JP5235278B2 - 潤滑剤組成物 - Google Patents

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本発明は、機械の転がりおよび/または滑りの摺動部において特に流体潤滑領域から弾性流体領域にて理想的な潤滑性が得られる新規な潤滑剤組成物に関するものである。
自動車産業を初めとして各種産業機械の摺動部ならびに回転部においては、何らかの潤滑基材が使われているが、中でもシール構造を簡略化でき、装置を小型でコンパクトにできるグリース潤滑方式を採用している機械は非常に多い。例えば回転体を支える各種ころがり軸受やすべり軸受を初め、送りネジ構造を有するすべりネジやボールネジ及び、直動構造を有するリニヤガイドや、リンク構造を有するボールジョイントならびに各種歯車等々、使用範囲は極めて広く、またその要求品質も年々向上し、要求される性能も高度になり且つ様々な仕様を付加して差別化を計った機械が多くなっている。
これらの機械の品質ならびに特性の向上は、設計で対応する部分も多いが、摺動部においての耐摩耗性や摩擦特性などの潤滑性能は潤滑剤が大きく関係しており、円滑な潤滑を機械に与え、機械寿命の延長や信頼性の向上を図れる潤滑剤の要求は非常に多い。
潤滑油やグリースの摩擦特性や耐摩耗性の向上或いは焼付を防止する手段としては、潤滑油やグリースに耐摩耗剤や固体潤滑剤又は極圧添加剤等の耐荷重添加剤を配合することが積極的に行われており、例えば、固体潤滑剤としては、二硫化モリブテン、二硫化タングステン、窒化ホウ素、窒化ケイ素、グラファイト、フッ化カリウム、フッ化黒鉛、メラミンシアヌレートなどがあり潤滑グリースの添加剤として広く用いられている。
これらの固体潤滑剤の相対運動をする二面間における潤滑機構としては、例えば、二硫化モリブテンやグラファイトを固体潤滑剤として用いた場合、相対運動をする機械の二面間に介入したこれらの固体潤滑剤は、幾層にも重なる層状構造が二面間の相対滑りにより、摺動方向にずれる事により(へき開性が起る事により)機械の二面間の摩擦や摩耗を低減したり、焼付きを抑制したりする作用機構が一般的である。しかしながら、この潤滑機構は相対滑りが多く発生する環境及び比較的高荷重領域にて効果が大きく、滑り速度の少ないころがり領域や、軽荷重の領域では、その効果は小さい。いわゆる、ストライベック曲線上から説明するならば、弾性流体潤滑領域から境界潤滑領域で、これらの固体潤滑剤の効果は大きく発揮され、弾性流体潤滑領域から流体潤滑領域では、その効果が小さいのが通常である。
これは、固体潤滑剤に限らず、リン系やイオウ系、有機金属系などの極圧および耐摩耗添加剤も同様に弾性流体潤滑領域から境界潤滑領域で効果は大きく、弾性流体潤滑領域から流体潤滑領域での効果は小さい。これは金属等の相対運動をする二面間が接触する境界潤滑領域にてリンやイオウなどの元素が積極的に金属表面と化学反応を起こすことにより、皮膜を形成させ、耐摩耗性の向上や焼付を防止するなどの機能を発揮させるため、相対運動をする二面間において十分な流体が存在し、接触面での発熱の影響も殆どない状態では、その作用は非常に小さい。また、相対運動をする二面の一方もしくは両方が樹脂ないしは樹脂をコーティングした不活性材料においては、添加剤の吸着または反応による皮膜が形成されず、リン系やイオウ系または有機金属系などの極圧および耐摩耗添加剤の効果は殆ど発揮されない。
これら、弾性流体潤滑領域から流体潤滑領域では、界面に存在する潤滑剤の粘度が支配的であり、また潤滑に係る機械設計の基本は、相対運動をする機械部品の摺動部を如何にして流体膜を存在させるかが設計の基本であるがゆえに、機械の潤滑構造の殆どが転がり機構を用いていたり、滑り機構を用いた機械部品においては、強制的に潤滑油の供給や噴霧、または、グリース潤滑においては、給脂溝をつけてグリース溜まりを設けるなど、より流体潤滑領域で稼動出来るように積極的な機械構造になっているのが一般的である。
したがって、潤滑油の基本は、流体潤滑領域から弾性流体潤滑領域で、効果的にその潤滑性を発揮するかが非常に重要なことであり、この領域での特性を如何に効果的に発揮させ、継続維持できれば、機械の潤滑性は向上し、総合的な機械寿命の延長が図れ尚且つ、機械が過酷な稼動状態に変化した場合や潤滑不足などにより機械部品が境界潤滑領域に移行した場合においても、流体潤滑領域から弾性流体潤滑領域において十分な潤滑性能が兼ね備わっていれば、総合的に安定した理想的な潤滑性が得られ、機械寿命の延長が図れる。
従来、固体潤滑剤や粒子状潤滑化合物をグリースや潤滑油に配合して耐摩耗性や極圧性などの潤滑性の向上に寄与する技術は多く存在するが、これはそもそも、相対運動をする二面間に介入した固体粉末が、例えば、軸受のボールベアリングの様な働き、または、ゴム弾性のような働きにより、二面間の金属接触を抑制し、摩耗を防止したり焼付を防止したりと言う技術が一般的である。
しかし、本発明は、潤滑油に混合された粒子状物質が、界面に介入した時にその界面の圧力により粒子が膨潤、ゲル化し、粘度が増加する作用を見出し、その機能を有する粒状物質に限って、境界面の油膜が強化され、金属接触を抑制し、摩耗や焼付を防止する事を発見したものであり、従来までの技術とは全く異なる。
従来の技術では、潤滑油やグリースの境界面の油膜を向上させる場合は、粘度の高い潤滑基油や或いはポリマー等の高粘度物質を配合する技術が一般的である、しかし、この方法の場合は、おのずと潤滑剤およびグリースの粘度そのものが大きくなり、使用する時点で既に、構造粘性は大きく、流動性は悪化し、機械の始動性や低温性に影響を及ぼし、エネルギーロスが大きく環境に対しても時代とは逆行する状況となる。
本発明の潤滑剤組成物においては、初期の状態では、粒子状物質は潤滑油およびグリースに分散しているのみであり、この段階では、構造粘性は小さい状態を保っており、粒子状物質を混合する前の潤滑油やグリースの粘性とそれほど変わりはなく、容易に流動する事から、省エネルギー効果が悪化する事はない。そして、機械の潤滑個所である、二面間に介入した場合にのみに、本発明の増粘粒状物質は、境界面の圧力により本来の働きである、膨潤、ゲル化、増粘と言う機能を発揮し、二面間の金属接触を抑制し、摩耗や焼付を防止する効果が得られるものである。ここで、この二面間に介入した本発明の潤滑剤組成物は、使用経過と共に際限なく粘度が増し、潤滑剤全体が硬化をするような事はそもそもない、これは、界面に介在する潤滑剤は、全体のほんの一部であり、また、せん断により増ちょう剤等の構造体が軟化する作用もあるため、潤滑剤組成物全体が硬化の一途をたどる事は無い。
従って、本発明の潤滑剤組成物は、一般式(I)における粘度増加率が560%以上である粒状増粘物質を用いれば、機械部品の二面間に介入した際に、その界面の圧力により潤滑剤の構造粘性が上昇し、油膜が増強され、摩擦や摩耗を抑制し、理想的な潤滑が得られ機械寿命の延長を図ることが可能な技術であり、従来技術とは全く異なるが、粒子状の物質を潤滑剤に応用した文献としては例えば、特許文献1〜6などがある。
特許文献1には、粒径が100オングストローム以下の丸みを帯びた形状のダイヤモンド超々微粒子を潤滑油オイルまたはグリース基材中に分散、含有させた潤滑剤が内燃機関や工作機械等の摺動部において、長期間に亘って潤滑性を具備し、コロイド安定性や化学的に安定であり、摺動部の摩擦抵抗が低下する技術が開示されているが、該特許文献には前記丸みを帯びた形状のダイヤモンド超々微粒子の具体的な特性は何ら開示されていない。
特許文献2には、基油と、ウレア系増ちょう剤と、平均粒径2μm以下の無機化合物からなる粒子とを含有するグリース組成物を封入したことを特徴とする転がり軸受は、焼付寿命が延長される旨の記載が開示されているが、該特許文献には無機化合物からなる粒子の具体的な特性は何ら開示しておらず、またその効果として単に軌道する接触面間の微粒子膜の保護により焼付を防止する効果のみである。
特許文献3には、平均粒径1μm以上30μm以下の六方晶窒化ホウ素を含有するグリース組成物が、等速ジョイント等の自動車部品や高温・高速軸受等において、長期にわたり安定した低い摩擦係数を維持する旨の記載が開示されているが、六方晶窒化ホウ素の特性として粒子相互の凝集が少なく安定した状態を維持し、またその効果として結晶構造に由来した滑りが摩擦を低減するというにすぎない。
特許文献4には、金属石けん系化合物またはウレア化合物からなる増ちょう剤と金属酸化物、粘土鉱物、金属窒化物、金属炭化物から選択される粒径2μm以下の無機系化合物充填剤を含有するグリース組成物は、自動車電装部品、エンジン補機等の軸受において耐はくり性を向上させる旨の記載が開示されているが、該特許文献の無機系化合物充填剤粒子の具体的な特性は何ら開示しておらず、またその効果も耐はくり性を向上させる技術にすぎない。
特許文献5には、潤滑剤に平均粒径50μmを越え300μmまでの緩衝材粒子を含む潤滑剤が、特にウォームなどの小歯車とウォームホイールなどの大歯車の減速機を備えた電動パワーステアリング装置において、歯車の噛みあい合い部分で生ずる歯打ち音を減少させ、減速機の騒音を低減させることが開示されているが、該特許文献の緩衝材粒子とはヤング率と硬さの特性によって歯車の噛みあい合い部分で生ずる歯打ち音を減少させるものにすぎない。
特許文献6には、基油に芳香族エステルおよびチオエーテル油などの基油に、増ちょう剤として粒径が2μm以下の固体粉末を含有させたグリース組成物は、特に転動装置において、160℃を越える高温条件下で使用される器機の焼付性や長寿命に効果のある旨の記載が開示されているが、該特許文献の固体粉末とはカーボンブラックや合成雲母などの単に耐熱性に優れた物質を用いるものであって、この耐熱性によりグリース変化が少なく高温での焼き付け性を改善する技術にすぎない。
特開平5−171169号公報 特開平9−217752号公報 特開平10−102081号公報 特開2004−2696号公報 特開2004−162018号公報 特開2004−352786号公報
本発明は、機械の転がりおよび/または滑りの摺動部において、特に流体潤滑領域から弾性流体領域において、摩擦や摩耗を抑制し理想的な潤滑性を得ることが出来る新規な潤滑剤組成物に関する。
本発明者らは、潤滑油ならびに潤滑グリースの潤滑挙動を潤滑理論に基づいて徹底的に調査し、鋭意研究した結果、油中における増粘効果の認められる粒子状増粘物質を潤滑油および/または、グリースに均質に分散した潤滑剤組成物が、機械の転がりおよび/または滑りの潤滑部位の二面間に介入した際に、その界面の圧力により潤滑剤の構造粘性が上昇し、特に機械要素の多くの稼動環境にある流体潤滑領域から弾性流体領域にて、油膜が増強され、摩擦や摩耗を抑制すると共に理想的な潤滑性が得られ機械寿命の延長を図れることを見出し本発明に至った。また本発明は潤滑油および/または特に潤滑グリースの持つ固有の構造粘性を強固にする事で、油膜を増強しているので、摺動する機械部品の化学特性の影響については無視することができるため、機械部品の材質は、銅や鉄またはアルミおよびこれらの合金などのあらゆる金属材料に加え、ゴムやプラスチック、ガラス、セラミックなどの無極性材料に対しても有効に作用するものであり、非常に画期的な発明である。
即ち、本発明は、粘度増加率が下記一般式(I)で示される条件を満たし、平均粒径が10〜25μmである粒子状物質を、粒子状増粘物質として、フッ素油を含まない潤滑油および/またはグリースに対し、5〜35質量%の割合で混合したものであることを特徴とする潤滑剤組成物に関する。
但し
a:潤滑油に粒子状物質を混合した分散体の
加圧分散処理前の40℃、10sec−1における絶対粘度(ポアズ)
b:潤滑油に粒子状物質を混合した分散体の
加圧分散処理後の40℃、10sec−1における絶対粘度(ポアズ)

であり、該加圧分散処理は、ロール径180mm、ロール幅400mmの3本ロールミル装置を用い、ロール間に147.1kPaの圧力を掛けて分散体を処理するものである。
本発明における一般式(I)のa及びbの分散体に用いる粒子状物質の平均粒径は10〜25μmの範囲とする。a及びbの分散体の分散方法は、300mlのビーカーに潤滑油と粒子状物質の合計量が200gになるように、実施例および比較例に示すような所定の配合割合計量し、マグネティックスターラーを用いて常温で150rpmの攪拌回転数で15分間攪拌するものである。
また、前記加圧分散処理とは、潤滑油やグリースの分散または塗料や顔料あるいは、インキ等の分散処理に広く用いられている3本ロールミル装置にて処理したものであるが、具体的には、ロール径180mm、ロール幅400mmの井上製作所製の3本ロールを用い、ロール間に147.1kPaの圧力を掛けて分散体を処理したものである。
これは、機械の摺動する二面間に介入する潤滑油および/またはグリースがその圧力により構造粘性が上昇する現象と非常に近似した状態になり、粉体の増粘性を見極める上で非常に有効な方法の一つである。
例えば、分散体に内部圧力が生じ、均質に分散する装置としては、2本ロールミル処理装置、ホモジナイザー処理装置、コロイドミル装置、スパイクミル装置、マイティーミル装置、ロッキングミル装置などが挙げられ、このような装置で処理した時の粘度増加率が560%以上を有する粒子状増粘物質も本発明の請求範囲に該当するものである。
一般式(I)のaにおける潤滑油に粒子状物質を混合した分散体の加圧分散処理前およびbにおける潤滑油に粒子状物質を混合した分散体の加圧分散処理後の絶対粘度の測定は、いずれも岩本製作所製のレオロジーメーター(外筒回転型の同心二重円筒式回転粘度計)により、40℃におけるせん断速度10sec−1の粘度を測定したものである。
本発明における粒子状増粘物質としては、一般式(I)の粘度増加率が560%以上のものを用いる粘度増加率が小さいと、界面の圧力上昇に伴う潤滑剤の構造粘性を上昇する作用が少なく、油膜を増強することが難しくなり、摩擦や摩耗を抑制する効果が期待できず理想的な潤滑性能は得らない。
また、本発明における、潤滑油および/またはグリースに対する粒子状増粘物質の含有量は、特に5〜35質量%で効果が大きい。含有量が少なすぎると、著しい増粘効果のある粒子状増粘物質においても、界面の圧力上昇に伴う潤滑剤の構造粘性がそれほど上がらず、効果的な油膜を増強することが難しく、摩擦や摩耗を抑制する効果が期待できない。一方、含有量がすぎると、潤滑に必須な基油成分が少なくなり、界面への潤滑剤の介入が阻害され潤滑不良を起こす原因になると共にコストも嵩む。
本発明における粒子状増粘物質の適正粒度は、潤滑箇所の表面あらさや荷重によって、また粒子の硬さによって変わるが、特に10〜25μmの平均粒径のものが、より最適な効果が得られる。平均粒径が大すぎるとグリースの外観がざらついたり、摺動面への介入がスムーズに行なわれない場合がある。
本発明における粒子状物質とは、一般に言う粉体のことであり、無機物および有機物の何れにも限定されない。具体例としては、無機粉体として、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、第三リン酸カルシウム、硫酸バリウムなどの各種鉱物粉体が挙げられ、有機粉体として、ステアリン酸リチウム、12ヒドロキシステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、12ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの各種金属石鹸粉体や、N,N′−エチレンビスステアリルアミドなどの各種石油ワックス及び各種アミドワックスの粉体、ジウレア、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの各種樹脂粉体が挙げられるが、一般式(1)の条件を満たすものであれば、これらに限定されるものではない。これらの粒子状物質は単独で用いても2種類以上を混合してもよい。
本発明における潤滑油とは、一般的に潤滑基油やグリースの基油として使用される潤滑油を示し、特に限定されるものではないが、例えば、鉱物油又は/及び合成油や植物油等が挙げられる。合成油の具体例としては、α−オレフィンオリゴマーやポリブテン等のポリオレフィン、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、ジ−2−エチルヘキシルセバケートやジ−2−エチルヘキシルアジペート等のジエステル、トリメチロールプロパンエステルやペンタエリスリトールエステル等のポリオールエステル、パーフルオロアルキルエーテル、シリコーン油、ポリフェニルエーテル等であり、また植物油の代表例としては、ひまし油や菜種油等があげられる。これらの基油を単独または混合で使用する場合も含まれるが、これらは単なる例示であって、本発明を限定するものではない。ただし、フッ素油は除く。
本発明におけるグリースとは、潤滑グリースとして使用されるグリースのことであり、特に限定されるものではないが、例えば、リチウムグリース、カルシウムグリース、ナトリウムグリース、バリウムグリース、カルシウムコンプレックスグリース、アルミニウムコンプレックスグリース、リチウムコンプレックスグリース、ベントングリース、クレイグリース、ウレアグリース、Na−テレフタラメートグリース等がある。ただし、フッ素油を基油とするものは除く。
また、本発明の組成物には、さらに酸化防止剤や防錆剤、油性剤や極圧剤並びに耐摩耗剤や固体潤滑剤または金属不活性剤、ポリマー等の添加剤を加えることができる。
例えば、酸化防止剤としては、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジターシャリブチルパラクレゾール、P,P′−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル−α−ナフチルアミン、フェノチアジンなどがある。
防錆剤としては、酸化パラフィン、カルボン酸金属塩、スルフォン酸金属塩、カルボン酸エステル、スルフォン酸エステル、サリチル酸エステル、コハク酸エステル、ソルビタンエステルや各種アミン塩などがある。
油性剤や極圧剤並びに耐摩耗剤としては、硫化ジアルキルジチオリン酸亜鉛、硫化ジアリルジチオリン酸亜鉛、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛、硫化ジアリルジチオカルバミン酸亜鉛、硫化ジアルキルジチオリン酸モリブテン、硫化ジアリルジチオリン酸モリブテン、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブテン、硫化ジアリルジチオカルバミン酸モリブテン、有機モリブテン錯体、硫化オレフィン、トリフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフォロチオネート、トリクレジンフォスフェート、その他リン酸エステル類、硫化油脂類などがある。
固体潤滑剤としては、二硫化モリブテン、グラファイト、窒化ホウ素、メラミンシアヌレート、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、二硫化タングステン、フッ化黒鉛などがある。
金属不活性剤としては、N,N′ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、チアジアゾールなどがある。
ポリマーとしては、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリメタクリレートなどが挙げられる。
これらの例示は発明を何ら限定するものではない。
本発明により、機械の転がりおよび/または滑りの摺動部において特に流体潤滑領域から弾性流体潤滑領域にて理想的な潤滑性が得られ、摩擦や摩耗を抑制し、機械寿命の延長が可能な潤滑剤組成物を提供することができた。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
表1〜3に示す実施例1〜14については、潤滑油と粒子状物質からなる潤滑剤組成物を示したものであるが、具体的な製造方法は、300mlのビーカーに潤滑油と粒子状物質の合計量が200gになるように実施例に示す配合割合にて計量し、マグネティックスターラーを用いて常温で100rpmの攪拌回転数で15分間攪拌した。
この分散体を加圧分散処理前の試料として、岩本製作所製のレオロジーメーター(外筒回転型の同心二重円筒式回転粘度計)を用い、40℃におけるせん断速度10sec−1時の粘度をそれぞれ測定した。次にこの分散体をロール径180mm、ロール幅400mmの井上製作所製の3本ロールを用い、147.1kPaのロール間圧力にて、加圧分散処理し実施例記載の潤滑剤組成物を得た。
加圧分散処理後の潤滑剤組成物の絶対粘度を同様に岩本製作所製のレオロジーメーター(外筒回転型の同心二重円筒式回転粘度計)を用い、40℃におけるせん断速度10sec−1時の粘度をそれぞれ測定した。得られた、分散体の粘度増加率は実施例1〜14に記載したとおりである。
実施例1〜14記載の潤滑剤組成物は、全て半固体のグリース状で、適度な硬さのちょう度の値を示し良好な状態である。また、すべり摩擦試験における摩擦係数が低く、耐久回数も非常に長く、優れている。更に、ころがり軸受試験においても良好な潤滑状態を示す。
表3〜6に示す実施例15〜34については、グリースと粒子状物質からなる潤滑剤組成物を示したものであるが、あらかじめ製造したグリースに粒子状物質を添加したものである。具体的な製造方法として、実施例15〜20のリチウム系グリースについては、内容量3.0kgのグリース専用の製造装置を用い、潤滑剤組成物の合計量が1000gになるように、基油、増ちょう剤原料および粒子状物質を実施例に示す配合割合にて計量した。実施例15、16、19に記載のリチウム石けんグリースの場合は、グリース製造釜内に基油とステアリン酸および水酸化リチウムと少量の水を張込み、密封し、攪拌加熱しながらけん化反応させ、150℃で脱水後、更に215℃まで加熱し、内容物を溶解させる。その後、一定の速度にて冷却し、石けん繊維を成長させた後、ホモジナイザー処理にてリチウム石けんグリースを得た。次に再びグリース製造釜に、得られたリチウム石けんグリースを張込み、所定の配合量の粒子状物質を添加し、常温で30rpmの回転数で10分間攪拌後、脱泡処理し、実施例15、16、19の潤滑剤組成物を得た。また、実施例17、18、20に記載のリチウム12ヒドロキシ石けんグリースの場合は、原料の脂肪酸に12ヒドロキシステアリン酸を用いて、リチウム石けんグリースの場合と同様なグリースの製造方法にてグリースを得て、所定の配合量の粒子状物質を添加し、常温で30rpmの回転数で10分間攪拌後、脱泡処理し、実施例17、18、20の滑剤組成物を得た。
実施例21〜26のウレアグリースについては、内容量3.0kgのグリース専用の製造装置を用い、潤滑剤組成物の合計量が1000gになるように、基油、増ちょう剤原料および粒子状物質を実施例に示す配合割合にて計量した。次に、グリース製造釜内に基油とMDI(4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)を張込み、加熱攪拌しなが60℃まで昇温させ、あらかじめ基油に混合溶解させたオクチルアミンを張り込み激しく反応させ、更に180℃まで昇後、一定の速度にて冷却し、ホモジナイザー処理にてウレアグリースを得た。次に再びグリース製造釜に、得られたウレアグリースを張込み、所定の配合量の粒子状物質を添加し、常温で30rpmの回転数で10分間攪拌後、脱泡処理し、実施例21〜26の潤滑剤組成物を得た。
実施例27〜28のナトリウムテレフタラメートグリースについては、内容量3.0kgのグリース専用の製造装置を用い、潤滑剤組成物の合計量が1000gになるように、基油、増ちょう剤原料および粒子状物質を実施例に示す配合割合にて計量した。次に、グリース製造釜内に基油とNオクタデシルテレフタル酸メチルを張込み、加熱攪拌しなが90℃の温度にて、あらかじめ水に攪拌分散しておいた水酸化ナトリウム懸濁液を同釜内に張込み、徐々に加熱攪拌しながら反応させ、170℃の温度まで昇温させる。その後、一定の速度にて冷却し、ホモジナイザー処理にてナトリウムテレフタラメートグリースを得た。次に再びグリース製造釜に、得られたナトリウムテレフタラメートグリースを張込み、所定の配合量の粒子状物質を添加し、常温で30rpmの回転数で10分間攪拌後、脱泡処理し、実施例27〜28の潤滑剤組成物を得た。
実施例29〜34のベントナイトグリースについては、内容量3.0kgのグリース専用の製造装置を用い、潤滑剤組成物の合計量が1000gになるように、基油、増ちょう剤原料および粒子状物質を実施例に示す配合割合にて計量した。次に、グリース製造釜内に基油とベントナイトおよびゲル化を促進させるべく有機溶媒を張込み、加熱攪拌しなが徐々に150℃まで昇温させ、十分に有機溶媒を気化させると共に均質に分散膨潤させる、その後、一定の速度にて冷却し、ホモジナイザー処理にてベントナイトグリースを得た。次に再びグリース製造釜に、得られたベントナイトグリースを張込み、所定の配合量の粒子状物質を添加し、常温で30rpmの回転数で10分間攪拌後、脱泡処理し、実施例29〜34の潤滑剤組成物を得た。
尚、実施例15〜34に記載の加圧分散処理前の10sec−1における分散体の絶対粘度および加圧分散処理後の10sec−1における分散体の絶対粘度とは、実施例1〜14の加圧分散処理前の試料の製造方法ならびに加圧分散処理後の試料の製造方法に従い、実施例15〜34に示した、潤滑油と分散体の配合割合にて計量、混合、分散または処理後に、同岩本製作所製のレオロジーメーター(外筒回転型の同心二重円筒式回転粘度計)を用い、40℃におけるせん断速度10sec−1時の粘度をあらかじめ測定したものである。
実施例15〜34記載の潤滑剤組成物は、全て半固体のグリース状で、適度な硬さのちょう度の値を示し外観も良好な状態であった。また、すべり摩擦試験における摩擦係数が低く、耐久回数を非常に長く優れている。更に、ころがり軸受試験においても良好な潤滑状態を示す。
表7〜8に示す比較例1〜10については、潤滑油と粒子状物質からなる潤滑剤を示したものであるが、具体的な製造方法は、300mlのビーカーに潤滑油と粒子状物質の合計量が200gになるように比較例に示す配合割合にて計量し、マグネティックスターラーを用いて常温で100rpmの攪拌回転数で15分間攪拌した。
この分散体を加圧分散処理前の試料として、岩本製作所製のレオロジーメーター(外筒回転型の同心二重円筒式回転粘度計)を用い、40℃におけるせん断速度10sec−1時の絶対粘度をそれぞれ測定した。次にこの分散体をロール径180mm、ロール幅400mmの井上製作所製の3本ロールを用い、147.1kPaのロール間圧力にて、加圧分散処理し比較例記載の潤滑剤を得た。
加圧分散処理後の潤滑剤の絶対粘度を同様に岩本製作所製のレオロジーメーター(外筒回転型の同心二重円筒式回転粘度計)を用い、40℃におけるせん断速度10sec−1時の粘度をそれぞれ測定した。得られた、分散体の粘度増加率は比較例1〜10に記載したとおりである。
比較例1〜10に記載の潤滑剤の全てが、グリース状態は示さず流動状であり、ちょう度及び滴点も測定不可能であった。また、すべり摩擦試験における摩擦係数は大きく、耐久回数も非常に短い。更に、ころがり軸受試験においても不良な潤滑状態を示す。
表8〜9に示す比較例11〜18については、グリースと粒子状物質からなる潤滑剤を示したものであるが、あらかじめ製造したグリースに粒子状物質を添加したものである。具体的な製造方法として、比較例11〜13のリチウム系グリースについては、内容量3.0kgのグリース専用の製造装置を用い、潤滑剤の合計量が1000gになるように、基油、増ちょう剤原料および粒子状物質を比較例に示す配合割合にて計量した。リチウム石けんグリースの場合は、グリース製造釜内に基油とステアリン酸および水酸化リチウムと少量の水を張込み、密封し、攪拌加熱しながらけん化反応させ、約150℃で0.35MPaの圧力まで上昇させる。その後、徐々に脱水し、更に215℃まで加熱し内容物を溶解させる。その後、一定の速度にて冷却し、石けん繊維を成長させた後、ホモジナイザー処理にてリチウム石けんグリースを得た。次に再びグリース製造釜に、得られたリチウム石けんグリースを張込み、所定の配合量の粒子状物質を添加し、常温で30rpmの回転数で10分間攪拌後、脱泡処理し、比較例11に記載の潤滑剤を得た。また、比較例12〜13に記載のリチウム12ヒドロキシ石けんグリースの場合は、原料の脂肪酸に12ヒドロキシステアリン酸を用いて、リチウム石けんグリースの場合と同様なグリースの製造方法にてグリースを得て、その後、比較例12は、所定の配合量の粒子状物質を添加し、常温で30rpmの回転数で10分間攪拌後、脱泡処理し、比較例12に記載の潤滑剤を得た。比較例13はグリース製造後に粒子状物質は添加していない潤滑剤である。
比較例14および16のウレアグリースについては、内容量3.0kgのグリース専用の製造装置を用い、潤滑剤組成物の合計量が1000gになるように、基油、増ちょう剤原料および粒子状物質を実施例に示す配合割合にて計量した。次に、グリース製造釜内に基油とMDI(4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)を張込み、加熱攪拌しなが60℃まで昇温させ、あらかじめ基油に混合溶解させたオクチルアミンを同釜内に張り込み激しく反応させ、更に180℃まで昇後、一定の速度にて冷却し、ホモジナイザー処理にてウレアグリースを得た。その後、比較例16は、所定の配合量の粒子状物質を添加し、常温で30rpmの回転数で10分間攪拌後、脱泡処理し、比較例16に記載の潤滑剤を得た。比較例14はグリース製造後に粒子状物質は添加していない潤滑剤である。
比較例15および17のナトリウム−N−テレフタラメートグリースについては、内容量3.0kgのグリース専用の製造装置を用い、潤滑剤組成物の合計量が1000gになるように、基油、増ちょう剤原料および粒子状物質を実施例に示す配合割合にて計量した。次に、グリース製造釜内に基油とNオクタデシルテレフタル酸メチルを張込み、加熱攪拌しなが90℃の温度にて、あらかじめ水に攪拌分散しておいた水酸化ナトリウム懸濁液を同釜内に張込み、徐々に加熱攪拌しながら反応させ、170℃の温度まで昇温させた後、一定の速度にて冷却し、ホモジナイザー処理にてナトリウム−N−テレフタラメートグリースを得た。その後、比較例17は、所定の配合量の粒子状物質を添加し、常温で30rpmの回転数で10分間攪拌後、脱泡処理し、比較例17に記載の潤滑剤を得た。比較例15はグリース製造後に粒子状物質は添加していない潤滑剤である。
比較例18のベントナイトグリースについては、内容量3.0kgのグリース専用の製造装置を用い、潤滑剤組成物の合計量が1000gになるように、基油、増ちょう剤原料および粒子状物質を実施例に示す配合割合にて計量した。次に、グリース製造釜内に基油とベントナイトおよびゲル化を促進させるための有機溶媒を張込み、加熱攪拌しなが徐々に150℃まで昇温させ、十分に有機溶媒を気化させると共に均質に分散膨潤させる、その後、一定の速度にて冷却し、ホモジナイザー処理にてベントナイトグリースを得た。次に再びグリース製造釜に、得られたベントナイトグリースを張込み、所定の配合量の粒子状物質を添加し、常温で30rpmの回転数で10分間攪拌後、脱泡処理し、実施例29〜34の潤滑剤組成物を得た。
尚、比較例11〜18に記載の加圧分散処理前の10sec−1における分散体の絶対粘度および加圧分散処理後の10sec−1における分散体の絶対粘度とは、比較例1〜10の加圧分散処理前の試料の製造方法ならびに加圧分散処理後の試料の製造方法に従い、比較例11〜18に示した、潤滑油と分散体の配合割合にて計量、混合、分散または処理後に、同岩本製作所製のレオロジーメーター(外筒回転型の同心二重円筒式回転粘度計)を用い、40℃におけるせん断速度10sec−1時の粘度をあらかじめ測定したものである。
比較例11〜18に記載の潤滑剤組成物は、グリース状態を示すものの、すべり摩擦試験における摩擦係数は大きく、耐久回数も非常に短い。
なお、下記表1〜9における潤滑油、増ちょう剤、粒子状物質、それらの合計の欄における数字は、いずれも質量%を示す。
<表1〜表9記載の潤滑油A〜Cについて>
潤滑油Aは、40℃の動粘度が101.5mm/sの鉱物油である。
潤滑油Bは、40℃の動粘度31.16mm/sのポリα−オレフィン油である。
潤滑油Cは、40℃の動粘度62.20mm/sのポリオキシプロピレングリコールモノエーテル油である。
<表1〜表9記載の増ちょう剤A〜Eについて>
増ちょう剤Aは、基油中で、ステアリン酸と水酸化リチウムとの反応により得られたリチウムステアレ−ト石けんである。
増ちょう剤Bは、基油中で、12ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウムとの反応で得られたリチウム12ヒドロキシステアレ−ト石けんである。
増ちょう剤Cは、基油中でオクチルアミン2モルとMDI(4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)1モルの合成反応により得られたジウレア増ちょう剤である。
増ちょう剤Dは、基油中でNオクタデシルテレフタル酸メチルと水酸化ナトリウムとの合成反応により得られたナトリウム−N−オクタデシルテレフタラメート増ちょう剤である。
増ちょう剤Eは、基油中でベントナイトを有機溶媒で膨潤しゲル化させて得られたベントナイト増ちょう剤である。
<表1〜表6記載の粒子状物質A〜Mについて>
粒子状物質Aは平均粒径10μmの工業用市販品のステアリン酸リチウム塩である。
粒子状物質Bは平均粒径10μmの工業用市販品の12ヒドロキシステアリン酸リチウム塩である。
粒子状物質Cは平均粒径10μmの工業用市販品のステアリン酸カルシウム塩である。
粒子状物質Dは平均粒径15μmの工業用市販品の12ヒドロキシステアリン酸カルシウム塩である。
粒子状物質Eは平均粒径10μmの工業用市販品のステアリン酸アルミニウム塩である。
粒子状物質Fは平均粒径10μmの工業用市販品のステアリン酸マグネシウム塩である。
粒子状物質Gは平均粒径20μmのMEK(メチルエチルケトン)の溶媒中にてオクチルアミン2モルと4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート1モルにより合成したジウレアである。
粒子状物質Hは平均粒径10μmの工業用市販品のポリテトラフルオロエチレンである。
粒子状物質Iは平均粒径25μmの工業用市販品のN,N′エチレンビスステアリルアミドである。
粒子状物質Jは平均粒径15μmの工業用市販品のベントナイトである。
粒子状物質Kは平均粒径15μmの一級試薬のケイ酸アルミニウムである。
粒子状物質Lは平均粒径10μmの一級試薬の第三リン酸カルシウムである。
粒子状物質Mは平均粒径10μmの一級試薬の硫酸バリウムである。
<表7〜表9記載の粒状物質N〜Wについて>
粒子状物質Nは平均粒径15μmの一級試薬のケイ酸カルシウムである。
粒子状物質Oは平均粒径10μmの一級試薬のケイ酸マグネシウムである。
粒子状物質Pは平均粒径10μmの一級試薬の炭酸カルシウムである。
粒子状物質Qは平均粒径15μmの一級試薬のリン酸第二カルシウムである。
粒子状物質Rは平均粒径15μmの一級試薬の安息香酸ナトリウムである。
粒子状物質Sは平均粒径10μmの工業用市販品の酸化亜鉛である。
粒子状物質Tは平均粒径10μmの工業用市販品の合成雲母である。
粒子状物質Uは平均粒径10μmの工業用市販品のメラミンシアヌレートである。
粒子状物質Vは平均粒径10μmの工業用市販品のモリブテンジチオカーバメートである。
粒子状物質Wは、平均粒径15μmの工業用市販品の二硫化モリブテンである。
各表の実施例と比較例の性状は、次の試験方法に従って行った。
(1)絶対粘度の測定は、岩本製作所製レオロジーメーターで外筒回転型の同心二重円筒式回転粘度計を用い測定した。
(2)ちょう度 :JIS K2220−7
(3)滴点 :JIS K2220−8
(4)基油の動粘度:JISK2283
(5)すべり摩擦試験
図1に示す試験装置を用い、試験材1bを往復動させ、その時に、試験材1aとの間で発生する摩擦力4a、4bを、ロードセル5a、5bを介してひずみ検出器6に入力および記録させる。
潤滑材は、設置した4箇所の試験材1aと試験材1bとの摺動部にそれぞれ約0.5g塗布し、下記試験条件にて往復摺動させる。実施例および比較例記載の摩擦係数とは、条件Iにて3往復摺動した時の平均の摩擦係数を示し、耐久時間とは、条件IIにて往復摺動した時の、1往復目の摩擦係数よりも30%を越えた摩擦力が発生した時点を耐久寿命とし、その回数を記載した。
条件I
試験材1a:材質;66ナイロン、
寸法;長さ12.5mm、幅7.5mmで4箇所
試験材1b:材質;鋼材S50C、
寸法;長さ200mm、幅52mm
荷重:21.8kg
面圧:5.81kg/cm
すべり速度:10mm/min
条件II
試験材1a:材質;66ナイロン、
寸法;長さ12.5mm、幅7.5mmで4箇所
試験材1b:材質;鋼材S50C、
寸法;長さ200mm、幅52mm
荷重:21.8kg
面圧:5.81kg/cm
すべり速度:20mm/min
(6)ころがり軸受試験
図2に示す試験装置を用い、条件IIIに従い、主軸4をモーター19からVベルト18を介して、500rpmの回転数にて運転した時の試験軸受の潤滑状態を油膜診断装置12にて、測定したものである。
油膜診断装置の原理は特開昭58−62537号公報に詳細に記載されているが、原理の要約は、微弱電圧を回転軸と外輪との間に印加した時に、軸受の摺動部において金属接触を起こす状態であれば通電し、非導電体である潤滑材の油膜の形成が十分であれば、通電しないと言った原理を応用したものであり、油膜が十分に形成され金属接触していない時間と、油膜の形成が不十分で金属接触している時間との比率により油膜の状態を診断する装置であり、下記の判定基準によりころがり軸受の油膜状態を判定した。
判定基準
A:十分な油膜が出来ている状態、0.01V未満の通電。
B:ときおり油膜がきれる状態、0.01V以上〜0.1V未満の通電。
C:かなり油膜がきれている状態、0.1V以上〜0.5V未満の通電。
D:油膜がほとんど形成されず金属接触が頻繁に起きている状態、0.5V以
上の通電。
但し、ころがり軸受部への印加電圧は1.0Vである。
条件III
試験軸受b :型番22208H
潤滑材の充填量:2.0g
回転数 :500rpm
温度 :25℃
時間 :15分
荷重 :10kg
これら実験結果から、以下のことが明らかとなった。
本発明の潤滑剤組成物は、機械の転がりおよび/または滑りの摺動部において特に流体潤滑領域から弾性流体潤滑領域にて理想的な潤滑性が得られ、低い摩擦特性や、長い寿命、安定したころがり特性を示した。
本発明のすべり摩擦試験において用いた試験装置の概要を示す図である。 本発明のころがり軸受試験において用いた試験装置の概要を示す図である。
符号の説明
1a 試験材A
1b 試験材B
2 荷重
3 摺動方向(往復動)
4a 往路の摩擦力
4b 復路の摩擦力
5a ロードセル
5b ロードセル
6 ひずみ検知器
7 摩擦面
11 試験軸受、型番22208H
11a 外輪レース
11b 内輪レース
11c タル型ころ
12 油膜状態診断部
12a 油膜形成時間比測定回路
12b 低電圧電源
12c 抵抗
13 支持軸受
14 軸
15 軸箱
16 試験軸側プリー
17 モーター側プリー
18 Vベルト
19 インバターモーター
20 荷重

Claims (1)

  1. 粘度増加率が下記一般式(I)で示される条件を満たし、平均粒径が10〜25μmである粒子状物質を、粒子状増粘物質として、フッ素油を含まない潤滑油および/またはグリースに対し、5〜35質量%の割合で混合したものであることを特徴とする潤滑剤組成物。
    但し、
    a:潤滑油に粒子状物質を混合した分散体の
    加圧分散処理前の40℃、10sec−1における絶対粘度(ポアズ)
    b:潤滑油に粒子状物質を混合した分散体の
    加圧分散処理後の40℃、10sec−1における絶対粘度(ポアズ)

    であり、該加圧分散処理は、ロール径180mm、ロール幅400mmの3本ロールミル装置を用い、ロール間に147.1kPaの圧力を掛けて分散体を処理するものである。
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