JP5249871B2 - ワイヤハーネス配索装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車の床などの車体と、この車体に対してスライド自在に設けられたシートなどのスライド体とに亘ってワイヤハーネスを配索するワイヤハーネス配索装置に関するものである。
自動車には、車体としての乗員室の床などに対してスライド自在なスライド体としてのシートが設けられていることがある。また、前記シートには、例えば乗員が着座しているか否かを検出する着座センサ等の電子機器が取り付けられている。このため、前述したスライド自在なシートを有した自動車には、前記シートに取り付けられた電子機器と前記床に固定された電子機器とを接続するために、前記床と前記シートとに亘ってワイヤハーネスを配索する種々のワイヤハーネス配索装置が用いられてきた(例えば特許文献1を参照。)。
特許文献1に記載された上記ワイヤハーネス配索装置201は、図27及び図28に示すように、自動車の車体としての乗員室の床と、矢印K2方向に沿ってスライド自在に設けられたスライド体としてのシート240と、に亘ってワイヤハーネス210を配索する装置である。このワイヤハーネス配索装置201は、床に固定されたレール202と、レール202に取り付けられた一対のモール207a,207bと、モール207aをレール202に取り付けるモールブラケット208と、シート240に連動してレール202内をスライドするプロテクタ209と、レール202内に収容され、プロテクタ209に取り付けられてシート240に導かれるワイヤハーネス210と、を有している。
上記レール202は、シート240のスライド方向K2に沿って延びた箱状のレール本体205と、このレール本体205の内部に設けられ、ワイヤハーネス210を取り付けたプロテクタ209をスライド自在に取り付ける摺動レール206と、を有している。また、レール本体205は、アッパケース203とロアケース204とがボルト固定されて形成されている。また、レール本体205には、プロテクタ209の上部をレール本体205内からレール本体205外に導くための、シート240のスライド方向K2に沿って延びたスリット214が設けられている。
上記一対のモール207a,207bは、弾性変形可能な柔軟性を有する合成樹脂で構成されている。また、一対のモール207a,207bは、スリット214の幅方向の両端部から当該スリット214の中心に向かって互いに近付く方向に延びており、プロテクタ209の外表面に当接している。このような一対のモール207a,207bは、スリット214からレール本体205内に異物が侵入することを防止する。
上記ワイヤハーネス210は、電線211と、この電線211の端末に取り付けられ、シート240に設けられた相手側コネクタに接続されるコネクタ212と、電線211を内側に通して該電線211を保護するコルゲートチューブ213と、を有している。
上記プロテクタ209は、合成樹脂で構成されており、コルゲートチューブ213の一端部を取り付けるワイヤハーネス取付部291と、このワイヤハーネス取付部291に連なりL字の筒状に形成され、内側にコルゲートチューブ213の一端部から引き出された電線211を通す導出部292と、この導出部292の外表面に設けられ、摺動レール206にスライド自在に取り付けられる摺動部293と、を有している。また、導出部292は、その上部がスリット214を通されてレール本体205外に位置付けられており、ワイヤハーネス210の一端部、即ちコネクタ212、をシート240に導く。
また、図27中の符号220は、床に固定され、レール202と平行に配置された支持レールであり、符号221は、シート240を支えて該シート240を支持レール220にスライド自在に取り付ける支持体であり、符号230は、シート240に取り付けられるシートブラケットである。上述したプロテクタ209は、紐215によってこのシートブラケット230に連結されている。
特開2006−42457号公報
しかしながら、前述した従来のワイヤハーネス配索装置201は、広い設置スペースを要するという問題があった。また、プロテクタ209が合成樹脂で構成されていることから強度が十分ではないという問題があった。即ち、レール本体205の内部やスリット214の近傍に異物が紛れている場合に、シート240に連動してスライドしたプロテクタ209がこの異物に衝突して破損してしまう恐れがあるという問題があった。
したがって、本発明は、広い設置スペースを要さず、かつ、プロテクタの破損を防止することができるワイヤハーネス配索装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載された発明は、車体と、前記車体に固定されたレールにスライド自在に取り付けられた支持体に支持されたスライド体と、に亘ってワイヤハーネスを配索するワイヤハーネス配索装置において、前記支持体に固定されかつ当該支持体のスライド方向に沿って当該支持体と並ぶ位置に配置され、前記ワイヤハーネスを取り付けて、その内側に当該ワイヤハーネスを通すことで当該ワイヤハーネスを前記シートに導くプロテクタと、前記支持体との間に前記プロテクタを挟む位置に配置され、前記プロテクタに連動してスライドするプロテクタ保護部と、を有していることを特徴とするワイヤハーネス配索装置である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記レールが、当該レールの長手方向の一端部に開口部が設けられた筒状に形成され、かつ、前記長手方向に延びるとともに前記スライド体側に開口したスリットを有しており、前記プロテクタが、前記開口部から前記レール内に引き込まれた前記ワイヤハーネスを取り付けるワイヤハーネス取付部と、該ワイヤハーネス取付部に連なりかつ前記スリットを通されて前記レール外に導出され、内側に前記ワイヤハーネスを通すことで当該ワイヤハーネスを前記スライド体に導く導出部と、を有しており、前記プロテクタ保護部が、前記レール内から前記スリットを通されて前記レール外に突出していることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記プロテクタ保護部がカバー部材で覆われていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のうち1項に記載された発明において、前記プロテクタ保護部が、前記支持体から延設された前記支持体の一部で構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のうち1項に記載された発明において、前記プロテクタ保護部が、前記支持体に取り付けられた前記支持体と別体の部材で構成されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のうち1項に記載された発明において、前記プロテクタ保護部が、前記支持体から延設された延設部と前記プロテクタとを固定するボルトで構成されていることを特徴とするものである。
請求項1に記載された発明によれば、前記支持体に固定されかつ当該支持体のスライド方向に沿って当該支持体と並ぶ位置に配置され、前記ワイヤハーネスを取り付けて、その内側に当該ワイヤハーネスを通すことで当該ワイヤハーネスを前記シートに導くプロテクタと、前記支持体との間に前記プロテクタを挟む位置に配置され、前記プロテクタに連動してスライドするプロテクタ保護部と、を有しているので、前記プロテクタをスライド自在に取り付けるプロテクタ専用のレールを設ける必要がなく、また、前記レールの近傍に異物が紛れている場合に、前記プロテクタ保護部によって、前記支持体に連動してスライドした前記プロテクタが前記異物に衝突することを回避できる。よって、広い設置スペースを要さず、かつ、プロテクタの破損を防止することができるワイヤハーネス配索装置を提供することができる。また、本ワイヤハーネス配索装置が自動車の乗員室のマットの下に配置される場合に、このマットに設けられた、前記支持体を乗員室側に突出させるための切れ目に前記ワイヤハーネスを通すことができ、そのために、前記マットに設けられる切れ目の数を少なくすることができる。
請求項2に記載された発明によれば、前記レールが、当該レールの長手方向の一端部に開口部が設けられた筒状に形成され、かつ、前記長手方向に延びるとともに前記スライド体側に開口したスリットを有しており、前記プロテクタが、前記開口部から前記レール内に引き込まれた前記ワイヤハーネスを取り付けるワイヤハーネス取付部と、該ワイヤハーネス取付部に連なりかつ前記スリットを通されて前記レール外に導出され、内側に前記ワイヤハーネスを通すことで当該ワイヤハーネスを前記スライド体に導く導出部と、を有しており、前記プロテクタ保護部が、前記レール内から前記スリットを通されて前記レール外に突出しているので、前記レールの内部や前記スリットの近傍に異物が紛れている場合に、前記プロテクタ保護部によって、前記支持体に連動してスライドした前記プロテクタが前記異物に衝突することを回避できる。よって、広い設置スペースを要さず、かつ、プロテクタの破損を防止することができるワイヤハーネス配索装置を提供することができる。
請求項3に記載された発明によれば、前記プロテクタ保護部がカバー部材で覆われているので、例えば前記プロテクタ保護部が金属で構成されている場合などに、本ワイヤハーネス配索装置の構成部品などが前記プロテクタ保護部に当たって傷付くことを防止できる。
請求項4に記載された発明によれば、前記プロテクタ保護部が、前記支持体から延設された前記支持体の一部で構成されているので、本ワイヤハーネス配索装置の部品点数を少なくすることができる。
請求項5に記載された発明によれば、前記プロテクタ保護部が、前記支持体に取り付けられた前記支持体と別体の部材で構成されているので、既存の支持体を設計変更を施すことなく用いることができる。
請求項6に記載された発明によれば、前記プロテクタ保護部が、前記支持体から延設された延設部と前記プロテクタとを固定するボルトで構成されているので、本ワイヤハーネス配索装置の構成を必要最小限の簡素な構成にすることができる。
本発明の第1の実施形態に係るワイヤハーネス配索装置を示す斜視図である。 図1中のA−A線に沿った断面図である。 図1に示されたワイヤハーネス配索装置の概略構成図である。 図1に示されたワイヤハーネス配索装置の余長収容部の分解図である。 図1に示されたワイヤハーネス配索装置の支持体、プロテクタ、保護部を示す斜視図である。 図5に示された支持体及び保護部の斜視図である。 図6に示された支持体及び保護部の平面図である。 図5に示されたプロテクタの斜視図である。 図5に示されたプロテクタの平面図である。 図5に示されたプロテクタの平面図である。 本発明の第2の実施形態に係るワイヤハーネス配索装置を示す斜視図である。 図11中のB−B線に沿った断面図である。 図11に示されたワイヤハーネス配索装置の支持体、プロテクタ、保護部を示す斜視図である。 図13に示された支持体及び保護部の斜視図である。 図14に示された支持体及び保護部の平面図である。 図13に示されたプロテクタの斜視図である。 図13に示されたプロテクタの平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るワイヤハーネス配索装置を示す斜視図である。 図18中のC−C線に沿った断面図である。 図18に示されたワイヤハーネス配索装置の支持体、プロテクタ、保護部を示す斜視図である。 図20に示された支持体及び保護部の斜視図である。 図21に示された支持体及び保護部の平面図である。 図20に示されたプロテクタの斜視図である。 図20に示されたプロテクタの平面図である。 図20に示されたプロテクタの平面図である。 本発明の第4の実施形態に係るワイヤハーネス配索装置を示す断面図である。 従来のワイヤハーネス配索装置を示す斜視図である。 図27に示されたワイヤハーネス配索装置の分解図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るワイヤハーネス配索装置を図1ないし図10を用いて説明する。
上記ワイヤハーネス配索装置1Aは、自動車の「車体」としての乗員室の床11(図2中に一点鎖線で示す。)と、この床11に対してスライド自在に設けられた「スライド体」としてのシートとに亘ってワイヤハーネス4を配索する装置である。また、床11の上にはマット12が敷かれている(図2中に一点鎖線で示す。)。
上記シートには、シートに乗員が着座しているか否かを検出する着座センサや、シートに着座した乗員がシートベルトをしているか否かを検出するシートベルトセンサなどの電子機器が取り付けられている。また、前記シートは、図2において、床11及びマット12の矢印Y方向に沿った上方に配置されている(図示は省略する。)。
上記ワイヤハーネス4は、1本または複数本の電線5と、これら電線5を収容したコルゲートチューブ6と、で構成されている。前記電線5は、周知の被覆電線であり、シートに取り付けられた前記電子機器と、床11即ち前記車体に取り付けられたECU(Electronic Control Unit)などの電子機器とを電気接続している。コルゲートチューブ6は、ポリプロピレンなどの合成樹脂で構成され、かつ、小径の谷部と大径の山部とが交互に連続した蛇腹状の筒状に設けられており、内側に電線5を通すことで、この電線5を保護している。
上記ワイヤハーネス配索装置1Aは、図1に示すように、床11に固定されたレール2と、レール2に取り付けられた一対のモール9,10と、レール2にスライド自在に取り付けられ、前記シートを支持する支持体7Aと、支持体7Aに固定されてレール2内をスライドし、かつ、ワイヤハーネス4を取り付けてこのワイヤハーネス4を前記シートに導く合成樹脂製のプロテクタ8Aと、プロテクタ8Aが異物に衝突することを防止するプロテクタ保護部76と、プロテクタ保護部76を覆うカバー部材14と、ワイヤハーネス4の余長部分を出し入れ自在に収容する余長収容部3と、を有している。
また、図1〜3中の矢印Zは、シートのスライド方向、即ちレール2の長手方向、を表している。また、本実施形態では、矢印Zは自動車の前後方向と平行である。さらに、レール2の長手方向の一端部2aは自動車の前側に位置し、レール2の長手方向の他端部2bは自動車の後ろ側に位置する。また、矢印Xは、レール2の幅方向を表している。また、本実施形態では、矢印Xは自動車の幅方向と平行である。また、矢印Yは、鉛直方向を表している。
上記レール2は、床11に固定されかつマット12の下に配置されている。このレール2は、長尺の帯状金属板が所定の長さで切断され、切断された金属板にロール成形加工等が施されることにより得られるものである。このレール2は、図2に示すように、床11に重ねられる平らな底壁20と、底壁20の幅方向(矢印X方向)の両端部それぞれからシート側、即ち上側、に立設した一対の側壁21と、各側壁21の上端から互いに離れる方向に延びて床11と相対する一対の下壁22と、各下壁22の側壁21から離れた端部それぞれからシート側、即ち上側、に立設した一対の第2側壁23と、各第2側壁23の上端から互いに近付く方向に延びて下壁22と相対する一対の上壁24と、各上壁24の第2側壁23から離れた端部それぞれから底壁20側に延びた一対の内壁25と、を有している。
また、上述した一対の内壁25は、互いに間隔をあけているとともに、底壁20との間に間隔をあけている。このため、一対の内壁25間には、自動車の乗員室側、即ちシート側に向かって開口し、レール2の長手方向に沿って延びたスリット26が形成されている。また、前記スリット26の矢印X方向に沿った両側には、前述したそれぞれの下壁22と第2側壁23と上壁24と内壁25とで囲まれた一対の空間27,28が形成されている。また、前記スリット26及び一対の空間27,28の下側には、これらスリット26と一対の空間27,28同士を連通させる空間29が形成されている。本発明では、前述した一対の空間27,28と空間29とを合わせて「支持体収容部」と称し、符号30を付す。また、レール2は、図1に示すように、長手方向(矢印Z方向)の一端部2aから他端部2bに亘って断面形状が等しく形成されている。即ち、レール2は、長手方向の一端部2aに開口部が設けられた筒状に形成されている。
上記一対のモール9,10は、図2に示すように、上記一対の上壁24の外表面にそれぞれ取り付けられている。これら一対のモール9,10は、矢印Z方向に延びた長尺状に形成され、かつ、矢印Yと平行な仮想軸に対して線対称形状に形成されている。これら一対のモール9,10は、各上壁24の外表面に重ねられる重なり部9a,10aと、各第2側壁23の外表面に重ねられる第2重なり部9b,10bと、レール2の幅方向の外側からレール2の幅方向の中心に向かって延び、スリット26を覆って、スリット26からレール2内に塵や埃などの異物が侵入することを防止する覆い部9c,10cと、を一体に有している。また、覆い部9c,10cは、支持体7Aやプロテクタ8Aに当接した際に弾性変形し易いように、柔軟性を有する合成樹脂で構成されている。
上記支持体7Aは、金属板にロール成形加工やプレス加工等が施されて得られるものであり、図2、図5〜図7に示すように、前記シートに取り付けられるシート取付部70と、レール2の内部に位置付けられてレール2の後述の支持体収容部30内に矢印Z方向に沿ってスライド自在に収容されるスライド部71と、スライド部71の矢印Z方向の先端部から矢印Z方向に延設されたプロテクタ取付部172と、プロテクタ取付部172の矢印Z方向の先端部から延設された上記プロテクタ保護部76と、を有している。
上記シート取付部70は、スリット26の上側、即ちレール2の外部、に配置されており、マット12に設けられた切れ目12aを通されて乗員室側に突出している。
上記スライド部71は、矢印Yと平行な仮想軸に対して線対称形状に形成された第1スライド部72と、第2スライド部73と、を有している。第1スライド部72は、シート取付部70の下端部から下側に延びた内側摺動部72bと、内側摺動部72bの下端部に連なり、シート取付部70に向かって上側に延びるとともに支持体7Aの幅方向(矢印X方向)の一端部に位置する外側摺動部72aと、で断面U字状に形成されている。第2スライド部73は、シート取付部70の下端部から下側に延びた内側摺動部73bと、内側摺動部73bの下端部に連なり、シート取付部70に向かって上側に延びるとともに支持体7Aの幅方向(矢印X方向)の他端部に位置する外側摺動部73aと、で断面U字状に形成されている。さらに、スライド部71の幅方向(矢印X方向)の一端部に位置する外側摺動部72aは、上述した一対の空間27,28の一方の空間27内に収容されており、スライド部71の幅方向(矢印X方向)の他端部に位置する外側摺動部73aは、他方の空間28内に収容されている。
また、上述したレール2の前記「他方の空間28」には、余長収容部3から引き出されたワイヤハーネス4と、このワイヤハーネス4を構成するコルゲートチューブ6の一端部6aを取り付けたプロテクタ8Aの後述のワイヤハーネス取付部80と、がレール2の長手方向に沿ってスライド自在に収容されている。本発明では、前記「他方の空間28」を形成する下壁22と第2側壁23と上壁24と内壁25と、空間28とを「ハーネス収容部」と称し、符号33を付す。このハーネス収容部33は、四角筒状の形状をなしている。また、余長収容部3から引き出されたワイヤハーネス4は、四角筒状のハーネス収容部33の、レール2の一端部2aに位置する開口部からハーネス収容部33内に引き込まれている。このように、空間28、即ちハーネス収容部33内、には、スライド部71の外側摺動部73aの他に、ワイヤハーネス4と、後述のワイヤハーネス取付部80と、がスライド自在、即ち出し入れ自在、に収容されている(図2を参照。)。
また、本発明では、一対の空間27,28とスリット26とがレール2の幅方向に沿って互いに位置ずれしているので、スリット26を介してレール2内に侵入した異物が、一対の空間27,28に詰まって支持体7Aやワイヤハーネス4やプロテクタ8Aの移動の妨げとなることを防止できる。また、スリット26を介して杖などの異物がレール2内に侵入しても、該異物が空間28即ちハーネス収容部33内に収容されたワイヤハーネス4及び後述のワイヤハーネス取付部80に接触することを防止でき、ワイヤハーネス4及びワイヤハーネス取付部80の破損を防止できる。
上記プロテクタ取付部172は、図6に示すように、上述した第1スライド部72の内側摺動部72bから矢印Z方向に延設された内側延設部172bと、第1スライド部72の外側摺動部72aから矢印Z方向に延設された外側延設部172aと、で断面U字状に形成されている。また、内側延設部172bには、ボルト16が通されるボルト通し穴74と、プロテクタ8Aの後述の回転防止部88b(図9を参照。)が通される回転防止穴75と、が設けられている。このプロテクタ取付部172は、図5に示すように、内側延設部172bの表面上にプロテクタ8Aを取り付ける。
上記プロテクタ保護部76は、上述したプロテクタ取付部172の外側延設部172aの矢印Z方向の先端部から延設されており、外側延設部172aの下端部から支持体7Aの幅方向(矢印X方向)の中央に向かって延びた水平部76aと、水平部76aの外側延設部172aから離れた端部から板状に立設した立設部76bと、でL字状に形成されている。即ち、プロテクタ保護部76は、支持体7Aから延設された支持体7Aの一部で構成されている。このようなプロテクタ保護部76の立設部76bは、プロテクタ取付部172に取り付けられたプロテクタ8Aをスライド部71との間に挟む位置に配置されている。また、立設部76bは、図2に示すように、レール2のスリット26内に位置付けられる。このことから、プロテクタ保護部76の立設部76bは、プロテクタ取付部172に取り付けられたプロテクタ8Aに連動して、該プロテクタ8Aをスライド部71との間に位置付けた状態でスリット26内をスライドする。
上記カバー部材14は、合成樹脂により円柱状、即ちキャップ状、に形成されており、図6及び図7に示すように、上述したプロテクタ保護部76の立設部76bの上端部に被せられた状態で立設部76bに取り付けられている。また、カバー部材14は、レール2内からスリット26を通されてレール2外に突出している。
このようなカバー部材14とプロテクタ保護部76の立設部76bとは、プロテクタ8Aの矢印Z方向の前方に位置することで、レール2の内部やスリット26の近傍に異物が紛れている場合に、矢印Z方向の前方、即ちレール2の一端部2a側、にスライドするプロテクタ8Aが異物に衝突することを防止する。さらに、プロテクタ8Aの矢印Z方向の後方には、支持体7Aのスライド部71及びシート取付部70が配置されていることから、これらスライド部71及びシート取付部70によって、矢印Z方向の後方、即ちレールの他端部2b側、にスライドするプロテクタ8Aが異物に衝突することが防止される。
また、前記「異物」とは、例えば、自動車の乗員によってマット12上に落とされる紙屑、棒、石などである。これらの異物は、スリット26を通ってレール2内に紛れ込んだり、スリット26を塞いだりすることがある。また、前記プロテクタ8Aは合成樹脂で構成されており、金属と比較すると強度が弱いため、これら異物に勢い良く衝突すると破損するおそれがある。そのため、本発明では、上述したプロテクタ保護部76やカバー部材14を設けることで、プロテクタ8Aが異物に衝突することを防ぎ、該プロテクタ8Aの破損を防止するようにしている。
また、本発明では、プロテクタ保護部76が、支持体7Aのプロテクタ取付部172から延設され、当該支持体7Aの一部で構成されているので、本ワイヤハーネス配索装置1Aの部品点数を少なくすることができる。さらにこのプロテクタ保護部76は金属製であることから、十分な強度を有している。
また、本発明では、プロテクタ保護部76が金属で構成されているがゆえに、当該プロテクタ保護部76が、柔軟性を有する合成樹脂で構成された上記モール9,10などに接触すると、プロテクタ保護部76の角やバリによってこれらを傷付けてしまうおそれがある。そこで、本発明では、プロテクタ保護部76の立設部76bに合成樹脂製のカバー部材14を被せ、モール9,10に接触する部分にカバー部材14を配置することで、前記モール9,10が傷付くことを防止している。
また、本発明の「カバー部材」としては、本実施形態の合成樹脂製のキャップの他、ゴム製のキャップやスポンジ製のカバーなども用いることができる。さらに、「プロテクタ保護部」に巻き付けて使用する布や粘着テープなども用いることができる。即ち、本発明の「カバー部材」は、金属以外の材料で構成された鋭利な角がないものであれば良い。
上記プロテクタ8Aは、合成樹脂で構成されており、図2、図5、図8ないし図10に示すように、支持体7Aのプロテクタ取付部172に取り付けられる連結部88と、レール2の他方の空間28、即ちハーネス収容部33、にスライド自在に収容され、かつ、余長収容部3から引き出されて開口部からハーネス収容部33内に引き込まれたワイヤハーネス4即ちコルゲートチューブ6の一端部6aを取り付けるワイヤハーネス取付部80と、このワイヤハーネス取付部80から略L字状に延び、レール2のスリット26及びマット12の切れ目12aを通されて乗員室側に突出し、ワイヤハーネス取付部80に取り付けられたコルゲートチューブ6の一端部6aから引き出された電線5をその内側に通して、この電線5をシートに導く導出部84と、を一体に有している。
上記連結部88は、板状に形成されており、ボルト16が通される丸穴88aと、板状の表面から円柱状に突出した回転防止部88bと、が設けられている。この連結部88は、丸穴88aがプロテクタ取付部172のボルト通し穴74に重ねられ、回転防止部88bがプロテクタ取付部172の回転防止穴75に嵌め込まれて、ボルト16及びナット17によってプロテクタ取付部172に固定される。また、回転防止部88bは、プロテクタ8Aが丸穴88aを中心として回転することを防止する。即ち、プロテクタ取付部172に固定されたプロテクタ8Aは、支持体7Aのスライド部71及びシート取付部70と当該支持体7Aのスライド方向(矢印Z方向)に沿って並ぶ配置となっている。さらに、本発明では、連結部88が支持体7Aに取り付けられることで、プロテクタ8Aがレール2の内表面に非接触となっている。よって、プロテクタ8Aとレール2とが擦れ合うことがなく、プロテクタ8Aの移動を円滑に行うことができる。
上記ワイヤハーネス取付部80は、上下方向に相対して互いの間にコルゲートチューブ6の一端部6aを挟む一対の挟持板81,82と、これら一対の挟持板81,82の一端部同士を連結したヒンジ83と、を有している。一対の挟持板81,82各々の内面には、コルゲートチューブ6の前記谷部、即ち隣り合う前記山部同士の間、に入り込む複数の爪81a,82aが設けられている。また、一対の挟持板81,82には、互いに係止し合う係止部81b,82bが設けられている。
上記導出部84は、上記挟持板81に連なり、ワイヤハーネス取付部80に取り付けられたワイヤハーネス4の長手方向と直交する方向に樋状に延びた第1導出部85と、第1導出部85のワイヤハーネス取付部80から離れた端部から上側に向かって四角筒状に立設した第2導出部86と、第2導出部86の上端から棒状に延びた第3導出部87と、を有している。前記第1導出部85は、下側に開口部85aが設けられた樋状に形成されており、レール2内の空間29に収容されている。この第1導出部85は、コルゲートチューブ6の一端部6aから引き出された電線5をその内側に位置付けて第2導出部86に導く。前記第2導出部86は、その上端に位置する開口部からその下端に位置する開口部に亘って当該第2導出部86を切り欠いた切り欠き86aを有している。この第2導出部86は、レール2のスリット26内に位置付けられている。この第2導出部86は、第1導出部85から導かれた電線5をその内側に通して第3導出部87に導く。前記第3導出部87はレール2の外部に位置付けられており、第2導出部86の上端の開口部から引き出された電線5の外表面に沿うとともにこの電線5をシートに導く。
上記構成のプロテクタ8Aは、連結部88が支持体7Aに取り付けられていることから、支持体7A、即ちシート、に連動してレール2内をスライドする。また、マット12の切れ目12aには、前述した支持体7Aと、プロテクタ8Aの導出部84との双方が通される。
このように、本発明では、プロテクタ8Aを用いて、ワイヤハーネス4を保護しながら、該ワイヤハーネス4をレール2内を通して「スライド体」としてのシートに導いているので、ワイヤハーネス4のレール2への出し入れ、即ちレール2内での移動、を円滑に行うことができ、また、ワイヤハーネス4がレール2の角の部分(例えば内壁25の下端の縁など)や支持体7Aなどに当たって傷付くことを防止できる。
また、本発明では、支持体7Aとプロテクタ8Aとをレール2の長手方向に沿って並ぶ配置とした上で、従来は支持体7Aのみをスライド自在に収容するものであったレール2内に、プロテクタ8A及びワイヤハーネス4をスライド自在に収容しているので、プロテクタ8Aをスライド自在に取り付けるためのレール等を専用に設ける必要が無く、ワイヤハーネス配索装置1Aを広い設置スペースを要さず、部品点数が少なくコンパクトで簡素な構成にすることができる。また、従来は支持体7Aのみが通されるマット12の切れ目12aに、支持体7Aとプロテクタ8Aの導出部84、即ちワイヤハーネス4、の双方を通すことができ、マット12に設けられる切れ目12aの数を少なくすることができる。
また、上述したプロテクタ保護部76の立設部76bとカバー部材14とは、プロテクタ取付部172に固定されたプロテクタ8Aの第2導出部86の矢印Z方向の前方に位置して、プロテクタ8Aが異物に衝突することを防ぐ。
上記余長収容部3は、図3に示すように、ワイヤハーネス4の余長部分をU字状に曲げた状態で出し入れ自在に収容する、レール2に平行に沿わされた角筒状の平行部31と、この平行部31の一端部31aに連なるとともに平行部31の一端部31aから引き出されたワイヤハーネス4をU字状に曲げてハーネス収容部33の開口部に案内する案内部58を有する接続部32と、を一体に有している。また、前記平行部31は、レール2の一方の空間27に隣接している。また、平行部31の一端部31aは、レール2の一端部2aに隣接しており、平行部31の他端部31bは、レール2の他端部2bに隣接している。また、接続部32は、平行部31の一端部31aから離れた側の部分が、ハーネス収容部33の開口部に隣接している。この余長収容部は、床11に固定されかつマット12の下に配置されている。
また、上記余長収容部3は、図4に示すように、箱状の収容部本体50と、蓋状に形成され収容部本体50の上面を覆う収容部蓋体40と、で構成されている。
上記収容部本体50は、床11に重ねられる板状の底壁51と、底壁51の幅方向(矢印X方向)の両端部それぞれから立設した一対の側壁52,53と、これら底壁51及び側壁52,53の一端部に連なり略半円柱状に形成された本体部57と、本体部57の上面から凹に形成され、内部にワイヤハーネス4を収容することが可能な溝状の上記案内部58と、本体部57の外表面から突出し、レール2の一端部2aに固定される固定部59と、案内部58に案内されて平行部31内(即ち側壁52と側壁53との間の空間)に引き込まれて平行部31内でU字状に折り返されたワイヤハーネス4を、案内部58と上下に違った高さで交差させて余長収容部3外に引き出す第2案内部60と、一対の側壁52,53の他端部同士を繋いだ、平行部31の他端部31bに位置する側壁54と、側壁54の外表面に設けられた、床11への取付用の取付片55と、を一体に有している。
また、上記案内部58は、ハーネス収容部33の開口部から引き出されたワイヤハーネス4の余長部分をU字状に曲げて、平行部31の一端部31a、即ち側壁52と側壁53との間の空間、に案内するとともに、ワイヤハーネス4をレール2から離れた側壁53の内面に当接するように案内する。また、案内部58に案内されて平行部31の一端部31a内に引き込まれたワイヤハーネス4は、平行部31内でさらにU字状に折り返され、かつ、当該折り返された部分がコルゲートチューブ6の弾性復元力によってレール2寄りの側壁52の内面に当接している。即ち、ワイヤハーネス4は、同一の曲げ方向に二回曲げられることによりコルゲートチューブ6に生じる弾性復元力によって、平行部31内で拡がり、側壁53の内面及び側壁52の内面に張り付いている。また、本発明において、「曲げ方向が同一である」とは、複数箇所で曲げられたものが全体として螺旋方向に曲げられていることを意味する。
また、上記第2案内部60は、平行部31の一端部31aに位置付けられたコルゲートチューブ6の他端部6bから引き出された電線5を余長収容部3外に引き出す。また、この第2案内部60から余長収容部3外に引き出された電線5は、上述したように、床11即ち前記車体に取り付けられた前記電子機器と直接、または他の電線等を介して電気接続している。
上記収容部蓋体40は、収容部本体50に取り付けられた状態で底壁51と相対する上壁41aと、上壁41aの幅方向の両端部それぞれから立設した一対の側壁42,43aと、上壁41aの一端部に連なり、上記本体部57の上面を覆う第2上壁41bと、前記側壁43aの一端部に連なるとともに第2上壁41bの端部から立設した側壁43bと、を一体に有している。
即ち、図4に示すように、底壁51、側壁52,53,54、上壁41a、側壁42,43aが本発明の「平行部31」を構成している。また、本体部57、案内部58、第2案内部60、第2上壁41b、側壁43bが本発明の「接続部32」を構成している。
また、本発明では、案内部58によって、ハーネス収容部33の開口部から引き出されたワイヤハーネス4の余長部分を平行部31のレール2から離れた側壁53の内面に当接するように案内しているので、ワイヤハーネス4の配索経路が大周りになり、即ち曲げ半径が大きくなり、ワイヤハーネス4の移動が円滑に行われるとともに、ワイヤハーネス4にきつい曲げ癖がつくことを防止できる。さらに、このワイヤハーネス4が平行部31内でさらに案内部58による曲げ方向と同一の曲げ方向でU字状に折り返されているので、ワイヤハーネス4にS字状の曲げ癖がつくことを防止できる。
また、本発明では、平行部31内に収容されたワイヤハーネス4を案内部58と上下に違った高さで交差させて余長収容部3外に引き出す第2案内部60を有しているので、ワイヤハーネス4が余長収容部3から出し入れされる際に、これらワイヤハーネス4の交差した部分同士が擦れ合うことを防止できる。また、本実施形態では、第2案内部60が案内部58の下側に設けられている。
上記構成のワイヤハーネス配索装置1Aは、シート及び支持体7Aがレール2の一端部2a側から他端部2b側に移動すると、プロテクタ8Aがこれらシート及び支持体7Aに連動して移動し、ワイヤハーネス4が余長収容部3から引き出されてハーネス収容部33内に引き込まれる。また、シート及び支持体7Aがレール2の他端部2b側から一端部2a側に移動すると、プロテクタ8Aがこれらシート及び支持体7Aに連動して移動し、ワイヤハーネス4がハーネス収容部33から引き出されて余長収容部3内に引き込まれる。
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態に係るワイヤハーネス配索装置を図11ないし図17を用いて説明する。また、これらの図において、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態のワイヤハーネス配索装置1Bは、図11に示すように、レール2と、一対のモール9,10と、支持体7Bと、合成樹脂製のプロテクタ8Bと、プロテクタ8Bが異物に衝突することを防止するプロテクタ保護部19と、プロテクタ保護部19を覆うカバー部材13と、余長収容部3と、を有している。
上記支持体7Bは、図13ないし図15に示すように、シート取付部70と、スライド部71と、スライド部71の外側摺動部72aから矢印Z方向に延設された「延設部」としての外側延設部172aと、を有している。また、外側延設部172aの下端部には、支持体7Bの幅方向(矢印X方向)の中央に向かって延びた表面が平らな金属板18が溶接されている。
上記プロテクタ8Bは、合成樹脂で構成されており、図13、図16及び図17に示すように、上記支持体7Bに溶接された上記金属板18に取り付けられる連結部89と、ワイヤハーネス取付部80と、導出部84と、を一体に有している。前記連結部89は、板状に形成されており、金属板18と一体に形成されたボルト、即ちプロテクタ保護部19、が通される丸穴89aが設けられている。この連結部89は、金属板18に重ねられるとともに丸穴89a内に後述するプロテクタ保護部19が通され、該プロテクタ保護部19にナット17が螺合されることで金属板18に固定される。即ち、支持体7Bに溶接された金属板18に固定されたプロテクタ8Bは、支持体7Bのスライド部71及びシート取付部70と当該支持体7Bのスライド方向(矢印Z方向)に沿って並ぶ配置となっている。
上記プロテクタ保護部19は、上記金属板18に一体に形成されており、この金属板18の表面から立設している。プロテクタ保護部19は、円柱状に形成されかつ外面に螺旋状の溝が切られた雄ねじ形状をなしている。即ち、プロテクタ保護部19は、外側延設部172aとプロテクタ8Bとを固定するボルトで構成されている。このようなプロテクタ保護部19は、図13に示すように、当該プロテクタ保護部19によって支持体7Bに固定されたプロテクタ8Bの第2導出部86をスライド部71との間に挟む位置に配置されている。また、プロテクタ保護部19は、図12に示すように、レール2内に位置付けられるとともにスリット26を通されてレール2外に突出している。このことから、プロテクタ保護部19は、支持体7Bに取り付けられたプロテクタ8Bに連動して、該プロテクタ8Bをスライド部71との間に位置付けた状態でスリット26内をスライドする。このようなプロテクタ保護部19は、レール2の一端部2a側にスライドするプロテクタ8Bが異物に衝突することを防止する。
このように、本発明では、プロテクタ保護部19が、支持体7Bから延設された外側延設部172aとプロテクタ8Bとを固定するボルトで構成されているので、本ワイヤハーネス配索装置1Bの構成を必要最小限の簡素な構成にすることができる。
上記カバー部材13は、合成樹脂によりキャップ状に形成されており、プロテクタ保護部19にナット17が螺合された後に該プロテクタ保護部19に被せられて、プロテクタ保護部19がモール9,10に直接接触することを防ぐ。
(第3の実施形態)
続いて、本発明の第3の実施形態に係るワイヤハーネス配索装置を図18ないし図25を用いて説明する。また、これらの図において、前述した第1,2の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態のワイヤハーネス配索装置1Cは、図18に示すように、レール2と、一対のモール9,10と、支持体7Cと、合成樹脂製のプロテクタ8Cと、プロテクタ8Cが異物に衝突することを防止するプロテクタ保護部15と、余長収容部3と、を有している。
上記支持体7Cは、図20ないし図22に示すように、シート取付部70と、スライド部71と、スライド部71の第1スライド部72から矢印Z方向に延設された第1延設部172’と、スライド部71の第2スライド部73から矢印Z方向に延設された第2延設部173と、を有している。前記第1延設部172’は、第1スライド部72の外側摺動部72aから矢印Z方向に延設された外側延設部172aと、第1スライド部72の内側摺動部72bから矢印Z方向に延設された内側延設部172bと、で構成されている。前記第2延設部173は、第2スライド部73の外側摺動部73aから矢印Z方向に延設された外側延設部173aと、第2スライド部73の内側摺動部73bから矢印Z方向に延設された内側延設部173bと、で構成されている。また、外側延設部172aの下端部、及び、外側延設部173aの下端部には、表面が平らな金属板18が溶接されている。また、金属板18の表面からはボルト19’が立設している。この金属板18には、図20に示すように、上記プロテクタ8Cの連結部89’が固定される。
上記プロテクタ8Cは、合成樹脂で構成されており、図20、図23ないし図25に示すように、上記支持体7Cに溶接された上記金属板18に取り付けられる連結部89’と、ワイヤハーネス取付部80と、導出部84と、を一体に有している。また、支持体7Cに溶接された金属板18に固定されたプロテクタ8Cは、支持体7Cのスライド部71及びシート取付部70と当該支持体7Cのスライド方向(矢印Z方向)に沿って並ぶ配置となっている。
上記プロテクタ保護部15は、金属板で構成されており、図21などに示すように、金属板18に溶接され、金属板18の矢印Z方向前方に延びた溶接部90と、溶接部90の金属板18から離れた端部から板状に立設した立設板部91と、でL字状に形成されている。即ち、プロテクタ保護部15は、支持体7Cに取り付けられた当該支持体7Cと別体の部材で構成されている。このようなプロテクタ保護部15は、図20に示すように、支持体7Cに固定されたプロテクタ8Cの第2導出部86をスライド部71との間に挟む位置に配置されている。また、プロテクタ保護部15は、図19に示すように、レール2のスリット26内に位置付けられる。このことから、プロテクタ保護部15は、支持体7Cに取り付けられたプロテクタ8Cに連動して、該プロテクタ8Cをスライド部71との間に位置付けた状態でスリット26内をスライドする。このようなプロテクタ保護部15は、レール2の一端部2a側にスライドするプロテクタ8Cがレール2内に紛れた異物に衝突することを防止する。
このように、本発明では、プロテクタ保護部15が、支持体7Cに取り付けられた当該支持体7Cと別体の部材で構成されているので、既存の支持体を設計変更を施すことなく用いることができる。
また、本発明の「プロテクタ保護部」は、本実施形態のプロテクタ保護部15のように、必ずしもレール2外に突出していなくても良く、少なくともプロテクタ8Cのレール2内に位置する部分、即ち第2導出部86、を保護できれば良い。また、本実施形態のプロテクタ保護部15は、モール9,10に接触することがないことから、「カバー部材」で覆われていない。このように、本発明の「プロテクタ保護部」は、必ずしも「カバー部材」で覆われていなくても良い。
(第4の実施形態)
続いて、本発明の第4の実施形態に係るワイヤハーネス配索装置を図26を用いて説明する。また、これらの図において、前述した第1〜3の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態のワイヤハーネス配索装置1Dは、図26に示すように、レール2と、一対のモール9,10と、支持体7Cと、合成樹脂製のプロテクタ8Cと、プロテクタ8Cが異物に衝突することを防止するプロテクタ保護部15’と、余長収容部3と、を有している。
上記プロテクタ保護部15’は、上述したプロテクタ保護部15(図21を参照。)に突出板部92が追加された構成となっている。この突出板部92は、立設板部91の上端部から延設されており、スリット26を通されてレール2外に突出している。この突出板部92は、モール9,10を傷付けないように、バリ取り、面取り、等の処理が施されている。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1A,1B,1C,1D ワイヤハーネス配索装置
2 レール
4 ワイヤハーネス
7A,7B,7C 支持体
8A,8B,8C プロテクタ
11 床(車体)
13,14 カバー部材
15,15’,19,76 プロテクタ保護部
26 スリット
80 ワイヤハーネス取付部
84 導出部
172a 外側延設部(延設部)

Claims (6)

  1. 車体と、前記車体に固定されたレールにスライド自在に取り付けられた支持体に支持されたスライド体と、に亘ってワイヤハーネスを配索するワイヤハーネス配索装置において、
    前記支持体に固定されかつ当該支持体のスライド方向に沿って当該支持体と並ぶ位置に配置され、前記ワイヤハーネスを取り付けて、その内側に当該ワイヤハーネスを通すことで当該ワイヤハーネスを前記シートに導くプロテクタと、
    前記支持体との間に前記プロテクタを挟む位置に配置され、前記プロテクタに連動してスライドするプロテクタ保護部と、を有していることを特徴とするワイヤハーネス配索装置。
  2. 前記レールが、当該レールの長手方向の一端部に開口部が設けられた筒状に形成され、かつ、前記長手方向に延びるとともに前記スライド体側に開口したスリットを有しており、
    前記プロテクタが、前記開口部から前記レール内に引き込まれた前記ワイヤハーネスを取り付けるワイヤハーネス取付部と、該ワイヤハーネス取付部に連なりかつ前記スリットを通されて前記レール外に導出され、内側に前記ワイヤハーネスを通すことで当該ワイヤハーネスを前記スライド体に導く導出部と、を有しており、
    前記プロテクタ保護部が、前記レール内から前記スリットを通されて前記レール外に突出していることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス配索装置。
  3. 前記プロテクタ保護部がカバー部材で覆われていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス配索装置。
  4. 前記プロテクタ保護部が、前記支持体から延設された前記支持体の一部で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうち1項に記載のワイヤハーネス配索装置。
  5. 前記プロテクタ保護部が、前記支持体に取り付けられた前記支持体と別体の部材で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうち1項に記載のワイヤハーネス配索装置。
  6. 前記プロテクタ保護部が、前記支持体から延設された延設部と前記プロテクタとを固定するボルトで構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうち1項に記載のワイヤハーネス配索装置。
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