JP5251979B2 - レーザ製版用樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法、並びに樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法 - Google Patents

レーザ製版用樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法、並びに樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5251979B2
JP5251979B2 JP2010516827A JP2010516827A JP5251979B2 JP 5251979 B2 JP5251979 B2 JP 5251979B2 JP 2010516827 A JP2010516827 A JP 2010516827A JP 2010516827 A JP2010516827 A JP 2010516827A JP 5251979 B2 JP5251979 B2 JP 5251979B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
screen printing
printing plate
laser
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010516827A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009150996A1 (ja
Inventor
道男 寺山
昭男 生江
浩之 二橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2010516827A priority Critical patent/JP5251979B2/ja
Publication of JPWO2009150996A1 publication Critical patent/JPWO2009150996A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5251979B2 publication Critical patent/JP5251979B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N1/00Printing plates or foils; Materials therefor
    • B41N1/24Stencils; Stencil materials; Carriers therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • B41C1/055Thermographic processes for producing printing formes, e.g. with a thermal print head
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • B41C1/14Forme preparation for stencil-printing or silk-screen printing
    • B41C1/145Forme preparation for stencil-printing or silk-screen printing by perforation using an energetic radiation beam, e.g. a laser

Description

本発明は、樹脂スクリーン印刷用版、樹脂スクリーン印刷用版の製造方法および該樹脂スクリーン印刷用版を用いたスクリーン印刷版および製版方法に関する。より詳細には、本発明は、ポリエステル、ポリアミドなどからなる樹脂スクリーン紗に2液硬化型樹脂組成物を塗布して形成された樹脂塗膜を少なくとも有するレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版、その製造方法、並びに前記樹脂スクリーン印刷用版を用いて作製されたスクリーン印刷版およびレーザ製版方法に関する。
スクリーン印刷は、孔版印刷の1種で、枠に張った紗に版膜を密着し、紗の目開きよりインキを通過させて、被印刷物に転移させる印刷方式であり、フィルムから成形品まで被印刷物の厚さ、大小、平面、曲面を問わず印刷でき、また紙、布、樹脂、金属など種々の材質に印刷することができる印刷方法であり、さらに、厚いインキ着肉層を形成することができる印刷法として知られている。スクリーン印刷の製版方法としては、大きく分けて(1)直接法製版と(2)間接法製版がある(非特許文献1〜3参照)。
直接法製版は、スクリーンメッシュ上に感光液(乳剤)をバケットで塗布するか、コーティングマシンで塗布して感光皮膜を形成した後、原画であるポジフィルムあるいはネガフィルムを通して露光して感光皮膜を硬化させ、硬化しなかった部分を溶剤等で洗浄・除去することにより、原画のパターンを有するスクリーン印刷版を製造する方法である。しかしながら、この直接法製版では、製版を行うため、原画の作製、露光、現像工程が必要とされ、生産性に問題があるとともに、熟練を要し、さらに現像工程で使用する薬品類に費用がかかる上、使用した薬品による環境問題を引き起こさないために、これらの廃液処理も必要とされる。また、紫外線硬化しない樹脂あるいは、モノマーは、使用できないといった問題点もあるし、さらに紗の介在のもとで露光、現像を行うため、紗の糸の表面乱反射による画線部の乱れあるいは織目とポジとの干渉によるモアレの発生等の問題もある。
間接法製版は、枠張りしたスクリーンとは別に感光性フィルムを用いて画像を作り、これをスクリーンに移す方法で、転写法とも呼ばれている。間接法製版は、直接法製版に比較して、感光膜厚が均一であり、露光と水洗現像に紗の干渉がなく、鮮鋭な画像が得られるが、版膜が薄く、物理的に傷つきやすく、また厚膜印刷には適しておらず、印刷枚数が少ないという問題がある。
また、直接法製版と間接法製版とを組み合わせた直間法製版も考案されている。この製版は、直接法製版の乳剤を活かし、フィルムの上に感光層をコーティングした感光性フィルムの感光層を水または溶剤で紗に貼り付け、乾燥後にフィルムを剥がしてから露光することにより製版する方法である。この方法は、直接フィルム法とも呼ばれ、直接法製版の一種として分類されることもある。しかしながら、直接法製版と同様に、露光、現像の問題、環境等への配慮が必要とされる問題がある。
さらに、従来、スクリーン印刷版のスクリーン紗としては、絹、ポリエステル、ナイロン、ステンレス等の金属からなる紗が知られている(非特許文献3参照)。従来の製版では、上記の直接法製版が一般的であるが、製版工程の露光時に、ハレーション現象を生じ、不必要な反射光による露光のため、シャープなエッジが得られないことがある。この現象は、スクリーン素材である糸からの乱反射が原因であり、これを防止する目的でスクリーン紗を着色したものが用いられている。現在ではスクリーン印刷に用いられる樹脂スクリーン紗は、着色されているものが大多数である。露光は、一般的に紫外領域の光源を使用するが、可視光線も混在している。そのため、これらを吸収するために、反対色の黄・橙・赤等の中・淡色の樹脂スクリーン紗が利用されている(非特許文献4参照)。
上記のような従来からのスクリーン印刷版の製版方法とは異なり、レーザ光を版材に選択的に照射して選択的に孔を開け、この孔によるパターンを版として用いるスクリーン製版方法も提案されている。例えば、何らかの手段でパターン状に開口された金属箔を金属スクリーンに接着剤を介して接着した後、金属箔側の表面よりレーザ光を照射して、金属箔のパターン部分(開口部)の接着剤を蒸発除去することにより、スクリーン印刷版を製造する方法(特許文献1)、金属箔上に規則正しく開口が形成されたスクリーンの開口をラッカでコーティングして開口をラッカにより充填し、レーザ光照射により、インクを透過すべき開口のラッカを除去してスクリーン印刷版を製造する方法(特許文献2)、金属スクリーン紗に、ガラス転移点が100℃以上の重合体のシートを積層し、波長が150〜400nmのレーザ光線を照射し、高分子量物を低分子量物に分解し飛散させてスクリーン印刷版を製造する方法(特許文献3)、金属スクリーン紗に、カーボンブラックを0.1質量%以上含有させ、レーザ光の発振波長における吸光度を高めた樹脂液を塗布することにより塗膜を形成し、この樹脂塗膜にレーザ光を照射することによりスクリーン印刷版を製造する方法(特許文献4)、ポリマーフィルム層を接着剤により金属スクリーンメッシュ層に接着した積層体にレーザ光を照射してポリマーフィルム層に開口部を形成させ、次いで開口部の接着剤層を薬剤処理により除去することによりスクリーン印刷版を製造する方法(特許文献5)などが知られている。
レーザ光をスクリーン印刷用版(製版前の版材)の樹脂塗膜に所定パターンで照射して樹脂塗膜を熱消去して所定パターンの開口を形成することによりスクリーン印刷版を形成する方法(本明細書ではこれを「レーザスクリーン製版方法」という。)によれば、スクリーン印刷版材として感光膜を用いる場合に必要とされるパターンマスクの作製や、フォトレジストの未硬化部分の除去(現像)などの作業を必要としないので、生産性の向上が期待できる。しかし、特許文献1に記載の方法においては、従来法のフォトマスクに当るパターニングされた金属箔を作る際に、フォトエッチング等の工程が必要であるため、従来法と同様に生産性が高いとは言えず、また環境等への配慮の必要性もある。また、特許文献2の方法においては、スクリーンとして円筒状のニッケルスリーブなどの金属箔を用いることが必要とされる。さらに、特許文献1、3、4および5の方法においては、金属スクリーン紗を用いることが必要とされ、従来広く一般に使用されている樹脂スクリーン紗を用いてスクリーン印刷版を作製することはできないし、得られたスクリーン印刷版は金属スクリーンであるため平面印刷での印刷精度はあるものの、柔軟性がないため、曲面印刷性が劣るという問題がある。また、引用文献3の方法においては、YAGや炭酸ガスレーザのようなレーザ照射装置として一般的に用いられているものではなく、特殊なレーザ照射装置が必要とされるし、さらに、特許文献5の方法においては、レーザ光照射後、開口部の接着剤層を薬剤処理により除去しなくてはならないという問題がある。
特開昭54−8003号公報 特開昭64−82945号公報 特開平3−72364号公報 特開2002−67527号公報 特開平11−77948号公報
「増補版 印刷事典」昭和62年6月30日、初版第1刷、編集 社団法人 日本印刷学会、発行 財団法人 印刷局朝陽会 「特殊印刷とコンバーティング」1990年3月29日発行、発行人 荒木正義、発行所 加工技術研究会 「特殊印刷」昭和58年7月15日初版発行、監修者 松本和雄、著者 松本和雄、発行者 城所 守、発行所 株式会社印刷出版研究所 「新版 スクリーン印刷ハンドブック」昭和63年1月31日発行、編集 日本スクリーン印刷技術協会編集委員会、発行 日本スクリーン印刷技術協会
上記のとおり、従来提案されたレーザスクリーン製版法においては紗として金属紗が用いられている。これは、金属紗に比べポリエステル、ナイロン紗は熱に弱く、レーザ製版の際に焼き切れたり、紗が融けてしまうことに起因している。しかし、現在使用されているスクリーン印刷版の大部分はポリエステル紗またはナイロン紗であり、ステンレス紗などの金属スクリーン紗は限られた分野、例えば厚膜IC回路など電子回路の印刷分野に限られている。そして、ポリエステルスクリーンおよびナイロンスクリーンのような樹脂スクリーンはステンレススクリーンに比べ安価であり、また弾性回復力に優れており、印刷時の取り扱いが比較的簡単であるという長所を有している。したがって、樹脂スクリーン紗を用いたスクリーン製版において、レーザ製版が利用できれば、通常のスクリーン印刷において用いられる印刷版の製版における簡便化が図られ、環境問題を起こすことなく安価に印刷版を作製できるというメリットがあることから、樹脂スクリーン紗を用いたレーザ製版方法、スクリーン印刷版材が要望されている。
本発明は、このような従来の課題、要望にかんがみなされたもので、樹脂スクリーン紗に樹脂塗膜を形成し、この塗膜にレーザ光照射を行うことにより、樹脂スクリーン紗に実質上の損傷を与えることなく樹脂塗膜のみを蒸発、飛散あるいは消去して、所望のパターン(印刷文字、図案など)開口を形成させることのできる樹脂スクリーン印刷用版を提供することを目的とする。
その際、樹脂スクリーン紗として特定の光透過率を有するスクリーン紗を用い、特定のカーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物により形成される樹脂スクリーン印刷用版は、特に、レーザ光照射によるレーザ製版の際、樹脂スクリーン紗に実質上の損傷を与えることなく樹脂塗膜のみを蒸発、飛散あるいは消去して、所望のパターン(印刷文字、図案など)開口を形成させるのに優れており、本発明は、この優れた樹脂スクリーン印刷用版を提供することを目的とする。
また、樹脂スクリーン紗として特定の光透過率を有するスクリーン紗を用い、特定のカーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物に、ポリマーフィルムを貼り合わせることにより形成される樹脂スクリーン印刷用版もまた、特に、レーザ光照射によるレーザ製版の際、樹脂スクリーン紗に実質上の損傷を与えることなく樹脂塗膜のみを蒸発、飛散あるいは消去して、所望のパターン(印刷文字、図案など)開口を形成させるのに優れており、本発明は、この優れた樹脂スクリーン印刷用版を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記樹脂スクリーン印刷用版を製造する方法、該樹脂スクリーン印刷用版を用いて形成されたスクリーン印刷版、および前記樹脂スクリーン印刷用版を用いてレーザ製版する方法をも提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、樹脂スクリーン紗に塗布する樹脂組成物として、特定のものを用いることにより、樹脂スクリーン紗を用いるにもかかわらず、レーザ照射により実質的な紗の損傷なくスクリーン印刷版を製造することができることを見出して、本発明を成したものである。
すなわち、本発明は、以下のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版、該レーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の製造方法、前記レーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版を用いて形成された樹脂スクリーン印刷版、および前記レーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版を用いてスクリーン印刷版を製造する方法に関する。
(1)樹脂スクリーン紗と、前記樹脂スクリーン紗にカーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を塗布することにより形成された樹脂塗膜とを有することを特徴とするレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
(2)ポリマーフィルムが、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を樹脂スクリーン紗に塗布することにより形成された樹脂塗膜上に積層されてなることを特徴とするレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
(3)ポリマーフィルムが、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を樹脂スクリーン紗に塗布することにより形成された樹脂塗膜上に積層されてなるレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版において、ポリマーフィルムが、両面、あるいは積層される樹脂塗膜側の片面を表面処理されたものであることを特徴とするレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
(4)ポリマーフィルムの表面処理が、プライマーを塗布することによる表面処理および/または電離線照射による表面処理であることを特徴とする前記(3)に記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
(5)ポリマーフィルムがカーボンブラックを含有することを特徴とする前記(2)〜(4)のいずれかに記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
(6)樹脂スクリーン紗の波長400〜500nmの光に対する光透過率が40%以上であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
(7)2液硬化型樹脂組成物のカーボンブラックの含有量が0.5〜20重量%であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
(8)2液硬化型樹脂組成物が、イソシアネート化合物と水酸基含有化合物とを含有することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
(9)水酸基含有化合物が、ポリエステルポリオールであることを特徴とする前記(8)に記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
(10)樹脂スクリーン紗がナイロンまたはポリエステルからなるスクリーン紗であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
(11)樹脂スクリーン紗にカーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を塗布することにより、樹脂スクリーン紗に樹脂塗膜を形成することを特徴とするレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の製造方法。
(12)ポリマーフィルムを、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物により樹脂スクリーン紗に接着させることにより、ポリマーフィルム、前記2液硬化型樹脂組成物からなる樹脂塗膜および樹脂スクリーン紗を有するレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版を製造する、レーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の製造方法。
(13)ポリマーフィルムを、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物により樹脂スクリーン紗に接着させることにより、ポリマーフィルム、前記2液硬化型樹脂組成物からなる樹脂塗膜および樹脂スクリーン紗を有するレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版を製造する、レーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の製造方法において、ポリマーフィルムが、両面、あるいは樹脂塗膜側の片面を表面処理されたものを使用することを特徴とするレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の製造方法。
(14)ポリマーフィルムは、樹脂スクリーン紗に前記2液硬化型樹脂組成物を塗布することにより樹脂塗膜を形成した後、該2液硬化型樹脂組成物が硬化する前に前記樹脂塗膜上に適用され、貼付されることを特徴とする前記(12)または(13)に記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の製造方法。
(15)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の樹脂スクリーン印刷用版をレーザ光で照射することにより樹脂塗膜、又はポリマーフィルムおよび樹脂塗膜に所定パターンの開口を形成することを特徴とするスクリーン印刷版の製造方法。
(16)ポリマーフィルムが、樹脂塗膜上に積層されてなるレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版に対する所定パターンの開口の形成に際し、レーザ光による照射がポリマーフィルム側から行われることを特徴とする前記(15)に記載のスクリーン印刷版の製造方法。
(17)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の樹脂スクリーン印刷用版にレーザ光を照射することにより樹脂塗膜、又はポリマーフィルムおよび樹脂塗膜に所定パターンの開口を形成してなる樹脂スクリーン印刷版。
本願の開示は、2008年6月11日に日本国において出願された特願2008−153351、同特願2008−153352、及び2008年12月19日に日本国において出願された特願2008−323901に記載の主題と関連しており、それらの開示内容は引用によりここに援用される。
本発明によれば、樹脂スクリーン紗に樹脂塗膜を形成させ、レーザ光を照射することによって、樹脂スクリーン紗には実用上の損傷を与えず、樹脂塗膜のみを蒸発あるいは消去し、除去することによって樹脂スクリーン印刷版を製造することができることから、従来スクリーン印刷版を製造する際に必要とされたネガまたはポジ原稿の作製、感光性皮膜を露光、現像する工程を必要とせず、熟練者を要することなく、簡便にかつ生産性よく樹脂スクリーン紗を用いたスクリーン印刷版を製造することができる。また現像液を用いないことから、現像液による環境汚染の問題なくスクリーン印刷版を製造することができ、スクリーン印刷版のさらなる品質アップ、生産性向上に寄与することができる。
また、樹脂スクリーン紗に樹脂塗膜およびポリマーフィルムからなる樹脂被膜を形成した場合には、ポリマーフィルムと樹脂塗膜を除去するようにレーザ製版することにより、より細線の印刷再現性の高いスクリーン印刷版を形成することができる。
さらに、樹脂スクリーン紗に樹脂塗膜および一定の表面処理を行ったポリマーフィルムからなる樹脂被膜を形成した場合には、ポリマーフィルムと樹脂塗膜を除去するようにレーザ製版することにより、より細線の印刷再現性の高いスクリーン印刷版を形成することができ、一定の表面処理を行ったポリマーフィルムを使用することによりさらに、樹脂塗膜への密着性が上がることにより細線の印刷再現性の高いスクリーン印刷版を形成することができる。
また、本発明は、上記樹脂スクリーン印刷用版を製造する方法、該樹脂スクリーン印刷用版を用いて形成されたスクリーン印刷版、および前記樹脂スクリーン印刷用版を用いてレーザ製版する方法をも提供することができる。
本発明の第1の態様のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の断面概念図である。 図1に示すレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版に、レーザ光照射により開口部が形成された樹脂スクリーン印刷版の断面概念図である。 本発明の第2の態様のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の模式断面図である。 図3に示すレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版に、レーザ光照射により開口部が形成された樹脂スクリーン印刷版の模式断面図である。
本発明のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版は、第1の態様によると、樹脂スクリーン紗と、前記樹脂スクリーン紗にカーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を塗布することにより形成された樹脂塗膜とを有することを特徴としている。
以下、本発明の第1の態様について図1および図2を参照しつつ、さらに詳しく説明するが、図は説明のために便宜上使用されるものであり、本発明の実施形態が図示のものに限定されるものではない。図1は、本発明のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の部分拡大断面を模式的に示した図であり、図2は、本発明のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版をレーザ光照射することにより開口が形成されたスクリーン印刷版の部分拡大断面を模式的に示した図である。
図1中、1は樹脂スクリーン印刷用版を、2は樹脂スクリーン紗を、3は樹脂塗膜を示す。樹脂スクリーン印刷用版1は、次のようにして形成される。まず、樹脂スクリーン紗は、従来のスクリーン印刷版を製造する際と同様の方法、すなわち、例えば紗張り機を用いて樹脂スクリーン紗2を伸ばし、接着剤を用いて図示されていない枠に固定される。樹脂塗膜3は、こうして紗張りされた樹脂スクリーン上に、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を塗布することにより形成される。樹脂スクリーンのメッシュ数は、印刷される図形に要求される解像度、使用されるインキ、印刷対象に応じ、従来知られた適宜のメッシュ数のものを用いればよい。
本発明のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の樹脂塗膜を形成するカーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物としては、カーボンブラック、イソシアネート化合物、水酸基含有化合物を含む2液硬化型樹脂組成物が好ましく、さらに水酸基含有化合物としてポリエステルポリオールを用いることがより好ましい。
本発明において用いられる2液硬化型樹脂組成物において、カーボンブラックは効率良くレーザ光を吸収し、かつレーザ光による樹脂スクリーン紗への影響を極力避ける目的で含有させるものである。本発明においては、カーボンブラックは、あまりに少量であると効率良くレーザ光を吸収することが出来ないため、2液硬化型樹脂組成物の全体量の0.5重量%以上が好ましく、より好ましくは1重量%以上であり、3重量%以上であることがさらに好ましい。また、含有量が多すぎると、樹脂スクリーン印刷用版の印刷面の視認性が悪くなるためおよびレーザ光による熱の影響を受け、樹脂スクリーン紗が損傷を受けるため、2液硬化型樹脂組成物の全体量の20重量%以下が好ましく、より好ましくは、10重量%以下である。
本発明に用いられるカーボンブラックとしては、種類や製造履歴に特に制約されることはなく、市販のオイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなど各種のものを用いることができる。また、通常行われているオゾン処理、プラズマ処理、あるいは液相酸化処理などの処理がなされたカーボンブラックを用いてもよい。
ただし、本発明において好ましく使用されるカーボンブラックの粒径は、通常のインキや塗料に用いるカーボンブラックの粒径範囲と同様に0.01〜1μmが好ましく、特に、0.01〜0.2μmが好ましい。ただし、本発明において、粒径とは走査型電子顕微鏡で測定された平均一次粒子径を示す。また、ジブチルフタレート(DBP)吸油量としては、80〜120(cm3/100g)が好ましく、窒素吸着比表面積としては、60〜130(m2/g)が好ましい。
ただし、本発明において、粒径とは走査型電子顕微鏡で測定された平均一次粒子系を示し、DBP吸油量、窒素吸着比表面積はいずれもJIS K6217に準拠して測定されたものである。これらの物性値は一般にカーボンブラックの物理的特性を表すのに用いられている。
本発明に係る樹脂スクリーン紗の材質としては、絹、ポリエステル、ナイロン等が挙げられ、特にナイロンおよびポリエステルが好ましい。
さらに、レーザ製版の際に焼き切れたり、紗が融けないようにするためには、樹脂スクリーン紗の波長400〜500nmの光に対する光透過率が40%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、70〜100%がさらに好ましい。この場合に樹脂スクリーン紗の600nmでの光透過率を100%とした。なおこの条件下で樹脂スクリーン紗は、白色から半透明であることが好ましく、透明であることがより好ましい。
従来の樹脂スクリーン紗は黄色あるいは橙色に着色されたものが多く、光透過率は40%未満(ほとんどは10%以下)である。
本発明において、樹脂スクリーン紗の光透過率とは、以下のように規定される数値である。樹脂スクリーン紗を材質の軟化点より10〜20℃高い温度に加熱して、50μmに製膜しフィルム状とし、その光透過率を、紫外・可視分光光度計(V−560 日本分光(株)製)を用いて、300〜600nmの範囲で光透過スペクトルを測定する。この際、分光光度計からの入射光が垂直に入射するように製膜したフィルムをセットし、透過光の強度を測定する。参照試料には何も入れず測定し、入射光強度に対する透過光強度の比を光透過率(%)とする。ただし、サンプルの600nmでの光透過率を100%として400〜500nmでの光透過率とする。
次に、本発明に係る2液硬化型樹脂組成物において硬化剤として用いられるイソシアネート化合物は、通常ポリウレタンを形成する際に用いられるイソシアネート化合物が好ましく用いられ、モノイソシアネート、ジイソシアネート、トリイソシアネート以上の多価イソシアネート化合物が挙げられ、本発明においてはジイソシアネート化合物が好ましい。ジイソシアネート化合物としては、脂環族、芳香族、脂肪族の各種公知の種々のジイソシアネート化合物が挙げられる。イソシアネート化合物は必要に応じ1種単独でまたは2種以上が併用されてもよい。
前記脂環族ジイソシアネート化合物としては、例えば、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4、4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネート化合物としては、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネート化合物としては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。
上記イソシアネート化合物中、特に好ましい化合物は芳香族ジイソシアネート化合物であり、その中でも、入手しやすさおよび使い易さ、膜性能の点から芳香族ジイソシアネート化合物の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびトリレンジイソシアネートが好ましい。
一方、上記水酸基含有化合物としては、イソシアネート化合物と反応してポリウレタンを形成する水酸基を2個以上有する化合物が挙げられ、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、水酸基を2個以上含有する芳香族化合物、水酸基を2個以上含有する脂環族化合物、水酸基を2個以上含有する脂肪族化合物などが挙げられるが、中でもスクリーン印刷版とした際の弾性回復力の点からポリエステルポリオールが好ましい。ポリエステルポリオールとしては、公知のポリエステルポリオールが挙げられる。ポリエステルポリオールは、多価カルボン酸成分とポリオール成分とを常法に従い重合することにより得られる。多価カルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族または脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸の1種以上を適宜使用することができる。
上記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、o−フタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニルインタンジカルボン酸など、およびそれらのエステル系生成誘導体、例えば酸無水物、エステル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の塩などが挙げられる。
また脂肪族および脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸など、及びそれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、例えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテートカルボン酸、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
一方、ポリオール成分としては、アルコール性水酸基を2個有するグリコール類および3個以上有する多価アルコール成分が挙げられ、必要に応じ1種単独でまたは2種以上が併用される。グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、ポリアミドジオール、ポリエステルアミドジオールなどが挙げられる。また、多価アルコール成分としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を任意に選択しポリオール成分として用いることができる。
本発明において用いられるポリエステルポリオールは、上記多価カルボン酸成分とポリオール成分とを従来公知あるいは周知の方法で反応させることにより製造することができる。その他、ポリカプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール等も挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば下記一般式(I)で示されるものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 0005251979

(式中、R1およびR2は、各々独立に、置換基を有していてもよい2価の脂環族基、置換基を有していてもよい2価の芳香族基、または置換基を有していてもよい二価の脂肪族基を表し、置換基としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、水酸基、カルボキシル基などが挙げられる。nは正の整数である。)
ポリエステルポリオールの分子量は低分子量から高分子量まで使用可能であるが、好ましくは分子量(重量平均分子量)が1,000〜5,000のポリエステルポリオール、更に好ましくは分子量(重量平均分子量)が2,500〜3,500のポリエステルポリオールである。分子量が1,000以下では反応性が高くなり、ゲル化しやすくなる。また、分子量が5,000以上では反応性が低くなる。ポリエステルポリオールの水酸基価は、50〜300であるものがよく、より好ましくは100〜250がよい。ポリエステルポリオールは2種以上が併用されてもよい。なお、本発明においては、分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により分子量分布を測定し、ポリスチレン換算分子量として求めた。
さらに、本発明に係る2液硬化型樹脂組成物には、必要に応じて、樹脂組成物の流動性およびカーボンブラックの分散性を改良するための顔料分散剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、ワックスなどの添加剤、あるいは、ポリウレタンウレア樹脂、セルロース・アセテート・アルキレート樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン系樹脂、塩素化オレフィン樹脂、繊維素系樹脂等の樹脂を併用できる。
本発明においては、カーボンブラック、イソシアネート化合物および水酸基含有化合物を溶剤に溶解あるいは分散させることにより、2液硬化型樹脂組成物が形成される。具体的には、例えば、水酸基含有化合物、例えばポリエステルポリオールとカーボンブラックおよび溶剤をロールミルなどの混合機に投入し、混合を行い、主剤とする。この主剤に硬化剤であるジイソシアネート化合物などのイソシアネート化合物を加え、さらに混合することによりカーボンブラックが均一に分散された2液硬化型樹脂組成物を製造する。イソシアネート化合物と水酸基を有する化合物の割合は、イソシアネート化合物および水酸基を有する化合物としてどのような化合物が用いられるかにより異なるが、イソシアネート化合物としてジイソシアネート化合物が用いられ、また水酸基含有化合物としてポリエステルポリオールが用いられる場合、通常ジイソシアネート化合物100重量部に対し、ポリエステルポリオールを80〜120重量部、より好ましくは90〜110重量部用いられる。また、用いられるイソシアネート基の当量に対し、ポリエステルポリオールの水酸基が当量あるいは幾分少なくなるように用いることが好ましい。また、溶剤の量は、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を樹脂スクリーン紗に塗布して、印刷版を形成するための樹脂塗膜が良好に形成される量であればよく特に限定されるものではないが、通常、カーボンブラック、イソシアネート化合物および水酸基含有化合物の合計重量100部に対し、5〜30部程度の量で用いられる。
2液硬化型樹脂組成物を形成するために用いられる溶剤は、用いられるイソシアネート化合物および水酸基含有化合物に応じ、例えば、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、脂肪族系溶剤、芳香族系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、水等を適宜用いることができ、必要であればこれらの2種類以上を混合して使用することもできる。
上記エステル系溶剤としては、例えば、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸(イソ)アミル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソアミル、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、アセトニルアセトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等が挙げられる。
また、グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、およびこれらモノエーテル類の酢酸エステル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のジアルキルエーテル類が挙げられる。
脂肪族系溶剤としては、ノルマルパラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、シクロパラフィン系溶剤などが挙げられるが、例えば、ノルマルパラフィン系溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、0号ソルベントL、M、H(新日本石油株式会社製)、ノルマルパラフィンSL、L、M(新日本石油株式会社製)などが、イソパラフィン系溶剤としては、イソヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、2,2,5−トリメチルヘキサン、アイソゾール200、300、400(新日本石油株式会社製)、スーパゾルFP2、25、30、38(出光興産株式会社製)などが、シクロパラフィン系溶剤としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ナフテゾール160、200、220(新日本石油株式会社製)、AFソルベント4号、5号、6号、7号(新日本石油株式会社製)などが挙げられる。
芳香族系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレン、テトラリン、ソルベントナフサなどが挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、sec−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、イソアミルアルコール、t−アミルアルコール、sec−イソアミルアルコール、ネオアミルアルコール、ヘキシルアルコール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、シクロヘキサノール、3−メトキシブタノール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソランなどの環状エーテルが挙げられる。また、その他の液状媒体として、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネートが挙げられる。
上記溶剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
得られたカーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物は、紗張りされて枠に固定された樹脂スクリーン紗に塗布することにより、樹脂塗膜とされる。樹脂塗膜の厚さは、塗布されるインキ膜の厚さに応じ適宜の厚さとされればよく、通常紗の凹凸がなくなる程度の厚さ、例えば乾燥膜厚で5〜40μm程度、より好ましくは5〜20μm程度とされる。樹脂組成物の塗布方法としては、従来のスクリーン印刷版を製造する際と同様の方法で行えばよく、例えば、バケット内に樹脂組成物を入れて移動速度と角度を極力一定に保ちながら立てかけた版に塗布した後、乾燥する方法などが挙げられる。必要であれば再度同様の操作を繰り返すことにより、印刷面の膜厚を厚くすることができる。勿論、バケットでなく、スキージを用いて紗に塗布を行ってもよいし、枠を水平にした状態でスリット塗布機などを用いて塗布するなど他の方法によってもよい。塗布後乾燥することにより、イソシアネートと水酸基含有化合物が反応し、ウレタン結合が形成され、樹脂塗膜となる。乾燥は必要であれば、常温以上の温度、例えば40〜80℃に加温した状態で行ってもよい。
こうして製造された印刷用版は、図2に示すようにレーザ光5により所定パターンで照射され、前記樹脂塗膜が熱消去されて所定パターンの開口6が形成されて、スクリーン印刷版とされる。レーザ光としては、炭酸ガスレーザ光、YAGレーザ光又はYVO4レーザ光が好ましい。YAGレーザの高次高調波は、YAGレーザ発振器の内部に組み込んだ第2もしくは第3高調波変換素子によって、第2高調波(波長532nm)もしくは第3高調波(波長355nm)が効率よく出力されることが知られており、第4高調波(波長266nm)は、一般に第2高調波が第4高調波変換素子を通過することで出力され、YAGレーザの高次高調波のいずれかまたはこれらの任意のミキシング光を用いることが特に好ましい。これら炭酸ガスレーザ光及びYAGレーザ光は、エキシマレーザ光よりも発振安定性に優れており、エキシマレーザを使用した場合に比べ生産性を高めることができる。
レーザ光による樹脂塗膜の照射強度は、樹脂塗膜は熱消去されるが樹脂スクリーン紗は実質的に損傷されない強さとされる。レーザ光による照射強度は、本発明における照射強度にあった出力のレーザ発振装置を用いる、レーザ装置の出力を制御する、スキャンスピードなどをコントロールするなど種々の方法により制御することができる。レーザの照射条件としては、レーザパワー10〜90%、スキャンスピード5〜8000mm/s、Qスイッチ周波数5〜150kHz、スキャン回数3〜30回が好ましい。
こうして作製された樹脂スクリーン印刷版は、従来のスクリーン印刷と同様な方法で被印刷体に印刷される。使用されるインキも従来と同様のものでよい。
次に、本発明のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の第2の態様について説明する。第2の態様による本発明のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版は、ポリマーフィルムが、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を樹脂スクリーン紗に塗布することにより形成された樹脂塗膜に積層されてなることを特徴としている。
第2の態様のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版は、ポリマーフィルムが樹脂塗膜に積層されている点においてのみ第1の態様とは異なり、それ以外は実質的に同じであるので、主にポリマーフィルムについて以下に説明する。
図3中、1は樹脂スクリーン印刷用版を、2は樹脂スクリーン紗を、3は樹脂塗膜を、7はポリマーフィルムを示す。樹脂スクリーン印刷用版1は、次のようにして形成される。まず、樹脂スクリーン紗は、従来のスクリーン印刷版を製造する際と同様の方法、すなわち、例えば紗張り機を用いて樹脂スクリーン紗2を伸ばし、接着剤を用いて図示されていない枠(版枠)に固定される。樹脂塗膜3は、こうして紗張りされた樹脂スクリーン上に、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を塗布することにより形成される。ポリマーフィルム7は、例えば、樹脂塗膜3が硬化する前に、樹脂塗膜上に積層され、その後樹脂塗膜が硬化することにより樹脂塗膜を介して、樹脂スクリーン紗に接着される。使用される樹脂スクリーンのメッシュ数は、印刷される図形に要求される解像度、使用されるインキ、印刷対象に応じ、従来知られた適宜のメッシュ数のものが用いられればよい。
本発明で用いられるポリマーフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、(処理)ポリエチレン、(処理)ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)、ナイロン、ポリカーボネート等が例示できる。フィルムの厚さとしては、1〜20μmがよく、好ましくは2〜10μmがよい。ポリマーフィルムには、カーボンブラックを含有させるのが好ましいが、薄手のもの(0.5〜5μm)であれば、含有させる必要はない。なお、カーボンブラックを含有させる場合には、0.1〜20重量%がよく、好ましくは1〜5重量%がよい。
カーボンフィルムは、既述の2液硬化型樹脂組成物により樹脂スクリーン紗に接着される。以下、具体的に説明する。
2液硬化型樹脂組成物を既述の第1の態様と同様に樹脂スクリーン紗に塗布し、塗布後必要であれば、塗布面と反対面をスキージして余分な樹脂組成物を除去するとともに、表面を滑らかな面とすることができる。次いで、2液硬化型樹脂組成物が硬化する前に前記ポリマーフィルムを2液硬化型樹脂組成物膜上に積層する。積層方法は、ポリマーフィルムが皺なく均一に適用される方法であればいずれの方法であってもよい。また、このような方法でなく、ポリマーフィルム上に2液硬化型樹脂組成物の塗膜を形成した後、2液硬化型樹脂組成物面を樹脂スクリーン面に押し当て、あるいは樹脂スクリーンを2液硬化型樹脂組成物面に押し当て、樹脂スクリーン紗を2液硬化型樹脂組成物塗膜に埋め込み、必要に応じポリマーフィルム面と反対面をスキージすることによってもよい。その際のポリマー面への2液硬化型樹脂組成物の塗布量は、2液硬化型樹脂が乾燥膜厚で印刷用版に5〜40μm程度、より好ましくは5〜20μm程度の厚さとなる量とされればよい。また、樹脂塗膜により樹脂スクリーン紗が覆われる量とされることが好ましい。なお、ポリマーフィルムの反対面をスキージして余分な樹脂組成物を除去する方法を採用する場合には、ポリマーフィルム面へ2液硬化型樹脂組成物の塗布量は前記量より通常多くなる。
その後の乾燥については第1の態様と同様である。
こうして製造された印刷用版は、図4に示すように、好ましくはポリマーフィルム7側からレーザ光5により所定パターンで照射され、前記ポリマーフィルム7および樹脂塗膜3が熱消去されて所定パターンの開口部6が形成され、スクリーン印刷版とされる。ポリマーフィルム7とは逆の面からレーザ照射しても開口の形成は可能であるが、ポリマーフィルム側から照射した方が、細線の印刷再現性の優れた印刷版が得られる。使用するレーザ光、及びレーザ光の照射強度、照射条件は、第1の態様と同様である。
次に、本発明のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の第3の態様について説明する。第3の態様による本発明のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版は、ポリマーフィルムが、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を樹脂スクリーン紗に塗布することにより形成された樹脂塗膜上に積層されてなるレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版において、ポリマーフィルムが、両面、あるいは積層される樹脂塗膜側の片面を表面処理されたものであることを特徴としている。
第3の態様のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版は、ポリマーフィルムに対して表面処理が施されている点においてのみ第2の態様とは異なり、それ以外は実質的に同じであるので、主にポリマーフィルムに対する表面処理について以下に説明する。
また、第3の態様は、図3及び図4において、ポリマーフィルム7の樹脂塗膜3側の片面に、予め、コロナ放電処理を施している点において異なり、それ以外の構成は図3及び図4と同じである。
本発明の第3の態様においては、樹脂塗膜との密着性を上げる目的で、ポリマーフィルムの表面に何らかの表面処理を行う。樹脂塗膜との密着性を上げると、よりレーザ製版時に樹脂塗膜のエッジの欠損が少なくなり、細線の印刷再現性の優れた樹脂スクリーン印刷版が得られる。
ポリマーフィルムの表面処理としては、以下のような方法が挙げられる。
i)プライマーを塗布することによりポリマーフィルムの表面処理を行う方法。
ii)電離線放射を行うことによりポリマーフィルムの表面処理を行う方法。
iii)上記のi)とii)を併用する方法。
上記のiii)の方法としては、上記のii)でポリマーフィルムの表面処理を行ってから上記のi)のプライマーを塗布する方法、あるいは、上記のi)のプライマーを塗布してから電離線放射を行いプライマー自体の表面処理を行う方法が挙げられる。
プライマーのバインダー成分としては、例えば水溶性の、セルロース、メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂、カゼイン、ゼラチン、スチレン/無水マレイン酸共重合体塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体塩、ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン樹脂、アクリル/スチレン樹脂等が挙げられる。溶剤型樹脂としてはスチレン/マレイン酸樹脂、アクリル/スチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。これらの樹脂は単独、または2種以上混合することで得られる。この樹脂成分に、適宜、水あるいは溶剤、添加剤、カーボンブラック等の顔料成分を加えることができる。溶剤としては、上記の溶剤が使用できる。
また、プライマーの樹脂成分としては、活性エネルギー線硬化型樹脂等も使用可能である。具体的には、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリレート系樹脂、ポリエン/ポリチオール系樹脂、スピラン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フラン系樹脂等が挙げられる。これら樹脂と必要に応じて活性エネルギー線硬化型モノマーなどの各種モノマー、プレポリマー、光重合開始剤が使用される。
活性エネルギー線としては、電子線、紫外線が挙げられるが、本発明では紫外線が主として使用される。
プライマーに使用可能なモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、スチレン、アクリルアミド、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートエチル、3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー、ペンタエリスリトールポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の4官能モノマー、その他5官能以上のモノマーとしてジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。活性エネルギー線硬化型組成物としてモノマー、プレポリマー、オリゴマーを用いる場合3官能以上のモノマー、プレポリマー、オリゴマーは20〜95重量%以内で使用することが好ましい。20重量%以下ではポリマーフィルムへの密着性が弱く、膜密度、膜強度が低く、95重量%以上の場合、硬くなりすぎるために脆くなり、細線の印刷再現性がかえって悪くなる可能性がある。
本発明において、電離線照射に用いる電離線としては、レーザービーム、イオンビーム、電子線ビーム、紫外線照射、プラズマ放電、コロナ放電等の方法があるが、中でも電子線ビーム、プラズマ放電、コロナ放電が好ましく使用され、より好ましくは、コロナ放電が使用される。本発明においてコロナ放電を使用した表面処理をコロナ処理とする。
コロナ放電処理はスパークギャップ方式、真空管方式、ソリッドステート方式などを利用することができる。樹脂塗膜との密着性を確保するためには、その基材表面に5〜40,000W/m2/分)、好ましくは150〜40,000W/m2/分程度のエネルギーを放射賦与することが好ましい。コロナ放電を利用した表面処理(コロナ処理)。コロナ放電装置の発振器の種類、周波数等は任意に定めることができる。
電子線照射処理としては、例えば放射性同位元素から放出されるα線、β線、γ線を挙げることができる。また、ヴァン・デ・クラーク型電子加速器、コックロフト・ウォルトン型電子加速器、絶縁変圧型電子加速器、変圧器型ガス(油)絶縁方式電子加速器、冷陰極衝撃電圧型電子加速器、線状フィラメント型電子加速器からの電子線を挙げることができる。加速電圧については、特に限定されるものではないが、フィルム基材への影響を考慮すれば、150kV以下が好ましく、100kV以下がより好ましい。また、照射量は、15kGy以上が好ましく、20kGy以上がより好ましい。ただし、必要以上の照射量は、エネルギーコストの点で実現性がない。
プラズマ処理は、通常10-2〜10Torrの低圧ガス(アルゴン、窒素、酸素など)のグロー放電を使用するが、特に好ましくは、0.01〜0.1Torr程度の圧力の、空気又は酸素ガスのプラズマが用いられる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明を具体的に説明するために挙げられているものであり、本発明をなんら制限するものでない。
[実施例1]
1,4−ブタンジオールとアジピン酸から合成したポリエステルポリオール(OH価210)70重量部、カーボンブラック(粒径24nm、DBP吸油量100cm/100g)5重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25重量部を配合し、三本ロールにて分散し、主剤の樹脂組成物を調製した。
この主剤に対して硬化剤であるトリレンジイソシアネートを70重量部配合し、混合器(ディスパー)で10分間混合し、2液硬化型樹脂組成物を調製した。混合後、直ちに、この2液硬化型樹脂組成物を、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率70%、白色)に、スキージにより下側から塗布し、上側(反対面)より余った2液硬化型樹脂組成物をかきとった。その後、この樹脂スクリーン印刷版を、60℃10分乾燥後、24時間室温にて放置し、製版前の版(印刷用版)を作製した。なお、膜厚は10μmとした。
さらに、この製版前の樹脂スクリーン印刷版にYAGレーザ(レーザパワー80%、スキャンスピード1518mm/s、Qスイッチ周波数20kHz、スキャン回数15回)にてフォント18ポイントで0〜9までの数字パターンを製版した。数字パターンをパターニングした樹脂スクリーン印刷版について、下記の試験方法により、「レーザによる加工性」、「レーザ製版性」、「耐溶剤性(塗膜の密着性)」、「印刷耐久性」、「連続印刷性(印刷効果、版の状態)」、「細線印刷再現性試験」の評価を行った。結果を表1に示す。
(レーザによる加工性試験)
レーザ光照射により開口した部分の状況を50倍の光学顕微鏡により観察を行い、下記評価基準に基づいて評価した。
〈評価基準〉
○:開口部がきっちりと開いており、270メッシュのポリエステル紗に損傷がない。
△:開口部が開いているが、270メッシュのポリエステル紗に、損傷が多少観察され
る。
×:開口部がほとんど貫通されていないか、270メッシュのポリエステル紗に、損傷
がかなり観察される。
(レーザ製版性試験)
作製した樹脂スクリーン印刷版を使用し、シルクスクリーンインキ(東洋インキ製造(株)製SS8391藍)を紙に印刷し、その印刷効果を下記評価基準に基づいて評価した。
〈評価基準〉
○:きれいに印刷できる。
△:エッジが欠ける印刷しかできない。または、多少滲んだ印刷である。
×:印刷できない。または、滲んだ印刷しか出来ない。
(耐溶剤性試験(塗膜の密着性試験))
ポリエチレンテレフタレート(PET)メッシュスクリーン版に、上記のように作製した2液硬化型樹脂組成物を塗布し、60℃10分間加熱乾燥後、24時間室温にて放置した。この樹脂塗膜をシクロヘキサノンを含浸した脱脂綿にて50回擦り、塗膜の剥がれ具合を下記評価基準に基づいて評価した。
〈評価基準〉
○:皮膜がほとんど剥がれない。
△:皮膜が一部剥がれる。
×:皮膜が完全に剥がれる。
(印刷耐久性試験)
学振型耐摩擦試験機(テスター産業社製)の駆動部にスキージ素材を固定し、500gの加重をかけるよう取り付けたものに、レーザにより製版した樹脂スクリーン印刷版をセットし、シルクスクリーンインキ(東洋インキ製造(株)製SS8391藍)を載せた状態で1万回往復後、この版を使用して、シルクスクリーンインキを紙に印刷し、印刷品質の劣化具合を下記評価基準に基づいて評価した。
〈評価基準〉
○:印刷品質の劣化がない。
△:印刷品質の劣化が一部観察される。
×:印刷品質の劣化が観察される。
(連続印刷性試験)
シルクスクリーン印刷機(美濃商事株式会社製、MEDIA 68−AN−II)に、レーザにより製版した樹脂スクリーン印刷版をセットし、シルクスクリーンインキ(東洋インキ製造(株)製SS8391藍)により、紙に5000回印刷を行い、5000回目の印刷効果および版の状態を下記評価基準に基づいて評価した。
(連続印刷性試験:印刷効果)
〈評価基準〉
○:印刷品質の劣化がない。
△:印刷品質の劣化が一部観察される。
×:印刷品質の劣化が観察される。
(連続印刷性試験:版の状態)
〈評価基準〉
○:版の劣化がない。
△:版の劣化が一部に観察されるものの実用上問題のないレベルである。
×:版の劣化が全体に観察される。
なお、これら試験と共に、上記で用いた2液硬化型樹脂組成物の「柔軟性」、上記製版前の印刷用版の「細線印刷再現性」について、下記条件により試験試料を作製し、下記条件で試験および評価を行った。結果を表1に示す。
(柔軟性試験)
剥離紙上にアプリケータにて、上記のように作製した2液硬化型樹脂組成物を塗布し、60℃10分間加熱乾燥後、24時間室温にて放置した。塗膜を剥離紙から引き剥がし、2cm幅に切り、この試料を長手方向に、120%の長さに引き伸ばし、その後、引き伸ばしを解除した後試料が元に戻るかを、下記評価基準に基づいて評価した(試料の塗膜厚は70μmとした。)。
〈評価基準〉
○:完全に戻る。
△:完全には戻らない。
×:全く戻らない。
(細線印刷再現性試験)
上記で得られた印刷用版を用い、上記条件(PETフィルム側からYAGレーザ(レーザパワー80%、スキャンスピード1518mm/s、Qスイッチ周波数20kHz、スキャン回数15回)で照射)で線幅100μmの細線を製版し、シルクスクリーンインキ(東洋インキ製造(株)製SS8391藍)にて紙に印刷を行い、印刷物を50倍の光学顕微鏡によりエッジ部分を観察し、下記評価基準に基づいて評価した。
〈評価基準〉
○:なめらかな細線である。
△:ぎざぎざな細線であるものの実用上問題のないレベルである。
×:細線が印刷できない。
[実施例2〜13、参考例1〜4、比較例1〜6]
2液硬化型樹脂組成物の処方を表1の実施例2〜13、参考例1〜4、比較例1〜3、5及び6に記載の処方とし、比較例4は、現行の乳化剤であるムラカミ(株)製「ONEPOT 50M」にて通常の方法により作製したことを除き、実施例1と同様にして数字パターンをパターニングした樹脂スクリーン印刷版を作製した。この樹脂スクリーン印刷版について、実施例1と同様にして、「レーザによる加工性」、「レーザ製版性」、「耐溶剤性(塗膜の密着性)」、「印刷耐久性」、「連続印刷性(印刷効果、版の状態)」、「細線印刷再現性試験」の評価を行った。結果を表1に示す。なお、使用した樹脂スクリーン紗は、実施例2〜10では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率70%、白色)であり、実施例11では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率50%、白色)であり、実施例12では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率60%、白色)であり、実施例13では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率80%、白色)である。また、参考例1および3では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率5%、橙色)であり、参考例2、4および比較例4では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率20%、黄色〜橙色)であり、比較例1〜3では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率70%、白色)であり、比較例5では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率30%、淡黄色)であり、比較例6では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率35%、淡黄色)である。
また、実施例2〜13、参考例1〜4および比較例1〜6で使用した樹脂組成物の「柔軟性」および実施例2〜13、参考例1〜4および比較例1〜6の印刷用版の「細線印刷再現性」についても、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
なお、参考例1〜4、比較例2および3、5および6は、レーザ製版できなかったため、「印刷耐久性」および「連続印刷性(印刷効果、版の状態)」について評価を行わなかった。
また、比較例4は、レーザ製版ではないため、「レーザによる加工性」および「レーザ製版性」について評価を行わなかった。
さらに、比較例4は、2液硬化型樹脂組成物を使用していないため「柔軟性試験」は、使用した乳化剤を2液硬化型樹脂組成物を使用した場合に準じて試験を行った。
Figure 0005251979
表1から本発明の樹脂スクリーン印刷版は、樹脂スクリーン紗には実用上の損傷がなく、しかも、レーザ光により簡便に製版でき、耐久性にも優れていることが分かる。
また、特に、参考例1〜4は、実施例1〜2における樹脂スクリーン紗のみを変更した例であって、実施例1〜2は光透過率が70%の樹脂スクリーン紗を使用した例であり、参考例1〜4は光透過率が40%に満たない樹脂スクリーン紗を使用した例であるが、参考例1〜4はレーザー製版すらできなかったことから、実施例で使用した樹脂スクリーンの効果は歴然としている。
[実施例14]
1,4−ブタンジオールとアジピン酸から合成したポリエステルポリオール(OH価210)70重量部、カーボンブラック(粒径24nm、DBP吸油量100cm/100g)5重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25重量部を配合し、三本ロールにて分散し、主剤の樹脂組成物を調製した。
この主剤に対して硬化剤であるトリレンジイソシアネートを70重量部配合し、混合器(ディスパー)で10分間混合し、2液硬化型樹脂組成物を調製した。混合後、直ちに、この2液硬化型樹脂組成物を、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率70%、白色)に、スキージにより下側から塗布し、上側(反対面)より余った2液硬化型樹脂組成物をかきとった。2液硬化型樹脂組成物が硬化しない間に、厚さ12μmのカーボンブラック含有PETフィルム(カーボンブラックの添加量0.3重量%)を貼り合せた。この厚さ12μmのカーボンブラック含有PETフィルムは、予め、コロナ処理機(3DT社製)にて処理出力1.5kW、処理速度10m/minの条件で、2液硬化型樹脂組成物に貼り合わせる片面の表面処理を行った。その後、この樹脂スクリーン印刷版を、60℃10分乾燥後、24時間室温にて放置し、製版前の版(印刷用版)を作製した。なお、PETフィルムを貼り合わせる前の樹脂塗膜の乾燥膜厚は10μmとした。
さらに、この製版前の樹脂スクリーン印刷版に、PETフィルム側からYAGレーザ(レーザパワー80%、スキャンスピード1518mm/s、Qスイッチ周波数20kHz、スキャン回数15回)にてフォント18ポイントで0〜9までの数字パターンを製版した。数字パターン(線幅300μm)をパターニングした樹脂スクリーン印刷版について、「レーザによる加工性」、「レーザ製版性」、「耐溶剤性(塗膜の密着性)」、「印刷耐久性」、「連続印刷性(印刷効果、版の状態)」、「細線印刷再現性試験」の評価を行った。結果を表2に示す。なお、「レーザによる加工性」、「レーザ製版性」、「印刷耐久性」、及び「細線印刷再現性試験」については実施例1と同様にして行い、「耐溶剤性(塗膜の密着性)」、「連続印刷性(印刷効果、版の状態)」は以下のようにして行った。
(耐溶剤性試験(塗膜の密着性試験))
PETフィルムの貼付されていない樹脂塗膜面を、シクロヘキサノンを含浸した脱脂綿にて50回擦り、塗膜の剥がれ具合を下記評価基準に基づいて評価した。
〈評価基準〉
○:皮膜がほとんど剥がれない。
△:皮膜が一部剥がれる。
×:皮膜が完全に剥がれる。
(連続印刷性試験)
シルクスクリーン印刷機(美濃商事株式会社製、MEDIA 68−AN−II)に、レーザにより製版した樹脂スクリーン印刷版をセットし、シルクスクリーンインキ(東洋インキ製造(株)製SS8391藍)により、紙に5000回印刷を行い、5000回目の印刷効果および版の状態を下記評価基準に基づいて評価した。
(連続印刷性試験:印刷効果)
〈評価基準〉
○:印刷品質の劣化がない。
△:印刷品質の劣化が一部観察される。
×:印刷品質の劣化が観察される。
(連続印刷性試験:版の状態)
○:版の劣化がない。
△:紗とフィルムとの剥離が一部観察される。
×:紗とフィルムとの剥離が観察される。
なお、これら試験と共に、上記で用いた2液硬化型樹脂組成物の「柔軟性」、上記製版前の印刷用版の「細線印刷再現性」について、下記条件により試験試料を作製し、下記条件で試験および評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例15〜28、参考例5〜8、比較例7〜12]
2液硬化型樹脂組成物の処方を表2の実施例15〜28、参考例5〜8、比較例7〜9、11および12に記載の処方とし、比較例10は、現行の乳化剤であるムラカミ(株)製「ONEPOT 50M」にて通常の方法により作製したことを除き、実施例14と同様にして数字パターンをパターニングした樹脂スクリーン印刷版を作製した。ただし、実施例22、23については、ポリマーフィルムとして、厚さ8μmのカーボンブラック含有PETフィルム(カーボンブラックの添加量0.3重量%)を用い、参考例7、8については、厚さ12μmのカーボンブラックを含有していない透明なPETフィルムを用いた。また、実施例27および28、比較例7については、表面処理を行っていないポリマーフィルムを用いた。
これらの樹脂スクリーン印刷版について、実施例14と同様にして、「レーザによる加工性」、「レーザ製版性」、「耐溶剤性(塗膜の密着性)」、「印刷耐久性」、「連続印刷性(印刷効果、版の状態)」の評価を行った。結果を表2に示す。
なお、使用した樹脂スクリーン紗は、実施例15〜23では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率70%、白色)であり、実施例24では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率50%、白色)であり、実施例25では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率60%、白色)であり、実施例26では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率80%、白色)であり、実施例27および28では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率70%、白色)である。また、参考例5および7では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率5%、橙色)であり、参考例6、8および比較例10では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率20%、黄色〜橙色)であり、比較例7〜9では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率70%、白色)であり、比較例11では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率30%、淡黄色)であり、比較例12では、版枠に張った270メッシュのポリエステル(PET)紗(光透過率35%、淡黄色)である。
また、実施例15〜28、参考例5〜8および比較例7〜12で用いた樹脂組成物の「柔軟性」および参考例5〜8および比較例7〜12の印刷用版の「細線印刷再現性」についても、実施例14と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
なお、参考例5〜8、比較例8および9、11および12は、レーザ製版できなかったため、「印刷耐久性」および「連続印刷性(印刷効果、版の状態)」について評価を行わなかった。
また、比較例10は、レーザ製版ではないため、「レーザによる加工性」および「レーザ製版性」について評価を行わなかった。さらに、比較例10は、フィルム貼り合わせを行っていないため、「連続印刷性試験」の版の状態は、以下のように評価した。
〈評価基準〉
○:版の劣化がない。
△:版の劣化が一部に観察される。
×:版の劣化が全体に観察される。
さらに、比較例10は、2液硬化型樹脂組成物を使用していないため「柔軟性試験」は、使用した乳化剤を2液硬化型樹脂組成物を使用した場合に準じて試験を行った。
Figure 0005251979
表2から、本発明の樹脂スクリーン印刷版は、樹脂スクリーン紗には実用上の損傷がなく、しかも、レーザ光により簡便に製版でき、細線の印刷再現性に優れ、さらに耐久性にも優れていることが分かる。
また、特に、参考例5、6は、実施例14、15における樹脂スクリーン紗のみを変更した例であって、実施例14〜15は光透過率が70%の樹脂スクリーン紗を使用した例であり、参考例5、6は光透過率が40%に満たない樹脂スクリーン紗を使用した例であるが、参考例5、6はレーザー製版すらできなかったことから、実施例で使用した樹脂スクリーンの効果は歴然としている。
また、参考例7、8は、実施例14、15における樹脂スクリーン紗および貼り合わせるポリマーフィルム中にカーボンブラックを含有させていないものに変更をした例であって、実施例14〜15は光透過率が70%の樹脂スクリーン紗を使用した例であり、参考例7、8は光透過率が40%に満たない樹脂スクリーン紗を使用した例であるが、参考例7、8はレーザー製版すらできなかったことから、実施例で使用した樹脂スクリーンの効果は歴然としている。
1 樹脂スクリーン印刷用版
2 樹脂スクリーン紗
3 樹脂塗膜
4 樹脂スクリーン印刷版
5 レーザ光
6 開口部
7 ポリマーフィルム

Claims (17)

  1. 樹脂スクリーン紗と、前記樹脂スクリーン紗にカーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を塗布することにより形成された樹脂塗膜とを有することを特徴とするレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
  2. ポリマーフィルムが、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を樹脂スクリーン紗に塗布することにより形成された樹脂塗膜上に積層されてなることを特徴とするレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
  3. ポリマーフィルムが、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を樹脂スクリーン紗に塗布することにより形成された樹脂塗膜上に積層されてなるレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版において、ポリマーフィルムが、両面、あるいは積層される樹脂塗膜側の片面を表面処理されたものであることを特徴とするレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
  4. ポリマーフィルムの表面処理が、プライマーを塗布することによる表面処理および/または電離線照射による表面処理であることを特徴とする請求項3に記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
  5. ポリマーフィルムがカーボンブラックを含有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
  6. 樹脂スクリーン紗の波長400〜500nmの光に対する光透過率が40%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
  7. 2液硬化型樹脂組成物のカーボンブラックの含有量が0.5〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
  8. 2液硬化型樹脂組成物が、イソシアネート化合物と水酸基含有化合物とを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
  9. 水酸基含有化合物が、ポリエステルポリオールであることを特徴とする請求項8に記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
  10. 樹脂スクリーン紗がナイロンまたはポリエステルからなるスクリーン紗であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版。
  11. 樹脂スクリーン紗にカーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物を塗布することにより、樹脂スクリーン紗に樹脂塗膜を形成することを特徴とするレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の製造方法。
  12. ポリマーフィルムを、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物により樹脂スクリーン紗に接着させることにより、ポリマーフィルム、前記2液硬化型樹脂組成物からなる樹脂塗膜および樹脂スクリーン紗を有するレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版を製造する、レーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の製造方法。
  13. ポリマーフィルムを、カーボンブラックを含有する2液硬化型樹脂組成物により樹脂スクリーン紗に接着させることにより、ポリマーフィルム、前記2液硬化型樹脂組成物からなる樹脂塗膜および樹脂スクリーン紗を有するレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版を製造する、レーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の製造方法において、ポリマーフィルムが、両面、あるいは樹脂塗膜側の片面を表面処理されたものを使用することを特徴とするレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の製造方法。
  14. ポリマーフィルムは、樹脂スクリーン紗に前記2液硬化型樹脂組成物を塗布することにより樹脂塗膜を形成した後、該2液硬化型樹脂組成物が硬化する前に前記樹脂塗膜上に適用され、貼付されることを特徴とする請求項12または13に記載のレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版の製造方法。
  15. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂スクリーン印刷用版をレーザ光で照射することにより樹脂塗膜、又はポリマーフィルムおよび樹脂塗膜に所定パターンの開口を形成することを特徴とするスクリーン印刷版の製造方法。
  16. ポリマーフィルムが、樹脂塗膜上に積層されてなるレーザ製版用樹脂スクリーン印刷用版に対する所定パターンの開口の形成に際し、レーザ光による照射がポリマーフィルム側から行われることを特徴とする請求項15に記載のスクリーン印刷版の製造方法。
  17. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂スクリーン印刷用版にレーザ光を照射することにより樹脂塗膜、又はポリマーフィルムおよび樹脂塗膜に所定パターンの開口を形成してなる樹脂スクリーン印刷版。
JP2010516827A 2008-06-11 2009-06-04 レーザ製版用樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法、並びに樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5251979B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010516827A JP5251979B2 (ja) 2008-06-11 2009-06-04 レーザ製版用樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法、並びに樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法

Applications Claiming Priority (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008153352 2008-06-11
JP2008153351 2008-06-11
JP2008153351 2008-06-11
JP2008153352 2008-06-11
JP2008323901 2008-12-19
JP2008323901 2008-12-19
JP2010516827A JP5251979B2 (ja) 2008-06-11 2009-06-04 レーザ製版用樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法、並びに樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法
PCT/JP2009/060272 WO2009150996A1 (ja) 2008-06-11 2009-06-04 レーザ製版用樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法、並びに樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009150996A1 JPWO2009150996A1 (ja) 2011-11-17
JP5251979B2 true JP5251979B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=41416703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010516827A Expired - Fee Related JP5251979B2 (ja) 2008-06-11 2009-06-04 レーザ製版用樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法、並びに樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP5251979B2 (ja)
KR (1) KR101659390B1 (ja)
CN (1) CN102056747B (ja)
TW (1) TWI481516B (ja)
WO (1) WO2009150996A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5879934B2 (ja) * 2010-11-01 2016-03-08 東洋インキScホールディングス株式会社 レーザ製版用スクリーン印刷用版およびその製造方法ならびにスクリーン印刷版およびその製造方法
JP5516462B2 (ja) * 2011-03-14 2014-06-11 東洋インキScホールディングス株式会社 レーザ製版用スクリーン印刷用版およびその製造方法ならびにスクリーン印刷版およびその製造方法
CN102848764A (zh) * 2011-06-29 2013-01-02 群康科技(深圳)有限公司 印版及使用该印版的电路板印刷方法与制造的印刷电路板
WO2013022097A1 (ja) * 2011-08-10 2013-02-14 太陽化学工業株式会社 プライマー薄膜を含む構造体及び該構造体の製造方法
CN103879163B (zh) * 2014-02-17 2015-09-16 浙江大学 一种纺织激光印花方法及印花装置
CN108749276B (zh) * 2018-08-17 2024-03-12 昆山良品丝印器材有限公司 一种聚酰亚胺太阳能网版及制作方法
JPWO2020067224A1 (ja) * 2018-09-27 2021-08-30 東レ株式会社 スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントおよびダイレクトデジタル製版用メッシュ織物
CN112940328A (zh) * 2021-04-20 2021-06-11 番禺南沙殷田化工有限公司 一种激光烧蚀黑色膜及其制备方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002067527A (ja) * 2000-06-15 2002-03-08 Fuji Electric Co Ltd スクリーン印刷版及びその製造方法
JP2004058640A (ja) * 2002-07-29 2004-02-26 Needs:Kk スクリーン印刷用印刷版

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2065322A (en) * 1934-06-09 1936-12-22 Reliance Varnish Company Art of veneering surfaces
JPS548003A (en) 1977-06-17 1979-01-22 Fujitsu Ltd Method of making mask for screen printing
GB8719412D0 (en) 1987-08-17 1987-09-23 Zed Instr Ltd Preparing screen
JP2812728B2 (ja) 1989-08-11 1998-10-22 村上スクリーン株式会社 スクリーン印刷用版の製造方法
JPH1177948A (ja) 1997-09-17 1999-03-23 Reitetsuku Kk スクリーン印刷版およびその製造方法
MY133638A (en) * 1999-10-18 2007-11-30 Stork Screens B V A Dutch Company Printing forme for rotary screen printing made from fibre-reinforced plastics material
TW480218B (en) * 1999-12-21 2002-03-21 Victor Company Of Japan Squeegee for screen printing
JP3889340B2 (ja) * 2001-09-18 2007-03-07 理想科学工業株式会社 孔版印刷用原紙、製版方法及び孔版印刷方法
TWI222411B (en) * 2003-01-07 2004-10-21 Liang-Neng Tzeng Method for making stereoscopic shell sticker manufactured with combination of screen printing and laser hologram press-printing
US7156017B1 (en) * 2006-04-25 2007-01-02 Robert Louis Ingraselino Method creating a picture by different layered stencils

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002067527A (ja) * 2000-06-15 2002-03-08 Fuji Electric Co Ltd スクリーン印刷版及びその製造方法
JP2004058640A (ja) * 2002-07-29 2004-02-26 Needs:Kk スクリーン印刷用印刷版

Also Published As

Publication number Publication date
CN102056747B (zh) 2013-01-02
TW201006689A (en) 2010-02-16
WO2009150996A1 (ja) 2009-12-17
KR101659390B1 (ko) 2016-09-26
TWI481516B (zh) 2015-04-21
CN102056747A (zh) 2011-05-11
JPWO2009150996A1 (ja) 2011-11-17
KR20110031316A (ko) 2011-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5251979B2 (ja) レーザ製版用樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法、並びに樹脂スクリーン印刷版及びその製造方法
JP2846955B2 (ja) 多層フレキソグラフ印刷板を作成する方法
JP5691274B2 (ja) 感光性樹脂印刷版原版
JP2009083185A (ja) レーザーマーキング用インキ及びレーザーマーキング方法
US5992314A (en) UV curable adhesive for stencil media
CN105524526B (zh) Uv可固化墨水、使用其制造边框的方法、制造的边框图案和显示器面板
WO2021044838A1 (ja) 印刷物の製造方法
JP2020066649A (ja) 活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ用ロジン変性樹脂とその製造方法、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ用ワニス、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ、及び印刷物
WO2007004681A1 (ja) 凸版印刷用感光性積層印刷原版の製造方法、凸版印刷用感光性積層印刷原版、および凸版印刷版の製造方法
CN110520797A (zh) 含有低度官能化的部分皂化聚乙酸乙烯酯的可辐照固化的混合物
JP2004067777A (ja) 微小着色パターン欠陥修正用インキ、その修正方法、及び、カラーフィルター
JP5879934B2 (ja) レーザ製版用スクリーン印刷用版およびその製造方法ならびにスクリーン印刷版およびその製造方法
JP5486428B2 (ja) レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版及びその製造方法、並びに、レリーフ印刷版及びその製版方法
JP2009229484A (ja) 感光性樹脂板製版用カバーフィルム
JP5516462B2 (ja) レーザ製版用スクリーン印刷用版およびその製造方法ならびにスクリーン印刷版およびその製造方法
JP2009119678A (ja) 厚膜印刷物の作製方法
JP2013156495A (ja) フレキソ印刷原版
JP2008162203A (ja) 感光性樹脂組成物およびそれから得られるレーザー彫刻用感光性樹脂原版
JP7255055B2 (ja) 電子線硬化型組成物、および積層体
JP2011086492A (ja) 透明導電膜、透明導電回路およびその製造方法
JP2010247406A (ja) 樹脂スクリーン印刷版およびその製造方法
JP3475591B2 (ja) 印刷用版材およびその製造方法
JP2000265102A (ja) フレキソ印刷用酸化重合併用紫外線硬化型インキ及びその印刷物
JP5263016B2 (ja) カラーフィルタの欠陥修正用インキの設計方法および製造方法
JP5655382B2 (ja) カラーフィルタの欠陥修正用インキ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5251979

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees