JP5262975B2 - ポリマー溶液の精製方法 - Google Patents
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Description
[1]セルロースパウダーと有機溶媒とを含む混合溶液を濾過して得られる濾過残渣を濾過助剤として、ポリマーと有機溶媒とを含有するポリマー溶液を濾過した後、得られる濾液を回収することを特徴とするポリマー溶液の精製方法;
[2]ポリマーがポリエーテルスルホンであることを特徴とする[1]記載の精製方法;
[3]有機溶媒が、極性溶媒であることを特徴とする[1]又は[2]記載の精製方法;
[4]濾過助剤が、濾過機の濾過エレメントの表面に形成させて得られるプレコート層であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の精製方法;
[5]プレコート層の厚みが30〜100mmであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか記載の精製方法;
[6]ポリマー溶液における有機溶媒の含有量が、ポリマー溶液に対して、70〜99重量%であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか記載の精製方法;
等を提供することである。
本発明に用いられるポリマーは、有機溶媒に可溶なポリマーであり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、例えば、アクリル酸重合体、メタアクリル酸重合体、アクリル酸エステル重合体、メタアクリル酸エステル重合体などのアクリル樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、例えば、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホン(主鎖に−SO2−及び−O−が含まれるポリマー)、ポリエーテルケトンなどのポリエーテル(主鎖に−O−が含まれるポリマー)などが挙げられる。
本発明は、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、スルホキシド系溶媒、アミド系溶媒、ピロリドン系溶媒、2−イミダゾリノン系溶媒、ジフェニル化合物、ラクトン系溶媒、スルホラン系溶媒などの極性溶媒であることが好ましく、特に、ピロリドン系溶媒に好適である。
好ましくは、400メッシュパスが80重量%以上であるセルロースパウダー等を挙げることができる。
後述するプレコート層がポリマー溶液を濾過機に投入する際に掘削されないように、ポリマー溶液の投入口近傍に分散板が具備されていることが好ましい。
前記セルロースパウダーと前記有機溶媒とを含む混合溶液におけるセルロースパウダーと有機溶媒との重量比率としては、例えば、セルロースパウダー1重量部に対して、有機溶媒が2〜20重量部程度である。
また、ポリマー1重量部に対するセルロースパウダーの使用量としては、例えば、0.5〜5重量部程度、好ましくは1〜3重量部である。
具体的には、例えば、容器にてセルロースパウダー及び有機溶媒を懸濁させるように混合し、得られた混合溶液を懸濁させたまま、フィルターなどの濾過エレメントを具備する濾過機に投入し、必要に応じて加圧して、濾過エレメントの表面にプレコート層を生成する方法などが挙げられる。
プレコート層の厚みとしては、好ましくは、30〜100mm程度である。
好ましいアルミニウム含有化合物としては、メタロセン触媒などに由来するアルミニウム含有化合物、脱水処理等で使用したアルミナなどが挙げられ、より好ましくは、アルミナ等が挙げられる。
また、濾過する際の濾過速度としては、通常、0.05〜1m/hであり、好ましくは0.05〜0.5m/hである。
濾液はそのまま、ポリマー溶液としてもよいし、有機溶媒で希釈したものをポリマー溶液としてもよいし、有機溶媒を一部、留去したものをポリマー溶液としてもよい。
(濾過機)
濾過機として、濾過面積0.0028m2の加圧式濾過器を用いた。
本発明で用いたフィルターは、ポリプロピレン製綾織布(中尾フィルター(株)PP26S、厚さ1.5mm)を用いた。
(ポリマー溶液の調製)
ポリエーテルスルホン(住友化学株式会社登録商標 スミカエクセル PES5200P)20gをN−メチル−2−ピロリドン480gに溶解した。続いて、活性アルミナ26g(カラムクロマトグラフ用 和光純薬製)を混合し、アルミナを含有するポリマー溶液を得た。
続いて、前記ポリマー溶液を前記濾過機に流し込み、さらに、窒素によってゲージ圧100kPaに加圧して濾過した。得られた濾液には、塵芥、ゲル、タールなどは認められなかった。
得られた濾液5kgをイオン交換水中に流し込み、ポリプロピレン製綾織布(中尾フィルター(株)P26S、厚さ1.5mm)を設置したヌッチェを用いて固形分を分離することで、析出したポリマーを得た。
析出したポリマーはVR−320 VACUUM DRYING OVEN(ADVANTEC社)を用いて90℃、5kPaAで24時間、減圧乾燥し、乾燥後のポリマーを硫酸灰化−アルカリ融解−塩酸溶解−ICP発光分析法に従ってIPC発光分析を行ったところ、乾燥後のポリマー中のアルミニウム含有量は27ppm、ケイ素含有量は7ppmであった。
前記ポリマー溶液についてプレコート層が調製されていない濾過機に流し込み、濾液を得た。該濾液について、実施例1と同様の(アルミニウム含有化合物及びケイ素含有化合物の定量)を行ったところ、乾燥後のポリマー中のアルミニウム含有量は190ppm、ケイ素含有量は17ppmであった。
(ポリマー溶液の調製)
窒素置換した反応容器を使用し、無水塩化ニッケル11gとジメチルスルホキシド110gとを混合後、70℃に昇温し2時間攪拌した。これを50℃に冷却し、2,2’−ビピリジン14.5gを加え、同温度で10分攪拌しニッケル含有溶液を調製した。
窒素置換した反応容器を使用し、ポリエーテルスルホンの1種であるスミカエクセルPES 5200P 4.94gとジメチルスルホキシド150gを混合後、50℃に昇温し、1時間攪拌した。得られた溶液に、亜鉛粉末8.3gを加え、これに、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)10gを加えた。得られた混合溶液に、前記ニッケル含有溶液を注ぎ込み、ついで70℃に昇温して2時間重合反応を行い、黒色の重合溶液310gを得た。
得られた重合溶液173gに、臭化リチウム約3g加え、120℃で24時間反応させた。反応溶液を、6mol/Lの塩酸350g中に注ぎ込み、1時間撹拌した。析出した固体を濾過により分離した。分離した固体を酸メタノール洗浄、水洗し、90℃で24時間乾燥し、黒色の下記
得られたポリエーテルスルホン20gをN−メチル−2−ピロリドン480gに溶解した。続いて、活性アルミナ26gを混合し、アルミナを含有するポリマー溶液を得た。
Claims (6)
- セルロースパウダーと有機溶媒とを含む混合溶液を濾過して得られる濾過残渣を濾過助剤として、ポリマーとアルミニウム含有化合物と有機溶媒とを含有するポリマー溶液を濾過した後、得られる濾液を回収することを特徴とするポリマー溶液の精製方法。
- ポリマーがポリエーテルスルホンであることを特徴とする請求項1記載の精製方法。
- 有機溶媒が、極性溶媒であることを特徴とする請求項1又は2記載の精製方法。
- 濾過助剤が、濾過機の濾過エレメントの表面に形成させて得られるプレコート層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の精製方法。
- プレコート層の厚みが30〜100mmであることを特徴とする請求項4記載の精製方法。
- ポリマー溶液における有機溶媒の含有量が、ポリマー溶液に対して、70〜99重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の精製方法。
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