JP5262046B2 - 乾電池とその製造方法およびその製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリマンガン乾電池に代表される乾電池の発電要素である正極材に電解液を流入促進および電解液の保持を行うための改良した乾電池に関するのである。
近年、強負荷の放電性能を必要とされる電子機器、例えばデジタルスチルカメラ等のように、消費電力の大きな高負荷機器が多く市場に普及してきている。これに伴い、電池、特にアルカリマンガン乾電池の放電性能の向上が求められている。
具体的にアルカリマンガン乾電池について説明する。アルカリマンガン乾電池は、正極材、負極材、電解液、セパレータ、封口板、および有底円筒状の電池ケースとを備え、放電性能向上の取り組みとして、限られた電池ケース内の内容積を有効利用して、活物質を可能な限り多く収納するため正極材を圧縮成形する際に加圧力を高く設定して高密度の正極材を作製し、正極材の増量が可能となったが、高密度に成形した正極材のため、成形した内部の空隙体積が減少して電解液の含浸に長時間を要し、電解液の吸液含浸量が少なくなる傾向となった。
そのことで、電池ケース内の電解液が不足気味になるため、電池ケース内に封入された活物質の有効利用率が横ばい、ないし低下の傾向となり、活物質の利用率が低下するとともに、高負荷放電性能が低下してしまうという問題が生じる。
そこで、電解液を正極材に多く吸液含浸させることで電池内の活物質の利用率が上がり、放電性能を向上させるための電解液を多く吸液含浸させる方法として、図8に示すように、最初から空隙を有する中空正極材ペレット101の形成に際して、高強度な合剤102と合剤103とを固結させ、合剤102と合剤103の間に空隙を持たせた中空円筒状の正極材101を形成している。高強度な合剤102は、合剤103より高密度で高強度になるように形成するために、次に述べるような造粒工程が必要である。高強度な合剤102を造粒するために、合剤材料にロール圧延機で線圧6t/cmの圧力を加え、解砕機で粉砕し、そして篩分けして作られる。
高強度な合剤102は、電解液を含浸しても、造粒時に形成された形状をほぼそのまま保持することができ、高強度な合剤102より低強度な合剤103は、電解液を含浸した時に、膨潤して微小亀裂が生じる。電解液が微小亀裂を通して高強度な合剤102に満遍なく行き渡ることにより、正極材101の全体としても多量の電解液を均等に含浸することができる。これにより、正極材101が電解液の含浸前に有していた空隙の体積より多い電解液が含浸されるようになることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−75338号公報
しかしながら、上述した特許文献に示される従来技術では、正極材101に電解液が含浸させると全体に微小亀裂が形成され、その微小亀裂に電解液が保持される。その条件として正極材にまず電解液を吸液させる必要があり、電解液の吸液に長時間を要し、電解液の吸液含浸量が少なくなる課題が発生する。さらに、高強度な合剤102を使用しているため高密度の正極材を圧縮成形するのが困難な上、その高強度な合剤102を作製するために、高強度の圧延機が必要となるため、生産性が低下する。
本発明は、上述の従来の課題を鑑みてなされたもので、正極材の電解液を吸液含浸する性能を向上させ、電池内の活物質の利用率を向上させて乾電池の放電性能を向上させることを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明の乾電池は、正極材と、負極材と、この正極材と負極材と間に介在されたセパレータと電解液を電池ケースに収納し、電池ケースの開口部を封口体で密閉した乾電池において、正極材を中空状に圧縮成形し、正極材の内壁に電解液を流入促進および電解液の保持を行うためのクラックを成形したことを特徴としている。
本発明の電池は、正極材の表面に電解液を流入促進および電解液の保持を行うためのクラックを成形したにより、高密度に圧縮成形した正極材にも関わらず、正極材の表面に成形したクラックに電解液の流入促進および保持を行うため、放電時に電解液が枯れることを抑制し、電池ケース内の活物質の利用率を向上させて乾電池の放電性能を向上させることが可能である。
本発明の第1の発明においては、正極材と、負極材と、この正極材と負極材と間に介在されたセパレータと電解液を電池ケースに収納し、電池ケースの開口部を封口体で密閉した乾電池において、正極材の表面に電解液を流入促進および電解液の保持を行うためのクラックを成形したことにより、電解液が枯れることを抑制し、電池ケース内の活物質の利用率を向上させて電池の高負荷放電性能を向上した乾電池となる。
本発明の第2の発明においては、正極材を中空状に圧縮成形し、正極材の内壁にクラックを成形したことにより、電解液を正極材の中空部に注液することで、正極材の内壁のクラックより電解液が敏速に流入され、電解液の吸液含浸量が増加し高負荷放電性能が向上した乾電池となる。
本発明の第3の発明においては、二酸化マンガンからなる中空円筒状に圧縮成形した正極合剤を用いた正極材を有底円筒状からなる電池ケースに収納し、電池ケースの中間部より有底部近傍側の正極材の内壁にクラックを成形したことにより、電池ケースの有底部から中間部位置付近までの量を注液した電解液を効率よく、正極材の内壁のクラックから吸液含浸が可能となり、放電時に電解液が枯れることのない乾電池となる。
本発明の第4の発明においては、複数個からなる中空円筒状の正極材を有底円筒状の電池ケースに収納し、電池ケースの中間部より有底部近傍側に位置する正極材の内壁にクラックを成形したことにより、複数個使用した正極材のうち電解液が浸っている正極材の内壁に成形したクラックより効率よく電解液を吸液含浸が可能となり、放電特性が向上した乾電池となる。
本発明の第5の発明においては、有底形状からなる電池ケースに正極材と負極材とそれらの間にセパレータを介入して収納後、電解液とともに収納し、封口体を介してかしめ封口する乾電池の製造方法において、正極合剤を中空状に圧縮成形して正極材を構成し電池ケース内に収納後、正極材に押圧をかけて正極材の内壁に電解液を流入促進および電解液の保持を行うためのクラックを成形することにより、効率よく正極材の内壁に成形したクラックより電解液が流入し、吸液含浸時間の削減が可能となる。
本発明の第6の発明においては、中空円筒状に正極材を成形し有底円筒状に構成した電池ケースの開口部より正極材を収納し、電池ケースの中間部より開口部近傍の中空円筒状
である正極材の内壁を保持し、電池ケースの開口部側より正極材に押圧をかけ、電池ケースの中間部より有底部近傍側の保持していない正極材の内壁にクラックを成形することにより、電池ケースの有底部から中間部位置付近までの量を注液した電解液を効率よく、正極材の内壁のクラックから含浸可能となり、吸液含浸時間の削減が可能となる。
本発明の第7の発明においては、有底円筒形状の電池ケースの開口部より中空円筒状の正極材とゲル状の負極材とを筒状のセパレータを介して電解液とともに収納した後、電池ケースの開口部に封口体を載置して、かしめ封口する乾電池の製造装置において、正極材を収納した電池ケースを搬入する搬入部と搬入した電池ケースを保持するカートリッジと電池ケースに収納された正極材の中空部に挿入する挿入ピンと正極材に押圧をかける上パンチと電池ケースの有底部より押圧の反力を支える下パンチと次工程に搬送する搬送部とで構成したことにより、電池ケースの有底部から中間部位置付近までに位置する正極材の内壁のクラックを効率よく形成することが可能で、生産性の向上が可能となる。
本発明の第8の発明においては、挿入ピンの胴体部の直径より先端部の直径が細い構成にしたことにより、正極材の内壁を保持する部分と保持しない部分を設け、正極材の電解液が接する部分のみにクラックを容易に成形することが可能となる。
本発明の第9の発明においては、挿入ピンの形状がテーパー状である構成にしたことにより、電池ケースの有底部近傍に配置した正極材の内壁に電解液の流入促進を向上できるクラックを容易に成形することが可能となる。
本発明の第10の発明においては、挿入ピンに回転を掛けながら、正極材より離脱する構成にしたことにより、正極材より挿入ピンを効率よく、正極材にダメージなく抜くことが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態であるアルカリマンガン乾電池の構成について、図を参照して説明する。図1に示すように、有底部10に正極凸部6を設け有底円筒状に形成した正極端子一体型の電池ケース1に電池ケース1の内周面に接する中空円筒形状に圧縮成形した正極材2が収容され、この正極材2の内壁方向に底部セパレータ5と筒状セパレータ3で隔てられた電解液(図示せず)とゲル状の負極材4が収容されている。
また、正極材2の内壁の表面に電解液を流入促進および電解液の保持を行うためのクラック13が成形されている。さらに、電池ケース1の開口端は絶縁ガスケット7を介して、封口板8によって封口されると共にゲル状の負極材4に挿入した負極集電棒9を接続し負極端子となる封口板8が取り付けられて円筒形のアルカリマンガン乾電池11を構成している。
アルカリマンガン乾電池11の品種により収納する中空円筒形状に圧縮成形した正極材2を複数個積み重ねて収納し、本発明の一実施の形態においては電池ケース1内に4個の正極材2を収納する。なお、電池ケース1の高さに合わせて、複数個、例えば2〜6個の正極材2を入れてもよい。電池ケース1の高さが低い場合、例えば正極材2の高さと電池ケース1の高さとがほぼ同等の場合など、1個の正極材2の収納となる。
さらに、本発明の実施の形態に関わる乾電池の構成および製造方法について、説明する。以下に示される構成および製造方法については、本発明を説明するために掲げた例えば外径14mm、高さ50mmのアルカリマンガン乾電池であるLR6として一例を示すものであって、本発明の乾電池の構造を下記のものに特定するものではない。また、中空状に圧縮成形した正極材の形状は円筒状または方形でよい。
まず、図1に示すように有底円筒状に形成した電池ケース1の有底部10には、正極端子となる外方に向けて突出した正極凸部6が設けられ、電池ケース1内に、粉末状の正極合剤を中空円筒状に圧縮成形した正極材2を電池ケース1の内周面に接した状態で挿入し収納する。また、アルカリマンガン乾電池11の品種により収納する中空円筒状の正極材2を複数個収納し、本発明の一実施の形態においては電池ケース1内に4個の正極材2を収納する。
なお、正極合剤は二酸化マンガンと黒鉛とを90:10の重量比で混合した混合物とアルカリ電解液とを100:3の重量比で混合し、十分に攪拌した後、フレーク状に圧縮成形した。また、アルカリ電解液には、40重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用い、フレーク状の正極合剤を粉砕して粉末状にしてふるいによって分級し、10〜100メッシュのものを中空円筒形状に圧縮成形して正極材2を作製した。
ここで電池ケース1に収納された正極材2に電池ケース1の開口部より押圧をかける。正極材2に圧縮力が作用し、縦方向および横方向に分散された押圧が正極材2の表面に微細な割れ目であるクラックを成形し、本願の電解液の流入促進および電解液の保持を行うためのクラックを成形する。
次に、底部セパレータ5が筒状セパレータ3を包み込んだ状態で正極材2の内壁に密着させて装着する。なお、底部セパレータ5はイオンのみを透過する微孔性フィルムとして再生セルロースを用い、その両面に化学繊維からなる不織布をラミネートしており、0.02から0.3mm厚みである。
その後、図1の構造を表示したように電解液(図示せず)を注液した後、吸液含浸する時間放置する。電解液は筒状セパレータ3および底部セパレータ5を透過して正極材2の内壁に接触する。正極材2の内壁に接触した電解液は成形したクラックより正極材2の内部へと流入し、正極材2の内部に保持される。
多くの電解液を吸液含浸した正極材2は放電時、電解液が枯れることなく活物質が利用される。このことで活物質の有効利用率が向上し、高負荷放電性能が向上した乾電池となる。
次にゲル状になった負極材4を注入した後、周縁に絶縁ガスケット7が装着され中央部に負極集電棒9を設けた負極端子となる封口板8の負極集電棒9を負極材4に挿入しながら、電池ケース1の開口部に装着して、電池ケース1の開口部を内側方向に折り曲げてかしめ封口し密閉した乾電池を作製する。
なお、ゲル状の負極材4はゲル化剤としてポリアクリル酸ナトリウムと、アルカリ電解液として40重量%の水酸化ナトリウム水溶液と、負極活物質として亜鉛粉末とを1:33:66の重量比で混合している。
(実施の形態)
以下に、本発明の実施の形態について、図を参照しながら説明する。図2(a)に示すように粉末状の正極合剤21が充填され、図2(b)に示すように正極合剤21が圧縮成形されて、図3に示す圧縮成形した正極材2を電池ケース1に収納して次工程に搬送する。
次工程では、図4に示すように電池ケース1を搬入する搬入部である搬入コンベア41がカートリッジ33に接続され、カートリッジ33には正極材2の内壁12にクラック13を成形するクラック成形部30が配置されている。駆動部42でカートリッジ33を駆
動し、カートリッジ33の出口には搬送部である電池ケース1を搬送する搬送コンベア43が接続され、次工程に搬送される。
次工程で図1に示すようにクラック13を内壁12に成形した正極材2の中空部に底部セパレータ5と筒状セパレータ3とが装着された後、電解液(図示せず)を注液し、ゲル状の負極材4を収容する。その後、電池ケース1の開口端は絶縁ガスケット7を介して、ゲル状の負極材4に挿入した負極集電棒9を接続し負極端子となる封口板8を載置し、電池ケース1の開口端をかしめ封口してアルカリマンガン乾電池11を作製する。
図2(a)は、粉末状の正極合剤21を成型金型であるダイス22に充填した時の正面の概略断面図である。中空状のダイス22内に成型下パンチ24を配置し、成型下パンチ24の中央部より円柱形状のセンターピン3を突き出した位置で配置する。ダイス22と成型下パンチ24とセンターピン23で構成した筒状の空間に規定量の正極合剤21を充填する。
その後、図2(b)に示すようにダイス22の開口部より成型上パンチ25を挿入し、成型上パンチ25と成型下パンチ24が近づく方向に移動させて、正極合剤21に加重をかけ、高密度な中空円筒状に圧縮成形した正極材2を作製した。次に成型上パンチ25をダイス22より離脱させ、成型下パンチ24を突き上げて、正極材2をダイス22より取り出した後、図3に示すように正極材2をアルカリマンガン乾電池11の品種により異なるが、本実施の形態では4個を電池ケース1に収納し、次工程に搬送する。
次工程の乾電池の製造装置で、図4に示すように正極材2を収納した電池ケース1が搬入コンベア41により搬入され、カートリッジ33に搬入した電池ケース1がクラック成形部30の位置まで搬送されて、クラック成形部30では図5に示すようにカートリッジ33の孔内に配置した電池ケース1の有底部10側より下パンチ34で支え、挿入ピン31を電池ケース1に収納した正極材2の中空部内に挿入する。
挿入ピン31は図6に示すように先端部31aが胴体部31bより細い形状が好ましく、境界部31cの位置で正極材2のクラック13を成形する個所を制御することが可能となる。即ち、境界部31cを先端部31aの先端に近づけることで、クラック13の成形する個所が電池ケースの中間部より有底部10の近傍側の方向に近づくこととなる。
図5に示すように挿入ピン31の胴体部31bの外径を正極材2の内径に近い寸法とし、電池ケース1の中間部より開口部近傍に位置する中空円筒状である正極材2の内壁12を保持し、境界部31cは電池ケース1の中間部、例えば収納した正極材2の半分の高さ位置になる位置で配置している。即ち、4個収納した正極材2の2個目と3個目の間に位置する位置で境界部31cを配置し、図5の挿入ピン31では先端部31aは先端が細くなるテーパー形状をしている。この挿入ピン31の形状により挿入ピン31の胴体部31bと正極材2の内壁12とが接触している箇所と、先端部31aでは正極材2の内壁12と接触していない個所とになる。
次に上パンチ32で正極材2に押圧をかける。正極材2にかけた押圧は圧縮力として作用し、電池ケース1の有底部10を介して下パンチ34で反力として支えられ、正極材2の中で分散される。縦方向の押圧は下パンチ34で反力として支えられ、横方向に分散した押圧である正極材2の外径方向に作用した押圧は電池ケース1の内径で反力として支えられる。
また、正極材2の内径方向に作用した押圧は、挿入ピン31の胴体部31bと正極材2の内壁12とが接触している箇所において、挿入ピン31の胴体部31bの外径で反力と
して支えられ、テーパー形状の先端部31aでは正極材2の内壁12と接触していない個所とになるので、反力として支えられない。
挿入ピン31の胴体部31bでは、正極材2の内径方向に作用した押圧が胴体部31bの外径が反力として支えられて、クラック13を成形しないが、挿入ピン31の先端部31aでは、反力として支える部分がないため、押圧が正極材2の内径方向に作用し、正極材2の内壁12にクラック13を成形する。
その後、上パンチ32を正極材2の離接方向に移動し、挿入ピン31も正極材2の内径より抜く。この際、挿入ピン31に回転を掛けながら抜くことにより、挿入ピン31が正極材2より容易に抜くことが可能となる。
図7は、正極材2の4個のうち、2個の正極材2の内壁12にクラック13を成形した正極材2を収納した電池ケース1の断面図を示す。
この電池ケース1を次工程において、底部セパレータ5が筒状セパレータ3を包み込んだ状態で正極材2の内壁12に密着させて装着後、電池ケース1の開口部より電解液を電池ケース1の有底部10から中間位置付近までの量を注液する。吸液含浸する時間放置した正極材2の内壁12に筒状セパレータ3および底部セパレータ5を透過した電解液が接触し、正極材2の内壁12に接触した電解液が成形したクラック13より正極材2の内部へと流入し、正極材2の内部に保持される。
このように正極材2の表面に電解液を流入促進および電解液の保持を行うためのクラック13を成形したにより、吸液含浸量が少なくなる傾向が抑制され、乾電池の放電時に電解液が枯れることを抑制し、電池ケース内の活物質の利用率を向上させて放電性能を向上させることが可能となる。また、高密度に中空状に圧縮成形した正極材2にも関わらず、電解液の流入促進されているため、吸液含浸時間の長時間を要することがなくなり短縮が図れ、生産性の向上が可能となる。
また、従来のような高強度の合剤粒102を作る工程が不要になるため、乾電池の生産性を向上させることができる。なお、本発明の実施の形態における乾電池は、アルカリマンガン乾電池、マンガン乾電池、ニッケル系一次電池(代表例として、オキシライド乾電池が挙げられる)などがある。また、乾電池の形状については、円筒形と角形の形状の乾電池に適用できる。
本発明の乾電池は、高密度に圧縮成形された正極材への電解液の流入促進および保液性を向上したことで、放電性能と生産性を向上させることができるため、強負荷の放電性能を必要とされる電子機器や多く市場に普及してきている消費電力の大きな高負荷機器の対応した乾電池として有用である。
本発明の一実施の形態における乾電池の半断面正面図 (a)本発明の一実施の形態における正極合剤を充填した模式図、(b)同正極材の成形した模式図 本発明の一実施の形態における電池ケースと圧縮成形した正極材の模式断面図 本発明の一実施の形態における乾電池の製造装置の模式図 本発明の一実施の形態におけるクラックを成形する模式図 本発明の一実施の形態における別の挿入ピンの模式図 本発明の一実施の形態におけるクラックを成形した正極材と電池ケースの断面図 従来の正極材の正面の概略断面図および局部拡大図
符号の説明
1 電池ケース
2 正極材
3 筒状セパレータ
4 負極材
5 底部セパレータ
6 正極凸部
7 絶縁ガスケット
8 封口板
9 負極集電棒
10 有底部
11 アルカリマンガン乾電池
12 内壁
13 クラック
21 正極合剤
22 ダイス
23 センターピン
24 成型下パンチ
25 成型上パンチ
30 クラック成形部
31 挿入ピン
31a 先端部
31b 胴体部
31c 境界部
32 上パンチ
33 カートリッジ
34 下パンチ
41 搬入コンベア
42 駆動部
43 搬送コンベア


Claims (9)

  1. 正極材と、負極材と、この正極材と負極材と間に介在されたセパレータと電解液を電池ケースに収納し、前記電池ケースの開口部を封口体で密閉した乾電池において、前記正極材を中空状に圧縮成形し、前記正極材の内壁に電解液を流入促進および電解液の保持を行うためのクラックを成形したことを特徴とする乾電池。
  2. 二酸化マンガンからなる中空円筒状に圧縮成形した正極合剤を用いた正極材を有底円筒状からなる電池ケースに収納し、前記電池ケースの中間部より有底部近傍側の前記正極材の内壁にクラックを成形したことを特徴とする請求項1記載の乾電池。
  3. 複数個からなる中空円筒状の正極材を有底円筒状の電池ケースに収納し、前記電池ケースの中間部より有底部近傍側に位置する正極材の内壁にクラックを成形したことを特徴とする請求項1記載の乾電池。
  4. 有底形状からなる電池ケースに正極材と負極材とそれらの間にセパレータを介入して収納後、電解液とともに収納し封口体を介してかしめ封口する乾電池の製造方法において、正極合剤を中空状に圧縮成形して正極材を構成し前記電池ケース内に収納後、前記正極材に押圧をかけて正極材の内壁に電解液を流入促進および電解液の保持を行うためのクラックを成形することを特徴とする乾電池の製造方法。
  5. 中空円筒状に前記正極材を成形し有底円筒状に構成した前記電池ケースの開口部より前記正極材を収納し、前記電池ケースの中間部より開口部近傍の中空円筒状である前記正極材の内壁を保持し、前記電池ケースの開口部側より前記正極材に押圧をかけ、前記電池ケースの中間部より有底部近傍側の保持していない前記正極材の内壁にクラックを成形することを特徴とする請求項に記載の乾電池の製造方法。
  6. 有底円筒形状の電池ケースの開口部より中空円筒状の正極材とゲル状の負極材とを筒状のセパレータを介して電解液とともに収納した後、前記電池ケースの開口部に封口体を載置して、かしめ封口する乾電池の製造装置において、前記正極材を収納した電池ケースを搬入する搬入部と搬入した前記電池ケースを保持するカートリッジと前記電池ケースに収
    納された正極材の中空部に挿入する挿入ピンと前記正極材に押圧をかける上パンチと前記電池ケースの有底部より押圧の反力を支える下パンチと次工程に搬送する搬送部とで構成したことを特徴とする乾電池の製造装置。
  7. 前記挿入ピンの胴体部の直径より先端部の直径が細い構成にしたことを特徴とする請求項に記載の乾電池の製造装置。
  8. 前記挿入ピンの形状がテーパー状である構成にしたことを特徴とする請求項に記載の乾電池の製造装置。
  9. 前記挿入ピンに回転を掛けながら、前記正極材より離脱する構成にしたことを特徴とする請求項に記載の乾電池の製造装置。
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