JP2009229484A - 感光性樹脂板製版用カバーフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、ネガ密着性と空気抜け性を向上させ、解像度の高い画像を得ることができる感光性樹脂板製版用カバーフィルムの提供を課題とするものである。
【解決手段】
支持層、感光性樹脂層、スリップコート層をその順に設けてなる感光性樹脂積層体のカバーフィルムとして用いられるフィルムであって、少なくとも粒子Aと粒子Bを含有するポリエステルフィルムであり、該粒子Aと該粒子Bの平均粒径が異なり、該フィルムの少なくとも一方の表面(X面)の3次元粗さSRaが10nm以上200nm以下であり、該フィルム表面(X面)の3次元粗さSRzが2000nm以上5000nm以下であり、かつ該フィルム表面(X面)と感光性樹脂積層体のスリップコート層の表面とが密着または対向する態様で使用される感光性樹脂板製版用カバーフィルム
【選択図】なし

Description

本発明は支持層、感光性樹脂層、スリップコート層をその順に設けてなる感光性樹脂積層体のカバーフィルムとして用いられるフィルム関するものである。さらに詳しくは、より高精細なレリーフを形成可能とする感光性樹脂板製版用カバーフィルムに関するものである。
従来、感光性樹脂層に透明部分を持つネガティブ又はボジティブの原図フィルムを通して活性光線を照射し、原図フィルムの透明部分に対応する感光性樹脂層に光重合を起こさせ、ついで未硬化部分を適当な溶剤で除去することによってレリーフを形成せしめること、及びこれを印刷版材として用いることが知られている。(例えば特許文献1)
一般に感光性樹脂層に透明部分を持つネガティブ又はボジティブの原図フィルムを通して活性光線を照射する工程では、原図フィルムと感光性樹脂層との密着性が悪い場合には焼きボケ(活性光線の広がりによってレリーフが太る現象)が起こるために、密着性に優れた感光性樹脂層が求められていた。その要求を満たすために、感光性樹脂層と原図フィルムとの間の空気抜け性を良くする方法としてカバーフィルムにマットフィルムを用いてスリップコート層に表面凹凸を転写する方法(特許文献2)が提案されているが、感光性樹脂層表面にできた表面凹凸によって活性光線が散乱してレリーフのスリット深度が埋まりやすく、又細線幅もネガに対して太りやすいという新たな問題が発生し、解像度の高い画像を得るのが難しいという問題があった。
具体的には従来は、感度測定用グレイスケ−ルネガフイルムおよび画像再現性評価ネガフイルム(200線1%、175線1%・3%・5%網点、直径100μmおよび200μmの独立点、幅20μmおよび40μmの細線あり)を使用してレリーフを作成して評価すると、175線3%網点、100μm独立点、40μm細線レベルの版材しかできなかった。ここで、線数(出力線数)とは印刷物になった時の網点(インクやトナーで描かれた点)の細かさを示す数値である。線数が高いほど、きめ細かな印刷物に仕上がる(例えば特許文献3)。
特開昭50−27602号公報 特開昭48−45304号公報 特開昭2002−23349号公報
本発明は、ネガ密着性と空気抜け性を向上させ、解像度の高い画像を得ることができる感光性樹脂板製版用カバーフィルムの提供を課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意、研究、検討した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、支持層、感光性樹脂層、スリップコート層をその順に設けてなる感光性樹脂積層体のカバーフィルムとして用いられるフィルムであって、少なくとも粒子Aと粒子Bを含有するポリエステルフィルムであり、該粒子Aと該粒子Bの平均粒径が異なり、該フィルムの少なくとも一方の表面(X面)の3次元粗さSRaが10nm以上200nm以下であり、該フィルム表面(X面)の3次元粗さSRzが2000nm以上5000nm以下であり、かつ該フィルム表面(X面)と感光性樹脂積層体のスリップコート層の表面とが密着または対向する態様で使用される感光性樹脂板製版用カバーフィルム、である。
本発明のカバーフィルムを用いることにより、高画質な画像を得ることができ、さらにカバーフィルムを装着状態でのハンドリングが良いため、使いやすい。
本発明のカバーフィルムは、支持層、感光性樹脂層、スリップコート層をその順に設けてなる感光性樹脂積層体のカバーフィルムとして用いられるフィルムであることが必要である。
感光性樹脂層は、公知のものを使用でき、例えばポリエーテルアミドを充填ポリマーとするもの(例えば特開昭55−79437号公報)、ポリエーテルエステルアミドを充填ポリマーとするもの(例えば特開昭58−113537号公報)、3級窒素原子を含有するポリアミドを充填ポリマーとするもの(例えば特開昭50−76055号公報)、アンモニウム塩型3級窒素原子を含有するポリアミドを充填ポリマーとするもの(例えば特開昭53−36555号公報)、アミド結合を少なくとも一つ以上含有するアミド化合物と有機ジイソシアネート化合物との付加重合体(例えば特開昭58−14073号公報)、アミド結合を有しないジアミンと有機ジイソシアネート化合物との付加重合体(例えば特開平4−97154号公報)などが挙げられる。感光性樹脂層は通常0.01〜10mm、さらには0.1〜2.0mmの厚さに形成することが好ましい。
支持層は、寸法安定性の良好な材料であることが好ましい。例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属版、ゴム、プラスチックなどの重合体からなるフィルム、シート、紙、布などが用いられ、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いられる。
スリップコート層は、例えば、ポリアミド、ポリアクリルアミド、セルロース、ポリビニルアルコールなどを主体としたもの、あるいはこれらの樹脂を2種以上混合したものが挙げられる。また適切な接着力を調整するための樹脂類やモノマー類、塗工性や安定性を調整するための界面活性剤や可塑剤等の添加剤を含有させてもよい。これらのスリップコート層は、その皮膜と前期感光性樹脂層とが同一の現像液に溶解するように選択されることが必要である。
しかしながら、スリップコート層の形成に用いた樹脂と感光層(感光性樹脂層)における主体樹脂とが同一の場合などでは、長時間経過するうちに、感光層(感光性樹脂層)の成分がスリップコート層の樹脂と混ざりあって、スリップコート層としての効果が低下する。
したがって、このような問題を解決するためには、スリップコート層には感光性樹脂層よりやや難溶な樹脂を用いることが望ましい。スリップコート層の厚みは15μm以下が好ましく、0.1μm以上5μm以下がより好ましい。15μm以下であれば、紫外光を露光した際のスリップコート層による光の屈曲や散乱が抑えられ、シャープなレリーフ画像が得られる。
また、本発明のカバーフィルムは、支持層、感光性樹脂層、スリップコート層をその順に設けてなる感光性樹脂積層体のスリップコート層の表面と密着または対向する態様で使用される必要がある。感光性樹脂積層体の積層方法や、感光性樹脂積層体を該カバーフィルムの密着方法としては公知の方法を使用できるが、カバーフィルム上にスリップコート層を塗布した後、感光性樹脂層の溶液を積層し、最後に支持体(支持層)を張り合わせる方法や、あらかじめ作成しておいた感光性樹脂層と支持体(支持層)をラミネートし、スリップコート層を塗布したカバーフィルムとをさらにラミネートする方法が望ましい。
本発明におけるカバーフィルムは、スリップコート層の表面と密着または対向する側の表面(X面)の3次元粗さSRaが10nm以上200nm以下であることが必要である。また、該表面(X面)の3次元粗さSRzが2000nm以上5000nm以下の範囲内にあることが必要である。好ましくはSRaが10nm以上100nm以下、SRzが3000nm以上5000nm以下、さらに好ましくはSRaが10nm以上50nm以下、SRaが3000nm以上5000nm以下である。SRaが10nm未満の場合は、空気抜け性が悪くなるため好ましくない。SRaが200nmより大きい場合は、表面凹凸が大きいため、活性光線が散乱して白抜深度が浅くなり画像が悪化するため好ましくない。SRzが2000nm未満の場合は、空気抜け性が極端に悪くなるため好ましくない。SRzが5000nmを超えるの場合は、表面凹凸が大きいため、活性光線が散乱して白抜深度が浅くなり画像が悪化するため好ましくない。
フィルム表面の3次元粗さSRa、SRzを上記範囲内とするために、本発明のカバーフィルムは、少なくとも粒子Aと粒子Bを含有することが必要である。また、該粒子Aと該粒子Bの平均粒径が異なることが必要である。
ここで、平均粒径が異なるとは、粒子Aの平均粒径dと粒子Bの平均粒径eが下記関係を満たすことをいう。
d/e≧1.25
より好ましくは、下記関係式を満たすことである。
60≧e/d≧1.25
また、粒子Aの平均粒径dは1μm以上6μm以下であることが好ましく、粒子Bの平均粒径eは0.1μm以上4μm以下であることが好ましい。粒径をかかる範囲とすることで、より効率的にフィルム表面の3次元粗さSRa、SRzを上記範囲内とすることができる。
本発明で用いられる粒子A,Bの材質は、本発明の作用を阻害しない範囲で特に限定されず、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。中でもシリカ、炭酸カルシウムが適度な粒子サイズと堅さの点からより好ましい。またそれぞれの粒子の特徴を生かして、2種類以上の材質のものを組み合わせてもよい。すなわち、粒子Aと粒子Bの材質が異なることが好ましい。中でも、粒子Bに炭酸カルシウム、粒子Aにシリカの組み合わせで行うと、より粒径が揃いやすい炭酸カルシウムで微細な面を形成し、堅いシリカがスパイク状に分布した面を形成できるため、本発明には好ましい組み合わせである。
また、本発明のカバーフィルムはポリエステルフィルムであることが必要である。ポリエステルの種類としては特に限定されないが、機械特性や熱特性の点からポリチレンテレフタレートが特に好ましい。
また、本発明のフィルムのX面側に帯電防止成分を含有する接着層を設けてもよい。かかる接着層を設けた感光性樹脂板製版用帯電防止性カバーフィルムを感光性樹脂積層体のカバーフィルムとして用いる場合は、感光性樹脂板製版用カバーフィルムのX面は感光性樹脂積層体のスリップコート層の表面と直接密着はしないが、対向する関係となる。このように、両表面が対向する態様で使用されることは、本発明の好ましい使用態様の一つである。帯電防止成分を含有した接着層を設けることにより、感光性樹脂積層体からカバーフィルムを剥がした後に微量の帯電防止成分がスリップコート層に残り帯電防止効果があるため、感光性樹脂積層体にゴミを付着しにくかったり、ネガを重ねたときに空気抜け性がよくなったりするため、好ましい。
帯電防止成分としては、帯電防止機能を有する低分子物質や高分子物質等が用いられる。例えば、分子内にスルホン酸金属塩を有するビニル共重合体、アルキルスルホン酸金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ベタイン、第4級アンモニウム塩基を有するアクリル系ポリマー、イオネンポリマー、リン酸塩、リン酸エステル等のイオン伝導性のもの、酸化スズ−酸化アンチモン等の金属酸化物、アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウム等の金属アルコキシド及びその誘導体、コーテッドカーボン、コーテッドシリカ、ポリチオフェン等より選ばれる一つ、もしくは複数を組み合わせて用いることができる。なかでも、アンモニウム塩基を有する有機帯電防止剤がインラインコーティングしやすいため、好ましい。
該接着層の表面比抵抗は1012Ω/□以下であることが好ましいが、特に好ましくは1011Ω/□以下であり、特に好ましくは1010Ω/□以下である。表面比抵抗が小さいほど空気抜け性が良くなるので好ましい。
また、感光性樹脂板製版用帯電防止性カバーフィルムとスリップコート層との間に適度な接着性がないと、製品断裁時にカバーフィルムが剥がれてしまって製品の収率が低下したり、露光前に感光性樹脂積層体を手にしたときにカバーフィルムが剥がれてしまったりすることがあり問題である。
そのため、本発明の接着層は接着成分を含有することが好ましい。接着成分としてはポリエステル系、アクリル系、ウレタン系のものを使用することが好ましい。
また、感光性樹脂板製版用カバーフィルムのX面側、または上記接着層を設けた感光性樹脂板製版用帯電防止性カバーフィルムの接着層側に赤外線吸収物質を含有する感熱マスク層を設けてもよい。かかる感熱マスク層を設けた感光性樹脂板製版用赤外線吸収性カバーフィルムを感光性樹脂積層体のカバーフィルムとして用いる場合は、感光性樹脂板製版用カバーフィルムのX面は感光性樹脂積層体のスリップコート層の表面と直接密着はしないが、対向する関係となる。このように、両表面が対向する態様で使用されることは、本発明の好ましい使用態様の一つである。
コンピューター技術の進歩に伴い、コンピューター上で処理された情報を印刷版材上に直接出力し、原画フィルムの製造工程を必要とせずに凸版印刷版を得る、いわゆるCTP(computer to plate)方式が提案されている。このCTP方式は、デジタルデータより画像マスクを「その場で」感光性樹脂層上に形成し、その後、活性光線、多くの場合では紫外線を画像マスク側から全面露光することによって、画像マスクの非被覆部のみ選択的に感光性樹脂層を硬化させる。
この方式の利点は、上述した原画フィルムの製造工程が不要となること、原画フィルムの現像廃液の処理が不要で環境衛生的に好ましいことに加え、ネガを密着させる際の異物混入がなくなること、シャープな構造のレリーフが得られること等が挙げられる。本発明のカバーフィルムはネガを密着不要なCTP方式でも高画像を得ることができるような、適切な表面粗さの範囲内にしているため、CTP方式でも使用してもよい。
本発明における感熱マスク層は、(1)赤外レーザーを効率よく吸収して、その熱によって瞬間的に該層の一部または全部が蒸発または融除し、レーザーの照射部分と未照射部分の光学濃度に差が生じる、すなわち照射部分の光学濃度の低下が起こる働きと、(2)紫外光を実用上遮断する働きを有するものである。
感熱マスク層は、赤外レーザーを吸収し熱に変換する機能を有する赤外線吸収物質を含有する。さらに、熱によって蒸発、融除する機能を有する熱分解性化合物と紫外光を遮断する機能を有する紫外線吸収物質を含有することが好ましい。ここで、紫外光を遮断する機能を有するとは、感熱マスク層の光学濃度(optical density)が2.0以上のことを指し、3.0以上であることがより好ましい。光学濃度は一般にDで表され、以下の式で定義される。
D=log10(100/T)=log10(I0/I)
(ここで、Tは透過率(単位は%)、I0は透過率測定の際の入射光強度、Iは透過光強度である)。
光学濃度の測定には、入射光強度を一定にして透過光強度の測定値から算出する方法と、ある透過光強度に達するまでに必要な入射光強度の測定値から算出する方法が知られているが、本発明における光学濃度は前者の透過光強度から算出した値をいう。光学濃度は、オルソクロマチックフィルターを用いて、マクベス透過濃度計「TR−927」(コルモルゲンインスツルメンツ(Kollmorgen Instruments Corp.)社製)を用いることで測定することができる。
前記赤外線吸収物質は、赤外光を吸収して熱に変換し得る物質であれば、特に限定されるものではない。例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック等の黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン系の緑色顔料、ローダミン色素、ナフトキノン系色素、ポリメチン系染料、ジイモニウム塩、アゾイモニウム系色素、カルコゲン系色素、カーボングラファイト、ジアミン系金属錯体、ジチオール系金属錯体、フェノールチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、アリールアルミニウム金属塩類、結晶水含有無機化合物、硫酸銅、硫化クロム、珪酸塩化合物や、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化タングステン等の金属酸化物、これらの金属の水酸化物、硫酸塩、さらにビスマス、スズ、テルル、鉄、アルミの金属粉等が挙げられる。
これらのなかでも、光熱変換率および、経済性、取扱い性、および後述する紫外線吸収機能の面から、カーボンブラックが特に好ましい。カーボンブラックは、その製造方法からファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等に分類されるが、ファーネスブラックは粒径その他の面で様々なタイプのものが市販されており、商業的にも安価であるため、好ましく使用される。
赤外線吸収物質の含有量は、感熱マスク層全体に対して2〜75重量部が好ましく、5〜70重量部がより好ましい。2重量部以上であれば光熱変換が効率良く行われ、75重量部以下であれば他の成分が不足して、感熱マスク層に傷がつきやすいという問題が生じない。
感熱マスク層に好ましく使用される熱分解性化合物としては、例えば、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、ニトロセルロース等のニトロ化合物や有機過酸化物、ポリビニルピロリドン、アゾ化合物、ジアゾ化合物あるいはヒドラジン誘導体、および赤外線吸収物質の項で列挙した金属あるいは金属酸化物が挙げられるが、溶液の塗工性の面等から高分子化合物であるポリビニルピロリドンやニトロセルロースが好ましい。
感熱マスク層に好ましく使用される紫外線吸収物質は特に限定されないが、好ましくは、300nm〜400nmの領域に吸収を有する化合物である。例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、カーボンブラック、および赤外線吸収物質で列挙した金属あるいは金属酸化物等を挙げることができる。なかでもカーボンブラックは、紫外光領域だけでなく赤外光領域にも吸収特性があり、光熱変換物質としても機能するので、特に好ましく用いられる。
紫外線吸収物質の含有量は、感熱マスク層の全組成物に対して0.1重量部〜75重量部が好ましく、1〜50重量部がより好ましい。含有量が0.1重量部以上であれば必要な光学濃度が得られ、75重量部以下であれば他の成分が不足して感熱マスク層に傷がつきやすいという問題が生じない。
感光性樹脂板製版用カバーフィルムの厚みは、用途に応じて50μm〜300μmの間で選ぶことが可能であるが、50μm未満では薄いためにフィルムに折れが生じやすく製造上好ましくない。又、300μmを超える場合はコストアップとなり好ましくない。
本発明の感光性樹脂構成体を用いて印刷用レリーフ像を形成するには、感光性樹脂層上にネガティブまたはポジティブの原図フイルムを密着し通常300〜400nmの波長を中心とする高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル灯からの紫外線を照射し、光重合によって感光性樹脂層の不溶化を行う。なお、感光性樹脂構成体とは感光性樹脂積層体にカバーフィルムを設けた構成体をいうが、カバーフィルムは、カバーフィルム表面と感光性樹脂積層体のスリップコート層の表面とが密着または対向する態様で設けられているものとする。
次いで感光性樹脂層未重合部分を中性水使用のスプレー式現像装置またはブラシ式現像装置で水中に溶出させることによりレリーフが支持体(支持層)上に形成され、刷版となる。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
各実施例・比較例で得られたカバーフィルムを用い、感光性樹脂構成体を次のように作成した。
まず、下記感光性樹脂溶液を厚さ250μmの下記ポリエステルフイルム支持体(支持層)上に乾燥後の厚さが950μmとなるように流延し、60℃の熱風オ−ブンに5時間入れて溶媒を完全に除去し、支持層に感光性樹脂層が積層された積層体Aを得た。
次に、下記の方法でカバーフィルムにスリップコート層が積層された積層体Bを得た。
続いて、積層体Aと積層体Bをラミネートし、版材を得た。なお、ラミネートは、カバーフィルム表面と感光性樹脂積層体のスリップコート層の表面とが密着または対向するよう行なった。
この版材を10日間暗所に保管し、本発明のカバーフィルムを用いた感光性樹脂構成体を得た。
[支持体(支持層)]
250μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)250T60)を使用した。
[感光性樹脂溶液]
鹸化度75モル%の部分鹸化ポリ酢酸ビニルに無水コハク酸1モル%を反応させてカルボキシル基を付加反応させ、変性ポリビニルアルコ−ルを得た。この変性ポリビニルアルコ−ルの酸価を測定したところ酸価は10であった。この様にして得られた変性ポリビニルアルコ−ル100重量部をエタノ−ル/水=30/70(重量比)の混合溶媒200重量部と80℃に加温して溶解させた。
次いで、エタノ−ル/水の混合溶媒に変性ポリビニルアルコ−ルを溶解させたもの100重量部に対して、グリシジルメタクリレ−ト5重量部を添加して十分に攪拌しポリマヘの不飽和基導入反応を行った。電位差滴定法による分析結果から変性ポリビニルアルコ−ル側鎖に付加したカルボキシル基が消失し、グリシジルメタクリレ−トのエポキシ基と反応して、ポリマ−側鎖に不飽和結合が導入されたことがわかった。
次に、光重合性不飽和化合物としてプロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル1モルとアクリル酸2モルの付加反応によって得られた不飽和エポキシエステル化合物35重量部と2−ヒドロキシブチルメタクリレ−ト35重量部を添加して十分に攪拌した。さらにグリセリン10重量部、光開始剤としてジメチルベンジルケタ−ル2重量部、熱安定剤にハイドロキノンモノメチルエ−テル0.1重量部を加え十分に攪拌混合し、感光性樹脂を得た。
[スリップコート層が積層されたカバーフィルム]
まず、スリップコート層の原料として、鹸化率98%のポリビニールアルコールを用い、該ポリビニールアルコールをカバーフィルムにコートし、乾燥厚み約1.7μmのスリップコート層が積層されたカバーフィルムを得た。このとき、感光性樹脂板製版用カバーフィルムの表面とスリップコート層の表面とが密着または対向する関係にある。
上記方法によって、感光性樹脂構成体を作成した後、カバ−フイルムを剥離し、感度測定用グレイスケ−ルネガフイルムおよび画像再現性評価ネガフイルム(200線1%、170線1%・3%・5%網点、直径100μmおよび200μmの独立点、幅20μmおよび40μmの細線あり)を真空密着させ、高圧水銀灯で1分間露光した。次いで30℃の中和水を入れたスプレ−式現像装置を使用して、水圧3kg/cm2 の条件で4分間現像を行い、レリ−フ像を得る。
感光性樹脂構成体を印刷原版に成型した後の白抜深度、レリーフ線幅、網点再現性、焼きボケ、独立点と、CF剥離力、版面すべり摩擦力、および感光性樹脂板製版用カバーフィルムの特性等は以下の方法により評価した。
(1)白抜深度
200μm幅と300μm幅で長さが3cmの白抜き線のネガフィルムによって作成した白抜き線の深さ(白抜深度)を測定した。白抜深度の測定はキーエンス(株)のデジタルマイクロスコープVH−6300を用いて10カ所で測定し、その平均値を値とした。望ましい白抜深度は、200μm幅のときは100μm以上、300μm幅のときは190μm以上である。
(2)レリーフ角度
細線幅が70μmと1mmのネガによって作成したときの支持層の水平方向に対する白抜き線の角度をキーエンス(株)のデジタルマイクロスコープVH−6300を用いて10カ所で測定し、その平均値を値とした。望ましいレリーフ角度は、70μmのネガのときは65°以上、1mmのときは62°以上である。
(3)レリーフ線幅
細線幅が20μmと40μmのネガによって作成した細線の幅を測定した。測定はキーエンス(株)のデジタルマイクロスコープVH−6300を用いて3か所の線幅を測定し、その平均値を値とした。
細線幅が20μmのネガを使用した場合は、作成された細線の幅が18μm以上22μm以下であることが好ましく、細線幅が40μmのネガを使用した場合は、作成された細線の幅が36μm以上44μm以下の範囲になることが好ましく、この場合を○と評価した。その以外の場合を×と評価した。
(4)カバーフィルムの3次元表面粗さ
JIS−B−0601に従って、3次元中心線平均粗さ(SRa)および3次元十点平均粗さ(SRz)は、光触針式3次元粗さ計ET−30HK(小坂研究所株式会社製)を用いて、測定長0.5mm、測定本数80本、カットオフ0.25mm、送りピッチ5μm、触針荷重10mg、スピード100μm/秒で測定した。なお、3回測定を行い、その平均値を用いた。カバーフィルムの測定面は、感光性樹脂積層体のスリップコート層の表面とが密着または対向する面を測定する。
(5)CF剥離力
支持層、感光性樹脂層、スリップコート層をその順に設けてなる感光性樹脂積層体にカバーフィルムを設けた状態で、2cm×15cmの長さにカットし、その端部1cm部分のみカバーフィルムを剥離し、そのカバーフィルムと乾燥性樹脂積層体をそれぞれ引っ張り試験機のチャックに挟み込み、200m/minの速度で引っ張り剥離する。その時の最も大きな強度をCF剥離力とする。CF剥離力は10以上60以下が好ましい。10未満の場合は感光性樹脂積層体にカバーフィルムをつけた状態に手で触るだけでカバーフィルムが剥離するため、ハンドリングが悪い。一方、60より大きいと密着力が大きすぎるため、綺麗に剥がれずカバーフィルムが破断したりすることもある。
(6)版面すべり摩擦力
支持層、感光性樹脂層、スリップコート層をその順に設けてなる感光性樹脂積層体の上に、露光していないネガフィルム(5cm×5cm)を載せる。そのネガフィルムの上におもりとして100g加重した状態で、ネガフィルムの端部にばねばかりを接着させ、引っ張った時の動き始める時の荷重を求め、単位面積あたりの摩擦力(mN/cm)を版面すべり摩擦力とする。すべりがわるいとエアぬき性が悪くなるため、60mN/cm以下であることが好ましい。
(7)網点再現性、独立点
画像再現性評価ネガフイルム(200線1%、170線1%・3%・5%網点、直径100μmおよび200μmの独立点あり)を用いて印刷原版を作成し、実際に10枚印刷紙、その画像を顕微鏡を用いて印刷されているかどうか判断する。印刷がかけることなく印字されている場合は○とした。
実施例1
高純度テレフタル酸100kgに対しエチレングリコール45kgのスラリーを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行い、このエステル化反応生成物を重縮合槽に移送した。引き続いて、エステル化反応生成物が移送された前記重縮合反応槽に、ジエチルホスホノ酢酸エチルを0.01重量部添加し、さらに酢酸マグネシウム4水塩を0.04重量部、さらに重合触媒として三酸化アンチモン(住友金属鉱山社製)を、得られるポリエステルに対してアンチモン原子換算で400ppmとなるように添加し、ポリエステル低重合体を得た。
さらに粒子Aとして平均粒径3.0μmシリカ粒子をポリエステルに対し0.01重量部、粒子Bとして平均粒径1.5μmシリカ粒子がポリエステルに対し0.06重量部になるように添加した。
その後、ポリエステル低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで60分かけて昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。なお最終圧力到達までの時間は60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、20℃の冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてポリエステルのペレットを得た。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。得られたポリエステルペレットは、極限粘度0.62dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トン、ガラス転移温度(Tg)78℃、環状三量体含有量1.1重量部であった。このポリエステルペレットを水分率20ppmに真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃の温度で溶融し、30μmカットステンレス繊維焼結フィルター(FSS)でろ過した後、リップ間隙3.5mmのT字型口金からシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化させた。このようにして得られた未延伸フィルムを、92℃の温度に加熱して長手方向に3.5倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。一軸延伸フィルムを、クリップで把持しながら予熱ゾーンに導き、115℃の温度で乾燥後、引き続き連続的に100℃の温度の加熱ゾーンで幅方向に3.8倍延伸し、更に、温度225℃で2.6秒、230℃で2.6秒の加熱ゾーンで熱処理を施し、結晶配向の完了したPETフィルムを得て、巻き取る前にフィルムの両面に除塵器を使用して表面のゴミを除去した。
かくして得られた感光性樹脂板製版用カバーフィルムの厚みは100μmであった。また、得られたフィルムの表面粗さ等を表1に示す。
また、得られた感光性樹脂板製版用カバーフィルムを用いて、形成したレリ−フを評価した結果を表2に示す。適度な剥離力があり、焼きぼけもないことを確認した。画線部は200線1%網点、100μm独立点、20μm細線などこの様にして得られた版材で印刷テスト行ったところ画線の太りもなくシャ−プな刷り上がりの印刷物が得られた。
実施例2
粒子Aとして、平均粒径4.0μmシリカ粒子をポリエステルに対し0.9重量部、粒子Bとして平均粒径1.5μm炭酸カルシウム粒子をポリエステルに対し0.1重量になるように添加するところを変更する以外は、実施例1と同様に方法で感光性樹脂板製版用カバーフィルムを得た。得られたフィルムの表面粗さ等を表1に示す。
また、得られた感光性樹脂板製版用カバーフィルムを用いて、形成したレリ−フを評価した結果を表2に示す。適度な剥離力があり、焼きぼけもないことを確認した。また、画線部は200線1%網点、100μm独立点、20μm細線などこの様にして得られた版材で印刷テスト行ったところ画線の太りもなくシャ−プな刷り上がりの印刷物が得られた。
実施例3
実施例1で得られた感光性樹脂板製版用カバーフィルムに下記の帯電防止成分を含有する接着層の塗液を塗布し、乾燥させて、接着層を有する感光性樹脂板製版用帯電防止性カバーフィルムを得た。また、得られたカバーフィルムの表面粗さ等を表1に示す。接着層の厚みは0.05μmであった。
[帯電防止成分を含有する接着層の塗液]
(a)ポリエステル樹脂水分散体
酸成分としてテレフタル酸 を85重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を15重量部を用い、グリコール成分としてエチレングリコール を100重量部上記酸性分を用いてなる共重合ポリエステル樹脂(ガラス転移温度:68℃)の水分散体
(b)帯電防止成分:ポリスチレンスルホン酸塩(対イオン:アンモニウム塩、重量平均分子量:1万)
接着層の塗剤として、上記(a)/(b)=70/30(固形分重量比)で混合してなる、濃度1重量部の水分散液。
また、得られた感光性樹脂板製版用帯電防止性カバーフィルムを用いて、形成したレリ−フを評価した結果を表2に示す。適度な剥離力があり、焼きぼけもないことを確認した。また、画線部は200線1%網点、100μm独立点、20μm細線などこの様にして得られた版材で印刷テスト行ったところ画線の太りもなくシャ−プな刷り上がりの印刷物が得られた。
実施例4
実施例3に記載の帯電防止成分を含有する接着層の塗液を、乾燥後の接着層の厚みが0.05μmとなるよう感光性樹脂板製版用カバーフィルムに塗布し、実施例3に記載の感光性樹脂板製版用帯電防止性カバーフィルムを得た。得られたカバーフィルムの表面粗さ等を表1に示す。
続いて、支持層に感光性樹脂層が積層された積層体Aを得た後に、下記感熱マスク層用の塗工液組成物を感光性樹脂層側にバーコーターを用いて乾燥膜厚が2μmになるように塗布、140℃30秒間乾燥し、積層体A’を得た。
次に、上記のカバーフィルムにスリップコート層が積層された積層体Bを得た。続いて、積層体A‘(ダッシュ)と積層体Bをラミネートし、版材を得た。なお、ラミネートは、カバーフィルム表面と感光性樹脂積層体のスリップコート層の表面とが密着または対向するよう行なった。
得られた感光性樹脂板製版用帯電防止性カバーフィルムを用いて、形成したレリ−フを評価した結果を表2に示す。適度な剥離力があり、焼きぼけもないことを確認した。また、画線部は200線1%網点、100μm独立点、20μm細線などこの様にして得られた版材で印刷テスト行ったところ画線の太りもなくシャ−プな刷り上がりの印刷物が得られた。
[感熱マスク層用の塗工液組成物]
“MA100”(カーボンブラック(赤外線吸収物質)、三菱化学(株)製)23重量部、
“ダイヤナール”BR−95(アルコール不溶性のアクリル樹脂、三菱レイヨン(株)製)15重量部、
可塑剤ATBC(アセチルクエン酸トリブチル、(株)ジェイ・プラス製)6重量部
およびメチルイソブチルケトン 30重量部
をあらかじめ混合させたものを、3本ロールミルを用いて混練分散させ、カーボンブラック分散液1を調整した。
分散液1を100重量部としたものに、
“アラルダイト”6071(エポキシ樹脂、旭チバ(株)製)20重量部、
“ユーバン”2061(メラミン樹脂、三井化学(株)製)27重量部、
“ライトエステル”P−1M(リン酸モノマー、共栄社化学(株)製)0.7重量部
およびメチルイソブチルケトン 140重量部を添加し30分間撹拌した。
その後、固形分濃度が33重量部になるようにさらにメチルイソブチルケトンを添加し、感熱マスク層用の塗工液組成物を得た。
実施例5
実施例3に記載の帯電防止成分を含有する接着層の塗液を、乾燥後の接着層の厚みが0.05μmとなるよう感光性樹脂板製版用カバーフィルムに塗布し、実施例3に記載の感光性樹脂板製版用帯電防止性カバーフィルムを得た。
続いて、該感光性樹脂板製版用帯電防止性カバーフィルムの接着層が積層された面に、実施例4に記載の塗工液組成物をバーコーターを用いて乾燥膜厚が2μmになるように塗布、140℃30秒間乾燥し、感光性樹脂板製版用帯電防止性赤外線吸収性カバーフィルムを得た。
得られたカバーフィルムの表面粗さ等を表1に示す。
また、得られた感光性樹脂板製版用帯電防止性赤外線吸収性カバーフィルムを用いて、形成したレリ−フを評価した結果を表2に示す。適度な剥離力があり、焼きぼけもないことを確認した。また、画線部は200線1%網点、100μm独立点、20μm細線などこの様にして得られた版材で印刷テスト行ったところ画線の太りもなくシャ−プな刷り上がりの印刷物が得られた。
比較例1
カバーフィルムの添加粒子として、平均粒径2.0μmシリカ粒子がポリエステルに対し0.06重量部になるように添加するところを変更する以外は、実施例1と同様に実施した。得られたフィルムの表面粗さ等を表1に示す。
得られたレリ−フを評価した結果を表2に示す。剥離力が小さいため印刷作業中に剥がれて使用できなかったり、焼きぼけが発生したりして不満足な結果であった。また、画線部は175線1%網点、200μm独立点、40μm細線までの再現が限界であった。
比較例2
カバーフィルムの添加粒子として、平均粒径3.5μmシリカ粒子がポリエステルに対し1.5重量部になるように添加するところを変更する以外は、実施例1と同様に実施した。得られたフィルムの表面粗さ等を表1に示す。
得られたレリ−フを評価した結果を表2に示す。剥離力が小さいため印刷作業中に剥がれて使用できなかったり、焼きぼけが発生したりして不満足な結果であった。また、画線部は175線5%網点、200μm独立点、40μm細線までの再現が限界であった。
比較例3
カバーフィルムとしてケミカルマット(ケミカルエッチング)処理を施した厚み100μmポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋クロス(株)製、TC−5000)を用いた。当該フィルムの表面粗さ等を表2に示す。
また、当該カバーフィルムを用いて、形成したレリ−フを評価した結果を表1に示す。適度な剥離力があり、焼きぼけもないことを確認したが、画線部は175線3%網点、200μm独立点、40μm細線までの再現が限界であった。
Figure 2009229484
Figure 2009229484
本発明のカバーフィルムは、主に高画質を必要とする印刷業界において、解像度の高い画像を得ることができる感光性樹脂積層体のカバーフィルムとして好適に使用でき。有用である。

Claims (5)

  1. 支持層、感光性樹脂層、スリップコート層をその順に設けてなる感光性樹脂積層体のカバーフィルムとして用いられるフィルムであって、
    少なくとも粒子Aと粒子Bを含有するポリエステルフィルムであり、
    該粒子Aと該粒子Bの平均粒径が異なり、
    該フィルムの少なくとも一方の表面(X面)の3次元粗さSRaが10nm以上200nm以下であり、
    該フィルム表面(X面)の3次元粗さSRzが2000nm以上5000nm以下であり、
    かつ該フィルム表面(X面)と感光性樹脂積層体のスリップコート層の表面とが密着または対向する態様で使用される感光性樹脂板製版用カバーフィルム。
  2. 粒子Aと粒子Bの材質が異なる請求項1に記載の感光性樹脂板製版用カバーフィルム。
  3. 請求項1または2に記載の感光性樹脂板製版用カバーフィルムのX面側に帯電防止成分を含有する接着層を設けた感光性樹脂板製版用帯電防止性カバーフィルム。
  4. 請求項1または2に記載の感光性樹脂板製版用カバーフィルムのX面側、または請求項3に記載の感光性樹脂板製版用帯電防止性カバーフィルムの接着層側に赤外線吸収物質を含有する感熱マスク層を設けた感光性樹脂板製版用赤外線吸収性カバーフィルム。
  5. 支持層、感光性樹脂層、赤外線吸収物質を含有する感熱マスク層、スリップコート層をその順に設けてなる感光性樹脂積層体のカバーフィルムとして用いられる請求項1〜4の何れかに記載の感光性樹脂板製版用カバーフィルム。
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