JP5253136B2 - 床材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、天然木質材の木目の風合いを活かすとともに、その表面に形成した凹凸模様
を介し、より一層深みを有する床材およびその製造方法に関する。
従来、床材の製造方法としては、例えば、「所要の靱性を有するシート生地に、このシ
ート生地とは色調を異にする合成樹脂系塗料を少なくとも一層以上塗布硬化させて塗膜層
部を形成し、こうして塗膜層部が形成されたシート生地を基材表面に拡布状に貼着し、つ
いで、この基材表面に貼着されたシート生地の塗膜層部にエンボス加工を施して当該エン
ボス型の彫厚に応じた凹凸の輪郭模様を型付けし、然る後、凹凸の輪郭模様が形成された
塗膜層部の凸状部分を、周囲が可撓性の研磨体で構成された弾性バフを回転接触させるこ
とにより徐々に磨滅させて、前記凹凸の輪郭模様の凸状部分を形成している塗膜層部の中
から目安とする目標の塗膜色を研ぎ出すことによって、その研ぎ出された塗膜色の近辺も
相応に研磨されて当該基材表面に色分け立体模様を現出させることを特徴とする立体模様
化粧用材の製造方法」が開示されている(特許文献1参照)。
しかし、前述の製造方法による床材では、塗膜層部を形成したシート生地にエンボス加
工を施すので、凹凸の輪郭模様のうち、凹部の底面における塗膜層部が薄くなる一方、凸
部の頂部近傍に位置する塗膜層部が厚くなる。このため、弾性バフで目標の塗膜色を研ぎ
出し、凸部の頂部近傍に位置する塗膜層部の合成樹脂系塗料を除去しても、深みのある自
然なグラデーションを有する床材が得にくい。
また、前述の製造方法では、目標の塗膜色を研ぎ出すために弾性バフをシート生地全面
に一様に回転接触させる必要があり、生産性が低い。
一方、他の床材の製造方法としては、合板の様な基材の上面に貼着した針葉樹系単板の
表面をブラッシング加工して秋材部を凸部とし春材部を凹部とした凹凸面を形成し、該凹
凸面に春材部と同色に着色した塗料型シーラー剤を全面に塗布し乾燥させ、凸部である秋
材部の表面を研削してシーラー剤を除去した後に反応型着色剤を全面塗布して秋材部のみ
を濃色化させたことを特徴として成る、変色の少ない天然銘木単板貼化粧板の製造方法が
開示されている(特許文献2参照)。
特開2008−105356号公報 特開昭58−38154号公報
しかしながら、前述の製造方法による床材では、凹部と凸部とのコントラストを強調し
た床材は得られるが、より自然なグラデーションを有し、かつ、深みのある床材は得にく
い。また、長期間、使用する間に家具等の引きずりによって表面が削られ、前記反応型着
色剤に傷が付くと、基材本来の生地が露出し、傷が目立つという問題点がある。
本発明は、前記問題点に鑑み、深みのある自然なグラデーションを有するとともに、長
期間の使用によっても傷が付きにくく、万一、傷が付いても目立ちにくい美麗な床面を長
期間維持できる床材およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明にかかる床材は、前記課題を解決すべく、全表面に天然木質材が露出し、かつ、裏打ち材として繊維板が裏打された表面化粧材の表面にエンボス加工を施して形成した凹凸模様に、流れて前記凹凸模様の凸部に残存しつつ、かつ、前記凹凸模様の凹部の底面に溜まる着色剤を塗布し、前記凹凸模様の凸部の頂部近傍に位置する着色剤を除去した着色層を形成するとともに、前記表面化粧材の表面に少なくとも1層の減磨材を含有する透明塗膜層を形成した構成としてある。
本発明によれば、凹凸加工を施して形成した凹凸模様に着色剤を塗布するので、塗布さ
れた着色剤が凹凸模様の凸部の頂部から凹部の底面に流れて溜まる。このため、深みのあ
る自然なグラデーションを有する床材が得られる。
また、凸部の頂部近傍に残存する着色剤の量が凹部の底面に溜まる着色剤の量よりも相
対的に少なくなるので、前記頂部近傍に残存する着色剤の除去作業が簡単となり、生産性
の高い床材が得られる。
さらに、前記表面化粧材の表面が少なくとも1層の減磨材を含有する透明塗膜層で被覆
されているので、床材として長期間、使用しても傷つきにくい。特に、家具等を引きずる
ことにより、万一、透明塗膜層に傷が付いた場合であっても、一番傷つき易い凸部の頂部
近傍に位置する着色剤が予め除去され、天然木質材の生地を目視できるので、こすり傷が
目立たない美麗な床面を維持できる。
本発明にかかる床材の製造方法は、全表面に天然木質材が露出し、かつ、裏打ち材として繊維板が裏打された表面化粧材の表面にエンボス加工を施して凹凸模様を形成する凹凸模様形成工程と、前記表面化粧材の表面に、流れて前記凹凸模様の凸部に残存しつつ、かつ、前記凹凸模様の凹部の底面に溜まる着色剤を塗布した後、前記凹凸模様の凸部の頂部近傍に位置する着色剤だけを除去して着色層を形成する着色層形成工程と、前記表面化粧材の表面に少なくとも1層の減磨材を含有する透明塗膜層を形成する透明塗膜層形成工程と、からなるものである。
本発明によれば、表面化粧材に塗布した着色剤のうち、凹凸模様の凸部に塗布された着
色剤が凹部に流れて前記凹部の底面に溜まる。このため、凸部の頂部の着色は薄くなる一
方、凹部の底面の周囲は濃くなり、深みのある自然なグラデーションを有する床材が得ら
れる。
特に、着色剤が乾燥,硬化する前にゴムロール等で前記凸部の頂部近傍に位置する着色
剤をある程度、擦り取っておけば、凸部の頂部近傍に位置する着色剤を完全に除去する作
業が容易になる。
また、透明塗膜層に減磨材を含有させてあるので、床材として長期間、使用しても傷つ
きにくい。特に、家具等を引きずることにより、万一、透明塗膜層に傷が付いた場合であ
っても、一番傷つき易い凸部の頂部近傍に位置する着色剤が予め除去され、天然木質材の
生地を目視できるので、こすり傷が目立ちにくい床材が得られる。
本発明にかかる実施形態としては、着色剤に水系着色剤を使用してもよい。
本実施形態によれば、水系着色剤を使用するので、着色剤が、表面に天然木質材が露出
する表面化粧材に染み込みにくく、凹凸模様の凹部の底面に着色剤が溜まりやすいので、
より一層深みのある自然なグラデーションを有する床材が得やすい。
本発明にかかる別の実施形態としては、着色層形成工程が、表面化粧材の表面に着色剤
を塗布し、乾燥,硬化させた後、凹凸模様の凸部の頂部近傍に位置する着色剤のみを研磨,除去して着色層を形成してもよい。
本実施形態によれば、凹凸模様に塗布した着色剤が凸部の頂部から凹部の底面に流れて
溜まるので、前記凸部に残存する着色剤が少なく、深みのある自然なグラデーションを有
する床材が得られる。
また、凸部の頂部近傍に残留する着色剤が少ないので、着色剤の除去作業が簡単となり、生産性の高い床材が得られる。
本発明にかかる別の実施形態としては、着色層形成工程が、表面化粧材の表面に着色剤
を塗布した後、前記着色剤が乾燥,硬化する前に凹凸模様の凸部の頂部近傍に位置する着
色剤だけを擦り取って乾燥,硬化させてもよい。
本実施形態によれば、凸部の頂部近傍に位置する着色剤を効率良く除去でき、生産性の
高い床材が得られる。
本発明にかかる異なる実施形態としては、着色層形成工程が、表面化粧材の表面に着色
剤を塗布した後、前記着色剤が乾燥,硬化する前に凹凸模様の凸部の頂部近傍に位置する
着色剤だけを擦り取り、前記着色剤が乾燥,硬化した後に前記凸部の頂部近傍に残存する
着色剤を研磨,除去してもよい。
本実施形態によれば、凸部の頂部近傍に位置する着色剤を確実に除去できるので、コン
トラストがはっきりとした深みのある木目模様を有する床材が得られる。特に、凸部の頂
部近傍に位置する着色剤が完全に除去されているので、透明塗膜層にこすり傷が発生して
も、傷がより一層目立ちにくい床材が得られるという効果がある。
本発明に係る床材の製造方法の実施形態を図1および図2の添付図面に従って説明する。
本実施形態に係る床材の製造方法は、天然木質材の薄単板11に裏打ち材12を積層一
体化した表面化粧材10(図1A)の表面に凹凸加工を施した(図1B)。そして、前記
表面化粧材10を基材13に積層一体化した後(図1C)、前記表面化粧材10に着色剤
を塗布して着色層14を形成した(図1D,1E)。さらに、前記凹凸模様の凸部の頂部
近傍に固着した着色剤だけを除去し(図1F)、最後に、その表面に透明塗膜層15(図
1G)を形成した。なお、前記透明塗膜層15は表面に不陸があってもよく、また、図2
に示すように平滑な表面を有していてもよい。
前記表面化粧材10は、天然木質材の薄単板11を裏打ち材12に積層一体化したもの
に限らず、天然木質材だけからなる単板であってもよい。そして、前記天然木質材として
は、一般に化粧材として用いられている樹種であればよく、特に限定するものではない。
また、天然木質材の薄単板11としては、例えば、厚さ0.2〜2mm程度に薄くスライ
スしたシート状のものが挙げられる。厚さ0.2mm未満であると、特に浮造り加工時に
加工凹部で基材が透けて見えてしまうからであり、2mmを越えると、一般に高価な天然
化粧材の薄単板がより一層高価になるからである。
前記裏打ち材12は、前記天然木質材の薄単板11を補強するために積層一体化される
ものであり、例えば、MDF(中比重繊維板)、HDF(高比重繊維板)、HB(ハード
ボード)、パーティクルボード、合板等の一般的な木質基材が挙げられる。特に、好適な
ものとしては、MDF(中比重繊維板)、HDF(高比重繊維板)、HB(ハードボード
)等の高比重で、傷の付きにくい基材が使用される。
凹凸加工は、前記表面化粧材10の表面に凹凸模様を形成するための加工であり、例え
ば、エンボス加工および浮造り加工が挙げられる。
前記エンボス加工は、所望の柄模様を形成したエンボス板あるいはエンボスロールを前
記表面化粧材に押し当て、前記表面化粧材の表面に所望の柄模様を凹凸状に形成する加工
をいう。前記柄模様には、例えば、木目柄、石目柄、あるいは、直線や曲線を組み合わせ
た抽象柄等が挙げられる。
一方、前記浮造り加工は、天然の木目を活かすように木目を浮き上がらせる加工方法を
いい、例えば、ブラッシング法あるいはショットブラスト法等の加工が挙げられる。前記
ブラッシング法は、硬質プラスチック製ブラシあるいは金属製ブラシで天然木質材の表面
のうち、軟質部分を掻き取ることにより、天然木の木目を浮き上がらせる加工方法である
。また、前記ショットブラスト法は硬質プラスチックビーズあるいはガラスビーズ等の粒
子を天然木質材の表面に衝突させ、天然木質材の軟質部分を凹ませることにより、相対的
に木目を浮き上がらせる方法である。
なお、前記凹凸模様の最大深さは0.1〜1.0mmが好ましい。0.1mm未満であ
ると、凸部の頂部近傍のみの着色剤の除去が難しくなるからであり、1.0mmを越える
と、凹凸部全体への着色剤の塗布が難しくなるからである。
更に、前記表面化粧材10は、その裏面に基材13を積層一体化して使用される。基材
13としては、例えば、合板、木質繊維板、パーティクルボード、LVL等の木質板の他、火山性ガラス質複層板、珪酸カルシウム板等の無機質板、更に、ポリオレフィン系樹脂,塩化ビニル系樹脂からなる合成樹脂板あるいは合成樹脂発泡板、および、これらの複合
積層板が挙げられる。
なお、表面化粧板10に凹凸加工を施した後に基材13を積層一体化するのは、表裏面
から前記表面化粧板10を加熱,圧締することにより、所望の凹凸模様を効率的に形成す
るためである。
着色剤は、凹凸模様を形成した前記表面化粧材10に塗布すると、凹凸模様の凸部の頂
部から凹部の底面に流れて溜まることにより、自然なグラデーションで濃淡を強調できる
ものが好ましい。さらに、凸部の頂部近傍に位置する着色剤を乾燥前および/あるいは乾
燥後に除去することにより、濃淡をより一層明確に表現してもよい。
前記着色剤は主剤に着色材料として顔料を添加,分散させたものであり、これらを適宜、希釈剤で希釈して使用する。染料系は、表面化粧材への浸透性が良く、凹凸部に塗布した後に凸部近傍のみの除去が困難になるため、好ましくない。
主剤としては、水系主剤および有機溶剤系主剤がある。水系主剤としては、例えば、ア
クリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ビニル樹脂またはエポキシ
樹脂をエマルジョン化したものがある。有機溶剤系主剤としては、例えば、アクリル樹脂
、アルキド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等がある。一般的に市販さ
れている水系主剤、溶剤系主剤を適宜選択して用いればよい。好適には、作業環境や出来
上がった製品の化学物質放散に配慮するだけでなく、浸透性が余り高くなく、比較的表層
のみの着色が可能で、凸部近傍の着色剤の除去が容易な水系主剤が用いられる。
希釈剤としては、水系主剤には水系希釈剤、溶剤系主剤には溶剤系希釈剤を使用する。
水系希釈剤としては、例えば、水、アルコール類等が用いられる。溶剤系希釈剤としては、例えば、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン類等の一般的な有機溶媒が用いられる。一般的に市販されている水系希釈剤、溶剤系希釈剤を適宜選択して
用いればよい。好適には、作業環境や出来上がった製品の化学物質放散に配慮するだけで
なく、浸透性が余り高くなく、比較的表層のみの着色が可能で、凸部近傍の着色剤の除去
が容易な水系着色剤が用いられる。
着色材料としては、主に顔料が挙げられるが、染料は天然木質材への浸透性が良く、凸
部近傍のみの除去が困難になるため、好ましくない。顔料としては、無機顔料と有機顔料
とがある。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、マイカ等の無機白色系顔料、カーボンブラッ
ク、酸化鉄、ランプブラック、コバルトブラック等の黒色系無機顔料、また、例えば、ベ
ネシアンレッド、ベンガラ、赤色酸化鉄、橙色酸化鉄、モリブデートオレンジ等の赤色系
無機顔料、更に、例えば、黄色酸化鉄、クロムイエロー、チタンイエロー等の黄色系無機
顔料、そして、例えば、コバルトグリーン、酸化クロムグリーン、チタングリーン等の緑
色系無機顔料、ついで、例えば、群青、コバルトブルー、ウルトラマンブルー等の青色系
無機顔料等が挙げられ、これらを適宜配合し、所望の色が得られる。
有機顔料としては、例えば、パーマネントレッド、ピラゾロンオレンジ、ピラゾロンレ
ッド、アントラキノンレッド等の赤色系有機顔料、また、例えば、ファーストイエロー、
ベンツイミダゾロンイエロー、ジアリリドイエロー等の黄色系有機顔料、更に、例えば、
塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン等の緑色系有機顔料、あ
るいは、例えば、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー等の青色系有機顔
料等が挙げられ、これらを適宜配合し、所望の色が得られる。これら着色材料である無機
顔料や有機顔料は、上記のような一般的に塗料顔料として市販されているものが使用され
、主剤および希釈剤に分散可能な程度の微粉末に粉砕されたものが使用される。
主剤、着色材料、希釈剤に、必要に応じて適宜、分散剤や増粘剤等が添加されて着色剤
として使用される。着色剤は、表面化粧材の色を隠蔽できる程度に塗布すればよい。粘度
調整は、例えば、全体に均一に塗布する場合には、粘度を高めに設定し、また、凸部に塗
布した着色剤が凹部に溜まるように塗布する場合には、粘度を低めに設定する。これらも
製造条件に合わせ、適宜設定できる。
着色剤の除去方法のうち、着色剤の乾燥前に行う方法としては、例えば、ゴムロールを
凹凸模様の凸部に擦り付けることにより、前記凸部の頂部近傍に位置する着色剤を除去す
る方法がある。
一方、着色剤の乾燥後に除去する方法としては、シートサンダー、スポンジサンダー、
不織布サンダー等を研磨機に巻き付けて除去する方法がある。前記シートサンダーは紙や
布の表面に砥石粒子を接着したものであり、スポンジサンダーはクッション性を有する樹
脂発泡シート等の表面に砥石粒子を接着されたものであり、不織布サンダーは弾力性のあ
る樹脂性不織布の表面に砥石粒子を接着したものである。
研磨機としては、例えば、前記スポンジサンダーあるいは不織布サンダーを巻き付けて
装着するワイドベルトサンダーがある。なお、不織布サンダーよりも、シートサンダーを
ワイドベルトサンダーに装着して研磨する方が、効率的に着色剤を除去できる。
透明塗膜層15は、前記着色層14の表面に紫外線硬化塗料あるいは電子線硬化塗料か
らなる下塗り塗料、中塗り塗料、上塗り塗料を順次、塗布,乾燥して形成する。より具体
的には、ロールコーター、スプレー等で前記紫外線、電子線硬化塗料を塗布し、紫外線、
電子線をそれぞれ照射して硬化させることにより、着色層14に下,中,上透明塗膜層1
5を順次積層する。
前記下塗塗料は、突板の目止めを行うとともに、突板と中塗塗料との密着性を向上させ
るためのものである。また、中塗塗料は所定の厚みを有することにより、防湿性、耐汚染
性、耐荷重性、表面硬度の向上等に寄与し、実質的に透明塗膜層の性能を決定する。上塗
り塗料は、露出する表面に平滑性を与えるとともに、艶調整を行うことによって意匠性を
高めることができる。なお、前記透明塗膜層は少なくとも一層あればよく、2層あるいは
4層以上であってもよい。
特に、紫外線,電子線硬化塗料の主剤としては、例えば、無溶剤のアクリレート系樹脂
やメタクリレート系樹脂のモノマー,オリゴマー等が使用され、必要に応じ、これらに光
開始剤が添加される。
減磨材としては、例えば、ホワイトアルミナ、グリーンカーボン等が前記主剤に添加,
混練され、あるいは、塗布された主剤の表面に均一に散布することにより、減磨材を含有
する透明塗膜層15を形成できる。例えば、平滑な表面性や手触りの滑らかさが求められ
る場合には、下塗塗料や中塗塗料に混入する方がよい。特に、高度な耐磨耗性が求められ
る場合には、上塗塗料に混入する必要がある。
また、手触りの滑らかさが求められる床材の場合は、例えば、下塗塗料に混入するとき
は粒度#150〜#240程度の減磨剤15〜50重量%、中塗塗料に混入するときは粒
度#180〜#320程度の減磨剤10〜30重量%、上塗塗料に混入するときは粒度#
320〜#400程度の減磨剤5〜15重量%使用できる。これよりも添加量が少ないと
、所望の耐磨耗性が得られず、一方、これよりも添加量を増やすと、耐磨耗性は向上する
が、手触りの滑らかさが失われるからである。
なお、前述の粒度の数値は、JIS R6001(研磨微粉の粒度)による。
また、混入する減磨性の粒度、添加量、および、混入される層(下塗、中塗、上塗)は
、出来上がった床材に求められる表面性や物性に応じて適宜、選択できることは勿論であ
る。
なお、塗装時の粘度調整を行う場合に、有機溶剤の代わりにアクリレートモノマー、メ
タクリレートモノマー等のモノマー成分を使用すれば、製造時および製造後のVOCが少
ないという利点がある。
前記透明塗膜層15を形成するための塗布量としては、例えば、紫外線硬化型塗料を使
用する場合、減磨材を添加した下塗塗料を1.5〜5.0g/尺の割合で塗布した後、
紫外線を照射して下透明塗膜層を形成する。ついで、中塗塗料を1.0〜15.0g/尺
の割合で塗布した後、紫外線を照射して中透明塗膜層を形成する。そして、上塗塗料を
0.8〜1.5g/尺の割合で塗布した後、紫外線を照射して中透明塗膜層を形成する
方法が挙げられる。
透明塗膜層15が薄くなると、耐磨耗性や耐汚染性が悪くなり、傷つきやすく、汚れが
取りにくい床材になるが、自然な風合いの凹凸が存在する天然化粧材を活かした意匠とな
る。一方、厚くなると、自然な風合いが失われ、より人工的な意匠となる。また、図2に
図示するように、表面が平滑になるように数回の重ね塗りを行って塗布量を増やしてもよ
い。したがって、透明塗膜層15の形成方法は、出来上がった床材に求められる意匠性、
表面性および物性に応じ、適宜選択すればよい。
(実施例1)
厚さ2.7mmのMDF(中比重繊維板)に厚さ0.25mmのナラ単板を尿素メラミ
ン系接着剤で貼着一体化した。ついで、前記ナラ単板の表面に、凹凸状の木目模様(最大
深さ0.6mm)を形成した金属製加熱成形板を温度180℃、圧力1.5MPaで90
秒間押圧し、前記MDFの表面および前記ナラ単板を軟化させることにより、凹凸状木目
模様を形成した。
ついで、前記MDFの裏面に厚さ10.5mmの合板を積層一体化する一方、前記ナラ
単板の表面にスポンジロールで水系顔料系着色剤を全面に塗布した後、60℃のドライヤ
ーで120秒間乾燥させた。前記水系顔料着色剤は、主剤であるアクリルエマルジョンに
顔料として無機顔料を添加,分散したものである。
そして、前記なら単板の表面を、シートサンダー(#240)を取り付けたワイドベル
トサンダーで凹凸模様の凸部の頂部近傍に固着した着色剤を除去できるまで研磨した。
ついで、研磨された表面にアクリル樹脂系の紫外線硬化型下塗り塗料を2.0g/尺
の割合で塗布し、紫外線を照射して硬化させた。さらに、硬化した前記下塗り塗料の表面
に、減磨材(ホワイトアルミナ#360)30重量%を添加,混練したアクリル系紫外線
硬化型中塗り塗料を1.5g/尺の割合で塗布し、紫外線を照射して硬化させた。最後
に、硬化した前記中塗り塗料の表面にアクリル系紫外線硬化型塗料を0.8g/尺の割
合で塗布し、紫外線を照射して硬化させ、サンプルを得た。
前記サンプルにテーバー(TABER)磨耗試験機で100回転の磨耗試験(JAS「
フローリング」に定める磨耗B試験に相当)を行った後、目視で観察したところ、一部色
取れは確認されたが、顕著に目立たなかった。凸部の頂部近傍の着色剤を予め除去してお
いたため、テーパー磨耗試験による磨耗後も目立ちにくかったためと考えられる。
(実施例2)
厚さ2.7mmのMDF(中比重繊維板)に厚さ0.25mmのナラ単板を尿素メラミ
ン系接着剤で貼着一体化した。ついで、前記ナラ単板の表面に、凹凸状の木目模様(最大
深さ0.6mm)を形成した金属製加熱成形板を温度180℃、圧力1.5MPaで90
秒間押圧し、前記MDFの表面および前記ナラ単板を軟化させることにより、凹凸状木目
模様を形成した。
ついで、前記MDFの裏面に厚さ10.5mmの合板を積層一体化する。そして、前記
ナラ単板の表面に塗装用ゴムロールで水系顔料系着色剤を全面に塗布した後、その表面に
直ちに除去用ゴムロールを擦り付けて凸部の頂部近傍の着色剤を除去し、60℃のドライ
ヤーで120秒間乾燥させた。前記水系顔料着色剤は、主剤であるアクリルエマルジョン
に顔料として無機顔料を添加,分散したものである。
そして、前記なら単板の表面を、不織布サンダー(#240)を取り付けたワイドベル
トサンダーで凹凸模様の凸部の頂部近傍に固着した着色剤を除去するまで研磨した。
ついで、研磨された表面にアクリル樹脂系の紫外線硬化型下塗り塗料を2.0g/尺
の割合で塗布し、紫外線を照射して硬化させた。さらに、硬化した前記下塗り塗料の表面
に、減磨材(ホワイトアルミナ#360)30重量%を添加,混練したアクリル系紫外線
硬化型中塗り塗料を1.5g/尺の割合で塗布し、紫外線を照射して硬化させた。最後
に、硬化した前記中塗り塗料の表面にアクリル系紫外線硬化型塗料を0.8g/尺の割
合で塗布し、紫外線を照射して硬化させ、サンプルを得た。
前記サンプルにテーバー(TABER)磨耗試験機で100回転の磨耗試験(JAS「
フローリング」に定める磨耗B試験に相当)を行った後、目視で観察したところ、一部色
取れが確認されたが、顕著に目立たなかった。実施例1と同様、凸部の頂部近傍の着色剤
を予め除去しておいたため、テーパー磨耗試験による磨耗後も目立ちにくかったためと考
えられる。
(比較例)
凹凸模様の凸部の頂部近傍に固着した着色剤をワイドベルトサンダーで除去しなかった
点を除き、他は前述の実施例1と同一の処理を施してサンプルを得た。
前記サンプルにテーバー(TABER)磨耗試験機で100回転の磨耗試験(JAS「
フローリング」に定める磨耗B試験に相当)を行った後、目視で観察したところ、テーバ
ー試験機が当接した部分の凸部にのみ顕著な色取れを確認できた。実施例1,実施例2と
比較すると、明かに色取れが目立っていた。
本発明にかかる床材の製造方法は、前述の床材に限る必要はなく、他の床材に適用して
もよいことは勿論である。
本発明に係る床材の製造方法を説明するための断面図である。 本発明に係る床材の他の実施形態を示す断面図である。
10:表面化粧材
11:天然木質材
12:裏打ち材
13:基材
14:着色層
15:透明塗膜層

Claims (6)

  1. 全表面に天然木質材が露出し、かつ、裏打ち材として繊維板が裏打された表面化粧材の表面にエンボス加工を施して形成した凹凸模様に、流れて前記凹凸模様の凸部に残存しつつ、かつ、前記凹凸模様の凹部の底面に溜まる着色剤を塗布し、前記凹凸模様の凸部の頂部近傍に位置する着色剤を除去した着色層を形成するとともに、前記表面化粧材の表面に少なくとも1層の減磨材を含有する透明塗膜層を形成したことを特徴とする床材。
  2. 全表面に天然木質材が露出し、かつ、裏打ち材として繊維板が裏打された表面化粧材の表面にエンボス加工を施して凹凸模様を形成する凹凸模様形成工程と、
    前記表面化粧材の表面に、流れて前記凹凸模様の凸部に残存しつつ、かつ、前記凹凸模
    様の凹部の底面に溜まる着色剤を塗布した後、前記凹凸模様の凸部の頂部近傍に位置する
    着色剤だけを除去して着色層を形成する着色層形成工程と、
    前記表面化粧材の表面に少なくとも1層の減磨材を含有する透明塗膜層を形成する透明
    塗膜層形成工程と、
    からなることを特徴とする床材の製造方法。
  3. 着色剤が、水系着色剤であることを特徴とする請求項2に記載の床材の製造方法。
  4. 着色層形成工程が、
    表面化粧材の表面に着色剤を塗布し、乾燥,硬化させた後、凹凸模様の凸部の頂部近傍に
    位置する着色剤のみを研磨,除去して着色層を形成することを特徴とする請求項2または
    3に記載の床材の製造方法。
  5. 着色層形成工程が、
    表面化粧材の表面に着色剤を塗布した後、前記着色剤が乾燥,硬化する前に凹凸模様の凸
    部の頂部近傍に位置する着色剤だけを擦り取って乾燥,硬化させることを特徴とする請求
    項2または3に記載の床材の製造方法。
  6. 着色層形成工程が、
    表面化粧材の表面に着色剤を塗布した後、前記着色剤が乾燥,硬化する前に凹凸模様の凸
    部の頂部近傍に位置する着色剤だけを擦り取り、前記着色剤が乾燥,硬化した後に前記凸
    部の頂部近傍に残存する着色剤を研磨,除去することを特徴とする請求項2または3に記
    載の床材の製造方法。
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