JP5255357B2 - フリーストッパ解除機構を備えた引戸装置 - Google Patents
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Description
ところで、この引戸装置D’は、フリーストッパ解除機構50を構成するキッカー10が、付勢手段15と連結部材14によって連結され、ストッパ用レール11に案内されて引戸4の閉じ方向に移動するように設けられるとともに、キッカー10を、常時は、引戸4を全開状態にしたときにフリーストッパ機構20の弾性係止部材21が位置する近傍位置に配設した係止手段12によって係止するようにしている。
そして、災害時などの緊急時に煙検知機や非常事態警報装置(図示省略)からの解除信号の印加によって係止手段12によるキッカー10の係止を解除し、キッカー10を付勢手段15によって引戸4の閉じ方向に移動させ、これにより、キッカー10が弾性係止部材21に当接し、弾性係止部材21を揺動させて弾性係止部材21とストッパ用レール11との間に隙間を生じさせ、フリーストッパ機構20による引戸4の停止状態を解除するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
このとき、キッカー10は、係止手段12がある引戸4の戸尻側から弾性係止部材21がある戸先側までの略引戸4の幅寸法に相当する長い距離を移動することとなり、弾性係止部材21の下部に高速で突き当たり、弾性係止部材21を損傷させることがあるという問題があった。
ところで、従来のフリーストッパ解除機構50を備えた引戸装置D’は、係止手段12が解除され、キッカー10が付勢手段15によって引戸4の閉じ方向に移動した場合、フリーストッパ解除機構50を元の状態に復帰させるには、キッカー10を係止手段12によって係止した状態に復帰させる必要がある。
このため、上記従来のフリーストッパ解除機構50を備えた引戸装置D’においては、引戸4を手動で全開状態に移動させることによって、引戸4の移動と共に引戸4に支持された弾性係止部材21でキッカー10を係止手段12により係止される位置まで押し戻して、キッカー10を係止手段12によって係止するようにしている。
このとき、図6に示すように、キッカー10を押し戻す押圧力を引戸4から伝達させる部材は弾性係止部材21となるが、弾性係止部材21がキッカー10が衝突した衝撃によって回転し、キッカー10に乗り上げた状態(図6(a)参照)になることがあり、キッカー10を係止手段12によって係止した状態に復帰させる際に、この状態で引戸4を全開状態に移動させたとしても、弾性係止部材21がキッカー10に乗り上げていない通常の状態(図6(b)参照)と比べて、キッカー10が押し戻される移動距離が距離L3だけ短くなるため、キッカー10を係止手段12によって係止する位置まで移動させることができず、フリーストッパ解除機構50を復帰状態に戻すことができなくなるという問題があった。
さらに、図6に示すように、キッカー10が弾性係止部材21の下側に入り込み過ぎてしまうと、キッカー10の先端に形成された弾性係止部材21との当接端10aがストッパ用レール11から外れ、引戸4を開き方向に移動しようとしても、キッカー10の先端側がストッパ用レール11に嵌合できず、引戸4が動かなくなる場合があるという問題もあった。
また、弾性係止部材の下側にキッカーが食い込み、キッカーが楔となって引戸が動かなくなるという問題があった。
また、弾性係止部材がキッカーに乗り上げたとしても、キッカーが係止手段によって係止される状態に復帰させるために、キッカーを押し戻す押圧力を引戸から伝達させる部材が停止部材となり、キッカーと停止部材との位置関係は変わることがないから、確実に解除装置の復帰を行うことができる。
また、キッカーに形成した係止端が当接する停止部材の当接面から弾性係止部材までの距離を、キッカーに形成した弾性係止部材に当接する当接端から前記係止端までの距離よりも短く設定することにより、キッカーの当接端が弾性係止部材に当接し、弾性係止部材を揺動させた後、キッカーの係止端が停止部材の当接面に当たって、キッカーが弾性係止部材に対して相対的にそれ以上移動しないようにすることができる。
さらに、この場合、停止部材の当接面から弾性係止部材までの距離を、弾性係止部材がキッカーの当接端に傾斜した状態で当接し、停止した状態となる距離とすることによって、弾性係止部材が回転し、キッカーの上に乗り上げることを有効に防止することができる。
また、図示は省略するが、このフリーストッパ解除機構1を備えた引戸装置Dの構成は、先端に錘を取り付けたり、巻取機構を設けたワイヤで閉鎖方向に引戸4を付勢するようにすることによって、走行用レール6を傾斜させずに水平に配設したり、引戸4の下面に配設した戸車を床面に敷設したレール上を走行させるように構成した引戸装置にも適用することができる。
ストッパ用レール11は、本実施例においては、走行用レール6と一体に形成された2重レールを用いた例を示すが、走行用レール6とは別に配設しても構わない。
解除部材12cは、例えば、ソレノイドS等が用いられ、図に示すように、L字状の移動体を揺動させることによって係止部12aを上側に持ち上げるよう構成するほか、直接ソレノイドSの移動端を係止部12aに直接当接させて係止部12aを上側に持ち上げるように構成しても構わない。
また、付勢手段15の位置に固定滑車を配備し、連結部材14の先端に一定重量の錘を吊り下げるように構成してもよく、キッカー10が係止手段12による係止を解除されたときに、引戸4を停止させている弾性係止部材21の摩擦力を上回る程度の力を持つ付勢方法であればよい。
より具体的には、本実施例においては、図4に示すように、弾性係止部材21を引戸4に配設するためのフランジ22に停止部材13を取り付けるようにしているが、これにより、弾性係止部材21との位置調整が容易にできる利点がある。
なお、停止部材13は、走行車輪3aを配設するブラケット5aや引戸4の上面に配設するようにしても構わない。
そして、キッカー10に形成した係止端10cが当接する停止部材13の当接面13aから弾性係止部材21までの距離L1(図4(a)参照)を、キッカー10に形成した弾性係止部材21に当接する当接端10aからキッカー10に形成した係止端10cまでの距離L2(図3(b)、図4(b)参照)よりも短く設定し、図4(b)に示すように、キッカー10の引戸4の閉じ方向への移動によって、キッカー10の当接端10aが弾性係止部材21に当接し、弾性係止部材21を揺動させた後は、キッカー10の係止端10cが停止部材13の当接面13aに当たることにより、それ以上の移動を防止するようにしている。
なお、L1の距離は、図4(b)に二点鎖線で示すように、キッカー10の係止端10cが停止部材13の当接面13aに当接したときに、弾性係止部材21がキッカー10の当接端10aに傾斜した状態で当接し、停止した状態となる距離となるように設定することが好ましく、それよりも短い距離にすると、弾性係止部材21が回転してキッカー10の上に乗り上げたり、後述する規制部材23とキッカー10の当接端10aとの間に挟み込まれ、破損等の原因となり好ましくない。
これによって、弾性係止部材21が勢いよく揺動してもキッカー10に乗り上げることがない。
また、適用対象も、新規のフリーストッパ解除機構付きの引戸装置のほか、既設のフリーストッパ解除機構付きの引戸装置に対しても、弾性係止部材の近傍に停止部材を付設することによって適用を可能にすることができる。
4 引戸
10 キッカー
10a 当接端
10c 係止端
11 ストッパ用レール
13 停止部材
13a 当接面
20 フリーストッパ機構
21 弾性係止部材
D フリーストッパ解除機構を備えた引戸装置
Claims (2)
- 引戸の開閉方向に配設したストッパ用レールに、引戸に揺動自在に配設した弾性係止部材を傾斜した状態で当接させることによって引戸を任意の位置で停止させるようにするとともに、ストッパ用レールに案内されて移動するキッカーの移動によって弾性係止部材を揺動させて弾性係止部材とストッパ用レールとの間に隙間を生じさせ、引戸の停止状態を解除するようにしたフリーストッパ解除機構を備えた引戸装置において、弾性係止部材をキッカーの移動により揺動させた後にキッカーが移動することを防止する停止部材を配設し、キッカーに形成した係止端が当接する停止部材の当接面から弾性係止部材までの距離を、キッカーに形成した弾性係止部材に当接する当接端から前記係止端までの距離よりも短く設定したことを特徴とするフリーストッパ解除機構を備えた引戸装置。
- 停止部材を、弾性係止部材を引戸に配設するためのフランジに取り付けたことを特徴とする請求項1記載のフリーストッパ解除機構を備えた引戸装置。
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