JP5258502B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤに関し、更に詳しくは、タイヤ摩耗時の排水性を高く維持したまま、ヒールアンドトウ摩耗を効果的に抑制することができるタイヤに関する。
一般に、乗用車用タイヤにおいては、トレッド部に周方向溝を複数設けることによって濡れた路面を走行する際の雨水等の排水性を確保すると共に、ショルダー部にタイヤ幅方向に延びる横溝を設けることによって、高いハンドル操舵性を確保している。そして、これらの周方向溝と横溝によって複数の陸部ブロックが画成されている。
これらの陸部ブロックにおいて、タイヤ回転時にタイヤ周方向の一端部が踏込側で他端部が蹴出側となり、踏込側で路面からの反力を受けて陸部ブロックは変形したのち、接地領域が踏込側から蹴出側に移動し、蹴出側の端部で路面から離れる。そして、陸部ブロックは、路面から離れた瞬間に元の形状に戻り、蹴出側は大きな接地圧を受けながら路面を擦るため、長期間の走行において踏込側に対して蹴出側の方が大きく摩耗して陸部ブロックに段差が生じる、いわゆるヒールアンドトウ摩耗が発生する。特に、陸部ブロックのうちタイヤ幅方向内側の部位にヒールアンドトウ摩耗が生じた場合には、タイヤによる騒音や振動が問題となることがある(例えば、特許文献1参照)。
この対策として、例えば、陸部ブロックを画成するブロック間横溝のうちタイヤ幅方向内側の内側横溝またはブロック間横溝全体の溝深さを低く設定することによって、陸部ブロックの幅方向壁近傍の剛性を高める技術が知られている。
特開平5−254311号公報
しかしながら、前述したように、ブロック間横溝の溝深さを低く設定する技術では、ヒールアンドトウ摩耗を防止することができても、タイヤ摩耗時に周方向主溝と横溝とが分断されてしまい、走行時における排水性が低下したり、摩耗したタイヤ外観が急激に変化したりするおそれがあった。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、タイヤ摩耗時の排水性を高く維持したまま、ヒールアンドトウ摩耗を効果的に抑制することができるタイヤを提供することを目的とする。
前述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。
まず、本発明の第1の特徴において、タイヤ周方向に延びる周方向溝(周方向溝2,3)とタイヤ幅方向に延びる横溝とによってトレッド部およびショルダー部の少なくともいずれかに複数の陸部ブロック(陸部ブロック5,6,7)が形成されたタイヤであって、陸部ブロックのうち所定の陸部ブロック(陸部ブロック5)と該所定の陸部ブロックのタイヤ周方向側に隣接する隣の陸部ブロック(陸部ブロック6)との間に配置されたブロック間横溝(ブロック間横溝8)は、タイヤ幅方向の途中に配置された境界部(境界部10)を境にしてタイヤ幅方向内側に配置された内側横溝(内側横溝Q)とタイヤ幅方向外側に配置された外側横溝(外側横溝P)とから構成され、内側横溝の深さd1と外側横溝の深さd2との差がd2に対して10%以下であり、かつ、内側横溝の断面積D1は外側横溝の断面積D2よりも小さく形成されている。
従って、タイヤの接地時において、内側横溝を画成するブロック壁がタイヤ回転方向に対して後方に倒れこむことを防止することができ、ヒールアンドトウ摩耗を効率的に防止することができる。
即ち、接地面のタイヤ幅方向両端部における陸部ブロックのタイヤ幅方向内側に生じるヒールアンドトウ摩耗について主体的に作用するせん断力の成分は、内側横溝を画成するブロック壁がタイヤ回転方向に対して後方に倒れこむために増大するタイヤ周方向のせん断力である。従って、このタイヤ周方向のせん断力を抑制することによって、ヒールアンドトウ摩耗を効率的に防止することができる。
その他の特徴において、陸部ブロック(陸部ブロック5,6,7)におけるタイヤ幅方向内側の部位にタイヤ周方向に延びる周方向細溝(周方向細溝21,22,23,32,33,34)を設けている。
その他の特徴において、陸部ブロック(陸部ブロック5,6,7)におけるタイヤ幅方向外側の部位にタイヤ幅方向に延びる幅方向細溝(幅方向細溝41,42,43)を設けている。
その他の特徴において、断面積D2に対するD1の比であるD1/D2は、0.3〜0.7に設定されている。
その他の特徴において、内側横溝(内側横溝Q)および外側横溝(外側横溝P)は、タイヤ幅方向に沿って滑らかに連続して形成されている。
その他の特徴において、内側横溝(内側横溝Q)に沿った延長線と外側横溝(外側横溝P)に沿った延長線との交点Xから所定の陸部ブロック(陸部ブロック7)のタイヤ幅方向内側端(タイヤ幅方向内側端11)までのタイヤ幅方向に沿った距離Wqと、所定の陸部ブロックのタイヤ幅方向に沿った全幅Wとの比率Wq/Wは、0.3〜0.6に設定されている。
その他の特徴において、ブロック間横溝(ブロック間横溝8,9)は、タイヤ幅方向の中央側に向かうにつれて回転方向側に傾斜して延設されている。
本発明によれば、タイヤ摩耗時の排水性を高く維持したまま、ヒールアンドトウ摩耗を効果的に抑制することができるタイヤを提供することができる。
次に、本発明に係るタイヤの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は概略的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンの要部を拡大した展開図である。
このトレッドパターン1においては、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝2,3が、タイヤ幅方向に間隔をおいて複数(本実施形態では3本)形成されている。具体的には、タイヤ幅方向の略中央に配置された中央側の周方向溝2と、該中央側の周方向溝2の車両外側に配設された左右一対の周方向溝3,3とが形成されている。これら3本の周方向溝2,3,3によって、タイヤ周方向に延びる陸部4がタイヤ赤道線CLをはさんで車両内側と外側とにそれぞれ1本ずつ延設されている。
また、タイヤ幅方向に沿って延びる横溝が、タイヤ周方向に間隔をおいて複数形成されている。接地面におけるタイヤ幅方向の両端部には、これらの周方向溝2,3と横溝とによって画成された陸部ブロック5,6,7がタイヤ周方向に沿って複数配列されている。
即ち、図1に示すように、タイヤ幅方向外側に配置された陸部ブロック5〜7は、タイヤ周方向に延びる周方向溝3とタイヤ幅方向に延びるブロック間横溝8,9とに囲まれて平面視略矩形状に画成されている。これにより、所定の陸部ブロック5,6と、この所定の陸部ブロック5,6に対してタイヤ周方向に隣接する隣の陸部ブロック6,7と、の間には、タイヤ幅方向に沿ってブロック間横溝8,9が延設されている。該ブロック間横溝8,9は、タイヤ幅方向内側(タイヤ赤道線CL)に近づくにつれて回転方向側に傾斜して延びている。
さらに、ブロック間横溝8,9は、長手方向の途中部分に配置された境界部10を境にしてタイヤ幅方向内側に配置された内側横溝Qと、境界部10よりもタイヤ幅方向外側に配置された外側横溝Pとから構成されている。本実施形態では、ブロック間横溝9の周縁9aを辿ると、屈曲する点Xに対応する部位が境界部10となっている。なお、本実施形態では、ブロック間横溝9の周縁9aの屈曲する点がXとなっているが、ブロック間横溝9が湾曲して折れ曲がる形状の場合は、点Xは、内側横溝Qに沿った延長線と外側横溝に沿った延長線との交点となる。そして、陸部ブロック7のタイヤ幅方向に沿った全幅Wは、内側横溝Qのタイヤ幅方向に沿った距離Wqと、外側横溝Pのタイヤ幅方向に沿った距離Wpと、を合計した距離となっている。ここで、距離Wqの全幅Wに対する比率Wq/Wは0.3〜0.6に設定されている。さらに好ましくは、Wq/Wは0.4〜0.6である。
また、内側横溝Qおよび外側横溝Pは、タイヤ幅方向に沿って滑らかに連続して形成されている。
図2は、本発明の第1実施形態を示すブロック間横溝の断面図であり、(a)は図1のA−A線による拡大断面図、(b)は図1のB−B線による拡大断面図である。
図2に示すように、内側横溝Qは、幅寸法がw1、深さがd1であり、内側横溝Qの断面積D1は、(w1)×(d1)である。一方、外側横溝Pは、幅寸法がw2、深さがd2であり、外側横溝Pの断面積D2は、(w2)×(d2)である。内側横溝Qの深さd1と外側横溝Pの深さd2との差│d2−d1│は、d2に対して10%以下に設定されている。例えば、d1が5mm、d2が4.6mmの場合は、│d2−d1│は0.4mmであるため、d2に対する比率は8.7%となる。
所定の陸部ブロック5と、該陸部ブロック5に対してタイヤ周方向側に隣接する隣の陸部ブロック6との間に設けられたブロック間横溝8は、断面積が小さい内側横溝Qと、該内側横溝Qよりも大きな断面積を有する外側横溝Pとからなる。
また、図2,3に示すように、内側横溝Qの断面積をD1とし、外側横溝Pの断面積をD2とすると、D1はD2よりも小さい断面積に設定されている。具体的には、断面積D2に対するD1の比であるD1/D2は、0.3〜0.7に設定されている。このD1/D2の比率は、0.3〜0.5がさらに好ましい。
<作用・効果>
(1)内側横溝の深さd1と外側横溝の深さd2との差がd2に対して10%以下であり、かつ、内側横溝Qの断面積D1は外側横溝Pの断面積D2よりも小さく形成されている。従って、内側横溝Qを画成するブロック壁がタイヤ回転方向に対して後方に倒れこむことを防止することができ、ヒールアンドトウ摩耗を効率的に防止することができる。
即ち、ヒールアンドトウ摩耗は、陸部ブロックの踏込側と蹴出側とで摩耗エネルギーが異なるときに発生し、特に、踏込側よりも蹴出側の摩耗エネルギーが大きい場合にヒールアンドトウ摩耗が顕著になる。ここで、摩耗エネルギーは、せん断力とすべりの積に比例することが一般に知られている。本願の発明者が鋭意検討した結果、接地面のタイヤ幅方向両端部における陸部ブロックのタイヤ幅方向内側に生じるヒールアンドトウ摩耗について主体的に作用するせん断力の成分は、内側横溝を画成するブロック壁がタイヤ回転方向に対して後方に倒れこむために増大するタイヤ周方向のせん断力であることが明らかになった。従って、内側横溝Qの断面積D1を外側横溝Pの断面積D2よりも小さく形成することによって、内側横溝Qを画成するブロック壁がタイヤ回転方向に対して後方に倒れこむことを効果的に防止することができる。
また、D1/D2を0.3未満にすると、タイヤ摩耗時における排水性を確保することが困難となり、D1/D2を0.7よりも大きくすると、ヒールアンドトウ摩耗を抑制する効果が十分に見込めない。以上より、D1/D2は、0.3〜0.7に設定することが好ましい。
なお、内側横溝Qの深さd1と外側横溝Pの深さd2との差がd2に対して10%以下に設定することによって、排水性能に関するタイヤ摩耗後の性能低下を抑制できるという効果が得られる。
(2)断面積D2に対するD1の比であるD1/D2は、0.3〜0.7に設定されているため、タイヤ幅方向に沿った陸部ブロックの位置によらず、ヒールアンドトゥ摩耗を防止するという効果がある。
(3)内側横溝Qおよび外側横溝Pは、タイヤ幅方向に沿って滑らかに連続して形成されているため、タイヤが接地して陸部ブロック5〜7が弾性変形した場合に、変形が集中することによる他の異常摩耗を抑制することができる。
(4)内側横溝Qに沿った延長線と外側横溝Pに沿った延長線との交点Xから所定の陸部ブロック7のタイヤ幅方向内側端11までのタイヤ幅方向に沿った距離Wqは、陸部ブロック7のタイヤ幅方向に沿った全幅Wに対する比率Wq/Wが0.3〜0.6に設定されている。Wq/Wが0.3未満の場合は、ショルダー部の内側横溝を画成する内側ブロック壁がタイヤ回転方向に対して後方に倒れこむことを防止する効果が不十分であるという問題があり、0.6よりも大きくなると、排水性が低下するという問題がある。このように、Wq/Wが0.3〜0.6に設定することによって、排水性に必要となるブロック間横溝8,9の容積を確保することができる。
(5)ブロック間横溝8,9は、タイヤ幅方向の中央側に向かうにつれて回転方向側に傾斜して延設されているため、陸部ブロックのタイヤ周方向に沿った剛性を効率的に向上し、ブロック壁がタイヤ回転方向に対して後方に倒れこむことを更に抑制できるという効果がある。
[第2の実施形態]
次いで、本発明の第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態と同一構造の部位には同一符号を付けて説明を省略する。
図4は、本発明の第2実施形態に係るトレッドパターンを示し、(a)はトレッドパターンの展開図であり、(b)は陸部ブロックに形成された周方向細溝が変形する状態を示す拡大図である。
本実施形態においては、図4(a)に示すように、陸部ブロック5〜7におけるタイヤ幅方向内側に、タイヤ周方向に延びる周方向細溝21,22,23を形成している。この周方向細溝21〜23の周方向端部はブロック間横溝8,9に連通して開口しているが、必ずしもブロック間横溝8,9に連通していなくても良い。
この空気入りタイヤが回転して路面に接地されると、図4(b)に示すように、周方向細溝23の内周側を画成する陸部ブロック周縁部24,25が、一点鎖線に示すように幅方向の内方に向けて弾性変形する。
<作用・効果>
陸部ブロック7におけるタイヤ幅方向内側の部位にタイヤ周方向に延びる周方向細溝23を設けたため、タイヤが接地するときに、図4(b)に示すように周方向細溝23の内周側を画成する陸部ブロック7の周縁部24,25が、一点鎖線に示すように幅方向の内方に向けて弾性変形する。従って、ヒールアンド摩耗を効率的に防止することができる。
[第3の実施形態]
次いで、本発明の第3実施形態について説明するが、前述した第1および第2実施形態と同一構造の部位には同一符号を付けて説明を省略する。
図5は、本発明の第3実施形態に係るトレッドパターン31を示す展開図である。
本実施形態においては、図5に示すように、陸部ブロック5〜7におけるタイヤ幅方向内側に、タイヤ周方向に延びる周方向細溝32〜34を形成している。ただし、第2の実施形態では、周方向細溝32〜34の周方向端部はブロック間横溝8,9に連通して開口したが、本実施形態では、ブロック間横溝8,9に連通しておらず、陸部ブロック5〜7の内部に囲まれるように形成されている。
この空気入りタイヤが回転して路面に接地されると、第2実施形態と同様に、周方向細溝32〜34の内周側を画成する陸部ブロック周縁部が幅方向の内方に向けて弾性変形する。
<作用・効果>
陸部ブロック5〜7におけるタイヤ幅方向内側の部位にタイヤ周方向に延びる周方向細溝32〜34を設けたため、タイヤが接地するときに、周方向細溝32〜34の内周側を画成する陸部ブロック周縁部が幅方向の内方に向けて弾性変形するので、ヒールアンド摩耗を効率的に防止することができる。
[第4の実施形態]
次いで、本発明の第4実施形態について説明するが、前述した第1〜第3実施形態と同一構造の部位には同一符号を付けて説明を省略する。
図6(a)は、本発明の第4実施形態に係るトレッドパターンを示す展開図であり、図6(b)はタイヤが接地したときに幅方向細溝が変形する状態を示す拡大図である。
本実施形態においては、図6(a)に示すように、陸部ブロック5〜7におけるタイヤ幅方向外側の端部に、タイヤ幅方向に延びる幅方向細溝41,42,43を形成している。この幅方向細溝41〜43の幅方向端部は陸部ブロック5〜7を幅方向に貫通して形成されていないが、貫通させても良い。
また、図6(b)に示すように、この空気入りタイヤが回転して路面に接地されると、幅方向細溝42の内周側を画成する陸部ブロック周縁部44,45が、一点鎖線に示すように周方向の内方に向けて弾性変形する。
<作用・効果>
陸部ブロック5〜7におけるタイヤ幅方向外側の部位にタイヤ幅方向に延びる幅方向細溝41〜43を設けたため、タイヤが接地するときに、図6(b)に示すように幅方向細溝41〜43の内周側を画成する陸部ブロック周縁部44,45が、一点鎖線に示すように周方向の内方に向けて弾性変形し、ヒールアンド摩耗を効率的に防止することができる。
<その他の実施形態>
前述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、実施形態では、空気入りタイヤは、ビード部やベルト層を備えた一般的なラジアルタイヤを例にとって説明したが、ラジアルタイヤ以外のバイアスタイヤ等でも良い。
また、実施形態では、ブロック間横溝8,9の断面形状を矩形状にしたが、本発明では、矩形状に限定されない。後述する図12(a)に示すように内側横溝の断面形状を略L字状にし、図12(b)に示すように外側横溝の断面形状を矩形状に形成しても良い。この場合においても、内側横溝Qの断面積D1は、外側横溝Pの断面積D2よりも小さい断面積に設定されている。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、前述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
次に、本発明の効果を明確にするため、従来例、比較例1〜3および実施例1〜2に係る空気入りタイヤを用いて行った試験結果について説明する。
供試タイヤのタイヤサイズは、225/45R17 90Wを使用し、ホイールサイズは5JJ×17とし、内圧は220kPaに設定した。供試タイヤをFR車のフロント軸に装着し、実地走行にて10,000km走行した後、ショルダー部の陸部ブロックにおけるタイヤ幅方向の内側端部と外側端部の2箇所について踏込側と蹴出側との高さの差であるヒールアンドトウ摩耗量を測定した。このヒールアンドトウ摩耗については、従来例を100(基準値)とした耐ヒールアンドトウ指数で示し、下記の表1のようになった。なお、耐ヒールアンドトウ指数は小さい方が良好であることを示している。
Figure 0005258502
また、表1に示すように、ショルダー部の陸部ブロック周りの横溝について、タイヤ幅方向内側とタイヤ幅方向外側の横溝の深さおよび断面積の比を測定した。具体的には、従来例では、図1のA−A線による断面に対応する横溝を図7(a)に示し、図1のB−B線による断面に対応する横溝を図7(b)に示している。また、比較例1では、図1のA−A線による断面に対応する横溝を図8(a)に示し、図1のB−B線による断面に対応する横溝を図8(b)に示している。比較例2では、図1のA−A線による断面に対応する横溝を図9(a)に示し、図1のB−B線による断面に対応する横溝を図9(b)に示している。比較例3では、図1のA−A線による断面に対応する横溝を図10(a)に示し、図1のB−B線による断面に対応する横溝を図10(b)に示している。なお、図11,12は、それぞれ実施例1,2に係る横溝を示している。
従来例においては、図7(a)に示した横溝の高さdおよび断面積Dが、それぞれ図7(b)に示した横溝の高さdおよび断面積Dと同一であった。比較例1においては、図8(a)に示した横溝の高さd1および断面積D1が、それぞれ図8(b)に示した横溝の高さd2の1/2および断面積D2の1/2であった。比較例2においては、図9(a)に示した横溝の高さd1および断面積D1が、それぞれ図9(b)に示した横溝の高さd2と同一であり、断面積D2も同一であった。比較例3においては、図10(b)に示した横溝の断面積D2が、図10(a)に示した横溝の断面積D1の1/2であった。
以上より、実施例1,2に係る空気入りタイヤは、従来例および比較例3に比べて高い耐ヒールアンドトウ摩耗性能を有することが判明した。なお、実施例1,2に係る空気入りタイヤに、ヒールアンドトウ摩耗以外の異常摩耗が発生しなかった。
さらに、排水性の評価を行ったところ、比較例1〜3と実施例1,2に係る空気入りタイヤとには新品状態では大きな差異がみられなかったが、10,000km走行後には、実施例1,2の方が比較例1〜3よりも排水性が大幅に向上した。
このように、本発明によれば、摩耗時の排水性を高く維持したまま、ヒールアンドトウ摩耗を効果的に抑制できることが判った。
本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンの要部を拡大した展開図である。 図1のA−A線による断面図である。 図1のB−B線による断面図である。 本図のうち、(a)は本発明の第2実施形態によるトレッドパターンの要部を拡大した展開図であり、(b)は(a)の周方向細溝の変形状態を一点鎖線で示す拡大図である。 本発明の第3実施形態によるトレッドパターンの要部を拡大した展開図である。 本図のうち、(a)は本発明の第4実施形態によるトレッドパターンの要部を拡大した展開図であり、(b)は(a)の幅方向細溝の変形状態を一点鎖線で示す拡大図である。 実施例中における従来例の横溝を示す断面図であり、(a)は図2の断面図に対応し、(b)は図3の断面図に対応する。 実施例中における比較例1の横溝を示す断面図であり、(a)は図2の断面図に対応し、(b)は図3の断面図に対応する。 実施例中における比較例2の横溝を示す断面図であり、(a)は図2の断面図に対応し、(b)は図3の断面図に対応する。 実施例中における比較例3の横溝を示す断面図であり、(a)は図2の断面図に対応し、(b)は図3の断面図に対応する。 実施例中における実施例1の横溝を示す断面図であり、(a)は図2の断面図に対応し、(b)は図3の断面図に対応する。 実施例中における実施例2の横溝を示す断面図であり、(a)は図2の断面図に対応し、(b)は図3の断面図に対応する。
符号の説明
D1,D2…断面積
P…外側横溝
Q…内側横溝
X…交点
1…トレッドパターン
2,3…周方向溝
5,6,7…陸部ブロック
8,9…ブロック間横溝
10…境界部
11…タイヤ幅方向内側端
21,22,23,32,33,34…周方向細溝
41,42,43…幅方向細溝

Claims (3)

  1. タイヤ周方向に延びる周方向溝とタイヤ幅方向に延びる横溝とによってトレッド部およびショルダー部の少なくともいずれかに複数の陸部ブロックが形成されたタイヤであって、
    前記陸部ブロックのうち所定の陸部ブロックと該所定の陸部ブロックのタイヤ周方向側に隣接する隣の陸部ブロックとの間に配置されたブロック間横溝は、タイヤ幅方向の途中に配置された境界部を境にしてタイヤ幅方向内側に配置された内側横溝とタイヤ幅方向外側に配置された外側横溝とから構成され、前記内側横溝の深さd1と前記外側横溝の深さd2との差が、前記d2に対して10%以下であり、かつ、
    前記外側横溝の断面積D2に対する前記内側横溝の断面積D1の比であるD1/D2は、0.3〜0.7に設定されており、
    前記陸部ブロックにおけるタイヤ幅方向内側の部位にタイヤ周方向に延びる周方向細溝が設けられており、
    前記陸部ブロックにおけるタイヤ幅方向外側の部位にタイヤ幅方向に延びる幅方向細溝が設けられており、
    前記内側横溝および前記外側横溝は、タイヤ幅方向に沿って滑らかに連続して形成されており、
    前記内側横溝に沿った延長線と前記外側横溝に沿った延長線との交点Xから前記所定の陸部ブロックのタイヤ幅方向内側端までのタイヤ幅方向に沿った距離Wqと、前記所定の陸部ブロックのタイヤ幅方向に沿った全幅Wとの比率Wq/Wは、0.3〜0.6に設定されており、
    前記周方向細溝は、前記ブロック間横溝をタイヤ周方向に連通する
    ことを特徴とするタイヤ。
  2. タイヤ周方向に延びる周方向溝とタイヤ幅方向に延びる横溝とによってトレッド部およびショルダー部の少なくともいずれかに複数の陸部ブロックが形成されたタイヤであって、
    前記陸部ブロックのうち所定の陸部ブロックと該所定の陸部ブロックのタイヤ周方向側に隣接する隣の陸部ブロックとの間に配置されたブロック間横溝は、タイヤ幅方向の途中に配置された境界部を境にしてタイヤ幅方向内側に配置された内側横溝とタイヤ幅方向外側に配置された外側横溝とから構成され、前記内側横溝の深さd1と前記外側横溝の深さd2との差が、前記d2に対して10%以下であり、かつ、
    前記外側横溝の断面積D2に対する前記内側横溝の断面積D1の比であるD1/D2は、0.3〜0.7に設定されており、
    前記陸部ブロックにおけるタイヤ幅方向内側の部位にタイヤ周方向に延びる周方向細溝が設けられており、
    前記陸部ブロックにおけるタイヤ幅方向外側の部位にタイヤ幅方向に延びる幅方向細溝が設けられており、
    前記内側横溝および前記外側横溝は、タイヤ幅方向に沿って滑らかに連続して形成されており、
    前記内側横溝に沿った延長線と前記外側横溝に沿った延長線との交点Xから前記所定の陸部ブロックのタイヤ幅方向内側端までのタイヤ幅方向に沿った距離Wqと、前記所定の陸部ブロックのタイヤ幅方向に沿った全幅Wとの比率Wq/Wは、0.3〜0.6に設定されており、
    前記周方向細溝は、前記陸部ブロックの内部に囲まれるように形成されている
    ことを特徴とするタイヤ。
  3. 前記ブロック間横溝は、タイヤ幅方向の中央側に向かうにつれて回転方向側に傾斜して延設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ。
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