JP5237917B2 - ZnO系化合物半導体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ZnO系化合物半導体の製造方法に関する。
ZnO系化合物半導体を製造する方法としては、たとえば、超高真空雰囲気中で、13.56MHzの高周波を用い無電極放電管内でラジカル化された酸素ラジカルビームと、Kセルからの亜鉛ビームとを、成長温度まで昇温されている基板に同時照射し、基板上でZnOの成長を行わせる分子線エピタキシ(molecular beam epitaxy; MBE)法がある。
例えば、特許文献1は、MBE法にて、N−doped MgZn1−xO(0≦x≦0.5)結晶を成長することを開示している。特許文献1では、例えば、Zn(7N)を固体ソースに用いた亜鉛ビーム、Mg(6N)を固体ソースに用いたマグネシウムビーム、酸素ガス(6N)に高周波を用いて無電極放電管内でプラズマ化して得られる酸素ラジカルビーム、窒素ガスに高周波を用いて無電極放電管内でプラズマ化して得られる窒素ラジカルビームのそれぞれを、同時に+c面基板に供給して所望のN−doped MgZn1−xO層を成長している。
また非特許文献1及び非特許文献2には、MBE法において、p型ZnO膜を作製する際に、酸素ガス及び窒素ガスを混合して一つの無電極放電管内にて同時にプラズマ化した酸素−窒素混合ラジカルビームを酸素源兼p型ドーパント源として用いることにより、窒素が結晶中に窒素分子として取り込まれるのを防ぐのに大きな効果があることが開示されている。またその際N/O比が1以下においてp型伝導性を示すことが示されている。
特開2005−197410号公報
Appl. Phys. Lett. 90 (2007) 042113 J. Crystal Growth 301-302 (2007) 326
従来のMBE方法におけるNラジカル源中には、N原子ラジカル及び中性N分子の他に、活性なN分子種(イオン、ラジカル等)を含んでおり、従来方法で成長されたN−doped MgZn1−xO結晶中に取り込まれる窒素(N)の何割かは、窒素分子(N)として結晶中に取りこまれてしまう。
酸素サイトを置換したN原子はアクセプタとして働くが、N分子として取り込まれた場合、MgZn1−xO結晶中ではダブルドナーとして振舞う為、Nアクセプタを補償してしまい、低抵抗なp型伝導性を示さない。
また、MBE方法におけるNラジカル源のRFパワーを上げることにより、プラズマ中の活性N分子種を低減させ、N原子ラジカルを増加させることは可能であるが、RFパワーを上げてプラズマ密度を上げると、放電管材料のスパッタが起きる。
例えば、放電管材料が石英(SiO)ならシリコン(Si)が、熱分解窒化ホウ素(PBN:Pyrolytic Boron Nitride)ならボロン(B)が成長膜中に取り込まれ、これらの不純物はドナーとして働く為、p型キャリアを補償してしまう。また、これらスパッタされた粒子は、結晶成長表面において、Znなど構成元素の表面マイグレーションを阻害し、ピット形成の原因となり得る。
活性なN分子種(イオン、ラジカル等)は、結晶成長表面においてZnなど構成元素の表面マイグレーションを阻害しピット形成の原因となり得る。またN分子として取りまれドナーとして働くため、Nアクセプタを補償してしまう。
非特許文献1及び2において、酸素ガスと窒素ガスの混合プラズマを用いることにより、従来方法よりNドナーの発生を抑える方法が提案されているが、上記の非特許文献に記述されている方法で得られるN−doped MgZn1−xO(0≦x≦0.5)層は、窒素ラジカルと酸素ラジカルを生じさせるRFパワーなどが独立に制御出来ないため、取りえる成長条件の範囲が狭い。その為、このN−doped MgZn1−xO(0≦x≦0.5)層をp層として用いる発光デバイスは、成長条件の最適値(VI/II比)がとれない。
また結晶成長に必要なOラジカルを十分に取り出すようなプラズマ密度にした場合には、放電管材料からスパッタされた粒子によるコンタミネーションにより膜特性の悪化という問題があることが、本発明者らが検証した結果明らかとなってきた。そのデバイス特性において電流−電圧特性はショットキーライクな特性となってしまい、EL強度も暗い。
本発明の目的は、安定したp型ZnO系半導体結晶を得ることが可能なZnO系化合物半導体結晶の成長方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、ZnO系化合物半導体の製造方法は、単結晶表面を有する基板を準備する工程と、亜鉛ビームと、酸素を含むガスをラジカル化した酸素ラジカルビームと、NガスとOガスとを混合したガスをラジカル化した窒素ラジカルビームとを、前記基板上に同時に照射して、窒素添加p型ZnO系化合物半導体を結晶成長する工程とを有し、前記NガスとOガスとを混合したガスの混合比O/Nが、0より大きく1以下である。
本発明によれば、安定したp型ZnO系半導体結晶を得ることが可能なZnO系化合物半導体の製造方法を提供することができる。
ZnO系化合物半導体の製造装置の概略図である。 N添加ZnO膜中のN濃度の酸素流量依存性を示すグラフである。 +O混合ガスプラズマ中のOESスペクトルを示すグラフである。 +O混合ガスプラズマ中OES強度のO添加流量依存性を示すグラフである。 ガスのみをN源として用いて成長させた場合のNドープZnO膜のN及びB又はSiのSIMSデプスプロファイルである。 ガスにOガスを添加してN源として用いて成長させた場合のNドープZnO膜のN及びB又はSiのSIMSデプスプロファイルである。 本発明の実施例による半導体発光素子の素子構造を表す概略断面図である。 実施例によるSHデバイスの原子間力顕微鏡(AFM)による表面モフォロジー写真と、電流電圧(I−V)特性を示すグラフである。 比較例1によるSHデバイスの原子間力顕微鏡(AFM)による表面モフォロジー写真と、電流電圧(I−V)特性を示すグラフである。 比較例2によるSHデバイスの原子間力顕微鏡(AFM)による表面モフォロジー写真と、電流電圧(I−V)特性を示すグラフである。 実施例及び比較例1、2によるSHデバイスの室温におけるELスペクトルを表すグラフである。 本発明の実施例の変形例による半導体発光素子の素子構造を表す概略断面図である。
図1は、ZnO系化合物半導体の製造装置の概略図である。
ZnO系化合物半導体を製造する方法としては、たとえば、超高真空雰囲気中で、13.56MHzの高周波を用い無電極放電管内でラジカル化された酸素ラジカルビームと、クヌーセンセル(Kセル)からの亜鉛ビームとを、成長温度まで昇温されている基板に同時照射し、基板上でZnOの成長を行わせる分子線エピタキシ(molecular beam epitaxy; MBE)法がある。
超高真空容器11内に、基板加熱ヒータ16が配置され、基板17が、基板加熱ヒータ16に保持される。なお、本実施例では、基板17としてZn面ZnO(0001)基板を用いる。
超高真空容器11が、亜鉛(Zn)ソースガン14、酸素(O)ラジカルソースガン15、マグネシウム(Mg)ソースガン18、窒素(N)ラジカルソースガン19、及び、ガリウム(Ga)ソースガン20を備える。亜鉛ソースガン14、マグネシウムソースガン18、及びガリウムソースガン20は、それぞれ、Zn、Mg、及びGaの固体ソースを収容するクヌーセンセル(Kセル)を含み、それぞれ、亜鉛ビーム、マグネシウムビーム、及びガリウムビームを出射する。Zn源及びMg源としては、それぞれ固体Zn(7N)ソース、固体Mg(6N)ソースを用いる。なお、必要に応じてZnO系化合物半導体の製造装置に、適宜Cdソースガン、Beソースガン、Caソースガン、Sソースガン、Seソースガン、Teソースガン等を追加する。
基板17上に、所望のタイミングで所望のビームを供給することにより、所望の組成のZnO系化合物半導体層を成長させることができる。
酸素ラジカルソースガン15は、高周波(例えば13.56MHz)を用いる無電極放電管を含む。放電管材料としては、例えば、高純度石英又はPBNを使用する。酸素ラジカルソースガン15は、O用マスフローコントローラ(MFC)21を介して供給されるO(6N)ガスを無電極放電官内でラジカル化して、酸素ラジカルビームを出射する。O用MFC21は、O(6N)ガスの流量を制御する。
窒素ラジカルソースガン19は、高周波(例えば13.56MHz)を用いる無電極放電管を含む。放電管材料としては、例えば、高純度石英又はPBNを使用する。窒素ラジカルソースガン19は、N用マスフローコントローラ(MFC)22を介して供給されるN(6N)ガス及びO用マスフローコントローラ(MFC)23を介して供給されるO(6N)ガスを混合して、無電極放電官内でラジカル化して、窒素ラジカルビームを出射する。N用MFC22及びO用MFC23は、それぞれNガス又はOガスの流量を制御する。
なお、MFC21〜23は、供給するガス量をそれぞれ他のMFCとは別個独立に制御可能である。
超高真空容器11にはまた、反射高速電子線回折(RHEED)用のガン12、及び、RHEEDの回折像を映すスクリーン13が取り付けられている。RHEEDの回折像から、基板17上に形成されたZnO系化合物半導体層の結晶性を評価できる。ZnO系化合物半導体層が、平坦な表面を有する(2次元成長した)単結晶である場合は、RHEED回折像がストリークパタンを示し、平坦でない表面を有する(3次元成長した)単結晶である場合は、RHEED回折像がスポットパタンを示す。なお、ZnO系化合物半導体層が、多結晶である場合は、RHEED回折像がリングパタンを示す。
ZnO系化合物半導体素子において、本実施例による窒素添加ZnO膜を成長させる際には、ラジカル化された酸素ラジカルビームと、N2ガスとO2ガスの混合ガスをラジカル化した窒素ラジカルビームと、Kセルからの亜鉛ビームとを成長温度まで昇温されている基板1に同時照射する。
また、本実施例による窒素添加p型MgZnO膜(図7のp型MgZnO膜5)を成長させる際には、ラジカル化された酸素ラジカルビームと、N2ガスとO2ガスの混合ガスをラジカル化した窒素ラジカルビームと、Kセルからの亜鉛ビーム及びマグネシウムビームとを成長温度まで昇温されている基板1に同時照射する。
ZnO系化合物半導体素子において、n型層を成長させる際には、ラジカル化された酸素ラジカルビームと、Kセルからの亜鉛ビーム及び、n型不純物となるガリウムビームとを成長温度まで昇温されている基板1に同時照射する。
図2は、N添加ZnO膜中のN濃度の酸素流量依存性を示すグラフである。このN添加ZnO膜は、ZnフラックスをFZn=0.3nm/s、O源としてRFパワー300Wで、O流量2sccm、N源としてRFパワー120Wで、N流量1sccmにOを0〜1.5sccm添加して、Zn面ZnO(0001)基板上に成長温度800℃で成長させたものである。
N源にOを添加しない場合(N源に添加するOを0sccmとした場合で従来技術に相当)のN濃度(2×1020cm−3)に比べ、0.1sccmのOを添加しただけで、N濃度が1.5倍の3×1020cm−3となることが分かる。
また添加するO流量がN流量より十分に少ない時には、O添加が無い時(添加Oが0sccm)より、高いN濃度が得られるものの、例えば、N源への添加O流量が1.5sccmの時、N濃度は1.2×1020cm−3となった。なお、O流量が概ね0.7sccm程度以上になると、O無添加時より低いN濃度となると判断される。
これらの原因を明らかにするため、N源としてNガス(1sccm)にOガス(0〜3sccm)を添加した時のプラズマ中のOES(Optical Emission Spectroscopy)測定を実施した。
図3は、N+O混合ガスプラズマ中のOESスペクトルを示すグラフである。なお、縦軸はOES強度を表し、横軸は発光線の波長を表す。
図4は、N+O混合ガスプラズマ中OES強度のO添加流量依存性を示すグラフである。図4は、N分子励起種からの発光線(337nm,660nm)強度と原子状窒素からの発光線(745nm,869nm)強度のO添加流量依存性を示している。ここで337nm及び660nmは、N分子状態の遷移に起因する発光である第2正帯(CΠ→BΠ状態)と第1正帯(BΠ→AΣ 状態)であり、745nm及び869nmは窒素原子の発光である。なお、縦軸はOES強度を表し、横軸はO流量を表す。
図4に示すように、N分子励起種からの発光線(337nm,660nm)は、添加O流量が増加するに従い、発光強度が弱くなり、N分子励起種が減少していると考えられる。一方、原子状窒素からの発光線(745nm,869nm)は、一旦発光強度が増加した後、減少していることが明らかとなった。このことから、少なくともO/Nガス混合比(O/N)が1程度以下である場合においては、原子状窒素(Nラジカル)が、Oガス未添加の場合に比べ増加していると考えられる。
原子状窒素は活性であり、ZnO膜中へのドープに寄与し、Oサイトに置換したNはアクセプタとして働く。ここでN分子励起種のCΠ状態、BΠ状態の寿命はそれぞれ40nsec及び1.3μsecと非常に短く、基板に照射される前にAΣ 状態に遷移してしまうと考えられる。なお、AΣ 状態の寿命は2秒程度と長く、基板に到達することが出来る。したがって窒素分子の準安定状態(AΣ )のものも、ドーパントとして寄与することが出来る。しかしながらNという形でドープされるとドナーとして働き、アクセプタを補償してしまう。
これらの結果から、効率良くNアクセプタを添加するO/Nガス比としては1以下が良く、好ましくは0<O/Nガス比≦0.5の範囲が良いと考えられる。
次に、Zn面ZnO(0001)基板上に、成長温度800℃で、ZnフラックスをFZn=0.3nm/s、O源として、O流量2sccm、RFパワー300Wを一定として、N源として、Nガスのみの場合とNガスにOガスを添加して成長したNドープZnO膜のSIMS分析を行った。
ガスのみをN源として用いた場合の分析結果を図5に示す。また、NガスにOガスを添加してN源として用いた場合の分析結果を図6に示す。ここでN源には、高周波を用いて無電極放電管内でプラズマを発生させ、得られた窒素ラジカルビームを取り出し用いている。この放電管の材料としては、通常PBN、石英、アルミナなどが用いられる。
図5(A)は、放電管としてPBNを用い、N流量0.5sccm、RFパワー200Wで成長させたNドープZnO膜のN及びボロン(B)のSIMSデプスプロファイルである。ZnO膜中のN濃度は2×1020cm−3程度得られているものの、Bも2×1017cm−3程度混入していることがわかる。
図5(B)は、放電管として石英を用い、N流量1.0sccm、RFパワー200Wで成長させたNドープZnO膜のN及びSiのSIMSデプスプロファイルである。ZnO膜中のN濃度は3×1020cm−3程度得られているものの、Siも2×1019cm−3程度混入していることがわかる。
BはIII族元素で、SiはIV族元素であり、Znサイトを置換しドナーとして働くため、Nアクセプタを補償してしまう。このようにNラジカル量を増加させるためRFパワーを高くした場合、高密度プラズマにより放電管材料がスパッタされ、Nラジカルと共に基板上へ照射されたため、B又はSiの混入が生じたと考えられる。
したがって、RFパワーを下げることにより、BやSiの混入を抑えることが出来ると考えられるが、RFパワーを下げると、ZnO膜中N濃度が減少してしまい、十分なNの添加量を得ることが出来なくなってしまう。特に800℃以上の高温での+c面成長では、N取込み量の減少は顕著となってくる。また、−c面成長においては、Nの付着係数の差から、より低温である400℃以上から顕著になってくる。
図6(A)は、放電管としてPBNを用い、N流量0.5sccmにO流量0.05sccmを添加し、RFパワー80Wで成長させたNドープZnO膜のN及びBのSIMSデプスプロファイルである。ZnO膜中のN濃度は1.5×1020cm−3程度得られた。放電管はPBNで形成されているが、Bは検出下限以下であり、混入していないことがわかる。
図6(B)は、放電管として石英を用い、N流量1.0sccmにO流量0.2sccmを添加し、RFパワー90Wで成長させたNドープZnO膜のN及びSiのSIMSデプスプロファイルである。ZnO膜中のN濃度は2.5×1020cm−3程度が得られた。放電管はSiOで形成されているが、Siは検出下限以下であり、混入していないことがわかる。
このように本実施例の成長方法によれば、RFパワーを下げても十分なN取込み量が得られ、かつ放電管からのBやSi等によるコンタミネーションをなくすことが可能となった。Nが十分量ドープされ、BもSiも実質的に混入していないp型ZnO膜が得られる。
次に、本発明者らは、NドープMgZnO膜をp層として、第1の実施例によるSH(シングルヘテロ)構造半導体発光素子を作製し、その特性を別に作製した比較例1及び2による半導体発光素子の特性と比較を行なった。
図7は、本発明の実施例による半導体発光素子の素子構造を表す概略断面図である。以下、図7を参照して、本発明の実施例による半導体発光素子(ZnO系LED)の製造方法を説明する。
まず、洗浄されたZn面ZnO(0001)基板1上に、成長温度350℃(Znビーム:0.1nm/s、O流量2sccm/RFパワー300W)でZnOバッファー層2を30nm成長した。その後、900℃でアニールを行い、結晶性及び表面平坦性の改善を行なった。
次に、バッファー層2上に成長温度900℃(Znビーム:0.3nm/s、O流量1sccm/RFパワー250W)でn型ZnO層3を150nm成長した。
次に、Nドープによるp型MgZnO膜5を成長温度700℃(Znビーム:0.1nm/s、Mgビーム量:0.02nm/s、O流量:2sccm/RFパワー:300W、N流量:1sccmにO流量:0.2sccmを添加/RFパワー:90W)で100nm成長を行い、pn接合を形成した。この際NドープMgZnO中のN濃度は2.7×1020cm−3、Mg組成は0.2であった。
上記の層形成(成膜)工程に続いて、電極を作製した。基板1の表面にn型電極(例えば厚さ10nmのチタン層上に、500nmのアルミニウム層)8を形成し、p型半導体層5表面にp型透光性電極(例えば厚さ1nmのニッケル層と、その表面上に形成される厚さ10nmの金層)6及び、p型透光性電極6上にボンディング用パッド電極(例えば厚さ500nmの金層)7を作製した。電極を形成する工程は、例えばレジスト膜などを用いたリソグラフィ技術が用いられる。この後、300℃の大気中で、1分間、電極合金化処理を行った。
次に、比較例1による半導体発光素子を作製した。実施例と比較例1とは、p型MgZnO膜のみが異なる。まず、実施例同様に基板上にバッファー層及びn型ZnO層を形成した。その後、Nドープによるp型MgZnO膜を成長温度700℃(Znビーム:0.1nm/s、Mgビーム量:0.02nm/s、O流量:2sccm/RFパワー:300W、N流量:1sccm/RFパワー:90W)で100nm成長を行い、pn接合を形成した。この際NドープMgZnO中のN濃度は1.8×1020cm−3、Mg組成は0.2であった。比較例1では、酸素ラジカルビームと窒素ラジカルビームを別個に基板に照射しているが、NとOの混合ガスを用いた窒素ラジカルビームは照射していない。
さらに、比較例2による半導体発光素子を作製した。実施例と比較例2とは、p型MgZnO膜のみが異なる。まず、実施例同様に基板上にバッファー層及びn型ZnO層を形成した。その後、Nドープによるp型MgZnO膜を成長温度700℃(Znビーム:0.1nm/s、Mgビーム量:0.02nm/s、O流量:1sccmにN流量:0.05sccmを添加/RFパワー:300W)で100nm成長を行い、pn接合を形成した。この際NドープMgZnO中のN濃度は2.0×1020cm−3、Mg組成は0.2であった。比較例2では、NとOの混合ガスを用いた窒素ラジカルビームを基板に照射しているが、酸素ラジカルビームと窒素ラジカルビームとを別個には照射していない。
図8は、本実施例によるSHデバイス(半導体発光素子)の原子間力顕微鏡(AFM)による表面モフォロジーとI−V特性である。図8(A)は、実施例によるSHデバイスのAFMによる15μm四方の写真であり、図8(B)は実施例によるSHデバイスのAFMによる1μm四方の写真である。図8(C)は、実施例によるSHデバイスの電流電圧特性を表すグラフである。
NドープMgZnO層5(図7)表面には、数十nm程度のピットは観測されず、平坦性の高いきれいな表面が得られた。ピット密度は1×10cm−2以下と見積もられる。
また、SHデバイスのI−V特性は、順方向電圧3.8V程度で立ち上がり、良好なI−V特性が得られた。これは照射Nビーム中のN励起分子種やスパッタ分子の低減及びN原子ラジカル量の増加により、膜中へのNドナー形成やコンタミネーション不純物によるアクセプタ補償がなくなり、Znサイトを置換したNが有効にアクセプタとして働くようになったためと考えられる。p型MgZnO層5(図7)中のN濃度は、少なくとも1×1019cm−3以上必要で、望ましくは5×1019〜3×1020cm−3である。
図9は、比較例1によるSHデバイス(半導体発光素子)の原子間力顕微鏡(AFM)による表面モフォロジーとI−V特性である。図9(A)は、比較例1によるSHデバイスのAFMによる15μm四方の写真であり、図9(B)は比較例1によるSHデバイスのAFMによる1μm四方の写真である。図9(C)は、比較例1によるSHデバイスの電流電圧特性を表すグラフである。
NドープMgZnO層表面には、径50〜70nm程度のピットが存在し、ピット密度は3×10cm−2程度見られる。また、SHデバイスのI−V特性は、高抵抗で電流が流せない結果となった。これはN励起分子種等による成長阻害によるピット形成やN分子として取り込まれることによりドナーとして働くためアクセプタを補償されNドープMgZnO層が高抵抗膜になったためと考えられる。
図10は、比較例2によるSHデバイス(半導体発光素子)の原子間力顕微鏡(AFM)による表面モフォロジーとI−V特性である。図10(A)は、比較例2によるSHデバイスのAFMによる15μm四方の写真であり、図10(B)は比較例2によるSHデバイスのAFMによる1μm四方の写真である。図10(C)は、比較例2によるSHデバイスの電流電圧特性を表すグラフである。
NドープMgZnO層表面には、径20〜80nm程度のピットが存在し、ピット密度は6×10cm−2程度観測される。また、デバイスのI−V特性は、順方向電圧が2V以下で立ち上がり、ショットキーライクな特性を示している。これはSiの混入による成長阻害による多数のピット形成によるリークや、膜中に取り込まれたSiがドナーとして働くためアクセプタを補償されたためと考えられる。
図11は、実施例及び比較例1、2によるSHデバイスの室温におけるELスペクトルを表すグラフである。実施例及び比較例2は、電圧20mAの時のELスペクトルである。比較例1は、電流を十分に流すことができない(素子が破壊される)ため、電流2mAの時のELスペクトルである。
比較例1及び2のSHデバイスに比べ、実施例のSHデバイスは、384nm(ZnOからの発光)の発光強度が格段に増加し、再結合発光が効率的に行われていると考えられる。
図11に示すELスペクトルからも明らかなように、本発明の実施例によれば、p型ZnO系半導体層5の結晶性の向上及び電気的特性の改善により、リーク電流の低減及びホール(正孔)注入量の増加により、発光素子の特性が向上する。
以上、本発明の実施例によれば、窒素(N)源として、NガスにOガスを添加したプラズマを用いることにより、RFパワーを上げることなくN原子ラジカルの増加及び活性N分子種が減少する。
また、ZnO系半導体膜中へのN分子の形成が抑制されるとともに、SiやBなどの不純物の混入を抑制することができる。その結果として、安定したp型ZnO系半導体結晶が得られ、デバイス特性が向上する。
上述の実施例では、SH構造によるデバイスを例として示したが、DH構造あるいは活性層にSQWやMQWを備えたデバイス構造とすることもできる。
例えば、図12に示すように、DH構造の半導体発光素子に本発明の実施例を適用することもできる。この場合、まず、図6を参照して説明した実施例による半導体発光素子と同様に、基板1上にバッファー層2を形成する。その後、バッファー層2の表面上に、n型半導体(MgZnO)層3を形成し、n型半導体層3の表面上に、undoped ZnO活性層4を形成する。続いて、Nドープによるp型MgZnO膜5を実施例と同様の手法で形成する。その後、n型電極8、p型透光性電極6、ボンディング用パッド電極7を作製して、電極合金化処理を行うことにより、DH構造の半導体発光素子を作製することができる。なお、DH構造の場合、活性層4として、アンドープの、または適当な伝導性をもたせたZnO層、CdZnO層、ZnOS層、ZnOSe層またはZnOTe層を用いることができる。
また、図12の活性層4をQW構造とする場合、活性層4は、たとえば薄膜のMgZnO/ZnO(またはCdZnOまたはZnOSまたはZnOSeまたはZnOTe)/MgZnOの積層構造を有する。この場合、ZnO層等がウェルを構成し、MgZnO層がバリアを構成する。
なお、上述の実施例では、基板1としてZnO基板を用いたが、サファイア、GaN、SiC、MgZnO、Ga等を基板1として用いることができる。
また、本発明の実施例は、短波長(紫外線〜青色の波長)発光ダイオード(light emitting diode;LED)或いは、短波長レーザーダイオード(Laser diode;LD)及び、その応用製品、例えば、各インジケータやLEDディスプレイなどに適用可能である。
また、白色LED及び、その応用製品、例えば、照明器具、各インジケータ、ディスプレイ、各表示器のバックライトなどにも適用可能である。また、ZnO系電極(例えば透明導電膜)、及びその応用製品、ZnO系トランジスタなど種々の電子デバイス及びその応用製品、ZnO系センサ(例えば湿度センサ、紫外線センサなど)及びその応用製品にも適用可能である。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
1 ZnO基板
2 バッファー層
3 n型半導体層
4 活性層
5 p型半導体層
6 p型透光性電極
7 ボンディング用パッド電極
8 n型電極
11 超高真空容器
12 反射高速電子線回折(RHEED)用ガン
13 反射高速電子線回折(RHEED)用スクリーン
14 亜鉛(Zn)ソースガン
15 酸素(O)ラジカルソースガン
16 基板加熱ヒータ
17 基板
18 マグネシウム(Mg)ソースガン
19 窒素(N)ラジカルソースガン
20 ガリウム(Ga)ソースガン
21、23 O用マスフローコントローラ(MFC)
22 N用マスフローコントローラ(MFC)

Claims (2)

  1. 単結晶表面を有する基板を準備する工程と、
    亜鉛ビームと、酸素を含むガスをラジカル化した酸素ラジカルビームと、NガスとOガスとを混合したガスをラジカル化した窒素ラジカルビームとを、前記基板上に同時に照射して、窒素添加p型ZnO系化合物半導体を結晶成長する工程とを有し、
    前記NガスとOガスとを混合したガスの混合比O/Nが、0より大きく1以下であるZnO系化合物半導体の製造方法。
  2. 前記混合比O/Nが0より大きく0.5以下である請求項1記載のZnO系化合物半導体の製造方法。
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