのスラリー
を調製し、該スラリーに前記ケイ素化合物の水溶液を添
加した後60℃以上に加温したり、または加温下で該ス
ラリーにケイ素化合物を添加したりする。引き続き酸を
加えスラリーpHを5.0〜8.0に中和した後脱水、
洗浄さらに必要に応じて乾燥を行って緻密なシリカを被
覆した球状の二酸化チタンを得る。必要に応じて、ケイ
素化合物を添加する前の二酸化チタンスラリーにヘキサ
メタリン酸ソーダなどの分散剤を二酸化チタンの重量に
対してリン重量換算で0.01〜0.5%添加しても良
い。前記方法で使用する酸としては、塩酸、硫酸、硝
酸、炭酸などが挙げられる。ケイ素化合物としては、ケ
イ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどを使用することが
できる。
球状の含水二酸化チタン或いは二酸化チタンのスラリー
を調製し、該スラリーに前記ケイ素化合物の水溶液を添
加した後60℃以上に加温したり、または加温下で該ス
ラリーにケイ素化合物を添加したりする。引き続き酸を
加えスラリーpHを5.0〜8.0に中和した後脱水、
洗浄さらに必要に応じて乾燥を行って緻密なシリカを被
覆した球状の二酸化チタンを得る。必要に応じて、ケイ
素化合物を添加する前の二酸化チタンスラリーにヘキサ
メタリン酸ソーダなどの分散剤を二酸化チタンの重量に
対してリン重量換算で0.01〜0.5%添加しても良
い。前記方法で使用する酸としては、塩酸、硫酸、硝
酸、炭酸などが挙げられる。ケイ素化合物としては、ケ
イ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどを使用することが
できる。
【0012】本発明においては、特に、前記球状の含水
二酸化チタン或いは二酸化チタンのスラリーのpHをま
ず、アルカリで9.5〜11.0に調整した後、60℃
以上、望ましくは70℃以上、特に望ましくは90℃以
上に加温し、次にケイ素化合物を30〜120分間で少
量ずつ添加し、引き続きスラリーの温度を維持または9
0℃以上に加温して、該スラリーに酸を30〜120分
間で徐々に加え中和した後、スラリー温度を維持しなが
ら60〜120分間保持することにより、緻密なシリカ
の緻密な被膜を得ることができる。アルカリとしては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム、
アンモニアなどを使用することができる。なお、本発明
においては、ケイ素化合物を含有させる際あるいはその
前後で、必要に応じ、リン、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、アルミニウム、亜鉛、ニオブ、タングステン、
タンタルなどの無機化合物を形状保持剤として含有処理
することもできる。
二酸化チタン或いは二酸化チタンのスラリーのpHをま
ず、アルカリで9.5〜11.0に調整した後、60℃
以上、望ましくは70℃以上、特に望ましくは90℃以
上に加温し、次にケイ素化合物を30〜120分間で少
量ずつ添加し、引き続きスラリーの温度を維持または9
0℃以上に加温して、該スラリーに酸を30〜120分
間で徐々に加え中和した後、スラリー温度を維持しなが
ら60〜120分間保持することにより、緻密なシリカ
の緻密な被膜を得ることができる。アルカリとしては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム、
アンモニアなどを使用することができる。なお、本発明
においては、ケイ素化合物を含有させる際あるいはその
前後で、必要に応じ、リン、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、アルミニウム、亜鉛、ニオブ、タングステン、
タンタルなどの無機化合物を形状保持剤として含有処理
することもできる。
【0013】次に、前記の緻密なシリカを被覆した含水
二酸化チタンまたは二酸化チタンを還元性物質で還元し
て、球状の緻密なシリカカプセルで内包された導電性チ
タン化合物を得る。一般式TiOX として表される低次
酸化チタンはxの値などによってその色調、導電性能が
変わるので、その用途に応じて還元処理条件を選定す
る。還元性物質としては、通常の金属チタン粉末、オレ
イン酸やステアリン酸などの有機脂肪酸またはその塩、
カーボンなどの固体または液体の還元性物質、アンモニ
ア、ヒドラジン、メチルアミンやジメチルアミンなどの
アルキルアミン、水素、一酸化炭素などのガス状還元性
物質が挙げられ、これらの還元性物質の1種または2種
以上を使用して行うことができる。金属チタン粉末、ア
ンモニア、ヒドラジン、アルキルアミンを用いると、比
較的低い温度で還元が進むため粒子焼結の少ない低次酸
化チタンが得られるので好ましい。特に、アルキルアミ
ンやアンモニアは、その還元力によりTiOX のxをよ
り小さくできるような強い還元を行い得るので還元性物
質として望ましい。還元温度は500〜1200℃、望
ましくは600〜1000℃の範囲で行うのが良い。還
元温度が500℃よりも低いと、還元が進みにくく還元
時間が長くかかり、所望の低次酸化チタンが得られにく
くなるので好ましくない。また、1200℃よりも高く
なると粒子成長などを抑制し難い。還元時間は、還元温
度、原料の混合割合などにより異なり、一概に言えない
が、通常1〜10時間である。還元処理は、種々の型式
の加熱炉を使用して行うことができるが、工業的には回
転炉中で行うのが望ましい。
二酸化チタンまたは二酸化チタンを還元性物質で還元し
て、球状の緻密なシリカカプセルで内包された導電性チ
タン化合物を得る。一般式TiOX として表される低次
酸化チタンはxの値などによってその色調、導電性能が
変わるので、その用途に応じて還元処理条件を選定す
る。還元性物質としては、通常の金属チタン粉末、オレ
イン酸やステアリン酸などの有機脂肪酸またはその塩、
カーボンなどの固体または液体の還元性物質、アンモニ
ア、ヒドラジン、メチルアミンやジメチルアミンなどの
アルキルアミン、水素、一酸化炭素などのガス状還元性
物質が挙げられ、これらの還元性物質の1種または2種
以上を使用して行うことができる。金属チタン粉末、ア
ンモニア、ヒドラジン、アルキルアミンを用いると、比
較的低い温度で還元が進むため粒子焼結の少ない低次酸
化チタンが得られるので好ましい。特に、アルキルアミ
ンやアンモニアは、その還元力によりTiOX のxをよ
り小さくできるような強い還元を行い得るので還元性物
質として望ましい。還元温度は500〜1200℃、望
ましくは600〜1000℃の範囲で行うのが良い。還
元温度が500℃よりも低いと、還元が進みにくく還元
時間が長くかかり、所望の低次酸化チタンが得られにく
くなるので好ましくない。また、1200℃よりも高く
なると粒子成長などを抑制し難い。還元時間は、還元温
度、原料の混合割合などにより異なり、一概に言えない
が、通常1〜10時間である。還元処理は、種々の型式
の加熱炉を使用して行うことができるが、工業的には回
転炉中で行うのが望ましい。
【0014】このようにして得られた球状のシリカのカ
プセルに内包された導電性チタン化合物を必要に応じて
水性スラリーとし、水酸化ナトリウムなどのアルカリま
たは硫酸などの酸を加え、該化合物の表面を洗浄、溶解
したり、不純物を溶解することもできる。また、該導電
性チタン化合物を湿式粉砕したり、分級したりした後、
その表面にケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウ
ム、スズ、アンチモン、セリウムなどの酸化物、水酸化
物あるいは含水酸化物のような無機化合物やチタンカッ
プリング剤、シランカップリング剤、多価アルコール、
アルキルアミンなどの有機化合物を1種または2種以上
を被着し、樹脂媒体における分散性や耐久性を高めるこ
ともできる。被着量は、該導電性チタン化合物の重量に
対して、前記無機化合物の場合は0.5〜20重量%、
望ましくは1〜10重量%であり、前記有機化合物の場
合は0.1〜10重量%、望ましくは0.3〜3.0重
量%である。湿式粉砕に用いる粉砕機は、ペブルミル、
ボールミル、サンドミルなどが使用できる。また、分級
に用いる分級器は液体サイクロンなどの遠心力を利用し
た分級器が使用できる。
プセルに内包された導電性チタン化合物を必要に応じて
水性スラリーとし、水酸化ナトリウムなどのアルカリま
たは硫酸などの酸を加え、該化合物の表面を洗浄、溶解
したり、不純物を溶解することもできる。また、該導電
性チタン化合物を湿式粉砕したり、分級したりした後、
その表面にケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウ
ム、スズ、アンチモン、セリウムなどの酸化物、水酸化
物あるいは含水酸化物のような無機化合物やチタンカッ
プリング剤、シランカップリング剤、多価アルコール、
アルキルアミンなどの有機化合物を1種または2種以上
を被着し、樹脂媒体における分散性や耐久性を高めるこ
ともできる。被着量は、該導電性チタン化合物の重量に
対して、前記無機化合物の場合は0.5〜20重量%、
望ましくは1〜10重量%であり、前記有機化合物の場
合は0.1〜10重量%、望ましくは0.3〜3.0重
量%である。湿式粉砕に用いる粉砕機は、ペブルミル、
ボールミル、サンドミルなどが使用できる。また、分級
に用いる分級器は液体サイクロンなどの遠心力を利用し
た分級器が使用できる。
【0015】本来、低次酸化チタンや酸窒化チタンのよ
うな導電性粉末の表面に絶縁体であるシリカのカプセル
が存在すれば、その粉末の粉体抵抗値およびその粉末を
混合した塗膜の表面抵抗は高くなる。ところが、実施例
からも明らかなように、意外にも本発明の球状のシリカ
カプセルで内包された導電性チタン化合物の粉体抵抗値
は、著しく小さく、優れた導電性を示すものであった。
なお、本発明の導電性チタン化合物の樹脂との配合量
は、顔料濃度で表わして5〜80重量%、好ましくは1
0〜50重量%が適当である。
うな導電性粉末の表面に絶縁体であるシリカのカプセル
が存在すれば、その粉末の粉体抵抗値およびその粉末を
混合した塗膜の表面抵抗は高くなる。ところが、実施例
からも明らかなように、意外にも本発明の球状のシリカ
カプセルで内包された導電性チタン化合物の粉体抵抗値
は、著しく小さく、優れた導電性を示すものであった。
なお、本発明の導電性チタン化合物の樹脂との配合量
は、顔料濃度で表わして5〜80重量%、好ましくは1
0〜50重量%が適当である。
【0016】
実施例1 チタン鉱石を硫酸で溶解して得た硫酸チタニル液(Ti
O2 換算で1.90mol/lの硫酸チタニルとFe2
O3 換算で0.63mol/lの硫酸鉄を含む。)24
0mlと水520mlとをオートクレーブに入れ、18
0℃の温度に加熱し、この温度で1時間保持した。この
ときの圧力は飽和蒸気圧の9Kg/cm2 であった。次
いで、得られた生成物を60℃の温度に冷却した後、濾
過し、洗浄し、110℃の温度で乾燥して、形状係数が
0.93の球状含水二酸化チタンを得た。この球状含水
二酸化チタンを600℃の温度で2時間焼成して二酸化
チタンとした後、この100gを水1リットルに懸濁さ
せスラリーとし、水酸化ナトリウム水溶液で該スラリー
のpHを11.0に調整し、次いでスラリー温度を70
℃に加温した後、ケイ酸ナトリウム水溶液を30分間で
滴下した。引き続きスラリー温度を90℃に加温した
後、希硫酸を40分間で滴下してpH7.0に中和し、
さらに、60分間保持した。その後脱水、洗浄して緻密
なシリカ(SiO2 として9重量%)を被覆した球状二
酸化チタンを得た。
O2 換算で1.90mol/lの硫酸チタニルとFe2
O3 換算で0.63mol/lの硫酸鉄を含む。)24
0mlと水520mlとをオートクレーブに入れ、18
0℃の温度に加熱し、この温度で1時間保持した。この
ときの圧力は飽和蒸気圧の9Kg/cm2 であった。次
いで、得られた生成物を60℃の温度に冷却した後、濾
過し、洗浄し、110℃の温度で乾燥して、形状係数が
0.93の球状含水二酸化チタンを得た。この球状含水
二酸化チタンを600℃の温度で2時間焼成して二酸化
チタンとした後、この100gを水1リットルに懸濁さ
せスラリーとし、水酸化ナトリウム水溶液で該スラリー
のpHを11.0に調整し、次いでスラリー温度を70
℃に加温した後、ケイ酸ナトリウム水溶液を30分間で
滴下した。引き続きスラリー温度を90℃に加温した
後、希硫酸を40分間で滴下してpH7.0に中和し、
さらに、60分間保持した。その後脱水、洗浄して緻密
なシリカ(SiO2 として9重量%)を被覆した球状二
酸化チタンを得た。
【0017】次に、この緻密なシリカを被覆した球状二
酸化チタンを内径15cmの回転炉に装入し、炉内を窒
素ガスで置換した。その後炉内にメチルアミンガスを5
リットル/分の流速で通気しながら845℃で3時間加
熱した。次いで得られた生成物を同雰囲気中で100℃
まで冷却し、さらに大気中で常温まで放冷して本発明の
球状のシリカのカプセルで内包された導電性チタン化合
物を得た(試料A) 。この試料AをX線回折で測定した
ところ、このものは2θが43.1°に主ピークを有す
る酸窒化チタンであった。なお、一部に未還元の二酸化
チタンも残存していた。また、この試料Aは、膜厚58
A(電子顕微鏡写真:400000倍での実測値の平均
値)のシリカカプセルで内包されていた。また、その粉
体抵抗値は9.5Ωcm、粉体色のL値は18.00、
a値は1.83、b値は−0.20であった。なお、粉
体抵抗は、試料粉末を100Kg/cm2 の圧力で成型
して円柱状圧粉体とし、その直流抵抗を測定して求め
た。実施例で得られた試料Aの平均粒子径(MD)と形
状係数を前述の方法から求めたところ、平均粒子径(M
D)は0.51μm であり、形状係数は0.93であっ
た。
酸化チタンを内径15cmの回転炉に装入し、炉内を窒
素ガスで置換した。その後炉内にメチルアミンガスを5
リットル/分の流速で通気しながら845℃で3時間加
熱した。次いで得られた生成物を同雰囲気中で100℃
まで冷却し、さらに大気中で常温まで放冷して本発明の
球状のシリカのカプセルで内包された導電性チタン化合
物を得た(試料A) 。この試料AをX線回折で測定した
ところ、このものは2θが43.1°に主ピークを有す
る酸窒化チタンであった。なお、一部に未還元の二酸化
チタンも残存していた。また、この試料Aは、膜厚58
A(電子顕微鏡写真:400000倍での実測値の平均
値)のシリカカプセルで内包されていた。また、その粉
体抵抗値は9.5Ωcm、粉体色のL値は18.00、
a値は1.83、b値は−0.20であった。なお、粉
体抵抗は、試料粉末を100Kg/cm2 の圧力で成型
して円柱状圧粉体とし、その直流抵抗を測定して求め
た。実施例で得られた試料Aの平均粒子径(MD)と形
状係数を前述の方法から求めたところ、平均粒子径(M
D)は0.51μm であり、形状係数は0.93であっ
た。
【0018】
【発明の効果】本発明の球状のシリカカプセルで内包さ
れた導電性チタン化合物は、その粒子形状が真球状に近
く、粒度分布巾が狭く、凝集の少ないものであり、しか
も、微細な粉末になりにくく、化粧料の滑材などに特に
有用なものである。本発明方法は、形状係数が0.9〜
1.0である含水二酸化チタン又は二酸化チタンの表面
に緻密なシリカを被覆した後、還元する方法でり、球状
のシリカカプセルで内包された導電性チタン化合物を経
済的に製造することができる。
れた導電性チタン化合物は、その粒子形状が真球状に近
く、粒度分布巾が狭く、凝集の少ないものであり、しか
も、微細な粉末になりにくく、化粧料の滑材などに特に
有用なものである。本発明方法は、形状係数が0.9〜
1.0である含水二酸化チタン又は二酸化チタンの表面
に緻密なシリカを被覆した後、還元する方法でり、球状
のシリカカプセルで内包された導電性チタン化合物を経
済的に製造することができる。
【図1】実施例1で得られた本発明の球状の導電性チタ
ン化合物(試料A)の粒子形状を表す電子顕微鏡写真
(倍率25000倍)である。
ン化合物(試料A)の粒子形状を表す電子顕微鏡写真
(倍率25000倍)である。
【図2】実施例1で得られた本発明の球状の導電性チタ
ン化合物(試料A)の粒子形状を表す電子顕微鏡写真
(倍率100000倍)である。
ン化合物(試料A)の粒子形状を表す電子顕微鏡写真
(倍率100000倍)である。
【図3】実施例1で得られた本発明の球状の導電性チタ
ン化合物(試料A)の粒子形状を表す電子顕微鏡写真
(倍率400000倍)である。
ン化合物(試料A)の粒子形状を表す電子顕微鏡写真
(倍率400000倍)である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明の球状の導電性チタ
ン化合物(試料A)の粒子構造を表す電子顕微鏡写真
(倍率25000倍)である。
ン化合物(試料A)の粒子構造を表す電子顕微鏡写真
(倍率25000倍)である。
【図2】実施例1で得られた本発明の球状の導電性チタ
ン化合物(試料A)の粒子構造を表す電子顕微鏡写真
(倍率100000倍)である。
ン化合物(試料A)の粒子構造を表す電子顕微鏡写真
(倍率100000倍)である。
【図3】実施例1で得られた本発明の球状の導電性チタ
ン化合物(試料A)の粒子構造を表す電子顕微鏡写真
(倍率400000倍)である。
ン化合物(試料A)の粒子構造を表す電子顕微鏡写真
(倍率400000倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 13/02 C01G 23/00 C C09K 3/16 101 H01B 1/00 B 7244−5G 1/08
Claims (4)
- 【請求項1】形状係数が0.9〜1.0の球状形状を有
する緻密なシリカのカプセルで内包された一般式TiO
X (但し、Xは2未満の正の実数)で表される球状の導
電性チタン化合物。 - 【請求項2】球状形状を有する緻密なシリカのカプセル
の平均粒子径が0.1〜5μmである請求項1の球状の
導電性チタン化合物。 - 【請求項3】球状形状を有する緻密なシリカのカプセル
の膜厚が5〜100Aである請求項1の球状の導電性チ
タン化合物。 - 【請求項4】硫酸チタニル液を170℃以上の温度下、
かつ、該温度の飽和水蒸気圧以上の圧力下に保持して硫
酸チタニルを加水分解して球状形状を有する含水二酸化
チタンを得た後、焼成し、得られた二酸化チタンの表面
に緻密なシリカを被覆し、次いで500〜1200℃の
温度で還元する一般式TiOX (但し、Xは2未満の正
の実数)で表される球状の導電性チタン化合物の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12683992A JPH0789721A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 球状の導電性チタン化合物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12683992A JPH0789721A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 球状の導電性チタン化合物及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0789721A true JPH0789721A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=14945168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12683992A Pending JPH0789721A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 球状の導電性チタン化合物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0789721A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0707050A2 (en) * | 1994-10-11 | 1996-04-17 | Shiseido Company Limited | Pigment containing low-order titanium oxide and method of manufacturing the same |
KR100434600B1 (ko) * | 2002-01-24 | 2004-06-04 | 학교법인 중앙대학교 | TiO₂/SiO₂복합입자 제조용 반응기 및 이에 의한TiO₂/SiO₂복합입자 제조방법 |
JP2004335615A (ja) * | 2003-05-02 | 2004-11-25 | Chiba Univ | 金属酸化物半導体の製造方法、金属酸化物半導体の製造装置、及び金属酸化物半導体 |
WO2006070794A1 (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-06 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | 表示素子用黒色樹脂組成物、及び表示素子用部材 |
JP2006182627A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Ishihara Sangyo Kaisha Ltd | 黒色系酸窒化チタン |
JP2016023248A (ja) * | 2014-07-22 | 2016-02-08 | Dic株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法および成形体 |
-
1992
- 1992-04-20 JP JP12683992A patent/JPH0789721A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0707050A2 (en) * | 1994-10-11 | 1996-04-17 | Shiseido Company Limited | Pigment containing low-order titanium oxide and method of manufacturing the same |
EP0707050A3 (en) * | 1994-10-11 | 1996-06-12 | Shiseido Co Ltd | Pigment containing a titanium suboxide and process for its preparation |
KR100434600B1 (ko) * | 2002-01-24 | 2004-06-04 | 학교법인 중앙대학교 | TiO₂/SiO₂복합입자 제조용 반응기 및 이에 의한TiO₂/SiO₂복합입자 제조방법 |
JP2004335615A (ja) * | 2003-05-02 | 2004-11-25 | Chiba Univ | 金属酸化物半導体の製造方法、金属酸化物半導体の製造装置、及び金属酸化物半導体 |
WO2006070794A1 (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-06 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | 表示素子用黒色樹脂組成物、及び表示素子用部材 |
JP2006182627A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Ishihara Sangyo Kaisha Ltd | 黒色系酸窒化チタン |
KR100967465B1 (ko) * | 2004-12-28 | 2010-07-07 | 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 | 표시 소자용 흑색 수지 조성물 및 표시 소자용 부재 |
US7785501B2 (en) | 2004-12-28 | 2010-08-31 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Black resin composition for display device, and member for display device |
JP2016023248A (ja) * | 2014-07-22 | 2016-02-08 | Dic株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法および成形体 |
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