JP2009083185A - レーザーマーキング用インキ及びレーザーマーキング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザー光を吸収して発熱するレーザー光吸収剤5質量%〜40質量%と、レーザー光吸収剤の熱により変色する樹脂2質量%〜30質量%と、樹脂を溶解する溶剤とを含有するインキが印刷された基材の印刷部分にレーザー光を照射する。ここで用いる樹脂には、ニトロセルロ−ス、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、塩化ゴム、ポリエステル及びこれらの混合物が挙げられる。
【選択図】図1
Description
従って、本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、包装材の表面に鮮明なマーキングを効率的に施すことのできるマーキング方法及びそれに用いるレーザーマーキング用インキを提供することを目的とする。
ここで、レーザー光吸収剤は、YVO4レーザー光の波長域に吸収帯を有する物質を含むことが好ましい。また、レーザー光吸収剤の熱により変色する樹脂は、ニトロセルロ−ス、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、塩化ゴム、ポリエステル及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
本発明によるレーザーマーキング用インキは、レーザー光を吸収して発熱するレーザー光吸収剤と、レーザー光吸収剤の熱により変色する樹脂と、樹脂を溶解する溶剤とを必須成分として含むことを特徴とするものである。
これらのレーザー光吸収剤は、レーザーマーキング用インキに対して、5質量%〜40質量%、好ましくは15質量%〜25質量%の割合で含有される。レーザー光吸収剤の含有量が5質量%より少ないと発色が悪く、一方、40質量%より多いと印刷し難く、基材との密着が悪くなる。
レーザー光吸収剤の熱により変色する樹脂は、レーザーマーキング用インキに対して、2質量%〜30質量%、好ましくは10質量%〜20質量%の割合で含有される。樹脂の含有量が2質量%より少ないと発色が悪く、一方、30質量%より多いと印刷し難く、基材との密着が悪くなる。
<実施例1>
ラミCPメジューム、ラミCP709白、ラミCP507原色藍色コンク及びラミCP500草(いずれも大日本インキ化学工業社製)の混合樹脂溶液(ニトロセルロース4.0質量%、アクリル系樹脂5.1質量%、トルエン18.8質量%、酢酸エチル18.8質量%及びイソプロピルアルコール18.8質量%を含み、残部は顔料等)80質量部に、レーザー光吸収剤としてレーザーフレア820(メルク株式会社製、雲母38.5質量%、アンチモンドープ酸化スズ43質量%、酸化チタン13質量%及び酸化ケイ素5.5質量%を含む)を20質量部添加した後、撹拌して水色レーザーマーキング用インキを調製した。
上記で調製した水色レーザーマーキング用インキをヘリオ70線∠0版(彫刻)を用いたグラビア印刷でカップ原紙に印刷した後、押出しコーティング(EC)により印刷面上にポリエチレンをラミネートして積層体を作製した。水色レーザーマーキング用インキの塗布量は、乾燥皮膜として1.5g/m2となる量とした。得られた積層体の模式断面図を図1に示した。なお、図1において、1は基材としてのカップ原紙、2は水色レーザーマーキング用インキの乾燥皮膜層、3は樹脂フィルムとしてのポリエチレン層を表す。
市販のYVO4レーザー装置(株式会社キーエンス製MD−V9900、平均出力13W、ピークパワー100kW、パルス幅4ns)を使用して、実施例1で作製された積層体にYVO4レーザー光(波長1064nm)をポリエチレン層側から照射してマーキングを行った。この時のレーザー照射条件は、レーザー出力を30%〜100%の範囲で変え、スキャンスピード1500mm/秒、スキャン数3回とした。次に、マーキングの鮮明さを目視により、◎:極めて鮮明、○:鮮明、△:実用上問題なし、×認識不可の4段階で評価した。結果を表1に示した。
ヘリオ70線∠0版(彫刻)の代わりに、ダイレクト175線35μ版(腐食)を用いて1度刷りすることにより、水色レーザーマーキング用インキの塗布量を乾燥皮膜として2.0g/m2となる量とした以外は、実施例1と同様にマーキングを行ったところ、実施例1と同等のマーキングを施すことができた。また、積層体のマーキングが施された部分を学振型摩擦堅牢度試験機で擦ったが、マーキングが不鮮明になることはなかった。更に、実施例2で作製された積層体のポリエチレン層表面に流動パラフィンを塗布してからマーキングを行ったところ、同様の結果が得られ、マーキング不良は認められなかった。
ヘリオ版70線∠0版(彫刻)を用いて2度刷りすることにより、水色レーザーマーキング用インキの塗布量を乾燥皮膜として3.0g/m2となる量とした以外は、実施例1と同様にマーキングを行ったところ、各レーザー出力において実施例1よりも若干鮮明なマーキングを施すことができた。また、積層体のマーキングが施された部分を学振型摩擦堅牢度試験機で擦ったが、マーキングが不鮮明になることはなかった。更に、実施例3で作製された積層体のポリエチレン層表面に流動パラフィンを塗布してからマーキングを行ったところ、同様の結果が得られ、マーキング不良は認められなかった。
ヘリオ70線∠0版(彫刻)の代わりに、ダイレクト175線35μ版(腐食)を用いて2度刷りすることにより、水色レーザーマーキング用インキの塗布量を乾燥皮膜として4.0g/m2となる量とした以外は、実施例1と同様にマーキングを行ったところ、各レーザー出力において実施例1よりも若干鮮明なマーキングを施すことができた。また、積層体のマーキングが施された部分を学振型摩擦堅牢度試験機で擦ったが、マーキングが不鮮明になることはなかった。更に、実施例3で作製された積層体のポリエチレン層表面に流動パラフィンを塗布してからマーキングを行ったところ、同様の結果が得られ、マーキング不良は認められなかった。
カップ原紙の表面にポリエチレンをラミネートして比較例1の積層体を作製した。得られた積層体のポリエチレン層表面に従来のインクジェット装置を用いてマーキングを行ったところ、極めて鮮明な(◎)マーキングを施すことができた。また、積層体のマーキングが施された部分を学振型摩擦堅牢度試験機で擦ったところ、マーキングが若干不鮮明になった。更に、比較例1で作製された積層体のポリエチレン層表面に流動パラフィンを塗布してからマーキングを行ったところ、インキが部分的にはじかれてマーキングが認識できない(×)部分が認められた。
Claims (4)
- レーザー光を吸収して発熱するレーザー光吸収剤5質量%〜40質量%と、レーザー光吸収剤の熱により変色する樹脂2質量%〜30質量%と、樹脂を溶解する溶剤とを含有することを特徴とするレーザーマーキング用インキ。
- 前記レーザー光吸収剤が、YVO4レーザー光の波長域に吸収帯を有する物質を含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザーマーキング用インキ。
- 前記樹脂が、ニトロセルロ−ス、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、塩化ゴム、ポリエステル及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザーマーキング用インキ。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載のレーザーマーキング用インキが印刷された基材の印刷部分にレーザー光を照射することを特徴とするレーザーマーキング方法。
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