JP3251972B2 - 転動造粒用ジルコニア粉末凝集体 - Google Patents
転動造粒用ジルコニア粉末凝集体Info
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Description
ジルコニア球体を製造する場合に適した原料ジルコニア
粉末凝集体に関する。
への傾向が高まりつつあり、高速攪拌ミル等の粉砕機に
粉砕媒体として使用されるセラミックス球体も粉砕効率
を良くするために小粒径化傾向にある。
ックス球体には高真球度,高密度,高強度,高耐磨耗性
等が要求され、これらの特性を満足するセラミックス球
体としてジルコニア球体が注目されている。
下の小粒径球体に成形する方法としては、大量に比較的
低コストで成形できる転動造粒法が一般的に知られてい
る。また、皿型造粒機,ドラム型造粒機などが代表的な
転動造粒機として広く利用されている。
た後、焼成することによりジルコニアの小粒径球体が得
られる。
には前記したような機械的特性が要求されるため、転動
造粒等の成形に供するジルコニア粉末は高純度であって
かつ微細なものが主に用いられている。
として、例えば、中和共沈法,加水分解法,水熱酸化
法,熱分解法等が知られている。これらの製法により製
造されるジルコニア粉末は、それぞれに粉末特性や焼結
特性が微妙に異なることから、一般的には用途や成形方
法に適した粉末を選定して使用されている。
造粒においても、前記した製法による全てのジルコニア
粉末が使用できる訳ではなく、例えば、転動成形中に
球体同士の付着が起こり成形が困難である、真球度の
良い球体が得られない、転動成形の生産性が良くな
い、高密度,高強度の焼結球体が得られない等のさま
ざまな問題を生じる場合がある。
範囲の粉末特性を有するジルコニア粉末を使用すること
により、ある程度の目的を達成することが可能である
が、成形球体の焼結性と焼結球体の機械的特性を重視し
た場合、原料ジルコニア粉末はできるだけ微細であるこ
とが望まれる。
になればなるほど、粉末粒子間の凝集性が強くなり流動
性の悪い嵩密度の小さいものとなる。このような粉末を
転動造粒に用いた場合、球体の転動圧密化が悪くなり高
密度の成形球体が得られ難く、成形球体内に多くの空隙
が残留し易く、焼結球体とした場合の内部欠陥の発生原
因となり機械的特性も低下する。このため、従来のよう
にジルコニア微粉末をそのままの状態で使用すると、成
形球体を十分圧密化させるためには原料粉末の造粒機へ
の供給量を少なくし転動圧密化時間を長くする必要があ
る。その結果、球体の生産性が悪くなる。
粉末をそのままの状態で使用する場合には球体の生産性
を犠牲にしなければならないという問題点がある。
ア微粉末を凝集体にして使用し、転動造粒にて容易に真
球度の良い均質かつ高密度の成形体を生産性良く得、こ
れを焼結することにより機械的特性に優れるジルコニア
球体を得ることができる、ジルコニア粉末凝集体を提供
することにある。
結果、転動造粒に適した原料ジルコニア粉末の粉末形態
物性を見出し、本発明に到達した。
定化剤とからなる粉末の凝集体であって、該凝集体の粒
子径は最大のものが300μm以下であり、平均粒子径
が30〜150μmであり、軽装嵩密度が0.7〜1.
5g/cm3である転動造粒用ジルコニア粉末凝集体で
ある。
法は、転動造粒法によりジルコニア粉末を水をバインダ
ーとして最初に微細な球体の核を生成させ、引き続き核
を転動成長させて目的とする大きさの球体に成形し、次
に得られた成形体を100〜200℃で乾燥させ、14
00〜1600℃で焼成するものである。
径が最大300μm以下であって平均粒子径が30〜1
50μmのものであると、微粉末特有の粉末粒子間の凝
集性が緩和され、ある程度流動性に優れたものとなる。
供給が均一となり球体を均質に成長させることができ
る。また、300μm以下の凝集体は造粒機に供給され
ると同時に成長段階の球体に付着し転動圧で容易に崩壊
し球体表面上に均一に分散付着するため、得られる成形
球体は真球度が良く、内部欠陥の原因となる空隙の少な
いものとなる。また、300μm以下に凝集させた粉末
は、凝集体間の付着性が弱いため保存中の粉体圧等によ
る300μmより大きい粗大凝集体を生成しないため球
体の成長のために供給される粉末は均一でかつ粗大凝集
体による球体内部の欠陥の発生が無くなる。
径が30〜150μmのジルコニア粉末凝集体に対し
て、従来のような平均粒子径が2.0μm以下の微粉末
そのままの状態のもの、および平均粒子径30μm未満
の凝集体は粉末粒子間および凝集体間の凝集性が強いた
め、ハンドリング等による振動により、あるいは保存中
の粉体圧等により自然に凝集して不均一な粗大凝集体を
多く含有することになる。このような状態で転動造粒に
供給すると、供給量の不均一および不均一な粗大凝集体
により球体の均質な成長が妨げられ、その結果、球体の
形状が悪くなる場合や、焼結球体としたときの機械的特
性が悪くなる場合もある。
態のもの、および平均粒子径30μm未満の凝集体は予
めフルイを通して粉体圧等で自然に生成した粗大凝集体
を取り除いて使用したり、原料供給量を制限したりする
ため生産性を上げることが困難となる。
きいほど流動性は良くなるが、最大粒子径が300μm
をこえるかまたは平均粒子径が150μmをこえると、
例えば、直径1mm以下の小さな成長段階の球体に付着
して成長段階の球体と同じくらいの大きな粗大凝集体と
なり、これは転動圧では崩壊し難く、また、球体表面上
への分散も悪くなり、球体の均質な成長が妨げられる結
果、形状が悪くなるし内部欠陥も多くなるため好ましく
ない。
m以下で平均粒子径が30〜150μmであるジルコニ
ア粉末凝集体の軽装嵩密度が0.7〜1.5g/cm3
であることが必要である。
集体の凝集力との間には相関性が認められ、凝集体にお
ける凝集力が強くなるほど軽装嵩密度が大きくなる。し
たがって、軽装嵩密度が低くて0.7g/cm3未満の
場合は、ジルコニア粉末凝集体の凝集力が弱く、十分な
大きさの凝集体のほか微粉末が混在し、微粉末をそのま
まの状態で使用した時と同様に、微粉末間の凝集性が強
くて転動造粒の際に粉末の流動性が悪く、形状の良い球
体を得るためには粉末供給量を制限する必要があるため
好ましくない。
以上である粉末凝集体は、凝集体がすでに相当圧密化さ
れた状態のものであり、このような凝集体を転動造粒の
原料として使用すると、特に成長初期の小さい球体に付
着した凝集体は、球体自重の小さい転動圧では容易に崩
壊せずに凝集体の形状のまま次々に成長するため、得ら
れる球体の形状は悪く、また、球体内部には凝集体間に
できる空隙による欠陥を多く存在させたものとなる。
ままで転動造粒に使用するよりも、ジルコニア粉末を粒
子径が最大300μm以下で平均粒子径が30〜150
μmの大きさ、0.7〜1.5g/cm3の軽装嵩密度
になるように凝集させて使用することにより、従来の微
粉末の問題点である球体の生産性や原料供給量を多くし
た場合に発生し易くなる、球体内部の欠陥の発生率を大
幅に改善することができる。
得る方法としては、原料ジルコニア粉末を水に分散させ
30〜50wt%のスラリーにした後、噴霧乾燥機や媒
体流動乾燥機を用いて一般的な運転条件で乾燥すること
により目的とするジルコニア粉末の凝集体を得ることが
できる。この場合はスラリー濃度や乾燥条件により凝集
体の大きさや軽装嵩密度を調整することが可能である。
また、凝集体強度を調整するために微量の有機バインダ
ー、例えばカルボキシメチルセルロースやポリビニルア
ルコール等をスラリー中に添加して乾燥することもでき
る。
として、例えば三井三池化工機社製のヘンシェルミキサ
ー等で攪拌造粒した後乾燥しても目的の凝集体を得るこ
とが可能である。この場合も一般的に知られている攪拌
造粒操作で、添加水分量や攪拌羽根の回転数の調整によ
り凝集体物性を調整することができる。
あるほど凝集体とするのが容易であり、また、特に、平
均粒子径2.0μm以下、BET比表面積3〜12m2
/gのものが望ましい。平均粒子径が2.0μmより大
きいかまたはBET比表面積が3m2/gより小さい粉
末は、成形性には問題はないが焼結性が劣るため、機械
的特性に優れた球体を製造するような場合には好ましく
なく;また、BET比表面積が12m2/gをこえる粉
末は成形に多くの水分量を必要とし、高密度の成形体が
得難くなるため、焼結時の収縮率が大きくなり球体寸法
精度を要求されるような場合には好ましくないからであ
る。
る原料ジルコニア粉末の粉末特性としては、特に限定さ
れるものではないが、前記した範囲のものがジルコニア
球体の特性上望ましい。また、この範囲の粉末特性を有
する原料ジルコニア粉末の軽装嵩密度は通常0.7g/
cm3以下である。
常Y2O3,CaO,MgO等が一般的に使用され、例
えば、Y2O3の場合には2.0〜5.0mol%含有
する粉末を使用すれば焼結時の単斜晶系や等軸晶系ジル
コニアの生成が適度に抑制されて、機械的特性に優れた
焼結体を得ることができる。また、安定化剤はジルコニ
ア粉末の製造工程中に添加する方法、あるいは、ジルコ
ニア粉末と直接機械的混合する方法とがあるが特に限定
されるものではない。その他、ジルコニアの焼結助剤と
してAl2O3などを添加した粉末も焼結性が向上し好
適に使用することができる。
ア粉末を使用することにより、転動造粒操作が容易に実
施でき、真球度の良い均質かつ高密度の成形体が生産性
よく得られ、これを焼結することにより機械的特性に優
れたジルコニア球体が得られる。
発原料として、加水分解によりY2O3を3mol%含
有する、平均粒子径が0.7μmでBET比表面積が
7.0m2/gである原料ジルコニア粉末を合成した。
法で表1に示す物性を有するジルコニア粉末の凝集体を
得た。表1に示す軽装嵩密度は、細川ミクロン社製のパ
ウダーテスターのゆるみ見掛比重の測定法で測定した値
である。
%のスラリーにしてサカモト技研社製のディスク回転式
噴霧乾燥機R−2で乾燥凝集させたものであり、実施例
1はディスクの回転数を12000rpmで、実施例2
は8000rpmで行ったものである。
リーを奈良機械社製の媒体流動乾燥機MSD−100で
乾燥凝集させたのもである。
のヘンシェルミキサーFM20B型を用いて、原料ジル
コニア粉末を2kg投入し攪拌造粒した後、乾燥させた
ものであり、実施例4は攪拌羽根の回転数を1000r
pmで、造粒水分量5wt%で行い、乾燥後200μm
以下にフルイを用いて分級したものである。
pmとして造粒した後、乾燥後250μm以下にフルイ
を用いて分級したものである。
まの状態のものである。
のであり、実施例1が本体回収物であるの対し、比較例
2は微粉回収設備(サイクロン)で回収したものであ
る。
rpmにして造粒した後、乾燥後350μm以下にフル
イを用いて分級したものである。
用いて、通常の皿径600mmの皿型転動造粒機を使用
し、水をバインダーとしてそれぞれの球体を成形した。
この成形操作は、得られる球体の形状が悪くならない最
大の原料供給量で実施した。この時のそれぞれの原料供
給量を表2に示す。この値は実施例1の供給量を1.0
とした場合の相対値であり、値が大きいほど生産性に優
れていることを示す。
させた後、1500℃で2時間焼結して直径2mmのジ
ルコニア球体を得た。
性を測定した。その結果を表2に示す。
潰するのに必要な荷重値である。
削した断面による内部観察結果であり、空隙や割れ等の
欠陥を有する球体の個数を示すものである。
凝集体を使用したものは比較例1〜3に比べ球体の生産
性が良く、また、内部欠陥の無い焼結球体であることが
分かる。
好であるが生産性が凝集体を使用した場合の6割程度で
あった。
含有し凝集体と混在した状態であり、比較例1とほとん
ど同じ結果であった。
を少なくしても球体の形状が良くならず、焼結球体にし
た場合も内部欠陥が多く機械的特性が悪いものであっ
た。
Claims (1)
- 【請求項1】ジルコニア粉末と安定化剤とからなる粉末
の凝集体であって、該凝集体の粒子径は最大のものが3
00μm以下であり、平均粒子径が30〜150μmで
あり、軽装嵩密度が0.7〜1.5g/cm3である転
動造粒用ジルコニア粉末凝集体。
Priority Applications (1)
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JP08026092A JP3251972B2 (ja) | 1992-03-03 | 1992-03-03 | 転動造粒用ジルコニア粉末凝集体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JPH05246721A JPH05246721A (ja) | 1993-09-24 |
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Family Applications (1)
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JP08026092A Expired - Fee Related JP3251972B2 (ja) | 1992-03-03 | 1992-03-03 | 転動造粒用ジルコニア粉末凝集体 |
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-
1992
- 1992-03-03 JP JP08026092A patent/JP3251972B2/ja not_active Expired - Fee Related
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