JPWO2011001603A1 - アルカリ乾電池 - Google Patents
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Abstract
強負荷と中負荷の両方が優れた放電特性を示すアルカリ乾電池を提供する。二酸化マンガンと黒鉛とを含む正極2を備え、前記正極にはさらにポリアクリル酸およびポリアクリル酸塩の少なくとも一方が含まれており、水銀圧入法により前記正極の細孔分布を測定した場合に、直径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積が0.0035ml/g以上0.0090ml/g以下であるアルカリ乾電池である。
Description
本発明は、アルカリ乾電池に関するものである。
アルカリ乾電池は、マンガン乾電池に比べ、高容量かつ強電流負荷での放電に適した電池であるが、現在もさらなる高性能化が求められている。
また、従来は、電池内に充填する正極および負極活物質の量を増やすことによって性能を伸ばす取り組みがされてきた。この場合、小電流での使用持続時間は伸びるものの、強負荷放電性能がさほど十分には向上しない。また、充填量の増量は、正極ペレット成型時の金型への負荷の増大などの課題があり、限界に来ている。そこで、正極内のイオン拡散を改良することが必要であり、正極合剤内の空孔率を高めることにより正極内に存在する電解液の量を増加させることなどが検討されている。
例えば、特許文献1には、正極として細孔量が0.14cc/g以上0.24cc/g以下の正極合剤ペレットを用いれば、強負荷における放電特性を向上させることができるという技術が開示されている。
また、特許文献2には、正極合剤の造粒密度を高め、かつ造粒体間の隙間に電解液を吸収させようとする技術が開示されている。
また、特許文献3には、正極にポリアクリル酸をバインダーとして使用し、水分率を2〜3%に調整した合剤粒を用いることで、生産性を維持しながら二酸化マンガンの充填量を増やす技術が開示されている。これは、正極密度が高い範囲で放電性能の増加を狙っている。
最近では、アルカリ乾電池には、デジタルスチルカメラのような比較的大きな電流が必要な機器(強負荷放電で使用される機器)においても高い性能を示すとともに、音楽プレーヤーのような中負荷で使用される機器においても長い使用持続時間が得られることが求められるようになってきている。しかし、上記特許文献1〜3に記載されている技術では強負荷放電の性能を向上させることを目的としており、中負荷放電の性能向上についてはなんら対策をとっていないため、これらの技術を用いて強負荷放電と中負荷放電の両方を同時に向上させることは非常に困難である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、強負荷と中負荷の両方の放電特性が優れたアルカリ乾電池を提供することにある。
本発明のアルカリ乾電池は、二酸化マンガンと黒鉛とを含む正極を備え、前記正極にはさらにポリアクリル酸およびポリアクリル酸塩の少なくとも一方が含まれており、水銀圧入法により前記正極の細孔分布を測定した場合に、直径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積が0.0035ml/g以上0.0090ml/g以下という構成を有している。
このようなアルカリ乾電池の正極では、電池組み立て時に、電解液を正極により多く吸収させることができるとともに、放電時に正極活物質周囲により多くの電解液を保持し、また電解液や放電により生じたイオン種の拡散経路を確保することができる。よって、強負荷および中負荷放電性能の両方が優れたアルカリ乾電池を提供することができる。
正極に含まれるポリアクリル酸およびポリアクリル酸塩の量が二酸化マンガンの0.02質量%以上0.20質量%以下であることが好ましい。ポリアクリル酸あるいはポリアクリル酸塩の一方のみが正極に含まれている場合は、その含まれているものの量が二酸化マンガンの0.02質量%以上0.20質量%以下であることが好ましい。
前記ポリアクリル酸塩が、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸カリウムの少なくとも一方であることが好ましい。
正極に含まれる黒鉛の量が、二酸化マンガンの量に対して5.5質量%以上6.8量%以下であることが好ましい。
正極の密度が、2.80g/ml以上2.95g/ml以下であることが好ましい。
本発明のアルカリ乾電池では、強負荷と中負荷の両方の放電特性を向上させることができる。
本発明の実施形態を説明する前に、本願発明者らが本発明を完成させるに至った経緯を示す。
強負荷および中負荷放電での正極の放電性能を向上させるには、合剤内に適度な電解液の拡散経路を確保し十分な電解液を保持させることが、放電時のイオン拡散に関わる分極抵抗を低減するために重要かつ有効であると考えられる。しかし、合剤内の空間をむやみに大きくすることは、限られた容積内に充填する活物質量を低下させるため性能低下の方向にも作用する。また、合剤ペレットの成型圧を低くするなどして正極合剤ペレットの内部に空間を持たせようとすると黒鉛の関わる電子伝導性を低下させる。また、一般的に黒鉛を使用するアルカリ乾電池の正極は電解液の吸収が遅い。
そこで親水性の高いポリアクリル酸系のポリマーを合剤内に添加することを本願発明者らは検討し始めた。このような親水性ポリマーは水溶液を取り込むことにより膨張するので、合剤内に存在した場合、合剤の粉体間の空隙を増やし、合剤ペレットを膨張させることができる。しかし、このような親水性ポリマーを単に正極合剤に添加しただけでは、電池製造工程の限られた時間内に十分に正極内に電解液を引き込むことは困難であり、親水性ポリマーの添加量に応じて、電池組み立て後に徐々にセパレータ付近や負極から電解液を取り込んで正極合剤ペレットが膨張することになる。
けれども、正極の膨張、つまり正極内の空隙の増加に見合った電解液を、電池組立て時に十分に電池内に充填しておかないと、その後に負極やセパレータから過剰に電解液を吸い取ることになり、セパレータや負極での液不足が生じてしまい、むしろ放電性能の低下を招くが、現状では経時的に正極に吸収される電解液を予め入れておくだけの電池内空間の余裕はほとんどない。したがって、親水性ポリマーを正極に添加した場合は、製造工程における正極への電解液注入から負極の充填までの時間内に如何に多くの電解液を正極に吸収させることができるかが重要となってくる。
注液工程時の電解液の正極(合剤ペレット)への浸透現象を考えると、主に中空円筒形状の内面から外周面に向かって拡散してゆくと考えられる。合剤ペレットを電池ケースに挿入しただけで電池ケース内での二次成型を行っていない場合、合剤ペレット内部への電解液の拡散速度は、製造上の許容時間を考慮すると遅すぎる。一方で、合剤ペレットを低密度で成型するなどして合剤ペレット内部における全体の細孔量が多くなるように合剤ペレットを作製すると、正極の充填量が低下してしまう。そこで、拡散に有効な特定の細孔径の細孔を多く有するペレットを作製すれば、その大きな細孔に優先的に電解液が浸透し、そこから周囲に拡散するため、格段に拡散速度が増すと考えられる。
特許文献3に記載された方法では、ポリアクリル酸などの親水性ポリマーを正極合剤内に添加するだけであり、この場合は、上記のように合剤内部への電解液の吸収速度が遅いため、電解液不足によりむしろ放電性能の低下を招く。また、細孔構造を調整して細孔量を増加させる方向では、活物質が減少することから、中負荷放電性能の向上を望めない。例えば特許文献1に記載の技術では、正極の充填量が減りすぎて中負荷から低負荷放電性能を向上させられない。
ところが、本願発明者らは、これらの両者を組み合わせことによって、驚くべきことに細孔を増加させながらも、正極活物質の反応効率を向上させることが可能となることを見出した。
以下では、図面を参照しながら本発明にかかる実施形態を説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。
図1は、本実施形態にかかるアルカリ乾電池の半断面図である。
本実施形態にかかるアルカリ乾電池は、図1に示すように、一端(図1における上端)が封じられた筒状の電池ケース1を備えており、電池ケース1の外周面は外装ラベル8で被覆されている。電池ケース1は正極端子と正極集電体とを兼ねており、電池ケース1には中空円筒状の正極2が内接している。正極2の中空部にはセパレータ4が設けられており、セパレータ4は一端が封じられた筒状に形成されており、セパレータ4の中空部には負極3が設けられている。以上より、電池ケース1では、周縁から中心に向かうに従って、正極2、セパレータ4および負極3の順に配置されている。
電池ケース1の開口(図1における下端)は、組立封口体により封じられている。組立封口体は、釘型の負極集電子6と負極端子板7と樹脂封口体5とが一体化されたものであり、負極端子板7は負極集電子6に電気的に接続されており、樹脂封口体5は負極集電子6および負極端子板7に固定されている。
電池ケース1は、例えば、特開昭60−180058号公報または特開平11−144690号公報等に記載の公知の方法を用いて、ニッケルがめっきされた鋼板を所定の寸法および形状にプレス成形して得られる。
正極2には、例えば、電解二酸化マンガンの粉末などの正極活物質、ポリアクリル酸、黒鉛粉末などの導電剤およびアルカリ電解液の混合物が含まれている。また適宜、ポリエチレン粉末等の結着剤またはステアリン酸塩等の滑沢剤が正極2に添加されていても差し支えない。なお、正極2ついては、後で詳述する。
負極3としては、例えば、アルカリ電解液にポリアクリル酸ナトリウム等のゲル化剤を添加してゲル状に加工し、そのゲル状物質に亜鉛合金の粉末を分散させたものが用いられる。負極3の耐食性を向上させるためには、インジウムまたはビスマス等の水素過電圧の高い金属化合物を負極3に適宜添加するとよい。また、亜鉛デンドライトの発生を抑制するためには、微量のケイ酸またはその塩などのケイ素化合物を負極3に適宜添加するとよい。
セパレータ4としては、例えば、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄された不織布が用いられる。セパレータ4は、例えば、特開平6−163024号公報または特開2006−32320号公報に記載の公知の方法により得られる。
このような正極2、負極3およびセパレータ4には、アルカリ電解液(不図示)が含まれている。アルカリ電解液には、水酸化カリウムが30〜40質量%含まれており、さらに、酸化亜鉛が1〜3質量%含まれている。
樹脂封口体5には、負極集電子6が圧入される貫通孔と、環状の薄肉部と、外周縁部とが設けられている。環状の薄肉部は、貫通孔の周囲に設けられており、安全弁として機能する。外周縁部は、環状の薄肉部の外周に形成されており、環状の薄肉部に連続して形成されている。このような樹脂封口体5は、例えば、ナイロンまたはポリプロピレンなどを所定の寸法および形状に射出成形して得られる。
負極集電子6は、銅または真鍮等の線材を所定の寸法の釘型にプレス加工して得られる。また、負極集電子6の表面にスズまたはインジウム等のメッキが施されていることが好ましい。
負極端子板7には、電池ケース1の開口を封じる端子部と、周縁鍔部とが設けられている。周縁鍔部は、端子部から延びており、樹脂封口体5に接触している。また、周縁鍔部にはガス孔(不図示)が複数個設けており、これにより、樹脂封口体5の安全弁が作動した際にはアルカリ乾電池の内圧を下げることができる。このような負極端子板7は、例えば、ニッケルがめっきされた鋼板またはスズがめっきされた鋼板などを所定の寸法および形状にプレス成形して得られる。
このようなアルカリ乾電池の製造方法としては、一般に、正極2、負極3およびセパレータ4などを電池ケース1内に収容し、その後、組立封口体を用いて電池ケース1の開口を封口する。
次に、本実施形態における正極2を説明する。
本実施形態における正極2は上述のように黒鉛を含んでいる。二酸化マンガンの重量に対して、従来では5質量%程度含まれているが、本実施形態では5.5質量%以上6.8質量%以下含まれていればより好ましい。これにより、正極2における電子伝導性を高めるとともに、適度な強度のペレットを作製することができる。
正極2は、以下に示す方法に従って製造されることが好ましい。まず、従来の方法に従って、粉末状の正極合剤を加圧してペレット形状の正極合剤を形成する。それから、ペレット形状の正極合剤を電池ケース1内に入れる。
その後、電池ケース1の外側を金型で固定した状態で、ペレットの中空部にも芯棒状の金型を挿入したまま、ペレット形状の正極合剤の軸方向から正極合剤を再度加圧する(再加圧)。再加圧時の圧力は、単3形アルカリ乾電池の正極2を作製する際には0.4t以上1.4t以下であることが好ましい。これは、正極の断面に対して482kgf/cm2以上1689kgf/cm2以下の圧力である。このような圧力をペレット形状の正極合剤に加えると、ペレット形状の正極合剤は一旦ひび割れを起こし元のペレット形状が一旦は破壊されるが、圧力によっては再形成される。この再加圧の力によっては、ペレット形状の正極合剤に従来よりも大きな隙間を従来よりも数多く形成することができ、且つ隙間の個数が多過ぎて活物質などの充填量の低下を伴うこともない。このようにして本実施形態における正極2を製造することができるので、正極2には従来よりも大きな隙間を従来よりも数多く形成することができる。
水銀圧入法により本実施形態における正極2の細孔分布を測定すると、径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積は0.0035ml/g以上0.0090ml/g以下である。このように正極2には特定の範囲の大きさの隙間が従来よりも数多く存在しているので、注液の段階で速く電解液を合剤ペレット内に吸収することができ、ポリアクリル酸のような吸液性ポリマーを正極合剤に添加した場合に、十分な放電性能を引き出すことができる。従って、本実施形態にかかるアルカリ乾電池では、強負荷放電と中負荷放電の両方における放電特性の向上を図ることができる。ポリアクリル酸は、たとえば325メッシュの篩を通過する粒度のものが好ましい。また吸液性ポリマーとしてポリアクリル酸ナトリウムやポリアクリル酸カリウムを用いてもよいし、ポリアクリル酸とこれらの混合物を用いてもよい。
中負荷放電におけるアルカリ乾電池の放電特性の向上を図るためには、正極2には大きな隙間が数多く形成されていることが好ましい。しかし、極端に大きな隙間が非常に数多く正極に形成されていると、正極における二酸化マンガンの充填量が減少するので、中負荷放電性能および強負荷放電性能を向上させることが難しくなる。しかし、水銀圧入法により正極2の細孔分布を測定したときに径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積が0.0035ml/g以上0.090ml/g以下であれば、中負荷放電性能および強負荷放電性能の両方を向上させることができる。
正極2において径が0.97μm未満の細孔は、二酸化マンガン粒子および黒鉛粒子自体が有している細孔や、圧縮成形されたペレット形状の正極2における二酸化マンガン粒子および黒鉛粒子同士の間に残ってしまう隙間と考えられる。一方、径が0.97μm以上の細孔は、電池ケース1内で正極ペレットが二次成型されることにより生じるクラックである。また、正極ペレットが二次成型により割れてしまうとその割れは10.2μmを越える大きな細孔となるが、この割れは中負荷放電における放電特性の向上にはあまり寄与しないので、0.97μm以上10.2μm以下の径の細孔の積算細孔容積を規定している。
ここで、0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積は、水銀圧入法により得られた正極2の細孔分布データから算出することができる。その算出方法は、例えば、得られた正極2の細孔分布データを用いて径が最大値から0.97μmまでの細孔の容積を積算するとともに径が最大値から10.2μmまでの細孔の容積を積算し、その後、径が最大値から0.97μmまでの細孔容積の積算値から径が最大値から10.2μmまでの細孔容積の積算値を引くというものである。なお、積算細孔容積を算出する際には、乾燥後のペレット形状の正極合剤の重量を基準(分母)とする。
また、水銀圧入法により正極2の細孔分布を測定する方法は、例えば、ペレット形状の正極合剤を電池ケース1から取り出して乾燥させ、その後、ペレット形状の正極合剤を切断してドーナツ形状の正極合剤を得て、このドーナツ形状の正極合剤を底面を例えば三等分するように切断し、そのうちの2つを水銀圧入法による細孔分布の測定装置内の測定セルに入れて測定を実施するというものである。
従来、正極2の製造方法としては、本実施形態のようにペレット形状の正極合剤を再加圧させる方法(例えば特開2000−100394号公報)と、ペレット形状の正極合剤を再加圧させることなく電池ケース内に収容させる方法とがある。後者の方法では、再加圧に起因するヒビをペレット形状の正極合剤に形成できないので、本実施形態における正極2のように大きな隙間を数多く形成することができない。よって、後者の方法に従って製造された正極では、ポリアクリル酸のような吸液性ポリマーを添加していても、注液工程において許容な時間内に、十分な量の電解液を吸収することができないので、強負荷放電および中負荷放電での向上を図ることは難しい。
一方、前者の方法では、本実施形態と同じく、ペレット形状の正極合剤には再加圧に起因するヒビを形成することができる。ところが、従来では、電池ケースの内面に正極を強く密着させることを目的として再加圧を実施しており、単3形アルカリ乾電池の正極を製造する際には1.6t程度の圧力をペレット形状の正極合剤に加えている。このような高圧をペレット形状の正極合剤に加えると、ペレット形状の正極合剤が割れるだけでなく、割れた正極合剤が再度高密度に圧縮されて大きな隙間のないペレット形状の正極合剤が形成されてしまう。従って、従来の再加圧方法に従って製造された正極では、吸液性ポリマーを添加しても、十分な電解液量を吸収させることができないため、強負荷放電と中負荷放電性能の向上を図ることは難しい。
本実施形態では、ペレット形状の正極合剤にヒビが形成されるように且つ一旦形成されたヒビが消失しないように圧力を調整して、ペレット形状の正極合剤を再加圧している。よって、正極2に従来よりも大きな隙間を従来よりも数多く形成することができ、別の言い方をすると、水銀圧入法により正極2の細孔分布を測定した場合に径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積が0.0035ml/g以上0.0090ml/g以下となる正極2を得ることができる。これにより、正極2ではポリアクリル酸を添加した場合、従来よりも多く、且つ、正極の膨張に見合った十分な量の電解液を注液工程の許容時間に浸透することができる。よって、本実施形態にかかるアルカリ乾電池では、強負荷放電および中負荷放電における放電特性の向上を図ることができる。
なお、本実施形態における正極2の製造方法では、再加圧時の圧力が従来よりも低いので電池ケース1の内面への正極2の密着性の低下が懸念されるが、正極2内にポリエチレン粉末を混入させれば電池ケース1の内面への正極2の密着性を維持することができる。ポリエチレン粉末の添加量は、二酸化マンガンに対して0.1質量%以上0.3質量%以下であることが好ましい。
また、ペレット形状の正極合剤の中空部に心棒を挿通させた状態でペレット形状の正極合剤を再加圧すれば、ペレット形状の正極合剤の中空部を潰すことなくペレット形状の正極合剤にヒビを形成することができる。
以上のように作製した電池の正極の密度は、ポリアクリル酸を用いない従来の場合よりも低くなる傾向である。正極密度は、2.75g/ml以上3.00g/ml以下であることが好ましく、2.80g/ml以上2.95g/ml以下であればさらに好ましい。ここで正極密度とは、電池を製造した後、室温において2ヶ月以上1年以下の期間経過した電池の内部の状態において、正極質量/正極体積で求められる数値である。なお正極質量は、電池を分解して採取した正極合剤全量の乾燥質量とする。乾燥方法は、分解後速やかに真空乾燥機で110℃16時間以上乾燥させる方法である。この際、加熱環境によっては完全に水分が蒸発しない場合があるので、さらに4時間乾燥させても重量変化がないことを確認する。加熱後の重量測定は、乾燥機から速やかに、シリカゲルを入れたデシケーターに検体を移し、30分で室温に戻した後に測定する重量とする。正極の体積は、電池の縦割り断面方向からCTスキャン撮影、またはX線透視撮影の像から正極部分の縦割り断面積を測定し、体積を算出することとで求められる。
以上説明したように、本実施形態における正極2はポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩を含み、注液工程において従来よりも多くの電解液を吸収することができるため、本実施形態にかかるアルカリ乾電池では強負荷放電および中負荷放電性能を向上させることができる。
本実施例では、単3形のアルカリ乾電池を作製し、作製したアルカリ乾電池に対して中負荷および強負荷放電での放電特性を調べた。また、作製したアルカリ乾電池の正極に対して積算細孔容積を測定した。
《実験方法》
(1)アルカリ乾電池の製造方法
(実施例1)
−負極−
ガスアトマイズ法を用いて、亜鉛の重量に対して0.0035質量%のAl、0.0035質量%のBiおよび0.020質量%のInを含む亜鉛合金の粉末を作製した。その後、篩を用いて、作製した亜鉛合金の粉末を分級させた。この分級により、70〜300メッシュの粒度範囲を有し、且つ、そのうち粒径が200メッシュ(75μm)以下である亜鉛合金の粉末の含有率が30%となるように亜鉛合金の粉末を調整した。このようにして、負極活物質を得た。
(1)アルカリ乾電池の製造方法
(実施例1)
−負極−
ガスアトマイズ法を用いて、亜鉛の重量に対して0.0035質量%のAl、0.0035質量%のBiおよび0.020質量%のInを含む亜鉛合金の粉末を作製した。その後、篩を用いて、作製した亜鉛合金の粉末を分級させた。この分級により、70〜300メッシュの粒度範囲を有し、且つ、そのうち粒径が200メッシュ(75μm)以下である亜鉛合金の粉末の含有率が30%となるように亜鉛合金の粉末を調整した。このようにして、負極活物質を得た。
次に、34.5質量%の水酸化カリウム水溶液(ZnOを2質量%含む)の100重量部に対して、合計重量が2.2重量部となるようにポリアクリル酸およびポリアクリル酸ナトリウムを加えて混合し、ゲル化させた。これにより、ゲル状電解液を得た。その後、得られたゲル状電解液を24時間静置して十分に熟成させた。
その後、上記で得られたゲル状の電解液に、そのゲル状の電解液の所定量に対して重量比で1.98倍の上記亜鉛合金の粉末と、その亜鉛合金の粉末100重量部に対して0.025重量部の水酸化インジウム(金属インジウムとしては0.016重量部)をそれぞれ加えて十分に混合させた。これにより、ゲル状の負極を得た。
−正極−
電解二酸化マンガン(東ソー(株)製 品番「HHTF」)および黒鉛(日本黒鉛工業(株)製 品番「SP−20M」)を重量比94:6の割合で配合し、混合粉を得た。この混合粉100重量部に対してポリアクリル酸粉末0.1重量部とポリエチレン粉末0.2重量部とを混合した後、ミキサーで均一になるように攪拌した。ポリアクリル酸は、日本純薬製PW350Pを使用した。
電解二酸化マンガン(東ソー(株)製 品番「HHTF」)および黒鉛(日本黒鉛工業(株)製 品番「SP−20M」)を重量比94:6の割合で配合し、混合粉を得た。この混合粉100重量部に対してポリアクリル酸粉末0.1重量部とポリエチレン粉末0.2重量部とを混合した後、ミキサーで均一になるように攪拌した。ポリアクリル酸は、日本純薬製PW350Pを使用した。
この混合物100重量部に対し、電解液(39質量%の水酸化カリウム水溶液(ZnOを1質量%含む))1.5重量部をスプレー状に散布して混合させた後、ミキサーで均一に撹拌した。これをロールプレス装置で造粒した後、解砕機で粉砕し篩を用いて一定粒度に整粒した。得られた粒状物を金型を用いて加圧して中空円筒形に成形した(ペレット成型、あるいはペレット打錠)。このようにしてペレット形状の正極合剤を得た。
ペレット形成時の成型圧(ペレット打錠圧)を3.5tonとした。単3形電池のペレット断面積を0.78cm2とすると、この成型圧は1538kgf/cm2に相当する。この成型圧はペレットの圧縮度合いに影響し、一般的に高圧であるほど高密度のペレットを作製できるが、二次成型により一旦は破壊され再成型されるので、最終的なペレットの密度は二次成型の圧力にも大きく影響される。
なお、二酸化マンガンの重量は、二酸化マンガンの純度が100%であると考えた場合の重量である。上記電解二酸化マンガンの純度は、92.2%である。例えば上記の組成のペレット形状の正極合剤11.28g中には、電解二酸化マンガンが10.42g(=11.28×94÷(94+6+1.5+0.2))含まれており、二酸化マンガンそのものは9.61g(=10.42×0.922)含まれていることになる。
続いて、評価用の単3形アルカリ乾電池を作製した。図1に示すように、電池ケース1の内部に、上記で得られたペレット形状の正極合剤(1個の重量が5.64g)を電池ケース1内に2個挿入し、1.4tの圧力で円筒形の上方向から、ペレット形状の正極合剤を再加圧した(二次成型)。そして、このペレット形状の正極合剤の内側にセパレータ4と電池ケース1の底部を絶縁するための底紙とを挿入した後、上記電解液を注液した。この注液工程でペレットに吸収される電解液は、ここまでの正極ペレットの処方により異なる。そこで、以下のような注液量の予備測定試験を、電池5個を用いて行った。
上記と同様な二次成型を行い、セパレータ4と底紙を挿入した電池に、2.0gの電解液を注入する。常温、常圧で10分放置後に、減圧装置に入れ、−700mmHgに到達するまで減圧し、常圧に戻す。この減圧操作を3回繰り返した後、電池内の中空空間のセパレータの内部に吸収されずに残った電解液を速やかに吸い取った。この予備測定試験によって、正極ペレットに吸収させることができた電解液量の、電池5個分のデータの平均を注液量とした。この注液量分の電解液を、評価用の電池に通常の電解液量よりも余分に注入し、上記と同様な減圧操作によって正極ペレットに吸収させた。なお、この注液量にはセパレータに含浸している電解液も含まれるが、セパレータに含浸している電解液量はいずれの電池でもほぼ一定であるので、電池間の比較においてはセパレータ含浸量を含んだ電解液量を注液量とした。
注液後、セパレータ4の内側にゲル状の負極3を充填した。その後、樹脂封口体5、負極集電子6および負極端子板7が一体化された組立封口体を用いて電池ケース1の開口を封じた。具体的には、負極集電子6を負極3に差し込み、樹脂封口体5の外周縁部を介して電池ケース1の開口の縁に負極端子板7の周縁鍔部をかしめつけて負極端子板7を電池ケース1の開口に密着させた。それから、電池ケース1の外表面に外装ラベル8を被覆し、実施例にかかる単3形アルカリ乾電池を作製した。
(実施例2)
1.2tの圧力でペレット形状の正極合剤を再加圧(二次成型)したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2における単3形アルカリ乾電池を製造した。
1.2tの圧力でペレット形状の正極合剤を再加圧(二次成型)したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2における単3形アルカリ乾電池を製造した。
(実施例3から17、および比較例1から6)
正極に添加したポリアクリル酸の種類、ポリアクリル酸添加率、再加圧(二次成型)の圧力、ペレット成型時の打錠圧、黒鉛比率を表1に示す各々にしたこと以外は、実施例1と同様にして単3形アルカリ乾電池を製造した。
正極に添加したポリアクリル酸の種類、ポリアクリル酸添加率、再加圧(二次成型)の圧力、ペレット成型時の打錠圧、黒鉛比率を表1に示す各々にしたこと以外は、実施例1と同様にして単3形アルカリ乾電池を製造した。
(2)強負荷における放電特性の測定方法
上記の製造方法に従って製造された単3形アルカリ乾電池に対して、21℃の雰囲気下において、1.5Wで2秒間放電し、続いて0.65Wで28秒間放電するパターン放電を、10サイクル連続で繰り返した後、55分間休止するという操作を繰り返し、電池電圧が1.05Vになるまでの前記パターン放電のサイクル数を強負荷における放電性能として測定した。
(3)中負荷における放電特性の測定方法
上記の製造方法に従って製造された単3形アルカリ乾電池に対して、20℃の雰囲気下において250mAの電流を1時間流し、23時間休止するという間欠放電を繰り返し行った。そして、閉路電圧が終止電圧(0.9V)を下回るまでの時間(放電時間)を測定した。この放電時間を中負荷における放電特性とした。
(4)正極における積算細孔容積の測定
以下に述べるように、上記の製造方法に従って製造された単3形アルカリ乾電池のそれぞれから正極を取り出して、水銀圧入法を用いた細孔分布測定装置(SHIMADZU AUTOPORE 9520)を用いて径が0.97μm以上10.2μm以下の細孔の積算細孔容積を測定した。
上記の製造方法に従って製造された単3形アルカリ乾電池に対して、21℃の雰囲気下において、1.5Wで2秒間放電し、続いて0.65Wで28秒間放電するパターン放電を、10サイクル連続で繰り返した後、55分間休止するという操作を繰り返し、電池電圧が1.05Vになるまでの前記パターン放電のサイクル数を強負荷における放電性能として測定した。
(3)中負荷における放電特性の測定方法
上記の製造方法に従って製造された単3形アルカリ乾電池に対して、20℃の雰囲気下において250mAの電流を1時間流し、23時間休止するという間欠放電を繰り返し行った。そして、閉路電圧が終止電圧(0.9V)を下回るまでの時間(放電時間)を測定した。この放電時間を中負荷における放電特性とした。
(4)正極における積算細孔容積の測定
以下に述べるように、上記の製造方法に従って製造された単3形アルカリ乾電池のそれぞれから正極を取り出して、水銀圧入法を用いた細孔分布測定装置(SHIMADZU AUTOPORE 9520)を用いて径が0.97μm以上10.2μm以下の細孔の積算細孔容積を測定した。
まず、上記の製造方法に従って単3形アルカリ乾電池を製造したのち、室温において2ヶ月以上6ヶ月以下の期間、保存した。その後、これらの電池の電池ケースを切開してペレット形状の正極合剤を取り出した。
次に、ペレット形状の正極合剤を真空乾燥機内に入れて12時間室温で乾燥させた。
続いて、ペレット形状の正極合剤を切断して、厚みが10mmであるドーナツ形状の正極合剤を得た。具体的には、ペレット形状の正極合剤のうちアルカリ乾電池の封口部側(組立封口体で蓋されていた部分)から計って15mmの位置でペレット形状の正極合剤を切断し、その後、その切断面よりも10mm下の位置でペレット形状の正極合剤を再切断した。
そして、底面を三等分するようにドーナツ形状の正極合剤を切断し、そのうちの2つを、水銀圧入法を用いた細孔分析測定装置の測定セルに入れて測定を開始した。なお、積算細孔容積を算出する際には、真空乾燥機による乾燥後のペレット形状の正極合剤の重量を分母とした。また、測定条件としては、初期の水銀圧を7kPa(1psia)とした。ここで、水銀圧7kPaは、直径が180μmである細孔内に水銀を圧入させることができることを意味する。
《結果と考察》
表2に結果を示す。
表2に結果を示す。
放電性能は、強負荷および中負荷それぞれについて、比較例5を100とした場合の相対値(指数)で示した。実施例1から4は、ポリアクリル酸を正極に0.1質量%含み、積算細孔容積が0.0035以上0.0090ml/g以下の範囲であるため強負荷放電と中負荷放電の両方が優れている。
実施例5および6ではポリアクリル酸の添加量が少ないため注液量もやや低下しており、強負荷放電性能向上がやや小さいものの、比較例5よりは性能が向上している。
実施例7では、ポリアクリル酸添加量が0.20%と多い。この場合、性能は比較例5よりも向上しているものの、実施例2や3ほどの性能向上ではない。ポリアクリル酸により正極の膨張が大きいが、注液量がわずかに不足していると考えることができる。
実施例8,9は正極ペレット成型時の圧力が実施例2に比べてやや高いため、細孔量がやや少なめになり、性能向上量がやや小さい。
実施例10,11は正極ペレット成型時の圧力が実施例2に比べてやや小さいため、細孔量は多くなっているが性能向上量が強負荷放電でやや小さい。これはペレット成型時の圧力が低いために黒鉛の関わる電子伝導性がやや低下していると考えられる。
実施例12は黒鉛比率がやや低いために電子伝導性が低くなり放電性能の向上量がやや小さい。実施例13は黒鉛比率がやや高く強負荷性能の向上は、実施例2とは大きくはかわらない。これは黒鉛比率が高いと電子伝導性は高くなるが、注液量が低下することにより性能があまり伸びないことが考えられる。一方、中負荷放電性能が実施例2ほど向上していないのは、黒鉛量増加により活物質の充填量が低下したためと考えられる。
実施例14は黒鉛比率がさらに低いために、電子伝導性が低くなり強負荷放電性能の向上量がやや小さい。ここまで黒鉛率を黒鉛率を低下させると中負荷放電性能にも影響をおよぼす。実施例15は黒鉛比率が実施例13よりもさらに高いため、実施例13と同様の理由で強負荷放電性能向上量がさほど大きくない。
実施例16ではポリアクリル酸ナトリウムを、実施例17ではポリアクリル酸カリウムを正極に添加しても、同様な効果が得られることを示している。
比較例1では、再加圧力が大きすぎ細孔量が小さいため、中負荷放電性能が低い。比較例2では、再加圧力が小さすぎるため細孔量が小さい。従って、特に中負荷放電性能が低下している。比較例3,4についても、細孔量が適正な範囲ではなく、放電性能が比較例5よりも低下している。比較例5は、ポリアクリル酸を添加していないアルカリ乾電池である。比較例6は細孔量が大きすぎ、放電性能が低下している。
以上より、正極にポリアクリル酸あるいはポリアクリル酸塩を含み、正極の径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積が0.0035ml/g以上0.0090ml/g以下である場合に、強負荷と中負荷の両方が向上することが分った。なお、上記の実施形態および実施例では正極合剤ペレットを電池ケース内に挿入してから加圧して細孔を形成しているが、ケースに入れる前に圧を加えたり、その他の方法で細孔を形成しても構わない。
以上説明したように、本発明にかかるアルカリ乾電池は、強負荷と中負荷の両方の放電性能が優れるので、デジタルスチルカメラからポータブル音楽プレーヤーまで広く駆動時間が長く得られ有用である。
1 電池ケース
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 樹脂封口体
6 負極集電子
7 負極端子板
8 外装ラベル
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 樹脂封口体
6 負極集電子
7 負極端子板
8 外装ラベル
Claims (5)
- 二酸化マンガンと黒鉛とを含む正極を備え、
前記正極にはさらにポリアクリル酸およびポリアクリル酸塩の少なくとも一方が含まれており、
水銀圧入法により前記正極の細孔分布を測定した場合に、直径が0.97μm以上10.2μm以下である細孔の積算細孔容積が0.0035ml/g以上0.0090ml/g以下である、アルカリ乾電池。 - 前記ポリアクリル酸およびポリアクリル酸塩の量が前記二酸化マンガンの量に対して0.02質量%以上0.20質量%以下である、請求項1に記載されているアルカリ電池。
- 前記正極に含まれる前記ポリアクリル酸塩は、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸カリウムの少なくとも一方である、請求項1または2に記載されているアルカリ電池。
- 前記正極に含まれる前記黒鉛の量が、前記二酸化マンガンの量に対して5.5質量%以上6.8質量%以下である、請求項1から3のいずれか一つに記載されているアルカリ乾電池。
- 前記正極の密度が2.80g/ml以上2.95g/ml以下である、請求項1から4のいずれか一つに記載されているアルカリ乾電池。
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