JP3841728B2 - ハンマーおよび鍵盤装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子鍵盤楽器の鍵盤装置に備えられるハンマーなどに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子鍵盤楽器の鍵の動作に連動して回動(両方向に回転する意。以下同様。)可能に支持されたハンマーが知られている。
このようなハンマーは、押鍵された鍵を復帰させるためのものであり、中には例えば実開平5−90585号公報にて開示された電子鍵盤楽器の鍵盤装置に備えられたハンマーのように、その軸支されたところの両側それぞれに錘が取り付けられたものがある。
【0003】
具体的には、このような電子鍵盤楽器の鍵盤装置は、図6に示すように、電子鍵盤楽器の鍵盤フレーム102の支点102aに支持されて回動する鍵101に回動自在に設けたジャック109と、ジャック109に当接して鍵101の回動に抗力を与えるハンマー108とを備え、さらに鍵盤フレーム102にハンマー108の中間部を支点106にて回動自在に軸支し、この軸支したところとジャック109との間に弾性部材110を張設し、軸支したところを挟んでハンマー108の両側にそれぞれ錘107a,107bを設けた構成となっている。
【0004】
このように構成された電子鍵盤楽器の鍵盤装置においては、鍵101を押し下げると鍵101に押されてジャック109も下動する。ジャック109の下動が進むと、ジャック109がハンマー108に当接してこれを回動させる。その状態からジャック109の下動がさらに進むと適当な位置に用意された固定部材115に当接してジャック109が回動し、鍵101とハンマー108の連係が断たれる。そして鍵101は鍵盤フレーム102に当接する下限に達する。これにより演奏者は押鍵中、抵抗感と非抵抗感を受け、アコースティックピアノの鍵タッチが得られる。鍵101は主に弾性部材110の弾力による補助復帰力により初期位置に復帰して次の押鍵に備える。
【0005】
上述のようにハンマー108は、支点106に軸支されたところを中心にして回動するが、ハンマー108には、この軸支されたところを挟んで両側にそれぞれ錘107a,107bが設けられているので、ハンマー108の質量が大きくても鍵101の比較的小さい押鍵力で回動し、鍵101の行き荷重がその戻り荷重に対して小さくなり、荷重のバランスが向上する。また、ハンマー108の両側の錘107a,107bの重量配分を変えることで、簡単にそのバランス調整を行なえ、ハンマー108の質量が弾性部材110の荷重に比べてはるかに小さくても十分な等価質量が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなハンマーには、上述のように、軸支したところを挟んだその両側に錘がそれぞれ設けられていたため、その分部品点数が増えることにより製造工数および製造コストが多かった。
【0007】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、その部品点数の削減により製造工数および製造コストを削減できるハンマー等を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するために、請求項1のハンマーは、電子鍵盤楽器の鍵(3:この欄においては、発明への理解の容易化のため、必要に応じて実施の形態中で用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)の動作に連動して回動可能に支持されたハンマー本体(25)と、前記鍵を押し下げる際にその動作に連動して回転する前記ハンマー本体の回転を助長するように前記ハンマー本体に重量を付与する第一の質量部(25a)と、前記鍵を押し下げる際にその動作に連動して回転する前記ハンマー本体の回転を抑止するように前記ハンマー本体に重量を付与する第二の質量部(25b)とを備えるハンマー(4)であって、前記第一の質量部および前記第二の質量部が一体に構成され、前記ハンマー本体または一体に形成された前記第一の質量部および前記第二の質量部の何れか一方には他方が固定される際に位置決めするための位置決め用突起(54)が形成されるとともに他方には前記位置決め用突起に係合可能な位置決め用凹部(56)が形成されているか、または、前記第一の質量部若しくは前記第二の質量部の何れか一方が前記ハンマー本体に一体に構成され、前記ハンマー本体または前記第一の質量部若しくは前記第二の質量部のうち前記ハンマーとは一体に構成されていない方の何れか一方には他方が固定される際に位置決めするための位置決め用突起が形成されるとともに他方には前記位置決め用突起に係合可能な位置決め用凹部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
従来は、図6を参照して説明したようにハンマー108は、支点106に軸支されたところを挟んで両側にそれぞれ別体である錘107a,107bを設けた構成であった。
それに対して、本請求項1のハンマー(4)においては、図2に例示するように第一の質量部および第二の質量部を一体に構成するか、または図4(a)、(b)に例示するように第一の質量部若しくは第二の質量部の何れか一方をハンマー本体に一体に構成したので、その部品点数の削減により製造工数および製造コストを削減できる。
【0010】
また、従来のハンマー108の場合と同様に、演奏者は押鍵中、本請求項のハンマーより抵抗感と非抵抗感を受け、アコースティックピアノの鍵タッチが得られる。
さらに、第一の質量部の重さや第二の質量部の重さを調整することにより鍵のタッチ感を自由に設定可能となり、鍵盤装置(1)の設計の自由度が増す。
【0011】
また、高音側の鍵に用いるハンマーと低音側の鍵に用いるハンマーとでは動荷重を変化させる必要があるが、このような構成によれば、高音用と低音用とで第一の質量部や第二の質量部を異なった形状にしてその重量を変化させることにより対応できる。
【0012】
なお、請求項2のように、ハンマー本体およびハンマー本体に一体に構成された場合の第一の質量部若しくは第二の質量部の材質の具体例としては樹脂が挙げられ、ハンマー本体とは別体に構成された場合の第一の質量部若しくは第二の質量部の材質の具体例としては、樹脂よりも比重が高い金属が挙げられる。
【0013】
この場合、例えば図5(a)、(b)に示すように、第一の質量部を、向かい合う2枚の第一の側板と、2枚の第一の側板を連結する第一の連結板とからなる断面コの字形に構成し、2枚の第一の側板をハンマー本体の両側にそれぞれ位置させ、且つ第一の連結板をハンマー本体の上方または下方に位置させると共に、第二の質量部を、向かい合う2枚の第二の側板と、2枚の第二の側板を連結する第二の連結板とからなる断面コの字形に構成し、2枚の第二の側板を、ハンマー本体の両側にそれぞれ位置させ、且つ第二の連結板を、ハンマー本体の上方または下方に位置させるとよい(請求項3)。
【0014】
このような構成によれば、第一の質量部および第二の質量部の重量がハンマー本体の両側に対して均等に付与されるので、ハンマーが回動する際の左右のバランスがよくなりスムーズに回動させることができる
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0016】
図1は、実施例の電子鍵盤楽器の鍵盤装置1を示す側断面図である。なお、以降、鍵盤装置1において、演奏者が演奏する側(図1で左側)を「前部」とし、演奏者が演奏する側の反対側(図1では右側)を「後部」とし、演奏者側から見た鍵盤装置1の右側、左側をそれぞれ「右部」、「左部」とする。
【0017】
この図1に示す鍵盤装置1は、電子ピアノなど電子鍵盤楽器の前部に設置される88鍵用のものであり、シャーシ2と、シャーシ2の後端部に回動自在に取り付けられた白鍵および黒鍵から成る88個の鍵3(図1には1個の白鍵のみ図示)と、鍵3ごとにシャーシ2の中央部に回動自在に取り付けられた複数のハンマー4(図1に1個のみ図示)などを備えている。
【0018】
[シャーシ2の構造]
このうちシャーシ2は、中央の6個の中間シャーシ(図示せず)と、最低音部用シャーシ(図示せず)と、最高音部用シャーシ(図示せず)の、計8個のシャーシにより分割構成され、左右方向に並んだ状態で図示しない棚板に支持されている。これら計8個のシャーシ2は、左右方向に延びる4本の連結バー6a,6b,6c,6dにねじ7で固定され、各連結バー6a,6b,6c,6d上に左右方向に並んだ状態で連結されている。これら各連結バー6a,6b,6c,6dは、シャーシ2の左右方向の全体に渡る細長い1本のアングル状のものであり、例えば鋼板の曲げ加工によって形成されている。また、前後方向に延びる補強用のリブ8がオクターブごとに配置され(図1に1個のみ図示)、連結バー6a,6d間にねじ9で固定されている。このリブ8は、例えば1枚の鋼板を金型を用いて曲げプレス加工することにより形成されている。以上のように4本の連結バー6a,6b,6c,6dで連結され、リブ8で補強されたシャーシ2は、前後の連結バー6a,6dを介して、ねじなどで図示しない棚板に固定されている。
【0019】
また、このシャーシ2は、鍵3ごとに次のように構成されている。すなわち、シャーシ2の後端部には、鍵3を支持する鍵用軸穴11,11が設けられている。またシャーシ2の中央部にはハンマー4を支持するハンマー用軸穴12,12が設けられている。さらに、シャーシ2の前部およびハンマー用軸穴12,12の前後には、回動時のハンマー4が通過する第1〜第3ハンマー通過孔13a〜13cが設けられている。また、第1ハンマー通過孔13aの後ろ側には、後述する鍵3のストッパ部14が通過する鍵通過孔15が設けられている。
【0020】
さらに、シャーシ2には、第1ハンマー通過孔13aの前側で各白鍵に相当する位置に白鍵用ガイド16aが、鍵通過孔15の後ろ側で各黒鍵に相当する位置に黒鍵用ガイド16bが、それぞれ立設されている。
また、シャーシ2には、鍵3およびハンマー4の回動を規制するために、鍵下限ストッパ17、ハンマー過回動防止ストッパ18、ハンマー下限ストッパ19およびハンマー上限ストッパ20が設けられている。鍵下限ストッパ17およびハンマー過回動防止ストッパ18は、鍵通過孔15と黒鍵用ガイド16bの間の同じ位置に、シャーシ2を挟むようにしてシャーシ2の上面および下面にそれぞれ取り付けられている。また、ハンマー下限ストッパ19は、前側の連結バー6の下端部に取り付けられ、ハンマー上限ストッパ20は、白鍵用ガイド16aの後ろ側に位置して、シャーシ2の下面に取り付けられている。これらのストッパ17〜20はいずれも、シャーシ2の左右方向の全体に渡る1本の帯状の緩衝材、例えば、表面にフェルトを貼り付けた発泡ウレタンなどで構成されている。
【0021】
また、シャーシ2のハンマー用軸穴12,12の後ろ側には、鍵3の押鍵情報を検出するための鍵スイッチ21が設けられている。この鍵スイッチ21は、シャーシ2にねじ止めされたプリント基板21aと、その上面に設けられたスイッチ本体21bとを備えている。このスイッチ本体21bは、シャーシ2の第3ハンマー通過孔13cに下方から臨んでおり、プリント基板21aを介して、電子ピアノの発音を制御する制御装置(図示せず)に接続されている。
【0022】
[鍵3の構造]
さて、上述のようにシャーシ2の後端部に回動自在に取り付けられた鍵3は、例えばABS樹脂の射出成形品で構成されており、両側壁3c,3c(図1に一方のみ図示)と天壁3dから成り、底面が開放した逆U字形の断面を有している。この鍵3の両側壁3c,3cの後端部それぞれには、鍵3の内側に向けて突出する突起23,23が設けられており、これらの突起23,23がシャーシ2の後端部の鍵用軸穴11,11にそれぞれ係合することによって、鍵3がシャーシ2に回動自在に支持されている。また、鍵3には、その両側壁3c,3cの前部それぞれから下方に延びるフック状のストッパ部14,14が設けられている。さらに、鍵3の下面にはアクチュエータ部29が設けられている。
【0023】
[ハンマー4の構造]
一方、上述のようにシャーシ2の中央部に回動自在に取り付けられたハンマー4は、鍵3の回動に対して抗力を与えるものであり、前後方向に延びるハンマー本体25と、ハンマー本体25の片側(図1ではハンマー本体25の右側)に取り付けられた質量体としての質量板26とで構成されている。
【0024】
このうちハンマー本体25は、図2に示すように板状であり、且つABS樹脂の射出成形品などで構成されている。また、ハンマー本体25の後端部には、両側方に向けて突出するピン状の突起27,27が設けられている。これら突起27,27それぞれは、シャーシ2のハンマー用軸穴12,12(図1参照)に係合しており、このことによりハンマー4がシャーシ2に回動自在に支持されている。
【0025】
また、ハンマー本体25の突起27,27よりも後ろ側の部分は、スイッチ押圧部28になっており、このスイッチ押圧部28は、シャーシ2の第3ハンマー通過孔13cに臨み、鍵スイッチ21のスイッチ本体21bに上方から対向するとともに、鍵3のアクチュエータ部29に下方から当接している。
【0026】
さらに、ハンマー本体25は、その中央部25aがシャーシ2の第2ハンマー通過孔13bを上下に横切っている。そしてこの中央部25aの先端からはシャーシ2の下側を突起27,27の前方まで延びる前腕部25bおよびシャーシ2の下側を突起27,27の後方まで延びる後腕部25cが延出している。このうち前腕部25bの前端にはストッパ部30が前方に突出して設けられている。
【0027】
また、これら前腕部25bおよび後腕部25cには、質量板26をリベット止めするためのリベット孔55,55および質量板26を位置決めするための位置決め用突起54,54がそれぞれ設けられている。
そして、これら前腕部25bおよび後腕部25cの右側の側面は、質量板26を取り付けるための取付面25dになっている。
【0028】
[質量板26の構造]
一方、上述のようにハンマー本体25に取り付けられた質量板26は、ハンマー4にアコースティックピアノと同様のタッチ重さを付与するためのものである。この質量板26は、ハンマー本体25よりも比重の大きな鋼板などから板状に形成されており、第一の質量部26aおよび第二の質量部26bを備えている。これら第一の質量部26aおよび第二の質量部26bには、ハンマー本体25に取り付けられた場合における位置決め用突起に係合可能な位置決め用凹部56,56およびハンマー本体25に取り付けられた場合におけるリベット孔55,55にそれぞれ連通可能なリベット孔57,57がそれぞれ設けられている。なお、質量板26には、低音用のものと、低音用よりも高さの低い高音用のもの(図中では一点鎖線で図示)とがある。
【0029】
上述のような構成の質量板26は、その位置決め用凹部56,56をハンマー本体25の位置決め用突起54,54にそれぞれ係合させて位置決めした後、質量板26のリベット孔57,57およびハンマー本体25のリベット孔55,55にそれぞれ通した図示しないリベットによって、ハンマー本体25の取付面25d(つまりハンマー本体25)に固定される。このとき、板状の質量板26はハンマー本体25に密着した状態となり、その結果ハンマー25の厚みが増して補強される。そして、第一の質量部26aは、突起27,27よりも後方に配されて後腕部25cに重量を付与し、且つ第二の質量部26bは、突起27,27よりも前方に配されて前腕部25bに重量を付与する。
【0030】
なお、鍵盤楽器1の他の構成は公知技術に従っているので、詳細の説明は省略する。
[鍵盤装置1の動作]
次に鍵盤装置1の動作を説明する。
【0031】
図1に示す鍵盤装置1の鍵3が押鍵される(つまり鍵3の前部が押し下げられる)と、この鍵3は、白鍵用ガイド16aまたは黒鍵用ガイド16bにより左右方向にぶれないように案内されながら、シャーシ2の鍵用軸穴11,11によって支持された突起23,23を中心にしてその前部が下方に移動する方向に回転する。
【0032】
引き続き鍵3が回転すると、回転する鍵3のストッパ部14がシャーシ2の鍵通過孔15を通過する。なお、鍵3は、鍵3の下面が鍵下限ストッパ17に当接(図3参照)するまで回転可能である。
引き続き鍵3が回転すると、鍵3のアクチュエータ部29がハンマー4のスイッチ押圧部28を押圧し、ハンマー4が、シャーシ2のハンマー用軸穴12,12によって支持された突起27,27を中心にして前腕部25bが上方に移動して後腕部25cが下方に移動する方向に回転する。この方向にハンマー4が回転する間、第一の質量部26aの重量は、ハンマー本体25の回転を助長するように作用し、一方、第二の質量部26bの重量は、ハンマー本体25の回転を抑止するように作用する。
【0033】
そして、ハンマー4が所定角度まで回転したときに、そのストッパ部30がハンマー上限ストッパ20に当接する(図3の状態)。また、鍵3が弱く押鍵された場合には、ハンマー4の上限位置は、ハンマー上限ストッパ20のみによって規制される。一方、鍵3が強く押鍵された場合には、ハンマー4は、ハンマー上限ストッパ20をさらに圧縮させながら上限位置を越えてさらに回転し、ハンマー過回動防止ストッパ18に当接することによって、それ以上の回転を阻止される。
【0034】
また、このハンマー4の回転に伴い、そのスイッチ押圧部28が鍵スイッチ21のスイッチ本体21bを押下し、オン動作させることによって、鍵3の押鍵情報が検出され、その検出結果に応じて、制御装置により電子ピアノの発音が制御される。
【0035】
一方、この状態から鍵3が離鍵されると、鍵3およびハンマー4は、それぞれ上述の鍵3の押鍵時とは逆の方向に回転し、それぞれの初期位置に復帰する。すなわち、鍵3は、その前部が上方に移動する方向に回転し、またハンマー4は、前腕部25bが下方に移動して後腕部25cが上方に移動する方向に回転する。この方向にハンマー4が回転する間、上述の第一の質量部26aによる重量は、ハンマー本体25の回転を抑止するように作用し、一方、第二の質量部26bの重量は、ハンマー本体25の回転を助長するように作用する。なお、このときのハンマー4の回転は、そのストッパ部30がハンマー下限ストッパ19に当接することによって規制される。また、鍵3の回転は、そのストッパ部14がハンマー過回動防止ストッパ18に当接することによって規制される(図1の状態)。
【0036】
[効果]
このように、本実施例のハンマー4においては、従来は別体であった第一の質量部26aおよび第二の質量部26bを質量板26として一体に構成したので、その部品点数の削減により製造工数および製造コストを削減できる。
【0037】
また、図6を参照して説明した従来のハンマー108の場合と同様に、演奏者は押鍵中、このハンマー4より抵抗感と非抵抗感を受け、アコースティックピアノの鍵タッチが得られる。
さらに、第一の質量部26aの重さや第二の質量部26bの重さを調整することにより鍵3のタッチ感を自由に設定可能となり、鍵盤装置1の設計の自由度が増す。
【0038】
また、高音側の鍵に用いるハンマーと低音側の鍵に用いるハンマーとでは動荷重を変化させる必要があるが、このような構成によれば、高音用と低音用とで第一の質量部26aや第二の質量部26bを異なった形状にしてその重量を変化させることにより対応できる。
【0039】
[別実施例]
(1)上記実施例のハンマー4では、従来は別体であった第一の質量部26aおよび第二の質量部26bを質量板26として一体に構成したが、図4(a)、(b)に示すように、第一の質量部または第二の質量部の何れか一方をハンマー本体と一体に構成してもよい。このような構成においても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
【0040】
(2)また、図4(c)に示すように、ハンマー本体、第一の質量部および第二の質量部を一体に構成してもよい。このような構成においても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
(3)上記実施例では、ハンマー本体25が位置決め用突起54,54を備え、且つ質量板26が位置決め用凹部56,56を備えるように構成し、質量板26の位置決め用凹部56,56をハンマー本体25の位置決め用突起54,54にそれぞれ係合させて位置決めしているが、逆の構成として質量板26が位置決め用突起54,54を備え、且つハンマー本体25が位置決め用凹部56,56を備えるように構成してもよい。
【0041】
(4)上記実施例では質量板26をハンマー本体25にリベットで固定するように構成したが、ハンマー本体25のリベット孔55,55または質量板26のリベット孔57,57の何れか一方の代わりにねじ穴を設け、且つ他方の代わりに貫通穴を設け、止めねじを、貫通穴を通してねじ穴にねじ入れることで質量板26をハンマー本体25に取り付けるようにしてもよい。
【0042】
(5)上記実施例では、板状の質量板26を、ハンマー本体25の両側面の一方である取付面25dに取り付けるように構成したが、例えば図5(a)、(b)に示すように、第一の質量部を、向かい合う2枚の側板と、2枚の側板を連結する連結板とからなる断面コの字形に構成し、2枚の側板をハンマー本体の両側にそれぞれ位置させ、且つ連結板をハンマー本体の上方または下方に位置させると共に、第二の質量部を、向かい合う2枚の側板と、2枚の側板を連結する連結板とからなる断面コの字形に構成し、2枚の側板を、ハンマー本体の両側にそれぞれ位置させ、且つ連結板を、ハンマー本体の上方または下方に位置させてもよい。
【0043】
このような構成によれば、第一の質量部および第二の質量部の重量がハンマー本体の両側に対して均等に付与されるので、ハンマーが回動する際の左右のバランスがよくなりスムーズに回動させることができる。
(6)また、図5(c)に示すように、ハンマー本体の前端部が差込部を備え、第二の質量部が、ハンマー本体の差込部を差し込み可能な差込孔を備えるように構成してもよい。この場合、ハンマー本体の前端部をこの差込孔に差し入れれば、ハンマーとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の電子鍵盤楽器の鍵盤装置を示す側断面図(1)である。
【図2】実施例のハンマーを示す側面図である。
【図3】実施例の電子鍵盤楽器の鍵盤装置を示す側断面図(2)であり、その鍵が押下されているところを示している。
【図4】ハンマーの別実施例を示す説明図(1)である。
【図5】ハンマーの別実施例を示す説明図(2)である。
【図6】従来の電子鍵盤楽器の鍵盤装置を示す側断面図である。
【符号の説明】
1…鍵盤装置、2…シャーシ、3…鍵、4…ハンマー、6a,6b,6c,6d…連結バー、7,9…ねじ、8…リブ、11…鍵用軸穴、12…ハンマー用軸穴、13a…第1ハンマー通過孔、13b…第2ハンマー通過孔、13c…第3ハンマー通過孔、14…ストッパ部、15…鍵通過孔、16a…白鍵用ガイド、16b…黒鍵用ガイド、17…鍵下限ストッパ、18…ハンマー過回動防止ストッパ、19…ハンマー下限ストッパ、20…ハンマー上限ストッパ、21…鍵スイッチ、21a…プリント基板、21b…スイッチ本体、23,27…突起、25…ハンマー本体、25a…中央部、25b…前腕部、25c…後腕部、25d…取付面、26…質量板、26a…第一の質量部、26b…第二の質量部、28…スイッチ押圧部、29…アクチュエータ部、54…位置決め用突起、55,57…リベット孔、56…位置決め用凹部

Claims (4)

  1. 電子鍵盤楽器の鍵の動作に連動して回動可能に支持されたハンマー本体と、
    前記鍵を押し下げる際にその動作に連動して回転する前記ハンマー本体の回転を助長するように前記ハンマー本体に重量を付与する第一の質量部と、
    前記鍵を押し下げる際にその動作に連動して回転する前記ハンマー本体の回転を抑止するように前記ハンマー本体に重量を付与する第二の質量部と
    を備えるハンマーであって、
    前記第一の質量部および前記第二の質量部が一体に構成され、前記ハンマー本体または一体に形成された前記第一の質量部および前記第二の質量部の何れか一方には他方が固定される際に位置決めするための位置決め用突起が形成されるとともに他方には前記位置決め用突起に係合可能な位置決め用凹部が形成されているか、または、前記第一の質量部若しくは前記第二の質量部の何れか一方が前記ハンマー本体に一体に構成され、前記ハンマー本体または前記第一の質量部若しくは前記第二の質量部のうち前記ハンマーとは一体に構成されていない方の何れか一方には他方が固定される際に位置決めするための位置決め用突起が形成されるとともに他方には前記位置決め用突起に係合可能な位置決め用凹部が形成されていること
    を特徴とするハンマー。
  2. 請求項1記載のハンマーにおいて、
    前記ハンマー本体および前記ハンマー本体に一体に構成された場合の前記第一の質量部若しくは前記第二の質量部は樹脂であり、
    前記ハンマー本体とは別体に構成された場合の前記第一の質量部若しくは前記第二の質量部は樹脂よりも比重が高い金属であること
    を特徴とするハンマー。
  3. 請求項1または2記載のハンマーにおいて、
    前記第一の質量部は、向かい合う2枚の第一の側板と、該2枚の第一の側板を連結する第一の連結板とからなる断面コの字形に構成されており、
    前記2枚の第一の側板は、前記ハンマー本体の両側にそれぞれ位置し、且つ前記第一の連結板は、前記ハンマー本体の上方または下方に位置すると共に、
    前記第二の質量部は、向かい合う2枚の第二の側板と、該2枚の第二の側板を連結する第二の連結板とからなる断面コの字形に構成されており、
    前記2枚の第一の側板は、前記ハンマー本体の両側にそれぞれ位置し、且つ前記第二の連結板は、前記ハンマー本体の上方または下方に位置すること
    を特徴とするハンマー。
  4. 請求項1〜の何れかに記載のハンマーを備える鍵盤装置。
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