JP3416111B2 - 木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材 - Google Patents

木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材

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JP3416111B2
JP3416111B2 JP2000390282A JP2000390282A JP3416111B2 JP 3416111 B2 JP3416111 B2 JP 3416111B2 JP 2000390282 A JP2000390282 A JP 2000390282A JP 2000390282 A JP2000390282 A JP 2000390282A JP 3416111 B2 JP3416111 B2 JP 3416111B2
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一彰 利倉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、木目模様の塗装
用木材・熱可塑性樹脂複合材およびその製造方法、並び
に木材・熱可塑性樹脂複合材の木目模様形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、木質材の吸水性や微生物などに
よる分解性を抑制し、または木質材加工中に副生した木
粉の再利用(リサイクル)をするために、木粉と熱可塑
性樹脂を混練した木粉コンパウンドを製造し、これを押
出成形や射出成形して得られる複合材が知られている。
【0003】複合材を適用できる製品としては、家具、
窓枠、ドアパネル、内装パネルなどの建築用半製品、貯
蔵用または輸送用コンテナ、パレット、フェンス、家庭
用家具、外壁化粧材などが挙げられる。
【0004】そして、プラスチックと木質材を複合して
成形される木材・プラスチック複合材の表面に木目模様
を形成する方法として、従来、ベルトサンダー等の回転
式研削研磨装置を使用して表面を一定方向に削ることに
より、樹脂成分の含有比率が平均よりも高い表面層を削
り取り、樹脂成分の含有比率が標準的な層が現れるよう
にし、その際に研削方法を選択して引掻き傷からなる凹
凸部が木目に似るようにした木目模様の装飾方法を採用
する場合がある。
【0005】特開平8−267597号公報には、ポリ
オレフィン系樹脂100重量部及び木質繊維物質20〜
200重量部を含有してなるポリオレフィン系樹脂板の
表面を粒度30〜100番のラップ材等で10〜100
0μmの厚さだけ削り取ることにより、表面粗さ5〜2
00μmの範囲で柾目模様を得ることができる技術が記
載されている。
【0006】また、特開平9−216500号公報に
は、セルロース系破砕物20〜60重量%に対して熱可
塑性樹脂成形材35〜80重量%からなる木質合成板の
表面を第1工程として#40〜#60のサンディングで
深い傷条をつけ、第2工程として着色材塗布、第3工程
として#100〜#150のサンディングにより深い傷
条に塗布された凹部分を残しながら新たな浅い傷条をつ
け、さらに第4工程として木目印刷を施し、第5工程と
して仕上げ用の透明塗料を塗布することによりサンディ
ングによる木目模様と印刷による木目柄との相乗作用に
より深い木質感のある模様が形成されると記載されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の木材・熱可塑性樹脂複合材の木目模様形成方法である
特開平8−267597号公報に記載の方法では、天然
木の木目と比較すると単純なサンディング模様で貧弱な
製品になり、塗装後は表面全体に塗料がしみ込んで表面
部と研削溝部は同じ濃さで着色され、木目となる部分が
殆ど目立たなくなる。
【0008】更に、原料木粉に細かな粒度のものを使用
しても製品(複合材)の表面には毛羽立ちが多く生じ、
仕上げ材であるニスなどの透明性塗料を塗っても天然木
と同様の艶や肌触りにならないという問題点もある。
【0009】また、従来技術である特開平9−2165
00号公報に記載された技術では、2回のサンディング
と、その間に施された塗装によってできた木目模様およ
び印刷による木目柄との相乗作用はあるが、煩雑な製造
工程と高コストが欠点となって実用性が充分でなく、ま
た複雑な形状の成形品に対して適用が困難であるだけで
なく、予め木目が印刷されているからユーザーが好きな
色に塗装することはできない。
【0010】また、100〜150番の浅いサンディン
グにより得られた印刷用の下地はグラビア印刷などに適
当であるが、原料木粉に細かな粒度のものを使用しても
毛羽立ちが多く生じ、最終工程の透明塗料の塗装を経て
も艶や肌触りが天然木と比較してかなり劣るという問題
点もある。
【0011】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、天然木の木目と同様な色、艶および木質
面に独特の凹凸感のある木材・熱可塑性樹脂複合材が簡
易な塗装作業を施すだけで得られ、しかもユーザーが好
きな色に塗装することができる利便性のある木目模様の
塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材とすることである。
【0012】また、本願の木目模様の塗装用木材・熱可
塑性樹脂複合材の製造方法に係る発明では、上記の課題
を解決する木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材
を確実に効率よく製造する方法を提供することである。
【0013】また、本願の木材・熱可塑性樹脂複合材の
木目模様形成方法に係る発明では、天然木の木目と同様
な色、艶および木質面に独特の凹凸感のある木材・熱可
塑性樹脂複合材をできるだけ簡易な手法で確実に得られ
る木目模様形成方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の木目模様の塗装用
木材・熱可塑性樹脂複合材に係る課題を解決するため
に、この発明では木材と熱可塑性樹脂の混合物を成形し
た木材・熱可塑性樹脂複合材の表面に、研削砥粒の線状
接触痕からなる多数の研削溝を木目状に形成すると共
に、この研削溝の間に形成された隆条の頂上部を研削お
よび研磨して前記頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のし
み込みを抑制し、かつ研削溝の内側には毛羽立ちを有す
る研削面を残したものからなる木目模様の塗装用木材・
熱可塑性樹脂複合材としたのである。
【0015】上記したように構成されるこの発明の木目
模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材は、表面に刷毛
やスプレー等で塗料が塗布された際に、研削溝の間に形
成された隆条の頂上部は淡い色で塗装され、かつ研削溝
の内側の深い部分ほど塗料が多量にしみ付いて濃い色で
塗装される。すなわち、通常の全面均一な塗装によっ
て、この発明の木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複
合材は、濃淡のコントラストの高い木目模様に着色さ
れ、具体的には、木目の線は濃く、木目以外の部分は淡
い色で着色されて極めて木目らしい色調差および要所に
艶のある模様が形成される。
【0016】この発明の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合
材が、上記のような濃淡のコントラストの高い木目模様
に着色されるためには、毛羽立ちの除去された隆条の頂
上部の表面粗さがRmax10〜40μmであることが好ま
しく、さらに研削溝を形成した際の表面粗さはRmax6
0〜300μmであることが好ましい。
【0017】また、木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹
脂複合材の製造方法に係る課題を解決するために、この
発明では、木材・熱可塑性樹脂複合材の成形体の表面
に、粒度24〜60番(JIS R 6001またはJ
IS R 6010)の砥粒を固定した研削シートを用
いて多数の木目状の研削溝を形成する第1研削工程を行
ない、次いでこの工程で形成される多数の研削溝間の隆
条の頂上部を粒度100〜400番(JIS R 60
01またはJIS R 6010)の砥粒を固定した研
削シートで前記第1研削工程で形成された研削溝を完全
に消さない程度に研削する第2の研削工程を行ない、そ
の後、金属製ブラシもしくはバフまたは両者を用いて前
記頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のしみ込みが抑制さ
れた研磨面を形成すると共に、研削溝の奥部には毛羽立
ちを残すことからなる木目模様の塗装用木材・熱可塑性
樹脂複合材の製造方法としたのである。
【0018】第1研削工程後に形成された研削溝を有す
る複合材の表面粗さは、Rmax60〜300μmであり、
第2研削工程後に毛羽立ちの除去された隆条の頂上部の
表面粗さは、Rmax10〜40μmであることが好まし
い。
【0019】上記したようにして製造すると、第1研削
工程で、塗料が多量にしみ付きやすい線状で多数の研削
溝が木目状に形成される。そして、第2研削工程では隆
条の頂上部が除去され、次いで金属製ブラシを用いて前
記頂上部の毛羽立ちを除去するので、塗料のしみ込みが
抑制された隆条を有する木目状の凹凸面が得られる。
【0020】このようにして研削溝および隆条が形成さ
れた塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材は、表面に刷毛や
スプレー等で塗料が塗布された際に、研削溝の間に形成
された隆条の頂上部が淡い色で塗装される。
【0021】すなわち、この発明の方法では、研削溝の
内側の深い部分ほど塗料が多量にしみ付いて濃い色で塗
装され、木目の線は濃く、木目以外の部分は淡く着色さ
れて極めて木目らしい色調差および要所に艶のある模様
が形成される塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材を製造で
きる。
【0022】また、前記の木材・熱可塑性樹脂複合材の
木目形成方法に係る発明の課題を解決するために、この
発明では、木材・熱可塑性樹脂複合材の成形体の表面
に、粒度24〜60番(JIS R 6001またはJ
IS R 6010)の砥粒を固定した研削シートを用
いて多数の木目状の研削溝を形成する第1研削工程を行
ない、次いでこの工程で形成される多数の研削溝間の隆
条の頂上部を粒度100〜400番(JIS R 60
01またはJIS R 6010)の砥粒を固定した研
削シートで前記第1研削工程で形成された研削溝を完全
に消さない程度に研削する第2の研削工程を行ない、そ
の後、金属製ブラシもしくはバフまたは両者を用いて前
記頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のしみ込みが抑制さ
れた研磨面を形成すると共に研削溝の奥部には毛羽立ち
を残し、次いで塗装することからなる木材・熱可塑性樹
脂複合材の木目模様形成方法としたのである。
【0023】上記した木目模様形成方法によると、第1
研削工程で、塗料が多量にしみ付きやすい線状で多数の
研削溝が形成され、第2研削工程では隆条を有する木目
が得られる。その後、金属製ブラシもしくはバフまたは
両者を用いて前記頂上部の毛羽立ちを除去すると、刷毛
やスプレー等で塗料が塗布されたとき、研削溝の間の隆
条の頂上部が淡い色で塗装されるので、木目の線は濃く
着色され、木目以外の部分は淡い色で着色されて、極め
て木目らしい色調差がある模様を木材・熱可塑性樹脂複
合材に形成できる。
【0024】
【発明の実施の形態】この発明に用いる木材・熱可塑性
樹脂複合材の成形体は、ポリオレフィン系樹脂などの熱
可塑性樹脂と木質粉粒体との混合物を成形したものであ
り、熱可塑性樹脂としては、木粉と混ざりやすく接着性
の良いものが望ましく、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂の他、極性
の大きい樹脂である塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコ
ールと酢酸ビニル樹脂との混合物などが採用されること
が多い。
【0025】熱可塑性樹脂の好ましい物性としては、メ
ルトインデックスが0.1〜200g/10minであ
り、より好ましくは0.5〜50g/10minであ
る。上記範囲未満の低値では混練機に負荷が大きくなっ
て混練を充分に行なえなくなり、上記範囲を超える高値
では機械的強度が低下して好ましくない。
【0026】木材は、木質ボードをリサイクルするため
に切断、切削または粉砕した際に得られる粉状または粒
状の木質材や、製材された木材の粉粒体のいずれであっ
てもよい。木質ボードの例としては、合板、パーティク
ルボード、MDF、OSBその他のエンジニアリングウ
ッドなどが挙げられる。また、木材の種類としては、針
葉樹、広葉樹のいずれでもよく、竹や籾殻などを採用す
ることもできる。
【0027】粉粒体状の木質材の大きさは、特に限定さ
れるものではないが、1mm以下の切断粉もしくは切削
粉、またはそれらを粉砕した300μm以下の粉などは
適切なものである。木質材は、その表面を周知の物理的
処理または化学的処理(表面化学処理)によって分散性
または親和性を改善したものであっても問題はない。
【0028】木材の配合割合は、熱可塑性樹脂100重
量部に対して25〜400重量部である。上記所定範囲
未満の少量を配合した複合材を成形した場合、充分な木
質感を得ることができないため好ましくない。また、上
記所定範囲を超えて多量に配合すると、流動性が悪くな
り、混練効率が著しく低下するので好ましくない。
【0029】成形方法は、押出成形に限定されるもので
はなく、射出成形や圧縮成形を採用することもできる。
成形体の形態についても特に限定されるものではないの
は勿論である。
【0030】本願の木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹
脂複合材の製造方法並びに木材・熱可塑性樹脂複合材の
木目模様形成方法について、以下に添付図面に基づいて
工程ごとに説明する。
【0031】図1および図2に示すように、成形体1に
対して、研削シートを用いて多数の木目状の研削溝を形
成する第1研削工程は、周知のベルトサンダーを用いる
ことが好ましい。
【0032】因みに、ベルトサンダーは、モータなどの
駆動力で回転するようにベルト伝導機構のローラ2に巻
きがけた無端環状のベルト3を有し、このベルト3の表
面に所定粒度の砥粒4を接着固定し、これをコンベア5
上の成形体1の表面に圧接するようにしたものである。
板状の成形体1は、載置され固定されたコンベア5で強
制的に移送されながら、ベルト3の表面(研磨面)と接
し、所定粒度の砥粒4による研削および/または研磨作
用を受ける。
【0033】そして、研削時のベルトサンダーは、被加
工物とベルトとの位置関係が幅方向(図1中の左右の矢
印方向)にずれ動くことがあり、その際のずれ幅が木目
の偏りや曲がりとなって自然な木目調が形成される。
【0034】なお、ベルトサンダーの作動時にベルト3
が幅方向に所定限度以上にずれると、ベルトサンダーに
常備されているずれ戻し機構により、ベルトは幅方向の
位置が矯正されて当初の位置に復帰する。このようにし
て研削される成形体1の表面には、図7に縦の太線で示
されるような幅方向にずれのあるパターンで木目が形成
される。
【0035】また、この発明でいう砥粒を固定した研削
シートを用いた研削方法としては、ベルトサンダーを用
いる他、回転する円盤や円筒の表面にシートを介して砥
粒を接着した周知の回転研削研磨装置やサンドペーパリ
ングマシン(ベルトサンダー以外にもドラムサンダー、
グラインダー等がある。)を使用することもできる。
【0036】図3に示すように、粒度24〜60番(J
IS R 6001:一般用粒度、またはJIS R
6010:研磨布紙用粒度)の砥粒を固定した研削シー
トを用いてベルトサンダーで第1研削工程を行うと、成
形体1の表面の樹脂の豊富な(樹脂含有比率の高い)ス
キン層6が研削されて研削砥粒の線状接触痕からなる多
数の研削溝7を有する粗研削面(好ましくはRmax60
〜300μm)が形成される。
【0037】使用する砥粒は、粒度24〜60番(JI
S R 6001またはJIS R6010)のものを
採用する。なぜなら、このような所定粒度未満の大粒径
や所定粒度を超える小粒径の砥粒を用いると、自然の木
質感が得られないからである。
【0038】図4に示すように、次工程では、粒度10
0〜400番(JIS R 6001またはJIS R
6010)の砥粒を固定した研削シートを用いたベル
トサンダーで第2の研削工程を行なう。このようにする
と、隆条8の頂上部8aが研削されて比較的高さが揃っ
た面(好ましくはRmax10〜40μm)が形成される。
【0039】その後、図5に示すように、金属製ブラシ
を用いて前記平坦な表面9を研削・研磨処理すると、研
削溝7より浅く直線的な研削溝7aが形成されてより深
みのある木目模様になると共に、研削溝7の上部角部q
の表面と前記平坦な表面9にあった比較的大きな毛羽立
ち10が除去され、塗料のしみ込みの抑制された面が形
成される。また、研削溝7の内側は深い部分ほど毛羽立
ち10が多く残り、深い部分ほど塗料が染み込みやす
い。なお、図5(c)中の符号11は、比較的小さな毛
羽立ちを示している。
【0040】この毛羽立ちの大小およびその多少(密
度)の差によって、塗装をした際に研削溝7の奥部が比
較的塗料がしみ込みやすく、研削溝7の上部角部qの表
面と前記平坦な表面9は比較的塗料がしみ込みにくくな
ることにより、研削溝7の輪郭が明瞭に見え、より木目
らしい模様が得られるのである。
【0041】また、より好ましい木目模様の塗装用木材
・熱可塑性樹脂複合材の製造方法、または木目模様形成
方法は、図6に示すように、金属製ブラシによるブラッ
シングを行なった後に、さらにバフによるバフィングを
することにより研削溝7の上部角部qの表面と前記平坦
な表面9および比較的浅い研削溝7aの表面から比較的
小さな毛羽立ち11を除去する。
【0042】このようにすると、研削溝7の上部角部q
の表面と前記平坦な表面9及び比較的小さい研削溝7a
の表面は、金属ブラシで研削・研磨しただけよりもいっ
そう滑らかで触感が良くさらにより艶のある表面とな
り、塗料のしみ込みがより抑制された研磨面となる。
【0043】この発明に用いる塗料は、周知の塗料であ
ればよく、熱可塑性樹脂と木材との混合比率によって、
着色性の適当なものを選択的に採用できる。
【0044】例えばステイン系(素地着色型)塗料とし
ては、オイルステイン、水性ステイン、溶剤ステイン、
アルコールステインなどが挙げられる。また、コート系
(塗膜着色型)塗料としては、ウレタン、アクリル、ウ
レタンアクリレート、ラッカー、アミノアルキドなどが
挙げられる。より好ましいものは、ステイン系塗料であ
る。
【0045】また、表面の艶を出すための透明塗料を用
いても良いのは勿論であり、このような透明塗料とし
て、ウレタン、アクリル、ウレタンアクリレート、ラッ
カー、アミノアルキド、ニスなどが挙げられる。
【0046】以上のようにして第1および第2の研削工
程および所定の研磨工程を施し、その後に塗装すること
により、図7に示すように、極めて木目らしい色調差お
よび表面に艶のある木目模様を木材・熱可塑性樹脂複合
材を製造できるのである。
【0047】
【実施例および比較例】[比較例1]ポリプロピレン1
00重量部と1〜200μmの木粉100重量部を混合
し、このコンパウンドを押出成形した厚み19mmの板を
製造し、その表面を、第一研削工程として一定方向に粒
度24番のベルトサンダー(菊川鉄工所製)で表面から
0.4mmの厚さを研削し、第2研削工程として同方向
に粒度240番のベルトサンダーで0.2mmづつ3回
繰り返して合計0.6mmの厚みを研削し、木目模様の
塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の試験片を製造した。
【0048】なお、上記においてベルトサンダーの研削
速度は、800m/分であり、ワーク送り速度は、5m
/分とした。
【0049】得られた試験片にオイルステインを塗布し
たが、表面が全体毛羽立っているため、塗装後は表面全
体に塗装がしみ込み均一に濃く着色し、光沢のない単な
る平板となり、木目模様は形成されなかった。また、オ
イルステイン塗布の上へ艶出し透明ウレタンを塗布した
が、しみ込みが多くて艶はでなかった。
【0050】[比較例2]比較例1において、第2研削
工程での研削厚みを0.2mmとしたこと以外は、全く
同様にして、木目模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合
材の試験片を製造した。
【0051】得られた試験片に対してオイルステインを
塗布したが、表面が全体毛羽立っているため、塗装後は
表面全体に塗装がしみ込み、表面部と研削溝部は同じ濃
さで着色され、光沢のない単なる平板となり、第一工程
で得られた深い研削溝は、表面と比較して濃い色の縞模
様にぼんやり見えたが、コントラストが低くかつ縞模様
の輪郭がはっきりしないため、木目模様に見えなかっ
た。また、オイルステイン塗布の上へ艶出し透明ウレタ
ンを塗布したが、しみ込みが多くて艶は出なかった。
【0052】[実施例1]ポリプロピレン100重量部
と1〜200μmの木粉100重量部を混合し、押出成
形した厚み19mmの板の表面を、第一研削工程として一
定方向に粒度24番のベルトサンダー(菊川鉄工所製)
で表面から0.4mmの厚さを研削し、第2研削工程と
して同方向に粒度240番のベルトサンダーで0.2m
mの厚みを研削し、第3工程として同方向にブラシの毛
の太さがφ0.3mmのステンレスブラシを用いて表面
ブラッシングを行なって、木目模様の塗装用木材・熱可
塑性樹脂複合材の試験片を製造した。
【0053】なお、上記においてベルトサンダーの研削
速度は、800m/分であり、ワーク送り速度は、5m
/分とした。
【0054】得られた試験片にオイルステインを塗布し
たが、比較例1,2と比較して、第2研削工程で得た前
記平坦な表面9及び第1研削工程で得られた深い研削溝
7の上部角部qの表面の毛羽立ちがほとんど除去された
ことにより、塗装後は、上部角部q、平坦な表面9およ
び浅い研削溝7aの色は淡くなり艶が出て、深い研削溝
の輪郭は明瞭となりかつ深い研削溝7の奥部pは濃く着
色された結果、木目模様のコントラストが高くなりかつ
輪郭が明瞭となり、リアルで美しい木目模様になった。
また、第1研削工程の深い研削溝7と第3研削工程の浅
い研削溝7aの相乗効果により、深みのある木目模様が
得られた。また、艶出し透明ウレタンを塗布した結果、
最表面は天然木塗装に近い艶が出た。
【0055】[実施例2]実施例1において、第3工程
の後に、第4工程として綿布バフを用いて表面バフィン
グを行なったこと以外は、全く同様にして、木目模様の
塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の試験片を製造した。
【0056】得られた試験片にオイルステインを塗布し
たが、実施例1と比較して、第2研削工程で得られた前
記平坦な表面9及び第1研削工程で得られた深い研削溝
7の上部角部qの表面の小さい毛羽立ちがしっかりと除
去された。そのため、塗装後は上部角部q、平坦な表面
9および浅い研削溝7aの色はより淡くなり、より艶が
出て深い研削溝の輪郭は、明瞭になった。そして、研削
溝7の奥部pは、濃く着色したことにより、木目模様の
コントラストが高くなり、かつ輪郭は明瞭となり、リア
ルで美しい仕上がりになった。更に艶出し透明ウレタン
を塗布した結果、表面は更に天然木に近い艶が出た。
【0057】[実施例3]実施例1において、第3工程
の金属ブラッシングに代えて、綿布バフを用いて表面バ
フィングを行なったこと以外は、全く同様にして、木目
模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材の試験片を製造
した。
【0058】得られた試験片にオイルステインを塗布し
たが、実施例1、2と比較して、第2研削工程で得られ
た前記平坦な表面9及び第1研削工程で得られた深い研
削溝7の上部角部qの表面からなる頂上部の毛羽立ちが
ほとんど除去されたことにより、塗装後は、上部角部q
および平坦な表面9の色はより薄くなり艶が出て、深い
研削溝7の輪郭は明瞭化し、かつ深い研削溝7の奥部p
は濃く着色されたことにより、木目模様はよりコントラ
ストが高くなり、かつ輪郭は明瞭となり、リアルで美し
い仕上がりになった。
【0059】なお、第1研削工程だけで木目模様を得て
おり、実施例2のように金属ブラッシングとの相乗効果
がなかったので、実施例1、2と比較するとやや木目模
様に深みがないように感じられた。また、艶出し透明ウ
レタンを塗布した結果、表面は更に天然木に近い艶が出
た。
【0060】
【発明の効果】本願の木目模様の塗装用木材・熱可塑性
樹脂複合材に係る発明では、以上説明したように、木材
・熱可塑性樹脂複合材の表面に、研削砥粒の線状接触痕
からなる多数の研削溝を木目状に形成すると共に、隆条
の頂上部の毛羽立ちを除去してその部分の塗料のしみ込
みを抑制し、かつ研削溝の内側には塗料のしみ込みやす
い毛羽立ちを有する研削面を残したので、通常の全面均
一な塗装によって、濃淡のコントラストの高い木目模様
に着色され、極めて自然な木目らしい色調差および要所
に艶のある模様が形成されるという利点がある。
【0061】研削溝の表面粗さと、隆条の頂上部の表面
粗さを所定範囲とした塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材
は、上記した利点が特に顕著である。
【0062】また、上記の木材・熱可塑性樹脂複合材の
木目形成方法に係る発明では、前記の第1研削工程と、
第2研削工程の後、金属製ブラシ、より好ましくはバフ
を併用して毛羽立ちを完全に除去して塗料のしみ込みが
充分に抑制された隆条研磨面が形成され、かつ研削溝の
奥部には塗料が多量にしみ付きやすい毛羽立ちを残して
いるので、刷毛やスプレー等で塗料が塗布された際に極
めて木目らしい色調差および要所に艶のある模様が形成
され、また隆条の頂上部は表面に毛羽立ちが極めて少な
くなり、滑らかで触感があり、極めて木目らしい色調差
および表面に艶のある木目模様を木材・熱可塑性樹脂複
合材に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】木材・熱可塑性樹脂複合材のベルトサンダーへ
の取り付け状態の説明図
【図2】ベルトサンダーの概略説明図
【図3】第1研削工程後の木材・熱可塑性樹脂複合材の
断面図
【図4】(a)第2研削工程後の木材・熱可塑性樹脂複
合材の断面図 (b)第2研削工程後の木材・熱可塑性樹脂複合材の拡
大断面図
【図5】(a)金属ブラシで研磨した後の木材・熱可塑
性樹脂複合材の断面図 (b)同上の要部拡大断面図 (c)同上の要部拡大断面図
【図6】(a)バフで研磨した後の木材・熱可塑性樹脂
複合材の断面図 (b)同上の要部拡大断面図 (c)同上の要部拡大断面図
【図7】塗装後の木材・熱可塑性樹脂複合材の平面図
【符号の説明】
1 成形体 2 ローラ 3 ベルト 4 砥粒 5 コンベア 6 樹脂の豊富な層 7 深い研削溝 7a 浅い研削溝 8 隆条 8a 平坦に研削される前の頂上部 9 平坦な表面 10 大きい毛羽立ち 11 小さい毛羽立ち p 奥部 q 上部角部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27N 7/00 B44C 5/06 B44F 9/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材と熱可塑性樹脂の混合物を成形した
    木材・熱可塑性樹脂複合材の表面に、研削砥粒の線状接
    触痕からなる多数の研削溝を木目状に形成すると共に、
    これらの研削溝の間に形成された隆条の頂上部を研削お
    よび研磨し前記頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のしみ
    込みを抑制し、かつ研削溝の内側には毛羽立ちを有する
    研削面を残したものからなる木目模様の塗装用木材・熱
    可塑性樹脂複合材。
  2. 【請求項2】 毛羽立ちの除去された隆条の頂上部の表
    面粗さがRmax10〜40μmである請求項1記載の木目
    模様の塗装用木材・熱可塑性樹脂複合材。
  3. 【請求項3】 木材・熱可塑性樹脂複合材の成形体の表
    面に、粒度24〜60番(JIS R 6001または
    JIS R 6010)の砥粒を固定した研削シートを
    用いて多数の木目状の研削溝を形成する第1研削工程を
    行ない、次いでこの工程で形成される多数の研削溝間の
    隆条の頂上部を粒度100〜400番(JIS R 6
    001またはJIS R 6010)の砥粒を固定した
    研削シートで前記第1研削工程で形成された研削溝を完
    全に消さない程度に研削する第2の研削工程を行ない、
    その後、金属製ブラシもしくはバフまたは両者を用いて
    前記頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のしみ込みが抑制
    された研磨面を形成すると共に、研削溝の奥部には毛羽
    立ちを残すことからなる木目模様の塗装用木材・熱可塑
    性樹脂複合材の製造方法。
  4. 【請求項4】 木材・熱可塑性樹脂複合材の成形体の表
    面に、粒度24〜60番(JIS R 6001または
    JIS R 6010)の砥粒を固定した研削シートを
    用いて多数の木目状の研削溝を形成する第1研削工程を
    行ない、次いでこの工程で形成される多数の研削溝間の
    隆条の頂上部を粒度100〜400番(JIS R 6
    001またはJIS R 6010)の砥粒を固定した
    研削シートで前記第1研削工程で形成された研削溝を完
    全に消さない程度に研削する第2の研削工程を行ない、
    その後、金属製ブラシもしくはバフまたは両者を用いて
    前記頂上部の毛羽立ちを除去して塗料のしみ込みが抑制
    された研磨面を形成すると共に研削溝の奥部には毛羽立
    ちを残し、次いで塗装することからなる木材・熱可塑性
    樹脂複合材の木目模様形成方法。
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