JP5262078B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、フルカラーモードからモノカラーモードへの切り換えが連続動作中に行われ、モードの切り替えの際に転写圧着手段を一旦全部オフした後に転写圧着手段を作動させて、画像形成を行う画像形成部の像形成体に中間転写体を圧着させる技術が記載されている。
本発明は、画像形成装置の動作を継続しながら像保持体を被転写体に接触させる際に、被転写体に現像剤が付着することを抑制することを目的とする。
請求項3に記載の発明は、前記制御部は、前記帯電部材への電圧供給の開始時にて当該帯電部材に供給される電圧の絶対値が前記画像形成部での画像形成時にて当該帯電部材に供給される電圧の絶対値よりも小さく設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記制御部は、前記画像形成部に対する前記被転写体と離隔した位置から接触する位置への移動を開始させた後に前記帯電部材に供給する電圧を当該画像形成部での画像形成時にて当該帯電部材に供給される電圧に変化させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記制御部は、前記画像形成部に対する前記被転写体と離隔した位置から接触する位置への移動を開始させる前に前記帯電部材に供給する電圧を当該画像形成部での画像形成時にて当該帯電部材に供給される電圧に変化させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記制御部は、前記画像形成部に対する前記被転写体と離隔した位置から接触する位置への移動を開始させた後に、さらに第4の時間経過後に当該画像形成部での画像形成を開始することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記制御部は、前記第4の時間を前記像保持体が1回転する時間以上に設定することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記制御部は、前記帯電部材への電圧供給の開始時にて当該帯電部材に供給される電圧の絶対値が前記画像形成部での画像形成時にて当該帯電部材に供給される電圧の絶対値よりも小さく設定することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、前記制御部は、前記画像形成部の前記像保持体の前記被転写体への接触を開始させた後に、さらに第4の時間経過後に当該画像形成部での画像形成を開始することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、前記画像形成部は複数配置され、前記制御部は、当該複数の当該画像形成部の少なくとも一に対して前記設定手段での前記接触された状態と前記離隔した状態との切り換えを制御することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置である。
本発明の請求項2によれば、画像形成装置の動作を継続しながら像保持体を被転写体に接触させるに際して、本発明を採用しない場合に比べて現像剤が付着し難い電位状態で現像部材を通過した像保持体表面上の領域を被転写体に接触させることができる。
本発明の請求項3によれば、帯電部材に供給される電圧の目標値への到達時間を短縮し、本発明を採用しない場合に比べて、像保持体と現像部材との間の現像剤が付着し難い電位状態をより早く安定化させることができる。
本発明の請求項5によれば、本発明を採用しない場合に比べて、帯電部材に供給する電圧を画像形成時にて供給される電圧に変化させる際に像保持体に付着する現像剤が像保持体に転移することを抑制することができる。
本発明の請求項6によれば、本発明を採用しない場合に比べて、像保持体の帯電電位を安定化させるとともに、像保持体表面を清掃する時間を確保することができる。
本発明の請求項7によれば、像保持体表面の全面を清掃する時間を確保することができる。
本発明の請求項9によれば、画像形成装置の動作を継続しながら像保持体を被転写体に接触させるに際して、本発明を採用しない場合に比べて現像剤が付着し難い電位状態で現像部材を通過した像保持体表面上の領域を被転写体に接触させることができる。
本発明の請求項10によれば、帯電部材に供給される電圧の目標値への到達時間を短縮し、本発明を採用しない場合に比べて、像保持体と現像部材との間の現像剤が付着し難い電位状態をより早く安定化させることができる。
本発明の請求項11によれば、本発明を採用しない場合に比べて、像保持体の帯電電位を安定化させるとともに、像保持体表面を清掃する時間を確保することができる。
本発明の請求項12によれば、画像形成装置にて必要な画像形成部だけを被転写体に対して接離し、その際に、本発明を採用しない場合に比べて現像剤が付着し難い電位状態で現像部材を通過した像保持体表面の領域を被転写体に接触させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置1の構成を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、電子写真方式を用いた所謂タンデム方式で構成され、記録材にトナーからなる画像(トナー画像)を形成する画像形成プロセス部10、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部60、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3やスキャナ等の画像読取装置4等から受信した画像データに所定の画像処理を施す画像処理部61、処理プログラム等が記録される例えばハードディスク(Hard Disk Drive)にて実現される外部記憶部62を備えている。
画像形成ユニット11は、矢印A方向に回転しながら静電潜像が形成される像保持体の一例としての感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を所定電位で一様に帯電する帯電部材の一例としての帯電ロール13、帯電ロール13によって帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光するプリントヘッド14、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像する現像部材の一例としての現像器15、感光体ドラム12表面を清掃するドラムクリーナ16を備えている。この4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K各々は、現像器15に収納されるトナーを除いて略同様に構成され、各画像形成ユニット11のそれぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
定着器40は、内部に加熱源を備える定着ロール41と、定着ロール41に対して圧接配置される加圧ロール42を備えている。そして、定着ロール41と加圧ロール42との間に、未定着トナー像を保持した用紙Pを通過させて加熱と加圧とを行うことにより、用紙Pにトナー像を定着する。
なお、モノカラー画像を形成する場合には、黒(K)色の画像形成ユニット11Kだけにおいて、黒(K)のトナー像が形成される。
そして、中間転写ベルト20上の各色トナー像が二次転写部Tに搬送されるタイミングに合わせて、レジストロール53から用紙Pが繰り出される。それにより、各色トナー像は、二次転写ロール26とバックアップロール25とにより形成された転写電界の作用によって用紙P上に一括して静電転写(二次転写)される。
なお、二次転写部Tへは、両面搬送路R2や手差し用用紙収容トレイ71からの搬送路R3からも用紙Pが搬送される。
一方、二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(転写残トナー)は、中間転写ベルト20に接触して配置されたベルトクリーナ23によって除去され、次の画像形成サイクルに備えられる。
このようにして、画像形成装置1での画像形成は、指定された枚数分だけ繰り返して実行される。
「フルカラーモード」では、図2(「フルカラーモード」が設定された画像形成プロセス部10の配置構成を示した図)に示したように、4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kのすべて、およびこれらに対向して設けられた一次転写ロール21Y,21M,21C,21Kのすべてが中間転写ベルト20に接触する位置に配置される。
一方、「モノカラーモード」では、4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kのうちの黒(K)色の画像形成ユニット11K、およびこれに対向して設けられた一次転写ロール21Kだけを中間転写ベルト20に接触する位置に配置する。そして、黒(K)色の画像形成ユニット11K以外の3つの画像形成ユニット11Y,11M,11C、およびこれらに対向して設けられた3つの一次転写ロール21Y,21M,21Cは中間転写ベルト20から離隔した位置に配置する。
このように設定することで、「モノカラーモード」の設定時には、画像形成に使用されない3つの画像形成ユニット11Y,11M,11Cの動作は停止される。そのため、感光体ドラム12の磨耗や現像器15での現像剤消費が低減される。
また、それと同期して、張架ロール28が上方に移動し、テンションロール27が下方に移動する。それにより、中間転写ベルト20は画像形成ユニット11Kの感光体ドラム12に押し付けられ、画像形成ユニット11Kおよびこれらに対向して設けられた一次転写ロール21Kは中間転写ベルト20と接触した状態が維持される。
例えば、不図示の操作入力パネルからのユーザ入力により「自動設定」が選択されると、制御部60は、入力された画像データがカラー画像に関するものであるかモノカラー画像に関するものであるかについての画像データ情報を画像処理部61から取得する。そして、制御部60は、画像処理部61からの画像データ情報に基づいて、所定の判断基準に従って「フルカラーモード」および「モノカラーモード」のいずれかを設定する。
そこで、本実施の形態の画像形成装置1では、画像形成装置1の動作を継続しながら「モノカラーモード」から「フルカラーモード」に設定を変更するに際し、3つの画像形成ユニット11Y,11M,11Cに設けられた感光体ドラム12および現像器15での各電位をトナーが付着し難い状態に設定し、その状態が安定した後に、3つの画像形成ユニット11Y,11M,11Cを中間転写ベルト20に接触させている。
まず、各画像形成ユニット11の帯電ロール13に供給する帯電バイアス電圧と現像器15に供給する現像バイアス電圧、および各画像形成ユニット11に設けられた感光体ドラム12および現像器15を回転駆動する駆動機構について述べる。図4は、各画像形成ユニット11の帯電ロール13に帯電バイアス電圧を供給する帯電バイアス電源63、現像器15に現像バイアス電圧を供給する現像バイアス電源64、および感光体ドラム12および現像器15を回転駆動する駆動機構を説明する図である。なお、図4では、電力を供給する電力線および駆動力を伝達する駆動経路を実線で示し、制御信号を伝送する信号線を破線で示した。
なお、3つの画像形成ユニット11Y,11M,11Cへの駆動力の伝達をオンオフ切換するクラッチを共通の1つで構成してもよい。その場合には、共通クラッチ以降において駆動力の伝達経路が分岐されることとなる。
一方、図5に示した現像バイアス電圧(VD)と感光体帯電電位(VH)との差である白地部コントラスト電位(V1)は、白地部におけるトナーやキャリアの付着量を決めるファクターである。例えば、白地部コントラスト電位(V1)が所定値(許容上限値V1_high)よりも大きくなると、逆帯電されたトナー(すなわち、プラス帯電されたトナー)やキャリアが白地部に付着する。また、白地部コントラスト電位(V1)が所定値(許容下限値V1_low)よりも小さくなると、正常に帯電されたトナー(すなわち、マイナス帯電されたトナー)を白地部から除去することができなくなり、やはり白地部にトナーが付着する。このように、トナーやキャリアが白地部に付着した状態で感光体ドラム12を中間転写ベルト20に接触させると、感光体ドラム12上のトナーやキャリアは中間転写ベルト20に転移する。さらには、二次転写部Tにて中間転写ベルト20と接触する二次転写ロール26にも中間転写ベルト20上のトナーやキャリアの一部が転移する。それにより、トナーによる用紙Pの裏汚れやキャリアによる転写電圧のリーク等が発生する場合がある。
すなわち、各色帯電バイアス電源から各帯電ロール13に供給する電圧値、および各色現像バイアス電源から各現像器15に供給する電圧値を制御するに際しては、現像バイアス電圧(VD)と感光体帯電電位(VH)との差|VD−VH|が許容下限値V1_low<|VD−VH|<許容上限値V1_highを維持するように制御することが必要となる。以下では、許容下限値V1_low<|VD−VH|<許容上限値V1_highを満たす白地部コントラスト電位(V1)を、「許容白地部コントラスト電位(V1_mid)」と称することとする。
そのために、同一の画像形成ユニット11において帯電ロール13に電圧を供給する各色帯電バイアス電源と現像器15に電圧を供給する各色現像バイアス電源との間に、電圧値が安定までに時間差が発生する。
図6は、一例として、各画像形成ユニット11での各色帯電バイアス電源にて電圧値が安定までの時間T1と、各色現像バイアス電源にて電圧値が安定までの時間T2とを説明する図である。図6に示したように、各色帯電バイアス電源および各色現像バイアス電源では、制御部60からの指示に基づいて電圧の供給が開始されてから直ちに帯電バイアス電圧および現像バイアス電圧は立ち上がる。しかし、その立ち上がり時にオーバーシュートが発生し、それが所定の帯電バイアス電圧および現像バイアス電圧(VD)に収まるまでの時間はそれぞれ異なる。そのため、各色帯電バイアス電源にて電圧値が安定までの時間T1と、各色現像バイアス電源にて電圧値が安定までの時間T2との間に時間差△Tが発生する。
そのため、各色帯電バイアス電源から各帯電ロール13への電圧供給タイミング、および各色現像バイアス電源から各現像器15への電圧供給タイミングを制御するに際しては、感光体ドラム12上にて安定した「許容白地部コントラスト電位(V1_mid)」を形成するために、制御部60からの指示信号が送信されてから各帯電ロール13に供給される電圧値および各現像器15に供給される電圧値の双方が安定するまでの時間を考慮する必要がある。
したがって、各色帯電バイアス電源から各帯電ロール13に供給する電圧値、および各色現像バイアス電源から各現像器15に供給する電圧値を制御するに際しては、感光体ドラム12上にて安定した「許容白地部コントラスト電位(V1_mid)」を短時間で形成するために、まず、各色帯電バイアス電源から供給される電圧の目標値を低い電圧値に設定しておき、その後、段階的に画像形成時に設定される感光体帯電電位(VH)まで高めていくように制御することが好ましい。
なお、本明細書における「電圧値が低い」や「電圧値を高める」等といった電圧の高低に関する表現は、電圧値の絶対値に関する大小を意味する。例えば「電圧値が低い」とは、電圧値の絶対値が小さいことを意味し、「電圧値を高める」とは電圧値の絶対値を大きくすることとする。
ところが、クラッチ92,93,94がオフからオンに切り換えられた後、画像形成部駆動モータ91からの駆動力の伝達が3つの画像形成ユニット11Y,11M,11Cにて安定するには、所定の時間を要する。そのため、クラッチ92,93,94がオンされてから所定の時間が経過した後に、感光体ドラム12の回転速度は定常(安定)状態となる。
そのために、各色帯電バイアス電源から各帯電ロール13への電圧供給タイミング、および各色現像バイアス電源から各現像器15への電圧供給タイミングを制御するに際しては、クラッチ92,93,94がオンされてから感光体ドラム12の回転速度が定常(安定)状態となるまでの時間の後に電圧供給を開始することを考慮する必要がある。
それにより、感光体ドラム12の回転開始時における回転速度が不安定な状態が発生し、さらに、各色帯電バイアス電源にて電圧値が安定までの時間T1と各色現像バイアス電源にて電圧値が安定までの時間T2との間に時間差△Tが存在するにも拘わらず、画像形成ユニット11Y,11M,11Cの感光体ドラム12が中間転写ベルト20と接触する領域は、現像器15と対向する位置Rを「許容白地部コントラスト電位(V1_mid)」の状態で通過した領域となる。そのため、「フルカラーモード」への設定変更に際して、トナーやキャリアが殆ど付着していない感光体ドラム12の表面領域が中間転写ベルト20と接触することとなる。
そのため、各色帯電バイアス電源にて電圧値が安定までの時間T1と、各色現像バイアス電源にて電圧値が安定までの時間T2との時間差△Tが小さくなる。それによって、上記した第3の時間の一部を構成する各色帯電バイアス電源にて電圧値が安定までの時間T1と各色現像バイアス電源にて電圧値が安定までの時間T2との内の長い方の時間が短くなる。それにより、クラッチオンからの感光体ドラム12を中間転写ベルト20に接触させるまでの時間が短縮化される。
ここで、画像形成時において設定される感光体帯電電位(VH)を形成する帯電ロール13での電圧値や現像器15での現像バイアス電圧(VD)まで高める過程においても、各色帯電バイアス電源から帯電ロール13に供給する電圧値および各色現像バイアス電源から現像器15に供給される電圧値は、相互に同期しながら徐々に高められる。そのため、この電圧を徐々に高める段階の各々において、各色帯電バイアス電源や各色現像バイアス電源から供給される電圧の目標値は低く設定される。それにより、電圧を徐々に高める段階の各々において、帯電ロール13にて新たに設定された電圧値により帯電される領域と現像器15の現像ロール15aにて新たに設定された電圧値により現像される領域とにおいて、各色帯電バイアス電源および各色現像バイアス電源のオーバーシュートに起因するずれは小さく抑えられる。そのため、「許容白地部コントラスト電位(V1_mid)」からの電位ずれが生じる感光体ドラム12表面上の領域は少ない。
なお、その場合に感光体ドラム12表面をドラムクリーナ16により清掃するインターバルとしては、画像形成時での感光体帯電電位(VH)と現像バイアス電圧(VD)が設定された後、感光体ドラム12が少なくとも1回転する時間に設定されることが好ましい。
図8に示したように、制御部60は、画像形成部駆動モータ91からの駆動力を画像形成ユニット11Y,11M,11Cに伝達するクラッチ92,93,94をまずオンに切り換える。それにより、各画像形成ユニット11に配置された感光体ドラム12および現像器15は回転を開始する。そして、感光体ドラム12の回転速度が定常(安定)状態となる第1の時間の経過の後に、各色帯電バイアス電源から帯電ロール13への電圧供給を開始する。その際に各色帯電バイアス電源から帯電ロール13に供給する帯電バイアス電圧値は、画像形成時において設定される感光体帯電電位(VH)を形成する電圧値よりも低い第1の帯電バイアス電圧値に設定される。
ここでの第1の現像バイアス電圧値は、第1の帯電バイアス電圧値により設定される感光体ドラム12の表面電位との間で感光体ドラム12表面にトナーやキャリアが付着し難い「許容白地部コントラスト電位(V1_mid)」を設定する。
そして、その後、感光体ドラム12の回転に伴って、現像器15と対向する感光体ドラム12表面上の位置Rが中間転写ベルト20と接触する位置S(図7参照)に到達するまでに要する所定の時間に、各色帯電バイアス電源にて電圧値が安定までの時間T1と各色現像バイアス電源にて電圧値が安定までの時間T2との内の長い方の時間を加算した時間より長い第3の時間の経過の後に、画像形成ユニット11Y,11M,11Cに設けられた感光体ドラム12を中間転写ベルト20に接触させる。
そして、クリーニングインターバルが経過した後に、各画像形成ユニット11での画像形成が開始される。
図9は、画像形成ユニット11Y,11M,11Cそれぞれでの各色帯電バイアス電源から各帯電ロール13への電圧供給、各色現像バイアス電源から各現像器15への電圧供給、およびクラッチ92,93,94,95のオンオフ切換のタイミングを示したタイミングチャートである。画像形成ユニット11Y,11M,11Cそれぞれでは、図8に示したタイミングチャートと同様のタイミングで、各帯電ロール13や各現像器15への電圧供給、およびクラッチ92,93,94,95のオンオフ切換が行われる。
すなわち、画像形成装置1の動作を継続しながら「モノカラーモード」から「フルカラーモード」に切り換えるに際して、「フルカラーモード」への移行を迅速に行うため、画像形成ユニット11Y,11M,11Cは、同時に中間転写ベルト20に接触される。そのため、Y色画像形成ユニット11Y, M色画像形成ユニット11M, C色画像形成ユニット11Cでは、クラッチ92,93,94をオンに切り換えるタイミング、クラッチオン後の第1の時間の経過の後に各色帯電バイアス電源から帯電ロール13への電圧供給を開始するタイミング、さらに第2の時間の経過の後に各色現像バイアス電源から現像器15への電圧供給を開始するタイミングは同時に行われる。そして、さらにその後の第3の時間の経過の後に感光体ドラム12を中間転写ベルト20に接触させる。
すなわち、各色帯電バイアス電源から帯電ロール13に供給する電圧値および各色現像バイアス電源から現像器15に供給される電圧値は、相互に同期しながら徐々に高められる。そのため、この電圧を徐々に高める段階の各々すべてにおいて、各色帯電バイアス電源および各色現像バイアス電源のオーバーシュートに起因する電圧安定までの時間のずれを無くすことができない場合がある。そのために、電圧を徐々に高める工程において、「許容白地部コントラスト電位(V1_mid)」から電位ずれした感光体ドラム12表面上の領域が発生する場合がある。
そこで、Y色画像形成ユニット11Y, M色画像形成ユニット11M, C色画像形成ユニット11Cそれぞれの感光体ドラム12に付着したトナーやキャリアが、中間転写ベルト20上のほぼ同一の領域に転移するように、各画像形成ユニット11Y,11M,11Cでの帯電ロール13に供給する電圧値と現像器15に供給される電圧値を徐々に高める工程を行うタイミングに時間差を設けている。この時間差は、中間転写ベルト20がY色画像形成ユニット11Y, M色画像形成ユニット11M, およびC色画像形成ユニット11Cをそれぞれ通過する際の時間差とほぼ同一に設定される。
それにより、各画像形成ユニット11Y,11M,11Cの感光体ドラム12に付着したトナーやキャリアは、中間転写ベルト20上のほぼ同一の領域に転移する。そのため、中間転写ベルト20上でのトナーやキャリアが付着した領域が狭くなり、用紙Pでの裏汚れが生じる領域が低減される。
それにより、感光体ドラム12では、感光体ドラム12表面にトナーやキャリアが付着し難い「許容白地部コントラスト電位(V1_mid)」が設定された状態で中間転写ベルト20に接触する。そのため、トナーによる用紙Pの裏汚れやキャリアによる転写電圧のリーク等の発生が抑制される。
また、本実施の形態の画像形成装置1では、1色(モノカラー)の画像が形成される場合として、黒(K)色の画像形成ユニット11Kでの画像形成が行われる「モノカラーモード」が設定される場合を説明したが、黒(K)色以外の他の1色の画像が形成される構成を採用してもよい。例えば、黒(K)色の画像形成ユニット11Kの位置にマゼンタ(M)色の画像形成ユニット11Mを配置し、画像形成ユニット11Mでの画像形成が行われる「モノカラーモード」を設定してもよい。
さらに、「フルカラーモード」以外に3つの画像形成ユニット11Y,11M,11Cの何れか1または2の画像形成ユニット11を画像形成可能な配置構成に設定する「マルチカラーモード」を設定してもよい。その場合には、「マルチカラーモード」において選択された例えば1または2の画像形成ユニット11において上記した動作制御を行ってもよい。
それにより、感光体ドラム12では、感光体ドラム12表面にトナーやキャリアが付着し難い「許容白地部コントラスト電位(V1_mid)」が設定された状態で中間転写ベルト20に接触する。そのため、トナーによる用紙Pの裏汚れやキャリアによる転写電圧のリーク等の発生が抑制される。
実施の形態1では、画像形成ユニット11Y,11M,11Cに設けられた感光体ドラム12を中間転写ベルト20に接触させた後に、画像形成時において設定される感光体帯電電位(VH)と現像バイアス電圧(VD)とを設定する構成について説明した。本実施の形態では、画像形成時において設定される感光体帯電電位(VH)と現像バイアス電圧(VD)とを設定した後に画像形成ユニット11Y,11M,11Cに設けられた感光体ドラム12を中間転写ベルト20に接触させる構成について述べる。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図11に示したように、本実施の形態の制御部60は、画像形成部駆動モータ91からの駆動力を画像形成ユニット11Y,11M,11Cに伝達するクラッチ92,93,94をまずオンに切り換える。それにより、各画像形成ユニット11に配置された感光体ドラム12および現像器15は回転を開始する。そして、感光体ドラム12の回転速度が定常(安定)状態となる第1の時間の経過の後に、各色帯電バイアス電源から帯電ロール13への電圧供給を開始する。その際に各色帯電バイアス電源から帯電ロール13に供給する帯電バイアス電圧値は、画像形成時において設定される感光体帯電電位(VH)を形成する電圧値よりも低い第1の帯電バイアス電圧値に設定される。
ここでの第1の現像バイアス電圧値は、第1の帯電バイアス電圧値により設定される感光体ドラム12の表面電位との間で感光体ドラム12表面にトナーやキャリアが付着し難い「許容白地部コントラスト電位(V1_mid)」を設定する。
さらに、感光体ドラム12が中間転写ベルト20に接触された後、感光体ドラム12表面をドラムクリーナ16により清掃するクリーニングインターバルが設定される。ここでのクリーニングインターバルは、少なくとも感光体ドラム12が1回転する時間に設定されることが好ましい。
そして、クリーニングインターバルが経過した後に、各画像形成ユニット11での画像形成が開始される。
それにより、感光体ドラム12では、感光体ドラム12表面にトナーやキャリアが付着し難い「許容白地部コントラスト電位(V1_mid)」が設定された状態で中間転写ベルト20に接触する。そのため、トナーによる用紙Pの裏汚れやキャリアによる転写電圧のリーク等の発生が抑制される。
Claims (12)
- 回転駆動される像保持体と当該像保持体を帯電する帯電部材と当該像保持体に形成された静電潜像を各色現像剤で現像する現像部材とを含み、当該像保持体に当該現像剤からなる画像を形成する複数の画像形成部と、
前記複数の画像形成部の少なくとも一に設けられた前記像保持体と接触しながら移動して当該像保持体に形成された画像が転写される被転写体と、
前記被転写体が移動している状態にて前記複数の画像形成部の何れか一または複数を前記被転写体と離隔した位置から接触する位置に移動させる移動手段と、
前記移動手段での前記画像形成部に対する移動動作と、前記帯電部材および前記現像部材への電圧供給と、前記像保持体の駆動とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記被転写体が移動している状態にて、当該被転写体と離隔した位置にある前記画像形成部の前記像保持体の駆動を開始させ、当該像保持体の駆動開始から第1の時間経過後に当該画像形成部の前記帯電部材への電圧供給を開始させ、当該帯電部材への電圧供給の開始から第2の時間経過後に当該画像形成部の前記現像部材への電圧供給を開始させ、当該現像部材への電圧供給を開始させたときに当該現像部材に対向する当該像保持体の表面上の位置が当該被転写体と接触する位置に到達するまでに要する時間に、当該帯電部材への電圧供給開始から電圧値が安定するまでの所定の時間と当該現像部材への電圧供給開始から電圧値が安定するまでの所定の時間との内の長い方の時間を加算した時間より長い時間が当該現像部材への電圧供給の開始から経過した後に当該画像形成部に対する当該被転写体と接触する位置への移動を開始させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記現像部材に供給される電圧の絶対値を前記帯電部材に供給される電圧により前記像保持体表面が帯電される電位の絶対値よりも小さく設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記帯電部材への電圧供給の開始時にて当該帯電部材に供給される電圧の絶対値が前記画像形成部での画像形成時にて当該帯電部材に供給される電圧の絶対値よりも小さく設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記画像形成部に対する前記被転写体と離隔した位置から接触する位置への移動を開始させた後に前記帯電部材に供給する電圧を当該画像形成部での画像形成時にて当該帯電部材に供給される電圧に変化させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記画像形成部に対する前記被転写体と離隔した位置から接触する位置への移動を開始させる前に前記帯電部材に供給する電圧を当該画像形成部での画像形成時にて当該帯電部材に供給される電圧に変化させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記画像形成部に対する前記被転写体と離隔した位置から接触する位置への移動を開始させた後に、さらに第4の時間経過後に当該画像形成部での画像形成を開始することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記第4の時間を前記像保持体が1回転する時間以上に設定することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- 回転駆動される像保持体と当該像保持体を帯電する帯電部材と当該像保持体に形成された静電潜像を所定色の現像剤で現像する現像部材とを含み、当該像保持体に当該現像剤からなる画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に設けられた前記像保持体と接触しながら移動することで当該像保持体に形成された前記現像剤からなる画像が転写される被転写体と、
前記被転写体が移動している状態にて前記画像形成部に設けられた前記像保持体を当該被転写体に接触された状態と離隔した状態との何れか一方に設定する設定手段と、
前記設定手段での前記接触された状態と前記離隔した状態との切り換えと、前記帯電部材および前記現像部材への電圧供給と、前記像保持体の駆動とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記被転写体が移動している状態にて、当該被転写体から離隔した前記画像形成部の前記像保持体の駆動を開始させ、当該像保持体の駆動開始から第1の時間経過後に当該画像形成部の前記帯電部材への電圧供給を開始させ、当該帯電部材への電圧供給の開始から第2の時間経過後に当該画像形成部の前記現像部材への電圧供給を開始させ、当該現像部材への電圧供給を開始させたときに当該現像部材に対向する当該像保持体の表面上の位置が当該被転写体と接触する位置に到達するまでに要する時間に、当該帯電部材への電圧供給開始から電圧値が安定するまでの所定の時間と当該現像部材への電圧供給開始から電圧値が安定するまでの所定の時間との内の長い方の時間を加算した時間より長い時間が当該現像部材への電圧供給の開始から経過した後に当該像保持体を当該被転写体に接触させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記現像部材に供給される電圧の絶対値を前記帯電部材に供給される電圧により前記像保持体表面が帯電される電位の絶対値よりも小さく設定することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記帯電部材への電圧供給の開始時にて当該帯電部材に供給される電圧の絶対値が前記画像形成部での画像形成時にて当該帯電部材に供給される電圧の絶対値よりも小さく設定することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記画像形成部の前記像保持体の前記被転写体への接触を開始させた後に、さらに第4の時間経過後に当該画像形成部での画像形成を開始することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
- 前記画像形成部は複数配置され、前記制御部は、当該複数の当該画像形成部の少なくとも一に対して前記設定手段での前記接触された状態と前記離隔した状態との切り換えを制御することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
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