JP5256224B2 - ゴルフクラブ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフクラブに関し、特に、ゴルフボールの打球面をフェース部の前面に形成した中空構造の金属製クラブヘッドを備えるゴルフクラブに関する。
一般に、ゴルフボールは、クラブヘッドのスイートスポットで打球したときに、最も長い飛距離が得られるが、このスイートスポットは、通常、フェース部の中央部に位置し、その面積は極めて小さい。また、一般的なゴルファーではそれぞれのスイング毎にバラツキがあり、更に、スイング自体にも個人的な癖がある。このため、スイートスポットで打球しようとしても、常にスイートスポットで打球できるものではない。
一方、ゴルフクラブについては、フェース部の特性についてルールが定められており、ボールの飛び過ぎる高反発のゴルフクラブはルールに違反することになる。近年、このようなフェース部の反発特性に関するルール適合判定のための基準として、「ペンデュラムテスト」の衝突時接触時間から求めたヘッド特性時間(Characteristic Time)すなわちCT値が導入されている。この「ペンデュラムテスト」で求められるフェース部のCT値が規定された上限値を超えるものは、ルール違反と判定される。
このような事情から、フェース部の中央部の反発性を抑えると共に、この中央部で打球した場合と同様な飛距離の得られるスイートエリアをトウ・ヒール方向に拡大するための種々のゴルフクラブが開発されている。
このようなゴルフクラブには、クラブヘッドのフェースの裏面の中央部に、略X方向に延びる厚肉部を設け、この厚肉部で四区分される分割面の板厚を、二種類以上としたものがある(例えば特許文献1参照)。
このゴルフクラブでは、略X方向に延びる厚肉部により、スイートエリアをトウ側およびヒール側に拡大し、略X方向に延びる厚肉部で4区分したフェース部のクラウン寄りおよびソール寄りの分割面の板厚をトウ寄り及びヒール寄りよりも薄く形成することにより、クラウン側およびソール側を撓み易くするものである。
特開2008−36050号公報
しかし、略X方向に延びる厚肉部により、スイートエリアをトウ・ヒール方向にある程度拡大できるとしても、トウ・ヒール方向およびクラウン・ソール方向の両方向にスイートエリアを拡大することは困難であり、更に、厚肉部を配置した部位の反発性が局部的に低下することになる。
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、フェース部の広い範囲にわたってフェース部の中央位置と近似した反発性が得られ、厚肉部を形成した部位の局部的な反発性の低下を抑制し、打球位置がばらついても、飛距離の安定性が得られるゴルフクラブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によると、ゴルフボールの打球面をフェース部の前面に形成し、前記フェース部の裏面に、このフェース部の中央位置で内側に突出する中央厚肉部と、この中央厚肉部からクラウン側及びソール側に向けて延びる複数のリブ状厚肉部とを一体的に形成し、これらのリブ状厚肉部の少なくとも1つの延設方向外方の端部領域に、リブ状厚肉部に対して、肉厚又は横断面積を減じてリブ状厚肉部よりもフェース部の変形を容易とする肉厚調整部を形成した中空構造の金属製クラブヘッドを備えるゴルフクラブであって、前記中央厚肉部から延びて先端がクラウン部又はソール部の内面に一体的に固定されるリブ状部材を有し、前記リブ状厚肉部は、このリブ状部材とフェース部の裏面とを一体化して形成され、前記肉厚調整部は、リブ状部材とフェース部の裏面との間に形成した空隙を有するゴルフクラブが提供される。
前記リブ状厚肉部は、中央厚肉部側でフェース部の裏面から突出する高さが最も高く、外方に向けて、高さと、延設方向に直交する面内における断面積との少なくとも一方が次第に小さく形成されることが好ましい。
本願発明によると、フェース部の裏面に、中央厚肉部およびリブ状厚肉部を設けると共に、少なくとも1つのリブ状厚肉部の延設方向に沿う外側端部領域に肉厚調整部を設けることにより、中央位置からトウ・ヒール方向およびクラウン・ソール方向にわたるフェース部の広い範囲で反発性を所要の範囲に調整し、更に、肉厚調整部が、中央厚肉部およびリブ状厚肉部を形成した部位の局部的な反発性の低下を緩和し、これにより、フェース部のトウ・ヒール方向に加えてクラウン・ソール方向にも延びる広い範囲にわたってフェース部の中央厚肉部を形成した中央エリアと近似した反発性が得られ、中央厚肉部およびリブ状厚肉部を形成した部位の局部的な反発性の低下を抑制し、打球位置がばらついても、飛距離の向上・安定性が得られ、更に、フェース部の周縁部における反発性の低下を防止しながら、リブ状部材がフェース部を囲むヘッド本体に中央厚肉部およびリブ状厚肉部を一体化することで、中央厚肉部を含む中央エリアの反発性を効率よく抑えることができるゴルフクラブが提供される。
リブ状厚肉部が、外方に向けて、高さと、延設方向に直交する面内における断面積との少なくとも一方が次第に小さく形成される場合には、フェース部の広い範囲にわたって反発性を近似させることができる。
本発明の実施形態によるゴルフクラブの全体図。 図1に示すゴルフクラブのクラブヘッドの正面図。 図2のクラブヘッドの厚肉部を有するフェース部の裏面を示す断面図。 図2のIV−IV線に沿う断面図。 フェース部の厚肉部を示すクラウン側およびソール側の拡大断面図。 厚肉部を示し、(A)は図3のR線に沿う断面図、(B)はその変形例の説明図。 参考例によるクラブヘッドの図3と同様な断面図。 図7のクラブヘッドの図4と同様な断面図。 クラブヘッドの厚肉部を示し、(A)は図7のクラウン側のリブ状部材の拡大断面図、(B)はその変形例の説明図。 図7のクラブヘッドの図6と同様な断面図。 他の参考例によるクラブヘッドの図3と同様な断面図。 更に他の参考例によるクラブヘッドの図3と同様な断面図。 更に他の参考例によるH字状の厚肉部を有するクラブヘッドの図3と同様な断面図。 図13のクラブヘッドのフェース部の厚肉部を示し、(A)はクラウン側の断面図、(B)はその変形例の説明図。 更に他の変形例による厚肉部を有するクラブヘッドの図3と同様な断面図。 更に他の参考例による厚肉部を有するクラブヘッドの図3と同様な断面図。 更に他の参考例によるX字状の厚肉部を有するクラブヘッドの図3と同様な断面図。 図17のクラブヘッドのフェース部の厚肉部を示すクラウン側の断面図。
図1は本発明の好ましい実施形態によるゴルフクラブ10を示す。図中、同様な部位には同様な符号を付してある。
このゴルフクラブ8は、例えば繊維強化樹脂あるいは金属材料で管状構造に形成したシャフト6の先端に、例えばボールを置く地面等の基準水平面Bに対して規定のライ角α及びロフト角を設定してクラブヘッド10を取付け、基端には天然ゴムあるいは合成ゴム等の柔軟性や軟質材料で形成したグリップ4を取付けてある。ここに、ライ角αは、後述するソール部あるいは基準水平面Bに対するシャフトの軸線6aの取付角度であり、ロフト角は、基準水平面Bに直交する垂直面Vとフェース部12の前面との間の角度である。
図2から図4に示すように、金属製クラブヘッド10は、フェース部12に打球面を有するフェース部材14を配置し、このフェース部材14をヘッド本体10aが背面側から支える中空構造を有する。このヘッド本体10aは、フェース部12のトップライン12aおよびリーディングエッジ12bからそれぞれバック側に延びるクラウン部16およびソール部18を有する。これらのクラウン部16とソール部18との間には、フェース部12のトウ側サイドライン12cおよびヒール側サイドライン12dからそれぞれトウ側サイド部20およびヒール側サイド部22がクラウン部16の周縁部に沿って湾曲しつつバック側に延び、バック部24(図4)に連続する。
トウ側サイド部20およびヒール側サイド部22は、フェース部12側で上下方向すなわちクラウン・ソール方向に大きな寸法を有し、バック部24まで次第にその寸法が減少する。したがって、このクラブヘッド10は、実質的にフェース部12とクラウン部16とソール部18とトウ側及びヒール側サイド部20,22と、後部のバック部24とで外殻を形成し、中空部である内部空間Nをこの外殻構造体内に形成する。
なお、フェース部12とクラウン部16との間のトップライン12aは、その間の稜線で特定することができるが、フェース部12の大部分を形成する面部の曲率半径より小さくなる部位で特定してもよい。リーディングエッジ12bおよびサイドライン12c,12d等の稜線部についても同様である。このフェース部12の周部には、例えばトップライン12aおよびリーディングエッジ12bに沿って、内部空間N側に開口する溝を形成し又は薄肉化することにより、フェース側の隣接部よりも薄肉厚とした周縁部11を形成し、この周縁部11に沿ってフェース部12を撓み易くしてもよい(図5参照)。
ヘッド本体10aの前部開口部に固定されるフェース部材14は、中央部を外方に僅かに膨出させ、バルジ(トウ・ヒール方向)およびロール(クラウン・ソール方向)の双方の曲面を組合せた湾曲面を有する板状の部材で形成してあり、この前面がゴルフボールを打つ打球面を形成する。このフェース部12の打球面には、略水平方向の浅い凹溝等の好適な手段でトウ・ヒール方向に延びる多数のスコアライン13(図1参照)を形成してあり、ほぼ中央位置には、クラブヘッド10の重心G(図4)を通り、フェース部12の打球面に垂直に延ばした点であるスイートスポットSが位置する。
フェース部材14は、クラウン部16、ソール部18、トウ側およびヒール側サイド部20,22及びバック部24を形成するヘッド本体10aの前方側開口を閉塞する板状の部材に形成し、この板状の部材でフェース部12の全体の領域を形成してもよい。または、いわゆるカップ状の部材に形成し、クラウン部16、ソール部18及びサイド部20,22のフェース部12側の一部を形成していてもよい。更に、フェース部12内に形成した所定の大きさに形成した前部開口に嵌合する板状に形成し、フェース部12の一部のみを形成するものであってもよい。
本実施形態のヘッド本体10aは、フェース部12に設けられるフェース部材14を除いて、例えば、チタン系合金、鉄系合金等を鋳造することで一体形成することが好ましく、その前面側に、フェース部12の打球面を構成するカップ型に形成されたフェース部材14が溶着、接着等によって止着される前部開口が形成されている。このような一体構造に代え、ヘッド本体10aを構成する各部材(フェース部、クラウン部、ソール部、サイド部等の外殻を形成する部材)を個別に形成し、この後、組立て、溶着や接着等によって一体化しても良い。更に、クラウン部16を繊維強化金属や繊維強化樹脂、マグネシウム合金、0.3〜0.7mmの肉薄チタン合金、同肉厚の肉薄ステンレス合金等により形成し、ヘッド本体10aに接着、或は、溶接、ろう付け等で接合することも可能であり、その場合、ヘッド本体のクラウン部16が開口しているので、このクラウン部16の開口を介して、内部空間Nにリブ状部材又は錘部材等の種々の取付部材を後から挿入することが容易になる効果がある。
本実施形態では、ヘッド本体10aに結合されるフェース部材14は、例えば、チタン系合金、鉄系合金等を、所定のカップ型形状となるように、プレス加工、或いは鍛造或いは、鋳造したものを必要に応じてCNC加工することで一体形成してある。
このように形成されたフェース部材14は、ヘッド本体10aに形成した前部開口の端面に、接着、溶着、ろう付け等の好適な手段によって止着される。もちろん、フェース部12については、別部材となるフェース部材14を止着するのではなく、ヘッド本体10aと共に一体形成(例えば、Ti−6Al−4V合金、SUS630などの鋳造品)してもよい。
このフェース部材14を支えるヘッド本体10aには、シャフト6の先端を止着するシャフト止着部(図示せず)が一体形成されている。シャフト6は、クラウン部16に突出形成されるホーゼル部26の開口26aを介してシャフト6先端部を差し込むことで、シャフト止着部に止着される。
図3から図6に示すように、このような外殻構造を有するクラブヘッド10のフェース部12の裏面には、この裏面から内部空間N内に突出する厚肉部30が設けられている。
この厚肉部30は、フェース部12の中央領域(例えばトウ・ヒール方向およびクラウン・ソール方向における中央位置Mを中心として半径10mmの範囲)に少なくとも一部が配置される中央厚肉部32と、この中央厚肉部32から周縁のクラウン側及びソール側に向けて放射状又は略X字状に延びるリブ状厚肉部34,36,38,40とで形成してある。これらのリブ状厚肉部34,36,38,40の延設方向外方の端部領域には、リブ状厚肉部に対して肉厚又は横断面積を減じてリブ状厚肉部よりもフェース部の変形を容易とする肉厚調整部42,44,46,48を形成してある。
本実施形態の肉厚調整部42,44,46,48は、中央厚肉部32及びリブ状厚肉部34,36,38,40を形成してない裏面の部位から、この裏面に対して垂直方向に沿って、リブ状厚肉部34,36,38,40の肉厚すなわちフェース部12の裏面から内部空間N内に突出する頂部の高さ方向寸法に対して、フェース部12の裏面から垂直方向の厚さである肉厚を半分以下に形成してある。これらのリブ状厚肉部と肉厚調整部との間の境界部43,45,47,49は、フェース部12側でフェース部の裏面にほぼ垂直な面を間に形成した段差部で形成してあるが、このような段差部に限らず、リブ状厚肉部と肉厚調整部との間をフェース部の裏面に対して傾斜した面又は湾曲した面を間に形成してもよい。
このように、リブ状厚肉部34,36,38,40から境界部43,45,47,49を介して肉厚が半分以下と急激に減じる肉厚調整部42,44,46,48を形成することにより、打球時にフェース部12が周縁部で変形し易くなる。
また、中央厚肉部32は、中央位置Mを中心として半径10mmの範囲にスイートスポットSを配置することがよく、相対的には中央位置MよりもスイートスポットSの位置を高位置すなわちクラウン側に配置することがよい。
このような中央厚肉部32とリブ状厚肉部34,36,38,40とを有する厚肉部30により、フェース部12は中央厚肉部32を囲む4つの区画部に区分される。すなわち、クラウン側の区画部50がリブ状厚肉部34,36間に区分され、ソール側の区画部52がリブ状厚肉部38,40間に区分され、トウ側の区画部54がリブ状厚肉部34,38間に区分され、ヒール側の区画部56がリブ状厚肉部36,40間に区画される。
これらの区画部50,52,54,56は、周縁部11又は外殻を形成するヘッド本体10aに隣接する周部領域31を同一肉厚の薄肉領域に形成してあり、この周部領域31の肉厚は例えば1.8mm〜2.6mm程度の範囲に形成することが好ましい。なお、同一肉厚とは、厳密に肉厚が同一の値であることではなく、公差を含む概念であり、したがって、例えば±0.1mm又は±0.2mm程度の公差を考慮したものであってもよい。また、このような周部領域31と厚肉部30とで囲まれる領域の肉厚は、前記周部領域より厚く、かつ、2.2mm〜3.0mm程度の範囲に形成することが好ましい。また、この周部領域31と厚肉部30とで囲まれる領域の肉厚は、全区画部を通して、又は、各区画部毎に、薄肉領域と同じ肉厚とすることができる。
中央厚肉部32は、フェース部材14と同じ材料で、鋳造や鍛造で一体に形成し、図4に示すように、打球面に沿ってほぼ一定肉厚に形成し、あるいは、図6に示すように、中央位置Mで最も高く突出させたものであってもよい。フェース部12の裏面からの突出高さはこの中央厚肉部32が最も肉厚になるように形成してある。また、トウ・ヒール方向に沿う長さaは、クラウン・ソール方向に沿う長さbよりも長く形成してある(a>b)。なお、長さa,bとは、隣接するリブ状厚肉部間で最も中央位置Mに近接する部位間で測定される長さをいう。
これにより、中央厚肉部32が配置される部位すなわちフェース部12の中央部のCT値を基準値以内に抑えると共に、トウ・ヒール方向の広い範囲にわたって互いに近似した値に抑えることができ、トウ・ヒール方向に沿う広い範囲にわたって安定した反発性を付与することがが容易となる。なお、近似するとは、フェース部の中央位置から水平方向に沿ってトウ側およびヒール側にそれぞれ25mmの位置を通る2つの垂直線と、中央位置から垂直方向に沿ってクラウン側およびソール側にそれぞれ20mmの位置を通る2つの水平線とで囲まれる範囲のCT値を、中央位置MにおけるCT値の85%以上とすることをいい、中央位置におけるCT値の87%以上、若しくは90%以上であることがより好ましい。なお、この2つの線で囲まれる範囲の垂直方向については、中央位置Mを含むものであれば、中央位置から20mm以外の距離であってもよい。更に、このようなCT値を効率よく近似させるためには、後述する図11に示す構成又は図12に示す構成の一方又は双方を組み合わせることが、より好ましい。なお、通常は、後述する表1の範囲である中央位置Mの左右20mm、上下15mmの範囲で上記のCT値であればよい。
この中央厚肉部32のトウ・ヒール方向長さaは、クラウン・ソール方向長さbの1.5〜3.0倍にすることが好ましい。この範囲にすることで、本発明の効果を得ながら、強度バランスや打球フィーリングにも優れたものが提供できる。
この中央厚肉部32から、リブ状部材35,37,39,41がクラウン側及びソール側向けて略X字状に延び、図4および図5に示すように、それぞれの先端がトップライン12a又はリーディングエッジ12bまで延長され、ヘッド本体10aに一体的に固定される。これらのリブ状部材の先端は、ヘッド本体10aのクラウン部16又はソール部18の内面に固定することができる。また、CNC加工等で一体に形成することができる。これらのリブ状部材35,37,39,41は、延設方向に対して垂直方向の幅wが中央厚肉部32に近接した側で最も大きく、先端に向けて次第に狭まる先細状に形成してあり、延設方向に直交する面内における断面積を次第に小さくしてなる。なお、中央厚肉部32に隣接する最も広い部位の幅wは、中央厚肉部32のクラウン・ソール方向長さbよりも小さくなっている。
本実施形態のリブ状厚肉部34,36,38,40は、これらのリブ状部材35,37,39,41をフェース部12の裏面に一体化することで形成されており、中央厚肉部32側でフェース部12の裏面から突出する高さが最も高く、外方に向けて、高さt(図6)と、延設方向に直交する面内における断面積との少なくとも一方が次第に小さくなっている。これにより、フェース部12の広い範囲にわたって反発性を近似させ、飛距離を安定させることができる。
これらのリブ状厚肉部34,36,38,40の延設方向外方の端部領域肉には、フェース部12の裏面との間に空隙gを形成してあり、この空隙gを形成する先端側の部位が、境界部43,45,47,49を介して上述の肉厚調整部42,44,46,48を形成する。これらの肉厚調整部は、それぞれフェース部12を囲むヘッド本体10aのクラウン部16とソール部18とサイド部20,22との1つに達する。本実施形態では、後述するように、肉厚調整部42,44がクラウン部16の内面に固着され,肉厚調整部46,48がソール部18の内面に固着されている。
これにより、この肉厚調整部が形成される部位の変形が容易となって局部的な反発性の低下を緩和すると共に、中央厚肉部およびリブ状厚肉部を形成した部位をフェース部を囲むクラウン部とソール部とサイド部との1つに一体化し、反発性を所要の範囲に保持することができる。
図5の(A)に示すように、フェース部12の裏面との間に空隙gを形成するリブ状部材の先端部35aは、内部空間N側の内面がクラウン部16側に近接するにつれてフェース部12の裏面から離隔する方向に湾曲し、その先端面を拡大させてある。これにより、クラウン部16の内面との接触面積すなわち固着面積を大きくすると共に、この先端部35aの湾曲形状により、打球時の衝撃に対するリブ状部材および肉厚調整部42の強度を向上させることができる。また、ソール部18側も、図5の(B)に示すように、リブ状部材39の先端部39aがフェース部12の裏面との間に空隙gを形成し、その内面がソール部18側に近接するにつてれ内部空間N側に湾曲する。
肉厚調整部42,44,46,48は、フェース部12の裏面との間の空隙gにより、厚肉部30よりも、打球時にフェース部12の周縁部を変形し易くさせ、反発性を向上させることができる。これに対して、フェース部12の中央部は、リブ状部材35,37,39,41をフェース部12に一体化したリブ状厚肉部34,36,38,40および中央厚肉部32が厚肉部30を形成しているため、反発性を抑えることができる。肉厚調整部42,44,46,48によりフェース部12の周縁部が変形し易くなっても、肉厚調整部42,44,46,48が、その先端をクラウン部16及びソール部18の内面に固着されるため、厚肉部30がヘッド本体10aに一体化され、打球時における反発性が過度に増大することなく、所要範囲に保持される。
このような肉厚調整部42,44,46,48をフェース部12の周縁部に設けることにより、フェース部12の中央部の剛性を向上させるリブ状厚肉部34,36,38,40がフェース部12の周縁部においても曲げ剛性が増大してCT値が過度にばらつくことを防止することができる。したがって、フェース部12の中央部では、厚肉部30により反発性が抑えされてCT値が抑制され、一方、周縁部では、肉厚調整部42,44,46,48により、ルールで定める上限値内でCT値を増大させるのが可能となる。このため、厚肉部30を配置した部位のCT値がその周部に対して低くなり過ぎるのを防止すると共に、フェース部12の全体のCT値の調整が容易となり、フェース部12の広い範囲にわたるCT値を、フェース部12の中央位置Mと近似させることができ、リブ状厚肉部34,36,38,40による不都合を解消させることができる。換言すると、厚肉部30によるCT値の低下という特徴を維持しつつ、厚肉部30のリブ状厚肉部34,36,38,40による局部的な反発性すなわちCT値の低下、又は、CT値のバラツキ等の不都合を少なくすることができる。
したがって、このように形成したクラブヘッド10を備えたゴルフクラブ8によると、フェース部12の裏面に、中央厚肉部32およびリブ状厚肉部34,36,38,40を設けると共に、少なくとも1つのリブ状厚肉部の延設方向に沿う外側端部領域に肉厚調整部42,44,46,48を設けることにより、中央位置Mからトウ・ヒール方向およびクラウン・ソール方向にわたるフェース部の広い範囲で反発性を所要の範囲に調整し、更に、肉厚調整部42,44,46,48が、厚肉部30を形成した部位の局部的な反発性の低下を緩和し、これにより、フェース部12のトウ・ヒール方向に加えてクラウン・ソール方向にも延びる広い範囲にわたってフェース部12の中央位置Mと近似した反発性が得られ、厚肉部30を形成した位置の局部的な反発性の低下を抑制し、打球位置がばらついても、飛距離の向上および安定性が得られる。
肉厚調整部42,44,46,48は、リブ状厚肉部34,36,38,40の全てに設けることにより、フェース部12の全域にわたるCT値の調整が容易となるが、全てのリブ状厚肉部に形成することに代え、これらのリブ状厚肉部34,36,38,40少なくとも1つの延設方向外方の端部領域に設けてもよく、例えば1箇所、2箇所又は3箇所等、必要とするリブ状厚肉部にのみ設けることができる。
このように肉厚調整部を一部にのみ設ける場合には、その形状を変えることなく、厚肉部30の中心位置も偏倚させることが好ましい。
具体的には、クラウン側とソール側との一方にのみ肉厚調整部を形成する場合には、この肉厚調整部を形成した側に厚肉部30の中心位置を偏倚させるとよい。これにより、肉厚調整部を形成しない側の区画部の面積を拡大することができる。このため、フェース部12の広い範囲にわたって反発性をバランスよく向上することができる。
このように、厚肉部30の中心位置を偏倚させることは、クラウン側とソール側との両方に肉厚調整部を形成する場合であっても、これらの肉厚調整部の大きさや量に差があり、したがって反発性に差が生じる場合にも適用することができる。
更に、肉厚調整部を形成した側に厚肉部30の中心位置を偏倚させることに代え、これとは逆に、肉厚調整部を形成しない側に厚肉部30の中心位置を偏倚させることもできる。更に、偏倚させた側の区画部の肉厚を厚くすることもできる。これにより、効率よく反発性を規制することが可能となる。
これらのリブ状厚肉部34,36,38,40および肉厚調整部42,44,46,48を形成するリブ状部材35,37,39,41は、断面積が外方に向けて小さくなるものであれば、上述の幅wに代え、又は、幅wとともに、肉厚又は高さt(図6)が外方に向けて小さくなるように形成してもよい。このようなリブ状部材35,37,39,41はフェース部12を形成するフェース部材14と一体すなわち同一材で一体成形してもよく、又は、別部材で形成した後、溶接等でフェース部12の裏面に一体化してもよい。別部材で形成する場合は、空隙gを予め形成した後、リブ状厚肉部34,36,38,40を形成する部位をフェース部12の裏面に溶接することで、容易に形成することができる。
このリブ状部材35,37,39,41の断面積は、リブ状厚肉部34,36,38,40を形成する部位で、0.05cm〜0.4cm、肉厚調整部42,44,46,48を形成する先端部で、0.01cm〜0.10cm程度に形成し、幅wは、1〜10mm、高さtは1mm〜10mmに形成することが好ましい。これらの寸法は、全てのリブ状部材で等しく形成してもよく、又は、配置位置に応じてリブ状部材毎に変更してもよい。
肉厚調整部42,44,46,48の長さすなわち空隙gの長さmを調整することにより、フェース部12の周縁部におけるCT値を調整することも可能である。この長さmは、中央厚肉部32のクラウン・ソール方向中心を通りかつトウ・ヒール方向に延びる中心ラインrからリブ状部材35,41の幅方向中心を通る中心ラインR、又は、リブ状部材37,39の幅方向中心を通る中心ラインR′に沿う先端部までの長さの20〜70%の範囲に形成することが好ましい。
図6の(A)に示すように、空隙gの長さmがリブ状部材35,41の中央位置Mから先端までの長さの例えば5〜15%と、短い場合は、リブ状部材35,42の先端部36a,41aの内面の高さを一定に形成しても良い。また、図6の(B)に示すように、この空隙gの長さmが、例えば30〜60%と長い場合は、先端部35a,41aの内面の高さを、その先端部に向けて次第に高くした傾斜面で形成することが好ましい。これにより、肉厚調整部42,44,46,48は、厚肉部30をヘッド本体10aに対して片持ち梁状に支えることができる。この空隙gの長さmについても、全てのリブ状部材で等しく形成してもよく、又は、配置位置に応じてリブ状部材毎に変更してもよい。
いずれの場合も、リブ状厚肉部34,36,38,40が、このリブ状部材35,37,39,41とフェース部12の裏面とを一体的に固定して形成され、肉厚調整部42,44,46,48が、リブ状部材とフェース部の裏面との間に形成した空隙gを有する場合には、フェース部12の周縁部における反発性の低下を防止しながら、リブ状部材がフェース部12を囲むヘッド本体10aに厚肉部30を一体化することで、中央厚肉部32を含む中央エリアの反発性を効率よく抑えることができる。
このようなリブ状部材35,37,39,41の幅方向中央を通るラインR,R’がトップライン12aに交差する中心間距離C1は、フェース部12のトウ・ヒール方向長さL(図2)の36〜50%(C1/L=36〜50%)に形成することが好ましい。これにより、中央部位から上方(クラウン側)の広い範囲にわたって安定した反発性を得ることができる。また、ラインR,R’がリーディングエッジ12bに交差する距離C2も同様に長さLの36〜50%(C2/L=36〜50%)の範囲で、クラウン側の中心間距離C1よりも小さく(C2<C1)することが好ましい。こうすることで、低スピン領域であり、そのため、打球コントロールが難しい領域である区画部50での打球コントロールを易しくできる。
また、クラウン側のリブ状厚肉部34,36の延設方向に沿う中央部をそれぞれソール側に向けて湾曲させてもよく、この場合にはフェース部12の中央部から上方の部位で安定した反発性を得ることができる。ソール側のリブ状厚肉部38,40についても同様であり、クラウン側に湾曲させてもよい。このような湾曲リブは、クラウン側とソール側との一方にのみ形成してもよい。
図7から図10は、肉厚調整部を、リブ状部材の一部を切り欠いた切欠き部で形成したゴルフクラブ8を示す。なお、以下に示す種々の参考例は、基本的には上述の実施形態と同様であるため、同様な部分には同様な符号を付し、詳細な説明を省略する。
この参考例では、クラウン側の肉厚調整部42,44が、リブ状部材35,37のクラウン部16に隣接する先端部を切り欠いた切欠き部で形成してあり、ソール側には、肉厚調整部を設けてない。ソール側のリブ状部材39,41の先端部はリーディングエッジ12bを超えて延び、ヘッド本体10aの一部であるソール部18の内面に一体化されている。これにより、最もたわむ部分(CT値が高い部分)がスイートスポットSに近づき、効率のよい最大飛距離が出る部分とすることができる。
この参考例の肉厚調整部42,44を形成する切欠き部は、リブ状部材35,37のクラウン側の先端側に形成してあり、クラウン部16の内面と対向する先端面35b,37bが境界部43,45としてトウ・ヒール方向に沿って配置される。この先端面35b,37bとクラウン部16の内面との間に長さh1(図9の(A))の空隙gが形成される。この空隙g内に、フェース部12の肉厚d1よりも薄い肉厚d2に形成した周縁部11を配置することが好ましい。他の切欠部についても同様である。
このような肉厚調整部を形成する切欠き部は、鋳造や鍛造により形成したフェース部12の厚肉部30の一部を機械加工することで形成することも可能であり、例えば鋳造や鍛造の際に同時に成形してもよい。鋳造や鍛造時に同時成形することにより、機械加工工程を省略することができる。
この切欠き部は、図9の(A)に示すように、リブ状部材35の延設方向に交差する面内でその全体にわたって形成してもよいが、図9の(B)に示すように、例えばフェース側の一部を残して肉厚又は横断面積を半分以下とし、内部空間N側を切欠いた状態に形成することが好ましい。この場合には、肉厚調整部42,44におけるフェース部12の変形を可能としつつ、この肉厚調整部42,44でフェース部12が破損するのを防止することができる。この場合にも、先端面35b,37bとクラウン部16の内面との間に長さh2(図9の(A))の空隙gが形成される。これらの空隙gの長さh1,h2は、1〜7mmの範囲で、2〜5mmであるのが好ましい。要するに、リブ状部材35,37は、フェース部の端部又は周縁部近くまで延び、そこで終端又は切欠きを形成されているものであればよい。
このような切欠き部により、リブ状部材35,37が、中央厚肉部32を含む中央エリアの反発性を抑えると同時に、切欠き部を介してこのフェース部12の反発性を向上させ、これにより、フェース部12における相反する作用を効率よく行わせることができる。
必要な場合には、ソール側のリブ状部材39,41の一方又は双方に、このような切欠き部による肉厚調整部を設けてもよい。また、切欠き部は側方すなわち隣接するリブ状部材側又は反対側に形成し、更に、その幅方向の中央部位に形成することもでき、いずれの場合も、リブ状厚肉部に対して横断面積を例えば半分以下で、好ましくはリブ状厚肉部に対して横断面関を1/3以下に減じた肉厚調整部としてもよい。境界部43,45を形成する先端面35b,37bは、図9の(A)に示すようにソール部12の裏面に対してほぼ垂直に形成してもよく、(B)に示すようにソール部12の裏面に対して略70度程度傾斜させた面や、凸状又は凹状の湾曲面で形成してもよい。
図11に示す参考例は、中央厚肉部32をトウ・ヒール方向に長く形成したもので、クラウン・ソール方向の中心点を通りかつトウ・ヒール方向に延びる中心ラインrと、リブ状部材35,37の幅方向中心ラインR,R′に交差するトウ・ヒール方向長さc3を、中央厚肉部32のクラウン・ソール方向寸法b以上に形成してある。
また、トウ側およびヒール側の区画部54,56を他の区画部すなわちクラウン側およびソール側の区画部50,52よりも肉薄に形成してある。そして、このトウ側およびヒール側の区画部に、補助厚肉部58,60を形成してある。
参考例の補助厚肉部58は、リブ状部材35の延設方向の中央部からトウ側およびソール側に延びる補助リブ58aと、リブ状部材39の延設方向の中央部からトウ側およびクラウン側に延びる補助リブ58bとを区画部54内で交差させてあり、その先端は、交点を超えてトウ側に延びている。これらの補助リブ58a,58bが交差する交点は、中心ラインR,R′とヘッド本体10aとの交点を結びかつクラウン・ソール方向に延びる領域に対して、左右方向に±10mm以内の位置に配置することが好ましい。
同様に、補助厚肉部60は、リブ状部材37の延設方向の中央部からヒール側およびソール側に延びる補助リブ60aと、リブ状部材41の延設方向の中央部からヒール側およびクラウン側に延びる補助リブ60bとを区画部56内で交差させてあり、その先端は、交点を超えてヒール側に延びている。これらの補助リブ60a,60bが交差する交点は、中心ラインR,R′とヘッド本体10aとの交点を結かつクラウン・ソール方向に延びる領域に対して、左右方向に±10mm以内の位置に配置することが好ましい。
このようにトウ側およびヒール側の区画部54,56をクラウン側およびソール側の区画部50,52よりも肉薄に形成し、この区画部54,56に、補助厚肉部58,60を新たに形成することにより、トウ・ヒール方向に沿うより広い範囲にわたって、反発性すなわちCT値を効率よく均一化することができる。
参考例の補助肉厚部58,60は、フェース部12の裏面からの高さを、中央厚肉部32又はリブ状厚肉部34,36,38,40よりも低く形成し、また、延設方向に直交する横断面積も小さく形成してある。これにより、薄肉に形成したトウ側およびヒール側の区画部54,56内のCT値が高くなり過ぎないように調整することができる。
これらの補助厚肉部58,60は、それぞれの区画部54,56内における中央位置よりも中央厚肉部32側に配置することが好ましい。
これらの補助厚肉部58,60を形成する補助リブ58a,58b,60a,60bは、高さを0.2〜3.0mm、幅を0.5〜3.0mm、延設方向に直交する横断面積を0.01〜0.05cm程度に形成することが好ましく、その断面形状は矩形、三角形、台形、半円形等の適宜の形状とすることができる。
図12に示す参考例は、中央厚肉部32の周部に肉厚増加部62を形成したクラブヘッド10を示す。
参考例の肉厚増加部62は、区画部50,52,54,56の中央厚肉部32に隣接する領域内で、中央厚肉部32およびリブ状厚肉部34,36,38,40よりもフェース部12の裏面からの突出高さを低く形成してある。この肉厚増加部62の頂面を形成する内面62aは、平面状又は凹面状に形成することができ、凹面状に形成する場合には、フェース部16の打球面に沿うものであってもよい。この内面62aは、フェース部12の裏面と厚肉部30の内面との中間位置に配置され、周縁部からフェース部12の裏面に向けて傾斜面62bが延びる。この傾斜面62bは、応力集中防止のために、フェース部12の裏面との間に例えば3〜30度程度の角度に形成することが好ましい。
この肉厚増加部62により、フェース部12の中央エリアすなわち中央厚肉部32および肉厚増加部62を含む領域のCT値を、区画部50,52,54,56の外方領域50a,52a,54a,56aが形成する周辺エリアのCT値と均一化するのが容易となる。また、中央厚肉部32から離隔する方向に向けて次第に肉厚を薄くし、内面62aと傾斜面62bとの間に稜線部を形成することなく滑らかに移行することが好ましい。これとは逆に、中央厚肉部32側を外周側よりも肉厚を薄く形成することも可能であり、この場合には、CT値が低下しすぎることを防止することができる。
このような肉厚増加部62は、図示のような広い棚状構造に形成することに代え、1つ又は複数の突条状に形成してもよい。また、図11に示すクラブヘッド10のフェース部12に設けてもよく、この場合には、補助厚肉部58,60よりも中央厚肉部32側に配置し、補助厚肉部58,60との間の部位でフェース部12の裏面を内部空間N内に露出させることが好ましい。この場合にも、中央エリアとその周辺エリアとの反発性を容易に均一化することができる。
更に、肉厚増加部62を4つの区画部50,52,54,56の全てに設けることに代え、トウ側およびヒール側の区画部54,56にのみ設けてもよい。この場合には、中央からの距離の違いによるCT値の差を小さくする効果がある。
なお、上述のクラブヘッド10は、特に厚肉部30とフェース部材14とを種々に組み合わせることが可能であり、例えば図2から図6に示す厚肉部30、および、図7から図10に示す厚肉部30に図11に示す補助厚肉部58,60および図12に示す肉厚増加部62をそれぞれ組み合わせることが可能である。また、肉厚調整部を複数部位に設ける場合には、図5に示すような空隙gを形成したものと、図9に示す空隙gを形成したものとを組み合わせることも可能である。
更に、リブ状厚肉部34,36,38,40は、上述のような略X字状に延設するだけでなく、例えば略H字状に形成したり、中央厚肉部32のトウ側およびヒール側からそれぞれ2本づつ延設する等、中央厚肉部32から交差方向に延びる形状とすることができる。これにより、クラウン・ソール方向(上下方向)だけでなく、トウ・ヒール方向(左右方向)にも広がる広い範囲にわたって、CT値すなわち反発性を調整することができる。
図13及び図14は、中央厚肉部32とリブ状厚肉部34,36,38,40とを略H字状に形成した厚肉部30を有するクラブヘッド10を示す。
この参考例のクラブヘッド10は、ヘッド本体10aがフェース部12に前部開口64を有し、この前部開口64を板状のフェース部材14で閉塞して形成してある。フェース部材14は、周部をヘッド本体10aに溶接することにより固着してあり、図14の(A)に溶接部すなわち固着部を符号66で示してある。したがって、フェース部12は、フェース部材14と、ヘッド本体10aの一部とで形成してある。このフェース部材14は、後述する厚肉部30の形状による反発性(CT値)を抑える構造との関係から、フェース部12の全面積の70%以上で、溶接した際に、ビードがフェース部の中に納まり、ビードを研磨加工する際に、フェース部の形状が崩れない範囲で可能な限り大きな範囲の大きさに形成することが好ましい。
図示の固着部66は、例えば強度を確保するためにフェース部12の裏面から盛上げた状態に溶接してあり、この盛上げ高さは、リブ状厚肉部の高さよりも低く形成することにより、反発性への影響をより少なくすることができる。本参考例では、この固着部66の外周側の全周にわたって、ヘッド本体10aをフェース側の隣接部よりも薄肉厚とした周縁部11が配置されており、この周縁部11の幅方向中心位置は、これに限定するものではないが、固着部66から3〜12mmの範囲となるように配置することが好ましい。
図13に示すように、フェース部材14の裏面に形成した厚肉部30は、中央位置Mを含む中央厚肉部32はクラウン・ソール方向よりもトウ・ヒール方向に長い矩形状に形成してあり、クラウン側の2つの隅部からリブ状厚肉部34,36が互いに離隔する方向に傾斜しつつクラウン側に延び、クラウン部16の手前で終端する。また、ソール側の2つの隅部からリブ状厚肉部38,40が互いに離隔する方向に傾斜しつつソール側に延び、ソール部18の手前で終端する。
これらのリブ状厚肉部34,36,38,40の延設方向外方の端部領域すなわちそれぞれの終端部からは、リブ状厚肉部に対して肉厚又は横断面積を減じてリブ状厚肉部よりもフェース部の変形を容易とする肉厚調整部42,44,46,48が延び、それぞれのリブ状厚肉部の終端部と周部領域31との間に位置する。本参考例の肉厚調整部42,44,46,38は、リブ状厚肉部34,36,38,40から径方向外方の固着部66に向けて、肉厚および横断面積が次第に減じる傾斜部で形成してあり、外端が固着部66に達している。この肉厚調整部42,44,46,48は、そのリブ状厚肉部から離隔する側の端部がフェース部12の裏面に対して、略30〜70度の傾斜面又は略70〜90度の段差を形成するテーパ状の頂面を有し、先端に向けて肉厚を次第に減じ、先端が周部領域31と同じ肉厚に形成することが好ましい。なお、周辺領域31の肉厚は、上述の溶接部である固着部66を含まない肉厚をいう。また、同じ肉厚とは、周辺領域31の肉厚の±20%(80〜120%)のの範囲内であればよく、±10%の範囲とすることがより好ましい。
参考例では、肉厚調整部は42,44,46,38それぞれリブ状厚肉部34,36,38,40と一体の延長部で形成してあり、延設方向に沿う単位長さ当たりの肉厚が変化する割合である肉厚変化率が急激に変化する境界部43,45,47,49により、リブ状厚肉部から特定することができる。
例えばリブ状厚肉部34,36,38,40の肉厚変化率を1mm当たり0.003cmに形成し、肉厚調整部42,44,46,48の肉厚変化率を1mm当たり0.012cmに形成としたときに境界部43,45,47,49は、肉厚変化率が例えば例えば4倍に変化する部位でを特定することができる。勿論、頂面が平面状の場合には、その傾斜角度の変化から特定することもできる。
また、肉厚調整部の長さすなわちリブ状厚肉部の延長方向に沿う長さは、それぞれのリブ状厚肉部の長さの1/3以下とし、1mm〜5mm又は0.5mm〜3mmの範囲に形成することが好ましい。これらの肉厚調整部の先端側に薄肉厚に形成した周部領域31を配置することが好ましいが、例えば肉厚調整部の長さが5mmを超える場合には、このようなヘッド本体10aに形成した周部領域31に代えて、カップ状のフェース部材のクラウン部16又はソール部16の折曲部を薄肉構造に形成してもよい
このように、固着部66と、リブ状厚肉部34,36,38,40の延設方向外方の端部領域との間に、肉厚調整部42,44,46,48を形成することにより、フェース部12内でフェース部材14の周部部位の反発性を利用することで、リブ状厚肉部30の反発性が局部的に低くなることを防止し、フェース部12の中央エリアにおける反発性を効果的に規制し、フェース部12の打球面の広い範囲にわたって、中央エリアと近似した反発性とすることができる。特に、固着部66における溶接接合により、周縁部において曲げ剛性が増大しても、CT値が過度に低下するのを防止することができる。
また、この固着部66に肉厚調整部42,44,46,48が達してこれと一体化されることにより、肉厚調整部が形成される部位の変形が容易となって局部的な反発性の低下を緩和すると共に、固着部66に中央厚肉部32およびリブ状厚肉部34,36,38,40を一体化し、反発性を所要の範囲に保持することができる
このように、厚肉部30のリブ状厚肉部34,36,38,40から延びて固着部66に達する肉厚調整部42,44,46,48は、中心ラインR,R′方向に沿って、リブ状厚肉部34,36,38,40の長さの1/2〜1/6程度に形成することが好ましい。中心ラインR,R′に沿う肉厚調整部42,44,46,48の比率をこれよりも大きくすると肉厚調整部が形成される部位の変形が大きくなりすぎ、CT値が過度に高くなり、小さくすると肉厚調整部が形成される部位の変形が十分でなく、局部的な反発性の低下となるためである。また、肉厚調整部42,44,46,48が占める比率は、クラウン側とソール側又はトウ側とヒール側等、それぞれの配置位置に応じて変化させ、打球特性を調整することも可能である。
必要な場合には、例えば、ソール部18側の周縁部11に、図示しない補強リブを設けることも可能であり、この場合には、フェース部とソール部の応力集中のし易い部分の剛性を上げ、特に薄肉部を補強することが可能である。
参考例における略H字状の厚肉部30は、トウ・ヒール方向に沿う全長を例えば110mmに形成したクラブヘッド10について、中心ラインR,R’がトップライン12aに交差する中心間距離C1を、フェース部12のトウ・ヒール方向長さL(図2)の38〜50%、本参考例では41.7%(C1/L=41.7%)に形成し、中心ラインR,R’がリーディングエッジ12bに交差する距離C2を長さLの35〜45%の範囲内、本参考例では37.5%(C2/L=37.5%)で、クラウン側の中心間距離C1よりも小さく(C2<C1)してある。また、クラウン・ソール方向の中心点を通りかつトウ・ヒール方向に延びる中心ラインrと、中心ラインR,R′に交差するトウ・ヒール方向長さC3を、中央厚肉部32のクラウン・ソール方向寸法b以上に形成し、この長さC3を長さLの20〜34%、本参考例では22.5%(C2/L=22.5%)で、距離C2よりも小さく形成してある。
また、中央厚肉部32は、フェース部12の裏面からの高さtを1〜10mm、リブ状厚肉部34,36,38,40の横断面積は、中央厚肉部32に隣接する部位で0.05〜0.4cm、肉厚調整部42,44,46,48との境界部43,45,47,49に隣接する部位で、0.03〜0.2cm程度に形成し、幅wは、2〜7mm、高さtは0.5〜5.0mmに形成することが好ましい。これらの寸法は、全て等しく形成してもよく、又は、配置位置に応じて変更してもよい。
このような厚肉部30で区画される区画部50,52,54,56は、それぞれ上述の実施形態又は参考例と同様に形成してもよいが、1.8mm〜2.6mm程度の肉厚に形成してある。
フェース部12の裏面に、厚肉部30をこのような略H字状に形成することで、フェース中央部の剛性を上げ、CT値を抑制し、トウ側及びヒール側では、中央位置と近似したCT値が得られ、かつ、リブ状厚肉部を形成した部位の局部的な反発性の低下を抑え、クラウン・ソール方向にも延びる広い範囲にたわってフェース中央位置と近似したCT値が得られる効果がある。
なお、このような厚肉部30の周部の全体にわたって、図12に示す肉厚増加部62と同様な傾斜面30bがフェース部12の裏面から内面30aまで延び、このような傾斜面30bにより、応力集中を防止することが好ましい。この傾斜面30bは、肉厚調整部42,44,46,48まで延設することが好ましい。また、内面30aは、中央位置Mをフェース部12の裏面側に近接させ、周部を盛上げたた凹面状に形成することもできる。
このように略H字状の厚肉部30形成したフェース部12の表面におけるCT値の測定結果を表1に示す。
表1中、符号Cはトウ・ヒール方向又はクラウン・ソール方向における中心位置を示し、この中心位置Cを通る水平線から上下のクラウン方向(U)およびソール方向(D)にに5mmの間隔を置いた水平線と、中心位置Cを通る垂直線から左右のトウ方向(T)およびヒール方向(H)に5mmの間隔を置いた垂直線とのそれぞれの交点におけるCT値に基づくものである。各測定値は、トウ・ヒール方向およびクラウン・ソール方向の中心線の交点である中央位置Mの測定値を100とし、この中心点Mの値に対する比率をパーセントで示す。
この表1と図13とを対比すると、図13の符号A1で示す位置がU20の行とT20の列との交差する位置に近接し、A2に示す位置がU15の行とH20の列との交差する位置に対応し、A3で示す位置がD5の行とT15の列との交差する位置に近接し、A4で示す位置がD15の行とH20の列との交差する位置に近接する。符号A1で示す位置は、リブ状厚肉部34の中央厚肉部32から離隔した厚肉端部の幅方向中央位置であり、符号A2,A3,A4も、それぞれリブ状厚肉部36,38,40の中央厚肉部32から離隔した厚肉端部の幅方向中央位置を示すものである。
Figure 0005256224
表1から明らかなように、中央位置Mからトウ側及びヒール側にそれぞれ20mmの広い範囲で中央位置Mと近似したCT値が得られ、更に、クラウン側に20mmおよびヒール側に15mmの範囲では中央位置Mの74%以上のCT値が得られている。
したがって、このクラブヘッド10は、中央厚肉部32およびリブ状厚肉部34,36,38,40を形成した部位の局部的な反発性の低下を緩和し、これにより、フェース部12のトウ・ヒール方向に加えてクラウン・ソール方向にも延びる広い範囲にわたってフェース部12の中央厚肉部32を形成した中央エリアと近似した反発性が得られ、中央厚肉部32およびリブ状厚肉部34,36,38,40を形成した部位の局部的な反発性の低下を抑制し、打球位置がばらついても、飛距離の向上・安定性が得られる。
更に、本参考例では、リブ状厚肉部34,36,38,40の中央厚肉部32から離隔した厚肉端部A1,A2,A3,A4からトウ・ヒール方向に沿ってそれぞれ内方に略5mm偏倚した位置B1,B2,B3,B4における反発性すなわちCT値を厚肉端部A1,A2,A3,A4におけるCT値の95%以上であることが好ましい90〜100%の範囲で近似させてある。これにより、中央厚肉部32を形成した中央エリアの反発性を効果的に抑えると共に、リブ状厚肉部34,36,38,40による反発性の低下を防止し、広い範囲にわたって、ムラなく、中央エリアの反発性に禁じさせることができる。
なお、位置B1,B2,B3,B4は、リブ状厚肉部の厚肉端部における幅を広く形成した場合には、リブ状厚肉部から5〜10mmの範囲内の薄肉領域で特性し、比較することができる。
このように厚肉端部A1,A2,A3,A4と薄肉部における位置B1,B2,B3,B4とのCT値は、肉厚調整部42,44,46,48をリブ状厚肉部に対して相対的に長く形成するほど、より近い値に近似させることができる。また、これらのリブ状厚肉部は、所要のCT値の範囲内で可能な限り長く延設することが好ましい。個々のCT値は、設計(シュミレーション)及び試作(サンプル)で確認し、付与することができる。
図14の(B)は、このような肉厚調整部42,44,46,48の変形例を示し、ここでは、頂部が湾曲形状を有し、外端は、上述の参考例の固着部66よりも大きく肉盛溶接した固着部66との間に僅か(例えば1mm〜3mm程度)な距離を設けてある。これにより、リブ状厚肉部の反発性の調整効果を向上させることができる。なお、頂部を湾曲形状に形成した肉厚調整部42は、リブ状厚肉部34との間の境界部43を、頂部の曲率の変化から特定することができる。更に、頂部は、図14の(B)に示すような凸面状とは逆に凹設させた凹面状に形成してもよく、更に、順に厚さすなわちフェース部12の裏面からの高さが段階的に減少する段階状(図示しない)に形成してもよい。
図15に示すように、肉厚調整部42,44,46,48は、厚さを次第に減少させることに代え、リブ状厚肉部34,36,38,40に対して横断面積を減少させた小リブkで形成してもよい。図15の変形例では、各肉厚調整部42,44,46,48をそれぞれ2つの小リブkで形成してあり、2つの小リブkの合計の横断面積は、リブ状厚肉部34,36,38,40に対して、それぞれの境界部43,45,47,49で例えば1/4〜1/2以下と急激に減少する。このような小リブkは、リブ状厚肉部に対して横断面積が減少するものであれば、2つに限らず、1つでもよく、3以上であってもよい。更に、先端側に向けて次第に幅を減少させて、平面視で段階状の構造に形成することも可能である。
いずれの場合も、図13に示すゴルフクラブ10と同様に、これらの小リブkがリブ状厚肉部34,36,38,40よりもフェース部12の変形を容易とし、中央厚肉部32およびリブ状厚肉部34,36,38,40を形成した部位の局部的な反発性の低下を緩和することができる。
図16は、上述の略X字形状及び略H字状形状に代えて、略Y字状の厚肉部30を形成した参考例を示す。全体がフェース部材14で形成されたフェース部12の中央位置Mを含む中央厚肉部32からクラウン側に2つのリブ状厚肉部34a,36aが延び、ソール側に1つのリブ状厚肉部38aが延びる。この厚肉部30により、クラウン側に区画部70が形成され、トウ側及びヒール側にそれぞれ区画部72,74が
肉厚調整部42a,44a,46aは、それぞれ図13に示す参考例と同様に、肉厚が次第に減少する傾斜部で形成してあり、境界部43a,45a,47aを介してリブ状厚肉部34a,36a,38aに連続する状態に形成してある。
この参考例でも、肉厚調整部42a,44a,46aが、厚肉部30を形成した部位の局部的な反発性の低下を緩和し、これにより、フェース部12のトウ・ヒール方向に加えてクラウン・ソール方向にも延びる広い範囲にわたってフェース部12の中央厚肉部32を形成した中央エリアと近似した反発性が得られ。
図17及び図18は、フェース部12の全体がフェース部材14で形成されており、中央位置Mを含む中央厚肉部32から周縁のクラウン側及びソール側に向けて略X字状にリブ状厚肉部34,36,38,40に延設したクラブヘッド10を示し、このクラブヘッド10は、クラウン側の厚肉調整部42,44とソール側の厚肉調整部46,48とをそれぞ同一構造に形成するのではなく、別個の形式に形成してある。
ソール側の肉厚調整部46,48は、それぞれ図15に示す参考例と同様な2つの小リブkで形成してあり、リブ状厚肉部38,40との間に、断面形状が変化する境界部47,49を形成してある。
また、クラウン側の肉厚調整部42,44は、図9の(B)に示す参考例と同様に、リブ状厚肉部34,36の先端側で、例えばフェース側の一部部分fを残して肉厚および横断面積を、好ましくは局部的な反発性の低下を防止するためである半分以下とし、内部空間N側を切欠いた状態に形成してある。この肉厚調整部42,44を形成する部分fは、リブ状厚肉部34,36の隣接部である先端の幅よりも広い範囲に形成してある。これらの肉厚調整部42,44は、例えば厚さが0.3〜1.5mmで、リブ状厚肉部34,36の先端の1.2〜3倍程度の幅に形成することが好ましい。
これらの肉厚調整部42,44をクラウン側で左右に延びる連結部76で一体的に連結してもよく、この場合には、フェース部12のクラウン側中央部の反発性を抑えることができる。この連結部76の厚さは肉厚調整部42,44と相違させることも可能であり、省略してもよい。
また、図18に示すように、境界部43を形成する先端面35bは、ソール部12の裏面に対して略15〜60度程度傾斜させた面や、凸状又は凹状の湾曲面で形成してもよく、図9の(A)に示すように、ソール部12の裏面に対してほぼ垂直に形成してもよい。
なお、図13から図18に示す参考例にも、図11に示す補助リブや図12に示す補助厚肉部を組合わせ、クラウン・ソール方向(上下方向)だけでなく、トウ・ヒール方向(左右方向)にも広がる広い範囲にわたって、CT値すなわち反発性を調整することができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ゴルフボールの打球面をフェース部の前面に形成した中空構造の金属製クラブヘッドを備えるゴルフクラブであって、前記フェース部の裏面に、このフェース部の中央位置で内側に突出する中央厚肉部と、この中央厚肉部からクラウン側及びソール側に向けて延びる複数のリブ状厚肉部とを一体的に形成し、これらのリブ状厚肉部の少なくとも1つの延設方向外方の端部領域に、リブ状厚肉部に対して、肉厚又は横断面積を減じてリブ状厚肉部よりもフェース部の変形を容易とする肉厚調整部を形成したことを特徴とするゴルフクラブ。
[2] 前記肉厚調整部は、リブ状厚肉部に対して肉厚又は横断面積が半分以下に減少し、前記リブ状厚肉部から離隔する側の端部が、肉厚を次第に減じたテーパ状又は段階状に形成され、周部領域に連続することを特徴とする[1]に記載のゴルフクラブ。
[3] 前記リブ状厚肉部の中央厚肉部から離隔した厚肉端部に対し、この厚肉端部の幅方向中央位置からトウ・ヒール方向に沿って内方に略5mm偏倚した位置における反発性を90〜100%の範囲で近似させたことを特徴とする[1]又は[2]に記載のゴルフクラブ。
[4] 前記中央厚肉部から延びて先端がクラウン部又はソール部の内面に一体的に固定されるリブ状部材を有し、前記リブ状厚肉部は、このリブ状部材とフェース部の裏面とを一体化して形成され、前記肉厚調整部は、リブ状部材とフェース部の裏面との間に形成した空隙を有することを特徴とする[1]に記載のゴルフクラブ。
[5] 前記クラブヘッドは、打球面を形成するフェース部材と、フェース部に形成した前部開口に前記フェース部材の周部を固着したヘッド本体とを有し、前記フェース部材の周部とヘッド本体との間に形成される固着部と、前記リブ状厚肉部の少なくとも1つの延設方向外方の端部領域との間に、前記肉厚調整部を形成したことを特徴とする[1]から[3]のいずれか1つに記載のゴルフクラブ。
[6] 前記肉厚調整部は、リブ状厚肉部に対して肉厚又は横断面積を前記固着部に向けて次第に減少させて形成され、前記固着部に達することを特徴とする[5]に記載のゴルフクラブ。
[7] 前記中央厚肉部からクラウン又はソール側に向けて延び、フェース部の裏面に一体的に固定されるリブ状部材を有し、前記肉厚調整部は、このリブ状部材に形成した切欠き部を有することを特徴とする[1]から[6]のいずれか1つに記載のゴルフクラブ。
[8] 前記リブ状厚肉部は、中央厚肉部側でフェース部の裏面から突出する高さが最も高く、外方に向けて、高さと、延設方向に直交する面内における断面積との少なくとも一方が次第に小さく形成されることを特徴とする[1]から[7]のいずれか1つに記載のゴルフクラブ。



10…クラブヘッド、12…フェース部、32…中央厚肉部、34,36,38,40,50…リブ状厚肉部、42,44,46,48…肉厚調整部。

Claims (2)

  1. ゴルフボールの打球面をフェース部の前面に形成し、前記フェース部の裏面に、このフェース部の中央位置で内側に突出する中央厚肉部と、この中央厚肉部からクラウン側及びソール側に向けて延びる複数のリブ状厚肉部とを一体的に形成し、これらのリブ状厚肉部の少なくとも1つの延設方向外方の端部領域に、リブ状厚肉部に対して、肉厚又は横断面積を減じてリブ状厚肉部よりもフェース部の変形を容易とする肉厚調整部を形成した中空構造の金属製クラブヘッドを備えるゴルフクラブであって、
    前記中央厚肉部から延びて先端がクラウン部又はソール部の内面に一体的に固定されるリブ状部材を有し、前記リブ状厚肉部は、このリブ状部材とフェース部の裏面とを一体化して形成され、前記肉厚調整部は、リブ状部材とフェース部の裏面との間に形成した空隙を有することを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 前記リブ状厚肉部は、中央厚肉部側でフェース部の裏面から突出する高さが最も高く、外方に向けて、高さと、延設方向に直交する面内における断面積との少なくとも一方が次第に小さく形成されることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ。
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