JP5317100B2 - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5317100B2
JP5317100B2 JP2008196154A JP2008196154A JP5317100B2 JP 5317100 B2 JP5317100 B2 JP 5317100B2 JP 2008196154 A JP2008196154 A JP 2008196154A JP 2008196154 A JP2008196154 A JP 2008196154A JP 5317100 B2 JP5317100 B2 JP 5317100B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
flow path
fuel cell
anode
discharge port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008196154A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010033938A (ja
Inventor
泰芳 後藤
智寿 吉江
功太郎 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2008196154A priority Critical patent/JP5317100B2/ja
Publication of JP2010033938A publication Critical patent/JP2010033938A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5317100B2 publication Critical patent/JP5317100B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

本発明は、高分子電解質膜を使用する燃料電池に関するものである。
近年、携帯電話、パーソナルコンピュータのモバイル機器は、ディスプレイ電子部品、半導体技術の発達と共に小型化され同時に長時間使用の要求が強まっている。その反面電池の容量は大きく増加せず、そのため、燃料と酸化剤を供給するだけで発電することができ、燃料のみを補充すれば連続して発電できるという利点を有している燃料電池の開発が盛んになってきている。特に、直接メタノール型燃料電池(DMFC;direct methanol fuel cell)はエネルギー密度の高いメタノールを燃料に用い、メタノールから電極触媒上で直接電子を取り出せるため、改質器も不要なことから小型化が可能であり、燃料の取り扱いも水素燃料に比べて容易なことから有望視されている。
DMFCの燃料供給方式としては、ポンプ等の補器を使用して燃料電池セルあるいはスタックに供給する方式、毛管力にて供給する方式、二酸化炭素の圧力と補器を用いて複数のバルブを制御して供給する方式等がある。
しかし、補器を使用する方式においては、システムが大きくなると同時に補器を動作させるために、燃料電池の出力の一部を利用する必要があり、結果として、システムが大きくなり小型化が困難な状況にある。
また、毛管力にて燃料供給する場合は、アノードにおける燃料の消費バランス(例えば発電で消費されるメタノールと水の割合)に燃料貯蔵槽の燃料組成(メタノールと水の割合)をあわせる必要があるが、連続的に使用した場合、徐々に燃料組成がずれ出力が低下してくるという課題がある。
特許文献1の燃料電池システムにおいては、燃料混合容器、送液ポンプ、濃度センサー、ファン、液面センサー等を含み非常に大きなシステムとなってしまい小型化には適していない。
また、特許文献2は、毛細管にて燃料を供給するシステムであるが、発電により毛細管の端部における燃料濃度が、発電時に燃料消費する濃度である必要があるが、現状、高濃度燃料にて使用可能な電解質膜は少なく、低濃度燃料しか使用できない状況である。そうした場合、毛細管先端部における消費燃料濃度が崩れやすく短時間で出力低下を招く傾向にあった。
また、特許文献3は、バルブをアクティブに制御して燃料、水を混合するため小型燃料電池においては、システムが大きくなりすぎて小型化が難しい状況にある。
特開2004−265787号公報 特開2007−95438号公報 特表2004−527091号公報
本発明は、上記課題に対応した小型高出力の燃料電池を提供するものである。
小型燃料電池の場合、補器を使用して燃料をセルに供給して発電する場合が多く補器の動力が必要なため電池が大きくなりがちである。本発明では燃料供給のための補機動力を必要とせず、比較的簡便な構造にて燃料を供給することが可能であり、小型で高出力な燃料電池を提供する。
本発明に係る燃料電池は、カソードガス拡散層、カソード触媒層、固体電解質膜、アノード触媒層およびアノードガス拡散層を前記の順で有し、前記アノードガス拡散層に燃料供給口と燃料排出口を有する燃料流路が形成されたアノード流路板が接合され、前記燃料流路の燃料供給口における断面積が前記燃料排出口における断面積より小さいことを特徴とする。すなわち、本発明は、前記燃料供給口の断面積(Sin)と前記燃料排出口の断面積(Sout)は、Sin/Soutが1未満の範囲であることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池は、カソードガス拡散層、カソード触媒層、固体電解質膜、アノード触媒層およびアノードガス拡散層を前記の順で有し、前記アノードガス拡散層に燃料供給口と燃料排出口を有する燃料流路が形成されたアノード流路板が接合され、前記燃料流路の燃料供給口の圧力損失が前記燃料排出口の圧力損失より大きいことを特徴とする。すなわち、前記燃料供給口の圧力損失(△Pin)と前記燃料排出口の圧力損失(△Pout)が、△Pin/△Poutが1より大きい範囲であることを特徴とする。
本発明は、前記燃料排出口が気液分離部と燃料貯蔵槽に前記の順に連結され、かつ前記燃料貯蔵槽が前記燃料供給口に連結されてなる燃料電池であって、前記気液分離部に連結された弁の気体の排出速度が可変可能であることが好ましい。
本発明は、前記気液分離部に連結された弁の気体の排出速度が燃料電池の発電により生成する二酸化炭素の生成速度より速く設定されていることが好ましい。
燃料電池の発電により生成する二酸化炭素によるセルあるいはスタック流路内の圧力や燃料貯蔵槽内の圧力を変動させることにより簡便な構造で補器を使用せずにセルあるいはスタックへ燃料を供給できる燃料電池を提供することができる。
また、毛管力を利用した燃料供給においては燃料濃度バランスにより性能の低下が著しい傾向にあったが、本発明においては生成二酸化炭素の排出により燃料を循環させることにより、燃料濃度バランスの崩れた流路内燃料が燃料貯蔵槽に戻され、燃料供給流路に比較して容量の大きい燃料貯蔵槽内の燃料により濃度が調整され、再度セルやスタックに供給されることにより安定した出力を提供することができる。
また、生成二酸化炭素、水、燃料を複数のバルブを使用して制御する必要が無く、バルブ動作のための電力も不要である。そして、複数のバルブを周辺補器として燃料電池に組み込む必要性がなく燃料電池の小型化に適している。
また、本発明によれば、燃料貯蔵槽と燃料排出口が接続しているため、別々に気液分離処理および排気二酸化炭素中のメタノール除去処理システムが必要なく燃料電池システムの簡便化、低コスト化がしやすい(図16は、本発明の構造をなしていないため燃料貯蔵層及び燃料排出口に別々に気液分離部が組み込まれた説明図である)。
更に、燃料排出口と燃料貯蔵槽を接続して発電後の低濃度燃料と二酸化炭素ガスの混合流体から気液分離するため、排気二酸化炭素ガス中のメタノール蒸気量を抑制でき、排気二酸化炭素ガス中の除去すべきメタノールガス量が減り、排気ガス処理等のシステムも簡素化しやすくなる。
<実施の形態>
(燃料電池)
本発明に係る燃料電池24を図1、7、9を用いて説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態に係る直接メタノール型燃料電池を示す模式的な断面図である。
本発明に係る燃料電池24は、カソードガス拡散層2、カソード触媒層(図示せず)、固体電解質膜1、アノード触媒層(図示せず)およびアノードガス拡散層3を前記の順で具備し、アノードガス拡散層3に流路板6が接合された燃料電池セル21を有する。カソードガス拡散層2は酸化剤を均一に拡散できる構造を有し、空気、酸素等の還元されやすいガス状物質がパッシブ供給される。一方、アノードガス拡散層3は親水化処理され燃料16が供給される構造を有している。そして、親水化処理された流路板6がアノードガス拡散層3上に接合され、燃料供給口9に流路19の断面積を減少させる絞り部15が取り付けられている。燃料電池セル21の燃料排出口10と燃料貯蔵槽11とが燃料輸送管8によって接続され、前記セルと前記燃料貯蔵槽11の間に気液分離部14および大気に開放された弁13が設けられており弁13の開口度を自由に可変できる構造となっている。また、燃料貯蔵槽11と燃料電池セル21の燃料供給口9も燃料輸送管8によって接続されている。
さらに、本発明の燃料電池24は、図3〜図6に示す様に、燃料電池セル21に代えて1以上の燃料電池セル21から構成される燃料電池層22aまたは22bを2以上積層してなる燃料電池スタック23a,23bを使用することができる。
図1(b)は流路板と集電極が一体化された集電極付き膜電極接合体(以下MEAとも言う。MEA:Membrane Electrode Assembly)を接合した燃料電池セルをAA断面にて切断した図である。
(燃料電池セル)
図1に示される様に燃料電池セルは、カソードガス拡散層2、カソード触媒層(図示せず)、固体電解質膜1、アノード触媒層(図示せず)およびアノードガス拡散層3を前記の順で具備し、アノードガス拡散層3に接合された流路板6等から構成される。
図2は燃料電池セルの概略図である。図中、燃料供給口における流路19の断面積が燃料排出口(図示せず)における流路19の断面積より小さいことを特徴とする。該構成を有する燃料電池セル21は、燃料供給口9の圧力損失(ΔPin)が、燃料排出口10の圧力損失(ΔPout)よりも大きいため、生成二酸化炭素の燃料供給口9からの排出を抑制することができ、燃料排出口10からの二酸化炭素及び燃料の排出を促進し、燃料供給口9からの新鮮な燃料をアノードガス拡散層3、アノード触媒層に供給する効果を高めることができる。
燃料供給口における流路19の断面積を、燃料排出口における流路19の断面積より小さくする方法としては、燃料電池セル21の流路自体の断面積を調整する方法に加えて、燃料供給口に絞り部を設置して流路19の断面積を小さくしてもよい。
燃料供給口における生成二酸化炭素の排出量の低下と新鮮な燃料の供給量および燃料排出口からの生成二酸化炭素の排出量を適切なバランスに保ち、燃料電池内での燃料の対流を持続させる観点から、燃料供給口の圧力損失(ΔPin)と燃料排出口の圧力損失(ΔPout)の比率のΔPin/ΔPoutが1.01〜1.5の範囲となるように設定することが望ましい。但し、前記比率が1に近づくと燃料排出口からの排出の割合が低下してくる。また、前記比率が、大きくなりすぎると二酸化炭素を含む燃料水の排出は燃料排出口の方向がほとんどとなるが、流路から二酸化炭素を排出した後に、燃料供給口から新燃料を吸い上げる速度が低下する。
(圧力損失の測定方法)
圧力損失は、例えば、図23に示す様に燃料供給口および燃料排出口のそれぞれにおいて供給口の流動抵抗制御物(細孔径の小さいフィルター25)および排出口の流動抵抗制御物(細孔径の大きなフィルター26)を挟んで前後に小孔を開け(たとえば、セル側は流路板に小孔33、外側は、燃料供給口に接続される管あるいは燃料排出口に接続される管)に小孔33を開け)それぞれに圧力計29,30,31,32を接続して静圧を測定して、圧力計29と圧力計30の圧力差(1)と圧力計31と圧力計32の圧力差(2)から(圧力損失(1)/圧力損失(2))圧力損失比を計算する。なお、この一例には、流動抵抗制御物としてフィルターを例に記載しているが、フィルター以外の多孔体、繊維束、流路突起等の流動抵抗制御物も同様に使用することができる。
あるいは、図24に示す様に圧力計の代わりにそれぞれの小孔にU字管マノメータ34,35を接続しU字管マノメータの封液(例えば四塩化炭素など)の液面の高低差Hから圧力損失を計算することもできる。この場合、U字管マノメータ34,35の封液の高低差をH[m]を読み取り、圧力損失ΔP[Pa]は、ΔP=(ρ’-ρ)×g×Hで与えられる。(ρ’:封液の密度[kg/m3]、ρ:燃料の密度[kg/m3]、g:重力加速度:9.807[m/s2]、H:マノメータ高さ[m])
これらは、圧力損失を測定するものであり、本発明の燃料電池の構造物に含まれてもかまわないが、燃料電池の小型化のためには圧力損失差の大小関係が本発明の範囲になるようにあらかじめ作られた流動抵抗物の組み合わせにより作製されてもかまわない。特に圧力損失差を測定できる構造の有無により限定されるものではない。
(燃料電池スタック)
本発明の燃料電池は、図3〜図6に示す様に1以上の燃料電池セルから構成される燃料電池層22aまたは22bを2以上積層してなる燃料電池スタック23a,23bを使用することができる。
図3は燃料電池セルの流路を並列に設置した燃料電池層22aを示している。この場合、燃料電池セルそれぞれについて、ΔPnin>ΔPnout(n=1、2、3、4・・・)となるように、燃料供給口9および燃料排出口10における流路の断面積を調節する。
図4は前記燃料電池層22aを積層した燃料電池スタック23aの模式図である。図4の燃料電池スタック23aは、第1の燃料電池層221aと、第2の燃料電池層222bとを交互に積層してなり、トータルの積層数は8である。各層は、5個の燃料電池セル21から構成されており、燃料電池スタック23a全体として40個の燃料電池セル21を有する。積層数を増やすことにより、より高電圧を出力することができる。
燃料電池スタック23aにおいて、各燃料電池セル21の高さ、すなわち、燃料電池層の厚みは等しい。これにより、燃料電池層内の燃料電池セルの高さが揃うため、積層させる燃料電池セルを複数の燃料電池セルにまたがって積層した場合でも、上下の燃料電池セル同士の接触が良好となり、接触不良を低減させることができる。また、合計8つの燃料電池層は、燃料電池層の面方向に対して垂直な方向に積層されている。これにより、直列に電気配線する場合、導電経路が短く、抵抗損失を少なくすることができる、また、積層時にデッドスペースを減らし、燃料電池スタックが占める空間体積を小さくすることができるため、小型化、高出力密度化の燃料電池スタックとすることができる。
ここで、燃料電池スタック23aにおいては、すべての燃料電池層が同じ形状を有しているが、必ずしもすべてが同じ形状を有している必要はない。また、燃料電池スタック23aを構成する燃料電池セル21の形状はすべて同じであってもよいし、その一部が異なる形状を有していてもよい。燃料電池スタック3aを構成する燃料電池層のうち、少なくとも2層が同じ形状を有している限り、それらの燃料電池層において、上記した製造コストの低減や積層構造構築の容易化を図ることができる。また、一の燃料電池層内の少なくとも2つの燃料電池セルが同じ形状を有している限り、それらの燃料電池セルにおいて、上記した燃料電池セルの形状の違いによる特性のばらつきを抑制することができる。
図5は燃料電池セルの流路を直列に設置した燃料電池層22bを示している。この場合、燃料電池セルそれぞれについて、ΔP1in>ΔP1out>ΔP2in>ΔP2out>ΔP3in>ΔP3out>ΔP4in>ΔP4outとなるように、燃料供給口9および燃料排出口10における流路の断面積を調節する。
図6は前記燃料電池層22bを積層した燃料電池スタック23bの模式図である。燃料電池スタック23bにおいては、各燃料電池層に燃料を供給するためのマニホールドを差し込んでいる。燃料電池スタック23bにおいては、流路を直列に接続しているため、マニホールドの接続部分を一箇所に集約することができ、マニホールドを小型化することができる。これにより、マニホールドの差し込みやすさ、封止しやすさが向上し、歩留まり、生産時間短縮による低コスト化が可能となる。また、マニホールドが小型化されることによって、燃料電池スタックに空気を取り込むために障害となるマニホールドの体積を減らすことができるため、燃料電池スタック内部に良好に空気を取り込むことができる。
(固体電解質膜)
固体電解質膜1は、スルホン基、リン酸基等の強酸基や、カルボキシル基等の弱酸基など極性基を有する材料から構成される。例えば、パーフルオロルスルホン酸のようなスルホン酸基を有するフッ素系樹脂やスルホン酸基を有する炭化水素系樹脂などを使用しても良い。例えば、ナフィオン(登録商標)、Nafion117(デュポン社製商品名)を用いることができる。
(カソード触媒層、アノード触媒層)
前記固体電解質膜1は、一方の表面にカソード触媒層、他方の表面にアノード触媒層が接合されている。カソード触媒層、アノード触媒層としては、白金族元素の単体金属粒子(Pt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等)や白金族元素を含有する合金粒子を炭素系粉末担体に担持させたものが使用できる。例えば、カソード触媒層は、白金粒子を炭素系粉末担体に担持させたもの、アノード触媒層は、一酸化炭素の被毒による性能の低下が抑制されやすいPt−Ru合金の粒子を炭素系粉末担体に担持させたものが使用可能であるが、これに限定されるものではない。
(アノードガス拡散層)
アノードガス拡散層3は、燃料に対して耐薬品性を有する材料で多孔質構造を有する。アノードガス拡散層3に好適な多孔質材料としては、セラミックス、カーボンペーパー、カーボン繊維不織布、フッ素樹脂、ポリプロピレン等の多孔質材料が使用できる。
アノードガス拡散層3は、極性を有する液体燃料を供給しやすいように親水性処理をするのが望ましい。カーボンペーパー等を使用する場合は、濃硝酸中にて加熱処理することで材料を親水化させることができる。また、アノード集電体5と接合するためにスルホン基、リン酸基等の強酸基や、カルボキシル基等の弱酸基など極性基を有しプロトン伝導性を有する材料を塗布して使用することも出来る。あるいは、あらかじめ親水性で導電性を有する多孔体を使用してもかまわない。
(カソードガス拡散層)
カソードガス拡散層2は、空気の供給のためカソード極で生成した水が、カソード極のカソード触媒層と導電性カーボンとプロトン伝導性材料からなる三相界面上を覆いかぶさない様に撥水性のマイクロポーラスレイヤー(Micro Porus Layer:以下MPL)が形成されている。これにより、水と空気の交換をスムーズに実施し安定した反応が進行しやすくなる。
(アノード集電体、カソード集電体)
アノード集電体5およびカソード集電体4は、導電性を有する材料からなる。例えば、Au、Ni、SUS304、SUS316等の導電性を有し、耐蝕性の高い金属材料から構成されるのが望ましいが、これらの材料に限定されるものではない。また、その構造は、燃料、空気の導入や二酸化炭素、生成水分の排出が可能なように、金属メッシュ、エキスパンドメタル、金属不織布、三次元網目構造の発泡金属等からなる。また、アノード集電体5、カソード集電体4双方ともその表面に、高導電性でかつ高耐蝕性の金属膜、たとえば、Au膜等を形成することが好ましい。また、流路板6やアノードガス拡散層3が導電性を有する場合、アノード集電体として流路板6を使用してもかまわない。
(流路板)
流路板6はAu、Ni、SUS304、SUS316などの金属(無機物)およびプラスチック(有機物)などが使用できるがこれらに限定されるものではない。但し、材料は、燃料に対する耐薬品性や耐食性を有している必要がある。流路板6の厚さは、セルの体積を減らしセル出力密度を向上させるため、数百ミクロン程度の厚さの流路が望ましい。そして、金属の流路板の場合は、表面を高温酸化やプラズマ処理等で親水化処理をすることにより、燃料供給口9に供給された燃料を毛管力にて流路19および拡散層内部に吸い上げやすくなる。
簡易的に毛管流路で近似すると水面吸い上げ高さ(h)は、以下の式にて概算できる。
Kelvin式:h=2×γ×cosθ÷(g×ρ×r)
(式中、高さ:h[m]、表面張力:γ[N/m]、接触角:θ、重力加速度:g[m/s2]、密度:ρ[kg/m3]、半径:r[m])
仮に上記のように流路板6やアノードガス拡散層3を親水化処理し、接触角がゼロ、流体に水物性(希薄燃料のため)を仮定すると図17に示すようにセル高さにより流路深さを変えることで流路への燃料供給が可能となる。毛管力による燃料の吸水や液泡の飛散により液を循環させるため流路深さは極端に深くても極端に浅くても望ましくない。そして、流路深さが深くなると燃料排出口において液泡がはじけて液を排出する量が減少する。
(絞り部)
流路19は燃料供給口9の断面積が燃料排出口10の断面積に比較して小さい形状が望ましい。あるいは、流路板6に近接して燃料供給口9と燃料排出口10に断面積の異なる絞り部15(例えばオリフィス、接着剤等)を設けてもよい。これにより燃料供給口9から排出される二酸化炭素の量を抑制できる。これは、燃料供給口9からの生成二酸化炭素17の排出を抑制し、燃料排出口10からの二酸化炭素及び燃料の排出を促進し、燃料供給口9からの新鮮な燃料をアノードガス拡散層2、アノード触媒層に供給する効果を高める。但し、極端に絞り込むと燃料供給口9からの二酸化炭素の排出量が低下するが、同時に新鮮な燃料の流路内への流れも悪くなり、流路19内への燃料の流入抵抗となるため、適度な絞りこみの状態が望ましい。
また、図20に示すように、絞り部の代わりに、流路19の燃料供給口9に細孔径の小さいフィルター25を設置し、燃料排出口10に燃料供給口9に設置したフィルター25より細孔径の大きなフィルター26を設置する、あるいはフィルターがない構造として、燃料供給口9と燃料排出口10の間において燃料と二酸化炭素の流動抵抗差をもたせて、燃料供給口9の圧力損失(△Pin)が、燃料排出口10の圧力損失(△Pout)より大きくして燃料と二酸化炭素の移動する方向を制御することができる。また、フィルターの代わりに多孔体、繊維束(糸)9(図21)、流路突起28(図22)等を使用することもできる。フィルター25,26は、浸水性に処理されたカーボン、親水性に処理されたセラミックス等が使用できる。また、繊維束27は、親水性を有するポリエステル繊維、綿糸等が使用できるがこれらに限定されたものではない。流路突起28は、流路板自身に凹凸構造を作り流動抵抗を持たせることができる。
(燃料輸送管)
流路板6の燃料排出口10に接続される燃料輸送管8は、できるだ使用燃料に対する耐薬品性があると同時に耐圧性があることが望ましい。燃料貯蔵槽11から燃料電池セル21あるいはスタックの燃料供給口9まではできるだけ断面積が広い燃料輸送管8が適している。
(気液分離膜)
気液分離膜は、親水性の水、メタノールが分離されるように撥水性の多孔体などが使用できる。例えば、PTFE多孔体(フロンケミカル社製)、ゴアテックス(ジャパンゴアテックス(株)社製、登録商標)、バーサポア(日本ポール社製、登録商標)、スーポア(日本ポール(株)社製、登録商標)などが使用できる。また、気液分離膜を介して気液分離部14が接続されており、排出燃料中の液体燃料および水だけを燃料貯蔵槽11に戻す。
(弁)
生成二酸化炭素は、排気速度が調整可能な弁13から排出される。
弁は、二酸化炭素17の生成速度が燃料電池の電流量に比例するため、電流量により二酸化炭素の排出速度をバルブ等により変えることができる機構を有していることが好ましい。二酸化炭素の生成速度に対して排気口20での排気速度が遅いと、燃料輸送管および流路内の圧力が上昇し、二酸化炭素の生成速度と排気口からの二酸化炭素の排出量が定常化するまで圧上昇が生じるため望ましくない。生成二酸化炭素の燃料排出口10からの排出が周期をもって生じるその周期内の時間で、燃料輸送管8内の生成二酸化炭素が排気口20から排出する程度の開口が望ましい。また、弁13の開口部面積の調整は、バルブ式、スライド扉方式等にて機械的に可変してもかまわず、特に方式を限定するものではない。
(燃料貯蔵槽)
燃料貯蔵槽11の形状等は、特に限定されていない。但し、燃料貯蔵槽11の内表面は燃料16に対して耐薬品性を有し、燃料16に対して化学的、物理的に安定な材料からなる容器が望ましい。また、二酸化炭素の排出による圧力にて変形しない強度が必要であり、水や液体燃料の溶解、拡散の少ない材料であれば特には限定されない。例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)などの高分子樹脂類やガラスや、アルミニウム、ステンレスといった金属類が使用できる。
(燃料)
燃料16には例えば、メタノールのように酸化されやすい物質を用いることが可能である。メタノール水溶液の濃度は、燃料のエネルギー密度の観点から100%に近い濃度の燃料が望まれるが、現状開発されている固体電解質膜の多くは、高濃度燃料を使用するとメタノールが固体電解質膜をクロスオーバーし発電効率を低下させる。また、電解質膜のプロトン伝導性が膜中の含水状態に大きく左右されるため3M程度の低濃度燃料濃度が比較的適している。燃料16は、例えばメタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジメチルエーテル、エタノール、エチレングリコール等を用いることができる。
<本発明の作用>
(流路板中の燃料、二酸化炭素の移動現象)
流路19内の燃料16の移動現象を図7および図8(図7のA部の拡大図)に示す。
図8(a)は、固体電解質膜にアノード触媒層、カソード触媒層を接合させた後に集電体とガス拡散層を一体化したMEAを取り付けた断面を示した図である(図では、アノード集電体5、アノード触媒層、固体電解質膜1、カソード集電体4、カソードガス拡散層2は省略)。流路板6は、親水性を有し燃料貯蔵槽11から毛管力により燃料が流路内部に吸い上げられた状態を示している。
図8(b)は、下記の発電反応
式:CH3OH+H2O→CO2+6H+6e-
により、アノード極の触媒層で二酸化炭素ガス17が発生し、流路板6の流路19中には燃料、発電後の燃料濃度が低下した燃料、生成二酸化炭素の気液が混合した状態になって存在している。流路板6の流路19内では、二酸化炭素ガス17が燃料とともに流動抵抗の低い燃料排出口10に移動し易く、燃料排出口10において一定の水泡の大きさ、圧に達すると燃料と二酸化炭素が飛散する。
すると、図8(c)に示すように流路板6の流路19内やアノードガス拡散層3内が一旦周囲に比較して圧力が低い状態となり、図8(d)のように燃料供給口9から燃料を吸い込み新しい燃料が流路に供給される。水泡の飛散の間隔は、流路9の断面積、形状、二酸化炭素の生成速度(電流)、燃料電池セルの大きさ、燃料排出口の濡れ性、燃料の物性等により左右される。この状態が繰り返され、新しい燃料が連続的に供給される。
本発明に係る燃料電池24は、図8(a)から図8(d)のサイクルにより二酸化炭素を駆動元として、連続的に燃料が燃料電池内を循環する。燃料が循環することにより、発電により所定の燃料濃度より低下した燃料が流路板6の流路19に滞留する量が減り、新たに燃料が供給される。燃料の循環が少ない従来の方式に比較して、発電に必要な燃料を多く供給することができ持続発電時間が向上する。
また、本発明に係る燃料電池24は、燃料供給口9から排出される二酸化炭素17が抑制されるため燃料貯蔵槽11から燃料供給口9にいたる間の燃料輸送管8への二酸化炭素17の蓄積を防止でき、生成二酸化炭素による燃料供給の阻害を防止できる。(図14は、本発明の構造をなしていないため流路断面積の制御がされず燃料供給口9からも二酸化炭素17が排出され、燃料の供給が阻害されている説明図である)そのため、燃料貯蔵槽11と燃料供給口9間に二酸化炭素17排出のための回収システムを設ける必要がなく、燃料電池の小型化及び構造の簡略化が可能となる。(図15は、本発明の構造をなしていないため、燃料供給口9に蓄積した生成二酸化炭素17の除去機構20が必要な構造の説明図。)
さらに、生成した二酸化炭素17が燃料貯蔵槽11を介して排気されないため、排気二酸化炭素中に比較的濃度の高い燃料ガスの混入を防止でき、毒性物質である燃料の燃料電池系外への排出量を低減できる。そのため、排出ガス中の除去すべき燃料ガス量が減りシステムの簡便化、低コスト化がしやすくなる。
(燃料供給促進動作)
燃料電池系内における燃料供給を促進する動作を図9に示す。燃料電池の燃料排出口10より間欠的に排出された二酸化炭素が排出された瞬間、弁13の排出抵抗が大きいために、燃料貯蔵槽11と燃料排出口10と燃料貯蔵槽11を接続する燃料輸送管8の間に一瞬、圧がかかり前記二酸化炭素が弁13から徐々に排出され少しずつ大気圧に近づく。その圧力変動により燃料貯蔵槽11内の燃料16の液面の上下運動が生じ、その結果として、流路板6の燃料供給口9において流路板6への燃料16の出入りが生じ強制対流による新燃料が流路19中に供給される。
弁13の排気速度を調節することにより、燃料貯蔵槽11中の燃料の液面に加わる圧力を、燃料排出口10から間欠的に排出される二酸化炭素の排出周期の中で変化させることができる。二酸化炭素17の飛散する周期内で燃料排出口10と燃料貯蔵槽11を接続する燃料輸送管8内部が大気圧になるように弁13の開口度を調節することにより連続的に燃料供給口9において燃料移動の脈動が生じる。
弁13の開口度は、燃料電池の取り出し電流量、間欠飛散の程度により調節することができる。
燃料供給時の燃料電池系内は以下のように状態が変化する。
(1)発電により流路板6の流路19中における二酸化炭素17の圧力は徐々に上昇する。
(2)毛管力により流路板6の流路19中に充満した燃料は二酸化炭素17の圧により燃料供給口9および燃料排出口10に押しやられる。但し、燃料排出口10の流動抵抗に比較して燃料供給口9の流動抵抗が大きいことと二酸化炭素の浮力により燃料排出口10から燃料と二酸化炭素の水泡が排出され、一瞬排気系(燃料排出口10と燃料貯蔵槽11を接続する燃料輸送管8内部)の圧力が上昇する。
(3)排気系の圧力が上昇することにより、燃料貯蔵槽11の液面に加わる圧力が上昇する。
(4)結果、燃料供給口9の液面が一旦燃料電池セルあるいはスタックの流路19中に入りこみ燃料濃度の高い流体が一旦供給される。
(5)流路19中に供給された高い濃度の燃料は、発電の進行により低濃度化した流路19内の燃料と混ざり燃料濃度を高める。そして、排気系の圧力が大気圧まで戻るとともに燃料貯蔵槽11の圧力も大気圧まで低下して流路板6の流路19中の燃料が一旦燃料貯蔵槽11側に戻る。
(6)流路板6の流路19中から燃料貯蔵槽11側に戻った低濃度の燃料は、もともと燃料貯蔵槽11に投入された高濃度の燃料により流路板中の低濃度の状態から高濃度化され、再度燃料供給動作を繰り返す。
排気系の二酸化炭素17の圧力変動により上記の現象が生じ、燃料供給を促進させることができる。
以上の燃料の挙動により燃料移動速度が遅い拡散のみの燃料供給から、燃料が燃料電池セルあるいはスタックの流路に出入りすることにより拡散に比較して移動量が遥かに多い対流を伴う燃料供給になり、パッシブ燃料供給において燃料供給律速に成り難く、安定した発電状態が得られる。
<燃料電池の製造方法>
(カソード集電体、カソードガス拡散層、カソード触媒層の接合)
カソード集電体4、カソードガス拡散層2、カソード触媒層の接合は、まず、カソード集電体4とカソードガス拡散層2のマイクロポーラスレイヤーを常温プレスにて接合する(カソード集電体−カソードガス拡散層接合体)。次に固体電解質膜1のカソード触媒層とカソード集電体−カソードガス拡散層接合体をホットプレス等により接合する。
(アノード集電体、アノードガス拡散層、アノード触媒層の接合)
アノード集電体5、アノードガス拡散層3、アノード触媒層の接合は、まず、アノード集電体4とアノードガス拡散層3が接合される。アノードガス拡散層3のマイクロポーラスレイヤー(MPL)にアノード集電体5を常温プレスにて接合した後、固体電解質膜1のアノード触媒層とホットプレス等により接合してもかまわない。但し、アノード極は親水性が望ましいためMPLなしのアノードガス拡散層3を使用する場合は、親水性処理したアノードガス拡散層3にプロトン伝導性の溶液、例えばナフィオン溶液をスクリーン印刷等にて塗布し乾燥させた後、アノード集電体5とホットプレスした後に固体電解質膜1のアノード触媒層にホットプレスにて接合する。
(流路板と集電極付き膜電極接合体の接合)
上記の集電体とガス拡散層と固体電解質膜が一体化された集電極付き膜電極接合体(MEA)は、燃料を供給できる構造を構成するため流路板6に接続され、燃料供給口9、燃料排出口10が設けられた燃料電池セルを構成する。アノードガス拡散層3と流路板6の接合は、流路の燃料が直接流れない土手部に燃料に対して耐薬品性を有する接着剤をスポットあるいは全面に塗布した後接合される。その後、固体電解質膜1の周囲と流路板6を封止剤18にて接合する。これによりガス拡散と流路板の間の剥離および燃料の外部への漏れを防止できる。
なお、燃料電池スタックを使用する場合は、前記燃料電池セルの流路を並列または直列に接続してなる燃料電池層を積層して燃料電池スタックを作製する。
(気液分離部、弁、燃料貯蔵槽、燃料電池セルまたは燃料電池スタック等の接続)
前記の燃料電池セルの燃料排出口10を燃料輸送管を介して気液分離部14、燃料貯蔵槽11に接続する。気液分離部14は、弁13に接続する。また、前記の燃料電池セルの燃料供給口9は燃料輸送管を介して燃料貯蔵槽11に接続し、本発明の燃料電池を得る。
(実施例1)
固体電解質膜(ナフィオン117:デュポン製)のアノード(燃料)極側に炭素系粉末担体に白金とルテニウムの混合金属の微粒子を分散担持したアノード触媒層を、そしてカソード(空気)側に炭素系担体に白金微粒子を分散担持したカソード触媒層を形成した。次にアノードガス拡散層(31AA:SGLカーボン製)を約67%硝酸で煮沸し親水化処理し、20wt%ナフィオン水溶液をスクリーン印刷した後に、70ミクロン線径の金メッシュをホットプレスにて接合した。一方、カソードガス拡散層(GDL25BC:SGLカーボン製)に70ミクロン線径の金メッシュを常温にてプレスした。そして、上記、集電体付きアノードガス拡散層、触媒接合固体電解質膜、集電体付きカソードガス拡散層を130℃でホットプレスにて接合した。そして、幅20mm、長さ54mm、厚み300μmのステンレス板に深さ200μm、幅1mmの流路を1.5mmピッチにて13本設けた流路板を空気雰囲気下にて高温状態で2時間放置した。その後、上記の集電極が一体された膜電極接合体(MEA)をエポキシ系の接着剤を使用して接合し、更に固体電解質膜とステンレス製の流路板の周囲を接着剤にて封止した。
流路板の燃料供給口には耐メタノール性のある接着剤を用いて、燃料排出口に比較して流動抵抗が生じるように流路面積の約3分の1程度を接着にて流路を狭めた。ポリプロピレン製の20cc程度の燃料貯蔵槽と燃料供給口をチューブにて接続し、また、流路板の燃料排出口と燃料貯蔵槽を接続し、途中にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の多孔体で気液分離し0.6ミリ径の排気穴を3個設けた。取り出し電流67mA/cm2で定電流負荷試験をした結果、図11の実施例1に示すように約20分の安定発電をした。
(実施例2)
実施例2として、実施例1と同様のセルを使用し、異なる点として燃料排出口を燃料貯蔵槽に接続していない(排気系が完全に大気開放状態)燃料電池を作製した(図12)。実施例1と同条件にて連続発電試験を実施した。結果、図11の実施例2に示すように15分程度で出力が低下してきた。
(比較例1)
比較例1として、実施例1と異なる点として流路板に絞り部(流動抵抗)を付けず(流路板中の燃料供給口と燃料排出口の流路の断面積が等しい)に、そして燃料排出口を燃料貯蔵槽に接続していない(排気系が完全に大気開放状態)燃料電池を作製した(図13)。実施例1と同条件にて連続発電試験を実施した。結果、図11の比較例1に示すように10分程度で出力が低下してきた。
(比較例2)
次に実施例1において気液分離部を介して排出する排気口において0.6mm系の穴3個を大きな穴に変えて、実施例1と同様の評価をした結果、排気二酸化炭素の排出圧による燃料貯蔵槽の燃料の大きな液面の動きが生じず、定電流付加による連続発電試験において出力低下が多少早かった。
次に排気口の開口面積を低下させ二酸化炭素の排出速度を低下させ同様の実験をした結果、燃料面の上下動が見られるとともに定電流負荷による連続発電試験において安定した出力時間が改善された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の燃料電池の構造図である。 本発明の燃料電池セルの模式図である。 本発明の燃料電池層の模式図である。 本発明の燃料電池スタックの模式図である。 本発明の燃料電池層の模式図である。 本発明の燃料電池スタックの模式図である。 本発明の燃料電池の構造図である。 本発明の流路内の燃料、二酸化炭素の挙動の1例を示す図である。 本発明の燃料電池の構造図である。 本発明におけるセル、流路、燃料貯蔵槽における燃料挙動を説明する図である。 実施例1、2および比較例1による発電試験比較(比較図)である。 実施例2の構造図である。 比較例1の構造図である。 本発明の構造を有していないため、二酸化炭素の蓄積により燃料供給が阻害され発電が低下する説明図である。 本発明の構造を有していないため、別に二酸化炭素の排出機構を必要としシステムが複雑化する説明図である。 本発明の構造を有していないため、気液分離部を2箇所必要とする説明図である。 流路幅と吸い上げ高さの関係図である。 従来技術の説明図である。 従来技術の説明図である。 本発明の燃料電池の構造図である。 本発明の燃料電池の構造図である。 本発明の燃料電池の構造図である。 圧力損失の測定方法の一例を示す模式図である(圧力計を使用する測定方法)。 圧力損失の測定方法の一例を示す模式図である(U字型マノメータを使用する測定方法)。
符号の説明
1 固体電解質膜、2 カソードガス拡散層、3 アノードガス拡散層、4 カソード集電体、5 アノード集電体、6 流路板、7 液体輸送ポンプ、8 燃料輸送管、9 燃料供給口、10 燃料排出口、11 燃料貯蔵層、12 燃料供給多孔体、13 弁、14 気液分離部、15 絞り部、16 燃料、17 二酸化炭素、18 封止剤、19 流路、20 排気口、21 燃料電池セル、22a,22b,221a,222a 燃料電池層、23a,23b 燃料電池スタック、24 燃料電池、25 細孔径の小さいフィルター(または多孔体)、26 細孔径の大きなフィルター(または多孔体)、27繊維束(糸)、28 流路突起、29 圧力計(燃料排出口の排出管側)、30 圧力計(燃料排出口の流路板側)、31 圧力計(燃料供給口の流路板側)、32 圧力計(燃料供給口の供給管側)、33 小孔、34 燃料排出口のU字管マノメータ、35 燃料供給口のU字管マノメータ、36 封液。

Claims (2)

  1. カソードガス拡散層、カソード触媒層、固体電解質膜、アノード触媒層およびアノードガス拡散層を前記の順で有し、
    前記アノードガス拡散層に燃料供給口と燃料排出口を有する燃料流路が形成されたアノード流路板が接合され、
    前記燃料流路の燃料供給口における断面積が前記燃料排出口における断面積より小さく、
    前記燃料排出口が気液分離部と燃料貯蔵槽に前記の順に連結され、かつ
    前記燃料貯蔵槽が前記燃料供給口に連結されてなる燃料電池であって、
    前記気液分離部に連結された弁、燃料電池の発電により生成する二酸化炭素の排出周期内で前記燃料排出口と前記燃料貯蔵槽とを接続する燃料輸送管内部が大気圧になるように前記弁の開口度が調節される、燃料電池。
  2. カソードガス拡散層、カソード触媒層、固体電解質膜、アノード触媒層およびアノードガス拡散層を前記の順で有し、
    前記アノードガス拡散層に燃料供給口と燃料排出口を有する燃料流路が形成されたアノード流路板が接合され、
    前記燃料流路の燃料供給口の圧力損失が前記燃料排出口の圧力損失より大きく、
    前記燃料排出口が気液分離部と燃料貯蔵槽に前記の順に連結され、かつ
    前記燃料貯蔵槽が前記燃料供給口に連結されてなる燃料電池であって、
    前記気液分離部に連結された弁、燃料電池の発電により生成する二酸化炭素の排出周期内で前記燃料排出口と前記燃料貯蔵槽とを接続する燃料輸送管内部が大気圧になるように前記弁の開口度が調節される、燃料電池。
JP2008196154A 2008-07-30 2008-07-30 燃料電池 Expired - Fee Related JP5317100B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008196154A JP5317100B2 (ja) 2008-07-30 2008-07-30 燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008196154A JP5317100B2 (ja) 2008-07-30 2008-07-30 燃料電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010033938A JP2010033938A (ja) 2010-02-12
JP5317100B2 true JP5317100B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=41738164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008196154A Expired - Fee Related JP5317100B2 (ja) 2008-07-30 2008-07-30 燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5317100B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2834870B1 (en) * 2012-04-04 2015-09-16 Nissan Motor Co., Ltd. Membrane electrode assembly, fuel cell, fuel cell stack, and method for manufacturing membrane electrode assembly
CN106711472A (zh) * 2017-01-20 2017-05-24 爱德曼氢能源装备有限公司 一种燃料电池双极板结构

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3787118B2 (ja) * 2002-11-22 2006-06-21 株式会社東芝 燃料電池
JP2006292474A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Kwansei Gakuin 濃度測定装置及びそれを用いた燃料電池システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010033938A (ja) 2010-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080070076A1 (en) Fuel cell and fuel cell system, and electronic device
JP5519858B2 (ja) 直接酸化型燃料電池システム
US9601789B2 (en) Self-pumping membraneless fuel cell
JP5105756B2 (ja) 燃料電池
JP2006173127A (ja) 直接液体燃料電池用の燃料供給装置
US20110275003A1 (en) Fuel cell
JP5317100B2 (ja) 燃料電池
JP5806862B2 (ja) 直接アルコール型燃料電池システム
JP5901892B2 (ja) 燃料電池
JP2009123441A (ja) 燃料電池
JPWO2008023634A1 (ja) 燃料電池
JP2008235026A (ja) 燃料分布調整方法、燃料分布調整膜、燃料分布調整膜の製造方法、燃料電池、および燃料電池の製造方法
JP2009146864A (ja) 燃料電池
JP2010033839A (ja) 燃料電池
JP2010040174A (ja) 燃料電池スタック
JP5685463B2 (ja) 燃料電池
JP2011096468A (ja) 燃料電池
JP2010170938A (ja) 燃料電池
JP2009170406A (ja) 燃料電池
JP5517203B2 (ja) 燃料電池およびこれを用いた燃料電池スタック
JP2009164009A (ja) 燃料電池
JP5675455B2 (ja) 燃料電池
JP2015228278A (ja) 直接酸化型燃料電池システムおよびこれに用いる回収タンク
JP4744291B2 (ja) 燃料電池
JP2010073607A (ja) 燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130312

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130703

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees