JP2010005312A - ゴルフクラブ - Google Patents

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Abstract

【課題】リブを配置した部位の強度の向上を図り、クラブヘッドを軽量化し、性能、品質に優れたゴルフクラブを提供すること。
【解決手段】フェース部12とクラウン部16とソール部18とトウ側及びヒール側のサイド部20,22と後側のバック部24とで外殻を形成し、この外殻内に内部空間Nを形成した中空構造の金属製クラブヘッド10を備え、前記外殻の内面17aから内部空間N側にリブ32を突出させると共に、この外殻の外面17bに、リブ32に沿って外方に膨出する外膨出部36を形成したゴルフクラブゴルフクラブ8。
【選択図】 図4

Description

本発明は、中空構造の金属製クラブヘッドを備えるゴルフクラブに関する。
ゴルフクラブには、クラブヘッドを中空構造の金属製クラブヘッドとして形成したものがあり、通常、この金属製クラブヘッドは、フェース部と、クラウン部と、ソール部と、トウ側及びヒール側のサイド部と、後側のバック部とで外殻を形成し、この外殻の内側に内部空間を形成してある。
近年、このような中空構造のクラブヘッドの大型化に伴い、金属製クラブヘッドの外殻の肉厚を極力薄く形成すると共に、中空の内部空間内にリブを設けることにより、強度の向上や打球時のたわみや変形量の調整、更に、反発係数、振動数等の調整が行われている。
このようなリブには、ソール部の内面に、フェース部とバック側サイド部とを結ぶ方向に形成したものがある(例えば特許文献1参照)。このようにソール部にリブを設けることにより、インパクト時のソール部の変形を抑制し、撓みにくくすると共に、クラウン部に応力を集中させてクラウン部を撓みやすくし、ヘッドスピードの遅いプレーヤが使用した場合でも、飛距離を増大できるようにしようとするものである。
特開2003−88601
しかし、リブを形成する部分の肉厚を薄くし、軽量化を図ろうとすると、リブで補強、強化しているにも係わらず、リブを形成した部分から破損することがある。特に、外殻を薄肉化すると、リブを形成した肉厚の厚い部分と、リブを形成してない薄い部分との境目の近傍から破損が発生する虞がある。このような破損は、製造時に異常がない場合であっても、繰返し使用することにより、クラックが発生し、次第に成長して破損に至ることもある。
このため、リブの性能を増大し、あるいはリブ性能を効率よく発揮することのできるクラブヘッドが望まれている。
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、リブを配置した部位の強度の向上を図り、クラブヘッドを軽量化し、性能、品質に優れたゴルフクラブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によると、フェース部と、クラウン部と、ソール部と、トウ側及びヒール側のサイド部と、後側のバック部とで外殻を形成し、この外殻内に内部空間を形成した中空構造の金属製クラブヘッドを備えるゴルフクラブであって、前記外殻の内面から内部空間側にリブを突出させると共に、この外殻の外面に、前記リブに沿って外方に膨出する外膨出部を形成したゴルフクラブが提供される。
前記リブは、外殻と異なる材料からなり、外殻の内面から外膨出部に達するリブ部材で形成されることが好ましい。
前記外殻の内面に、前記リブに沿って内部空間内に膨出する内膨出部を形成することも可能である。
前記リブの少なくとも一方の端部は、延設方向の中間部が配置される部位の平均肉厚よりも、厚く形成された部位に配置されることが好ましい。
また、前記リブは、クラウン部とソール部とトウ側サイド部とヒール側サイド部とバック部との少なくとも1つの部位に、リブの延設方向に沿う寸法の50%以上の長さにわたって延設することが好ましい。
本発明のゴルフクラブによると、外殻のリブを配置した部分の強度が向上し、破損が防止されるため、総合的に外殻の肉厚を薄くして、軽量化を図ることができ、性能、品質に優れたゴルフクラブが提供される。
リブが、外殻と異なる材料からなり、外殻の内面から外膨出部に達するリブ部材で形成される場合には、このリブ部材の材料特性を利用することで、より効果的に強度の向上や軽量化を図り、性能、品質に優れたゴルフクラブを提供することができる。
外殻の内面に、リブに沿って内部空間内に膨出する内膨出部を形成する場合には、リブ部材を配設した部位における内外側の肉厚バランスを最適化することができ、更に効果的に強度を向上し、軽量化し、性能、品質に優れたゴルフクラブを提供することができる。
リブの少なくとも一方の端部が、延設方向の中間部を配置される部位の平均肉厚よりも、厚く形成された部位に配置される場合には、その肉厚な部分におけるリブ端部は、応力集中を緩和し、リブ全体と本体とのせん断応力を低下させ、平均肉厚の薄い部分においてのリブの効果を効率よく発揮することができ、全体として比剛性、比強度を高めることあ可能となる。
また、リブは、クラウン部とソール部とトウ側サイド部とヒール側サイド部とバック部との少なくとも1つの部位に、リブの延設方向に沿う寸法の50%以上の長さにわたって延設する場合には、リブによる効果を広範囲にわたって確保することができるとともに、リブの無い部分への応力集中による破損が防止できる。
図1から図6は本発明の好ましい実施形態によるゴルフクラブ8に用いる金属製クラブヘッド10を示す。
図1に示すように、本実施形態のクラブヘッド10を用いたゴルフクラブ8は、例えば繊維強化樹脂あるいは金属材料で管状構造に形成したシャフト6の先端に、例えばボールを置く地面等の基準水平面Bに対して規定のライ角α(図1)及びロフト角β(図5)を設定して取り付けられ、基端には天然ゴムあるいは合成ゴム等の柔軟性や軟質材料で形成したグリップ4を取付けてある。ここに、ライ角αは、後述するソール部あるいは基準水平面Bに対するシャフトの軸線6aの取付角度である。また、ロフト角βは、基準水平面Bに直交する垂直面とフェース部12の前面との間の角度である。
図2から図6に、金属材料で中空構造に形成したクラブヘッド10を詳細に示す。
本実施形態のクラブヘッド10は、フェース部12に打球面を有するフェース部材14を配置し、このフェース部材14をヘッド本体10aが背面側から支える。このヘッド本体10aは、フェース部12の上縁部12aおよび下縁部12bからそれぞれバック側にクラウン部16およびソール部18が延びる。これらのクラウン部16とソール部18との間に、フェース部12のトウ側およびヒール側からそれぞれトウ側サイド部20およびヒール側サイド部22がクラウン部の16の周縁部に沿って湾曲しつつバック側に延び、バック部24に連続する。
トウ側サイド部20およびヒール側サイド部22は、フェース部12側で上下方向すなわちクラウン・ソール方向に大きな寸法を有し、バック部24まで次第にその寸法が減少する。したがって、このクラブヘッド10は、実質的にフェース部12とクラウン部16とソール部18とトウ側及びヒール側サイド部20,22と、後部のバック部24とで外殻を形成し、中空部である内部空間Nをこの外殻内に形成する。
なお、フェース部12とクラウン部16との間の上縁部12aは、その間の稜線で特定することができるが、フェース部12の大部分を形成する面部の曲率半径より小さくなる部位で特定してもよい。下縁部12b等のフェース部12を区画する他の部位についても同様である。
ヘッド本体10aの前部開口部に固定されるフェース部材14は、中央部を外方に僅かに膨出させたバルジを有する板状の部材で形成してあり、この前面がゴルフボールを打つ打球面を形成する。このフェース部12の打球面には、略水平方向の浅い凹溝等の好適な手段でトウ・ヒール方向に延びる多数のスコアライン13(図1参照)を形成してあり、ほぼ中央位置には、クラブヘッド10の重心Gを通り、フェース部12の打球面に垂直に延ばした点であるスイートスポットSが位置する。符号Rは、この重心GとスイートスポットSとを結ぶ線に対して垂直で、かつ打球面の最大突出位置を通る接線を示す。
フェース部材14は、クラウン部16、ソール部18、トウ側およびヒール側サイド部20,22及びバック部24からなるヘッド本体10aの前方側開口を閉塞する板状の部材で形成してある。このフェース部材14は、このフェース部12の全体を形成してもよく、または、いわゆる力ップ状に形成され、クラウン部16、ソール部18及びサイド部20,22のフェース部12側の一部を形成していてもよい。更に、フェース部12に形成した所定の大きさの開口に嵌合する板状に形成し、フェース部12の一部のみを形成するものであってもよい。
本実施形態のへッド本体10aは、フェース部12に設けられるフェース部材14を除いて、例えば、チタン系合金、鉄系合金等を鋳造することで一体形成することが好ましく、その前面側に、フェース部12の打球面を構成する力ップ型に形成されたフェース部材14が溶着、接着等によって止着される開口が形成されている。このような一体構造に代え、へッド本体10aを構成する各部材(フェース部、クラウン部、ソール部、サイド部等の外殻を形成する部材)を個別に形成し、この後、組立て、溶着や接着等によって一体化しても良い。更に、クラウン部16を繊維強化金属や繊維強化樹脂等により形成し、または、それらの金属や繊維などの材料を組み合わせて形成することも可能である。
ヘッド本体10aに結合されるフェース部材14は、例えは、チタン系合金、鉄系合金等を、所定の力ップ型形状となるように、プレス加工、或いは鍛造等することで一体形成し、例えばスイートスポットSの位置を含む打球面の平均肉厚(各部の最大肉厚部、最小肉厚部および中間肉厚部の平均値であり、少なくとも所定厚で広い面積の部分の3箇所以上の測定値から得るのが好ましい)を、打球時の衝撃に耐え得る1.5mm〜3.2mm程度に形成するのが好ましい。圧延材で形成する場合には、フェース部12の反発力を高めると共に耐久性を増大するためにその圧延方向をクラウン・ソール方向に沿って配置することが好ましい。また、スイートスポットSが配置される部位を周部よりも僅かに肉厚に形成することで、強度を維持しつつ反発力を増大することができる。
このように形成されたフェース部材14は、ヘッド本体10aに形成した開口の端面に、接着、溶着、ろう付け等の好適な手段によって止着される。もちろん、フェース部12については、別部材であるフェース部材14を止着するのではなく、前記へッド本体10aと共に一体に形成されていてもよい。
このフェース部材14を支えるヘッド本体10aには、シャフト6の先端を止着するシャフト止着部(図示せず)が一体形成されている。シャフト6は、クラウン部16に突出形成されるホーゼル部26の開口26aを介してシャフト6先端部を差し込むことで、シャフト止着部に止着される。
このヘッド本体10aのクラウン部16は、トウ側サイド部20、バック部24およびヒール側サイド部22との間に稜線28を形成する。
このような外殻構造を有するクラブヘッド10のヘッド本体10aの内部空間N内には、バック部24の内面から膨出した状態に、ウェイト部30が設けられている。このウェイト部30は、例えば、鉛、タングステン等の比重の大きな材料で形成した重量部材をバック部24の内面に接着、溶着、ネジ止め、ろう付け等の適宜の手段で一体的に強固に固着することで形成し、又は、このバック部24を厚肉化して形成してもよい。更に、このような厚肉部と重量部材とを組合せて形成してもよい。
図2に示すように、本実施形態ののクラウン部16は、例えばチタン合金(例えばTi−6Al−4V鋳造)或いはステンレス合金(例えばSUS630)等の金属材料で形成してあり、外面は滑らかな曲面状をなし、フェース部12の上縁部12aに沿う前縁部16aおよび稜線28に沿う周縁部16bは、これらの前縁部12aおよび周縁部16bで囲まれる中間部16cの平均肉厚よりも厚い部位として剛性を確保しつつ軽量構造に形成してある。これらの前縁部16aおよび周縁部16bは、内面がクラウン部16の外周に沿って内部空間N側に盛上った帯状に延び、その幅は、クラウン部16の例えば最大差渡し寸法の5〜20%に形成してある。図示のように、打球時に大きな衝撃が作用する前縁部16aは、周縁部16bよりも、幅を大きく形成することが好ましく、肉厚についても前縁部16aは周縁部16bよりも大きく形成することが好ましい。
なお、平均肉厚は、少なくとも3点における肉厚の平均値から求めた厚さをいい、したがって、中間部16cには、前縁部16aおよび周縁部16bの肉厚よりも厚い部位が含まれることもある。
このクラウン部16には、フェース・バック方向にリブ32を延設してある。
図2および図3に示すように、本実施形態のリブ32は、クラウン部16のトウ・ヒール方向におけるほぼ中央部に配置してあり、クラウン部16の内面から内部空間N内に突出する。このリブ32は、延設方向に沿うクラウン部16の寸法(フェース部12の上縁部12aと、接線Rからバック部24側に離隔した稜線部28との間の最大距離)の約80%の長さにわたって延び、その両端が前縁部16aおよび周縁部16bに連続している。これにより、クラウン部16の前後方向にわたる全体を効率よく補強することができ、中間部16cを周縁部16bに対して肉厚を薄くした構造に形成することができ、クラブヘッド10の全体を軽量化することができる。
このように平均肉厚の薄い部位である中間部16cに配置するリブ32は、その配置される部位における延設方向に沿う寸法の少なくとも35%以上で、好ましくは50%以上にわたって延設するものでもよく、この場合にも、リブ32による強度の向上や振動調整等のリブ32の効果を発揮することができる。また、リブ32を延設する長さは、80%を超えてほぼ全長寸法に至るものであってもよく、更に、全長寸法を超えて隣接する部位まで延設することもできる。図示のようにフェース・バック方向に延設する場合には、例えば稜線部28を超えてバック部24まで延長し、トウ・ヒール方向に延設する場合には、サイド部20,22まで延長させてもよい。稜線部28を超えて延設する場合には、稜線部28の剛性をより効果的に増大でき、打球音、打球感を効率良く調整できる。
いずれの場合も、リブ32の両端部は、それぞれ前縁部16a又は周縁部16b等の肉厚の厚い部位に達し、これに連続するのが好ましいが、リブ32の延設長さが、肉厚の厚い部位間の寸法に満たない場合は、少なくとも一方の端部を肉厚の厚い部位に連続させることにより、リブ32によるクラウン部16の強度向上や振動調整等の効果を発揮することができる。。
このようなリブ32は、配置する部位であるクラウン部16と共に鋳造や鍛造等で、クラウン部16と同一材料で一体に形成してもよく、又は、この外殻を形成する材料とは異なる材料で、別体に形成することもできる。
図3及び図4は、外殻と異なる材料でリブ32を形成するリブ部材34を示す。
図4の(A)に示すように、本実施形態のリブ部材34は、フェース・バック方向の延在長さより十分小さい、例えば長さの1/10以下の幅dで、クラウン部16の貫通孔17を肉厚方向に貫通すると共に、内縁部34aがこのクラウン部16の内面17aから高さtまで突出する矩形状の断面形状を有し、クラウン部16に強固に一体的に固定される。外縁部34bはクラウン部16の外面17bに面一状に配置される。この外縁部34bは、図3に示すように、外側に露出させてもよく、あるいは、後述するように、外膨出部36で覆った状態にしてもよい。
このリブ部材34の寸法は、配置する外殻の部位およびその延設方向に応じて変更することができるが、上述のように、クラウン部16の約80%にわたって延設する場合は、クラウン部16の軽量化を図りつつリブ32による効果を得るために、幅dを0.8mm〜8.0mmの範囲で、特に1.0mm〜6.0mmの範囲に形成するのが好ましい。リブ部材34の高さtについても、配置位置及び方向によって変更することができるが、同様な理由から、0.5mm〜20.0mmの範囲に形成するのが好ましい。特に、2.0mm〜12.0mmの高さとするのが好ましく、更に、幅d<高さtとするのが最も効率が良い。
このリブ部材34は、クラブヘッド16と同じ材料で形成することも可能であるが、配置する目的に応じた最適材料で形成することができる。例えば、クラウン部16の強度向上を意図する場合には、クラウン部16よりも高強度で、例えば上述のフェース部材14を形成する材料と同等以上の強度を物性として有する材料を用いることが好ましい。一方、振動調整が目的の場合には、外殻、特にクラウン部16を形成する材料よりも硬質の金属材料又は引張弾性率の高い材料を用いることができ、必要な場合には、振動減衰性の高い材料を用い、打球音、打球感を調整することもできる。
なお、このリブ部材34の断面形状は、図示の矩形形状に限らず、外縁部34b側よりも内縁部34a側の幅dが大きな台形状又は三角形状に形成してもよく、これとは逆に、外縁部34b側よりも内縁部34a側の幅dを小さくしてもよい。これらの幅dおよび高さtは、その全長にわたって均一に形成する他、配置位置および延設方向に応じて、変化させることも可能である。特に、高さtの大きい部位には、例えば丸孔、楕円孔、多角形孔等の種々の孔を幅d方向に貫通させ、あるいは、薄肉化することにより、軽量化することも可能である。
このようなリブ32は、図示のように1本でも上述の効果を得るためには十分であるが、必要な場合には、さらに1〜3本追加してもよい。特に、リブ32を形成するリブ部材34がクラウン部16を肉厚方向に貫通する場合には、このリブ部材34がクラウン部16の貫通孔17内にも存在するため、リブ32の効果が効率よく得られ、リブ32の本数を3以下とし、又は、延設長さを短くしても、所要のリブ効果を得ることができる。リブ32を複数本配置する場合には、川の字状に併置させて延設し、又は、X字状に交差させて延設してもよい。
本実施形態では、外殻のリブ32を配置する部位すなわちクラウン部16は、例えばチタン合金(例えばTi−6Al−4V鋳造)あるいはステンレス合金(例えばSUS630)等の金属材料で形成してあるが、通常の金属材料の他にも、繊維強化金属材料を用いてもよく、種々の金属性材料で形成することができる。
図4に示すように、このクラウン部16の外面には、リブ32の延設方向に沿って外方に膨出する外膨出部36を形成し、リブ32を配置した部分の強度を向上し、破損を防止してある。
この外膨出部36は、滑らかな曲面状の外面を形成してクラウン部16の外面17bから強度の向上に必要な最小限度だけ盛上った状態に外方に膨出する。この外膨出部36の最大高さh1は、リブ32の配置位置に応じて最適な値に設定することが可能であるが、リブ32を上述のようにクラウン部16に配置する場合には、この中間部16cの厚さの例えば50%以下等、その厚さ以下に形成し、外面17bから0.03mm〜1.2mmの範囲で、0.06mm〜0.6mmの範囲に形成することが好ましい。この外膨出部36の高さh1及び後述する内膨出部38の高さh2を測定する基準となる中間部16cの位置は、外膨出部36および内膨出部38からわずかに外れた位置を基準に比較するとよい。厚さにバラツキがある場合には、比較する位置を複数点測定し、平均値を求めて比較することができる。
例えば、外膨出部36の最大高さh1が0.03mm〜0.4mmの範囲にあるときに、幅w1を、リブ32の幅dよりも大きく、5.0mm〜30.0mmの範囲に形成することが好ましい。このように、外方への膨出量が僅かで、しかも、滑らかな外面を形成することにより、外膨出部36の膨出が視認し難く、凹凸感が得られにくい外観を形成することができる。これとは逆に、外膨出部36の最大高さh1が同じであっても、幅w1を小さくすることで、凹凸感を出して独特の外観デザインの形成に寄与させることもできる。
いずれの場合も、外膨出部36は、その幅方向において、リブ32の幅方向の中心位置からリブ32の幅d以上の範囲にわたって配置されるように設定し(2d<w1)、リブ32を配置した部位からクラックや破損が発生するのを防止することが好ましい。
このように、外殻を形成するクラウン部16の内面17aから内部空間N内にリブ32を突出させると共に、この外面17bに、リブ32に沿って外方に膨出する外膨出部36を形成したことにより、リブ32を配置した部分の強度が向上し、破損が防止されるため、総合的に外殻の肉厚を薄くして、軽量化を図ることができ、性能、品質に優れたゴルフクラブを提供することができる。
また、リブ32を形成するリブ部材34の外縁部34bは、貫通孔17を介して膨出部36に達するものであれば、外殻すなわちクラウン部16と異なる材料で形成したリブ部材34が、このリブ部材34の材料特性を利用することで、より効果的に強度の向上や軽量化を図り、性能、品質に優れたゴルフクラブを形成することができる。また、図4の(B)に示すように、外縁部34bを外膨出部36の外面から露出させた場合には、この外膨出部36もリブとして機能することになり、より効率よくリブ32の効果を発揮することができる。
更に、図4の(C)に示すように、リブ32に沿う内面17aに、内膨出部38を形成してもよい。
外膨出部36と共に内膨出部38を形成する場合は、内膨出部38を、リブ部材34の両側から外膨出部26を越えて延びる幅広に形成し(w2>w1)、厚さすなわち内面17aから突出する最大高さh2も、外膨出部36の最大高さh1より大きく形成する(h2>h1)のが好ましい。このようにすることで、外膨出部36の高さh1及び幅w1を小さくすることが可能で、外観上の違和感がより小さくなる。また、w1とw2の寸法が異なるので、応力集中を緩和させ、強度が安定する。
つまり、リブ32に沿って外膨出部36と内膨出部38とを形成することにより、リブ部材34を配設したクラウン部16における内外側の肉厚バランスを最適化することができ、更に効果的に強度を向上し、軽量化し、性能、品質に優れたゴルフクラブを提供することができる。
なお、外膨出部36で十分な強度が確保できる場合には、内膨出部38を設けることを要しないが、リブ部材34を外殻すなわちクラウン部16と異なる部材で形成し、例えば溶接等で一体化する場合には、リブ部材34を高精度で保持し、安定した状態で一体化することが容易となる。このため、内膨出部38は、外殻と別体に形成されたリブ部材34をこの外殻に一体化する際に、特に有益である。
このような外膨出部36および内膨出部38は、クラウン部16を鋳造又は鍛造等で形成する際に同時に成形し、あるいは、後から機械加工してもよく、クラウン部16と別材料で形成する場合には、例えば溶接等で肉盛形成することも可能である。また、ケミカルミーリングを用いて成形してもよい。
なお、上述の実施形態では、リブ部材34をクラウン部16に固定したリブ32に就いて説明したが、このようなリブ32の技術的な利点は、第1に、強度の向上、安定化、耐久性の向上に特に有益な点にあり、第2に、打球音や打球時におけるゴルフボールの反発性能を調節に有益な点にあり、更に、例えば打球感(打球フィーリング)の調整等の利点を目的として用いることもできる。
リブ32は、その目的に応じて、クラウン部16以外にも、後述するように、ソール部18等、外殻の種々の部位に設けることができる。
図5および図6は、このようなリブをソール部18に設けたクラブヘッド10を示す。
このクラブヘッド10は、ソール部18を形成する外殻あるいは壁部を内部空間側に滑らかに湾曲させた状態で没入させて形成した2つのソール側凹部40,42と、これらの凹部40,42間で外側に膨出させた凸部44とを有する。これらのソール側凹部40,42の最大窪み部はフェース・バック方向に沿って延びており、図中、この最大窪み部の延設方向を符号yで示す。これらのソール側凹部40,42間の凸部44も、ソール側凹部40,42の延設方向yに沿って延設され、本実施形態の凹部40,42及び凸部44が形成するそれぞれの変形領域Hの延設方向yは、いずれもフェース部12の接線Rにほぼ直交するフェース・バック方向に沿うことになる。
本実施形態では、ソール側凹部40,42は、ヒール側からトウ側に向かって、好ましくは全体に幅よりも深さが浅い川底状の通路を形成するように、ヒール側凹部46と、トウ側凹部48との間に形成してある。したがって、これらのヒール側凹部46と、トウ側凹部48と、ソール側凹部40,42には、ヒール側からトウ側に向かって、フェース・バック方向における略中央部が最も内部空間N内に深く没入するような湾曲面で形成されている。
これらのソール部18、トウ側およびヒール側サイド部20,22に、ヒール側からトウ側に向かって形成された各凹部の間には複数の凸部が外郭の一部を外側に膨出させて形成される。すなわち、ヒール側凹部46とソール側凹部48との間に凸部50が形成され、トウ側凹部48とソール側凹部42との間に凸部52が形成される。これらの凸部50,52は、ソール側凹部40,42の間の凸部4と共に、全体としてフェース・バック方向に延設されており、このクラブヘッド10を、基準水平面Bに直交する垂直面とフェース部12の前面との間の所定のロフト角βを形成する状態で、基準面を形成する地面に置いたときに、凸部44が地面と接触し、凸部50,52は、地面との間に少し隙間(距離)ができる。
また、各凹部と凸部の境界には、図2に示すように、稜線40a,42a,46a,48aが形成されるようになる。
このように、ソール部18、トウ側およびヒール側サイド部20,22に、ヒール側からトウ側に向かう川底状の通路に沿って変形領域である複数の凹部46,40,42,48を直線状に設けることで、打球時のソール部18のフェース・バック方向の変形を減少し、強度の向上、安定化が図れる。
また、ヒール側凹部46、及びトウ側凹部48には、夫々のソール部18側に、湾曲状の傾斜面46b,48bを形成しておくことが好ましい。この傾斜面46b,48bは、各凹部内において、湾曲状の底線46c,48cを下端縁として、中央側に向けて次第に上昇する湾曲面として構成されている。
なお、上述のソール側凹部40,42については、トウ・ヒール方向に沿う幅寸法より、フェース・バック方向に沿う長さ寸法を大きく形成しておくことが好ましい。この場合、トウ・ヒール方向の寸法とフェース・バック方向の寸法の比は、(2×トウ・ヒール方向寸法≦フェース・バック方向寸法)にすることが好ましい。
このように、ソール部18およびサイド部20,22にわたって形成した凹部40,42,46,48および凸部44,50,52をフェース・バック方向に延設すると共に、これらの凹部40,42をトウ・ヒール方向に延びる河川状の通路に沿って形成することで、打球時のソール部18の変形を効果的に防止することが可能となる。
また、ソール側凹部40,42のフェース・バック方向に沿う最大窪み部の延設方向yは、インパクト時におけるクラブへッド10の進行方向に一致するように形成することで、強度の安定化が可能となると共に、打球時の強度や剛性についても、この方向にすることで、高い強度と高い剛性(安定した打球音の効果)が得られる。
以上のように構成されるソール部18の変形領域H(凹部40,42、凸部44)、ヒール側凹部46、トウ側凹部48に関しては、様々な形態に変形することが可能である。
例えば、トウ側凹部48はソール部12とトウ側サイド部20にわたって形成し、ヒール側凹部46はソール部12とヒール側サイド部22とにわたって形成することが好ましい。また、ソール部18は、地面や芝生との接触や案内性を考慮して、設計的に中間部分を窪んだ形状にできない場合があるため、ヒール側からトウ側まで全てが、上記のように連続した凹部になっている必要はなく、一部に凹部がない形状であっても良い。これらの凹部については任意に設定できるが、少なくとも、ヒール側、トウ側、中央のそれぞれの部位に1箇所の合計3箇所形成されていれば良い。更に、ヒール側及びトウ側にそれぞれ1箇所づつ形成し、中央の部位に2〜4箇所形成して、合計で6箇所以下にすることが好ましい。
また、各凹部40,42,46,48については、フェース部12の下縁部12bに沿うリーディングエッジよりバック部24側に形成し、ソール部18のバック側の最後端位置よりも前方で終端していることが好ましい。すなわち、凹部は、図5に示すように、ソール部18を下面側から見た状態で、クラブヘッド10のバック側の外縁を規定する範囲内に形成され、クラウン部16側にまで延びなければよい。
また、ソール部18の後部であるバック側ソール部については、図3に示すように、バック側に移行するに連れて次第に上方に傾斜するように傾斜部18aを形成しておくことが好ましい。なお、このような上方に傾斜する形状については、面一状に上昇するような形状であっても良いし、多面的(段階的)に上昇するような形状であっても良い。
上述のような凹部40,42,46,48は、平均肉厚が1mm以下で0.5〜0・9mm、好ましくは0.6〜0.85mmの薄肉部に形成してある。このような、薄肉部に凹部40,42,46,48を形成することにより、クラブヘッド10のクラウン部16の下側領域であるソール側の領域に強度を維持しつつ軽量化することができる。
具体的には、ソール側凹部40,42間の凸部44、および、ソール側凹部40,42とフェース部12との間の領域を厚肉部に形成し、この厚肉部の平均肉厚は0.7〜1.5mmに形成してある。そして、このソール側凹部36を含むトウ側のソール部18およびトウ側サイド部20を、平均肉厚が0.6〜0.9mmの薄肉厚部として形成してある。また、ソール側凹部40を含むヒール側のソール部18aおよびヒール側サイド部22を、平均肉厚が0.6〜0.9mm程度の薄肉部に形成してある。ソール側凹部40,42と、上述のウェイト部30との間のバック側ソール部18aは、平均肉厚が0.6〜1.0mmの薄肉部に形成してある。
なお、トウ側凹部48およびヒール側凹部46を省略し、トウ側サイド部20およびヒール側サイド部22を凸部50,52からクラウン部16側に滑らかに移行する湾曲面に形成することもできる。この場合には、若干厚めにして、0.65〜0.95mmとなる。
いずれの場合も、これらの凸部44,50,52の外面をトウ・ヒール方向に結ぶ線が、外殻の外面に外方に突出する湾曲形状を形成することが好ましい。この場合には、打球時にフェース部からバック部に伝達される衝撃力に対してソール部18が大きく変形するのを防止し、バック部24の配置したウェイト部30の重さをフェース部12に効率よく伝達することができる。そして、後述するリブ部材54を上述の凹部40,42又は凸部44の延設方向yに対して、直交又は交差する方向に沿って配置することによりトウ・ヒール方向の変形を防止し、特に、ソール部18の軽量化と強度の向上安定化と打球音の改良とを確実に行う等、リブ部材54による特質を最大限に利用することができる。
本実施形態のリブ部材54は、フェース部12の外面に形成した打球面に沿って、トウ・ヒール方向に延びる。このリブ部材54は、ヘッド本体10aとは別部材で形成してあり、外縁部54bに沿う一部に形成した結合部55が、ソール部18に貫通形成して内部空間Nを外部に連通する溝孔56に挿入されて一体に固定される。この溝孔56に結合部55を挿入されて固定されたリブ部材54は、ソール部18から内側の内部空間Nおよび外側の外部空間に露出する。
リブ部材54の結合部55が挿入される溝孔56は、トウ側凹部48の傾斜面48bからヒール側凹部46の傾斜面46bにわたり、ソール側凹部40,42と凸部44,50,52とを通して連続して延びる。リブ部材54の結合部55は、溝孔56をソール部18の肉厚方向に貫通し、ソール側凹部40,42および凸部44の凹凸形状に沿って上下に湾曲して波打つ状態で、内縁部54aがソール部18の内面から内部空間N内に突出し、結合部55に隣接する外縁部54bは、外面に露出し、外面と面一状に連続する。このリブ部材54は、内縁部54aと外縁部54bとの間の距離を一定にし、又は、ソール部18の内面からほぼ一定の高さとなるように形成することが好ましいが、例えば応力集中し易い稜線部の部位や、凹部の底部など強度の必要に応じて、所要部位の高さを高くしてもよい。
このようなリブ部材54を配置するリブ設置領域は、トウ側及びヒール側凹部48,46が設けられない場合でも、薄肉部の強化及び横リブ方向の高剛性化を図るために、トウ側およびヒール側サイド部20,22の内面に達するまで延び、ソール部18が、トウ側およびヒール側サイド部20,22とに一体化された状態に近づけることが好ましい。したがって、リブ部材54の全体を溝孔56に嵌合して固定する場合には、このリブ設置領域の全体にわたって溝孔56を形成する。また、リブ部材54の一部、例えばソール部のみを溝孔56に嵌合して固定する場合には、この設置領域に溝孔56を形成する。
このようなリブ部材54の設置領域は、フェース・バック方向における各凹部の最大窪み部(例えばフェース・バック方向の中央部)を結ぶ方向、すなわちフェース部12の接線Rに沿う方向に1本だけでもよいが、これに限ることなく、例えばフェース・バック方向に間隔を置いて複数本(例えば2〜4本)を形成することもできる。この場合には、両サイド部20,22間で連続させることに代え、短いリブ部材を組み合わせて形成することも可能であり、また、断面形状の小さいリブ部材を用いることができる。更に、ソール部18からバック部24まで連続させて形成し、あるいは、ソール部18等を前後や左右に区画するように形成する等、リブ機能を必要とする部位のいずれにも設けることができ、その長さ、高さ、断面形状も様々に設定し、直線状又は曲線状に延設することができる。また、リブ設置領域に形成する溝孔56は、全体にわたって連続させる他、断続的に配置した複数の溝孔56であってもよい。
図示の実施形態のように、主としてトウ・ヒール方向の変形を抑制する場合には、リブ部材54の設置領域を、上述の薄肉部とした部位で、フェース・バック方向に沿うソール部18の中央位置Qを中心として、フェース側およびバック側にそれぞれフェース・バック方向長さの25%の範囲で囲まれる領域、すなわちトウ・ヒール方向の距離が長く、フェース部12およびバック部24からも離れ、打球時にトウ・ヒール方向から圧縮するような変形が作用する領域に形成することが好ましい。
リブ部材54の設置領域をこのような位置とすることにより、例えば図6に矢印fで示すように、変形領域Hの延設方向に対して直交する方向の変形を防止し、強度の向上、安定化を図ることができる。これは、ソール部18を究極的に薄肉化すると、打球時に、クラブヘッド10のサイド部20,22が矢印fで示すように、内部空間Nの中心に近づく方向に変形し、クラウン部16にもトウ側およびヒール側から圧縮変形させる力が作用するのに対し、リブ部材54がソール部18およびサイド部20,22の変形を抑制することにより、サイド部20,22を介するクラウン部16の変形も抑制するためである。また、このリブ部材54は、ソール部18の各凹部の変形、及び、振動を効果的に抑制するので、打球音を小さくし、打球感を柔らかくする効果が得られる。
このようなリブ部材54は、幅(厚さ)すなわちフェース・バック方向の寸法は、長さすなわちトウ・ヒール方向の寸法より短くし、これに限るものではないが、例えば0.8〜5.0mmの範囲で、特に1.0〜4.0mmであるのが好ましい。高さすなわちクラウン・ソール方向の寸法は、例えば1.0〜20.0mmで、長さ方向にわたって均一に形成してもよい。又は、その長さ方向にわたって高さを変え、部分的に20.0mmよりも高くしてもよい。この場合には、剛性、強度の他、打球音が調整できる利点がある。又、長さすなわちトウ・ヒール方向の寸法は、リブ効果を得るために15mm〜100mmの範囲に形成することが好ましい。
更に、内縁部54a側すなわち内部空間N内に配置される部位に、適宜の開口を形成し、リブ部材54の軽量化を図ることも可能である。いずれの場合も、高さが、幅(厚さ)よりも大きな寸法を有することが好ましく、効率良く剛性、強度を確保できる。
このリブ部材54は、ヘッド本体10aと同じ材料で形成することも可能であるが、変形領域Hすなわちソール部18とは異なる材料で形成する場合には、リブ部材54の材料の特徴をより効果的に活用することができる。例えば、リブ部材54が、ソール部18等の配置部位の外殻を形成する材料よりも高強度の材料で形成される場合には、この外殻の強度を効率よく向上させることができ、品質、性能の優れたゴルフクラブ8を形成することができる。更に、例えば、ソール部18の薄肉部等、ヘッド本体10aにおけるリブ設置領域の周部の材料に対し、例えば振動伝達性の調整、剛性の調整、振動吸収性の調整等、リブを設置する狙いに応じて、強度、剛性、振動吸収性等の1つ以上の特質を有する材料を用いることで、リブ部材54の材料の特徴をより効果的に活用することができる。例えば剛性を増大する場合には、溶接可能な本体と同種の合金の中でヤング率の高いもので形成し、振動吸収性を高める場合には、溶接可能な本体と同種の金属の中で振動減衰性の高いもの(制振金属)で形成することができる。
このようなリブ部材54の断面形状は、本体と一体成形のリブの場合の様に金型上の制約が無くなり、外縁部54b側が溝孔56から外側に突出するものであれば、均一な厚さの矩形状に限らず、内縁部54a側を外縁部54b側よりも肉厚に形成したテーパ状やT字状、或いは、リブ面に複数の孔を設ける等、効率的に剛性効果を高める(比剛性向上)等種々の形状に形成することもできる。
また、リブ部材54が板状に圧延加工された圧延材で形成され、この圧延方向を外殻の肉厚方向又はリブ部材54の延設方向に指向させる場合には、より効果的に強度の向上や振動伝達性等を調整することができ、品質、性能に優れた金属製クラブヘッド10を備えたゴルフクラブ8とすることができる。また、圧延材であるので、溶接後の熱処理工程を調整することで打球音、打球感、強度等の調整が容易である。
いずれの場合も、リブ部材54は、外縁部54bがソール部18等のヘッド本体10aの外面に露出することにより、溝孔56内に収容された結合部55を含むリブ部材54の全体が、リブとして機能し、クラブヘッドの内側への突出量を大きくすることなくその特性を発揮する。なお、比較対照として、ヘッド本体10aとリブ部材54を鋳造で一体成形した場合、リブの基部にヒケ(凹み)や巣(ボイド)が発生し、その近傍から破損しやすい。また、ヘッド本体10aの内面に直接リブ部材54を溶接した場合、リブの基部が溶接熱で変形(寸法変化)したり、安定した強度を維持しながら溶接するのは困難である。
したがって、このようなリブ部材54により、外殻の一部を外側に膨出又は内側に没入させて延設した変形領域Hが変形し、又は破損するのが防止され、特に、リブ部材54の結合部55が外殻の一部をなすことで、リブ部材54の特質を効率よく発揮できると共に、外殻の形状や構造にの特性を発揮させることにより、リブ部材54と外殻との特徴を生かし、性能、品質に優れたゴルフクラブを提供することができる。
更に、このリブ部材54の材料をヘッド本体10aとは別個に選択可能となることで、所要の物性を備えた材料でリブ部材54を形成することができ、リブを形成する材料、形状、又は、配置位置の選択の自由度を向上し、リブの特性を最大限に利用するクラブヘッド10を製造することができる。
図7から図12は、このようなクラブヘッド10の製造方法を示す。
まず、図7に示すように、例えば鋳造又は鍛造(特に、Ti−6Al−4V合金の鋳造が設計自由度が高く、好ましい)により形成したヘッド本体10aのソール部18にリブ設定領域を定め、このリブ設定領域を例えば機械加工して溝孔56を形成する。予めヘッド本体10aを鋳造する際、溝孔56を設けておいても良いが、その場合、機械加工を併用して精度向上するのが好ましい。この溝孔56はソール部18を貫通し、内部空間をNを外部に連通する。図示の実施形態では、図4から図6に示す溝孔56と同じくトウ・ヒール方向に延びる1本の連続した線状形状で形成してあるが、上述のように、必要な場合には、例えば川の字状に略平行に併設し、又は、X字状に複数本の溝孔56を所要のリブ設定領域に形成することができる。線状形状を形成する溝孔56は、連続した長い溝孔でもよく、短い溝孔を点線状に連続させることもできる。いずれの場合も、ヘッド本体10aに機械加工することで、リブ設定領域に正確に形成することができる。
なお、凹部40,42の延設方向yに直交する方向は、直交する方向を中心として±30°以内で、±15°以内で交差する範囲を含む。また、溝孔56をX字状に形成する場合には、各溝孔56の延びる方向が凹部40,42の延設方向yと直交する方向に対して±45°以内で、好ましくは±30°以内とし、各溝の延びる方向48b,48b間の角度θは60°以内であることが好ましい。
図8に示すように、この溝孔56に挿入するリブ部材54は、ソール部18の内面上で、凹部40,42,46,48および凸部50,52,44に沿って上下に湾曲して波打つ、ほぼ一定の高さの板状形状に形成してある。なお、リブ部材54は、外縁部54b側がリブ設置領域に隣接するヘッド本体10aの外面形状に沿うものであれば、内縁部54a側は、外縁部54bから一定高さに形成しなくともよい。いずれの場合も、図8に符号54cで示す溝孔56の周縁部、すなわち溝孔56内に配置される結合部55に隣接する部位の外面よりも、外縁部54bの全体が外方に突出し、内縁部54aは内部空間N内に突出する状態に形成することが好ましい。
次に、図9に示すように、リブ部材54の結合部55をヘッド本体10aの溝孔56内に挿入し、外縁部54bを溝孔56から外方に僅かに突出した状態に配置する。このとき、溝孔56の周壁が溝孔56の延設方向に沿って離隔した少なくとも3つである多数の支持点58でリブ部材54を支えるように、溝孔56とリブ部材54とを形成しておくことにより、リブ部材54がソール部18の内面から、好ましくは垂直状態に立上がった状態に保持する。特に、溝孔56が、凹部40,42,46,48および凸部50,52,44を形成した湾曲部に添って形成されることにより、リブ部材54は、ソール部18の肉厚方向で最も外側の支持点58(例えば凸部50,52,44に形成される支持点58)と最も内側の支持点58(例えば凹部40,42,46,48の深部に形成される支持点58)とが、ソール部18の肉厚よりも大きな距離に離隔して位置する。
このように、リブ部材54が溝孔56内で保持されることにより、特別の治具を用いることなく、リブ部材54を所要に姿勢に正確に保持することができ、製造工程を簡略化し、しかも、精度の優れたクラブヘッドを製造することができる。
なお、このような凹部と凸部とを交互に配置してない部位(上述のクラウン部16)のようにであっても、全体として湾曲した部位に沿って溝孔56が形成されることにより、この湾曲形状の最も突出した部位と最も窪んだ部位とを、肉厚よりも大きく離隔させて配置させ、ほぼ直立した状態にリブ部材54を保持させてもよい。また、このような湾曲形状が利用できない場合には、適宜の冶具を用いてリブ部材54を直立状態に保持することが好ましい。
この後、図10に示すように、ヘッド本体10aの外側からリブ部材54をソール部18に溶接する。溶接は、適宜の方法を用いることが可能であるが、例えばTIG溶接、プラズマ溶接、レーザー溶接により、リブ部材54の外縁部54bに沿って肉盛Wを形成し、溶融金属がリブ部材54の外縁部54bから溝孔56を介してソール部18の内面側に流れ、肉盛Wを形成する状態に溶接することが好ましい。これにより、リブ部材54とソール部18との一体化が確保される。また、上記溶接方法以外に、ろう付け法で接合しても良く、その場合は、熱による変形を抑えることができる。
溶接が完了した後、図11および図12に示すように、リブ部材54の外縁部54bおよび肉盛Wを研磨加工し、ソール部18の外面と略面一状に連続させ、リブ部材54の端面を溝孔56から露出させる。溝孔56がリブ部材54の結合部55および溶融金属で完全に充填され、リブ設置領域すなわち溝孔56を形成した部位の強度が向上する。
したがって、上述のクラブヘッドの製造方法によれば、クラブヘッド10のソール部18に貫通形成した溝孔56に、ソール部18とは別体のリブ部材54を配置し、このリブ部材54をソール部18に外側から溶接することで、リブ部材54は溝孔56内においても、リブとして機能し、ソール部18の内側への突出量を大きくすることなくその特性を発揮することができ、更に、このリブ部材54の材料をソール部18とは別個に選択可能となることで、所要の物性を備えた材料でリブ部材54を形成することができ、リブを形成する材料、形状、又は、配置位置の選択の自由度を向上し、リブの特性を最大限に利用するクラブヘッド10を製造することができる。
なお、上述の実施形態では、リブ部材54をソール部18およびサイド部20,22の内面に沿って製造する方法について説明したが、図2から図4に示すクラウン部16にリブ部材34を固定する場合にも採用することができ、更に、このような部位に限らず、必要な場合には、どのような部位にも設けることができる。例えば、フェース部12、フェース部12からクラウン部16、ソール部18又はサイド部20,22に連続的に設けることもでき、バック部24にも設けることができる。
いずれの場合も、外殻のリブ部材34,54を配置した部分の強度が向上し、破損が防止されるため、総合的に外殻の肉厚を薄くして、軽量化を図ることができ、性能、品質に優れたゴルフクラブを形成することができる。
本発明の好ましい実施形態によるゴルフクラブヘッドを設けたゴルフクラブの全体図。 図1のクラブヘッドの平面図。 図2のIII−III線に沿う断面図。 図4のIV−IV線に沿う種々の実施形態のクラウン部の断面図。 図1のクラブヘッドの一部を断面とした平面図。 図5のVI−VI線に沿う断面図。 図1のクラブヘッドの底面図。 図1のクラブヘッドに固定するリブ部材の説明図。 図7のIX−IX線に沿う断面図。 図9のX−X線に沿う断面図。 図9のクラブヘッドの外面を研磨した状態の断面図。 図11のXII−XII線に沿う断面図。
符号の説明
10…クラブヘッド、16…クラウン部(外殻)、17a…内面、17b…外面、32…リブ、36…外膨出部、N…内部空間。

Claims (5)

  1. フェース部と、クラウン部と、ソール部と、トウ側及びヒール側のサイド部と、後側のバック部とで外殻を形成し、この外殻内に内部空間を形成した中空構造の金属製クラブヘッドを備えるゴルフクラブであって、
    前記外殻の内面から内部空間側にリブを突出させると共に、この外殻の外面に、前記リブに沿って外方に膨出する外膨出部を形成したことを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 前記リブは、外殻と異なる材料からなり、外殻の内面から外膨出部に達するリブ部材で形成されることを特徴とする請求項1に記載のクラブヘッド。
  3. 前記外殻の内面に、前記リブに沿って内部空間内に膨出する内膨出部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブ。
  4. 前記リブの少なくとも一方の端部は、延設方向の中間部が配置される部位の平均肉厚よりも、厚く形成された部位に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のゴルフクラブ。
  5. 前記リブは、クラウン部とソール部とトウ側サイド部とヒール側サイド部とバック部との少なくとも1つの部位に、リブの延設方向に沿う寸法の50%以上の長さにわたって延設されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のゴルフクラブ。
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