JP5248807B2 - ゴム成形物の製造方法及びその方法により得られるシール部材 - Google Patents

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本発明はゴム成形物の製造方法及びその方法により得られるシール部材に関する。
ホース、ガスケット、O−リング、パッキンなどのシール部材のゴム材料として、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)などが使用目的に応じて使い分けられている。
例えば、特許文献1には、ニトリル含有量36%以下のNBR又はHNBRと、天然マイカなどの薄片状充填剤と、有機過酸化物とを含有するNBR系組成物が開示されており、これにより、低温特性を損なうことなく、耐ガス透過性に優れた加硫成形品が得られると記載されている。また、特許文献2には、ブチル系ゴム単独又はブチル系ゴムとジエン系ゴムとのブレンドに、混練時に熱膨張する熱膨張性黒鉛を含有させ、150〜190℃で混練してなるゴム組成物が開示されており、これにより、耐空気透過性を増大させることができると記載されている。さらに、特許文献3には、極性基含有ゴムと、極性基を有する有機化処理剤により有機化された有機化層状粘土鉱物とを含有するゴム組成物を用いたホースが開示されており、これにより、柔軟性等の物性を損なうことなく耐ガス透過性に優れたホースが得られると記載されている。
特開平08−217919号公報 特開2006−225473号公報 特開2005−187584号公報
シール部材の特性として、耐熱性及び耐油性に優れ、圧縮永久歪が小さく、耐ガス透過性を有することが一般に要求される。中でも耐圧縮永久歪特性及び耐ガス透過性が重要な性能であり、これらを両立させることが必要である。しかしながら、特許文献1に記載のゴム組成物では、ガス透過性を十分抑制するためには耐圧縮永久歪特性の低下が避けられないという問題がある。また、特許文献2及び3に記載のゴム組成物では、シール部材として要求される耐圧縮永久歪特性が不十分であり、耐ガス透過性も満足できるものではない。
本発明はこのような実情に鑑みなされたものであり、その解決しようとする課題は耐圧縮永久歪特性を維持しつつ、耐ガス透過性を大幅に改善させ得るゴム成形物の製造方法、並びにその方法により得られるシール部材を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ゴム組成物を混練し、次いで加硫成形してゴム成形物を得る際に、ゴム組成物として特定のゴム材料と、熱膨張性黒鉛とを含むものを使用し、そのゴム組成物の混練を熱膨張性黒鉛の膨張温度以上の温度で行なうことにより、混練時に熱膨張性黒鉛がせん断力を受けながら膨張し黒鉛片がゴム材料中に微分散され、その結果耐圧縮永久歪特性を維持しつつ耐ガス透過性を大幅に改善されたゴム成形物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム及びエチレンプロピレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム材料と、熱膨張性黒鉛とを混練し、次いで加硫成形するゴム成形物の製造方法であって、ゴム材料と、熱膨張性黒鉛とを熱膨張性黒鉛の膨張温度以上で混練する第1の混練工程を備える、ゴム成形物の製造方法。
(2)第1の混練工程後、第1の混練工程で得られた混練物に架橋剤を少なくとも含む添加剤を添加し100℃以下の温度で混練する第2の混練工程を備える、上記(1)記載の製造方法。
(3)第1の混練工程前に、ゴム材料と、熱膨張性黒鉛とを熱膨張性黒鉛の膨張温度よりも低い温度で混練する予備混練工程を備える、上記(1)又は(2)記載の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法により得られる、シール部材。
本発明のゴム成形物の製造方法によれば、高温での耐圧縮永久歪特性の低下が少なく、ガスの透過が十分に抑制されることから、耐圧縮永久歪特性を維持しつつ、耐ガス透過性を大幅に改善されたゴム成形物が提供される。したがって、本発明の製造方法により得られるゴム成形物は、O−リング、パッキン、ガスケット、リップシールなどのシール部材としてだけでなく、燃料油用のホース類、更には冷媒としてHFCを用いるエアコンディショナ又は冷凍機のコンプレッサにおけるシール部材やホース類として好適に使用することが可能である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明のゴム成形物の製造方法は、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム及びエチレンプロピレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム材料と、熱膨張性黒鉛とを混練し、次いで加硫成形するゴム成形物の製造方法であって、ゴム材料と、熱膨張性黒鉛との混練を熱膨張性黒鉛の膨張温度以上で行うことを特徴とする。
ゴム材料として、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム及びエチレンプロピレンゴム(EPDM)から選ばれる少なくとも1種が使用される。NBRとしては、特に制限されるものではないが、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合ゴム及びα,β−不飽和ニトリル−共役ジエン−エチレン性不飽和モノマー共重合ゴムが例示される。
不飽和ニトリル及びα,β−不飽和ニトリルとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が例示され、共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等が例示される。エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン等のビニル芳香族化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート等の不飽和モノカルボン酸エステル;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートのような不飽和モノカルボン酸のアルコキシアルキルエステル;イタコン酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチルのような不飽和ジカルボン酸のジアルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸モノエステルのような不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミドのようなN−置換(メタ)アクリルアミド等が例示される。これらの共重合ゴムは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でもブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴムが好適である。
また、HNBRとしては特に制限されるものではないが、前述のNBRの共役ジエン単位の全部又は一部を水素化したもの、共役ジエン単位の代わりにエチレン性不飽和モノマー単位を導入したものが例示される。具体的には、NBRにおいて例示した化合物の水素添加物が例示され、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、水素添加ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴムが好適である。また、耐寒性の観点から、アクリロニトリル含有量(結合AN量)が好ましくは45重量%以下、より好ましくは38重量%以下のものが好適である。更に、耐熱性の観点から、ヨウ素価(中心値)が好ましくは28以下、より好ましくは20以下のものが好適である。なお、結合AN量及びヨウ素価は、公知の測定方法によって測定することが可能である。このようなHNBRは、従来公知の手法により製造することが可能であるが、例えば、ゼットポール(日本ゼオン社製)等として商業的に入手してもよい。
FKMとしては、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル−四フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン−四フッ化エチレン共重合体、パーフルオロビニルエーテル−エチレン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体等が例示され、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
シリコーンゴムとしては、ポリジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、メチルトリフルオロプロピルビニルシリコーンゴム等が例示され、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
EPDMとしては、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−1,4−へキサジエン共重合体、エチレン−プロピレン−メチレンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−メチルテトラヒドロインデン共重合体等が例示され、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱膨張性黒鉛としては公知の製法により製造されたものを使用することができるが、一般的に濃硫酸、硝酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩等の酸化剤により処理することによって、黒鉛層間に化合物を内包させたものが好適に使用される。熱膨張性黒鉛は熱処理によって層間化合物が揮発することによって層間が開き、膨張することが可能である。層間物質の改質や他の低沸点酸化合物の使用によって、膨張開始温度を300℃以下とした熱膨張性黒鉛が製造、市販されている。なお、本発明で使用する熱膨張性黒鉛は、熱処理後の既膨張品ではなく、熱処理前の未膨張品である。
本発明においては、加硫工程でなく第1の混練工程において熱膨張性黒鉛を膨張させるが、熱膨張性黒鉛の膨張度合いは膨張開始温度以上で加熱温度が高いほど高まるため、膨張開始温度が、好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下のものを使用することが望ましい。
熱膨張性黒鉛の配合量は、ゴム材料100重量部に対して、好ましくは0.5〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部である。0.5重量部未満であると、耐ガス透過性の改善効果が小さくなる傾向にあり、他方、30重量部を超えると、圧縮永久歪が大きくなる傾向にある。
また、本発明のゴム成形物には、ゴム工業で一般的に使用されている配合剤を必要に応じて適宜添加することができる。具体的には、架橋剤、老化防止剤、充填剤、可塑剤、架橋助剤、金属酸化物、加工助剤、プロセス油等が例示される。
架橋剤としては有機過酸化物が好適に使用され、例えば、ジ第3ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)へキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)へキシン−3、1,3−ジ(第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)へキサン、第3ブチルパーオキシベンゾエート、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n−ブチル−4,4−ジ(第3ブチルパーオキシ)バレレートが例示される。ゴム材料としてFKMを用いた場合は、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールAF、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ヒドロキシレゾルシン、2−t−ブチルヒドロキノン等のポリヒドロキシ芳香族化合物、含フッ素ポリヒドロキシ芳香族化合物等のポリオール架橋剤、アミン架橋剤も用いられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
老化防止剤としては、例えば、アミン系、フェノール系、イミダゾール系等が例示され、充填剤としては、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、グラファイト、珪酸カルシウムが例示される。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル等のフタル酸系可塑剤、ジオクチルアジペート等のアジピン酸系可塑剤、セバシン酸ジオクチル等のセバシン酸系可塑剤、トリ−(2−エチルへキシル)トリメリテート等のトリメリット酸系可塑剤、ポリエーテルやポリエステル等の重合型可塑剤が例示され、架橋助剤としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルトリメリテート、1,2−ポリブタジエンなどの多官能性化合物が例示される。更に、金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウムが例示され、加工助剤としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、パラフィンワックスが例示され、プロセス油としては、例えば、アロマティック系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイルが例示される。なお、各種配合剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設定することが可能であるが、例えば、架橋剤の場合、HNBR100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは1.5〜5重量部である。
本発明の製造方法においては、先ず、上記したゴム材料と、熱膨張性黒鉛とを熱膨張性黒鉛の膨張温度以上で混練する(第1の混練工程)。これにより、ゴム材料との混練時に熱膨張性黒鉛がせん断力を受けながら膨張し黒鉛片がゴム材料中で微分散されるため、耐圧縮永久歪特性を維持しつつ耐ガス透過性を大幅に改善させることが可能になる。本発明者らの知見によれば、第1の混練工程を膨張温度以上で行えば、耐ガス透過性は良好になるが、膨張温度よりも低い温度で混練を行うと、熱膨張性黒鉛の膨張度合いが小さく、耐ガス透過性が不十分となるだけなく、加硫時の加熱により膨張するため発泡等が起こり成形不良となる可能性が高まる。なお、混練温度の上限は、ゴム材料の耐熱性を考慮し250℃とすることが望ましい。
また、本発明においては、前述の第1の混練工程前に、ゴム材料と、熱膨張性黒鉛とを熱膨張性黒鉛の膨張温度よりも低い温度で予め混練してもよい(予備混練工程)。これにより、前述の第1の混練工程における熱膨張性黒鉛の分散性を更に改善することが可能になる。
また、ゴム成形物が架橋剤を少なくとも含む添加剤を含有する場合には、添加剤を第1の混練工程で得られた混練物に添加し混練することが望ましい(第2の混練工程)。その場合、スコーチを防止するために、100℃以下の混練温度とすることが望ましい。なお、架橋剤を除く添加剤を添加する場合は、熱膨張性黒鉛の膨張処理前又は処理後に行うことができる。
混練方法は特に制限はないが、例えば、オープンロール、インターミックス、ニーダー、バンバリーミキサなどの混練機あるいは二軸混練押出機などを用いて行うことができる。
加硫成形は、ゴム組成物を、射出成形機、圧縮成形機、加熱プレス機などを用いて約150〜200℃で約3〜60分間程度加熱するのが好ましく、必要に応じて二次加硫を100〜200℃で1〜24時間行なってもよい。これにより、所望の形状のゴム成形物、例えば、シール部材を得ることができる。
得られたゴム成形物は、JIS K 6262に準拠して測定した圧縮永久歪(150℃×72時間)において変動が少なく、しかもASTMD 1434 M法に準拠したガス透過性試験においてHFC134aの透過が十分に抑制されている。
したがって、本発明のゴム成形物を、O−リング、パッキン、ガスケットなどのシール部材だけなく、燃料油用のホース類、更には冷媒としてHFCを用いるエアコンディショナ又は冷凍機のコンプレッサにおけるシール部材やホース類として好適に使用することが可能である。なお、「HFC」とは、例えば、HFC134a(ハイドロフルオロカーボン、CH2FCF3)、HFC32(CH22)、HFC125(CHF2CF3)、HFC143a(C233)等のハイドロフルオロカーボンやこれらの混合物、CFC12(CCl22)等の各種フロン系物質を意味する。なお、シール部材の大きさは特に限定されず、使用目的に応じて適宜設定される。
以下、本発明の実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例等で使用した材料は以下のとおりである。
・HNBR:水素添加アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(結合AN量36重量%、ヨウ素価4)
・熱膨張性黒鉛:熱膨張開始温度130〜150℃、膨張容積100〜150mL/g
・鱗状黒鉛:平均粒径5μm
・有機化層状粘土鉱物:ジメチルベンジルステアリルアンモニウム処理クレー(粒径0.5μm以下)
・老化防止剤:4,4’−ジ(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン
・カーボンブラック:FEFカーボン
・可塑剤:セバシン酸ジオクチル(DOS)
・架橋剤:1,3−ジ(第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン
・架橋助剤:N,N’−m−フェニレンビスマレイミド
・金属酸化物:酸化亜鉛
(実施例1〜3及び比較例1〜4)
下記表1に示す配合材料をオープンロールにてA〜Dの条件で混練しゴム組成物を調製した。そして、ゴム組成物をプレス成形装置にて165℃で10分間プレス加硫した後、更に150℃で4時間二次加硫してゴム成形物を得た。なお、表1に記載の各成分の配合量は、重量部である。
Figure 0005248807
(混練条件)
A:HNBR及び熱膨張性黒鉛をロール表面温度60℃以下で約5分間混練し、次いでロール表面温度200℃で10分間混練し、次いで表1に記載の他の配合材料をロール表面温度60℃以下で添加し混練した。
B:HNBR及び熱膨張性黒鉛をロール表面温度60℃以下で約5分間混練し、次いでロール表面温度150℃で10分間混練し、次いで表1に記載の他の配合材料をロール表面温度60℃以下で添加し混練した。
C:HNBR及び熱膨張性黒鉛をロール表面温度60℃以下で約5分間混練し、次いで表1に記載の他の配合材料をロール表面温度60℃以下で添加し混練した。
D:全ての配合材料をロール表面温度60℃以下で約20分間混練した。
実施例1〜3及び比較例1〜4で得られたゴム成形物をサンプルとして、下記の(1)〜(2)の評価試験を行い、それらの試験結果に基づいて総合評価した。その結果を表2に示す。
(1)圧縮永久歪
JIS K 6262に準拠して、150℃で72時間の条件にて圧縮永久歪を測定し、下記の基準にて評価した。
○:圧縮永久歪が比較例1に対して110%未満である。
△:圧縮永久歪が比較例1に対して110%以上130%未満である。
×:圧縮永久歪が比較例1に対して130%以上である。
(2)ガス透過性
ASTM D 1434 M法に準拠してHFC134aガスの透過係数を測定し、下記の基準にて評価した。
○:ガス透過係数が比較例1に対して20%未満である。
△:ガス透過係数が比較例1に対して20%以上70%未満である。
×:ガス透過係数が比較例1に対して70%以上である。
(3)総合評価
◎:好適(圧縮永久歪とガス透過性が、いずれも○であるもの)
○:適(圧縮永久歪とガス透過性のいずれか、若しくは双方が△であるもの)
×:不適(圧縮永久歪若しくはガス透過性が×であるもの、又は測定不可であるもの)
Figure 0005248807
表2の結果から明らかなように、実施例のゴム組成物を用いたゴム成形物は、高温での耐圧縮永久歪特性の低下が少なく、HFCの透過が十分に抑制されていることから、本実施例のゴム成形物の製造方法は耐圧縮永久歪特性を維持しつつ、耐ガス透過性を大幅に改善させ得ることが確認された。

Claims (9)

  1. ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム及びエチレンプロピレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム材料と、熱膨張性黒鉛とを混練し、次いで加硫成形するゴム成形物の製造方法であって、
    ゴム材料と、熱膨張性黒鉛とを熱膨張性黒鉛の膨張温度以上で混練する第1の混練工程を備える、ゴム成形物の製造方法(ブチル系ゴムを含むゴム成形物の製造方法を除く)
  2. ゴム材料が、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム及びシリコーンゴムから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の製造方法。
  3. ゴム材料が、水素化ニトリルゴム及びフッ素ゴムから選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の製造方法。
  4. 第1の混練工程後、第1の混練工程で得られた混練物に架橋剤を少なくとも含む添加剤を添加し100℃以下の温度で混練する第2の混練工程を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 第1の混練工程前に、ゴム材料と、熱膨張性黒鉛とを熱膨張性黒鉛の膨張温度よりも低い温度で混練する予備混練工程を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. ゴム成形物が、冷媒としてHFCを用いるエアコンディショナ又は冷凍機のコンプレッサにおけるシール部材である請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 第1の混練工程前に、ゴム材料と、熱膨張性黒鉛とを熱膨張性黒鉛の膨張温度よりも低い温度で混練する予備混練工程を備え、
    第1の混練工程後、第1の混練工程で得られた混練物に架橋剤を少なくとも含む添加剤を添加し100℃以下の温度で混練する第2の混練工程を備え、
    ゴム成形物が、冷媒としてHFCを用いるエアコンディショナ又は冷凍機のコンプレッサにおけるシール部材である請求項1に記載の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法により得られる、シール部材。
  9. 請求項6又は7記載の製造方法により得られる、冷媒としてHFCを用いるエアコンディショナ又は冷凍機のコンプレッサにおけるシール部材
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