JP2006004784A - 燃料電池装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】全体をコンパクトに小形に形成することができ、発電効率のよい燃料電池装置を提供する。
【解決手段】燃料として液体燃料が使用される燃料電池〔例えばMEA構造の直接メタノール形燃料電池(DMFC)3〕が採用された燃料電池装置C1。電池装置C1では、液体原燃料(DMFCではメタノール含有液)を希釈用液で希釈して希釈液体燃料を供給する。電池本体3の燃料極32に多孔板13を介して燃料供給ユニット1が積層されており、該電池の空気極32に第2ポンプユニット2が積層されている。ユニット1は多孔板13へ開放された燃料プール室120及び第1ポンプユニット1Pを有している。ポンプユニット1Pは、液体原燃料と希釈用液とを混合希釈しながら希釈液体燃料をプール室120供給し、さらに多孔板13の孔131を経て燃料極32の全体に均等状に供給する。ポンプユニット2は電池3における電気化学反応で生成される液体(DMFCでは希釈用液として使用できる水)等を回収する。
【選択図】 図2

Description

本発明は燃料電池装置、特に直接メタノール形燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)のように燃料として液体燃料を用いる燃料電池を利用した燃料電池装置に関する。
ユビキタス社会の幕開けとともに電池の長寿命化に対する要求が高まってきている。従来のリチウム電池はその理論限界に近づきつつあり、これ以上の大幅な性能向上は望めなくなりつつある。そんな中、重量(容積)あたりのエネルギー密度の高さから従来の電池に比べて大幅な長寿命化が可能な燃料電池が注目されている。
燃料電池の中でも特に(1) 構造が簡単、(2) 水素スタンドのような大規模なインフラ整備を要することなく燃料の入手が容易、(3) 低コスト、低温での動作が可能などの点から、例えば携帯機器(ノート形パーソナルコンピュータ、携帯電話器等)向けの燃料電池として適していると言える直接メタノール形燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)が注目されており、盛んに研究されている。
DMFC型燃料電池を採用した燃料電池装置は燃料供給の方法により二つのタイプに分類される。一つはアクティブ型と呼ばれるもので、電池への燃料供給をポンプにより行うタイプであり、もう一つはパッシブ型と呼ばれるもので、ポンプを用いずに毛細管力等により燃料を供給するタイプである。
ここでDMFCの反応式を示す。
燃料極側での反応:CH3 OH+H2 O→CO2 +6e- +6H+
空気極側での反応:(3/2) O2 +6H+ +6e- →3H2
全反応 :CH3 OH+(3/2) O2 →CO2 +2H2
この反応式によればメタノールと水は燃料極で等モルで反応し、CO2 と6個の電子とプロトンを生成し、CO2 は外部に排出され、電子は外部回路を通って空気極(酸素極)へ、プロトンは電解質膜を通って空気極(酸素極)へそれぞれ別ルートで移動し、そこで反応して水分子3個を生成する。全反応としてはCO2 と2分子のH2 Oを生成する。
かかる直接メタノール形燃料電池のように燃料として液体燃料を用いる燃料電池を利用した燃料電池装置では、様々の損失が発生し、発電効率を下げる原因となっている。かかる損失の一つに拡散分極がある。これはアノード(燃料極)側における燃料濃度分布の不均一、換言すればアノード各部間での燃料濃度差によるもので、発電効率を上げるにはアノード(燃料極)各部にできるだけ均一に燃料を分散供給して、かかる濃度差発生を抑制することが望まれる。
この点、特開2002−56858号公報は、燃料電池のアノード(燃料極)へ供給される燃料の流れを1又2以上の多段化プレートで分岐させ、該プレートにより燃料がアノード各部に分散供給されるようにし、各プレートにはアノードへの燃料出口として、矩形、三角形等の形状の開口部を設けたり、円形、楕円形等の穴を分散形成することを開示している。
また、直接メタノール形燃料電池に着目すると、実際に燃料極に供給される燃料として通常濃度が3〜5%と低濃度のメタノール水溶液が用いられる。その理由は、メタノールが燃料極で上記の反応を起こさないまま電解質膜を透過して空気極へ到達してしまうクロスオーバーという現象を防ぐためである。クロスオーバー現象は燃料中のメタノール濃度が高いほど起こりやすい。このようなクロースオーバー現象が発生すると、DMFCの二つの極(燃料極及び空気極)のうち燃料極で起こるべきメタノールの反応が空気極でも起こり、燃料の無駄と空気極側の電位低下による電池効率の著しい低下が起こる。従って、通常上記の低濃度のメタノール水溶液が用いられる。
このようにDMFCでは燃料極へ低濃度メタノール水溶液を供給するのであるが、前記のアクティブ型燃料電池装置では、空気極側で生成される水及び燃料極側からの移動水を回収してこの水で高濃度メタノール水溶液を希釈しながら燃料極に供給する燃料希釈循環形のシステムを構築することが可能である。
1例として図13の発電システムを示すことができる。図13のシステムでは、通電されるべき負荷Lが燃料電池Cに接続されており、電池の外部に燃料タンクt1、回収タンクt2及びミキサー(混合タンク)MXが設けられていて、これらは配管により燃料電池Cに接続されている。燃料電池Cの空気極側で生成される水及び燃料極側からの移動液はポンプPM3で回収タンクt2へ回収される。発電にあたっては、燃料タンクt1からポンプPM1で高濃度メタノール水溶液を、回収タンクt2からポンプPM2で希釈用液を、それぞれミキサーMXへ供給し、そこでそれらを混合することで高濃度メタノール水溶液を希釈しつつ、該希釈されたメタノール水溶液を電池の燃料極へ供給する。燃料極へ供給された燃料のうち過剰分は回収タンクt2へ回収される。
燃料極へ供給する燃料中のメタノール濃度を適正化するために、ミキサーMXから電池へ向かう燃料のメタノール濃度を濃度検出センサDSで検出し、この検出値に基づいてコントローラCONTがポンプPM1、PM2の動作をコントロールするようにし、これによりミキサーへ供給する高濃度メタノール水溶液の量と希釈液の量の割合を調整することも可能である。
このシステムによると、燃料タンク中の燃料のメタノール濃度を上げることが可能になり、例えば60wt%メタノール水溶液を用いれば当初から3wt%〜5wt%メタノール水溶液を用いる場合に比べて略1/20〜1/12に燃料タンクを小さくすることができる。
この他、例えば、特開2003−132924号公報には、メタノールタンクから、このタンクに付設されたバルブの操作により高濃度メタノール水溶液を希釈タンクへ供給する一方、燃料電池本体の空気極で生成された水を該希釈タンクへ回収し、該希釈タンクにおいてメタノールタンクからのメタノール水溶液を回収水で希釈し、希釈されたメタノール水溶液を電池の燃料極へ供給することが開示されている。
さらに、該希釈タンクにおけるメタノール水溶液のメタノール濃度を検出し、その検出結果に基づいて前記バルブの開き量を調整することでメタノールタンクから希釈タンクへ供給する高濃度メタノール水溶液量を調整し、それにより燃料極へ供給するメタノール水溶液のメタノール濃度を制御することも開示されている。
また、特開2003−346846号公報には、電池本体の外部に設けた混合室へ、メタノールタンクからメタノールを、さらに電池本体から未使用メタノール溶液や副生成物をそれぞれ流入させるとともに該混合室内燃料を電池へ導くための回路を設け、電池本体の燃料導入室或いはそれに通じる液通路の容積をそれらに対して設けた圧電アクチュエータで増減させることで該回路に燃料を循環させることが開示されている。この燃料電池装置においても、メタノールタンクに高濃度メタノール水溶液を収容しておき、これを電池本体から混合室へ回収されてくる水で希釈し、該希釈メタノール水溶液を燃料として用いることが可能であると考えられる。
特開2002−56858号公報 特開2003−132924号公報 特開2003−346846号公報
しかしながら、特開2002−56858号公報に記載されているように、発電効率を向上させるための多段化プレートを燃料極に対して設ける場合、該プレートが1枚だけでは、燃料をアノード各部に対し均一に供給することは実際には困難であると考えられる。特にアノード面積が大きくなってくると困難になると考えられる。従って、アノード各部に対する燃料の均一な供給のためには複数枚のプレートが必要になってきて、それでは電池本体に直接付随する燃料流路構成部分の構造が複雑化し、厚みが増し、薄形化が求められる携帯機器用の電池としては不向きになる。
また、図13に例示するようなアクティブ型燃料電池装置は、電池本体以外に燃料供給、希釈用液供給、液回収用と三つのポンプ、さらに、高濃度メタノール水溶液と希釈用液とのミキシング機構(ミキサー)が必要となり、装置が大型化、複雑化し、例えば携帯機器用の電池装置には不向きである。
なお、燃料電池装置の大型化を抑制するためにポンプを必要としないパッシブ型DMFCを採用した高濃度メタノール水溶液希釈型の装置が考えられるが、各液の流量等についての積極的な制御を行えない難点がある。
また、特開2003−132924号公報や特開2003−346846号公報に開示された燃料電池装置では、電池本体以外に高濃度メタノール水溶液と水とのミキシング機構(ミキシング用のタンク)を必要とし、それだけ装置が大型化する。
図13に例示する燃料電池装置や、特開2003−132924号公報、特開2003−346846号公報に開示された燃料電池装置は、直接メタノール形燃料電池が採用され、メタノール含有液を希釈用液で希釈して該希釈燃料を該電池の燃料極へ供給するタイプの燃料電池装置であるが、一般的に言って、燃料として液体燃料が使用される燃料電池が採用され、該液体燃料を希釈用液で希釈して該希釈液体燃料を該電池へ供給するタイプの燃料電池装置においては、液体燃料と希釈用液とを混合するミキシング機構(例えば混合タンク)が電池本体外に必要となり、該ミキシング機構のために燃料電池装置が大型化するという難点がある。
そこで本発明は、先ず、燃料として液体燃料が使用される燃料電池が採用された燃料電池装置であって、発電効率良好で、その割りには該電池に直接付随する液体燃料流路の構成部分を薄形に形成できる燃料電池装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、燃料として液体燃料が使用される燃料電池が採用され、液体原燃料を希釈用液で希釈して該希釈液体燃料を該電池へ供給する燃料電池装置であって、従来の同タイプの燃料電池装置と比べると、全体をコンパクトに小形に形成することができ、しかも、全体のコンパクト化、小型化を達成しつつ発電効率についても良好な燃料電池装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、かかる燃料電池装置の1例として、直接メタノール形燃料電池が採用され、液体原燃料であるメタノール含有液を希釈用液で希釈して該希釈液体燃料を該電池へ供給するタイプの燃料電池装置であって、従来の同タイプの燃料電池装置と比べると、全体をコンパクトに小形に形成することができ、しかも、全体のコンパクト化、小型化を達成しつつ発電効率についても良好な燃料電池装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は次の燃料電池装置を提供する。
(1)第1の燃料電池装置
燃料として液体燃料が使用される燃料電池が採用された燃料電池装置であり、燃料供給ユニットが該電池の燃料極に多孔板を介して積層されており、該燃料供給ユニットは該多孔板に対向する面に該多孔板へ開放された燃料プール室及び該燃料プール室へ液体燃料を供給する燃料供給口を有しており、該多孔板には該燃料プール室から供給される液体燃料が該燃料極の全体にわたり均等状に供給されるように孔分布及びそれぞれの孔サイズが定められた複数の燃料供給孔が分散形成されている燃料電池装置。
ここで「孔分布」とは孔分布密度(単位面積当たりの孔個数)や、千鳥状配列、同心円状配列等の燃料供給孔の配列等の分布態様などを指している。
この燃料電池装置によると、燃料供給ユニットの燃料供給口から燃料プール室に供給された液体燃料は、多孔板に分散形成された複数の燃料供給孔から電池燃料極の全体にわたり均等状に供給されるので、燃料極側における燃料濃度分布の不均一、換言すれば燃料極各部間での燃料濃度差発生が抑制され、それだけ効率よく発電できる。
また、多孔板は板体であるので薄形に形成でき、燃料プール室を有する燃料供給ユニットにしても、かかる多孔板が無ければ燃料極各部へ液体燃料をできるだけ均等に供給するために該燃料プール室の容積大きくしなければならないところ、ここでは燃料プール室内へ供給されてくる液体燃料は多孔板により電池燃料極へ均等状に供給できるので、該燃料プール室は薄形に、従って燃料供給ユニットもそれだけ薄形に形成することが可能であり、かくしてこの燃料電池装置は例えば携帯機器用の電源として適する薄形に形成できる。
多孔板の燃料供給孔は、燃料プール室内の液体燃料を電池燃料極の全体に均等状(均一状)に供給できるのであれば、同サイズのものを同分布密度(同じ単位面積あたりの個数)で形成されていてもよいが、必要に応じ、或いはより確実に燃料極全体へ燃料を均一に供給するために、例えば次のように形成してもよい。
(1) 孔分布密度はどこも同じであるが、燃料供給口から遠ざかるに従って孔サイズを次第に大きくする。
(2) 孔サイズはいずれも同じとし、燃料供給口から遠ざかるに従って孔分布密度を次第に増加させる。
(3) 孔サイズと孔分布密度の組み合わせにより、燃料供給口から遠ざかるに従って次第に単位面積あたりの孔開口面積合計を増加させる。
(4) 燃料プール室の構造に応じて、孔サイズ及び( 又は) 孔分布を調整する。例えば燃料プール室の構造に応じて燃料プール室中央領域に対応する燃料供給孔のサイズを最も大きくし、その周辺領域の孔のサイズをそれより小さくしていく場合である。
燃料プール室は一つの空間を提供するように形成してもよいが、前記燃料供給口から供給される液体燃料を該燃料プール室内に全体的に、より好ましくは全体に均等状に分配する流路制御壁が形成されていてもよい。
かかる流路制御壁として、燃料供給口に臨む部位から燃料供給口から遠ざかる部位へ向かって櫛状に延びる壁、燃料供給口に臨む部位より内側で、且つ、燃料プール室の内周壁に沿って環状に形成され、該環状壁の外側から内側へ通じる流路を分散形成した環状壁、或いはさらに該流路が燃料供給口から遠ざかるほど壁の単位長さあたり多く形成された該環状壁などを例示できる。
(2)第2の燃料電池装置
前記第1の燃料電池装置において、前記燃料供給ユニットが前記多孔板に対向する燃料プール室が形成された面とは反対側部分に第1ポンプユニットを有しており、該第1ポンプユニットは液体原燃料と希釈用液とを混合して希釈液体燃料を生成しつつ該希釈液体燃料を前記燃料プール室へ前記燃料供給口を介して供給するものである燃料電池装置。
第2の燃料電池装置によると、第1ポンプユニットは液体原燃料と希釈用液とを混合して該液体燃料を希釈しながら希釈液体燃料を燃料電池へ供給するものであるとともに該第1ポンプユニットは燃料電池に前記多孔板を介して積層されている燃料供給ユニットに一体化されている。従って、液体原燃料と希釈用液とを混合するためのミキシング機構を燃料電池外に離して設ける必要がないとともに該ミキシング機構と燃料電池とを接続する配管も必要としない。よってそれだけ燃料電池装置全体をコンパクトに小形に形成することができ、例えば、携帯用機器の電源としても利用できる。しかも、前記第1の燃料電池装置と同様に、多孔板を採用しているので発電効率が良好である。
この燃料電池装置は、燃料電池の空気極側に第2ポンプユニットを積層してもよい。この場合、第2ポンプユニットは少なくとも燃料電池における電気化学反応により生成される液体を回収するものである。第2ポンプユニットは燃料極側から、電池の電解質膜等の部材を通過してきて空気極側へ移動してきた液体をさらに回収するものであってもよい。 かかる第2ポンプユニットも燃料電池に積層され、燃料電池と一体化されるから、これを設けても燃料電池装置の小形化の妨げにはならない。しかも、第2ポンプユニットにより、少なくとも燃料電池における電気化学反応により生成される液体を回収できるため空気極の触媒表面がこれらの液体で覆われることなく空気(酸素)の供給が妨げられないので、装置の発電性能を良好に維持することができる。
可能であるならば、第2ポンプユニットで回収する液体を前記の希釈用液として用いてもよい。この場合、第2ポンプユニットは少なくとも燃料電池における電気化学反応により生成される液体を回収し、燃料電池、燃料極側の多孔板及び燃料供給ユニット並びに空気極側の第2ポンプユニットの積層体中に形成された希釈用液循環路を介して第1ポンプユニットへ供給するものとしてもよい。
或いは、第2ポンプユニットは、回収した液体(希釈用液)を回収容器へ送るものとし、該回収容器から前記第1ポンプユニットへ希釈用液を供給するようにしてもよい。
また、回収容器を設ける場合、前記第1ポンプユニットは、過剰の希釈液体燃料を該回収容器へ送るものでもよい。
なお、希釈前の液体原燃料については、液体原燃料収容容器を設け、該容器から第1ポンプユニットへ液体原燃料を供給すればよい。かかる液体原燃料収容容器としては、代表例として、交換可能な容器、例えばカートリッジタイプの容器を挙げることができる。
燃料電池の構造等によっては、電気取り出しのための電極層を、燃料極に対向する多孔板及び(又は)空気極側のポンプユニットの生成水等回収流路形成部材を導電材料として形成するか、又はそれらが絶縁材料であれば、前記多孔板及び(又は)生成水等回収流路形成部材の電池への対向面に電極膜を形成してもよい。
いずれにしても、燃料電池装置の一層の小形化のために、燃料電池及び燃料供給ユニットはいずれも、また、第2ポンプユニットを設ける場合はそれも、平坦形状に形成されていることが好ましい。これにより、本発明に係る燃料電池装置を、アクティブ型装置でありながら、パッシブ型装置と略同等のサイズに形成することも可能になる。
いずれにしても、前記燃料供給ユニットは、前記電池の燃料極で発生するガスを前記燃料プール室を介して放出するためのガス抜き孔を有していてもよい。
また、該燃料供給ユニットにおける前記第1ポンプユニットの代表例として次のものを挙げることができる。すなわち、液体原燃料を供給するマイクロポンプを含む液体原燃料供給路、希釈用液を供給するマイクロポンプを含む希釈用液供給路及び該液体原燃料供給路と希釈用液供給路の双方に連通するとともに前記燃料プール室への燃料供給口に連通する液体混合路を有しているポンプユニットである。
この第1ポンプユニットは、後述するように平坦形状に薄型に形成することが可能である。
また、前記第2ポンプユニットとして次のものを代表例として挙げることができる。すなわち、空気極に対向する面に少なくとも燃料電池における電気化学反応により生成される液体の通路を有しており、該空気極に対向する面とは反対側部分に、該液体を回収するマイクロポンプを含む液体回収路を有しており、さらに該空気極に対向する液体通路から該液体回収路へ通じる通路を有しているポンプユニットである。
この第2ポンプユニットは、該空気極へ該液体通路を介して外部から空気を供給するための空気取り入れ孔を有していてもよい。
この第2ポンプユニットも、後述するように平坦形状に薄型に形成することが可能である。
いずれにしても、前記各マイクロポンプは、代表例として、液体を吸引するための第1絞り流路、液体を吐出するための第2絞り流路、該第1、第2の絞り流路間のポンプ室、該ポンプ室の、ダイアフラムとして機能し得る可撓性壁に設置された圧電素子を含んでおり、該圧電素子で該ポンプ室壁を振動させることでポンプ室を収縮膨張させて該第1絞り流路からポンプ室内へ液体を吸引し、該第2絞り流路からポンプ室内液体を吐出するポンプを挙げることができる。
このマイクロポンプも後述するように平坦形状に薄型に形成できる。
いずれにしても、前記燃料電池の代表例として、(1) 構造が簡単、(2) 水素スタンドのような大規模なインフラ整備を要することなく燃料の入手が容易、(3) 低コスト、低温での動作が可能などの点から、例えば携帯機器(ノート形パーソナルコンピュータ、携帯電話器等)向けの燃料電池として適していると言える直接メタノール形燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)を挙げることができる。
かかるDMFCを採用する場合、前記液体原燃料はメタノール含有液体燃料(例えば高濃度メタノール水溶液)であり、前記希釈用液は水を含む液体である。DMFCの空気極において生成される水等は希釈用液として利用できる。
また、かかるDMFCを採用する場合、それは、燃料電池装置の小形化のために、平坦形状に薄型化が可能な所謂膜・電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)構造のものとすることが好ましい。MEAは電解質膜を燃料極と空気極で挟んだ構造の燃料電池である。
以上説明したように本発明によると、燃料として液体燃料が使用される燃料電池が採用された燃料電池装置であって、発電効率良好で、その割りには該電池に直接付随する液体燃料流路の構成部分を薄形に形成できる燃料電池装置を提供することができる。
また、本発明によると、燃料として液体燃料が使用される燃料電池が採用され、液体原燃料を希釈用液で希釈して該希釈液体燃料を該電池へ供給する燃料電池装置であって、従来の同タイプの燃料電池装置と比べると、全体をコンパクトに小形に形成することができ、しかも、全体のコンパクト化、小型化を達成しつつ発電効率についても良好な燃料電池装置を提供することができる。
また、本発明によると、かかる燃料電池装置の1例として、直接メタノール形燃料電池が採用され、液体原燃料であるメタノール含有液を希釈用液で希釈して該希釈液体燃料を該電池へ供給するタイプの燃料電池装置であって、従来の同タイプの燃料電池装置と比べると、全体をコンパクトに小形に形成することができ、しかも、全体のコンパクト化、小型化を達成しつつ発電効率についても良好な燃料電池装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る燃料電池装置の1例C1を利用した発電システムを示している。
この燃料電池装置C1は、燃料電池3と、電池3に積層固定された多孔板13、第1ポンプユニットを備えた燃料供給ユニット1及び第2ポンプユニット2を含んでいる。
図2は燃料電池装置C1を示しており、さらに言えば、図2(A)は該装置の平面図、図2(B)は該装置の側面図、図2(C)は該装置の底面図である。
また、図3(A)は図2(B)のA−A線断面図、図3(B)は図2(B)のB−B線断面図、図3(C)は図2(B)のC−C線断面図、図3(D)は図2(B)のD−D線断面図、図3(E)は図2(B)のE−E線断面図である。
燃料電池3は、本例では直接メタノール形燃料電池(以下、「DMFC」と言うことがある。)であり、ここでは、電解質膜31の両面に燃料極32及び空気極33を接合したMEA(Membrane Electrode Assembly)構造のものである。MEAは各種構造のものが知られているが、本例では電解質膜31は電解質高分子膜〔例えばデュポン社製ナフィオン(パーフルオロスルホン酸膜)〕であり、燃料極32は電解質膜31に接する触媒層(例えば白金黒或いは白金合金をカーボンブラックに担持させたもの)とこれに積層されたカーボンペーパ等の電極からなり、空気極33も電解質膜31に接する同様の触媒層とこれに積層された同様の電極からなっている。
なお、MEAの構造によっては電力取り出しのための電極層を多孔板13、第2ポンプユニット2の構成部材の少なくとも一方に設けてもよい。
かかる電極層は、燃料極に対向する多孔板、或いは空気極側のポンプユニットの生成水等回収流路形成部材を導電材料(SUSエッチング、Ni電鋳)で形成するか、又は、それらが絶縁材料であれば、前記多孔板、生成水等回収流路形成部材の電池への対向面にスパッタリング法等の各種薄膜形成手段を利用して白金等で形成することもできる。この電極層と燃料極或いは空気極との接続には導電性接着剤を用いるか又はポンプユニットをフレーム等の構成材により加圧状態で保持することにより実現するようにしてもよい。
燃料供給ユニット1は多孔板13を介して電池3の燃料極32に積層されている。
燃料供給ユニット1は平坦な四角形状の部材11、12を含んでいる。これら部材は平坦形状に積層されている。部材11は、図2(A)及び図3(A)に示すように、下層の部材12に対向する面に第1ポンプユニット1Pを備えている。
第1ポンプユニット1Pは、マイクロポンプP1を含む液体燃料供給路111、マイクロポンプP2を含む希釈用液供給路112、これら両供給路にそれぞれ連通する共通の液体混合路113を有している。液供給路111、112は下層部材12へ向け開放された溝状のものであり、混合路113は下層部材12へ向け開放された凹所状のものである。
混合路113はポンプP1、P2より下流側に形成されている。液体燃料供給路111においてポンプP1より上流側の端には液体燃料供給口114が貫通形成されており、希釈用液供給路112におけるポンプP2より上流側の端には希釈用液受入れ部115が形成さている。希釈用液受入れ部115も下層部材12へ向け開放された凹所状のものである。
部材12は、図3(B)に示すように、前記の多孔板13に対向する面に該多孔板13へ開放された燃料プール室120を有しているとともに燃料プール室120の上流側端部に部材12を貫通する燃料供給口123を有している。燃料供給口123は第1ポンプユニット1Pの液体混合路13に連通している。
燃料プール室120には、該室内における上流側端部から下流側端部へ向け延びる櫛状配列の流路制御壁12wを形成してあり、この制御壁12wにより溝状の複数本の希釈液体燃料通路121が提供されている。各通路121は、燃料供給口123に連通し、通路121に対し共通の上流側通路122から下流側端部へ向け櫛状配列で延びている。このように櫛状配列の流路制御壁12wが形成されていることで、燃料供給口123から燃料プール室120へ供給されてくる希釈液体燃料が燃料プール室120内に全体的に分配される。
部材12には、さらに、各希釈液体燃料通路121を部材外部へ連通させる溝状のガス抜き孔124が形成されており、ガス抜き孔124の間には貫通孔125が形成されている。ガス抜き孔124は燃料極側で生成される炭酸ガスの放出に用いられる。貫通孔125は部材11における希釈用液受入れ部115に連通している。
多孔板13は前記部材11、12と同面積サイズの四角形状の平坦な板体であり、図3(C)に示すように、前記燃料プール室120に臨む領域に多数の燃料供給孔131が分散形成されている。供給孔131については、燃料プール室120から各孔131を介して電池燃料極32へ供給される希釈液体燃料が該燃料極の各部へ均等状に供給されるように、ここでは、孔分布は全体的に略同じであるが、燃料供給口123に近い上流側から下流側へ行くに従って、孔サイズを次第に大きくしてある。図3(C)には、孔の拡大図を付随させて、上流側から下流側へ孔サイズが次第に大きくなっている様子を示してある。
多孔板13にはさらに貫通孔132が形成されており、これは燃料供給ユニット1の部材12の貫通孔125に連通しているとともに電池3に設けた貫通通路34(図2(B)参照)にも連通している。
以上のほか、燃料供給ユニット1の部材11、12には、図3(A)、図3(B)に示すように、互いに位置が合致するようにガス流通部GDが設けられている。ガス流通部GDは複数の微細なガス流通孔を形成するとともに液体の通過を阻止するように撥水処理を施した部分である。ガス流通部GDは少なくとも一つ、より好ましくは複数、例えば燃料プール室120の各希釈液体燃料通路121(図3(C)参照)に対応させて設けるとよい。燃料供給ユニット1におけるガス流通部GDはガス放出のためのものである。
第2ポンプユニット2は、平坦な四角形状の部材21、22を含んでいる。これら部材は平坦形状に積層されている。部材21は、図3(D)に示すように、電池3の空気極33に対向する面に、燃料電池3における電気化学反応により生成される液体(ここでは水)及び燃料極32側から電解質膜31を通過して空気極33側へきた液体の通路、すなわち、櫛状に配列された溝状の複数本の通路211及び該通路に連通する共通の凹所状の通路212を有している。通路212から部材22側へ貫通孔213が形成されている。さらに、各通路211を部材外部と連通させる溝状の空気取り入り孔214が形成されており、空気取り入り孔214の間には貫通孔215が形成されている。貫通孔215は電池3の液体通路34に連通している。
部材22は、図2(C)及び図3(E)に示すように、部材21に対向する面に、マイクロホンプP3を含む溝状の液体回収路221を有している。液体回収路221は燃料電池3における電気化学反応により生成される液体(ここでは水)や燃料極側からの移動液を回収するものである。液体回収路221のポンプP3より上流側の端には凹所状の液体受入れ部222が形成されており、これは部材21の貫通孔213に連通している。また、液体回収路221のポンプP3より下流側の端には凹所状の液体排出部223が形成されており、これは部材21の貫通孔215に連通している。
以上のほか、部材21、22には、図3(D)、(E)に示すように、互いに位置が合致するようにガス流通部GDが設けられている。ガス流通部GDは、燃料供給ユニット1におけるものと同じもので、少なくとも一つ、より好ましくは複数、例えば各液体通路211(図3(D)参照)に対応させて設けるとよい。ここでのガス流通部GDは外部からの空気取り入れに利用される。
燃料供給ユニット1における部材11の希釈用液受入れ部115、部材12の貫通孔125及び多孔板13の貫通孔132、電池3の貫通液体通路34(図2(B)参照)、第2ポンプユニット2における部材21の貫通孔215、部材22の液体排出部223は、第2ポンプユニット2で回収される液体を第2ポンプユニット2から第1ポンプユニット1Pへ供給する循環路30を形成している(図1、図2(B)参照)。
第1ポンプユニット1PのマイクロポンプP1、P2、第2ポンプユニト2のマイクロポンプP3はいずれも図9に示す基本構造を有するものである。
すなわち、液体を吸引するための第1絞り流路f1、液体を吐出するための第2絞り流路f2、該第1、第2の絞り流路f1、f2間のポンプ室PC、ポンプ室PCの可撓性壁(ダイアフラム)DFに設置された圧電素子PZTを含むポンプである。
圧電素子PZTに交番電圧を印加してポンプ室壁(ダイアフラム)DFを振動させることでポンプ室PCを収縮膨張させ、第1絞り流路f1からポンプ室PC内へ液体を吸引し、第2絞り流路f2からポンプ室内液体を吐出できる。
さらに説明すると、第1、第2の絞り流路f1、f2は断面積が同じ又は略同じであるが、流路f1より流路f2は長く形成されている。圧電素子PZTを駆動する交番電圧として図9(C)に示すように急峻な立ち上がり、緩やかな立ち下がりを示す交番電圧を用いる。
図9(A)に示すように、印加電圧の急峻な立ち上がり時に圧電素子によりダイアフラムDFを急激に変形させてポンプ室PCを急激に収縮させると、長い流路f2では流路抵抗により液体が層流状に流れる一方、短い流路f1では液体が乱流となり、流路f1からの液体の流出が抑制される。これにより、流路f2からポンプ室内液体を吐出することができる。
図9(B)に示すように、印加電圧の緩やかな立ち下がり時に圧電素子によりダイアフラムDFを緩やかに復帰動作させてポンプ室PCを緩やかに膨張させると、短い流路f1からはポンプ室PC内へ液体が流入する一方、このとき流路f1より流路抵抗が大きい長い流路f2からの液体吐出が抑制される。これにより、流路f1からポンプ室PC内へ液体を吸引できる。
よって、所望の送液方向において上流側に流路f1を下流側に流路f2を配置することで所望方向に送液可能である。ポンプP1、P2、P3のそれぞれは、かかる基本構造を有し、かかる動作原理で送液を行うものである。図1〜図3において、ポンプP1の圧電素子はPZT1で、ポンプP2の圧電素子はPZT2で、ポンプP3の圧電素子はPZT3で示してある。
ポンプP1、P2、P3のそれぞれの送液能力は、各ポンプにおけるポンプ室容積、圧電素子の性能、第1、第2の絞り流路の断面積及び(又は)長さ等のうち1又は2以上を適宜選択決定することで所望のものにできる。
ここでは、液体燃料と希釈用液を所定の割合で混合して希釈できるようにポンプP1、P2、P3のそれぞれの送液能力を定めてある。
なお、図9に基本構造を示すマイクロポンプは、図9(F)に示すように、圧電素子PZTに緩やかな立ち上がり、急峻な立ち下がりを示す交番電圧を印加することで、図9(D)に示すように流路f1からポンプ室内液体を吐出でき、図9(E)に示すように流路f2から液体を吸引できるが、ここでは、図9(C)に示す駆動波形を採用している。
図1に示すように、燃料供給ユニット1の部材11における液体燃料供給口114にはカートリッジタイプの液体原燃料収容容器4が交換可能に接続される。
また、マイクロポンプP1、P2、P3は、それらの圧電素子に図9(C)の波形で交番電圧を印加できるポンプ駆動部5で駆動可能である。
燃料電池装置C1によると、第1ポンプユニット1Pに原燃料収容容器4から液体原燃料としてメタノール含有液(例えば高濃度メタノール水溶液)を供給するとともにポンプ駆動部5によりポンプP1〜P3の圧電素子PZT1〜PZT3にそれぞれ交番電圧を印加してそれらポンプを運転することで燃料電池3に燃料を供給し、電池3で
CH3 OH+(3/2) O2 →CO2 +2H2 O の反応を生じさせ、それにより発電させ、該電池3に接続した負荷Lに通電することができる。
この燃料電池装置C1の使用開始当初、電池3に供給されるのは容器4から供給される液体原燃料(メタノール含有液)と、後で閉じられる図示省略の初期水供給通路からマイクロポンプP2或いはさらにマイクロポンプP3に充填されていた水との混合による希釈液体燃料であるが、その後、電池3の電気化学反応により空気極33側で生成される水及び燃料極32側から電解質膜31を通過して空気極33側へ移動してきた水或いは水を含む液体が第2ポンプユニット2により第1ポンプユニット1Pへ供給され始め、第1ポンプユニット1Pは、容器4から供給されるメタノール含有液を第2ポンプユニット2から供給されてくる希釈用液で混合希釈し、希釈液体燃料として燃料電池3に供給でき、これにより容器4に収容された原燃料をもって長時間発電させることができる。
以上説明した燃料電池装置C1によると、燃料供給ユニット1の第1ポンプユニット1Pから燃料供給口123を介して燃料プール室120に供給された液体燃料は、該室における流路制御壁12wにて提供された通路121により該室内に全体的に分配され、さらに該室から多孔板13に分散形成された複数の燃料供給孔131から電池燃料極32の全体にわたり均等状に供給されるので、燃料極32側における燃料濃度分布の不均一、換言すれば燃料極各部間での燃料濃度差発生が抑制され、それだけ効率よく発電できる。
また、全体がコンパクトに平坦形状に薄型に形成されており、例えばカード状に形成することも可能であり、携帯機器等の電源として適するものである。
以上説明した燃料電池装置C1では、燃料供給ユニット1における燃料プール室120に流路制御壁12wが形成されているが、図4(A)に示すように、かかる流路制御壁を設けない燃料プール室120を採用することも可能である。図4(A)に例示する燃料プール室120に対応する多孔板13として図4(B)に例示するものを挙げることができる。
図4(B)の多孔板13は図3(C)に示す多孔板と同様に、燃料供給孔分布密度が全体的に略同じであり、燃料プール室120に通じる燃料供給口123に対応する上流側領域から下流側領域へ向かうに従い孔サイズを大きくしてあるが、図3(C)の多孔板の場合より、該孔サイズが増加していく割合を大きくしてある。これにより、電池燃料極32の各部へ均等状に希釈液体燃料を供給できるようにしてある。
また、図5(A)は燃料プール室120に設けることができる流路制御壁の他の例12w’を示している。この制御壁12w’は、燃料供給口123より内側に、燃料プール室の内周壁に沿って環状に形成されたもので、該環状壁12w’には該壁の内外領域を連通させる液通路hを形成してある。液通路hはその分布密度が燃料供給口123に近い部位では小さく、燃料供給口123から離れるに従い次第に大きくなるように形成してある。かくして、燃料供給口123から供給される希釈液体燃料を燃料プール室120の各部に分配される。
図5(A)の燃料プール室に対応する多孔板13として図5(B)に示すものを例示できる。図5(B)の多孔板13は図3(C)に示す多孔板と同様に、燃料供給孔分布は全体的に略同じであるが、孔サイズについては、プール室120における環状壁12w’内側領域の中央部に対応する領域が最も大きく、それより外側へ向かうに従って小さくなっており、これにより、電池燃料極32の各部へ均等状に希釈液体燃料を供給できるようにしてある。
図6は本発明に係る燃料電池装置の他の例C2を利用した発電システムを示している。 図7はこの燃料電池装置C2を示しており、さらに言えば、図7(A)は燃料電池装置C2の平面図、図7(B)は該装置の側面図、図7(C)は該装置の底面図である。
また、図8(A)は図7(B)のA−A線断面図、図8(B)は図7(B)のB−B線断面図、図8(C)は図7(B)のC−C線断面図、図8(D)は図7(B)のD−D線断面図、図8(E)は図7(B)のE−E線断面図である。
図6、図7及び図8においては、既述の燃料電池装置C1における部品、部分と実質上同じものについては、装置C1における参照符号と同じ参照符号を付してある。
この装置C2では燃料供給ユニットとしてユニット1’を採用している。燃料供給ユニット1’は前記装置C1における燃料供給ユニット1と次の点を除いて実質上同じものである。ユニット1’では、図7(A)及び図8(A)に示すように、部材11に第1ポンプユニットとしてポンプユニット1P’が設けられている。ポンプユニット1P’は部材11におけるマイクロポンプP2を含む希釈用液供給路112のポンプP2より上流側の端に希釈用液供給口116を設けてあり、ここに回収容器6(図6参照)が配管接続される。部材11には、さらに、過剰燃料排出口117及び回収液排出口118を設けてあり、これらにも回収容器6が配管接続される。排出口117、118は部材11を貫通している。
図8(B)に示すように、燃料供給ユニット1’の部材12も流路制御壁12w’を設けた燃料プール室120を有しているが、該プール室には燃料供給口123に臨む上流側通路122、これに連通す希釈液体燃料通路121の他に、該通路121に対し共通の下流側通路126も形成されており、該通路126に連通する貫通孔127も形成してある。
そして、部材11の過剰燃料排出口117は該部材12の貫通孔127に連通しており、回収液排出口118は部材12の貫通孔125に連通している。
多孔板13は装置C1における多孔板13と同様のものである。
ポンプユニット1P’では、希釈液体燃料は部材11の混合路113から部材12の燃料供給口123を経て燃料プール室120に供給され、そこから多孔板13の燃料供給孔131を経て燃料極32の各部に均等状に供給される。余剰の燃料は、部材12の貫通孔127及び部材11の排出口117を経て回収容器6へ送られる。
また、燃料電池装置C2では第2ポンプユニットとしてユニット2’を採用している。第2ポンプユニット2’は、図8(D)に示すように、ポンプユニット2と実質上同じものである。
第2ホンプユニット2’で回収される液体は該ユニットを構成している部材22の液体排出部223及び部材21の貫通孔215、さらに、電池3の液体通路34(図7(B)参照)、多孔板13の貫通孔132、燃料供給ユニット1’の部材12の貫通孔125及び部材11の排出口118を経て回収容器6へ送られる。
この燃料電池装置C2によると、第1ポンプユニット1P’に液体燃料収容容器4から液体原燃料としてメタノール含有液(例えば高濃度メタノール水溶液)を供給するとともに水を収容している回収容器6から希釈用液を供給し、ポンプ駆動部5によりポンプP1〜P3の圧電素子PZT1〜PZT3にそれぞれ交番電圧を印加することでそれらポンプを運転して燃料電池3において発電させ、該電池3に接続した負荷Lに通電することができる。
この燃料電池装置C2では、装置の使用開始当初から、第1ポンプユニット1P’により容器4から供給される液体原燃料(メタノール含有液)及び回収容器6から供給される希釈用液を所定割合で混合して希釈液体燃料として燃料電池3に供給して発電させることができる。さらに、余剰の希釈液体燃料は燃料供給ユニット1’の部材12の孔127及び部材11の排出口117から回収容器6へ送ることができ、電池3の電気化学反応により空気極33側で生成される水や燃料極側からの移動液は希釈用液として第2ポンプユニット2’から燃料供給ユニット1’の部材11における排出口118を経て回収容器6へ循環させることができる。
以上説明した燃料電池装置C2も、電池燃料極32の各部へ均等状に燃料が供給されるので、それだけ発電効率良好であり、また、全体をコンパクトに平坦形状に薄型に形成でき、例えばカード状に形成することも可能であり、携帯機器等の電源として適するものである。
なお、燃料電池装置C2においても、必要に応じ、図4(A)や図5(A)に例示するような燃料プール室を採用したり、図4(B)や図5(B)に例示するような多孔板を採用することができる。
以上説明したいずれの燃料電池装置においても、第1ポンプユニットのマイクロポンプP1、P2は図9(C)に示す波形の交番電圧印加により駆動したが、液体原燃料の希釈用液の混合による希釈をより円滑、確実化するために、ポンプP1 、P2へ印加する交番電圧波形として図10(A)に示す波形を採用してもよい。この波形を採用すると、図10(B)に示すように、ポンプP1で送られる液体源燃料、ポンプP2で送られる希釈用液のそれぞれが間欠的に液体混合路に供給され、これにより両液は円滑に混合され、それだけ所定の希釈液体燃料が円滑、確実に得られる。なお、各ポンプの駆動波形において電圧値の低い部分は他方のポンプからの液逆流を防ぐためのものである。
<マイクロポンプユニットの製造>
以下に、マイクロポンプユニットの製造の幾つかの例を挙げておく。
(1)Si基板とガラス板で構成する場合
Si基板上に流路溝を異方性エッチングにより加工し、このSi基板に平板のガラスを陽極接合して液通路を形成する。駆動用の圧電素子はSi基板におけるダイアフラム部分に接合する。
この方法によると、ヤング率の高い材質で液通路を形成できるのでポンプ性能が良好となる。
(2)樹脂とガラス板で構成する場合
流路溝を樹脂の射出形成、インプリント等により形成し、この樹脂板に薄板ガラスを接着剤により貼り付けて液通路形成する。駆動用圧電素子をガラス板のダイアフラム部分に貼り付ける。
この方法によると安価にポンプユニットを形成できる。
(3)ガラスで構成する場合
感光性ガラスのフォトリソ加工、ガラスのサンドブラスト加工、ガラス成型、ガラス板のレーザ加工等の方法により流路溝を形成し、流路溝を形成した第1ガラス板に、第2の平板ガラスを直接接合する。或いは第1、第2のガラスの接合面の両方又は一方に低融点ガラス膜をスパッタリング法、蒸着法等により形成して加熱・加圧により接合する。或いは第1、第2のガラスの一方にSi膜をスパッタ等により形成して陽極接合する。これらのいずれかの操作により、ポンプ流路を形成し、接合した両ガラスのいずれかのダイアフラム部分に圧電素子を接着剤等により貼り付ける。
この方法によっても安価にポンプユニットを形成できる。
(4)セラミックで構成する場合
グリーンシートの成型、サンドブラスト加工、レーザ加工等の方法で流路溝を形成し、一方又は双方に流路溝が形成されたグリーンシートを位置決めして貼り合せ、加圧しながら焼成することで一体化する。或いは同様に形成されたグリーンシートを焼成してセラミック板とし、一方に低融点ガラス膜をスパッタリング法、蒸着法等により形成して加熱・加圧により接合する。或いは同様に形成・焼成されたセラミック板の一方にガラスをもう一方にSi膜をスパッタ等により形成して陽極接合する。これらのいずれかの操作により、ポンプ部分を含む流路を形成し、接合した両セラミックのいずれかのダイアフラム部分に圧電素子を接着剤等により貼り付ける。
この方法によるとヤング率の高い材質で液通路を形成できるのでポンプ性能が良好となる。
上記のほか、液体や気体が流通できる溝が形成された電鋳品、カーボンの成形品、ステンレススチール板をエッチング加工したもの等も利用できる。
なお、上記(1)〜(4)のいずれの製法を採用するにしても、必要に応じガス抜き孔や空気取り入れ孔も同時に形成する。ガス流通部DGについては可能であれば同時に形成してもよいし、後で形成してもよい。
次に、マイクロポンプユニットの製法の具体例を説明するが、説明を簡略化し、理解を容易にするため、2液の混合希釈装置として機能する図11に示すマイクロチップMTを例にとって説明する。図11(A)はマイクロチップMTの平面図、図11(B)は該チップの側面図、図11(C)は図11(B)のX−X線断面図である。
本発明に係る燃料電池装置におけるポンプユニット1P、1P’、2は、液流路の配置や、マイクロポンプの数等の点でチップMTと異なる場合があるが、チップMTと同様にして、コンパクトに、平坦形状薄型に、小形に形成できる。
図11の液体混合装置MTは、マイクロチップ形のもので、マイクロポンプPaを含む第1液体供給路L1、マイクロポンプPbを含む第2液体供給路L2を備えており、供給路L1のポンプ上流側端には液体供給口Li1が、供給路L2のポンプ上流側端には液体供給口Li2が設けられている。供給路L1、L2のポンプ下流側端は合流部L3でY字状に合流し、混合流路L4に続き、該流路端の液体出口Loに達している。
流路L1〜L4は例えば幅150μm、深さ170μmである。マイクロチップMTの外形寸法は例えば、約20mm×40mm×0.5mmである。もっとも、寸法、形状は、これに限るものではない。
ポンプPa、Pbは図9に示す構造、動作を示すもので、このチップでは各ポンプの圧電素子PZTa、PZTbに駆動部から交番電圧を印加することで供給口Li1、Li2から第1、第2の液体を吸引し、送液し、合流部L3で合流させ、混合流路L4で混合して液体出口Loから吐出することができる。
このマイクロチップMTの製造工程について図12を参照しながら説明する。図12は図11(C)のα−α線に沿う切断端面の部分の製法を代表的に示している。
図12(A)に示すように、シリコン基板SiSを準備する。シリコン基板SiSとしては、例えば厚さ200μmのシリコンウエハーを用いる。次に、図12(B)に示すように、シリコン基板SiSの上下面に、シリコン酸化膜SiO2 を形成する。酸化膜は、例えば、それぞれの厚さが1.7μmとなるように、熱酸化により形成する。次に、上面にレジストを塗布して所定パターンのマスクを形成し、該マスクパターンで露光し、次いで現像して酸化膜をエッチングする。そして、上面のレジストを剥離した後、再びレジストを塗布し、露光、現像、エッチングを行う。これにより、図12(C)に示すように、酸化膜を完全に除去した部分aと、厚さ方向に途中まで除去した部分bを形成する。
レジスト塗布には、例えば東京応化社製OFPR800等のレジストを用いスピンコ一ターで回転塗布し、レジスト膜の厚さは、例えば1μmとする。露光はアライナ一により行い、現像はデベロッパーにより行う。酸化膜のエッチングには、例えば反応性イオンエッチング法(RIE)を用いる。レジストの剥離には、剥離液、例えば硫酸過水を用いる。
次に、図12(D)に示すように上面についてシリコンエッチングを途中まで行った後に、bの部分の酸化膜をエッチングにより完全に除去し、再びシリコンエッチングを行い、図12(E)に示すようにシリコン基板SiSを170μmエッチングした部分a’と、25μmエッチングした部分a”とを形成する。シリコンエッチングには、例えば、ICP(高周波誘導結合型プラズマ、Ind uctively Coupled Plasma )によるエッチング法を用いる。さらに、図12(E)に示すように酸化膜を、例えばBHFを用いて完全に除去する。
次に、図12(F)に示すように、シリコン基板の下面に電極膜e(例えばITO膜)を成膜する。そして、図12(G)に示したように、シリコン基板の上面にガラス板GLを貼り付ける。この貼り付けは、例えば、1200V、400℃で、陽極接合により行う。最後に、図12(H)に示すように、ポンプ室PCの振動板の部分に圧電素子を接着する。
以上説明した製法に準ずる製法により、本発明に係る燃料電池装置におけるマイクロポンプユニットにおけるマイクロポンプや液流路をバラツキ少なく、均一な性能のものに製作できる。
本発明に係る燃料電池装置は発電効率良好であり、平坦形状に薄型にコンパクトに形成できるから例えば各種携帯機器用の電源として利用できる。
本発明に係る燃料電池装置の1例を利用した発電システムを示す図である。 図1の燃料電池装置を示すもので、図2(A)は該装置の平面図、図2(B)は該装置の側面図、図2(C)は該装置の底面図である。 図3(A)は図2(B)のA−A線断面図、図3(B)は図2(B)のB−B線断面図、図3(C)は図2(B)のC−C線断面図、図3(D)は図2(B)のD−D線断面図、図3(E)は図2(B)のE−E線断面図である。 図4(A)は燃料プール室の他の例を示す図であり、図4(B)は多孔板の他の例を示す図である。 図5(A)は燃料プール室のさらに他の例を示す図であり、図5(B)は多孔板のさらに他の例を示す図である。 本発明に係る燃料電池装置の他の例を利用した発電システムを示す図である。 図6の燃料電池装置を示すもので、図7(A)は該装置の平面図、図7(B)は該装置の側面図、図7(C)は該装置の底面図である。 図8(A)は図7(B)のA−A線断面図、図8(B)は図7(B)のB−B線断面図、図8(C)は図7(B)のC−C線断面図、図8(D)は図7(B)のD−D線断面図、図8(E)は図7(B)のE−E線断面図である。 マイクロポンプの1例の基本構造及び動作を示すもので、図9(A)は液体吐出動作を示す図、図9(B)は液体吸引動作を示す図、図9(C)はかかる液体の吐出動作、吸引動作のための圧電素子への印加電圧波形を示す図である。図9(D)は図9(A)とは反対方向への液体吐出動作を示す図、図9(E)は図9(B)とは反対方向の液体吸引動作を示す図、図9(F)はかかる反対動作のための圧電素子への印加電圧波形を示す図である。 図10(A)はマイクロポンプ駆動電圧波形の他の例を示す図であり、図10(B)は該波形による送液状態を示す図である。 ポンプユニット等の製法例を説明するための参考的なマイクロチップを示すもので、図11(A)はその平面図、図11(B)はその側面図、図11(C)は図11(B)のX−X線断面図である。 マイクロチップの製造工程例を示す図である。 燃料として液体燃料が使用される燃料電池が採用され、該液体燃料を希釈用液で希釈して希釈液体燃料を該燃料電池へ供給する燃料電池装置の考えられる例を示す図である。
符号の説明
C1 燃料電池装置
1 燃料供給ユニット
11 平坦な四角形状の部材
1P 第1ポンプユニット
P1、P2 マイクロポンプ
PZT1、PZT2 圧電素子
111 液体燃料供給路
112 希釈用液供給路
113 液体混合路
114 液体原燃料供給口
115 希釈用液受入れ部
12 平坦な四角形状の部材
120 燃料プール室
123 燃料供給口
12w 流路制御壁
12w’ 環状の流路制御壁
h 液通路
121、122 希釈液体燃料通路
124 ガス抜き孔
125 貫通孔

13 多孔板
131 燃料供給孔
132 貫通孔
GD ガス流通部

2 第2ポンプユニット
21 平坦な四角形状の部材
211、212 液通路
213 貫通孔
214 空気取り入れ孔
215 貫通孔
22 平坦な四角形状の部材
P3 マイクロポンプ
PZT3 圧電素子
221 液体回収路
222 液体受入れ部
223 液体排出部

3 燃料電池
31 電解質膜
32 燃料極
33 空気極
34 液体通路

30 希釈用液循環路

4 液体原燃料収容容器
5 ポンプ駆動部
6 回収容器

f1 第1絞り流路
f2 第2絞り流路
PC ポンプ室
DF ポンプ室可撓性壁(ダイアフラム)
PZT 圧電素子
C2 燃料電池装置
1’ 燃料供給ユニット
1P’ 第1第1ポンプユニット
116 希釈用液供給口
117 過剰燃料排出口
118 回収液排出口
126 下流側液通路
127 貫通孔
2’ 第2ポンプユニット

L 負荷
MT マイクロチップ
Pa、Pb マイクロポンプ
L1 第1液体供給路
L2 第2液体供給路
Li1 第1液体供給口
Li2 第2液体供給口
L3 合流部
L4 混合流路
Lo 液体出口
PZTa、PZTb 圧電素子
SiS シリコン基板
GL ガラス板

Claims (13)

  1. 燃料として液体燃料が使用される燃料電池が採用された燃料電池装置であり、燃料供給ユニットが該電池の燃料極に多孔板を介して積層されており、該燃料供給ユニットは該多孔板に対向する面に該多孔板へ開放された燃料プール室及び該燃料プール室へ液体燃料を供給する燃料供給口を有しており、該多孔板には該燃料プール室から供給される液体燃料が該燃料極の全体にわたり均等状に供給されるように孔分布及びそれぞれの孔サイズが定められた複数の燃料供給孔が分散形成されていることを特徴とする燃料電池装置。
  2. 前記燃料プール室には前記燃料供給口から供給される液体燃料を該燃料プール室内に全体的に分配するための流路制御壁が形成されている請求項1記載の燃料電池装置。
  3. 前記燃料供給ユニットは前記多孔板に対向する燃料プール室が形成された面とは反対側部分に第1ポンプユニットを有しており、該第1ポンプユニットは液体原燃料と希釈用液とを混合して希釈液体燃料を生成しつつ該希釈液体燃料を前記燃料プール室へ前記燃料供給口を介して供給するものである請求項1又は2記載の燃料電池装置。
  4. 前記第1ポンプユニットは液体原燃料収容容器から液体原燃料を供給される請求項3記載の燃料電池装置。
  5. 前記燃料電池の空気極側に第2ポンプユニットが積層されており、該第2ポンプユニットは少なくとも該燃料電池における電気化学反応により生成される液体を回収するものである請求項3又は4記載の燃料電池装置。
  6. 前記第2ポンプユニットは回収した液体を希釈用液として前記燃料電池、多孔板及び燃料供給ユニット並びに該第2ポンプユニットの積層体中に形成された希釈用液循環路を介して前記第1ポンプユニットへ供給する請求項5記載の燃料電池装置。
  7. 前記第2ポンプユニットは回収した液体を希釈用液として回収容器へ送り、前記第1ポンプユニットは該回収容器から希釈用液を供給される請求項5記載の燃料電池装置。
  8. 前記第1ポンプユニットは過剰の希釈液体燃料を前記回収容器へ送る請求項7記載の燃料電池装置。
  9. 前記第2ポンプユニットは、前記空気極に対向する面に回収すべき液体の通路を有しており、該空気極に対向する面とは反対側部分に、該液体を回収するマイクロポンプを含む液体回収路を有しており、さらに該空気極に対向する液体通路から該液体回収路へ通じる通路を有しているとともに、該空気極へ該液体通路を介して外部から空気を供給するための空気取り入れ孔を有している請求項5から8のいずれかに記載の燃料電池装置。
  10. 前記燃料供給ユニットは、前記電池の燃料極で発生するガスを前記燃料プール室を介して放出するためのガス抜き孔を有しており、該燃料供給ユニットの第1ポンプユニットは、液体原燃料を供給するマイクロポンプを含む液体原燃料供給路、希釈用液を供給するマイクロポンプを含む希釈用液供給路及び該液体原燃料供給路と希釈用液供給路の双方に連通するとともに前記燃料プール室への燃料供給口に連通する液体混合路を有している請求項3から9のいずれかに記載の燃料電池装置。
  11. 前記各マイクロポンプは液体を吸引するための第1絞り流路、液体を吐出するための第2絞り流路、該第1、第2の絞り流路間のポンプ室、該ポンプ室の可撓性壁に設置された圧電素子を含んでおり、該圧電素子で該ポンプ室壁を振動させることでポンプ室を収縮膨張させて該第1絞り流路からポンプ室内へ液体を吸引し、該第2絞り流路からポンプ室内液体を吐出するポンプである請求項9又は10記載の燃料電池装置。
  12. 前記燃料電池は直接メタノール形燃料電池であり、前記液体原燃料はメタノール含有液体燃料であり、前記希釈用液は水を含む液である請求項3から11のいずれかに記載の燃料電池装置。
  13. 前記直接メタノール形燃料電池は膜・電極接合体(MEA)構造のものである請求項12記載の燃料電池装置。
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