JP5237680B2 - 単3形アルカリ乾電池および単4形アルカリ乾電池 - Google Patents

単3形アルカリ乾電池および単4形アルカリ乾電池 Download PDF

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Description

本発明は、単3形アルカリ乾電池および単4形アルカリ乾電池に関するものである。
アルカリ乾電池は、マンガン乾電池に比べて、高容量な電池である。しかし、アルカリ乾電池にはさらなる高容量化が求められており、例えば、正極活物質および負極活物質をより高密度に充填する技術、および、電池ケースの外寸法を規格された範囲内に保ちつつ電池ケース内の空間を最大限に利用する技術などが提案されている。
また、アルカリ乾電池は、従来、100mA以下の小電流(以下、「ローレート電流」という)領域において使用されていた。しかし、近年、アルカリ乾電池を用いてデジタルスチルカメラなどを駆動させるという要求が高まっており、500mA以上の大電流(以下、「ハイレート電流」という)領域でのアルカリ乾電池の使用が検討されている。そのため、ハイレート電流領域における放電特性の向上に重点をおいてアルカリ乾電池を設計する場合があり、正極合剤内の空孔率を高めることにより正極内に存在する電解液の量を増加させるなどが検討されている。
例えば、特許文献1には、正極として細孔量が0.14cc/g以上0.24cc/g以下の正極合剤ペレットを用いれば、ハイレート電流領域における放電特性を向上させることができるという技術が開示されている。
また、特許文献2には、亜鉛の密度を負極容積1cm当たり1.4g以上とし二酸化マンガンの密度を正極容積1cm当たり2.7g以上とすることにより、正極および負極の容量をそれぞれ電池の内部容積1cm当たり0.48Ah以上とすることができるという技術が開示されている。
また、特許文献3には、正極活物質と電解液とを共に増量させて電池の放電容量とハイレート電流領域での放電特性とを共に向上させる技術が開示されている。具体的には、正極合剤には、正極活物質および導電剤が含まれているとともに微細な空隙が存在している。この正極合剤が電解液を保持すると正極合剤には微小な亀裂が生じるが、その亀裂が正極合剤の粒子間に優先的に生じるように正極合剤が形成されている。
特開平9−180708号公報 WO94/024709号公報 特開2002−75338号公報
最近では、ポータブルオーディオ・ビデオ(AV;audio video)機器および電子ゲーム機の普及によって、100〜500mA程度(特に250mA前後)のいわゆる中程度の電流(以下、「ミドルレート電流」という)領域においてもアルカリ乾電池を使用するという要求が高まっており、ミドルレート電流領域におけるアルカリ乾電池の放電特性の向上、とりわけ、ミドルレート電流領域において間欠放電を行った場合のアルカリ乾電池の放電特性の向上が要求されている。しかし、上記特許文献1〜3に記載されている技術では、ミドルレート電流領域におけるアルカリ乾電池の放電特性を向上させることは難しい。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ローレート電流領域だけでなくミドルレート電流領域においても優れた放電特性を示す単3形アルカリ乾電池および単4形アルカリ乾電池を提供することにある。
本発明の単3形アルカリ乾電池では、正極には9.30g以上の二酸化マンガンが含まれており、水銀圧入法により正極の細孔分布を測定した場合、径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積が0.0035ml/g以上0.0070ml/g以下である。ここで、本明細書に記載の二酸化マンガンの重量とは純度が100%と仮定した場合の二酸化マンガンの重量であり、実際に使用する二酸化マンガン原料の重量に二酸化マンガンの純度(例えば本明細書の電解二酸化マンガンでは92.2%)を乗じた重量である。
このような単3形アルカリ乾電池では、従来に比べて多くの二酸化マンガンが含まれているので、高容量化を図ることができる。
また、このような単3形アルカリ乾電池の正極では、放電時における電解液の拡散経路を確保することができる。よって、ミドルレート電流領域における単3形アルカリ乾電池の放電特性を向上させることができる。
本発明の単3形アルカリ乾電池では、正極には、二酸化マンガンの重量に対して4.5重量%以上7.0重量%以下の黒鉛が含まれていることが好ましい。これにより、正極において電子の通り道を確保することができる。
本発明の単3形アルカリ乾電池では、20℃の雰囲気下において250mAの電流を1日あたり1時間流す間欠放電を行った場合に、二酸化マンガンの単位重量当たりの放電時間が230mAh/g以上であることが好ましい。
同じく、本発明の単4形アルカリ乾電池では、正極には4.09g以上の二酸化マンガンが含まれており、水銀圧入法により正極の細孔分布を測定した場合、径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積が0.0035ml/g以上0.0070ml/g以下である。
このような単4形アルカリ乾電池では、本発明にかかる単3形アルカリ乾電池と同じく、高容量化を図ることができるとともにミドルレート電流領域における放電特性を向上させることができる。
本発明の単4形アルカリ乾電池では、正極には、二酸化マンガンの重量に対して4.5重量%以上7.0重量%以下の黒鉛が含まれていることが好ましい。
また、本発明の単4形アルカリ乾電池では、20℃の雰囲気下において100mAの電流を1日あたり1時間流す間欠放電を行った場合に、二酸化マンガンの単位重量当たりの放電時間が260mAh/g以上であることが好ましい。
本発明の単3形アルカリ乾電池および単4形アルカリ乾電池では、ローレート電流領域における放電特性だけでなくミドルレート電流領域における放電特性も向上させることができる。
本発明の実施形態を説明する前に、本願発明者らが本発明を完成させるに至った経緯を示す。なお、以下では、単3形アルカリ乾電池または単4形アルカリ乾電池のみに該当する場合には「単3形アルカリ乾電池」または「単4形アルカリ乾電池」と明記し、単3形アルカリ乾電池および単4形アルカリ乾電池の両方に該当する場合には単に「アルカリ乾電池」と記す。
二酸化マンガンの充填量を増加させるとローレート電流領域におけるアルカリ乾電池の放電特性を向上させることができる,ということが知られている。そこで、本願発明者らは、二酸化マンガンの充填量を増加させればローレート電流領域におけるアルカリ乾電池の放電特性のみならずミドルレート電流領域におけるアルカリ乾電池の放電特性も向上させることができるのではないかと考えた。しかし、実際には、二酸化マンガンの充填量を増加させてもミドルレート電流領域におけるアルカリ乾電池の放電特性を十分に向上させることができないということが分かった。この結果に対して、本願発明者らは、以下に示すことを考えた。
アルカリ乾電池の正極では、隙間が二酸化マンガン粒子同士の間、または、二酸化マンガン粒子と導電剤粒子との間に存在しており、アルカリ電解液がその隙間内を通って正極の内部を拡散する。アルカリ電解液の拡散がアルカリ乾電池の放電反応に対して十分速い場合は、正極内に存在するMnOの全てがほぼ均一に以下に示す反応を起こすことができる。
(正極)MnO+H+e → MnOOH
ところで、上記反応式から分かるように、アルカリ乾電池を放電させると正極ではMnOがMnOOHに変化する。このとき、Hが二酸化マンガンの結晶格子内に取り込まれるので、二酸化マンガンの結晶格子が膨張する。すると、二酸化マンガンの粒子が膨張するので、正極内に存在している上記隙間が狭くなり、その結果、アルカリ電解液の拡散速度の低下を招来する。正極においてアルカリ電解液の拡散速度が低下すると、電流値が大きくなれば正極での分極現象(正極電位の低下)が大きく生じる。従って、電流値が小さい場合には(ローレート電流領域)分極が小さいので放電できても、電流値が大きくなると(ミドルレート電流領域)分極が大きくなりよって放電性能を十分に伸ばすことができない。
また、上記の二酸化マンガンの結晶格子の膨張は放電深度に伴って進行し、放電深度が二酸化マンガンの理論容量に対して65%を越える辺りから電解液の拡散が著しく不利になると考えられる。ミドルレート電流領域における放電では、そのような放電深度においても100mAを超える大きな電流を流そうとするため、正極での分極が大きくなり、よって、放電容量を伸ばすことが困難となる。
以上より、ローレート電流領域においては、放電反応を起こすために必要な電解液の拡散速度は比較的遅いので、放電により二酸化マンガンが膨張しても二酸化マンガンを多く充填していればアルカリ乾電池の利用率を100%に近い値にすることができる。一方、ミドルレート電流領域においては、放電により二酸化マンガンが膨張すると、電極反応に必要な電解液の拡散速度を確保することが難しくなるので、分極が増大し、その結果、アルカリ乾電池の放電特性の悪化を招く。
その上、従来に比べて二酸化マンガンの充填量を増加させると、放電前から元々正極中に存在している隙間が少なくなる上に、放電が進むと二酸化マンガンの膨張量が大きくなるので、正極内に存在する隙間の収縮量が大きくなり、正極におけるアルカリ電解液の拡散速度の更なる低下を招来する。よって、従来よりも二酸化マンガンの充填量を増加させたアルカリ乾電池をミドルレート電流領域において使用すると、利用率の更なる低下を招き、結果として、放電時間を伸ばすことは難しい。
以上をふまえ、本願発明者らは、ローレート電流領域における放電特性だけでなくミドルレート電流領域における放電特性も向上させることができる単3形アルカリ乾電池および単4形アルカリ乾電池を発明した。以下では、図面を参照しながら本発明にかかる実施形態を説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。
図1は、本実施形態にかかるアルカリ乾電池の半断面図である。
本実施形態にかかるアルカリ乾電池は、図1に示すように、一端(図1における下端)が封じられた筒状の電池ケース1を備えており、電池ケース1の外周面は外装ラベル8で被覆されている。電池ケース1は正極端子と正極集電体とを兼ねており、電池ケース1には中空円筒状の正極2が内接している。正極2の中空部にはセパレータ4が設けられており、セパレータ4は一端が封じられた筒状に形成されており、セパレータ4の中空部には負極3が設けられている。以上より、電池ケース1では、周縁から中心に向かうに従って、正極2、セパレータ4および負極3の順に配置されている。
電池ケース1の開口(図1における上端)は、組立封口体9により封じられている。組立封口体9は、釘型の負極集電子6と負極端子板7と樹脂封口体5とが一体化されたものであり、負極端子板7は負極集電子6に電気的に接続されており、樹脂封口体5は負極集電子6および負極端子板7に固定されている。
電池ケース1は、例えば、特開昭60−180058号公報または特開平11−144690号公報等に記載の公知の方法を用いて、ニッケルがめっきされた鋼板を所定の寸法および形状にプレス成形して得られる。
正極2には、例えば、電解二酸化マンガンの粉末などの正極活物質、黒鉛粉末などの導電剤およびアルカリ電解液の混合物が含まれている。また適宜、ポリエチレン粉末等の結着剤またはステアリン酸塩等の滑沢剤が正極2に添加されていても差し支えない。なお、正極2ついては、後で詳述する。
負極3としては、例えば、アルカリ電解液にポリアクリル酸ナトリウム等のゲル化剤を添加してゲル状に加工し、そのゲル状物質に亜鉛合金の粉末を分散させたものが用いられる。負極3の耐食性を向上させるためには、インジウムまたはビスマス等の水素過電圧の高い金属化合物を負極3に適宜添加するとよい。また、亜鉛デンドライトの発生を抑制するためには、微量のケイ酸またはその塩などのケイ素化合物を負極3に適宜添加するとよい。
セパレータ4としては、例えば、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄された不織布が用いられる。セパレータ4は、例えば、特開平6−163024号公報または特開2006−32320号公報に記載の公知の方法により得られる。
このような正極2、負極3およびセパレータ4には、アルカリ電解液(不図示)が含まれている。アルカリ電解液には、水酸化カリウムが30〜40重量%含まれており、さらに、酸化亜鉛が1〜3重量%含まれている。
樹脂封口体5には、負極集電子6が圧入される貫通孔と、環状の薄肉部と、外周縁部とが設けられている。環状の薄肉部は、貫通孔の周囲に設けられており、安全弁として機能する。外周縁部は、環状の薄肉部の外周に形成されており、環状の薄肉部に連続して形成されている。このような樹脂封口体5は、例えば、ナイロンまたはポリプロピレンなどを所定の寸法および形状に射出成形して得られる。
負極集電子6は、銅または真鍮等の線材を所定の寸法の釘型にプレス加工して得られる。また、負極集電子6の表面にスズまたはインジウム等のメッキが施されていることが好ましい。
負極端子板7には、電池ケース1の開口を封じる端子部と、周縁鍔部とが設けられている。周縁鍔部は、端子部から延びており、樹脂封口体5に接触している。また、周縁鍔部にはガス孔(不図示)が複数個設けており、これにより、樹脂封口体5の安全弁が作動した際にはアルカリ乾電池の内圧を下げることができる。このような負極端子板7は、例えば、ニッケルがめっきされた鋼板またはスズがめっきされた鋼板などを所定の寸法および形状にプレス成形して得られる。
このようなアルカリ乾電池の製造方法としては、一般に、正極2、負極3およびセパレータ4などを電池ケース1内に収容し、その後、組立封口体9を用いて電池ケース1の開口を蓋する。
次に、本実施形態における正極2を説明する。
本実施形態における正極2は、従来よりも多くの二酸化マンガンを含んでいる。具体的には、単3形アルカリ乾電池1個あたりの二酸化マンガンの充填量は、従来では8.80g程度であるが、本実施形態では9.30g以上である。また、単4形アルカリ乾電池1個あたりの二酸化マンガンの充填量は、従来では4.04g程度であるが、本実施形態では4.09g以上である。これにより、ローレート電流領域におけるアルカリ乾電池の放電特性の向上を図ることができる。
また、本実施形態における正極2は上述のように黒鉛を含んでいる。二酸化マンガンの重量に対して、従来では4.5重量%程度含まれているが、本実施形態では4.5重量%以上7.0重量%以下含まれており、5.0重量%以上6.5重量%以下含まれていればより好ましい。これにより、正極2における電子伝導性を高めることができる。
その上、水銀圧入法により本実施形態における正極2の細孔分布を測定すると、径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積は0.0035ml/g以上0.0070ml/g以下である。このように正極2には特定の範囲の大きさの隙間が従来よりも数多く存在しているので、放電により二酸化マンガンが膨張してもその隙間が塞がることを防止できるとともに比較的多くの隙間を塞ぐことなく残存させることができる。よって、正極2では、放電により二酸化マンガンが膨張しても、アルカリ電解液の拡散経路を確保することができる。従って、本実施形態にかかるアルカリ乾電池では、二酸化マンガンの膨張に起因するアルカリ電解液の拡散速度の低下を抑制できるので、ミドルレート電流領域における放電特性の向上を図ることができる。
ミドルレート電流領域におけるアルカリ乾電池の放電特性の向上を図るためには、正極2には大きな隙間が数多く形成されていることが好ましい。また、隙間が大きければ、困難を伴うことなく正極2に隙間を形成することができるため好ましい。しかし、極端に大きな隙間が非常に数多く正極に形成されていると、正極における二酸化マンガンの充填量が減少するので、アルカリ乾電池の高容量化を図ることが難しくなる。このように、アルカリ乾電池では、ミドルレート電流領域における放電特性の向上を追求すると高容量化を図ることが難しくなり、逆に、高容量化を追求するとミドルレート電流領域における放電特性の向上を図ることが難しくなる。しかし、水銀圧入法により正極2の細孔分布を測定したときに径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積が0.0035ml/g以上0.0070ml/g以下であれば、高容量化を図りつつミドルレート電流領域におけるアルカリ乾電池の放電特性を向上させることができる。
ここで、0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積は、水銀圧入法により得られた正極2の細孔分布データから算出することができる。その算出方法は、例えば、得られた正極2の細孔分布データを用いて径が最大値から0.97μmまでの細孔の容積を積算するとともに径が最大値から10.2μmまでの細孔の容積を積算し、その後、径が最大値から0.97μmまでの細孔容積の積算値から径が最大値から10.2μmまでの細孔容積の積算値を引くというものである。なお、積算細孔容積を算出する際には、乾燥後のペレット形状の正極合剤の重量を基準(分母)とすることが好ましい。
また、水銀圧入法により正極2の細孔分布を測定する方法は、例えば、ペレット形状の正極合剤を電池ケース1から取り出して乾燥させ、その後、ペレット形状の正極合剤を切断してドーナツ形状の正極合剤を得、このドーナツ形状の正極合剤を底面を例えば三等分するように切断し、そのうちの2つを水銀圧入法による細孔分布の測定装置内の測定セルに入れて測定を実施する,というものである。
このような正極2は、以下に示す方法に従って製造されることが好ましい。まず、従来の方法に従って、粉末状の正極合剤を加圧してペレット形状の正極合剤を形成し、ペレット形状の正極合剤を電池ケース1内に入れる。
その後、電池ケース1の外側を金型で固定した状態で、ペレット形状の正極合剤の軸方向から、ペレット形状の正極合剤を加圧する。再加圧時の圧力は、単3形アルカリ乾電池の正極2を作製する際には0.7t以上1.2t以下であることが好ましく、単4形アルカリ乾電池の正極2を作製する際には0.35t以上0.7t以下であることが好ましい。このような圧力をペレット形状の正極合剤に加えると、ペレット形状の正極合剤は一旦ひび割れを起こすが再形成される。これにより、ペレット形状の正極合剤に、従来よりも大きな隙間を従来よりも数多く形成することができ、且つ隙間の個数が多過ぎて活物質などの充填量の低下を伴うこともない。このようにして本実施形態における正極2を製造することができるので、正極2には従来よりも大きな隙間を従来よりも数多く形成することができる。
従来、正極2の製造方法としては、本実施形態のようにペレット形状の正極合剤を再加圧させる方法(例えば特開2000−100394号公報)と、ペレット形状の正極合剤を再加圧させることなく電池ケース内に収容させる方法とがある。後者の方法では、再加圧に起因するヒビをペレット形状の正極合剤に形成できないので、本実施形態における正極2のように大きな隙間を数多く形成することができない。よって、後者の方法に従って製造された正極では、二酸化マンガンが膨張すると、正極内に存在する隙間が潰れてしまうので、ミドルレート電流領域におけるアルカリ乾電池の放電特性の向上を図ることは難しい。
一方、前者の方法では、本実施形態と同じく、ペレット形状の正極合剤には再加圧に起因するヒビを形成することができる。ところが、従来では、電池ケースの内面に正極を強く密着させることを目的として再加圧を実施しており、単3形アルカリ乾電池の正極を製造する際には1.6t程度の圧力をペレット形状の正極合剤に加え、単4形アルカリ乾電池の正極を製造する際には0.85t程度の圧力をペレット形状の正極合剤に加えている。このような高圧をペレット形状の正極合剤に加えると、ペレット形状の正極合剤が割れるだけでなく、割れた正極合剤が再度高密度に圧縮されて、大きな隙間のないペレット形状の正極合剤が形成されてしまう。従って、従来の再加圧方法を用いても正極に大きな隙間を数多く形成することが難しく、よって、従来の再加圧方法に従って製造された正極では、二酸化マンガンが膨張すると、正極内に存在する隙間が潰れてしまうので、ミドルレート電流領域におけるアルカリ乾電池の放電特性の向上を図ることは難しい。
しかし、本実施形態では、ペレット形状の正極合剤にヒビが形成されるように且つ一旦形成されたヒビが消失しないように圧力を調整して、ペレット形状の正極合剤を再加圧している。よって、正極2に従来よりも大きな隙間を従来よりも数多く形成することができ、別の言い方をすると、水銀圧入法により正極2の細孔分布を測定した場合に径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積が0.0035ml/g以上0.0070ml/g以下となる正極2を得ることができる。これにより、正極2では、放電により二酸化マンガンが膨張しても、隙間の縮小および消失を防止することができるのでアルカリ電解液の拡散経路を確保することができる。よって、本実施形態にかかるアルカリ乾電池では、ミドルレート電流領域における放電特性の向上を図ることができる。
なお、本実施形態における正極2の製造方法では、再加圧時の圧力が従来よりも低いので電池ケース1の内面への正極2の密着性の低下が懸念されるが、正極2内にポリエチレン粉末を混入させれば電池ケース1の内面への正極2の密着性を維持することができる。
また、ペレット形状の正極合剤の中空部に心棒を挿通させた状態でペレット形状の正極合剤を再加圧すれば、ペレット形状の正極合剤の中空部を潰すことなくペレット形状の正極合剤にヒビを形成することができる。そのため、正極2の中空部にセパレータ4および負極3などを容易に設けることができる。
以上説明したように、本実施形態における正極2は従来よりも多くの二酸化マンガンを含んでいるので、本実施形態にかかるアルカリ乾電池ではローレート電流領域における放電特性を向上させることができる。
また、本実施形態における正極2には、従来よりも大きな隙間が従来よりも数多く存在しているので、ミドルレート電流領域における放電特性を向上させることができる。
実際、本願発明者らは、本実施形態にかかるアルカリ乾電池が奏する効果を確認している。具体的には、本実施形態にかかる単3形アルカリ乾電池に対してIEC規格60086−2に準拠して250mAの電流を1日あたり1時間流すという間欠放電を20℃の雰囲気下において行うと、二酸化マンガンの単位重量当たりの放電容量は230mAh/g以上であった。ミドルレート電流領域における従来の単3形アルカリ乾電池の放電容量が二酸化マンガンの単位重量当たり220mAh/g程度であるので、本実施形態にかかる単3形アルカリ乾電池は従来に比べてミドルレート電流領域における放電特性に優れていることを確認できた。
同様に、本実施形態にかかる単4形アルカリ乾電池に対してANSI規格C18.1M,Part1−2005に準拠して100mAの電流を1日あたり1時間流すという間欠放電を20℃の雰囲気下において行うと、二酸化マンガンの単位重量当たりの放電容量は260mAh/g以上であった。ミドルレート電流領域における従来の単4形アルカリ乾電池の放電容量が二酸化マンガンの単位重量当たり240mAh/g程度であるので、本実施形態にかかる単4形アルカリ乾電池は従来に比べてミドルレート電流領域における放電特性に優れていることを確認できた。
本実施例では、アルカリ乾電池を作製し、作製したアルカリ乾電池に対してローレート電流領域およびミドルレート電流領域における放電特性を調べた。また、作製したアルカリ乾電池の正極に対して積算細孔容積を測定した。
《実験方法》
(1)アルカリ乾電池の製造方法
(a)単3形アルカリ乾電池
(実施例1−1)
まず、ガスアトマイズ法を用いて、亜鉛の重量に対して0.005重量%のAl、0.005重量%のBiおよび0.020重量%のInを含む亜鉛合金の粉末を作製した。その後、篩を用いて、作製した亜鉛合金の粉末を分級させた。この分級により、70〜300メッシュの粒度範囲を有し、且つ、そのうち粒径が200メッシュ(75μm)以下である亜鉛合金の粉末の含有率が30%となるように亜鉛合金の粉末を調整した。このようにして、負極活物質を得た。
次に、34.5重量%の水酸化カリウム水溶液(ZnOを2重量%含む)の100重量部に対して、合計重量が2.2重量部となるようにポリアクリル酸およびポリアクリル酸ナトリウムを加えて混合し、ゲル化させた。これにより、ゲル状電解液を得た。その後、得られたゲル状電解液を24時間静置して十分に熟成させた。
その後、上記で得られたゲル状の電解液に、そのゲル状の電解液の所定量に対して重量比で2.00倍の上記亜鉛合金の粉末と、その亜鉛合金の粉末100重量部に対して0.025重量部の水酸化インジウム(金属インジウムとしては0.016重量部)および0.1重量部のアニオン性界面活性剤(平均分子量が約210のアルコールリン酸エステルナトリウム)とをそれぞれ加えて十分に混合させた。これにより、ゲル状の負極を得た。
その後、電解二酸化マンガン(東ソー(株)製 品番「HHTF」)および黒鉛(日本黒鉛工業(株)製 品番「SP−20」)を重量比94:6の割合で配合し、混合粉を得た。この混合粉100重量部に対して電解液(39重量%の水酸化カリウム水溶液(ZnOを1重量%含む))1.5重量部とポリエチレンバインダ0.2重量部とを混合した後、ミキサーで均一に撹拌且つ混合して一定粒度に整粒し、得られた粒状物を加圧して中空円筒形に成形した。このようにしてペレット形状の正極合剤を得た。
なお、上記二酸化マンガンの重量は、二酸化マンガンの純度が100%であると考えた場合の重量である。上記電解二酸化マンガンの純度は、92.2%である。例えば上記の組成のペレット形状の正極合剤11.28g中には、電解二酸化マンガンが10.42g(=11.28×94÷(94+6+1.5+0.2))含まれており、二酸化マンガンは9.61g(=10.42×0.922)含まれていることになる。
続いて、評価用の単3形アルカリ乾電池を作製した。図1に示すように、電池ケース1の内部に、上記で得られたペレット形状の正極合剤(1個の重量が5.64g)を2個挿入し、電池ケース1内で再加圧することによって電池ケース1の内面に密着させた。このとき、1.2tの圧力でペレット形状の正極合剤を再加圧させた。そして、このペレット形状の正極合剤の内側にセパレータ4と電池ケース1の底部を絶縁するための底紙とを挿入した後、上記電解液を1.5g注液した。注液後、セパレータ4の内側にゲル状の負極3を充填した。その後、樹脂封口体5、負極集電子6および負極端子板7が一体化された組立封口体9を用いて電池ケース1の開口を封じた。具体的には、負極集電子6を負極3に差し込み、樹脂封口体5の外周縁部を介して電池ケース1の開口の縁に負極端子板7の周縁鍔部をかしめつけて負極端子板7を電池ケース1の開口に密着させた。それから、電池ケース1の外表面に外装ラベル8を被覆し、実施例にかかる単3形アルカリ乾電池を作製した。
(実施例1−2)
0.7tの圧力でペレット形状の正極合剤を再加圧させたこと以外は実施例1−1と同様にして、実施例1−2における単3形アルカリ乾電池を製造した。
(比較例1−1)
アルカリ乾電池1個当たりに含まれる二酸化マンガンの重量を9.3gとしたこと、および、ペレット形状の正極合剤を再加圧させなかったこと以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−1における単3形アルカリ乾電池を製造した。
(比較例1−2)
アルカリ乾電池1個当たりに含まれる二酸化マンガンの重量を10.28gとしたこと、および、ペレット形状の正極合剤を再加圧させなかったこと以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−2における単3形アルカリ乾電池を製造した。
(比較例1−3)
アルカリ乾電池1個当たりに含まれる二酸化マンガンの重量を8.80gとしたこと、および、1.6tの圧力でペレット形状の正極合剤を再加圧させたこと以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−3における単3形アルカリ乾電池を製造した。
(b)単4形アルカリ乾電池
(実施例2−1)
ペレット形状の正極合剤1個あたりの重量を2.45gとしたこと、アルカリ乾電池1個当たりに含まれる二酸化マンガンの重量を4.18gとしたこと、および、0.68tの圧力でペレット形状の正極合剤を再加圧させること以外は実施例1−1と同様にして、実施例2−1における単4形アルカリ乾電池を製造した。
(実施例2−2)
ペレット形状の正極合剤1個あたりの重量を2.45gとしたこと、アルカリ乾電池1個当たりに含まれる二酸化マンガンの重量を4.18gとしたこと、および、0.4tの圧力でペレット形状の正極合剤を再加圧させること以外は実施例1−1と同様にして、実施例2−2における単4形アルカリ乾電池を製造した。
(比較例2−1)
ペレット形状の正極合剤1個あたりの重量を2.36gとしたこと、アルカリ乾電池1個当たりに含まれる二酸化マンガンの重量を4.02gとしたこと、および、ペレット形状の正極合剤を再加圧させなかったこと以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−4における単4形アルカリ乾電池を製造した。
(比較例2−2)
ペレット形状の正極合剤1個あたりの重量を2.47gとしたこと、アルカリ乾電池1個当たりに含まれる二酸化マンガンの重量を4.21gとしたこと、および、ペレット形状の正極合剤を再加圧させなかったこと以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−5における単4形アルカリ乾電池を製造した。
(比較例2−3)
ペレット形状の正極合剤1個あたりの重量を2.37gとしたこと、アルカリ乾電池1個当たりに含まれる二酸化マンガンの重量を4.04gとしたこと、および、0.85tの圧力でペレット形状の正極合剤を再加圧させたこと以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−6における単4形アルカリ乾電池を製造した。
(2)ローレート電流領域における放電特性の測定方法
上記の製造方法に従って製造された単3形アルカリ乾電池および単4形アルカリ乾電池のそれぞれにローレート電流を流し、その放電時間を測定した。
(a)単3形アルカリ乾電池
上記の製造方法に従って製造された単3形アルカリ乾電池に対して、20℃の雰囲気下において抵抗値が43Ωである抵抗を負荷して1日あたり4時間放電を行った。そして、閉路電圧が終止電圧(0.9V)を下回るまでの時間(放電時間)を測定した。
(b)単4形アルカリ乾電池
上記の製造方法に従って製造された単4形アルカリ乾電池に対して、20℃の雰囲気下において抵抗値が75Ωである抵抗を負荷して1日あたり4時間放電を行った。そして、閉路電圧が終止電圧(0.9V)を下回るまでの時間を測定した。
(3)ミドルレート電流領域における放電特性の測定方法
上記の製造方法に従って製造された単3形アルカリ乾電池および単4形アルカリ乾電池のそれぞれにミドルレート電流を間欠的に流し、その放電時間を測定した。また、その放電時間を用いて、放電容量を算出した。
(a)単3形アルカリ乾電池
上記の製造方法に従って製造された単3形アルカリ乾電池に対して、IEC規格60086−2に準拠して20℃の雰囲気下において250mAの電流を1日あたり1時間流す間欠放電を行った。そして、閉路電圧が終止電圧(0.9V)を下回るまでの時間(放電時間)を測定した。また、二酸化マンガンの重量および得られた放電時間を用いて、ミドルレート電流領域における二酸化マンガン単位重量当りの放電容量を算出した。
(放電容量)=(放電時間)×250(mA)÷(二酸化マンガンの重量)(g)
なお、二酸化マンガンの重量は、アルカリ乾電池1個あたりに含まれる二酸化マンガンの重量である。
(b)単4形アルカリ乾電池
上記の製造方法に従って製造された単4形アルカリ乾電池に対して、ANSI規格C18.1M,Part1−2005に準拠して20℃の雰囲気下において100mAの電流を1日あたり1時間流す間欠放電を行った。そして、経路電圧が終止電圧(0.9V)を下回るまでの時間を測定した。また、二酸化マンガンの重量および得られた放電時間を用いて、ミドルレート電流領域における放電容量を算出した。
(放電容量)=(放電時間)×100(mA)÷(二酸化マンガンの重量)
なお、二酸化マンガンの重量は、上述のように、アルカリ乾電池1個あたりに含まれる二酸化マンガンの重量である。
(4)正極における積算細孔容積の測定
上記の製造方法に従って製造された単3形アルカリ乾電池および単4形アルカリ乾電池のそれぞれから正極を取り出して、水銀圧入法を用いた細孔分布測定装置(SIMAZU AUTOPORE 9520)を用いて径が0.97μm以上10.2μm以下の細孔の積算細孔容積を測定した。
まず、上記の製造方法に従って単3形アルカリ乾電池および単4形アルカリ乾電池を製造したのち、室温において2ヶ月以上6ヶ月以下の期間、保存した。その後、これらの電池の電池ケースを切開してペレット形状の正極合剤を取り出した。
次に、ペレット形状の正極合剤を真空乾燥機内に入れて12時間室温で乾燥させた。
続いて、ペレット形状の正極合剤を切断して、厚みが10mmであるドーナツ形状の正極合剤を得た。具体的には、ペレット形状の正極合剤のうちアルカリ乾電池の封口部側(組立封口体9で蓋されていた部分)から計って15mmの位置でペレット形状の正極合剤を切断し、その後、その切断面よりも10mm下の位置でペレット形状の正極合剤を再切断した。
そして、底面を三等分するようにドーナツ形状の正極合剤を切断し、そのうちの2つを水銀圧入法を用いた細孔分析測定装置の測定セルに入れて測定を開始した。なお、積算細孔容積を算出する際には、真空乾燥機による乾燥後のペレット形状の正極合剤の重量を分母とした。また、測定条件としては、初期の水銀圧を7kPa(1psia)とした。ここで、水銀圧7kPaは、直径が180μmである細孔内に水銀を圧入させることができることを意味する。
《結果と考察》
(a)単3形アルカリ乾電池
表1に結果を示す。
Figure 0005237680
まず、ローレート電流領域における単3形アルカリ乾電池の放電特性を考察する。
実施例1−1および実施例1−2では、比較例1−1および比較例1−3よりも二酸化マンガンの充填量が多かったので、ローレート電流領域での放電時間を長くすることができた。
なお、比較例1−2では、実施例1−1および実施例1−2よりも二酸化マンガンの充填量が多かったにもかかわらず、ローレート電流領域での放電時間は短かった。その理由としては、比較例1−2では、二酸化マンガンの充填量が多いので、放電時における二酸化マンガンの膨張量が増加し、その結果、正極におけるアルカリ電解液の拡散経路を確保することが難しくなったからではないかと考えている。
次に、ミドルレート電流領域における単3形アルカリ乾電池の放電特性を考察する。
実施例1−1および実施例1−2では、比較例1−1〜1−3よりも、ミドルレート電流領域での放電時間を長くすることができ、またミドルレート電流領域での放電容量を大きくすることができた。その理由としては、実施例1−1および実施例1−2では、比較例1−1〜1−3よりも、正極における積算細孔容積を大きくすることができたからである,と考えている。
ここで、比較例1−1および1−2では、ペレット形状の正極合剤を再加圧させることなく電池ケース内に入れており、比較例1−3では実施例1−1および実施例1−2よりも高圧でペレット形状の正極合剤を再加圧させたが、何れの場合も実施例1−1および実施例1−2よりも積算細孔容積を大きくすることはできなかった。その理由としては、上述の実施形態で記載したように、ペレット形状の正極合剤を再加圧させなければ、再加圧に起因するヒビをペレット形状の正極合剤に形成することができないからであり、逆に、ペレット形状の正極合剤を高圧で再加圧させると、ペレット形状の正極合剤は割れるがその後再度高密度に圧縮されるのでペレット形状の正極合剤に形成されたヒビが消失してしまうからである,と考えている。
(b)単4形アルカリ乾電池
表2に結果を示す。
Figure 0005237680
単4形アルカリ乾電池に対しても、単3形アルカリ乾電池で得られた結果と同様の傾向を示す結果が得られた。そのため、ローレート電流領域での放電特性の向上およびミドルレート電流領域での間欠放電の放電特性の向上を図るということに関しては、単3形アルカリ乾電池に対する改良策を単4形アルカリ電池にあてはめることができる,と言える。
以上説明したように、本発明にかかるアルカリ乾電池は、ミドルレート電流の放電特性に優れるので、ポータブルAV機器および電子ゲーム機などの駆動電源に有用である。
本実施形態にかかるアルカリ乾電池の半断面図である。
符号の説明
1 電池ケース
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 樹脂封口体
6 負極集電子
7 負極端子板
8 外装ラベル
9 組立封口体

Claims (4)

  1. 9.30g以上の二酸化マンガンを含む正極を備え、
    水銀圧入法により前記正極の細孔分布を測定した場合に、径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積が0.0035ml/g以上0.0070ml/g以下であることを特徴とする単3形アルカリ乾電池。
  2. 請求項1に記載の単3形アルカリ乾電池において、
    前記正極には、前記二酸化マンガンの重量に対して4.5重量%以上7.0重量%以下の黒鉛が含まれていることを特徴とする単3形アルカリ乾電池。
  3. 4.09g以上の二酸化マンガンを含む正極を備え、
    水銀圧入法により前記正極の細孔分布を測定した場合に、径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積が0.0035ml/g以上0.0070ml/g以下であることを特徴とする単4形アルカリ乾電池。
  4. 請求項に記載の単4形アルカリ乾電池において、
    前記正極には、前記二酸化マンガンの重量に対して4.5重量%以上7.0重量%以下の黒鉛が含まれていることを特徴とする単4形アルカリ乾電池。
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