JP5260836B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関するものである。
近年、システムLSIやMEMS(Micro Electric Mechanical Systems)等の技術開発によって電子機器が急速に小型軽量化され、携帯電話を始めとする多様な携帯機器の普及が拡大してきた。また、ユーザーニーズから、これら携帯機器の機能は拡大し、かつ動作の長時間化が望まれている。
しかしながら、これらを駆動するリチウムイオン電池等のパワー源のエネルギー密度(出力〔W〕×時間〔h〕/体積〔l〕又は重量〔kg〕)は比較的低いままであり、パワー源が全体システムの寸法、性能、機能、使い勝手等を制限している場合が多くなっている。これらの点を考慮すると、携帯機器を駆動するためのパワー源の高エネルギー密度化が重要な課題であり、現在ユーザーから強く求められているニーズでもある。
そこで、各種携帯機器の電源として、マイクロ燃料電池と呼ばれている小型の燃料電池が注目されており、この種の燃料電池の一種である直接メタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)を備えた燃料電池システムが各所で研究開発されている(例えば、特許文献1,2)。
上記特許文献1,2に開示されている燃料電池システムは、直接メタノール型燃料電池からなる燃料電池セル(スタックともいう)と、燃料となるメタノール水溶液を入れた燃料容器と、燃料容器と燃料電池セルとの間に設けられメタノール水溶液が流れる燃料供給路と、燃料電池の出力を検出する出力検出手段と、出力検出手段の出力に基づいて燃料電池セルへ供給されるメタノール水溶液の流量をフィードバック制御する流量制御手段とを備えている。尚、上記特許文献2には、メタノールが入れられた第1の燃料容器と水が入れられた第2の燃料容器と、第1の燃料容器から送出されたメタノールと燃料容器から送出された水とを混合して燃料電池セルへ供給する混合器とを備えた燃料電池システムも開示されている。
また、上記特許文献1,2に開示された燃料電池システムは、燃料供給路上に流体ポンプが設けられており、上記流量制御手段が出力検知手段の出力に基づいて流体ポンプを制御することで燃料電池セルへ供給されるメタノール水溶液の流量や濃度を制御するように構成されている。尚、上記特許文献1,2に開示されている燃料電池システムは、燃料電池セルで消費されなかったメタノール水溶液を燃料容器に循環させて再利用するように構成されている。
特開2003−22830号公報(段落〔0075〕〜〔0107〕、及び図9〜図16) 特開2004−127671号公報(段落〔0026〕〜〔0039〕、及び図1〜図7)
上記特許文献1,2に記載されているように、携帯機器用途を狙ったマイクロ燃料電池では、直接メタノール型燃料電池が現在は主流となっている。この直接メタノール型燃料電池は、メタノール燃料を燃料電池セルに供給するだけで高い発電電力が得られ、しかも構造が簡単で小型化が容易であるため、マイクロ燃料電池としては最も期待されているものである。
ところが、直接メタノール型燃料電池にはクロスオーバー(クロスリークともいう)が生じるという問題がある。このクロスオーバーは、燃料電池セル内のメタノールが電解質膜を透過して外部(空気極)に漏れ出してしまう現象であり、クロスオーバーによる燃料ロスを低減することが、燃料電池システムの実用化、さらには、燃料電池システムの高エネルギー密度化を実現するための大きな課題の一つになっている。
このようなクロスオーバーによる燃料ロスは、燃料電池セル内のメタノール水溶液の濃度が高ければ高いほど増加することが分かっており、このような燃料ロスを低減するために、上記特許文献1,2に開示された燃料電池システムでは、燃料電池セルに供給するメタノール水溶液の濃度を所定濃度に制御するようにしている。
しかしながら、上記特許文献1,2では、出力検出手段で検出した燃料電池の出力に基づいて燃料電池セルへ供給されるメタノール水溶液の流量をフィードバック制御することにより、燃料電池セル内のメタノール水溶液の濃度が所定値となるように調整しているため、燃料電池の出力から得たメタノール水溶液の濃度と実際のメタノール水溶液の濃度との間のずれ等の影響によって、メタノール水溶液の濃度が実際に設定したい値からずれてしまったり、メタノール水溶液の濃度がばらついてしまうという問題があった。
上記の影響は、特にメタノール水溶液の濃度が低い際に顕著であるため、従来の燃料電池システムでは、メタノール水溶液の濃度を低濃度に高精度に制御することができず、結局、クロスオーバーによる燃料ロスを十分に低減することができていなかった。
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、クロスオーバーによる燃料ロスを低減できて、高エネルギー密度化を実現できる燃料電池システムを提供することにある。
上述の課題を解決するために、請求項1の燃料電池システムの発明では、燃料電池と、燃料電池用の希釈有機液体燃料が入れられる希釈燃料容器と、希釈燃料容器と燃料電池との間に設けられる燃料供給路と、燃料電池で消費されなかった希釈有機液体燃料を希釈燃料容器へ循環させる循環流路と、補充用の有機液体燃料が入れられる補充燃料容器と、補充燃料容器と燃料供給路との間に設けられる燃料補充流路と、燃料補充流路上に設けられ対向配置される一対の電極間に作用する静電力によって弁体を変位させるノーマリクローズ型の静電駆動型マイクロバルブと、燃料供給路上に設けられ希釈燃料容器から供給される希釈有機液体燃料と補充燃料容器から供給される有機液体燃料とを混合する混合器と、混合器内の希釈有機液体燃料の濃度を検出する濃度センサと、濃度センサの出力に基づいて静電駆動型マイクロバルブを開閉制御することにより、希釈有機液体燃料の濃度が所定値となるように希釈有機液体燃料の濃度を調整する濃度制御手段と、燃料供給路のうち混合器と燃料電池との間の下流側供給路上に設けられ希釈有機液体燃料を燃料電池へ送り込む流体ポンプと、燃料電池へ一定流量の希釈有機液体燃料が供給されるように流体ポンプを制御する流量制御手段とを備えていることを特徴とする。
請求項2の燃料電池システムの発明では、燃料電池と、燃料電池用の希釈有機液体燃料が入れられる希釈燃料容器と、希釈燃料容器と燃料電池との間に設けられる燃料供給路と、燃料電池で消費されなかった希釈有機液体燃料を希釈燃料容器へ循環させる循環流路と、補充用の有機液体燃料が入れられる補充燃料容器と、補充燃料容器と燃料供給路との間に設けられる燃料補充流路と、燃料補充流路上に設けられ対向配置される一対の電極間に作用する静電力によって弁体を変位させるノーマリクローズ型の第の静電駆動型マイクロバルブと、有機液体燃料の希釈用の溶媒が入れられる溶媒容器と、溶媒容器と燃料供給路との間に設けられる溶媒補充流路と、溶媒補充流路上に設けられ対向配置される一対の電極間に作用する静電力によって弁体を変位させるノーマリクローズ型の第の静電駆動型マイクロバルブと、燃料供給路上に設けられ希釈燃料容器から供給される希釈有機液体燃料と補充燃料容器から供給される有機液体燃料と溶媒容器から供給される有機液体燃料の希釈用の溶媒とを混合する混合器と、混合器内の希釈有機液体燃料の濃度を検出する濃度センサと、濃度センサの出力に基づいて各静電駆動型マイクロバルブを開閉制御することにより、希釈有機液体燃料の濃度が所定値となるように希釈有機液体燃料の濃度を調整する濃度制御手段と、燃料供給路のうち混合器と燃料電池との間の下流側供給路上に設けられ希釈有機液体燃料を燃料電池へ送り込む流体ポンプと、燃料電池へ一定流量の希釈有機液体燃料が供給されるように流体ポンプを制御する流量制御手段とを備えていることを特徴とする。
請求項3の燃料電池システムの発明では、請求項1又は2の構成に加えて、濃度制御手段は、静電駆動型マイクロバルブの一対の電極間へ与える電圧パルスのデューティ比を調整することにより、静電駆動型マイクロバルブを開閉制御するように構成されていることを特徴とする。
請求項1の燃料電池システムの発明は、流量制御手段によって燃料電池へ一定流量の希釈有機液体燃料が供給されるように流体ポンプが制御された上で、希釈有機液体燃料の濃度を濃度センサで直接的に検出し、濃度制御手段によって濃度センサの検出出力に基づいてバルブを開閉制御することで、希釈有機液体燃料の濃度が所定値となるように希釈有機液体燃料の濃度を調整しているから、従来のように燃料電池の出力を用いて間接的に希釈有機液体燃料の濃度を評価する場合に比べて、希釈有機液体燃料の濃度を高精度に制御することができ、これにより、クロスオーバーによる燃料ロスを低減することが可能となって、高エネルギー密度化を実現できるという効果を奏する。また、請求項1の燃料電池システムの発明は、バルブとして、圧電ユニモルフ型のアクチュエータを用いたマイクロバルブを採用する場合に比べて、バルブの小型化及び低消費電力化を図ることができ、燃料電池システム全体の小型化及び低消費電力化を図ることができるという効果を奏する。
請求項2の燃料電池システムの発明は、流量制御手段によって燃料電池へ一定流量の希釈有機液体燃料が供給されるように流体ポンプが制御された上で、希釈有機液体燃料の濃度を濃度センサで直接的に検出し、濃度制御手段によって濃度センサの検出出力に基づいて各バルブを開閉制御することで、希釈有機液体燃料の濃度が所定値となるように希釈有機液体燃料の濃度を調整しているから、従来のように燃料電池の出力を用いて間接的に希釈有機液体燃料の濃度を評価する場合に比べて、希釈有機液体燃料の濃度を高精度に制御することができ、これにより、クロスオーバーによる燃料ロスを低減することが可能となって、高エネルギー密度化を実現できるという効果を奏する。
また、請項2の燃料電池システムの発明は、バルブとして、圧電ユニモルフ型のアクチュエータを用いたマイクロバルブを採用する場合に比べて、バルブの小型化及び低消費電力化を図ることができ、燃料電池システム全体の小型化及び低消費電力化を図ることができるという効果を奏する。
請求項3の燃料電池システムの発明は、補充量を数十マイクロリットルレベルの微小な流量で制御することができるので、ポンプのように流量が脈動する補機により希釈有機液体燃料の濃度を制御する場合に比べて、希釈有機液体燃料の濃度の制御が容易になるという効果を奏する。しかも、電圧パルスの周波数を高くすれば、流量の誤差を小さくでき、これによりさらに高精度な濃度制御を行えるようになるという効果を奏する。
以下、本発明の燃料電池システムの実施形態について図1〜図6を参照して説明する。
(実施形態1)
本実施形態の燃料電池システムは、図1に示すように、直接メタノール型燃料電池である燃料電池1と、燃料電池1用の希釈有機液体燃料である所定濃度(体積濃度)のメタノール水溶液(例えば、メタノール濃度が3%のメタノール水溶液)が入れられる希釈燃料容器2と、希釈燃料容器2と燃料電池1との間に設けられる燃料供給路3と、燃料電池1で発生した水を希釈燃料容器2へ循環させる循環流路4aと、燃料電池1で消費されなかったメタノール水溶液を希釈燃料容器2へ循環させる循環流路4bと、補充用の有機液体燃料であるメタノール(濃度が100%のメタノール)が入れられる補充燃料容器5と、補充燃料容器5と燃料供給路3との間に設けられる燃料補充流路6と、燃料補充流路6上に設けられたバルブ7と、燃料供給路3上に設けられ希釈燃料容器2から供給されるメタノール水溶液と補充燃料容器5から供給されるメタノールとを混合する混合器8と、混合器8内のメタノール水溶液の濃度を計測する濃度センサ9と、燃料供給路3上に設けられメタノール水溶液を燃料電池1へ送り込む流体ポンプ10と、燃料電池1へ空気を送り込む空気ポンプ11と、空気ポンプ11と燃料電池1との間に設けられた空気供給路12と、濃度センサ9の出力に基づいてバルブ7を制御し、燃料供給路3を流れるメタノール水溶液の濃度が所定値となるようにメタノール水溶液の濃度を調整する濃度制御部13a、及び燃料電池1へ一定流量のメタノール水溶液が供給されるように流体ポンプ10を制御する流量制御部13bを有する制御回路13とを備えている。そして、燃料電池システムの燃料電池1の両端間には、燃料電池1の出力電圧を昇圧する昇圧回路30と、昇圧回路30の出力により充電されるリチウムイオン電池のような2次電池からなる負荷20とが接続されている。
尚、本実施形態の燃料電池システムでは、上記構成に加えて、燃料電池1とは別に図示しない小型の補助電源(例えば、リチウムイオン2次電池、ニッケル水素2次電池、電気2重層コンデンサ等)と、補助電源の出力電圧を昇圧して流体ポンプ10及びバルブ7を駆動する電圧を発生する図示しない昇圧回路(第1の昇圧回路)とを備えている。そして、燃料電池システムでは、制御回路13が補助電源から電源供給されて流体ポンプ10及びバルブ7を制御するようになっているが、燃料電池1の発電が開始された後には、燃料電池1の出力電圧を昇圧する昇圧回路(第2の昇圧回路)30から電源が供給されて流体ポンプ10及びバルブ7を制御するようになっている。
燃料電池1は、メタノール水溶液を燃料とする直接メタノール型燃料電池であって、複数個(本実施形態では8個)の燃料電池セル1aを直列接続することで構成されている。尚、燃料電池セル1aの数は特に限定されるものではなく、負荷20である2次電池の充電に必要な充電電流に応じて適宜設定すればよい。
以下、燃料電池セル1aについて説明する。燃料電池セル1aは、水素イオンの伝導性の高い固体分子膜からなるイオン伝導膜(電解質膜)1aaが、その厚み方向の両側に設けられた燃料極(アノード集電体及びアノード触媒層を含むアノード電極)1abと、空気極(カソード集電体及びカソード触媒層を含むカソード電極)1acとで挟まれた形状に形成されている。そして、燃料極1abには、上述の燃料供給路3を通してメタノール水溶液が供給される一方で、空気極1acには、上述の空気供給路12を通して空気が供給されるようになっている。
要するに、各燃料電池セル1aは、燃料極1abへメタノール水溶液が供給される一方で、空気極1acへ酸化剤としての空気が供給され、各極1ab,1acでは次のような反応が生じて発電が行われる。すなわち、燃料極1abでは、メタノール(CHOH)と水(HO)とが反応して、二酸化炭素(CO)とプロトン(H)と電子(e)とが発生し(CHOH+HO→CO+6H+6e)、空気極1acでは、空気中の酸素(O)とイオン伝導膜1aaを透過したプロトン(H)と負荷20を通って空気極1acに到達した電子(e)とが反応して、水(HO)が発生する(3/2O+6H+6e→3HO)。尚、各燃料電池セル1aの燃料極1abで発生した二酸化炭素及び燃料極1abで消費されなかったメタノール水溶液は、循環流路4bを通して希釈燃料容器2へ循環され、各燃料電池セル1aの空気極1acで発生した水及び空気極1acで消費されなかった空気は、循環流路4aを通して希釈燃料容器2へ循環されるようになっている。
ところで、以上述べた燃料電池1は、図2のグラフに示すような特性を有している。図2のグラフは、燃料電池1の各燃料電池セル1aの燃料極1abへ供給するメタノール水溶液のメタノール濃度(体積濃度)を変化させた場合のセル変換効率の変化を表わしたものである(図中は単セルの特性を示す)。この図2のグラフを見れば明らかなように、セル変換効率はメタノール濃度に大きく依存し、メタノールの濃度が低いほど、高い変換効率が得られている(言い換えれば、クロスオーバーによる燃料ロスを低減できている)ことがわかる。尚、図2のグラフでは、燃料電池セル1aに供給するメタノール水溶液の流量及び空気量は一定(1.5ml/min)としている。
希釈燃料容器2は、直接メタノール型燃料電池である燃料電池1用の希釈有機液体燃料が入れられるものであり、本実施形態では、希釈有機液体燃料として所定濃度(体積濃度)のメタノール水溶液(例えば、メタノール濃度が3%のメタノール水溶液)を用いている。
また、希釈燃料容器2には、上述したように、循環流路4bによって、各燃料電池セル1aの燃料極1abで発生した二酸化炭素、及び燃料極1abで消費されなかったメタノール水溶液が循環され、循環流路4aによって、各燃料電池1abの空気極1acで発生した水、及び空気極1acで消費されなかった空気が循環されるようになっている。そのため、希釈燃料容器2には、メタノール水溶液及び水と、二酸化炭素及び空気とを分離して、二酸化炭素及び空気を外部へ排出するための気液分離部であるガスセパレータ(図示せず)が設けられている。このようなガスセパレータは周知のものであるから説明は省略する。
燃料供給路3は、希釈燃料容器2と燃料電池1との間に設けられる接続配管からなり、希釈燃料容器2内のメタノール水溶液を混合器8内に供給する第1の供給路(上流側供給路)3aと、混合器8内のメタノール水溶液を燃料電池1の各燃料電池セル1aの燃料極1abに供給する第2の供給路(下流側供給路)3bとを有し、第2の供給路3b上には、流体ポンプ10が設けられている。
循環流路4aは、燃料電池1の各燃料電池セル1aの空気極1acと希釈燃料容器2との間に設けられる接続配管からなり、上述したように各燃料電池セル1aの空気極1acで発生した水、及び空気極1acで消費されなかった空気を希釈燃料容器2に循環させるために用いられる。また、循環流路4bは、燃料電池1の各燃料電池セル1aの燃料極1abと希釈燃料容器2との間に設けられる接続配管からなり、上述したように各燃料電池セル1aの燃料極1abで発生した二酸化炭素、及び燃料極1abで消費されなかったメタノール水溶液を希釈燃料容器2に循環させるために用いられる。
補充燃料容器5は、補充用の有機液体燃料が入れられるものであり、本実施形態では、補充用の有機液体燃料として濃度が100%のメタノールを用いている。
燃料補充路6は、補充燃料容器5と混合器8との間に設けられる接続配管からなり、補充燃料容器5内のメタノールを混合器8内に供給するために用いられるものである。そして、この燃料補充路6上には、混合器8内に供給するメタノールの量を制御するためのバルブ7が設けられている。
バルブ7は、例えば、対向配置される一対の電極間に作用する静電力によって弁体を変位させる静電駆動型マイクロバルブであって、図3及び図4(a),(b)に示すように、弁座形成基板70と、弁座形成基板70の一表面側(図4(a)における上面側)に固着される弁体形成基板80と、弁体形成基板80において弁座形成基板70とは反対面側(図4(a)における上面側)に固着されるアクチュエータ形成基板90とで構成されている。
ここで、弁座形成基板70は、例えばガラス基板を用いて形成されており、その一表面(図4(a)における上面)の中央部には、流路用凹部71が設けられている。また、この流路用凹部71の底面には、弁座形成基板70を厚み方向で貫通する略円形の貫通孔からなる流出口(オリフィス)72が設けられており、この流出口72は、流体(本実施形態では、メタノール)をバルブ7外へ流出させるために用いられる。また、弁座形成基板70の一表面(図4(a)における上面)側における流出口72の周縁部には、流出口72を囲繞するように略円筒状の弁座73が一体に突設されている。
弁体形成基板80は、例えばシリコン基板を用いて形成されており、弁座形成基板70の上記一表面側に固着される略矩形枠状のフレーム81と、フレーム81の内側に配置され、流出口72を開閉するように上記厚み方向に変位可能な弁体83と、フレーム81と弁体83とを連結する薄肉の撓み部82とを一体に備えている。つまり、弁体83は、弁座形成基板70の流出口72及び弁座73と対向した状態で、撓み部82を介してフレーム81に支持されている。
また、弁体83における弁座形成基板70側とは反対側の面(図4(a)における上面)には、上記一対の電極の一方を構成する可動電極84が形成されている。加えて、弁体形成基板80には、流出口72が弁体83により閉止された状態において、撓み部82と弁座形成基板70との間の空間に流れ込んだ流体の圧力により弁体83が浮き上がって流出口72が開放されるのを防止するために、弁体形成基板80のフレーム81の上記一表面側に他の部位に比べて薄肉の圧力調整用ダイヤフラム部85が形成されている。ここで、圧力調整用ダイヤフラム部85の厚さは、撓み部82の厚さと同じ厚さに設定してあり、これにより、弁体形成基板80の製造時に圧力調整用ダイヤフラム部85と、撓み部82とを同時に形成することができるようにしている。さらに、フレーム81において弁座形成基板70の流路用凹部71に対応する部位には、その厚み方向に貫通する連通孔86が形成されており、この連通孔86を介して弁座形成基板70の流路用凹部71に流体を流し込むことができるようになっている。
アクチュエータ形成基板90は、例えばガラス基板を用いて形成されており、弁体形成基板80との対向面(図4(a)における下面)において、撓み部82及び弁体83に対向する部位には、図4(a)に示すように、弁座形成基板70の厚み方向への弁体83の移動空間を確保するためのギャップ形成用凹部91が形成されている。そして、このギャップ形成用凹部91の内底面には、上記一対の電極の他方を構成する固定電極92が設けられている。
さらに、アクチュエータ形成基板90における弁体形成基板80との対向面において、圧力調整用ダイヤフラム部85と対向する部位には、図4(a)に示すように、圧力調整空間用凹部93が形成されており、この圧力調整空間用凹部93とギャップ形成用凹部91とは連通している。加えて、アクチュエータ形成基板90において弁体形成基板80の連通孔86と対応する部位には、アクチュエータ形成基板90をその厚み方向に貫通する略円形の貫通孔からなる流入口94が設けられており、この流入口94は、流体をバルブ内7に流入させるために用いられる。
そして、各基板70,80,90が、次のようにして固着されることでバルブ7が構成されている。すなわち、弁体形成基板80のフレーム81の他表面側(図4(a)における下面側)と弁座形成基板70の一表面側(図4(a)における上面側)とが陽極接合によって固着されるとともに、弁体形成基板80のフレーム81の一表面側(図4(a)における上面側)とアクチュエータ形成基板90の他表面側(図4(a)における下面側)とが陽極接合によって固着されることでバルブ7が構成されている。
尚、バルブ7には、可動電極84と、固定電極92とにそれぞれ接続される一対のパッド(図示せず)が露設されており、一対のパッド間に電圧を印加することによって、電極84,92間に電圧を印加することができるようになっている。
上記のようにしてバルブ7は構成されており、次に、バルブ7の動作について図4(a),(b)を参照して説明する。上述のバルブ7は、可動電極84及び固定電極92のそれぞれに接続されたパッド(図示せず)を介して可動電極84と固定電極92との間に電圧を印加していない状態では、図4(a)に示すように弁体83が弁座73の先端面に密着することで流出口72が弁体83により閉止されている。この状態では、撓み部82と弁座形成基板70との間の空間が外部と連通していないから、流入口94から流入した流体は、撓み部82と弁座形成基板70との間の空間で留まることになる。
一方、可動電極84と固定電極92との間に駆動電圧(例えば50V程度)を印加すると、図4(b)に示すように、弁体83が弁座73から離れる向きに変位して流出口72が開放される。この状態では、撓み部82と弁座形成基板70との間の空間が流出口72を介して外部と連通しているから、流入口94−連通孔86−流路用凹部71−流出口72の経路(図3中に矢印Aで示した経路)で流体が流れることになる。
以上述べたようにバルブ7は、ノーマリクローズ型のマイクロバルブであって、対向配置される一対の電極84,92間に作用する静電力によって弁体83を弁座形成基板70の厚み方向に変位させることで、開閉動作を行うことができるようになっている。また、このようなバルブ7によれば、弁体83によって流出口72を閉止した状態における可動電極84と固定電極92との間の間隔(つまりは弁体83のストローク量)を、数μm(例えば、5μm程度)となるように設定することができ、これにより、応答性が良く、数十μl/minレベルの微量な流体を精度良く高速に制御できるという効果を奏する。
さらに、アクチュエータ形成基板90に各凹部91,93を設けたことによりアクチェータ形成基板90と弁体形成基板80との間に形成される空間には、気体(例えば、窒素、アルゴン、キセノン、ヘリウム等の不活性ガスや空気等)若しくは液体(例えば、フロリナート、シリコーンオイル、フレオン(登録商標)、シリコーンゲル等)からなる受圧媒体が封入されている。また、受圧媒体として気体を採用する場合には、不活性ガスを用いた方が空気を用いた場合よりも長期的な信頼性が向上し、安定した開閉動作が得られる。
したがって、バルブ7では、流入口94を通して弁座形成基板70と圧力調整用ダイヤフラム部85との間の空間へ流入した流体の圧力を受けて圧力調整空間(圧力調整空間用凹部93の内面と圧力調整用ダイヤフラム部85とで囲まれる空間)の容積が縮小するように圧力調整用ダイヤフラム部85が変形する(アクチュエータ形成基板90側へ凸となる形で撓む)ことによって、アクチュエータ形成基板90と弁体形成基板80との間の空間内の受圧媒体が圧縮されて圧力が高まり、弁体83が流出口72を閉止する向き(つまり、弁体83を押し下げる向き)の力が弁体83に作用するので、可動電極84と固定電極92との間に電圧が印加されていない状態では、図4(a)に示すように、圧力調整用ダイアフラム部85が変形し、弁体83が浮き上がることなく弁体83により流出口72が確実に閉止することができるようになっている。
混合器8は、希釈燃料容器2から第1の供給路3aを通して供給されるメタノール水溶液と、補充燃料容器5から燃料補充流路6を通して供給されるメタノールとを混合して得られるメタノール水溶液を、第2の供給部3bを通して燃料電池1へ供給するためのものである。但し、混合器8は、バルブ7が閉じている状態では、希釈燃料容器2から第1の供給路3aを通して供給されるメタノール水溶液をそのまま燃料電池1へ供給し、バルブ7が開いている際に、希釈燃料容器2から第1の供給路3aを通して供給されるメタノール水溶液と、補充燃料容器5から燃料補充流路6を通して供給されるメタノールとを混合して、濃度を高めたメタノール水溶液を燃料電池1へ供給するように構成されている。
また、混合器8には、混合器8内のメタノール水溶液の濃度を検出するための濃度センサ9が設けられている。
濃度センサ9は、メタノール水溶液中のメタノールの濃度を検出(測定)するメタノールセンサであって、その検出出力を制御回路13に出力するように構成されている。
流体ポンプ10は、圧電効果を利用して入口側の液体(本実施形態ではメタノール水溶液)を出口側へ送り出す圧電ポンプからなるマイクロポンプであって、圧電ポンプ本体10aと、圧電ポンプ本体10aの入口側(吸入側)に設けられる逆止弁10bと、圧電ポンプ本体10aの出口側(吐出側)に設けられる逆止弁10cとを備えている。そして、流体ポンプ10の圧電ポンプ本体10a及び各逆止弁10b,10cは、制御回路13の流量制御部13bにより制御されるようになっている。
空気ポンプ11は、流体ポンプ10と同様の圧電ポンプからなるマイクロポンプであって、直接メタノール型燃料電池である燃料電池1において酸化剤となる空気(酸素)を、燃料電池1に供給するために用いられる。
空気供給路12は、空気ポンプ11と燃料電池1との間に設けられる接続配管からなり、空気ポンプ11で吸入した空気を燃料電池1の各燃料電池セル1aの空気極1acに供給するために用いられる。
制御回路13は、例えばCPU等を備えており、濃度制御部13aと、流量制御部13bとをソフトウェア等によって実現している。
ここで、流量制御部13bは、燃料電池1へ一定流量のメタノール水溶液が供給されるように流体ポンプ10の圧電ポンプ本体10a及び各逆止弁10b,10cを制御するものである。
一方、濃度制御部13aは、濃度センサ9の出力に基づいてバルブ7を開閉制御し、燃料供給路3を流れるメタノール水溶液の濃度が所定値となるように調整するものである。さらに詳しく説明すると、濃度制御部13aは、濃度センサ9の出力(混合器8中のメタノール水溶液の濃度に対応する値)が、濃度が3%のメタノール水溶液に対応する値となるように、バルブ7を開閉制御して、補充燃料容器5から混合器8に供給するメタノールの量を調整する動作を行う。
ここで、バルブ7の開閉制御は、バルブ7の可動電極84と固定電極92との間に電圧パルスを印加することによって行われる。つまり、上述のバルブ7は、対向配置される一対の電極84,92間に作用する静電力によって弁体83を弁座形成基板70の厚み方向に変位させることで、流路の開閉を行うものである。このようなバルブ7であれば、例えば、図5(a)に示すような電圧パルスを可動電極84と固定電極92との間に印加した場合のバルブ7の流量特性は、図5(b)に示すような特性となる。
そして、上記のように、可動電極84と固定電極92との間に電圧パルスを周期的に印加した場合、1周期の時間に対する電圧パルスのパルス幅の割合をデューティ比と定義すれば、バルブ7を通る流体の流量がデューティ比に略比例するので、デューティ比を制御することにより流量を制御することが可能となる。
したがって、可動電極84と固定電極92との間に与える電圧パルスのパルス幅(デューティ比)を調節することにより、メタノールの補充量を調整することが可能となる。
ところで、上記の図5(a)に示す電圧パルスは、デューティ比が0.5、周波数が0.1Hzのものであり、そのときのバルブ7の流量特性は、図5(b)に示すように変動幅が大きく、その流量は、55±7μl/minになるという結果が得られている。
しかしながら、上記の変動幅が大きいと、当然ながら補充燃料容器5からバルブ7を介して混合器8に供給されるメタノールの流量がばらついてしまい、これによりメタノール水溶液の濃度制御に、精度低下等の悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで、このような変動幅を小さくするためには、電圧パルスの周波数を高くすればよい。例えば、図5(c)に示すように、デューティ比が0.5、周波数が0.4Hzの電圧パルスを印加した際には、バルブ7の流量特性は、図5(d)に示すようになり、その流量は、61±2μl/minになるという結果が得られている。また、図5(e)に示すように、デューティ比が0.5、周波数が1Hzの電圧パルスを印加した際には、バルブ7の流量特性は、図5(f)に示すようになり、その流量は、61±1μl/minになるという結果が得られている。
以上の結果から明らかなように、デューティ比が同じであれば、周波数が高い電圧パルスを印加した方が、変動幅が小さくなって流量が安定し、これにより補充燃料容器5からバルブ7を介して混合器8に供給されるメタノールの流量を略一定にできるという効果を奏する。したがって、本実施形態では、濃度制御部13aが出力する電圧パルスの周波数は1Hzとしている。
以上述べた本実施形態の燃料電池システムによれば、流量制御部13bによって燃料電池1へ一定流量のメタノール水溶液が供給されるように流体ポンプ10が制御された上で、メタノール水溶液の濃度を濃度センサ9で直接的に検出し、濃度制御部13aが濃度センサ9の検出出力に基づいてバルブ7を開閉制御することで、メタノール水溶液の濃度が所定値となるようにメタノール水溶液の濃度を調整しているから、従来のように燃料電池の出力を用いて間接的にメタノール水溶液の濃度を評価する場合に比べて、メタノール水溶液の濃度を高精度に制御することができ、これにより、クロスオーバーによる燃料ロスを低減することが可能となって、高エネルギー密度化を実現できるという効果を奏する。
例えば、従来の燃料電池システムでは、メタノールの濃度がおおよそ3〜6%の範囲で変動し、このときの平均値が約4.7%であるため、セル変換効率は図2に示すように約22%程度となるのに対して、本実施形態の燃料電池システムによれば、低濃度であっても濃度制御を高精度に行えるため、メタノールの濃度を約2.5%〜3.5%の範囲で制御することが可能となり、このとき平均値が3%であるから、セル変換効率は、図2に示すように従来に比べて約6%大きい約28%となる。したがって、本実施形態の燃料電池システムによれば、従来の燃料電池システムに比べてエネルギー密度(メタノールのエネルギー密度〔4790Wh/l〕と変換効率との積で表わされる)を向上できていることがわかる。
また、バルブ7として、静電型マイクロバルブを用いているので、圧電ユニモルフ型のアクチュエータを用いたマイクロバルブを採用する場合に比べて、バルブ7の小型化及び低消費電力化を図ることができ、燃料電池システム全体の小型化及び低消費電力化を図ることができるという効果を奏する。
さらに、バルブ7の可動電極84と固定電極92との間に印加する電圧パルスのデューティ比によって、メタノールの補充量を数十μl/min程度の微小な流量で制御することができるので、ポンプのように流量が脈動する補機によりメタノール水溶液の濃度を制御する場合に比べて、メタノール水溶液の濃度の制御が容易になるという効果を奏する。しかも、上記の電圧パルスの周波数を高くすれば、流量の誤差を小さくでき、これによりさらに高精度な濃度制御を行えるという効果を奏する。
尚、本実施形態では、有機液体燃料としてメタノールを用いているが、有機液体燃料としては、メタノールの他に、ジメチルエーテルや、エタノール等を用いることができ、このような有機液体燃料は、メタノールに比べて安全性が高いものであるから、メタノールを採用する場合に比べて安全性を高めることができるとともに、取り扱いが容易になるという効果を奏する。また尚、本実施形態では、燃料補充流路6を補充燃料容器5と燃料供給路3との間に設けているが、燃料補充流路6を設ける場所は、上記の補充燃料容器5と燃料供給路3との間に限られるものではなく、燃料補充流路6を補充燃料容器5と希釈燃料容器2との間に設けるようにしてもよい。これらの点は、後述する実施形態2においても同様である。
(実施形態2)
本実施形態の燃料電池システムの基本構成は、上記実施形態1と略同じであり、図6に示すように、燃料電池1と、メタノール水溶液が入れられる希釈燃料容器2と、燃料供給路3と、循環流路4a,4bと、補充燃料容器5と、燃料補充流路6と、燃料補充流路6上に設けられたバルブ(第1のバルブ)7と、有機液体燃料であるメタノールの希釈用の溶媒である水(例えば、純水)が入れられる溶媒容器15と、溶媒容器15と燃料供給路3との間に設けられた溶媒補充流路16と、溶媒補充流路16上に設けられたバルブ(第2のバルブ)17と、燃料供給路3上に設けられ希釈燃料容器2から供給されるメタノール水溶液と補充燃料容器5から供給されるメタノールと溶媒容器15から供給される水とを混合する混合器8と、濃度センサ9と、流体ポンプ10と、空気ポンプ11と、空気供給路12と、濃度センサ9の出力に基づいて各バルブ7,17を制御し、燃料供給路3を流れるメタノール水溶液の濃度が所定値となるようにメタノール水溶液の濃度を調整する濃度制御部13a、及び流量制御部13bを有する制御回路13とを備えている。そして、燃料電池システムの燃料電池1の両端間には、昇圧回路30と、負荷20とが接続されている。
つまり、本実施形態の燃料電池システムは、溶媒容器15と、溶媒補充流路16と、バルブ17とを備えている点と、制御回路13の濃度制御部13aが、濃度センサ9の出力に基づいて各バルブ7,17を制御し、燃料供給路3を流れるメタノール水溶液の濃度を所定値となるように調整する点で、上記実施形態1と異なっている。尚、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
ここで、溶媒容器15は、補充用の溶媒が入れられるものであり、本実施形態では、補充用の溶媒として水(例えば、純水)を用いている。溶媒補充路16は、溶媒容器15と混合器8との間に設けられる接続配管からなり、一端が溶媒容器15に連結され、他端が燃料補充流路6におけるバルブ7よりも下流側の部位(燃料補充流路6におけるバルブ7と混合器8との間の部位)に連結されている。そして、溶媒補充路16は、溶媒容器15内の水を混合器8内に供給するために用いられる。また、この溶媒補充路16上には、混合器8内に供給する水の量を制御するためのバルブ17が設けられている。バルブ17は、上記バルブ7と同様に、対向配置される一対の電極間に作用する静電力によって弁体を変位させる静電駆動型マイクロバルブを用いており、その構成はバルブ7と同様であるから、本実施形態では、説明を省略する。
一方、制御回路13は、上記実施形態1と同様のものであるが、濃度制御部13aの構成のみが異なっている。すなわち、濃度制御部13aは、上記実施形態1では濃度センサ9の出力に基づいてバルブ7を制御していたが、本実施形態では、濃度センサ9の出力に基づいてバルブ7に加えてバルブ17を制御し、燃料供給路3を流れるメタノール水溶液の濃度を所定値となるように調整するように構成されている。
以上述べた本実施形態の燃料電池システムでは、混合器8には、第1の供給路3aを通して供給されるメタノール水溶液の他に、補充燃料容器5からのメタノールと、溶媒容器15からの水とが混合されたメタノール水溶液が供給可能となっている。そして、混合器8では、互いに異なる経路で供給される濃度の異なる2種類のメタノール水溶液が、所定の濃度となるように混合され、混合器8で混合されたメタノール水溶液が燃料電池1へ供給されることになる。
したがって、本実施形態の燃料電池システムによれば、流量制御部13bによって燃料電池1へ一定流量のメタノール水溶液が供給されるように流体ポンプ10が制御された上で、メタノール水溶液の濃度を濃度センサ9で直接的に検出し、濃度制御部13aが濃度センサ9の検出出力に基づいて各バルブ7,17を開閉することで、メタノール水溶液の濃度が所定値となるように調整しているから、従来のように燃料電池の出力を用いて間接的にメタノール水溶液の濃度を評価する場合に比べて、メタノール水溶液の濃度を高精度に制御することができ、これにより、クロスオーバーによる燃料ロスを低減することが可能となって、高エネルギー密度化を実現できるという効果を奏する。その上、本実施形態では、混合器8において希釈燃料容器2からのメタノール水溶液と、補充燃料容器5からのメタノールを溶媒容器15からの水で希釈してなるメタノール水溶液とを混合しているため、上記実施形態1のように、混合器8において希釈燃料容器2からのメタノール水溶液と、補充燃料容器5からのメタノールとを混合する場合に比べて、メタノール水溶液の濃度の微調整が行い易くなり、これにより濃度制御の高精度化を図ることが可能になるという効果を奏する。
また、バルブ7,17として、静電型マイクロバルブを用いているので、圧電ユニモルフ型のアクチュエータを用いたマイクロバルブを採用する場合に比べて、バルブ7,17の小型化及び低消費電力化を図ることができ、燃料電池システム全体の小型化及び低消費電力化を図ることができるという効果を奏する。
さらに、バルブ7,17の可動電極84と固定電極92との間に印加する電圧パルスのデューティ比によって、メタノールの補充量を数十μl/min程度の微小な流量で制御することができるので、ポンプのように流量が脈動する補機によりメタノール水溶液の濃度を制御する場合に比べて、メタノール水溶液の濃度の制御が容易になるという効果を奏する。しかも、上記の電圧パルスの周波数を高くすれば、流量の誤差を小さくでき、これによりさらに高精度な濃度制御を行えるという効果を奏する。
尚、本実施形態では、溶媒補充流路16を溶媒容器15と燃料供給路3との間に設けているが、溶媒補充流路16を設ける場所は、上記の溶媒容器15と燃料供給路3との間に限られるものではなく、溶媒補充流路16を溶媒容器15と希釈燃料容器2との間に設けるようにしてもよい。
実施形態1の燃料電池システムを示す概略構成図である。 燃料電池のメタノール濃度と、セル変換効率との関係を示すグラフである。 バルブの一部破断した概略分解斜視図である。 (a)は、バルブの閉状態を示す概略断面図であり、(b)は、バルブの開状態を示す概略断面図である。 (a)は、制御回路がバルブに出力する電圧パルスの波形を示すグラフであり、(b)は、同図(a)の電圧パルスが入力された際のバルブの流量特性を示すグラフであり、 (c)は、制御回路がバルブに出力する電圧パルスの他の波形を示すグラフであり、(d)は、同図(c)の電圧パルスが入力された際のバルブの流量特性を示すグラフであり、(e)は、制御回路がバルブに出力する電圧パルスのさらに他の波形を示すグラフであり、(f)は、同図(e)の電圧パルスが入力された際のバルブの流量特性を示すグラフである。 実施形態2の燃料電池システムを示す概略説明図である。
符号の説明
1 燃料電池
2 希釈燃料容器
3 燃料供給路
4b 循環流路
5 補充燃料容器
6 燃料補充流路
7 バルブ
9 濃度センサ
10 流体ポンプ
13 制御回路
13a 濃度制御部
13b 流量制御部

Claims (3)

  1. 燃料電池と、燃料電池用の希釈有機液体燃料が入れられる希釈燃料容器と、希釈燃料容器と燃料電池との間に設けられる燃料供給路と、燃料電池で消費されなかった希釈有機液体燃料を希釈燃料容器へ循環させる循環流路と、補充用の有機液体燃料が入れられる補充燃料容器と、補充燃料容器と燃料供給路との間に設けられる燃料補充流路と、燃料補充流路上に設けられ対向配置される一対の電極間に作用する静電力によって弁体を変位させるノーマリクローズ型の静電駆動型マイクロバルブと、燃料供給路上に設けられ希釈燃料容器から供給される希釈有機液体燃料と補充燃料容器から供給される有機液体燃料とを混合する混合器と、混合器内の希釈有機液体燃料の濃度を検出する濃度センサと、濃度センサの出力に基づいて静電駆動型マイクロバルブを開閉制御することにより、希釈有機液体燃料の濃度が所定値となるように希釈有機液体燃料の濃度を調整する濃度制御手段と、燃料供給路のうち混合器と燃料電池との間の下流側供給路上に設けられ希釈有機液体燃料を燃料電池へ送り込む流体ポンプと、燃料電池へ一定流量の希釈有機液体燃料が供給されるように流体ポンプを制御する流量制御手段とを備えていることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料電池と、燃料電池用の希釈有機液体燃料が入れられる希釈燃料容器と、希釈燃料容器と燃料電池との間に設けられる燃料供給路と、燃料電池で消費されなかった希釈有機液体燃料を希釈燃料容器へ循環させる循環流路と、補充用の有機液体燃料が入れられる補充燃料容器と、補充燃料容器と燃料供給路との間に設けられる燃料補充流路と、燃料補充流路上に設けられ対向配置される一対の電極間に作用する静電力によって弁体を変位させるノーマリクローズ型の第の静電駆動型マイクロバルブと、有機液体燃料の希釈用の溶媒が入れられる溶媒容器と、溶媒容器と燃料供給路との間に設けられる溶媒補充流路と、溶媒補充流路上に設けられ対向配置される一対の電極間に作用する静電力によって弁体を変位させるノーマリクローズ型の第の静電駆動型マイクロバルブと、燃料供給路上に設けられ希釈燃料容器から供給される希釈有機液体燃料と補充燃料容器から供給される有機液体燃料と溶媒容器から供給される有機液体燃料の希釈用の溶媒とを混合する混合器と、混合器内の希釈有機液体燃料の濃度を検出する濃度センサと、濃度センサの出力に基づいて各静電駆動型マイクロバルブを開閉制御することにより、希釈有機液体燃料の濃度が所定値となるように希釈有機液体燃料の濃度を調整する濃度制御手段と、燃料供給路のうち混合器と燃料電池との間の下流側供給路上に設けられ希釈有機液体燃料を燃料電池へ送り込む流体ポンプと、燃料電池へ一定流量の希釈有機液体燃料が供給されるように流体ポンプを制御する流量制御手段とを備えていることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 濃度制御手段は、静電駆動型マイクロバルブの一対の電極間へ与える電圧パルスのデューティ比を調整することにより、静電駆動型マイクロバルブを開閉制御するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム
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