JPWO2018101123A1 - レーザーマーキング用インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、包装材、特に食品包装材に適用できる、高い印字濃度による視認性、耐久性、及び漆黒性を兼備したレーザーマーキング用インキ組成物、及び当該インキ組成物に用いて得られる記録剤を提供することを目的とする。
重量平均分子量が15,000〜100,000であるポリウレタン樹脂(A)と赤外線レーザー発色顔料(B)を含有するレーザーマーキング用インキ組成物であって、前記ポリウレタン樹脂(A)と前記赤外線レーザー発色顔料(B)の含有比率が質量比で(A):(B)=1:2.6〜1:5であることを特徴とするレーザーマーキング用インキ組成物。

Description

本発明は、赤外線レーザー光線の照射により発色するレーザーマーキング用記録材に使用するレーザーマーキング用インキ組成物及び該インキの乾燥皮膜からなる層を有する記録材に関する。
飲料缶、飲料容器、食品容器、医薬品包装等の各種の包装材料には、製造ロット番号、製造年月日、乃至は消費期限、賞味期限等の印字若しくはマーキングが必要とされる。これらのマーキングにはホットスタンプやインクジェット等の方式が用いられており、こうしたマーキングには本来、改竄しにくさと信頼性が求められる。しかしながら、ホットスタンプ方式の場合は、衝撃や擦られによる剥離が生じることがある。又、インクジェット方式の場合も、表面にインクが露出するため、アルコール、食油等の液体により拭き取られる可能性がある。
近年レーザー光線の照射により、塗膜内部で発色を生じさせるレーザーマーキング方式が取り入れられている。レーザーマーキング方式は、非接触により材料への悪影響がないこと、高速印字が可能なこと、被印字面の表面形状を選ばない等の特徴がある。更に、前述のホットスタンプ方式、インクジェット方式の場合のように、剥離や文字消えが無く、改ざん防止によるトレーサビリティーの確立にも有効である。
従来技術のレーザーマーキング用インキとして、酸化チタンからなるインキ組成物の発明(例えば、特許文献1)や、アンチモンドープ酸化物からなるインキ組成物の発明(例えば、特許文献2)が成されているが、前者の酸化チタンからなるインキ組成物は印字濃度が低く、一方で後者のアンチモンドープ酸化物からなるインキ組成物は漆黒性が低く、高湿度下では印字濃度が低下していくという問題がある。
特開2007−217048号公報 特開2010−047681号公報
本発明は、包装材、特に食品包装材に適用できる、高い印字濃度による視認性、耐久性、及び漆黒性を兼備したレーザーマーキング用インキ組成物、及び当該インキ組成物を用いて得られる記録材を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記した課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のポリウレタン樹脂と赤外線レーザー発色顔料を特定比率で配合する事により、課題解決に有効である事を見出した。
即ち、本発明は、重量平均分子量が15,000〜100,000であるポリウレタン樹脂(A)と赤外線レーザー発色顔料(B)を含有するレーザーマーキング用インキ組成物であって、前記ポリウレタン樹脂(A)と前記赤外線レーザー発色顔料(B)の含有比率が質量比で(A):(B)=1:2.6〜1:5であることを特徴とするレーザーマーキング用インキ組成物を提供する。
また、本発明は、前記赤外線レーザー発色顔料(B)がアンチモンドープ酸化スズ(B1)、及び/又は酸化チタン顔料(B2)であるレーザーマーキング用インキ組成物に関する。
また、本発明は、前記レーザーマーキング用インキ組成物中の固形分に占める質量%が、前記ポリウレタン樹脂(A)が16〜24質量%であり、前記アンチモンドープ酸化スズ(B1)が1〜26質量%であるレーザーマーキング用インキ組成物に関する。
また、本発明は、前記酸化チタン(B2)の前記レーザーマーキング用インキ組成物中の固形分に占める質量%が、10〜75質量%であるレーザーマーキング用インキ組成物に関する。
また、本発明は、赤外線レーザー発色顔料(B)としてマイカ(B3)を含有し、前記レーザーマーキング用インキ組成物中の固形分に占める質量%が、1〜33質量%であるレーザーマーキング用インキ組成物に関する。
また、本発明は、更に、赤外線レーザー発色顔料(B)として酸化ケイ素(B4)を含有するレーザーマーキング用インキ組成物に関する。
更に、本発明は、基材上に、レーザーマーキング層及び樹脂層が積層された記録材であって、前記レーザーマーキング層が、前記レーザーマーキング用インキ組成物の乾燥皮膜からなる層であることを特徴とする記録材をも提供する。
本発明により、包装材、特に食品包装材に適用できる、高い印字濃度による視認性、耐久性、及び漆黒性を兼備したレーザーマーキング用インキ組成物を提供でき、当該インキ組成物に用いて得られる記録材を提供することができる。
本発明について詳細に説明する。なお以下の説明で用いる「インキ」とは全て「印刷インキ」を示す。また「部」とは全て「質量部」を示す。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物は、重量平均分子量が15,000〜100,000であるポリウレタン樹脂(A)と赤外線レーザー発色顔料(B)を含有するレーザーマーキング用インキ組成物であって、前記ポリウレタン樹脂(A)と前記赤外線レーザー発色顔料(B)の含有比率が質量比で(A):(B)=1:2.6〜1:5であることを特徴とする。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物は、具体的には前記ポリウレタン樹脂を含有するバインダー樹脂を酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、IPAなど各種有機溶剤、各種添加剤や他の樹脂に予め混合する。分散攪拌機にて前記溶液を攪拌しながらアンチモンドープ酸化スズ及び又は酸化チタン(又は場合により各種有機顔料)等の赤外線レーザー発色顔料(B)を投入し更に攪拌することでアンチモンドープ酸化スズ等の顔料が十分分散されたインキ組成物を得る。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物において、重量平均分子量が15,000〜100,000であるポリウレタン樹脂(A)を必須の成分とすることで、特に軟包装用途において二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等へのレーザーマーキングインキ組成物の密着性が非常に高まるばかりでなく、例えばポリエチレンを溶融押出しラミネートした場合のいわゆる押出し強度や接着剤を塗布した構成でのラミネート強度の向上に繋がる。
また、前記ポリウレタン樹脂(A)は本発明のインキ組成物のバインダー樹脂として、赤外線レーザー発色顔料(B)と分散混合する事により、発色顔料(B)のレーザー照射に伴う発熱により、ポリウレタン樹脂(A)が焦げて発色し濃度上昇に繋げる燃焼剤兼発色剤の役目を担う。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物で使用するポリウレタン樹脂(A)は、該ポリウレタン樹脂100部に対して、数平均分子量100〜3500のポリエーテルポリオールを原料とするポリウレタン樹脂であり、ポリエーテルポリオールの含有比率が、ポリウレタン樹脂に対して1〜30質量%含有するものであることが好ましい。ポリエーテル樹脂としては、ポリエチレングリコール樹脂、ポリプロピレングリコール樹脂、ポリテトラメチレングリコール樹脂など公知汎用のものでよい。本発明の軟包装用ラミネート用インキ組成物で使用するポリウレタン樹脂の構成成分であるポリエーテル樹脂の数平均分子量が100より小さいとポリウレタン樹脂の皮膜が硬くなる傾向にありポリエステルフィルムへの接着性が悪くなる。数平均分子量が3500より大きい場合、ポリウレタン樹脂の皮膜が脆弱になる傾向にありインキ皮膜の耐ブロッキング性が悪くなる。ポリウレタン樹脂100部に対してポリエーテル樹脂が1部未満であると、該ウレタン樹脂のケトン、エステル、アルコール系溶剤への溶解性が悪くなる。またインキ皮膜の該溶剤への再溶解性が悪くなり、印刷物の調子再現性が劣る。また30部を超えると、耐ブロッキングが劣る傾向がある。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物で使用するポリウレタン樹脂に必要に応じて使用される併用ポリオールとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知のポリオールを用いることができ、1種または2種以上を併用してもよい。例えば、酸化メチレン、酸化エチレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類(1);エチレングリコール、1,2―プロパンジオール、1,3―プロパンジオール、2メチル−1,3プロパンジオール、2エチル−2ブチル−1,3プロパンジオール、1,3―ブタンジオール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4―ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類(2);これらの低分子ポリオール類(2)と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類(3);環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類(4);前記低分子ポリオール類(2)などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類(5);ポリブタジエングリコール類(6);ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類(7);1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール(8)などが挙げられる。
なお、前記ポリエステルポリオール類(3)のなかで、ジオール類(グリコール類)と二塩基酸とから得られる高分子ジオールは、ジオール類のうち5モル%までを前記水酸基を3つ以上有する低分子ポリオール類(2)に置換することが出来る。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物におけるポリウレタン樹脂に使用されるジイソシアネート化合物としては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,5―ナフチレンジイソシアネート、4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’―ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’―ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3―フェニレンジイソシアネート、1,4―フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン―1,4―ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4―トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン―1,4―ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン―4,4’―ジイソシアネート、1,3―ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、mーテトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等があげられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物におけるポリウレタン樹脂に使用される鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン―4,4’―ジアミンなどの他、2―ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2―ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2―ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2―ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、反応停止を目的とした末端封鎖剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としてはたとえば、ジーnーブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。これらの末端封鎖剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物で使用するポリウレタン樹脂は、例えば、ポリプロピレングリコールおよび併用ポリオールとジイソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰となる割合で反応させ、末端イソシアネート基のプレポリマーを得、得られるプレポリマーを、適当な溶剤中、すなわち、ノントルエン系グラビアインキ用の溶剤として通常用いられる、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤;メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤;あるいはこれらの混合溶剤の中で、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤と反応させる二段法、あるいはポリプロピレングリコールおよび併用ポリオール、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤を上記のうち適切な溶剤中で一度に反応させる一段法により製造される。これらの方法のなかでも、均一なポリウレタン樹脂を得るには、二段法によることが好ましい。また、ポリウレタン樹脂を二段法で製造する場合、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤のアミノ基の合計(当量比)が1/0.9〜1.3の割合になるように反応させることが好ましい。イソシアネート基とアミノ基との当量比が1/1.3より小さいときは、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤が未反応のまま残存し、ポリウレタン樹脂が黄変したり、印刷後臭気が発生したりする場合がある。
このようにして得られるポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、15,000〜100,000の範囲内とすることが好ましく、より好ましくは20,000〜50,000の範囲である。ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が15,000未満の場合には、得られるインキ組成物の耐ブロッキング性、印刷被膜の強度や耐油性などが低くなる傾向があり、100,000を超える場合には、得られるインキ組成物の粘度が高くなり、印刷被膜の光沢が低下する傾向がある。尚、重量平均分子量の測定にあたっては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算にて行う。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物に用いるポリウレタン樹脂は、前述の組成であれば特に制限なく用いることができるが、これらの中でも、ウレタン樹脂中に活性水素含有官能基、例えば、水酸基、一級、又は二級のアミノ基等を含有しているものが、ウレタン樹脂とブロックイソシアネートの架橋が円滑に進行して、得られる印刷インキ層が強固になることから好ましい。なお、前記ウレタン樹脂中に活性水素含有官能基が含まれていなくても、インキ層を高温で加熱すれば、活性水素を含有したウレタン樹脂を用いた場合と同様な結果が得られる。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物における前記ポリウレタン樹脂(A)と前記赤外線レーザー発色顔料(B)の含有比率は、その質量比率が(A):(B)=1:2.6〜1:5の範囲であることを必須とする。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物で使用する赤外線レーザー発色顔料(B)としては、特に近赤外線レーザー(1064nm付近)で効率よく発色する発色顔料が好ましい。赤外線レーザー発色顔料(B)としては、例えばアンチモンドープ酸化スズ、酸化チタン、マイカ、酸化ケイ素等種々挙げる事ができる。これらの発色顔料は各々発色具合に特徴があり、例えばアンチモンドープ酸化スズを含有する顔料では、レーザー照射に伴う発熱により、バインダー樹脂を含めた顔料周辺が焦げて「焦げ茶」となり漆黒性が低い。また酸化チタンを含有する顔料にレーザー照射すると、一見顔料自体は炭化しているものの酸化チタンは十分炭化しておらず印字濃度が上がらない傾向にある。アンチモン顔料および酸化チタン顔料単体では、周りの樹脂を炭化させるための十分な発熱量が得られず、濃度が上昇しないものと考えられることから、アンチモン顔料および酸化チタン顔料の2種類の顔料を適応量混合することにより、レーザー照射時に各顔料の発熱量が相乗的にバインダー樹脂炭化を促進させ、印字濃度を上げる事が出来る。更にアンチモン顔料による発熱が酸化チタンの炭化を促がしたり、酸化チタンの発熱がアンチモン顔料の炭化(酸化)を促す効果をも併せて発現する。焦げる事で黒く発色するバインダー樹脂であるポリウレタン樹脂(A)と、赤外線レーザー発色顔料(B)の混合比率は、(B)を必要以上増やせば焦げる事で黒く発色するポリウレタン樹脂(A)の絶対量が不足し濃度低下に繋がるものであり、前記ポリウレタン樹脂(A)と前記赤外線レーザー発色顔料(B)の含有比率は、その質量比率が(A):(B)=1:2.6〜1:5の範囲であることが必須である。中でも、質量比率が(A):(B)=1:3.3〜1:5の範囲がより好ましい。
前記ポリウレタン樹脂(A)に対して前記赤外線レーザー発色顔料(B)の含有比率が2.6倍を下回ると、発色顔料(B)の発色が十分でなく印字濃度が不足する傾向にあり、また経過変化に伴う退色も顕著となる。また、ポリウレタン樹脂(A)に対して前記赤外線レーザー発色顔料(B)の含有比率が5倍を上回ると、発色顔料(B)の発色は進行するもののポリウレタン樹脂(A)の炭化が減少するため印字濃度が不足する傾向にある。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物で使用する重量平均分子量が15,000〜100,000であるポリウレタン樹脂(A)の含有量は、インキの被印刷体への接着性と、黒発色に寄与する炭化剤としての効果を十分に発揮する観点からインキ組成物全量に対して16質量%以上、適度なインキ粘度やインキ製造時・印刷時の作業効率の観点から24質量%以下である事が好ましい。
赤外線レーザー発色顔料(B)の代表的なものであるであるアンチモンドープ酸化スズ(B1)は、赤外線レーザー光の照射した際、実質的には近赤外線(1064nm付近)により酸化スズ金属の原子価が変化することにより、白又は半透明の皮膜から黒色へと変化する。アンチモンドープ酸化スズ(B1)を使用した本発明のレーザーマーキング用インキを用いれば、低エネルギーのレーザー照射により極めて視認性の高い印字が実現できる他、包装材へのダメージも最低限に抑えられる特徴を有している。前記レーザーマーキング用インキ組成物中の固形分に占める質量%が、前記ポリウレタン樹脂(A)が16〜24質量%が好ましいのに対し、前記アンチモンドープ酸化スズ(B1)は1〜26質量%の範囲である事が好ましい。
前記アンチモンドープ酸化スズ(B1)に更に酸化チタン(B2)を適応量混合することにより、レーザー照射時に各顔料の発熱量が相乗的にポリウレタン樹脂(A)炭化を促進させ、アンチモンドープ酸化スズ(B1)のみであると焦茶色の仕上がりなのに対し、酸化チタン(B2)の効果により黒色に濃度が上昇し漆黒性も保たれる。更にアンチモンドープ酸化スズ(B1)による発熱が酸化チタン(B2)の炭化を促がしたり、酸化チタン(B2)の発熱がアンチモンドープ酸化スズ(B1)の炭化(酸化)を促す効果をも併せて発現する。前記酸化チタン(B2)の前記レーザーマーキング用インキ組成物中の固形分に占める質量%が、10〜75質量%の範囲である事が好ましい。
更に、赤外線レーザー発色顔料(B)としてマイカ(B3)を含有する事が効果的である。マイカ(B3)は、例えばアンチモンドープ酸化スズ(B1)等が活性で不安定な状態から赤外線レーザー照射により安定化する際に発色するが、その安定化の手助けする役割を担う。前記マイカ(B3)の前記レーザーマーキング用インキ組成物中の固形分に占める質量%は、1〜33質量%の範囲である事が好ましい。
更に、赤外線レーザー発色顔料(B)として酸化ケイ素(B4)を含有する事ができる。
前記酸化ケイ素(B4)の前記レーザーマーキング用インキ組成物中の固形分に占める質量%は、0.1〜2.7質量%の範囲である事が好ましい。
尚、アンチモンドープ酸化スズ(B1)、マイカ(B3)を含有する市販顔料としては、メルク社製Iriotec8825が挙げられる。また、アンチモンドープ酸化スズ(B1)、酸化チタン(B2)、マイカ(B3)及び酸化ケイ素(B4)を含有する市販顔料としては、メルク社製Iriotec8820が挙げられる。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物では、芳香族有機溶剤以外の有機溶剤を使用することができ、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、n−プロパノール、イノプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤があげられ、これらを単独または2種以上の混合物で用いることができる。近年、作業環境の観点から、トルエン、キシレンといった芳香族系溶剤を用いないことが望ましい。
更に、バインダーとして重量平均分子量が15,000〜100,000であるポリウレタン樹脂(A)に加えて、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を添加してもよい。前記水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、次の二種類の方法で得ることができる。一つは塩化ビニルモノマー、酢酸ビニルモノマーおよびビニルアルコールを適当な割合で共重合して得られる。もう一つは、塩化ビニルと酢酸ビニルを共重合した後、酢酸ビニルを一部ケン化することにより得られる。水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、塩化ビニル、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのモノマー比率により樹脂被膜の性質や樹脂溶解挙動が決定される。即ち、塩化ビニルは樹脂被膜の強靭さや硬さを付与し、酢酸ビニルは接着性や柔軟性を付与し、ビニルアルコールは極性溶剤への良好な溶解性を付与する。
前記水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂としては、水酸基価が50〜200mgKOH/gであり、かつ前記共重合体樹脂中の塩化ビニル成分の含有比率が80〜95質量部であることが好ましい。
レーザーマーキング用インキとして使用する場合、接着性、耐ブロッキング、ラミネート強度、ボイルレトルト適性、印刷適性、これら全ての性能を満足する必要があるため、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は適正なモノマー比率が存在する。即ち、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂100質量部に対し、塩化ビニルは80〜95質量部が好ましい。80質量部未満だと樹脂被膜の強靭さ劣り、耐ブロッキングが低下する。95質量部を超えると樹脂被膜が硬くなりすぎ、接着性が低下する。また、ビニルアルコールから得られる水酸基価は50〜200mgKOH/gが好ましい。50mgKOH/g未満だと極性溶媒への溶解性が劣り、印刷適性が不良となる。200mgKOH/gを超えると耐水性が低下して、ボイル、レトルト適性が不良となる。
尚、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹のレーザーマーキング用インキ組成物中の固形分に占める質量%が、0.1〜3.0質量%の範囲である事が好ましい。
更に、バインダーとして硝化綿を添加してもよい。硝化綿のレーザーマーキング用インキ組成物中の固形分に占める質量%が、0.1〜1.0質量%の範囲である事が好ましい。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物では、場合により着色剤を併用しても何ら問題は無い。使用する着色剤としては、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている有機、無機顔料や染料を挙げることができる。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。藍インキには銅フタロシアニン、透明黄インキにはコスト・耐光性の点からC.I.Pigment No Yellow83を用いることが好ましい。
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、ベンガラ、アルミニウムなどが挙げられる。また、ガラスフレークまたは塊状フレークを母材とした上に金属、もしくは金属酸化物をコートした光輝性顔料(メタシャイン;日本板硝子株式会社)を使用できる。白インキには酸化チタン、墨インキにはカーボンブラック、金、銀インキにはアルミニウム、パールインキにはマイカ(雲母)を使用することがコストや着色力の点から好ましい。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
本発明では更に必要に応じて、併用樹脂、体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物で使用する赤外線レーザー発色顔料(B)及び他の顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、前記樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。例えばポリエチレンイミンにポリエステル付加させた櫛型構造高分子化合物、あるいはα−オレフィンマレイン酸重合物のアルキルアミン誘導体などが挙げられる。具体的にはソルスパーズシリーズ(ZENECA)、アジスパーシリーズ(味の素)、ホモゲノールシリーズ(花王)などを挙げることができる。またBYKシリーズ(ビックケミー)、EFKAシリーズ(EFKA)なども適宜使用できる。分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキの総重量に対して0.05重量%以上、ラミネート適性の観点から5重量%以下でインキ中に含まれることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜2重量%の範囲である。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物は、ポリウレタン樹脂(A)、赤外線レーザー発色顔料(B)及び必要に応じその他の樹脂、着色剤、その他各種添加剤などを有機溶剤中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。
顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えばポリウレタン樹脂、着色剤、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
レーザーマーキング用インキは、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、印刷ユニットに供給される。
利用可能なプラスチックフィルムとしては、ポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン樹脂フィルム等の表面に無機や有機のバリアコート材が塗布された種々高機能フィルムに対しても幅広く用いることが出来る。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、いずれも重量基準によるものとする。
なお、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による数平均分子量、及び重量平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0重量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定した。
〔ウレタン樹脂(A)の合成〕
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールアジペートジオール90部(水酸基価:21.2mgKOH/g)とポリエチレングリコール10部(水酸基価:111mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート13.79部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率2.60重量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル61.3部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン6.06部、ジ−n−ブチルアミン0.45部、酢酸エチル121.2部およびイソプロピルアルコール98.3部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液(A)を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Aは、樹脂固形分濃度30.6重量%、樹脂固形分の重量平均分子量は70,000であった。
〔ベースインキI〜IIIの作製〕
表1に示す部数に従って十分混合攪拌し、ベースインキI〜IIIを作製した。
各々赤外線レーザー発色顔料(B)として、ベースインキIとしてはテイカ(株)社製 ルチル型酸化チタンJR−708(平均粒子径0.27μm)を、ベースインキIIとしてはメルク社製Iriotec8825(アンチモンドープ酸化スズ:46%、マイカ:54%含有)、ベースインキIIIとしてはメルク社製Iriotec8820(アンチモンドープ酸化スズ:46%、マイカ:38.5%、酸化チタン:13%、酸化ケイ素:5.5%含有)を使用した。尚、Iriotec8825、及びIriotec8820についてはベースインキ全量の20質量%とした。
Figure 2018101123
〔実施例1〕
ベースインキIを90部と、ベースインキIIを10部とをよく混合し、レーザーマーキング用インキを作製した。表2にポリウレタン樹脂(A)と、赤外線レーザー発色顔料(B)成分各々の固形分の配合量及び、ポリウレタン樹脂(A)に対する赤外線レーザー発色顔料(B)総計の質量比率(A÷B)を記載した。
表2に示す実施例2〜5については、表1に示すベースインキIとベースインキIIの混合比率に変更し実施例1と同様レーザーマーキング用インキを作製した。
表3に示す実施例6については、実施例1のベースインキIIをベースインキIIIに変更し、ベースインキIを90部と、ベースインキIIIを10部とをよく混合し、レーザーマーキング用インキを作製した。実施例7〜10についても表1に示すベースインキIとベースインキIIIの混合比率に変更し実施例1と同様レーザーマーキング用インキを作製した。
得られたレーザーマーキング用インキの粘度を、各々DIC(株)社製希釈溶剤ユニビアNTNo.1K(内容物:酢酸エチル/酢酸プロピル/IPA=5/3/2)で離合社製ザーンカップNo.3で16秒(25℃)に調整した上で、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機により、ポリエチレンテレフタラートフィルム(東洋紡績株式会社製 E−5100 厚さ12μm、以下PET)上に、乾燥量2.8g/mになるように塗布を行った。更に、得られたレーザーマーキングインキ層にラミネート用接着剤ディックドライLX−470EL/SP−60(DIC株式会社製)を塗布量が2.5g/mとなるように塗布し無延伸ポリプロピレンフィルム(東レ合成フィルム製 ZK−75 50μm、以下CPP)のドライラミネートを行った。
得られた、ドライラミネート印刷物に対し、パナソニックSUNX株式会社製LP−Z130:ファイバーレーザー(1064nmYAGレーザー)を用い、ポリエチレンテレフタラートフィルム基材の反対面側から、パワー出力4.9W、周波数37.5μ・s、スキャンスピード:2000m/秒の条件で印字した。
〔評価項目1:印字濃度測定〕
得られたラミネート印刷物のX−riteDensiEye700E/P/L濃度計にて印字濃度を測定した。印字濃度0.4以上を良品とする。
〔評価項目2:漆黒性〕
印字部分の漆黒性を次の判定基準に従って目視評価した。
○ :充分漆黒性が保たれている。
△ :やや漆黒性に劣るが使用可能な範囲である。
× :漆黒性に劣る。
〔評価項目3:経時変化に伴う退色率〕
印字後の印刷物を、40℃湿度95%に設定した恒温槽に30日保管後、印字濃度を再度測定し、印字直後の印字濃度と比較を行い、退色率を算出した。退色率が大きい程、経時変化が顕著である。
表2〜4に配合量及び、評価結果を示す。
Figure 2018101123
Figure 2018101123
Figure 2018101123
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物を用いた実施例1〜10では、高い印字濃度、漆黒性による視認性に優れ、高温高湿下の経時に伴う退色率が抑制できる。
ポリウレタン樹脂(A)に対して前記赤外線レーザー発色顔料(B)の含有比率が5倍を上回る比較例1では、発色顔料(B)の発色は進行するもののポリウレタン樹脂(A)絶対量が少ない為にポリウレタン樹脂の燃焼量が減少するため印字濃度が上がらない。一方で、ポリウレタン樹脂(A)に対して前記赤外線レーザー発色顔料(B)の含有比率が2.6倍を下回る比較例2、3では、発色顔料(B)の発色が十分でなく印字濃度が不足する傾向にあり、また経過変化に伴う退色も顕著である。
本発明のレーザーマーキング用インキ組成物は、優れた視認性、印字部分の耐久性、フィルムへの高い接着性、ラミネート強度を有しており、食品包材・サニタリー・コスメ・電子部品等工業製品向け用途等に幅広く展開され得る。

Claims (7)

  1. 重量平均分子量が15,000〜100,000であるポリウレタン樹脂(A)と赤外線レーザー発色顔料(B)を含有するレーザーマーキング用インキ組成物であって、
    前記ポリウレタン樹脂(A)と前記赤外線レーザー発色顔料(B)の含有比率が質量比で(A):(B)=1:2.6〜1:5であることを特徴とするレーザーマーキング用インキ組成物。
  2. 前記赤外線レーザー発色顔料(B)がアンチモンドープ酸化スズ(B1)、及び/又は酸化チタン顔料(B2)である請求項1に記載のレーザーマーキング用インキ組成物。
  3. 前記レーザーマーキング用インキ組成物中の固形分に占める質量%が、
    前記ポリウレタン樹脂(A)が16〜24質量%であり、
    前記アンチモンドープ酸化スズ(B1)が1〜26質量%である
    請求項2に記載のレーザーマーキング用インキ組成物。
  4. 前記酸化チタン(B2)の前記レーザーマーキング用インキ組成物中の固形分に占める質量%が、10〜75質量%である請求項2又は3に記載のレーザーマーキング用インキ組成物。
  5. 更に、赤外線レーザー発色顔料(B)としてマイカ(B3)を含有し、前記レーザーマーキング用インキ組成物中の固形分に占める質量%が、1〜33質量%である請求項1〜4の何れか1つに記載のレーザーマーキング用インキ組成物。
  6. 更に、赤外線レーザー発色顔料(B)として酸化ケイ素(B4)を含有する請求項1〜5の何れか1つに記載のレーザーマーキング用インキ組成物。
  7. 基材上に、レーザーマーキング層及び樹脂層が積層された記録材であって、前記レーザーマーキング層が、請求項1〜6に記載のレーザーマーキング用インキ組成物の乾燥皮膜からなる層であることを特徴とする記録材。
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