JP2007073419A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池部分の、携帯機器搭載に不向きな大型化を招くことなく、燃料極における電気化学反応を燃料極各部で、簡易に均一化でき、それだけ燃料電池の発電効率を向上させることができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】電界質膜11を燃料極12と酸素極13で挟んだ電池本体の燃料極12に燃料液を供給するとともに酸素極13に空気を供給して発電させる燃料電池を含む燃料電池システムA。燃料供給路142の下流側部分に流れる燃料液を加熱する燃料加熱部2A及び(又は)空気供給路152の下流側部分に流れる空気を加熱する空気加熱部3Aが設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電界質膜を燃料極と酸素極で挟んだ電池本体の該燃料極に燃料液を供給するとともに該酸素極に空気を供給して発電させる燃料電池を含む燃料電池システム、例えば、ダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)のように、燃料液を用いる燃料電池を利用した燃料電池システムに関する。
ユビキタス社会の幕開けとともに電池の長寿命化に対する要求が高まってきている。従来のリチウム電池はその理論限界に近づきつつあり、これ以上の大幅な性能向上は望めなくなりつつある。そんな中、重量(容積)あたりのエネルギー密度の高さから従来の電池に比べて大幅な長寿命化が可能な燃料電池が注目されている。
燃料電池の中でも特に(1) 構造が簡単、(2) 水素スタンドなどの大規模なインフラ整備を要することなく燃料の入手が容易、(3) 低コスト、低温での動作が可能などの点から、例えば携帯機器(ノート形パーソナルコンピュータ、携帯電話機、各種携帯情報端末(PDA)機器等)向けの燃料電池として適していると言えるダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)が注目されており、盛んに研究されている。
ここでDMFCの反応式を示す。
燃料極(アノード)側での反応:CH3 OH+H2 O→CO2 +6e- +6H+
酸素極(カソード)側での反応:(3/2) O2 +6H+ +6e- →3H2
全反応 :CH3 OH+(3/2) O2 →CO2 +2H2
この反応式によればメタノールと水は燃料極において等モルで反応し、CO2 と6個の電子とプロトンを生成し、CO2 は外部に排出され、電子は外部回路を通って酸素極(空気極)に、プロトンは電界質層を通って酸素極(空気極)にそれぞれ別ルートで送られ、そこで反応し、水分子3個を生成する。全反応としてはCO2 と2分子のH2 Oを生成する。
上記反応式によればメタノールと水は燃料極において等モルで反応する。燃料液としては、メタノールやメタノール濃度が高濃度である燃料液をそのまま用いることもできるが、メタノール濃度が3〜5%と低濃度の燃料液が用いられることがある。その理由は、メタノールが燃料極で上記の反応を起こさないまま電解質膜を透過して空気極へ到達してしまうというクロスオーバーという現象を防ぐためである。クロスオーバー現象は燃料中のメタノール濃度が高いほど起こりやすい。このようなクロースオーバー現象が発生すると、DMFCの二つの極(燃料極及び酸素極)のうち燃料極で起こるべきメタノールの反応が酸素極でも起こり、燃料の無駄と酸素極側の電位低下による電池効率の著しい低下が起こる。従って、かかる低濃度の燃料液が用いられることがある。
ところで、かかるDMFCのように、燃料極に燃料液を供給して発電させる燃料電池では、燃料極への燃料液供給にあたって、通常、該燃料極に重ねて設けられた燃料供給部が用いられる。かかる燃料供給部は、燃料導入口と、該導入口に連通し、該燃料極に燃料液を供給する燃料供給路を有している。
この場合、燃料液として、例えば高濃度燃料液を希釈液で希釈した燃料液を採用する場合、該燃料液をかかる燃料供給部の燃料導入口から燃料供給路に供給すると、該導入口から遠くなるほど、そこに至るまでの部位における燃料消費により、燃料導入口近傍部位より燃料濃度が低下し、燃料極各部で燃料濃度差が生じる。
また、燃料液として、メタノールやメタノール濃度が高濃度である燃料液をそのまま用いる場合でも、例えば酸素極側で生成される水が電界質膜を通過して燃料極側へ到来し、該燃料液におけるメタノール濃度を低下させることがあり、この場合、前記希釈燃料液を燃料液として採用した場合と同様に、燃料導入口近傍部位より遠い、燃料供給路の下流側部分で燃料濃度が低下し、そのため燃料極各部で燃料濃度差が生じることがある。
いずれにしても、かかる燃料濃度差は燃料電池各部間での電気化学反応の差として現れ、これが燃料電池の発電効率(出力効率、エネルギ効率など)を著しく低下させる。
この点、特開2002−56858号公報には、燃料電池の燃料極へ供給される燃料液の流れを1又は2以上の多段化プレートで分岐させ、該プレートにより燃料液が燃料極の各部に分散供給されるようにし、各プレートには燃料極への燃料液出口として、矩形、三角形等の開口部を設けたり、円形、楕円形等の穴を分散形成することが記載されている。
特開2002−56858号公報
しかしながら、特開2002−56858号公報に記載されているように、発電効率を向上させるための多段化プレートを燃料極に対して設ける場合、該プレートが1枚だけでは、燃料を燃料極の各部に対し均一に供給することは実際には困難である。特に、燃料極面積が大きくなってくると、ますます困難になる。従って、燃料極各部に同じ燃料濃度の燃料液を均一に供給するには、複数枚のプレートが必要になってくるが、それでは電池本体に直接的に付随する燃料供給路構成部分の構造が複雑化し、厚みが増し、薄型化が求められる携帯機器用の電池として不向きになる。
また、DMFCのように、酸素極に空気を供給して発電させる燃料電池では、酸素極への空気供給にあたって、該酸素極に重ねて設けられ、空気導入口と、該導入口に連通し、該酸素極に空気を供給する空気供給路を有する空気供給部を採用することが考えられるが、この場合、空気をかかる空気供給部の空気導入口から空気供給路に供給すると、該導入口から遠くなるほど、そこに至るまでの部位における酸素消費により、空気導入口近傍部位より空気中の酸素濃度が低下し、酸素極各部で空気中の酸素濃度差が生じる。
かかる酸素濃度差も燃料電池各部間での電気化学反応の差として現れ、これが燃料電池の発電効率を低下させる。
前記の特開2002−56858号公報に記載の技術ではこのような問題に対応できない。
そこで本発明は、電界質膜を燃料極と酸素極で挟んだ電池本体の該燃料極に燃料液を供給するとともに該酸素極に空気を供給して発電させる燃料電池を含む燃料電池システムであって、燃料電池部分の、携帯機器に不向きな大型化を招くことなく、燃料極及び酸素極のうち少なくとも一方における電気化学反応を極各部で均一化でき、それだけ燃料電池の発電効率を向上させることができる燃料電池システムを提供することを課題とする。
本発明は前記課題を解決するため、
電界質膜を燃料極と酸素極で挟んだ電池本体の該燃料極に燃料液を供給するとともに該酸素極に空気を供給して発電させる燃料電池を含む燃料電池システムであり、
該燃料極に供給される燃料液及び該酸素極に供給される空気のうち少なくとも一方を、該燃料電池各部における電気化学反応を均一化させるように加熱する加熱手段を有している燃料電池システムを提供する。
本発明に係る燃料電池システムによると、燃料極に供給される燃料液及び酸素極に供給される空気のうち少なくとも一方を、燃料電池各部における電気化学反応を均一化させるように加熱する加熱手段を有しているから、該加熱手段によるかかる加熱により、それだけ燃料電池各部での電気化学反応が均一化され、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
また、かかる加熱手段は、燃料液や空気を加熱すれば足りるから、燃料電池部分の格別の大型化を招くことなく簡易に設けることが可能である。
本発明に係る燃料電池システムのより具体的なものとして、次の三つの燃料電池システムを挙げることができる。
(1)第1の燃料電池システム
電界質膜を燃料極と酸素極で挟んだ電池本体の該燃料極に燃料液を供給するとともに該酸素極に空気を供給して発電させる燃料電池を含む燃料電池システムであり、
該燃料電池は、該燃料極に重ねて設けられ、燃料液を導入する燃料導入口及び該燃料導入口に連通し、該燃料極に該燃料液を供給する燃料供給路を有する燃料供給部を有しており、
前記燃料供給部の燃料供給路に流れる燃料液のうち、主として該燃料供給路の下流側部分に流れる燃料液を加熱するための燃料加熱部をさらに含んでいる燃料電池システム。
ここで、「燃料供給路の下流側部分」とは、燃料供給路のうち燃料供給路始端部(或いは燃料導入口)よりは燃料供給路終端部により近い部分の全部又は一部であり、例えば、燃料供給路の終端部を含む部分や、該終端部よりは若干上流側の部分等を指す。
また、「主として燃料供給路の下流側部分に流れる燃料液の加熱」には、燃料供給路のうち、その下流側部分に流れる燃料液が高温に加熱され、該下流側部分より前記燃料導入口により近い部分に流れる燃料液ほど加熱温度が低下するように温度勾配が形成される状態で加熱する場合や、燃料供給路の下流側部分に流れる燃料液を集中的、局部的に加熱する場合等のいずれも含まれる。
これらの点は、後述する第3の燃料電池システムにおいても同様である。
(2)第2の燃料電池システム
電界質膜を燃料極と酸素極で挟んだ電池本体の該燃料極に燃料液を供給するとともに該酸素極に空気を供給して発電させる燃料電池を含む燃料電池システムであり、
該燃料電池は、該酸素極に重ねて設けられ、空気を導入する空気導入口及び該空気導入口に連通し、該酸素極に該空気を供給する空気供給路を有する空気供給部を有しており、 前記空気供給部の空気供給路に流れる空気のうち、主として該空気供給路の下流側部分に流れる空気を加熱するための空気加熱部をさらに含んでいる燃料電池システム。
ここで、「空気供給路の下流側部分」とは、空気供給路のうち空気供給路始端部(或いは空気導入口)よりは空気供給路終端部により近い部分の全部又は一部であり、例えば、空気供給路終端部を含む部分や、該終端部よりは若干上流側の部分等を指す。
また、「主として空気供給路の下流側部分に流れる空気の加熱」には、空気供給路のうち、その下流側部分に流れる空気が高温に加熱され、該下流側部分より前記空気導入口により近い部分に流れる空気ほど加熱温度が低下するように温度勾配が形成される状態で加熱する場合や、空気供給路の下流側部分に流れる空気を集中的、局部的に加熱する場合等のいずれも含まれる。
これらの点は、次の第3の燃料電池システムにおいても同様である。
(3)第3の燃料電池システム
第1の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池が、前記酸素極に重ねて設けられ、空気を導入する空気導入口及び該空気導入口に連通し、該酸素極に該空気を供給する空気供給路を有する空気供給部を備えており、
該空気供給部の空気供給路に流れる空気のうち、主として該空気供給路の下流側部分に流れる空気を加熱するための空気加熱部をさらに含んでいる燃料電池システム。
次に第1〜第3のシステムについてさらに説明する。
(1−1)第1の燃料電池システムについて
第1の燃料電池システムによると、燃料液は、燃料供給部の燃料導入口から供給されて燃料供給路により燃料極の各部へ導かれ、発電に供される。このとき、燃料導入口から供給された燃料液の燃料濃度は、燃料導入口から遠ざかるほど、換言すれば、燃料供給路の下流側へ向かうほど、そこへ至るまでの燃料消費により低下し、燃料極各部で燃料濃度差が生じる。
しかし、燃料供給部の燃料供給路に流れる燃料液のうち、主として該燃料供給路の下流側部分に流れる、燃料濃度が低下した燃料液を燃料加熱部により加熱することができ、かかる燃料液加熱により、低濃度燃料液が供給される燃料極部分も加熱され(換言すれば、燃料液を熱媒として低濃度燃料液が供給される燃料極部分が加熱され)、かかる加熱により、低濃度燃料液が供給される燃料極部分においても、燃料濃度の低下を補うように電気化学反応が活発化し、それにより、燃料極全体としてみれば、それだけ電気化学反応が均一化され、燃料濃度差の発生にも拘らず、それだけ、燃料電池の発電効率を高めることができる。
しかも、かかる電気化学反応の均一化、ひいては、燃料電池効率の向上は、主として燃料供給路の下流側部分に流れる、燃料濃度が低下した燃料液を燃料加熱部により加熱することで達成できるので、燃料電池の、携帯機器に不向きな格別の大型化を招くことなく、簡易に達成できる。
前記加熱部として、前記燃料供給部に隣接して設けられた熱交換部を含んでいるものを例示できる。
かかる熱交換部としては、例えば、前記燃料供給部の燃料供給路の下流側部分に対応する部位に、加熱された燃料液を導入するための加熱燃料導入部を有しているとともに、該加熱燃料導入部から、前記燃料供給部の燃料供給路中を流れる燃料液に対し向流状態(流れ方向が反対向きの状態)で該燃料供給部の前記燃料導入口へ燃料液を導く燃料流路を有しているものを挙げることができる。
いずれにしても、第1の燃料電池システムにおいては、燃料液として、高濃度燃料液(希釈されていない燃料液である場合も含む)をそのまま用いることも可能であるが、燃料液として、高濃度燃料液を希釈液で希釈した燃料液を用いることもできる。
希釈された燃料液を用いる場合、燃料電池システムは、高濃度燃料液を供給する第1ポンプを含む高濃度燃料液供給路、希釈液を供給する第2ポンプを含む希釈液供給路及び該高濃度燃料液供給路から供給される高濃度燃料液と該希釈液供給路から供給される希釈液とを混合して燃料液として前記熱交換部の加熱燃料導入部へ供給する混合流路を備えることができる。
この場合、前記燃料加熱部に、該高濃度燃料液、該希釈液及び該加熱燃料導入部へ供給される希釈された燃料液のうち少なくとも一つを加熱する発熱部を含めることができる。 かかる高濃度燃料液供給路、希釈液供給路及び混合流路は、システムのコンパクト化のために、前記熱交換部に設けてもよい。
また、前記燃料加熱部は、主として前記燃料供給部の燃料供給路の下流側部分に流れる燃料液を加熱するように該燃料供給部に対して設けられている発熱部であってもよい。この場合、発熱部は、燃料供給部に直接設けられてもよく、他の部材を介して設けられてもよい。
このような発熱部を採用する場合も、燃料電池システムは、高濃度燃料液を供給する第1ポンプを含む高濃度燃料液供給路、希釈液を供給する第2ポンプを含む希釈液供給路及び該高濃度燃料液供給路から供給される高濃度燃料液と該希釈液供給路から供給される希釈液とを混合して前記燃料液として前記燃料供給部の燃料導入口へ供給する混合流路を含むことができる。
そして、システムのコンパクト化のために、該高濃度燃料液供給路、希釈液供給路及び混合流路は前記燃料供給部に設けてもよい。
いずれにしても、高濃度燃料液を供給する第1ポンプを含む高濃度燃料液供給路と、希釈液を供給する第2ポンプを含む希釈液供給路と、該高濃度燃料液供給路から供給される高濃度燃料液と該希釈液供給路から供給される希釈液とを混合して前記燃料液として、前記熱交換部の加熱燃料導入部へ、或いは前記燃料供給部の燃料導入口へ供給する混合流路とを採用する場合、かかるポンプとして、次の、微小に、コンパクトに形成できるポンプを例示することができる。
すなわち、液体を吸引するための第1絞り流路、液体を吐出するための第2絞り流路、該第1及び第2の絞り流路間のポンプ室、該ポンプ室の可撓性壁に設置されたアクチュエータを含んでおり、該アクチュエータで該ポンプ室壁を振動させることで該ポンプ室容積を変動させて該第1絞り流路からポンプ室内へ液体を吸引し、該第2絞り流路からポンプ室内液体を吐出するポンプである。アクチュエータとしては、代表例として圧電素子を挙げることができる。
(2−1)第2の燃料電池システムについて
第2の燃料電池システムによると、電池本体の酸素極へ供給されるべき空気は、空気供給部の空気導入口から供給されて空気供給路により酸素極の各部へ導かれ、発電に供される。このとき、空気導入口から供給された空気中の酸素濃度は、空気導入口から遠ざかるほど、換言すれば、空気供給路の下流側へ向かうほど、そこへ至るまでの酸素消費により低下し、酸素極各部で空気中の酸素濃度差が生じる。
しかし、空気供給部の空気供給路に流れる空気のうち、主として該空気供給路の下流側部分に流れる、酸素濃度が低下した空気を空気加熱部により加熱することができ、かかる空気加熱により、低酸素濃度空気が供給される酸素極部分も加熱され(換言すれば、空気を熱媒として低酸素濃度空気が供給される酸素極部分が加熱され)、かかる加熱により、低酸素濃度空気が供給される酸素極部分においても、酸素濃度の低下を補うように電気化学反応が活発化し、それにより、酸素極全体としてみれば、それだけ電気化学反応が均一化され、酸素濃度差の発生にも拘らず、それだけ、燃料電池の発電効率を高めることができる。
しかも、かかる電気化学反応の均一化、ひいては、燃料電池効率の向上は、主として空気供給路の下流側部分に流れる、酸素濃度が低下した空気を空気加熱部により加熱することで達成できるので、燃料電池の、携帯機器に不向きな格別の大型化を招くことなく、簡易に達成できる。
第2の燃料電池システムは、前記空気供給部の空気供給路に溜まる液体(例えば、酸素極における電気化学反応により生成する水、燃料極側から電解質膜を通って酸素極側へ到来することがある液体)を該空気供給路から回収するための回収ポンプを含む液回収路を有していてもよい。このように回収される液は、高濃度燃料液の希釈液に混ぜて再使用することも可能である。液回収路には、必要に応じ、気液分離器を設けてもよい。
かかる液回収路を設ける場合、システムのコンパクト化のために、該液回収路は前記空気供給部に設けてもよい。液回収路を空気供給部に設ける場合、前記液回収ポンプとして、次の、微小に、コンパクトに形成できるポンプを例示することができる。
すなわち、液体を吸引するための第1絞り流路、液体を吐出するための第2絞り流路、該第1及び第2の絞り流路間のポンプ室、該ポンプ室の可撓性壁に設置されたアクチュエータを含んでおり、該アクチュエータで該ポンプ室壁を振動させることで該ポンプ室容積を変動させて該第1絞り流路からポンプ室内へ液体を吸引し、該第2絞り流路からポンプ室内液体を吐出するポンプである。アクチュエータとしては、代表例として圧電素子を挙げることができる。
前記空気加熱部は、前記空気供給部に隣接して設けられた熱交換部を含んでいてもよい。かかる熱交換部として、前記空気供給部の空気供給路の下流側部分に対応する部位に、加熱された空気を導入するための加熱空気導入部を有しているとともに、該加熱空気導入部から、前記空気供給部の空気供給路中を流れる空気に対し向流状態で該空気供給部の前記空気導入口へ空気を導く空気流路を有しているものを例示できる。
かかる熱交換部を採用する場合、前記空気加熱部は、熱交換部の加熱空気導入部へ供給される空気を加熱する発熱部を含んでいてもよい。
また、前記空気加熱部は、主として前記空気供給部の空気供給路の下流側部分に流れる空気を加熱するように該空気供給部に対して設けられている発熱部であってもよい。この場合、該発熱部は、空気供給部に直接設けられてもよく、他の部材を介して設けられてもよい。
(3−1)第3の燃料電池システムについて
第3の燃料電池システムは、前記第1、第2の燃料電池システムを組み合わせたものであり、第1、第2のシステムについて説明したことは概ね第3のシステムにも適用可能である。
第3のシステムでは、前記空気供給部における空気供給路の下流側部分は、前記電池本体を間にして、前記燃料供給部における燃料供給路の下流側部分に対向させてもよい。そうすることで、燃料濃度が低下した燃料液及び酸素濃度が低下した空気を燃料極側、酸素極側の双方から互いに加熱することができ、それだけ、一層発電効率を高めることができる。
本発明にかかる燃料電池システムは、電子機器の電源として該電子機器に搭載して利用できるが、このように、電子機器に搭載する場合、前記発熱部として、該電子機器における1又は2以上の発熱する部分(発熱体)を利用してもよい。
以上説明したように本発明によると、電界質膜を燃料極と酸素極で挟んだ電池本体の該燃料極に燃料液を供給するとともに該酸素極に空気を供給して発電させる燃料電池を含む燃料電池システムであって、燃料電池部分の、携帯機器に不向きな大型化を招くことなく、燃料極及び酸素極のうち少なくとも一方における電気化学反応を極各部で均一化でき、それだけ燃料電池の発電効率を向上させることができる燃料電池システムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(1)図1、図2及び図3に示す燃料電池システムA 燃料電池システムAは、燃料電池1を有している。
電池1は、その本体がダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)であり、電解質膜11の両面に燃料極(アノード)12と、酸素極、換言すれば空気極(カソード)13を接合したMEA(Membrane Electrode Assembly)構造のものである。燃料極12には、プレート状の燃料供給部14を重ねて貼り合わせてあり、酸素極13には、プレート状の空気供給部15を貼り合わせてある。
電界質膜11は、電界質高分子膜〔例えば、デュポン社製ナフィオン(パーフルオロスルホン酸膜)〕である。燃料極12は、電解質膜11に接する触媒層(例えば白金黒或いは白金合金をカーボンブラックに担持させたもの)とこれに積層されたカーボンペーパ等の電極からなり、酸素極13も電解質膜11に接する同様の触媒層とこれに積層された同様の電極からなっている。
燃料供給部14は、燃料導入口141を有している。さらに、燃料導入口141に連通しているとともに燃料極12へ向け開放された溝状の燃料供給路142を有している。燃料供給路142は、図2(B)に示すように、ジグザグのサーペンタイン形状に形成されている。燃料供給部14は、燃料供給路142に連通するガス放出孔143も有している。
空気供給部15は、外部空気を導入する空気導入口151を有している。さらに、空気導入口151に連通しているとともに酸素極13に向け開放された溝状の空気供給路152を有している。空気供給路152は、図3(B)に示すように、ジグザグのサーペンタイン形状に形成されている。空気供給部15は、また、そこに溜まる液体を回収するための液導出口153も有している。
燃料供給部14に対して、燃料加熱部2Aを設けてある。加熱部2Aは、燃料供給部14に重ねて貼り合わされた、プレート状の熱交換部21及び後述する発熱部22を含んでいる。
熱交換部21は、加熱された燃料液を導入する加熱燃料導入口211と、これに連通する燃料流路212を有している。燃料流路212は、燃料供給部14へ向け開放された溝状に形成されており、図2(A)に示すように、ジグザグのサーペンタイン形状に形成されている。燃料流路212は、燃料供給部14の燃料供給路142に、燃料供給部壁を介して重なるように形成されている。
燃料流路212の、前記加熱燃料導入口211(加熱燃料導入部の1例)とは反対側の端部212aは、燃料供給部14の燃料導入口141に連通している。熱交換部21の燃料導入口211から供給される燃料液は、燃料流路212の始端部212sから終端部212eへ流れ、そこから、燃料供給部14の燃料導入口141を経て燃料供給路142へ流入し、その始端部142sから終端部142eへ向け流れる。このように、熱交換部21における燃料液の流れは、燃料供給部14の燃料導入口141から供給路終端部142eへ向かう燃料液の流れとは逆向きの向流状態となる。
空気供給部15に対して、空気加熱部3Aを設けてある。加熱部3Aは、空気供給部15に重ねて貼り合わされた、プレート状の熱交換部31及び発熱部32を含んでいる。
熱交換部31は、発熱部32により加熱された外部空気を導入する加熱空気導入口311と、これに連通する空気流路312を有している。空気流路312は、空気供給部15へ向け開放された溝状に形成されており、図3(A)に示すように、ジグザグのサーペンタイン形状に形成されている。空気流路312は、空気供給部15の空気供給路152に、空気供給部壁を介して重なるように形成されている。
発熱部32は、適当なヒータを利用したものでもよいが、燃料電池システムAが電子機器の電源として利用されるものであるときは、該電子機器における発熱する部分(発熱体)を利用したものでもよい。
空気流路312の、前記加熱空気導入口311(加熱空気導入部の1例)とは反対側の端部312aは、空気供給部15の空気導入口151に連通している。熱交換部31の空気導入口311から供給される空気は、空気流路312の始端部312sから終端部312eへ流れ、そこから、空気供給部15の空気導入口151を経て空気供給路152へ流入し、その始端部152sから終端部152eへ向け流れる。このように、熱交換部31における空気の流れは、空気供給部15の空気導入口151から供給路終端部152eへ向かう空気の流れとは逆向きの向流状態となる。
図1の燃料電池システムAは、さらに、
高濃度燃料液(ここでは高濃度メタノール水溶液)を収容した容器C1、
容器C1からの高濃度燃料液を供給するポンプP1を含む高濃度燃料液供給路L1、
希釈液(ここでは水或いは水を主成分とする希釈液)を収容する容器C2、
容器C2からの希釈液を供給するポンプP2を含む希釈液供給路L2、及び
供給路L1から供給される高濃度燃料液と供給路L2から供給される希釈液とを混合して希釈燃料液として前記熱交換部21の加熱燃料導入口211へ導く混合流路L3、及び 空気供給部15に溜まる液を、該空気供給部の液導出口153及び前記熱交換部31に設けた通液孔312bを介して容器C2へ回収するポンプP3を含む液回収路L4を含んでいる。
前記の燃料加熱部2Aを構成する発熱部22は、この混合流路L3を流れる希釈燃料液を加熱するように設けてある。これにより、熱交換部21の加熱燃料導入口211に加熱された燃料液を供給することができる。なお、発熱部としては、発熱部22に代えて、例えば、高濃度燃料液を加熱できるように容器C1に対して発熱部23を設けたり、希釈液を加熱できるように容器C2に対して発熱部24を設けたりしてもよく、これら発熱部22、23、24のうち2以上を組み合わせ設ける等してもよい。要するに、熱交換部21の加熱燃料導入口211に加熱された燃料液を供給できるように設ければよい。
これら発熱部は、適当なヒータを利用したものでもよいが、燃料電池システムAが電子機器の電源として利用されるものであるときは、該電子機器における発熱する部分(発熱体)を利用したものでもよい。
燃料供給部14において余剰燃料液が発生するような場合に備えて、燃料供給路終端部142eに、前記希釈液収容容器C2へ連通する燃料液循環路L5を設けてもよい(図1参照)。かかる循環路L5には、必要に応じ、液循環用ポンプを設けてもよく、また、必要に応じ気液分離器を設けてもよい。
また、前記液回収路L4にも、必要に応じて、気液分離器4を設けてもよい。
燃料電池システムAによると、ポンプP1、P2の運転により容器C1からの高濃度燃料液及び容器C2からの希釈液が、混合流路L3において混合されて希釈された燃料液が作られるとともに、該燃料液が発熱部22により加熱され、かかる加熱された燃料液が熱交換部21の加熱燃料導入口211に供給され、該導入口211から熱交換部内の燃料流路212に流れ、さらに、燃料供給部14の燃料導入口141を経て該燃料供給部14内の燃料供給路142に流れ、燃料極12に供給され、発電に供される。
一方、空気供給部15側の熱交換部31において、発熱部32により加熱された外部空気が加熱空気導入口311から、これに連通する空気流路312へ流入し、さらに、空気供給部15の空気導入口151を経て該空気供給部15内の空気供給路152に流れ、酸素極13に供給され、発電に供される。
かくして、燃料極12及び酸素極13に接続される負荷LDに通電することができる。
燃料極12側で発生するガスは、燃料供給部14に形成されたガス放出孔143(図2(B)参照)から外部へ放出される。
燃料電池本体における電気化学反応により酸素極14で発生する水及び電界質膜11を通って燃料極12側から酸素極14側へ到来することがある液は、空気供給部15の空気供給路152に溜まるが、これら液体は、ポンプP3の運転にて液回収路L4を介して希釈液収容容器C2へ回収される。
かかるポンプP3の吸引動作により、熱交換部31内へ、さらに空気供給部15へ外部空気を吸引できるが、必要に応じ、熱交換部31の空気導入口311に通じる空気通路に空気供給ポンプを設けてもよい。また、液回収路L4には、必要に応じ、気液分離器を設けてもよい。
燃料電池システムAでは、希釈燃料液は、燃料供給部14の燃料導入口141から供給されて燃料供給路142により燃料極12の各部へ導かれ、発電に供される。このとき、燃料導入口141から供給された燃料液の燃料濃度は、燃料導入口141から遠ざかるほど、換言すれば、燃料供給路142の終端部142eに近づくほど、そこへ至るまでの燃料消費により低下し、燃料極各部で燃料濃度差が生じる。
しかし、システムAでは、発熱部22により加熱された燃料液が熱交換部21の燃料流路212を、燃料供給部14内の燃料供給路142による燃料液の流れに対して向流状態で流れるので、燃料供給路142に流れる燃料液のうち、該燃料供給路の終端部142eを含む下流側部分に流れる、燃料濃度が低下した燃料液が他より高温に加熱され、それにより、低濃度燃料液が供給される燃料極12の部分も高温に加熱され(換言すれば、燃料液を熱媒として低濃度燃料液が供給される燃料極部分が加熱され)、かかる加熱により、低濃度燃料液が供給される燃料極12の部分においても、燃料濃度の低下を補うように電気化学反応が活発化し、それにより、燃料極12全体としてみれば、それだけ電気化学反応が均一化され、燃料濃度差の発生にも拘らず、それだけ燃料電池の発電効率が高められる。
発熱部22による燃料液の加熱の程度は、かかる効果を得られるものとすればよい。
かかる燃料極側における電気化学反応の均一化、ひいては、燃料電池効率の向上は、主として燃料供給路の終端部142eを含む下流側部分に流れる、燃料濃度が低下した燃料液を、熱交換部21と発熱部22による加熱部2Aにより加熱することで達成できるので、燃料電池1の、携帯機器に不向きな格別の大型化を招くことなく、簡易に達成できる。
また、燃料電池システムAでは、外部空気は、空気供給部15の空気導入口151から供給されて空気供給路152により酸素極13の各部へ導かれ、発電に供されるが、このとき、空気導入口151から供給された空気中の酸素濃度は、空気導入口151から遠ざかるほど、換言すれば、空気供給路152の終端部152eに近づくほど、そこへ至るまでの酸素消費により低下し、酸素極各部で酸素濃度差が生じる。
しかし、システムAでは、発熱部32により加熱された空気が熱交換部31の空気流路312を、空気供給部15内の空気供給路152による空気流れに対して向流状態で流れるので、空気供給路152に流れる空気のうち、該空気供給路の終端部152eを含む下流側部分に流れる、酸素濃度が低下した空気が他より高温に加熱され、それにより、低酸素濃度空気が供給される酸素極13の部分も高温に加熱され(換言すれば、空気を熱媒として低酸素濃度空気が供給される酸素極部分が加熱され)、かかる加熱により、低酸素濃度空気が供給される酸素極13の部分においても、酸素濃度の低下を補うように電気化学反応が活発化し、それにより、酸素極12全体としてみれば、それだけ電気化学反応が均一化され、酸素濃度差の発生にも拘らず、それだけ燃料電池の発電効率が高められる。
発熱部32による空気の加熱の程度は、かかる効果を得られるものとすればよい。
かかる酸素極側における電気化学反応の均一化、ひいては、燃料電池効率の向上は、主として空気供給路の終端部152eを含む下流側部分に流れる、酸素濃度が低下した空気を、熱交換部31と発熱部32による加熱部3Aにより加熱することで達成できるので、燃料電池1の、携帯機器に不向きな格別の大型化を招くことなく、簡易に達成できる。
以上、説明したように、燃料電池システムAにおいては、燃料液の燃料濃度勾配の発生、空気の酸素濃度勾配の発生にも拘らず、燃料電池の発電効率が高められる。
燃料電池システムAにおいては、燃料液の加熱と空気の加熱の双方を採用したが、これらのうちいずれか一方を採用するだけでも、それだけ、燃料電池の発電効率を高めることができる。
燃料電池システムAにおいては、燃料極12側において燃料供給部14に熱交換部21を重ね設けたが、コンパクト化のために、図4に例示するように、1枚の基板の片面に、前記燃料供給路142と同様の燃料供給路142’を形成して燃料供給部14’とするとともに、該基板の反対側の面に、前記燃料流路212と同様の燃料流路212’を形成して熱交換部21’としてもよい。図4において、141’は燃料供給路142’に連通する燃料導入口であり、211’は燃料流路212’に連通する加熱燃料導入口であり、140は、燃料流路212’を閉じる蓋板である。2A’は熱交換部21’と発熱部22とからなる燃料加熱部である。
また、燃料電池システムAにおいては、酸素極13側において空気供給部15に熱交換部31を重ね設けたが、コンパクト化のために、図4に例示するように、1枚の基板の片面に、前記空気供給路152と同様の空気供給路152’を形成して空気供給部15’とするとともに、該基板の反対側の面に、前記空気流路312と同様の空気流路312’を形成して熱交換部31’としてもよい。図4において、151’は空気供給路152’に連通する空気導入口であり、311’は空気流路312’に連通する加熱空気導入口であり、153’は空気供給路152’に連通する液導出口であり、150は、空気流路312’を閉じる蓋板である。3A’は熱交換部31’と発熱部32とからなる空気加熱部である。
(2)図5及び図6に示す燃料電池システムB 燃料電池システムBは、燃料電池システムAにおいて、燃料加熱部2Aに代えて、従って熱交換部21及び発熱部22に代えて、燃料加熱部2Bを採用したものである。これに伴い、希釈燃料液の流路(混合流路)L3は、燃料供給部14の燃料導入口141に接続されている。
また、燃料電池システムAにおいて、空気加熱部3Aに代えて、従って熱交換部31及び発熱部32に代えて、空気加熱部Hを採用したものである。これに伴い、液回収路L4は、空気供給部15の液導出口153に直接接続されている。
システムAと実質上同じ部分、部品にはシステムAと同じ参照符号を付してある。
燃料加熱部2Bは発熱部であり、燃料供給部14に対して設けられており、さらに言えば、燃料供給部14の、燃料供給路終端部142eを含む燃料供給路の下流側部分に対応する部位に設けられている(図6(A)も参照)。
空気加熱部Hは発熱部であり、空気供給部15に対して設けられており、さらに言えば、空気供給部15の、空気供給路終端部を含む空気供給路の下流側部分に対応する部位に設けられている(図6(B)参照)。
加熱部2B(発熱部)や加熱部H(発熱部)は、適当なヒータを利用したものでもよいが、燃料電池システムBが電子機器の電源として利用されるものであるときは、該電子機器における発熱する部分(発熱体)を利用したものでもよい。
燃料電池システムBにおいても、システムAと同様に発電させることができる。
システムBでも、燃料供給部14の燃料導入口141から供給された燃料液の燃料濃度は、燃料導入口141から遠ざかるほど、換言すれば、燃料供給路142の終端部142eに近づくほど、そこへ至るまでの燃料消費により低下し、燃料極各部で燃料濃度差が生じる。
しかし、燃料供給路142に流れる燃料液のうち、該燃料供給路の終端部142eを含む下流側部分に流れる、燃料濃度が低下した燃料液が、発熱部2Bにより加熱され、それにより、低濃度燃料液が供給される燃料極12の部分も加熱され、かかる加熱により、低濃度燃料液が供給される燃料極12の部分においても、燃料濃度の低下を補うように電気化学反応が活発化し、それにより、燃料極12全体としてみれば、それだけ電気化学反応が均一化され、燃料濃度差の発生にも拘らず、燃料電池の発電効率が高められる。発熱部2Bによる燃料液の加熱の程度は、かかる効果を得られるものとすればよい。
これらは、燃料電池1の、携帯機器に不向きな格別の大型化を招くことなく、簡易に達成できる。
また、システムBでも、空気供給部15の空気導入口151から空気供給路152内へ流入する空気中の酸素濃度は、空気導入口151から遠ざかるほど、換言すれば、空気供給路152の終端部に近づくほど、そこへ至るまでの酸素消費により低下し、酸素極各部で酸素濃度差が生じる。
しかし、空気供給路152に流れる空気のうち、該空気供給路の終端部を含む下流側部分に流れる、酸素濃度が低下した空気が、発熱部Hにより加熱され、それにより、低酸素濃度空気が供給される酸素極13の部分も加熱され、かかる加熱により、低酸素濃度空気が供給される酸素極13の部分においても、酸素濃度の低下を補うように電気化学反応が活発化し、それにより、酸素極13全体としてみれば、それだけ電気化学反応が均一化され、酸素濃度差の発生にも拘らず、燃料電池の発電効率が高められる。発熱部Hによる空気の加熱の程度は、かかる効果を得られるものとすればよい。
これらは、燃料電池1の、携帯機器に不向きな格別の大型化を招くことなく、簡易に達成できる。
(3)図7及び図8に示す燃料電池システムC
燃料電池システムCは、システムAにおいて、ポンプP1、P2をマイクロポンプMP1、MP2として、これらマイクロポンプを含む、全体としてプレート状のポンプユニット16を熱交換部21に貼り合わせるとともに燃料加熱部2Aに代えて燃料加熱部2Cを採用したものである。
さらに、空気加熱部3Aに代えて、マイクロポンプMP3を含む、全体としてプレート状のポンプユニット18を空気供給部15に貼り合わせ、ポンプユニット18に空気加熱部(発熱部)H’を設けた(換言すれば、ポンプユニット18を介して空気供給部15に空気加熱部(発熱部)H’を設けた)ものである。
燃料加熱部2Cは、熱交換部21及びポンプユニット16に対して設けた発熱部25を含んでいる。
システムAにおける部品、部分等と実質上同じ部品、部分等にはシステムAと同じ参照符号を付してある。
ポンプユニット16は、図8(A)に示すように、マイクロポンプMP1を含む高濃度燃料液供給路161と、マイクロポンプMP2を含む希釈液供給路162と、供給路161から供給される高濃度燃料液と供給路162から供給される希釈液とを混合して希釈された燃料液とし、これを熱交換部21の加熱燃料導入口211に供給する混合流路163とを有している。供給路161、162及び混合流路163は、熱交換部21に向け開放された溝状に形成されている。
供給路161の入口161aには高濃度燃料液を収容した容器C1が接続され、供給路162の入口162aには希釈液収容容器C2が接続される。
燃料加熱部2Cを構成する発熱部25は、ポンプユニット16に、その混合流路163を流れる希釈燃料液を加熱するように設けてある。これにより、熱交換部21の加熱燃料導入口211に加熱された燃料液を供給することができる。なお、発熱部としては、発熱部25に代えて、例えば、高濃度燃料液を加熱できるように容器C1に対して発熱部23を設けたり、希釈液を加熱できるように容器C2に対して発熱部24を設けたりしてもよく、これら発熱部22、23、25のうち2以上を組み合わせ設ける等してもよい。要するに、熱交換部21の加熱燃料導入部211に加熱された燃料液を供給できるように設ければよい。
空気供給部15側のポンプユニット18は、図6(D)に示すように、マイクロポンプMP3を含む液回収路181を有しており、液回収路181は、一方で、空気供給部15の液導出口153に連通しており、他方で、貫通孔h、すなわち、空気供給部15、電池本体、燃料供給部14、熱交換部21及びポンプユニット16を貫通する孔hを介して容器C2に連通している。なお、図8に示す、ポンプユニット16における孔164、熱交換部21における孔213、燃料供給部14における孔144は、かかる貫通孔hを構成する孔である。
また、図8(D)に示す、ポンプユニット18における孔180は、空気供給部15の空気導入口151に連通する外部空気導入用の貫通孔である。
前記の発熱部25、23、24や発熱部H’は、適当なヒータを利用したものでもよいが、燃料電池システムCが電子機器の電源として利用されるものであるときは、該電子機器における発熱する部分(発熱体)を利用したものでもよい。
なお、図8(A)におけるPZT1、PZT2はマイクロポンプMP1、MP2のアクチュエータである圧電素子であり、図8(D)におけるPZT3はマイクロポンプMP3の圧電素子である。マイクロポンプについては後ほど詳述する。
燃料供給部14の燃料供給路142の終端部142eには、余剰燃料液を希釈液収容容器C2へ回収する回収路を設けてもよく、さらに、該回収路に必要に応じ、ポンプや気液分離器を設けてもよい。また、空気供給部側のポンプユニット18から前記貫通孔hを介して容器C2へ繋がる回収路には気液分離器を設けてもよい。
燃料電池システムCによると、ポンプMP1、MP2の運転により容器C1からの高濃度燃料液及び容器C2からの希釈液が、混合流路163において混合されて希釈された燃料液が作られるとともに、該燃料液が発熱部25により加熱され、かかる加熱された燃料液が熱交換部21の加熱燃料導入口211に供給され、該導入口211から熱交換部内の燃料流路212に流れ、さらに、燃料供給部14の燃料導入口141を経て該燃料供給部14内の燃料供給路142に流れ、燃料極12に供給され、発電に供される。
一方、空気供給部15においては、ポンプユニット18の孔180及び空気供給部15の空気導入口151から該空気供給部内の空気供給路152へ外部空気が流入し、酸素極13へ外部空気が供給され、発電に供される。また、空気供給部15内の空気供給路152の終端部を含む部分の空気が発熱部H’により加熱される。
かくして、燃料極12及び酸素極13に接続される負荷LDに通電することができる。
燃料極12側で発生するガスは、燃料供給部14に形成されたガス放出孔143(図8(C)参照)から外部へ放出される。
燃料電池本体における電気化学反応により酸素極14で発生する水及び電界質膜11を通って燃料極12側から酸素極14側へ到来することがある液は、空気供給部15で受けられ、ポンプMP3の運転により容器C2へ回収される。
また、マイクロポンプMP3の動作により空気供給部15内へ外部空気を導入できるが、空気供給部15の空気導入口151に通じる部分に空気供給ポンプを設けてもよい。
燃料電池システムCにおいても、燃料供給部14の燃料導入口141から供給された燃料液の燃料濃度は、燃料導入口141から遠ざかるほど、換言すれば、燃料供給路142の終端部142eに近づくほど、そこへ至るまでの燃料消費により低下し、燃料極各部で燃料濃度差が生じる。
しかし、システムCでは、発熱部25により加熱された燃料液が熱交換部21の燃料流路212を、燃料供給部14内の燃料供給路142による燃料液の流れに対して向流状態で流れるので、燃料供給路142に流れる燃料液のうち、該燃料供給路の終端部142eを含む下流側部分に流れる、燃料濃度が低下した燃料液が他より高温に加熱され、それにより、低濃度燃料液が供給される燃料極12の部分も高温に加熱され、かかる加熱により、低濃度燃料液が供給される燃料極12の部分においても、燃料濃度の低下を補うように電気化学反応が活発化し、それにより、燃料極12全体としてみれば、それだけ電気化学反応が均一化され、燃料濃度差の発生にも拘らず、燃料電池の発電効率が高められる。発熱部25による燃料液の加熱の程度は、かかる効果を得られる程度とすればよい。
かかる電気化学反応の均一化、ひいては、燃料電池効率の向上は、主として燃料供給路の終端部142eを含む下流側部分に流れる、燃料濃度が低下した燃料液を、熱交換部21と発熱部25による加熱部2Cにより加熱することで達成できるので、燃料電池1の、携帯機器に不向きな格別の大型化を招くことなく、簡易に達成できる。
また、空気供給部15の空気導入口151から空気供給路152へ流入した空気中の酸素濃度は、空気導入口151から遠ざかるほど、換言すれば、空気供給路152の終端部に近づくほど、そこへ至るまでの酸素消費により低下し、酸素極各部で酸素濃度差が生じる。
しかし、空気供給路152に流れる空気のうち、該空気供給路の終端部に流れる、酸素濃度が低下した空気が、発熱部H’により加熱され、それにより、低酸素濃度空気が供給される酸素極13の部分も加熱され、かかる加熱により、低酸素濃度空気が供給される酸素極13の部分においても、酸素濃度の低下を補うように電気化学反応が活発化し、それにより、酸素極13全体としてみれば、それだけ電気化学反応が均一化され、酸素濃度差の発生にも拘らず、燃料電池の発電効率が高められる。発熱部H’による空気の加熱の程度は、かかる効果を得られるものとすればよい。
これらは、燃料電池1の、携帯機器に不向きな格別の大型化を招くことなく、簡易に達成できる。
また、システムCでは、マイクロポンプMP1、MP2を含むポンプユニット16を採用するとともに、マイクロポンプMP3を含むポンプユニット18を採用しているので、それだけ全体が小型化、コンパクト化されている。
1mol/Lのメタノール水溶液を、燃料温度80℃、供給量2.5ml/min.で、熱交換部21を用いること無く、システムCの燃料供給部14の燃料導入口141から燃料供給部14に供給したところ(但し液回収側の発熱部H’は用ないで)、電圧0.3Vにおける電流は6Aであったが、システムCにおいて(但し発熱部H’は用いずに)、同様に1mol/Lのメタノール水溶液を、燃料温度80℃、供給量2.5ml/min.で、熱交換部21を介して燃料供給部14に供給して発電させたところ、電圧0.3Vにおける電流は7.5Aであった。
マイクロポンプMP1、MP2、MP3は、いずれも図12に示す基本構造を有するものである。
すなわち、液体を吸引するための第1絞り流路f1、液体を吐出するための第2絞り流路f2、該第1、第2の絞り流路f1、f2間のポンプ室PC、ポンプ室PCの可撓性壁(ダイアフラム)DFに設置された圧電素子PZTを含むポンプである。
圧電素子PZTに図示省略のポンプ駆動部から駆動信号としてパルス電圧を印加することでポンプ室壁(ダイアフラム)DFを振動させ、それによりポンプ室PCの容積を変動させ、第1絞り流路f1からポンプ室PC内へ液体を吸引し、第2絞り流路f2からポンプ室内液体を吐出できる。
さらに説明すると、第1、第2の絞り流路f1、f2は断面積が同じ又は略同じであるが、流路f1より流路f2は長く形成されている。圧電素子PZTを駆動するバルス電圧として図12(C)に示すように急峻な立ち上がり、緩やかな立ち下がりを示すパルス電圧を用いる。
図12(A)に示すように、印加電圧の急峻な立ち上がり時に圧電素子によりダイアフラムDFを急激に変形させてポンプ室PCを急激に収縮させると、長い流路f2では流路抵抗により液体が層流状に流れる一方、短い流路f1では液体が乱流となり、流路f1からの液体の流出が抑制される。これにより、流路f2からポンプ室内液体を吐出することができる。
図12(B)に示すように、印加電圧の緩やかな立ち下がり時に圧電素子によりダイアフラムDFを緩やかに復帰動作させてポンプ室PCを緩やかに膨張させると、短い流路f1からはポンプ室PC内へ液体が流入する一方、このとき流路f1より流路抵抗が大きい長い流路f2からの液体吐出が抑制される。これにより、流路f1からポンプ室PC内へ液体を吸引できる。
よって、所望の送液方向において上流側に流路f1を下流側に流路f2を配置することで所望方向に送液可能である。ポンプMP1、MP2、MP3のそれぞれは、かかる基本構造を有し、かかる動作原理で送液を行うものである。
ポンプMP1、MP2、MP3のそれぞれの送液能力は、各ポンプにおけるポンプ室容積、圧電素子の性能、第1、第2の絞り流路の断面積及び(又は)長さ等のうち1又は2以上を適宜選択決定することで所望のものにできる。
ここでは、高濃度液体燃料と希釈液を所定の割合で混合して希釈された、所定燃料濃度の燃料液が得られるように、ポンプMP1、MP2、MP3のそれぞれの送液能力を定めてある。
なお、図12に基本構造を示すマイクロポンプは、図12(F)に示すように、圧電素子PZTに緩やかな立ち上がり、急峻な立ち下がりを示すパルス電圧を印加することで、図12(D)に示すように流路f1からポンプ室内液体を吐出でき、図12(E)に示すように流路f2から液体を吸引できるが、ここでは、図12(C)に示す駆動波形を採用している。
ポンプMP1、MP2のそれぞれは、以上説明したように駆動されるが、高濃度液体燃料と希釈液との混合をより円滑、確実化するために、ポンプMP1 、P2へ印加するパルス電圧波形として図13(A)に示す波形を採用してもよい。この波形を採用すると、図13(B)に示すように、ポンプMP1で送られるRA濃度液体燃料、ポンプMP2で送られる希釈液のそれぞれが間欠的に混合流路に供給され、これにより両液は円滑に混合され、それだけ所定の希釈燃料液が円滑、確実に得られる。なお、各ポンプの駆動波形において電圧値の低い部分は他方のポンプからの液逆流を防ぐためのものである。
(4)図9及び図10に示す燃料電池システムD
燃料電池システムDは、燃料電池システムCにおいて、加熱部2Cに代えて、従って熱交換部21及び発熱部25に代えて、加熱部2Dを採用したものである。
これに伴い、ポンプユニット16においては、図10に示すように、マイクロポンプMP1を含む高濃度燃料液供給路161、マイクロポンプMP2を含む希釈液供給路162及び混合流路163のそれぞれの位置及び向きを、システムCにおけるポンプユニット16におけるそれらとは異ならせてあり、また、混合流路163は燃料供給部14の燃料導入口141に連通させてある。
加熱部2Dは発熱部であり、これはポンプユニット16に設けられている。さらに言えば、ポンプユニット16を介して、燃料供給部14の燃料供給路の終端部142eを含む下流側部分に対応させて設けられている。なお、熱効率を向上させるために、ポンプユニット16に発熱部2Dを嵌め込む貫通孔を形成し、該孔から、発熱部2Dを直接燃料供給部14に設けてもよい。
加熱部2D(発熱部)も、適当なヒータを利用したものでもよいが、燃料電池システムAが電子機器の電源として利用されるものであるときは、該電子機器における発熱する部分(発熱体)を利用したものでもよい。
また、空気供給部15側のポンプユニット18の液回収路181は、電池を貫通する孔h’を介して容器C2に連通している。なお、図10に示す、ポンプユニット16における孔164は、かかる貫通孔h’を構成する孔である。
システムCと実質上同じ部分、部品にはシステムCと同じ参照符号を付してある。
燃料電池システムDにおいても、システムCと同様に発電させることができる。
システムDでも、燃料供給部14の燃料導入口141から供給された燃料液の燃料濃度は、燃料導入口141から遠ざかるほど、換言すれば、燃料供給路142の終端部142eに近づくほど、そこへ至るまでの燃料消費により低下し、燃料極各部で燃料濃度差が生じる。
しかし、燃料供給路142に流れる燃料液のうち、該燃料供給路の終端部142eを含む下流側部分に流れる、燃料濃度が低下した燃料液は、発熱部2Dにより加熱され、それにより、低濃度燃料液が供給される燃料極12の部分も加熱され、かかる加熱により、低濃度燃料液が供給される燃料極12の部分においても、燃料濃度の低下を補うように電気化学反応が活発化し、それにより、燃料極12全体としてみれば、それだけ電気化学反応が均一化され、燃料濃度差の発生にも拘らず、それだけ、燃料電池の発電効率が高められる。
これらは、燃料電池1の、携帯機器に不向きな格別の大型化を招くことなく、簡易に達成できる。
発熱部2Dによる燃料液の加熱の程度はかかる効果が得られる程度とすればよい。
酸素極13側においても、システムCの場合と同様に、電気化学反応が均一化される。
前記燃料電池システムCにおいては、システムのコンパクト化のために、例えば、熱交換部21とポンプユニット16につき、図11に例示するように、1枚の基板の片面に、前記燃料流路212と同様の燃料流路212”を形成して熱交換部21”とするとともに、該基板の反対側の面に燃料や希釈液等の流路161、162、163等と同様の流路を形成し、該流路をフィルム200で閉じ、該フィルム上に圧電素子を配置して、マイクロポンプMP1、MP2を含むポンプユニット16”を形成し、該ポンプユニット16”に発熱部25を設けてもよい。図11において、2C”は、熱交換部21”と発熱部25とからなる燃料加熱部である。
同様に、システムのコンパクト化のために、システムDにおける燃料供給部14とポンプユニット16を1枚の基板の両面に溝流路を形成して一体化させてもよいし、システムCやDにおける空気供給部15とポンプユニット18についても、1枚の基板の両面に溝流路を形成して一体化させてもよい。
本発明は、電界質膜を燃料極と酸素極で挟んだ電池本体の該燃料極に燃料液を供給するとともに該酸素極に空気を供給して発電させる燃料電池を含む燃料電池システムであって、燃料電池部分の、携帯機器に不向きな大型化を招くことなく、燃料極及び酸素極のうち少なくとも一方における電気化学反応を極各部で均一化でき、それだけ燃料電池の発電効率を向上させることができる燃料電池システムを提供することに利用できる。
本発明に係る燃料電池システムの1例を示す図である。 図2(A)は図1の燃料電池システムにおける燃料供給部側の熱交換部の、図1において左側から見た図であり、図2(B)は該システムにおける燃料供給部の、図1において左側から見た図である。 図3(A)は図1の燃料電池システムにおける空気供給部側の熱交換部の、図1において右側から見た図であり、図3(B)は該システムにおける空気供給部の、図1において右側から見た図である。 図1のシステムにおいて、燃料電池における燃料供給部とそれに対応する熱交換部とを一体化構造のものとするとともに、空気供給部とそれに対応する熱交換部とを一体化構造のものとした場合を示す図である。 本発明に係る燃料電池システムの他の例を示す図である。 図6(A)は、図5の燃料電池システムにおける燃料供給部及び燃料加熱部(発熱部)を、図5において左側から見た図であり、図6(B)は、図5の燃料電池システムにおける空気供給部及び空気加熱部(発熱部)を、図5において右側から見た図である。 本発明に係る燃料電池システムのさらに他の例を示す図である。 図8(A)は図7の燃料電池システムにおける、燃料極側のポンプユニット及び発熱部の、図7において左側から見た図、図8(B)は同システムにおける熱交換部の、図7において左側から見た図、図8(C)は同システムにおける燃料供給部の、図7において左側から見た図、図8(D)は同システムにおける空気供給部側のポンプユニット及び空気加熱部(発熱部)の、図7において右側から見た図である。 本発明に係る燃料電池システムのさらに他の例を示す図である。 図9の燃料電池システムにおける、燃料極側のポンプユニット及び発熱部の、図9において左側から見た図である。 図7のシステムにおける燃料電池の燃料供給部側の熱交換部及びポンプユニットを一体化構造のものとした場合を示す図である。 マイクロポンプの1例の基本構造及び動作を示すもので、図12(A)は液体吐出動作を示す図、図12(B)は液体吸引動作を示す図、図12(C)はかかる液体の吐出動作、吸引動作のための圧電素子への印加電圧波形を示す図である。図12(D)は図12(A)とは反対方向への液体吐出動作を示す図、図12(E)は図12(B)とは反対方向の液体吸引動作を示す図、図12(F)はかかる反対動作のための圧電素子への印加電圧波形を示す図である。 図13(A)はマイクロポンプ駆動電圧波形の他の例を示す図であり、図13(B)は該波形による送液状態を示す図である。
符号の説明
A 燃料電池システム
1 燃料電池
11 電解質膜
12 燃料極(アノード)
13 酸素極、換言すれば空気極(カソード)
14 燃料供給部
141 燃料導入口
142 燃料供給路
142s 燃料供給路始端部
142e 燃料供給路終端部
143 ガス放出孔
15 空気供給部
151 空気導入口
152 空気供給路
153 液導出口
2A 燃料加熱部
21 熱交換部
211 加熱燃料導入口
212 燃料流路
212a 燃料流路端部
212s 燃料流路始端部
212e 燃料流路終端部
22、23、24 発熱部
3A 空気加熱部
31 熱交換部
311 加熱空気導入口
312 空気流路
312 空気流路端部
312s 空気流路始端部
312e 空気流路終端部
32 発熱部
C1 高濃度燃料液収容容器
C2 希釈液収容容器
L1 高濃度燃料液供給路
L2 希釈液供給路
L3 混合流路
L4 液回収路
L4 燃料液循環路
4 気液分離器
LD 負荷

14’ 燃料供給部
141’ 燃料導入口
142’ 燃料供給路
2A’ 燃料加熱部
21’ 熱交換部
211’ 加熱燃料導入口
212’ 燃料流路
140 蓋板
15’ 空気供給部
151’ 空気導入口
152’ 空気供給路15’ 153’ 液導出口
3A’ 空気加熱部
31’ 熱交換部
311’ 加熱空気導入口
312’ 空気流路
150 蓋板

B 燃料電池システム
2B 燃料加熱部
H 空気加熱部

C 燃料電池システム
2C 燃料加熱部
16 ポンプユニット
MP1、MP2、MP3 マイクロポンプ
PZT1、PZT2、PZT3 圧電素子
161 高濃度燃料液供給路
161a 供給路161の入口
162 希釈液供給路
162a 供給路162の入口
163 混合流路
H’ 空気加熱部
18 ポンプユニット
181 液回収路
h 貫通孔
164 貫通孔
213 孔
144 孔
180 貫通孔

D 燃料電池システム
2D 燃料加熱部
h’ 孔

2C” 燃料加熱部
21” 熱交換部
212” 燃料流路
16” ポンプユニット
200 フィルム

Claims (25)

  1. 電界質膜を燃料極と酸素極で挟んだ電池本体の該燃料極に燃料液を供給するとともに該酸素極に空気を供給して発電させる燃料電池を含む燃料電池システムであり、
    該燃料極に供給される燃料液及び該酸素極に供給される空気のうち少なくとも一方を、該燃料電池各部における電気化学反応を均一化させるように加熱する加熱手段を有していることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 電界質膜を燃料極と酸素極で挟んだ電池本体の該燃料極に燃料液を供給するとともに該酸素極に空気を供給して発電させる燃料電池を含む燃料電池システムであり、
    該燃料電池は、該燃料極に重ねて設けられ、燃料液を導入する燃料導入口及び該燃料導入口に連通し、該燃料極に該燃料液を供給する燃料供給路を有する燃料供給部を有しており、
    前記燃料供給部の燃料供給路に流れる燃料液のうち、主として該燃料供給路の下流側部分に流れる燃料液を加熱するための燃料加熱部をさらに含んでいることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 前記燃料加熱部は、前記燃料供給部に隣接して設けられた熱交換部を含んでおり、該熱交換部は、前記燃料供給部の燃料供給路の下流側部分に対応する部位に、加熱された燃料液を導入するための加熱燃料導入部を有しているとともに、該加熱燃料導入部から、前記燃料供給部の燃料供給路中を流れる燃料液に対し向流状態で該燃料供給部の前記燃料導入口へ燃料液を導く燃料流路を有している請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 高濃度燃料液を供給する第1ポンプを含む高濃度燃料液供給路、希釈液を供給する第2ポンプを含む希釈液供給路及び該高濃度燃料液供給路から供給される高濃度燃料液と該希釈液供給路から供給される希釈液とを混合して前記燃料液として前記熱交換部の加熱燃料導入部へ供給する混合流路を有しており、前記燃料加熱部は、該高濃度燃料液、該希釈液及び該加熱燃料導入部へ供給される希釈された燃料液のうち少なくとも一つを加熱する発熱部を含んでいる請求項3記載の燃料電池システム。
  5. 前記高濃度燃料液供給路、希釈液供給路及び混合流路は、前記熱交換部に設けられている請求項4記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料加熱部は、主として前記燃料供給部の燃料供給路の下流側部分に流れる燃料液を加熱するように該燃料供給部に対して設けられている発熱部である請求項2記載の燃料電池システム。
  7. 高濃度燃料液を供給する第1ポンプを含む高濃度燃料液供給路、希釈液を供給する第2ポンプを含む希釈液供給路及び該高濃度燃料液供給路から供給される高濃度燃料液と該希釈液供給路から供給される希釈液とを混合して前記燃料液として前記燃料供給部の燃料導入口へ供給する混合流路を有している請求項6記載の燃料電池システム。
  8. 前記高濃度燃料液供給路、希釈液供給路及び混合流路は前記燃料供給部に設けられている請求項7記載の燃料電池システム。
  9. 前記各ポンプは、液体を吸引するための第1絞り流路、液体を吐出するための第2絞り流路、該第1及び第2の絞り流路間のポンプ室、該ポンプ室の可撓性壁に設置されたアクチュエータを含んでおり、該アクチュエータで該ポンプ室壁を振動させることで該ポンプ室容積を変動させて該第1絞り流路からポンプ室内へ液体を吸引し、該第2絞り流路からポンプ室内液体を吐出するポンプである請求項5又は8記載の燃料電池システム。
  10. 前記燃料電池は、前記酸素極に重ねて設けられ、空気を導入する空気導入口及び該空気導入口に連通し、該酸素極に該空気を供給する空気供給路を有する空気供給部を備えており、
    該空気供給部の空気供給路に流れる空気のうち、主として該空気供給路の下流側部分に流れる空気を加熱するための空気加熱部をさらに含んでいる請求項2から9のいずれかに記載の燃料電池システム。
  11. 前記空気供給部における空気供給路の下流側部分は、前記電池本体を間にして、前記燃料供給部における燃料供給路の下流側部分に対向している請求項10記載の燃料電池システム。
  12. 前記空気供給部の空気供給路に溜まる液体を該空気供給路から回収するための回収ポンプを含む液回収路を有している請求項10又は11記載の燃料電池システム。
  13. 前記液回収路は前記空気供給部に設けられている請求項12記載の燃料電池システム。
  14. 前記回収ポンプは、液体を吸引するための第1絞り流路、液体を吐出するための第2絞り流路、該第1及び第2の絞り流路間のポンプ室、該ポンプ室の可撓性壁に設置されたアクチュエータを含んでおり、該アクチュエータで該ポンプ室壁を振動させることで該ポンプ室容積を変動させて該第1絞り流路からポンプ室内へ液体を吸引し、該第2絞り流路からポンプ室内液体を吐出するポンプである請求項13記載の燃料電池システム。
  15. 前記空気加熱部は、前記空気供給部に隣接して設けられた熱交換部を含んでおり、該熱交換部は、前記空気供給部の空気供給路の下流側部分に対応する部位に、加熱された空気を導入するための加熱空気導入部を有しているとともに、該加熱空気導入部から、前記空気供給部の空気供給路中を流れる空気に対し向流状態で該空気供給部の前記空気導入口へ空気を導く空気流路を有している請求項10、11又は12記載の燃料電池システム。
  16. 前記空気加熱部は、前記熱交換部の加熱空気導入部へ供給される空気を加熱する発熱部を含んでいる請求項15記載の燃料電池システム。
  17. 前記空気加熱部は、主として前記空気供給部の空気供給路の下流側部分に流れる空気を加熱するように該空気供給部に対して設けられている発熱部である請求項10から14のいずれかに記載の燃料電池システム。
  18. 電界質膜を燃料極と酸素極で挟んだ電池本体の該燃料極に燃料液を供給するとともに該酸素極に空気を供給して発電させる燃料電池を含む燃料電池システムであり、
    該燃料電池は、該酸素極に重ねて設けられ、空気を導入する空気導入口及び該空気導入口に連通し、該酸素極に該空気を供給する空気供給路を有する空気供給部を有しており、 前記空気供給部の空気供給路に流れる空気のうち、主として該空気供給路の下流側部分に流れる空気を加熱するための空気加熱部をさらに含んでいることを特徴とする燃料電池システム。
  19. 前記空気供給部の空気供給路に溜まる液体を該空気供給路から回収するための回収ポンプを含む液回収路を有している請求項18記載の燃料電池システム。
  20. 前記液回収路は前記空気供給部に設けられている請求項19記載の燃料電池システム。
  21. 前記回収ポンプは、液体を吸引するための第1絞り流路、液体を吐出するための第2絞り流路、該第1及び第2の絞り流路間のポンプ室、該ポンプ室の可撓性壁に設置されたアクチュエータを含んでおり、該アクチュエータで該ポンプ室壁を振動させることで該ポンプ室容積を変動させて該第1絞り流路からポンプ室内へ液体を吸引し、該第2絞り流路からポンプ室内液体を吐出するポンプである請求項20記載の燃料電池システム。
  22. 前記空気加熱部は、前記空気供給部に隣接して設けられた熱交換部を含んでおり、該熱交換部は、前記空気供給部の空気供給路の下流側部分に対応する部位に、加熱された空気を導入するための加熱空気導入部を有しているとともに、該加熱空気導入部から、前記空気供給部の空気供給路中を流れる空気に対し向流状態で該空気供給部の前記空気導入口へ空気を導く空気流路を有している請求項18又は19記載の燃料電池システム。
  23. 前記空気加熱部は、前記熱交換部の加熱空気導入部へ供給される空気を加熱する発熱部を含んでいる請求項22記載の燃料電池システム。
  24. 前記空気加熱部は、主として前記空気供給部の空気供給路の下流側部分に流れる空気を加熱するように該空気供給部に対して設けられている発熱部である請求項18から21のいずれかに記載の燃料電池システム。
  25. 電子機器の電源として該電子機器に搭載される燃料電池システムであり、前記発熱部は、該電子機器における発熱体である請求項4から9、16、17、23及び24のいずれかに記載の燃料電池システム。
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