JP5255373B2 - 皮革様シートへの型押し加工方法 - Google Patents

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この発明は合成皮革や人工皮革、PVC(Polyvinyl Chloride)レザーといった皮革様シート上へ、凹凸模様、特に微細な凹凸模様を付する皮革様シートへの型押し加工方法及びこれによって得られる皮革様シートに関する。
従来、合成樹脂地など皮革様シートの表面上へ凹凸加工を施す技術としては、例えば、合成樹脂地の製造工程において同時に模様を付与するキャスティング法のほか、本発明の直接的な背景技術となる、一旦、合成樹脂地を製造した後、彫刻ロール(ロールエンボス法)や、彫刻板(平板エンボス法)を使用した後エンボス法が知られている。
前記従来の平板エンボス法によれば、所望の模様を刻設した金型が必要となるが、該金型を製造するには高額な金型製造費用を要し、そのために、サンプル製造その他小ロットの受注には向かないという問題が指摘されていた。更に、金型という性格上、微細な模様を刻設するには限界があり、該皮革様シートを用いた製品のデザイン展開が止むなく制限を受けていた。
また、図10に例示する従来法においては、予め凹凸模様を刻設した金型20自身を加熱しながらプレスするため、特に、耐熱性の低い合成樹脂地等への加工に際しては、被転写シート1の被転写面αの表面樹脂が融けて金型20へ付着したり、被転写面αの模様表面の仕上がりや風合いを損ねてしまったりするという問題があった。
そこでこれらを避けるべく被転写シートを構成する樹脂の融点若しくは該シート表面を構成する樹脂の融点を考慮し、金型の加熱温度や加圧時間に留意する必要があり、作業効率の点においても改良の余地があった。
更に、通常、平板エンボス法で用いられる金型の生地接触面の面積は最大でも1000mm×700mm程度であり、これ以上の大きさの合成樹脂地への表面加工には向かず、また、プレス板の歪みという問題からこれ以上の面積の金型は使用されてこなかった。
そして、鞄や靴など流行に左右されやすい商品の用に供される合成樹脂地への模様付加工となれば、該模様の変更に当たっては迅速な対応が求められるところ、従来の平板エンボス法によれば、金型製造に時間を要するため迅速な対応には限界がある。
一方、エンボス加工を施さずにポリウレタン合成皮革の表面に凹凸模様を形成する方法が開示されている(特許文献1参照)。該文献に記載の技術は基材上にポリウレタン溶液を塗布し、この塗布面に柄編レースを上面部を外部に残した状態に下面部を沈めて接面させてから湿式ゲル化させた後、該柄編レースを剥離する、というものである。これにより、該柄編レースの孔目のあった位置に凸部が形成され、該柄編レース糸が載っていた部分には凹部が形成されることにより、ポリウレタン合成皮革の表面に凹凸模様を付するというものである。
特開平5−71078号公報
上記先行技術文献に係る技術によれば、金型を用いることなく合成皮革上に柄編レースの凹凸模様を付することは可能である。しかし、段落「0007」の「柄編レース(4)の上面部まで沈めてしまうと湿式ゲル化後の剥離ができないし、一方、沈め方が浅すぎると剥離後の表面凹凸が小さいものとなるのである」との記載、そして段落「0015」のこの…柄編レースを前記ポリウレタン溶液の塗布面に…軽く押さえて…」との記載からわかるように、所望の凹凸を得るには、柄編レースの微妙な深浅調整を要する。また、該柄編レースの面積が広くなればなるほど、均一に柄編レースを所定の深さまで沈めるのは容易ではない。
更に、金型の代わりに用いることができるのは、以下に掲げるように一定の柄編レースに限られる。
段落「0010」に開示されているように、柄編レースの柄状はチュール、メッシュ等複数種類の選択の余地があるものの、使用する柄網レース地のサイズの好適な例として、孔径は約1〜3mm、地組織を構成するレース糸の太さは100〜50デニール、柄編レースの厚みは0.2〜0.8mmと開示していることから明らかなように、所望の効果を発現させるには使用可能な柄編レースはある程度限られている。上記範囲外のサイズ、特に微細な模様となる孔径1mm以下、50デニール以下のレース糸、厚み0.2mm以下の柄編レース地には不向きである。
更に、前記ポリウレタン溶液の湿式ゲル化後に剥離を良くするために、金型の代わりとなる柄編レースを事前にフッ素系撥水剤、シリコーン系撥水剤等で離型処理しておく必要があり(段落「0010」)、作業効率上の問題点のほか、一度の離型処理で何度でも繰り返し利用することが可能か否かは、開示範囲からは定かでない。
そして、何よりも柄編レース以外の生地を金型の代わりとして利用することができないため、合成皮革上へ付する模様のバリエーションが極めて限られることとなる。
以上の点に鑑みて、本発明は金型を用いることなく、縦横斜糸等による生地自体の織模様や編模様、その他事後的に生地へ施された刺繍模様などを有する生地を型生地とし、生地の種類その他糸の太さや孔径等のサイズを問わず、微細な凹凸デザインを合成皮革地等の皮革様シート表面へ容易に、且つ、忠実に転写可能とし、更には該被転写生地への離型処理をも不要とした型押し加工方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は次のように構成した。即ち、請求項1に記載の皮革様シートへの型押し加工方法は、上下板プレスによる圧縮により、型生地の模様を皮革様シートへ転写する型押し加工方法であって、該方法は、プレス下板上に型生地の転写模様面γを上向きに載置し、該模様面γ上に離型処理を伴わない皮革様シートの被転写面αを重ね合わせ、これを加熱したプレス上板と、直接加熱しないプレス下板との間で加圧して前記皮革様シートの裏面βのみから加熱することを特徴とし、さらに、前記プレス上板の下向き面及び前記プレス下板の上向き面に夫々金属板を設けて、該プレス上板に設けた金属板の面積が、該プレス下板に設けた金属板の面積より小さいことを特徴とする。
請求項1に記載の皮革様シートへの型押し加工方法によれば、皮革様シート裏面βから加熱するため皮革様シートの被転写面αへの加熱が間接的となる。このため、被転写面αを熱溶融させることなく、従来法による圧縮時間より長い時間、型押し加工することができる結果、微細な模様を忠実に再現することが可能となる。そして、プレス上下板の表面に多少の凹凸があった場合でも、均一にプレスすることが可能となり、さらに、型生地や皮革様シート、選択的に使用する圧縮補助シート、付設シート、剥離シートの入れ替え作業を容易に行うことが可能となる。
前記型生地を天然繊維、化学繊維からなる布地、織地、編地とし、該型生地の転写模様には織目や編目という該型生地自体の織編模様のほか、該型生地へ事後的に装飾された刺繍による縫い目模様を含むこととすれば、更にバリエーションに富んだ皮革様シートを得ることが可能となる。
前記プレス下板又は前記プレス下板の上向き面に設けた金属板の上に圧縮補助シートを敷き、該圧縮補助シート上に、型生地を転写模様面γを上向きに載せ、該模様面γ上に皮革様シートの被転写面αを重ね合わせれば、更に圧縮補助シートの弾力性によりプレス圧を均一に伝えることに資することから、型生地の微細な模様を皮革様シート表面上に忠実に再現するのに効果的である。
前記型生地と前記皮革様シートとの間に敷いて用いられる、紙、合成樹脂、金属、木材から選択される一若しくは二以上の素材からなる型補助板の前記皮革様シートに接する側の面には所望の模様が設けられたり、該型補助板に所望の模様が穿設されたりしていれば、更に型生地単体の場合と比べてバリエーションに富んだ模様を皮革様シートへ付することが可能となる。
前記型生地の下に剥離シートや付設シートを敷き、該付設シートと該剥離シートの両方を敷く場合には該型生地の下に該剥離シートを敷き、該剥離シートの下に該付設シートを敷くこととすれば、剥離シートを使用した場合には、更に型生地を金属板若しくは付設シート又は圧縮補助シートから容易に剥離することが可能となるため作業効率が向上する。また、付設シートを使用した場合であって、その下に圧縮補助シートを使用している場合には、該シートの弾力性をある程度吸収するため、プレス圧を適度に皮革様シート及び型生地へ伝えることが可能となる。
前記プレス上板の加熱温度を70℃〜180℃、加圧時間は10秒〜40秒、加圧圧力を140kPa〜460kPaの各範囲内とすれば、更に型生地及び皮革様シートの種類に応じて、最適な状態で型押し加工することが可能となる。
前記金属板の素材を、プレス上下板より熱伝導率の高い単一金属若しくは合金、例えば、アルミニウム若しくはアルミニウム合金とすれば、更にプレス上板から伝達する熱を効率的に型押し加工に利用することが可能となる。
本発明の皮革様シートによれば、所望の模様を再現した合成皮革を靴、鞄、衣料品、雑貨のほか、家具表面張りや車両の座席シート等に用いる商品価値の高い素材として様々な製品に使用することができ、該シートを利用した製品デザインの幅も大きく広がることとなる。
以下、本発明の最良の実施形態を、以下の実施例において説明する。
本発明の第一の実施例について図1乃至図6に基づき説明する。図1は第一の実施例に係る加工方法の正面視概念図、図2は第一の実施例に係る加工方法の側面視概略図、図3は第一の実施例に係るフロー図、図4はステップ5における固定状態を示す図、図5はステップ6における状態を示す図、図6は加工後の皮革様シートの被転写面α1の一部を示す図である。
本実施例は、型生地自身を構成する縦横斜糸の織目による微細な柄模様を、皮革様シートとしてポリエステル不織布を基材としたマイラー仕上げの湿式合成皮革の表面に再現する本発明に係る加熱型押し加工方法に関するものである。
図中において、1は皮革様シート、2は型生地、3は剥離シート、4は付設シート、5は圧縮補助シート、6は金具、10はプレス上板、11はプレス下板、12はシリンダ、13は金属板、40は固定板、41はプレス板と金属板を固定するためのボルト、αは皮革様シート被転写面、βは皮革様シート裏面、γは型生地転写模様面、Pは加圧の向き、α1は本実施例による加圧圧縮加工後の皮革様シート被転写面である。
プレス上板10は、蒸気若しくは伝熱加熱により加熱可能な加熱装置を内蔵し、摂氏70℃〜180℃の範囲内で加熱する。但し、加熱方法及び加熱温度はこれらに限られず、型生地や皮革様シートの種類に応じて加熱方法や設定温度を決定してよい。
プレス下板11は、常温(通常、摂氏約15℃)若しくはそれ以下の温度が好ましい。しかしながら、連続加工による伝達熱により該プレス下板11が加熱されることは妨げない。
また、上下プレス板は鋼製であり、大きさは幅1300mm、奥行き1500mmとする。
シリンダ12は加圧手段であり、約137kPa乃至約460kPa(1.4kg重/平方センチメートル乃至4.7kg重/平方センチメートル)の範囲で調節可能とするが、該範囲の前後を除外するものではない。本実施例においては約245kPa(2.5kg重/平方センチメートル)とする。
金属板13a、13bは、アルミニウム製で、プレス上板10、プレス下板11に夫々固定されている(図1、図2)。表面を平滑に仕上げた該金属板13によりプレス板の歪みの影響を受けることなく、均一に圧力をかけることが可能となる。
大きさは金属板13aが幅1400mm、奥行き1500mm、金属板13bが幅1400mm、奥行き1700mmとする。
本実施例における上下金属板13の厚みはいずれも20mmとするが、5mm〜30mmの範囲で変更してよい。当該数値範囲以外の数値を排除するものではないが、該厚みを5mmより薄くすると該金属板13自体が撓む結果、加圧むらが生じ、仕上がりや風合いを損ねるおそれがあるため好ましくない。もっとも、アルミニウムと他の金属との合金とした場合であって、このような虞のない素材を5mm以下で使用することは妨げない。
また、金属板13の素材としてアルミニウムを選択したのは、1)材料調達に際し比較的安価に入手できる点、2)所定の寸法に切り出したり、表面を平滑に処理したりする際の加工が容易である点、3)鋼製のプレス上板10より高い熱伝導率を有する点を考慮したものである。尚、同目的を達せられる素材であれば、他の単体若しくは合金を使用するすることは妨げない。
ここで上下プレス板への金属板13a、13bの固定の要領について説明する。
金属板13aは、正面視(図1)においてプレス上板10より左右に50mmずつ突出するように固定し、側面視(図2)において前面、後面(図2中、左右両端)ともプレス上板10と段差のない面一に固定する。
一方、金属板13bは、正面視(図1)において左右に50mmずつ突出するように固定し、側面視(図2)において金属板13bを金属板13aやプレス下板11より左側(正面視、手前側)に約100mm出して金具6の固定しろ(イ)を確保する。同様に、右側(正面視、奥行き側)にも約100mm出し、必要に応じて金具6の固定しろとするほか、皮革様シートをロール体で供給する場合の該シートの送りしろとして利用する。
尚、前記プレス板と前記金属板との固定方法は、例えば、図1中の破線円内に一部図示するように、面一となる該プレス上板10と該金属板13aとの端面を利用して、両板の略合計厚み長を有する固定板40をボルト41等により固定する方法が考えられる。また、プレス下板11と金属板13bとは、L型ステー(図示せず。)等を利用してボルト等により固定すればよい。
圧縮補助シート5は、シリンダ12によるプレス圧を均一に伝えるためのものであり、本実施例においては不織布を使用する。尚、該目的を達する素材であれば、ポリウレタンフォームやシリコン樹脂などの弾性体を用いることとしてもよい。
付設シート4は、主に前記圧縮補助シート5を使用する場合に用いられ、型生地2に対して均一に加圧するためにより資するものである。本実施例においては厚み1.5〜2.0cmの厚紙を使用する。尚、厚紙に限らず、該目的を達する素材であれば、ポリウレタンフォームやシリコン樹脂などの弾性体を用いることとしてもよい。
剥離シート3は、表面に「テフロン(登録商標)」加工を施したケブラー若しくはガラス繊維を芯体としたシートである。本実施例においては、三ツ星ベルト株式会社の「NEOFLEXSTART(登録商標)」を使用する。該剥離シート3を使用することで、型押し加工後、皮革様シート1を型生地2から剥離することが容易となる。尚、該目的を達するものであれば、これに限られない。
型生地2は、所望の模様を有する生地であり、従来のプレス加工において利用されていた金型に相当するものである。該型生地には、布地、織地、編地及びこれに準ずるものが含まれ、また、該型生地の模様には、織目や編目という地目模様のほか、該型生地へ事後的に装飾された刺繍等による縫い目模様も含まれる。
尚、本発明によれば該型生地2は連続して繰り返し使用することが可能である。
皮革様シート1は、本革のほか、湿式タイプ、乾式タイプの合成皮革、銀付きタイプ、スエードタイプの合成皮革、又は人工皮革、PVCレザーなどこれらに準ずるものが含まれる。本実施例においては、ポリエステル不織布を基材としたマイラー仕上げの湿式合成皮革を使用する。
本実施例における型押し加工方法について具体的手順について図2のフロー図に基づき詳述する。
まず、プレス下板11に固定した金属板13bの上に圧縮補助シート5として該金属板13bと略同一若しくはそれ以上の面積の不織布を広げて敷く(ステップ1)。
次に、該圧縮補助シート5上に付設シート4として厚紙を(ステップ2)、更にその上に剥離シート3を広げて敷く(ステップ3)。
そして、該剥離シート3の上に、型生地2の転写模様面γを上向きに広げて敷き(ステップ4)、以上金属板13b、圧縮補助シート5、付設シート4、剥離シート3、そして型生地2が相互にズレることのないように、これらを金具6aで押さえ、金属板13bの固定しろ(イ)(図2)を利用して、金具6bで金属板13bに一体的に固定する(ステップ5)(図4)。尚、金具6bは左右一対であり、同図においては片方を省略している。
固定後、図5に示すように、該型生地2の転写模様面γ上へ、皮革様シート1の被転写面αを重ね合わせて敷いた(ステップ6)後、皮革様シート1の裏面βを金属板13aを介してプレス上板10から加熱し、プレス上下板により圧縮加工を行う(ステップ7)。
プレス上板10へ加熱方法は、該プレス上板10内に埋設したパイプに蒸気を送り込むことによるが、その他の公知の方法により加熱することとしてもよい。本実施例においては、プレス上板10を120℃に蒸気加熱し、プレス下板は常温のままとする一方、プレス機に配備されている圧力調整装置(図示せず。)により、所定の圧力、本実施例においては、約245kPa(2.5kg重/平方センチメートル)に設定するとともに、設定した圧力に到達するまでの時間並びに加圧継続時間の設定を行う。
プレス上板が所定の温度に達した時点で加圧を開始するが、本実施例においては5秒かけて設定圧力に達するように徐々に加圧し、その後、約25秒間は加熱加圧を継続する。尚、皮革様シート1や型生地2の種類に応じて設定圧力までに要する時間やその要否、若しくは加圧継続時間を調整することとしてよい。
所定の時間経過後、固定金具を外し、該加工により圧着している型生地2及び皮革様シート1をプレス機から取り出す(ステップ8)。この場合において、剥離シート3を敷いていることにより該作業は容易である。そして、皮革様シート1を型生地2から剥がして一連の作業を終了する(ステップ9)。
尚、このように所定の大きさとした一葉の皮革様シート毎に前記一連の作業を繰り返すこととしてもよいが、ロール状にした皮革様シートを準備し、プレス機に併設した支持体(図示せず)に巻き付け、前記一連の作業を繰り返し行うこととしてもよい。
以上、本実施例によれば、図6に示すように、型生地2自身を構成する縦横斜糸の織目による微細な柄模様を、ポリエステル不織布を基材としたマイラー仕上げの湿式合成皮革1の表面に転写し、忠実に再現(図6中、α1)することが可能となる。
そして、金型を使用しないため、極めて安価に所望の模様を転写した皮革様シートを提供することができる。更に、金型への微細な刻設加工には限界があるが、本発明によれば、生地自体を型として利用することから、柄模様の刻設は不要である。また、金型を使用した従来法によれば、流行の変化が激しいデザイン変更への迅速な対応は困難であるが、
本発明によれば、所望の型生地を予め用意するだけでよく、迅速、且つ、安価に、希望する合成皮革等への型押し加工が可能となる。
本発明の第二の実施例について図7乃至図9に基づき説明する。図7は第二の実施例に係る加工方法の一部概念図、図8は第二の実施例に係る加工方法の一部概念図、図9は加工後の皮革様シートの被転写面α2の一部を示す図である。
本実施例は、型生地と型補助板とを組み合わせた本発明の異なる実施例であり、型生地自身を構成する縦横斜糸の織目による微細な柄模様と、型補助板に予め設けた所望の模様とを組み合わせた模様とを、ポリエステル不織布を基材としたマイラー仕上げの湿式合成皮革表面に再現する本発明に係る加熱型押し加工方法に関するものである。
図中において、1は皮革様シート、2は型生地、7は型補助板、30は模様孔、αは皮革様シート被転写面、θは型補助板表面、γは型生地模様面、α2は本実施例による加圧圧縮加工後の皮革様シート被転写面である。
尚、型補助板7を用いた以外は、前記実施例1と同様の方法及び手段により加熱圧縮加工を行う。尚、型補助板7を追加的に使用することを考慮して、加熱温度を高めに、或いは圧縮圧力を強く、また加圧時間を長く設定するなど、或いはこれらを組み合わせて各設定を微調整することとしてもよい。
本実施例において使用する型補助板7の表面θ、即ち、皮革様シートの被転写面αに接する面には合板素材自身の木目調の凹凸模様が表されている。更に、予めレーザーカッターその他公知の加工手段により、楕円形状に打ち抜いた模様孔(30)を一定の配列に複数個穿設してなる。本実施例において該合板の厚みは2mmである。合板の厚みは2mm以下若しくはこれ以上であってもよいが、繰り返し使用することを考慮すれば、ある程度の耐久性を要するため極端に薄いもの好ましくない。また、2mmを大きく越えると加工効率の点から好ましくない。したがって、該型補助板7の厚みは2mm乃至4mmが好ましい。
本実施例による型押し加工方法は、プレス下板に設けた金属板13bに圧縮補助シート5、付設シート4、剥離シート3、型生地2を、実施例1と同様に下から上へ順に敷き重ねた後、型補助板7を敷き、これらを金具6で固定する。その後、型補助板7の上に皮革様シート1を被転写面αを下向きに敷く(図7)。
本実施例によれば、図8に示すように、型補助板7の模様孔(30)の内側から型生地2の縦横斜糸の織目による微細な柄模様γが皮革様シート1の被転写面αに直に接することとなる。結果、皮革様シート1の被転写面α2に転写された模様孔(30´)の内側のみに前記型生地2の縦横斜糸の織目による微細な柄模様γがγ´として転写される。その余の領域には該型補助板7の表面θ上の木目調の凹凸模様が、θ´として転写される。
以上のように異なる模様を自由に組み合わせて皮革様シート上へ容易に転写することが可能となる。
本実施例においては、型補助板7として合板を用いたが、これに限られず金属、合成樹脂、紙など様々な素材による板状体を用いることが可能である。
例えば、型補助板7を金属板とした場合であって、該金属板の表面θにエッチング等の加工方法により所望の模様(図示せず。)を付しておいた場合には、転写された模様孔(30´)の内側のみに型生地2の縦横斜糸の織目による微細な柄模様γがγ´として転写され、その余の領域には、該金属板表面θ上に予め該エッチングにより付された模様が皮革様シートの被転写面α上へ転写されることとなる(図示せず。)。
このように、本実施例によれば、転写を所望する型生地の縦横斜糸の織目による微細な柄模様γを、型補助板7を使用することで所定の領域のみに転写することが可能となる。当該領域を本実施例のように所定の模様としてデザインすることのほか、所望の文字に穿設した場合には、該文字領域内のみに柄模様γを転写加工することができることとなる。このように、本実施例によれば、皮革様シートの製品価値を一層高めることができ、更なるデザインニーズに容易に応えることが可能となる。
本発明の如く優れた皮革様シートへの型押し加工方法によれば、これまで表現できなかった微細な凹凸模様を皮革様シートに再現可能となるため、該皮革様シートを用いた製品バリエーションがこれまで以上に広がることとなり、合成皮革等の皮革様シートを利用する製品産業上、大いに利用可能な発明として広く採用され、普及していくものである。
第一の実施例に係る加工方法の正面視概念図 第一の実施例に係る加工方法の側面視概略図 第一の実施例に係るフロー図 ステップ5における固定状態を示す図 ステップ6における状態を示す図 加工後の皮革様シートの被転写面α1の一部を示す図 第二の実施例に係る加工方法の一部概念図 第二の実施例に係る加工方法の一部概念図 加工後の皮革様シートの被転写面α2の一部を示す図 従来の型押し加工方法の概念図
1 合成皮革
2 型生地
3 剥離シート
4 厚紙
5 圧縮補助シート
6 金具
7 型補助板
10 プレス上板
11 プレス下板
12 シリンダ
13 金属板
20 金型
30 模様孔
40 固定板
41 ボルト
イ 固定しろ
α 皮革様シート被転写面
β 皮革様シート表面
γ 型生地転写模様面
θ 型補助板表面
P 加圧の向き

Claims (1)

  1. 上下板プレスによる圧縮により、型生地の模様を皮革様シートへ転写する型押し加工方法であって、
    該方法は、
    プレス下板上に型生地の転写模様面γを上向きに載置し、
    該模様面γ上に離型処理を伴わない皮革様シートの被転写面αを重ね合わせ、
    これを加熱したプレス上板と、直接加熱しないプレス下板との間で加圧して
    前記皮革様シートの裏面βのみから加熱することを特徴とし、さらに、
    前記プレス上板の下向き面及び前記プレス下板の上向き面に夫々金属板を設けて、
    該プレス上板に設けた金属板の面積が、該プレス下板に設けた金属板の面積より小さいことを特徴とする皮革様シ ートへの型押し加工方法。
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