JP5253002B2 - スピーカ付きヘッドレスト - Google Patents

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Description

本発明は車両等のシートバック上端に取付けられるヘッドレストのなかで、スピーカが装着されたスピーカ付きヘッドレストに関する。
自動車などのシートバック上端にはヘッドレストが取り付けられている。そのなかに、音楽等を聴くことのできるスピーカを備えたスピーカ付きヘッドレストの提案がある(例えば特許文献1,2)。
特開2001−112572公報 特開2005−58287公報
しかるに、特許文献1,2の開示発明は次のような問題があった。特許文献1の開示発明は、ヘッドレストの側部前面にスピーカが接するように取付けられており(特許文献1の図1)、ヘッドレストに必要な快適性が損なわれる虞があった。乗員の頭部が側部に傾いてスピーカに触れた時、ヘッドレスト本来のクッション性に富む感触と違い、乗員に違和感を与えた。
一方、特許文献2の開示発明のごとくスピーカを含めた側部全体をウレタンパッドで覆うと、全体にわたってクッション性に富む快適なヘッドレストになるが、スピーカから発する音の透過性が悪くなった。すなわち、スピーカの性能が低下する傾向にあった。これを解消すべく、スピーカの前方のウレタンパッドにパッド孔を設けることも考えられる。しかし、そうするとまた新たな問題を招いた。スピーカ付きヘッドレストは、一般にヘッドレスト本体とスピーカが組み込まれた両側部とに三分割され、バタフライ機構でつながっている。バタフライ機構によってヘッドレスト枕部の両側部が図9の中黒矢印の動き(バタフライ動作)をみせるヘッドレストは、音楽等を聴く際、手を使って両側部を屈曲させることになるが、手がパッド孔50に入り込み易かった。そして、手がパッド孔50に入り込むと、図10(イ)から同図(ロ)へと表皮8が落ち込み易かった。特に、バタフライ機構作動時、親指を弱い箇所、すなわちパッド孔50がある表皮部分に当てる動作になるため、その部分の表皮8が落ち込み易かった。しかも、落ち込みでできた凹みDPは、回復困難で品質低下を招いた。
本発明は、上記問題点を解決するもので、ヘッドレストに求められる快適性、さらにスピーカ性能を保持しながら、パッド孔の部位に手を当てて両側部を屈曲させた場合でも凹みを残すことなく、品質安定に貢献するスピーカ付きヘッドレストを提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、ヘッドレストにスピーカを備えたスピーカ付きヘッドレストであって、上記スピーカの前方位置に開口を形成した芯材が配設され、且つ該開口にパッド孔が一致して該芯材の前面に被着されるパッド部材を介在させて、板部に複数の通孔が形成された孔開き部分を有するプレートが、その孔開き部分で上記パッド孔の前面を覆うようにして取付けられ、且つ前記プレートの前面に、盤状の三次元網目状体がさらに被着されることを特徴とするスピーカ付きヘッドレストにある。ここで、「該開口にパッド孔が一致」は、両者の大きさを等しくさせることまでは要せず、開口とパッド孔とが重なり合って、該開口から該パッド孔へ通り抜けできれば「該開口にパッド孔が一致」するとみなす。
請求項2の発明たるスピーカ付きヘッドレストは、請求項1で、プレートの端部が前記パッド部材に埋設され、且つ該プレートの端部と前記芯材との間に前記パッド部材を介在させてなることを特徴とする。
請求項3の発明たるスピーカ付きヘッドレストは、ヘッドレストにスピーカを備えたスピーカ付きヘッドレストであって、上記スピーカの前方位置に開口を形成した芯材が配設され、且つ該開口にパッド孔が一致して該芯材の前面に被着されるパッド部材を介在させて、板部に複数の通孔が形成された孔開き部分を有するプレートが、その孔開き部分で上記パッド孔の前面を覆うようにして取付けられ、さらに該プレートの端部が前記パッド部材に埋設され、且つ該プレートの端部と前記芯材との間に前記パッド部材を介在させてなることを特徴とする。
請求項1の発明のごとく、スピーカの前方位置に開口,パッド孔,孔開き部分が設けられると、スピーカ音の通りが良くなり、音質が低下しない。その一方で、開口にパッド孔が一致して、芯材の前面に被着されるパッド部材を介在させて、孔開き部分を有するプレートが、その孔開き部分でパッド孔の前面を覆うようにして取付けられると、この孔開き部分の箇所を手で掴んでヘッドレスト枕部の両側部を屈曲しても、プレートの剛性によって、パッド孔内への指の落ち込みが軽減される。また、その落ち込みでできる凹みもプレート,パッド部材が弾性変形したものであり、手をそこから離せば該凹みも復元し元通りになる。凹みは消失する。そして、手で掴んだ感触もパッド部材を介在させてプレートが取付けられているので、該パッド部材のクッション性が生かされ、プレートの箇所とプレートのない他の箇所と殆ど変わらない。プレートの前面に、盤状の三次元網目状体がさらに被着されると、三次元網目状体に弾力性があるので、そのソフトな感触で剛性のあるプレートの感触が弱められ、孔開き部分の箇所を手で掴んでも、他と違わない一層良好な感触が得られる。そして、プレートの前面に三次元網目状体が被着されても、該三次元網目状体は空隙率が高いのでスピーカ音質を低下させることがない。
請求項2,3の発明のごとく、プレートの端部がパッド部材に埋設されると、プレートがパッド部材に固定され、押圧力等によってずれることが防止される。さらに、パッド部材に埋設されたプレートの端部と芯材との間に該パッド部材が介在するので、スピーカの前方部でも他部と同様のクッション性を確保できる。
本発明のスピーカ付きヘッドレストは、ヘッドレストに求められる快適性、スピーカ性能を保持するだけでなく、ヘッドレスト枕部の両側部をバタフライ動作で屈曲させる際、スピーカ前方の孔開き部分上を手で押さえて凹む落ち込み量が側部の他の部分を手で押さえる時とほぼ同じになり、また、その押える動作で感じる感触も良好であり、さらに一旦凹んだ凹みもそこから手を離せば回復して凹みを残すことがないなど優れた効果を発揮する。
以下、本発明に係るスピーカ付きヘッドレストの実施形態について詳述する。図1〜図9は本発明のスピーカ付きヘッドレストの一形態を示したもので、図1はその分解斜視図、図2は図1のスピーカ付きヘッドレストの横断面図で、パッド孔の位置より若干上方位置での要部横断面図である。図3はスピーカが取付けられた位置での要部横断面図、図4は(イ)が樹脂プレートの斜視図、(ロ)が(イ)のIV-IV線断面図である。図5は本発明のスピーカ付きヘッドレストの側部を屈曲させる姿態の斜視図、図6は(イ)が図5のV-V線断面図、(ロ)が図5のVI-VI線断面図である。図7は図6(イ)でプレートがない場合の対比断面図である。図8は図6(イ)でプレートをなしにし、さらにパッド孔の前面にまで芯材を張り出した場合の対比断面図、図9はスピーカ付きヘッドレストの動作説明斜視図である。尚、図2はプレート6,三次元網目状体71,表皮8の図示を省略する。
スピーカ付きヘッドレストは、車両用で、基材1とスピーカ2と芯材3とパッド部材5とプレート6と三次元網目状体71と表皮8とを具備する。
基材1は剛性のある樹脂成形品で、ヘッドレストの枕部Mの骨格部分となる(図2,図5)。シートバック上端にステー脚部91を挿着して、図5の起立状態でスピーカ付きヘッドレストが取付けられるが、基材1はステー9の上部に固定される。本実施形態の基材1は、前面開放の椀形状の基部1aと、その両側部分にスピーカ用収容室10が確保できるよう、基部1aの両側壁から内方へ所定距離入った箇所に設けられる一対の板状仕切部1bとを備える。両仕切部1bは図2のような断面形状で立設する。両仕切部1bは、基部1aの後壁内面から該基部の側壁と略並行に保って前方へ張出し、その後、基部1aの前面開放口の手前で両側壁へ向けて平面視「く」の字状に屈曲する。ここで、図5の方位で示すように、本発明の「前方」とは車両が進行する「前」方向で、「後方」はその逆方向をいい、また「下方」は重力の「下」方向で、「上方」はその反対「上」方向をいう。また、車両進行方向を背にして車両後方に目を向けた際の左手方向が「左方」で、右手方向を「右方」という。
かくのごとく、基部1aと仕切部1bで囲まれた基材1の左右両側に収容室10が設けられ、両収容室10のそれぞれの下半部にスピーカ2が配設される(図3)。
スピーカ2はカーステーレオ用スピーカ2で、公知品である。図3の符号20はスピーカ2の音発生源(発振源)を示す。スピーカ2の前方にあたる上記仕切部1bの部分は、図3のごとく、くり抜かれて欠損部分になっている。該欠損部分の周縁等を利用してスピーカ2が取着される。該スピーカ2、該欠損部分の前方に芯材3の副パネル3bが配設される。
芯材3は主パネル3aとこの両側に設けられる副パネル3bとを備える樹脂製板状体である(図1)。芯材3は起立して、椀形状をなす上記基部1aの前面開放口を塞ぐように配され、且つ副パネル3bが空間Sを介してスピーカ2の前方に配される。乗員頭部の背後に位置する主パネル3aは図2のごとく平板状とするが、左右の副パネル3bは、それぞれ主パネル3aから基材基部1aの前端を包み込むように屈曲して基部1aの左右側壁の後方へと延びる。副パネル3bが基部1aの側壁外面に近接状態を保って基部側壁と重なる部分をつくる。両副パネル3bの端部33には表皮8を止めるためのクリップCPが取着され、スピーカ2の前方の両副パネル3bの部分には、スピーカ音の通り抜け用開口35が形成される(図3)。
主パネル3aは基材基部1aに固定されるが、主パネル3aの左右に配する副パネル3bはバタフライ機構(ヒンジ機構)によって主パネル3aに対し回動可能なるよう取付けられる。図1のごとく、主パネル3aからの張出部30と副パネル3bからの張出部31が軸状連結部材4を巻き込んでヒンジ機構を形成する。スピーカ2を利用しない時は、副パネル3bが主パネル3aと平面視で略横一線に並び、スピーカ2なしの汎用ヘッドレストと同形状の図5の姿態が保てる一方、該ヒンジ機構を有することで図2の鎖線のごとく主パネル3aに対し副パネル3bを回動可能にする。基材1に固定される主パネル3aと違い、左右の副パネル3bは、図9の中黒矢印に示す方向へ一定以上の力を加えたところで、連結部材4を中心軸にして回動するよう調整される。そして、副パネル3bの回動に伴い、副パネル3bの前面に被着されるパッド部材5の副部5bも一体的に回動する。
パッド部材5は芯材3の前面に被着されるクッション性に富むウレタンパッド等の発泡樹脂成形品である。パッド部材5は、ヘッドレストに求められる快適性が保てる厚みを有し、図1のごとく少なくとも芯材3の前面部をカバーできる形状になっている。ここでのパッド部材5は、主部5aを中央に配し、つなぎ部5cを介してその両側に副部5bを延設する。主部5aは裏面が主パネル3aの前面に当接し、副部5bは裏面が副パネル3bの前面に当接する。つなぎ部5cはパッド部材5の上端から下端へ向けて縦長の凹所を前面側に形成して(図2)、連結部材4のあるヒンジ機構の部位に配される。主パネル3aに対し副パネル3bが図2の鎖線のごとく回動すると、副部5bも一緒に回動するが、つなぎ部5cを凹ませることでその動きを円滑にする。
パッド部材5の両副部5bには、それぞれ図1,図3に示すようなパッド孔50が設けられる。該パッド孔50を上記開口35に一致させて、芯材3の前面にパッド部材5が被着される。パッド孔50は芯材3の開口35と同等又は若干大きめに造られる。なお、パッド孔50を開口35に一致させるとは、パッド孔50と開口35が連続し、開口35からパッド孔50へ通り抜ける導通孔ができればよく、パッド孔50と開口35の輪郭が完全に一致しなくてもよい。該パッド孔は、その前面がプレート6、詳しくはその孔開き部分60で覆われる。
プレート6は板部6aに複数の通孔60aが形成された孔開き部分60を有する板状体である。本実施形態のプレート6は、図4のようなソリッドの樹脂成形品で、略四角形の平らな板部6aと、この外周縁から直角方向に屈曲して延設される鍔部6bとを備える。板部6aから鍔部6bとの角部は法規制クリアのため、また補強効果のため、図示のごとくアール形状が施されている。板部6aの面には略円形の孔開き部分60が形成される。孔開き部分60は縦横に走る格子状リブ60bで小さな通孔60aが複数形成された格子状態になっている。板部の開口率は65%以上とする。孔開き部分60の板面大きさは、図1,図3のごとくパッド孔50の大きさと同等又は若干大き目とする。プレート6は該孔開き部分で上記パッド孔50の前面を覆うようにしてパッド部材5に取付けられる。該プレート6でパッド孔50に蓋をする格好になる。そのため、図9のように指でパッド孔50へ向けて押さえても、指がプレート6に当たってパッド孔50内に入り込むのを阻止する。指が当たったプレート6は、パッド部材5上に載っているので、パッド部材5を弾性変形させながらゆっくりと沈む。パッド部材5がクッション層になっている。指を外すと、パッド部材5が弾性復元し、プレート6が元の位置へ戻る。該パッド部材5の弾性復元する様子は、指でパッド部材5の箇所を直接押したときと同じような動きになる。
本スピーカ付きヘッドレストは、プレート6を直接芯材3に当接させない。本プレート6と芯材3との間にパッド部材5を配設することを必須とする。パッド部材5を設けることによって、上述したクッション性と、振動を吸収するダンパー効果を得ることができる。
ヘッドレストの組立てで、プレート6はパッド部材5へ後付け固定できる。これに代え、図3のようにパッド部材5の成形時にインサート成形でプレート6をパッド部材5に一体化させプレート6の鍔部6bがパッド部材5に埋設され、更に鍔部6bの端部6cと副パネル3bとに間に該パッド部材5を介在させることもできる。
本発明では、該プレート6の前面にさらに三次元網目状体71が被着される(図1)。
三次元網目状体71は素線で三次元網目状に立体形成された空隙率の高い盤状部材である。三次元網目状体71は空隙率が高く、スピーカ2の音の通りが良好である。該三次元網目状体の盤状形成によって、また弾力性,フィット性が生まれる。ここでの三次元網目状体71は図1のごとくパッド部材5に係る副部5bの前面大きさに合わせた四角形盤とする。三次元網目状体71には、例えば旭化成せんい株式会社製商品名「フュージョン」(登録商標)の立体構造編物が用いられる。
パッド部材5の副部5bに設けたパッド孔50を覆うようにプレート6が被着され、さらにプレート6の前面及びその周りの副部5bの前面に盤状の三次元網目状体71が被着される。該三次元網目状体がパッド部材5の副部5bに被着される一方、パッド部材5の主部5aには三次元網目状体71の厚みに合わせた盤状のウレタンスラブ材72が被着される(図1)。その後、表皮8を覆着してスピーカ付きヘッドレストの組付けが完成するが、表皮8を被せて出来るヘッドレストの枕部Mの全体形状をなだらかに且つ一様に整えるためである。
上記表皮8は、上記基材1、スピーカ2、芯材3、パット部材、プレート6、三次元網目状体71、ウレタンスラブ材72を組付け、枕形状にした組立品の外形に沿うと共に、この組立品に上から被せることができるよう一部分が開放した袋状体とする(図1)。ここでの袋状表皮8は中央部8aと側部8bと接続部8cと上部8dと後部8eとを備え、該組立品の全表面をほぼ覆う枕形状に造られる。図1のごとく、上記組立品の三次元網目状体71の前面に側部8bが配され、ウレタンスラブ材72の前面に中央部8aが配され、中央部8aと側部8bをつなぐ接続部8cが上記パッド部材5のつなぎ部5cの前方に配される。そうして、主パネル3aに対し副パネル3bが図2の鎖線のごとく回動すると、パッド部材5の副部5b、プレート6、三次元網目状体71、さらに表皮8の側部8bも一体的に追動できるようになっている。
表皮8の側部8bには図示のごとく複数の透孔80が設けられる。基材1、芯材3、パット部材5,プレート6等が組付けられた上記組立品に表皮8が被せられると、該透孔がスピーカ2、プレート6の孔開き部分60の前方位置に配される。
かくのごとくして、スピーカ音は上記欠損部分、芯材3の開口35、パッド孔50、プレート6の孔開き部分60、三次元網目状体71、表皮8の透孔80を通って乗員に直接伝わる。図3のごとく、芯材3の開口35、パッド孔50、及びプレート6の孔開き部分60が、スピーカ2から発する音の有効エリアθ(例えば30°)を阻害,制限しない大きさに形成される。収容室10にスピーカ2を配して、基材1に芯材3を取付け、該芯材に上記パッド部材5,上記プレート6,上記三次元網目状体71,表皮8が被着された本スピーカ付きヘッドレストは、実際の使用で次のような作用を及ぼす。
スピーカ2を用いない図5の状態から、音楽等を聴く場合、乗員はスピーカ2が在る表皮側部8bに手HDをかけ、主パネル3aに対し図9の矢印方向へ力を入れて平面視「ハ」字状にする。
ここで、左側の表皮側部8bで、その下半部分を手で掴んで曲げるケースについて説明する。表皮側部8bの透孔80がある下半部分に親指を当て、残りの指が表皮8の後部8eへ回り込むようにして手HDで側部8bをつかむ。その後、連結部材4を中心軸にして手前に引き寄せ回転させる力(荷重)を加える。この力が加わった時の図5のV-V線断面図では、図3の状態から図6(イ)のように変化する。親指の力が表皮8を介して三次元網目状体71,プレート6,パッド部材5を弾性変形させて凹みDPをつくる。中黒矢印はその凹みDPの落ち込み量を示す。親指に力を入れると、クッション性に富むパッド部材5によって柔らかく沈む。パッド部材5がプレート6の背面を受け止めているので、他の表皮側部8b、例えば図5の枕部Mの上半部分に手をおき、力を加えた時と同様に凹む。さらに、プレート6の前面及び副部5bの前面に三次元網目状体71が載置されるため、表皮側部8bの上半部分に親指を当て、ヘッドレストに力を入れた時の手HDに伝わる感触と略同じになる。加えて、表皮側部8bの上半部分に力を加えた図5のVI-VI線断面図は図6(ロ)のようになるが、中黒矢印で示す凹みDPの落ち込み量も、図6(イ)と図6(ロ)とで殆ど差がない。
そして、表皮側部8bを所定角度に曲げた後、親指を取り除けば、パッド部材5,プレート6,三次元網目状体71が弾性復元し、凹みDPが消えて元の状態になる。左側の表皮側部8bで説明したが、右側の表皮側部8bでも同様の作用が働く。
このように構成したスピーカ付きヘッドレストは、特許文献1のようにスピーカ2が側部8bの前面に接するのでなく、スピーカ2の前方がパッド孔50を介してプレート6,三次元網目状体71に覆われるので、パッド部材5のクッション性が機能し、ヘッドレストに求められる快適性だけでなく、手でつかんだときの感触を良好にする。枕部Mの調整後、そこから手を離せば、パット部材5,プレート6,三次元網目状体71が弾性復帰し、表皮8の凹んだ箇所が元に戻る。また、スピーカ2の前方部位をパッド部材5そのもので覆う特許文献2と違って、スピーカ2の前方に位置する芯材3,パッド部材5には、開口35,パッド孔50が配されるので、スピーカ音が乗員の耳にストレートに届き、スピーカ性能を低下させることがない。
そして、本スピーカ付きヘッドレストでは、開口35、パッド孔50を設けても、プレート6、さらに三次元網目状体71を配設することで、品質保持が図られる。
音楽等を聴く場合、スピーカ2が内在する表皮側部8bを手HDで掴んで回すいわゆるバタフライ動作になるが、表皮側部8bを掴んだその手HDの感触は、表皮側部のどこを掴んでも略同じになる。スピーカ2の前方で、表皮8の透孔80の内面側に孔開き部分60、パッド孔50、さらに開口35が存在していても、その部分と他の表皮箇所とを手HDで掴んだ時の両感触に差がなく、殆ど同じである。品質維持が図られる。
図9の従来技術は、落ち込んでできた凹みDPがそのまま残ってしまい、見栄えを悪くした。また、図7は本プレート6をなしにした図6(イ)に対応する断面図であるが、そうすると、三次元網目状体71が指の力でパッド孔50内へ大きく入り込んでしまう。中黒矢印で示す凹みDPの落ち込み量が大きく、乗員が違和感を憶える。また、三次元網目状体71が専ら変形し、パッド部材5がさほど変形しないので、表皮側部8bの上半部分等の他の部分を手HDで掴んだ時と違った違和感を乗員に与える。さらに、落ち込み量が大きい分、手HDが離れても表皮8が元に戻らない虞もある。
また、図7の中黒矢印で示す凹みDPの落ち込み量を減らす解決策として、図8のようにすることも考えられる。図8は図6(イ)に対応する断面図で、芯材3の開口周縁に隆起部38を延設し、さらに開孔前面部分37を延設し、プレート6に代わる該開孔前面部分で開口35を塞ぐ対策案である。該開孔前面部分には複数の開孔371が形成される。しかるに、図8のスピーカ付きヘッドレストの構成では、図7の中黒矢印で示す凹みDPの落ち込み量の問題は解決するものの、表皮側部8bを掴んだ時の手HDの感触が悪くなる。図9のように表皮側部8bで、その下半部分を掴んで曲げると、表皮8,三次元網目状体71を経由して剛性のある芯材3の開孔前面部分37にすぐに突き当たるので、異質な物に触った感じになる。開孔前面部分37は本スピーカ付きヘッドレストのようにクッション性に富むパッド部材5上に載置されてないので、開孔前面部分37が在る表皮側部8bでは、表皮8の他の部分を掴んだときに生じる柔らかな感触と違って、異質な硬いものに触れた感じになる。品質上問題となり、本発明のような上記効果は期待できない。
かくのごとく、本スピーカ付きヘッドレストは、ヘッドレストに求められる快適性、スピーカ性能をそのまま備え、且つスピーカ2の使用で、パッド孔50が在る部位の表皮側部8bを手HDで掴んで屈曲させるバタフライ動作の際に、図9(ロ)のような凹みDPを残さず、さらにヘッドレスト表皮8の側部8bのどこを手HDで掴んでも感触がほぼ同じで良好であるなど、品質上極めて優れたものとなっている。
尚、本発明においては、上記実施例に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。基材1,スピーカ2,芯材3,連結部材4,パッド部材5,プレート6,三次元網目状体71,表皮8等の形状,大きさ,個数などは用途に応じて適宜選択できる。
本発明のスピーカ付きヘッドレストの一形態で、その分解斜視図である。 図1のスピーカ付きヘッドレストの横断面図で、パッド孔の位置より若干上方位置での要部横断面図である。 スピーカが取付けられた位置での要部横断面図である。 (イ)が樹脂プレートの斜視図、(ロ)が(イ)のIV-IV線断面図である。 本発明のスピーカ付きヘッドレストの側部を屈曲させる姿態の斜視図である。 (イ)が図5のV-V線断面図、(ロ)が図5のVI-VI線断面図である。 図6(イ)でプレートがない場合の対比断面図である。 図6(イ)でプレートをなしにし、さらにパッド孔の前面にまで芯材を張り出した場合の対比断面図である。 スピーカ付きヘッドレストの動作説明斜視図である。 従来技術の説明断面図である。
符号の説明
2 スピーカ
3 芯材
35 開口
5 パッド部材
50 パッド孔
6 プレート
60 孔開き部分
60a 通孔
60c プレートの端部
71 三次元網目状体

Claims (3)

  1. ヘッドレストにスピーカを備えたスピーカ付きヘッドレストであって、
    上記スピーカの前方位置に開口を形成した芯材が配設され、且つ該開口にパッド孔が一致して該芯材の前面に被着されるパッド部材を介在させて、板部に複数の通孔が形成された孔開き部分を有するプレートが、その孔開き部分で上記パッド孔の前面を覆うようにして取付けられ、且つ前記プレートの前面に、盤状の三次元網目状体がさらに被着されることを特徴とするスピーカ付きヘッドレスト。
  2. 前記プレートの端部が前記パッド部材に埋設され、且つ該プレートの端部と前記芯材との間に前記パッド部材を介在させてなる請求項1記載のスピーカ付きヘッドレスト。
  3. ヘッドレストにスピーカを備えたスピーカ付きヘッドレストであって、
    上記スピーカの前方位置に開口を形成した芯材が配設され、且つ該開口にパッド孔が一致して該芯材の前面に被着されるパッド部材を介在させて、板部に複数の通孔が形成された孔開き部分を有するプレートが、その孔開き部分で上記パッド孔の前面を覆うようにして取付けられ、さらに該プレートの端部が前記パッド部材に埋設され、且つ該プレートの端部と前記芯材との間に前記パッド部材を介在させてなることを特徴とするスピーカ付きヘッドレスト。
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