JP5228696B2 - 自動取引装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金融機関の店舗、コンビニエンスストア等に設置され、使用者による取引操作を誘導する画面の表示制御を行う現金自動預け払い機(以下「ATM」という。)等の自動取引装置、特に、顧客の視線方向を監視して、カード、通帳等の媒体の取り忘れを防止する技術に関するものである。
従来、金融機関の店舗、コンビニエンスストア等に設置され、使用者による取引操作を誘導する画面の表示制御を行うATM等の自動取引装置においては、取引の最終段階で、通帳、キャッシュカード、レシート、現金等の媒体を排出し、顧客に媒体の受取りを促している。このとき、使用者が媒体の取り忘れをすることがあり、これを防止するためのATMが提案されている。
このような、媒体取り忘れ防止に関する技術は、例えば、次のような文献に記載されている。
特開平09−204556号公報 特開平10−105782号公報
特許文献1には、ATMからカードと紙幣と通帳が排出される場合、各排出口に配置されたフリッカA、フリッカB、フリッカCは、すべて点灯する。そして、カードが取り去られると、フリッカAが消灯し、紙幣が取り去られると、フリッカBが消灯し、最後に通帳が取り去られるとフリッカCが消灯する技術が記載されている。
特許文献2には、ATMでの媒体排出時に、入力操作部に当該の自動取引装置を表す画像を表示し、所定の媒体(例えば、通帳)を排出するときは、通帳が排出される状態を表す画像を表示する技術が記載されている。
更に、撮像された人物像から顔画像を抽出して視線方向を算出し、その視線方向から当該人物の注目位置を算出する技術が次の文献に記載されている。
特開2007−286995号公報
しかしながら、従来の技術では、使用者が、ATMでの取引中に他のことに注意をとられていて、媒体が排出されたことに気づかなかったり、複数の媒体が排出されていて、ある媒体を取ったことにより、他の媒体に気づかす取り忘れが発生することがあった。又、取り忘れに気づかすにATMから離れた場合、次に取引を行う使用者に受け取られる虞もあった。そこで、使用者の注意がどこに向いているかを把握し、適切な誘導を行うことにより、更に、効果的な媒体取り忘れ防止の機能を有したATMが望まれていた。
本発明は、使用者の媒体を出し入れする受付取出口を有し、前記媒体を介して所定の取引処理を行う自動取引装置において、前記取引処理を行って、前記媒体を前記受付取出口に排出した後、前記使用者により前記媒体が取り出されたか否かを検知する取り忘れ検知手段と、取引を行っている前記使用者を撮影する撮像手段と、前記撮像手段で撮影した画像から前記使用者の顔画像を抽出する顔画像抽出手段と、前記顔画像抽出手段で抽出された顔画像から前記使用者の視線方向を決定する視線決定手段と、前記使用者が前記媒体を前記受付取出口から取り忘れた場合に、前記取り忘れ媒体に対して、前記使用者の視線方向が、前記取り忘れ媒体の方向と一致しているか否かを判定する媒体判定手段と、前記使用者の視線方向が、前記取り忘れ媒体の方向に対して不一致のときは、前記媒体判定手段の判定後に一定時間、時間監視を行い、前記取り忘れ媒体が取り出されたか否かを検知する媒体取出し検知手段とを有することを特徴としている。
更に、本発明は、使用者の媒体を出し入れする受付取出口を有し、前記媒体を介して所定の取引処理を行う自動取引装置において、前記取引処理を行って、前記媒体を前記受付取出口に排出した後、前記使用者により前記媒体が取り出されたか否かを検知する取り忘れ検知手段と、取引を行っている前記使用者を撮影する撮像手段と、前記撮像手段で撮影した画像から前記使用者の顔画像を抽出する顔画像抽出手段と、前記顔画像抽出手段で抽出された顔画像から前記使用者の視線方向を決定する視線決定手段と、前記使用者が前記媒体を前記受付取出口から取り忘れた場合に、前記取り忘れ媒体に対して、前記使用者の視線方向が、前記取り忘れ媒体の方向と一致しているか否かを判定する媒体判定手段と、前記使用者の視線方向が、前記取り忘れ媒体の方向に対して不一致のときは、音声で誘導し、前記使用者の注意を前記取り忘れ媒体に向けさせる音声誘導手段とを有することを特徴としている。
本発明によれば、次の(1)及び(2)のような効果がある。
(1) 使用者の視線方向が、取り忘れ媒体の方向に対して不一致のときには、一定時
間時間監視を行い、取り忘れ媒体が取り出されたか否かを検知するので、使用者が媒体に
気づく可能性が高くなり媒体取り忘れ防止効果が向上する。
(2) 使用者の視線方向が、取り忘れ媒体の方向に対して不一致のときには、音声で誘導し、使用者の注意を取り忘れ媒体に向けさせるので、使用者が媒体に気づく可能性が高くなり媒体取り忘れ防止効果が向上する。
本発明を実施するための最良の形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における自動取引装置の1つであるATMの概略を示す外観図である。
本実施例1のATM1は、媒体の取り忘れ機能を有する装置であって、金融機関の店舗、コンビニエンスストア等に設置され、利用者(例えば、金融機関の「顧客」)自身の操作により、現金の預け入れ、現金の引き出し、振り込み、残高照会、通帳記入等の取引を行うためのものである。ATM1は、熱や衝撃に対し一定の強度を有する鉄材で作られたキャビネット2で覆われている。ATM1の前面は、顧客が操作するための操作面2aが略水平に利用者の方向に突き出している。操作面2aの奥方向には、操作面2aから連続して投入面2bが設置されている。更に、投入面2bに連続して挿入面2cが略垂直に立ち上がっている。
前記操作面2aには、操作のためのガイダンスを表示し、各種取引のための入力を行う入力操作部3が設けられている。投入面2bには、入出金取引等、現金を扱う取引での現金の受付取出口である紙幣投入取出口4と硬貨投入取出口5が設けられている。挿入面2cには、通帳の受付取出口である通帳挿入取出口6、キャッシュカード(以下、「カード」という)の受付取出口であるカード挿入取出口7、スピーカ8a、8b及びビデオカメラ9が設けられている。
図1は、本発明の実施例1における図2のATMを示す機能ブロック図である。
ATM1は、中央処理装置、主記憶装置及びハードディスク等の不揮発性の補助記憶装置21からなる制御部11を有している。制御部11は、プログラム制御によりATM1全体を制御するものであり、更に、媒体取り忘れ防止手段を有している。
媒体取り忘れ防止手段は、取引処理を行って、媒体を前記受付取出口に排出した後、顧客により前記媒体が取り出されたか否かを検知する取り忘れ検知手段11aと、取引を行っている顧客を撮影する撮像手段11bと、撮像手段で撮影した画像から顧客の顔画像を抽出する顔画像抽出手段11cと、顔画像抽出手段で抽出された顔画像から顧客の視線方向を決定する視線決定手段11dと、顧客が媒体を受付取出口から取り忘れた場合に、取り忘れ媒体に対して、顧客の視線方向が、取り忘れ媒体の方向と一致しているか否かを判定する媒体判定手段11eと、顧客の視線方向が、取り忘れ媒体の方向に対して不一致のときは、媒体判定手段の判定後に一定時間、時間監視を行い、取り忘れ媒体が取り出されたか否かを検知する媒体取出し検知手段11fとを有している。
更に、媒体取り忘れ防止手段は、顧客の視線方向が、前記取り忘れ媒体の方向に対して不一致のときは、音声で誘導し、前記顧客の注意を前記媒体に向けさせる音声誘導手段11gと、音声案内により顧客に媒体の排出を予告する媒体排出予告手段11hと、排出を予告された前記媒体の受付取出口に対して、顧客の視線方向が、前記受付取出口の方向と一致しているか否かを判定する取出口判定手段11iと、顧客の視線方向が、前記媒体の受付取出口方向に対して一致のときには、前記媒体を排出する予告媒体排出手段11jとを有している。
前記制御部11の媒体取り忘れ防止手段において、撮像手段11b、顔画像抽出手段11c、視線決定手段11d、媒体判定手段11e及び取出口判定手段11iの構成について説明する。
例えば、撮像手段11bは、ビデオカメラ9及び撮像部23を制御してビデオカメラ9の映像信号をデジタル化してフレームを生成する。顔画像抽出手段11cは、撮像手段11bに接続されており、撮像手段11bからフレームを取得して画像中から移動体領域を抽出し、更に、移動体領域から顔の検出を行う。視線決定手段11dは、顔画像抽出手段11cで検出された顔画像からビデオカメラ9に対しての顔の水平方向及び垂直方向の顔方向を計測し、更に、顔画像中の瞳の中心及び目領域との位置関係を計算し、算出された顔方向と瞳の方向を統合して視線方向を計算する機能を有している。媒体判定手段11e及び取出口判定手段11iは、ほぼ同様の機能であって、ビデオカメラから顧客までの距離及び顧客の目の高さを既存の距離センサや高さセンサで検知し、視線決定手段で計測した顧客の視線方向と合わせて計算してATM1の受付取出口方向と顧客の視線が一致しているか否かを判定する機能をそれぞれ有している。
制御部11により制御される入力操作部3は、文字や図形等で構成される操作画面を表示するLCD画面表示部12と、表示部12上に設けられた情報入力のためのタッチパネル入力部13とを有している。通帳記帳部14は、通帳の記帳処理を行うものである。カードリーダ・ライタ部15は、カードの内容の読み取り書き込みを行うものである。紙幣入出金部16は、紙幣の真贋を鑑別し、計数し、入出金処理を行う機能を有している。硬貨入出金部17は、硬貨の真贋を鑑別し、計数し、入出金処理を行うものである。近接センサ18は、ATM1への人の接近を検知するセンサである。通信制御部19は、ホストコンピュータとの通信を制御する機能を有している。音声案内部20は、利用者に対する各種案内及び連絡をスピーカ8a、8bを通じて音声で出力するものである。タイマ部22は、日付や時刻、時間の管理を行うものである。撮像部23は、撮像手段11bの制御により、ビデオカメラ9の映像信号をデジタル化してフレームを生成する機能を有している。
(実施例1のATMの全体動作)
図3は、図1中の入力操作部3上に表示される取引選択画面例を示す図である。
先ず、図1及び図3を用いて、引き出し取引を例にATM1全体の動作を説明する。顧客がATM1に接近すると、近接センサ18がこれを検知し、入力操作部3に電源が投入される。電源が投入されると入力操作部3に、図3の取引選択画面が表示される。図3に示すとおり、お預入れ、お引き出し、お振り込み、残高照会、通帳記入及び暗証番号変更の各取引ボタン3aが入力操作部3にグラフィック表示され、顧客による取引の選択を促す。顧客がこれらのボタンの1つを選択し、押下することにより、該当する取引が開始される。
例えば、顧客が自口座から現金を引き出すときは、お引き出しボタン(以下単に「引き出しボタン」という)3aを押下する。引き出しボタン3aの押下により、引き出し取引が開始され、通帳及びカードの挿入を促すメッセージが操作画面に表示される。通帳が、通帳挿入取出口6に挿入されると、通帳記帳部14はこれを取り込み、記帳の準備を行う。カード挿入取出口7にカードが挿入されると、カードリーダ・ライタ部15は、カードの記憶内容を読み取り、主制御装置11内の主記憶装置に記憶する。カードには、金融機関コードや顧客の口座番号、氏名等の顧客情報が記憶されている。
次に、入力操作部3には、暗証番号を入力するための操作画面が表示される。顧客により暗証番号が入力されると、顧客の希望する出金額を入力するための操作画面が表示される。この操作画面を用いて、顧客により出金額が入力される。続いて、口座番号、金額、暗証番号等が主制御部11で編集され、通信制御部19を経由して、ホストコンピュータに送信される。ホストコンピュータでは、ATM1からの電文を受信すると、受信した口座番号から当該顧客の口座ファイルから口座情報を読み出し、受信した暗証番号とホストコンピュータが保持している暗証番号とが一致するかチェックする。
暗証番号が不一致のときは、ホストコンピュータは、その旨をATM1に送信する。ATM1は、暗証番号入力画面を入力操作部3に表示し、顧客に暗証番号の再入力を促す。暗証番号が一致したときは、ホストコンピュータは、当該取引を有効とし、当該口座ファイルの残高から受信した入金額を減算し新残高とする。未記帳分の通帳記帳データがあれば、新残高とともにATM1に送る。ATM1では、これを受信すると、通帳記帳部14で取り込んだ通帳にホストコンピュータから受信した記帳データを印刷する。
同時に、紙幣入出金部16では、ATM1内部の図示しない保管庫から紙幣を取り出し、計数し、紙幣投入取出口4にセットする。硬貨入出金部17も同様に、保管庫から硬貨を取り出し、計数し、硬貨投入取出口5にセットする。次に、入力操作部3には、通帳、カード及び現金の取り出しを促すメッセージが表示され、顧客は、通帳挿入取出口6、カード挿入取出口7及び紙幣投入取出口4、硬貨投入取出口5から通帳、キャッシュカード及び現金を取り出す。
(実施例1の媒体取り忘れ防止の動作)
図4は、本発明の実施例1における図1のATMの媒体取り忘れ防止の動作を示すフローチャートである。
前記(実施例1のATMの全体動作)で説明したとおり、引き出し取引等の通常の取引が行われる(ステップS1)。通常取引の最終段階で、通帳、カード、現金等の媒体排出がなされる(ステップS2)。 直ちに、取り忘れ検知手段において、タイマ部22を用いて時間監視を行い(ステップS3)、一定時間経過後に図示しないセンサにより各受付取出口4、5、6,7から媒体が取り出されたか否かが検知される(ステップS4)。
撮像手段11bにより、ビデオカメラ9及び撮像部23によりビデオカメラ9の映像信号をデジタル化してフレームが生成される。顔画像抽出手段11cにより、撮像手段11bで生成したフレームの画像中から移動体領域が検出され、更に、移動体領域から顔画像が検出される。
視線決定手段11dでは、顔画像からビデオカメラ9に対しての顔の水平方向及び垂直方向の角度を計測し、更に、顔画像中の瞳の中心と目領域との位置関係を計算して瞳の方向を計算する。最後に、算出された顔方向と瞳の方向を統合して視線方向を計算する。顔方向の検出は、次のように実行される。始めに、顔画像の中心位置が決定される。次に顔器官中心位置が検出される。顔器官中心位置とは、両眉の中心、鼻筋、唇のくぼみ部分を通る直線の位置をいう。この顔器官中心位置は、眉や眼尻、鼻といった各器官を検出し、各器官の位置関係から推定することができる。続いて、顔画像中心位置と顔器官中心位置からビデオカメラ9に対しての顔の水平方向の顔方向が計算される。垂直方向の顔方向の検出は、既存の方法により行われる。因みに、水平方向の顔方向をαf、顔画像中心位置と器官中心位置の距離をCf、顔領域の幅をWfとし、頭部を上方から見たときほぼ円形であるとみなすと、
sinαf=Cf/(Wf/2)
となる。
顔方向が検出されると、顔画像中から瞳の中心位置が検出される。次にその瞳が属する目領域が求められ目領域の中心位置が決定される。この瞳の中心位置と目領域の中心位置とから瞳の視線方向が計算される。続いて、先に求めた顔方向情報と瞳の視線方向を統合することにより視線方向が計算される(ステップS5)。
媒体判定手段11eでは、取り忘れ媒体に対して、顧客の視線方向が取り忘れ媒体の方向と一致しているか否かが判定される。この判定は、例えば、ビデオカメラ9の3次元空間上の位置を原点として、ATM1の右方向をX軸、上方向をY軸、奥行き方向をZ軸として行われる。今、顧客の水平方向の視線方向α、垂直方向の視線方向β、ビデオカメラ9から顧客までの距離d、及びビデオカメラ9から顧客の目の高さh、及び受付取出口の位置座標(Xm、Ym、Zm)が決まれば判定が可能である。
ビデオカメラ9から顧客までの距離d及び顧客の目の高さhは、既存の距離センサや高さセンサで検知できる。 各種媒体の受付取出口の位置座標は、X=Xm、Y=Ym、Z=Zmとなり、この(Xm,Ym,Zm)を予めハードディスク21に記憶しておく。視線方向α、βは、視線決定手段11dで計算されている。
顧客視線方向を座標で表すと、(Xe、Ye,Ze)となる。視線が受付取出口の方向と完全に一致しているときは、(Xe、Ye,Ze)=(Xm,Ym,Zm)となり、
Xm=(d-Zm)tanα、Ym=(d-Zm)tanβ―h
となる。なお、視線方向に受付取出口があるか否かの判定は、当該の視線方向が、正確に受付取出口の位置座標(Xm,Ym,Zm)と一致する必要はなく、位置座標(Xm,Ym,Zm)を中心とした一定の領域と交わるか否かの判定でよい。更に、顧客の視線は、実際には、1点を長時間凝視することはないので、所定の時間、顧客の視線方向の計測を行い、位置座標(Xm,Ym,Zm)を中心とした一定の領域に、視線が留まる確率を計算し、閾値を設定して、視線方向に受付取出口があるか否かの判定を行ってもよい。
媒体判定手段11eにおいて、顧客の視線の方向が、取り忘れ媒体の方向と不一致と判定されたときは、顧客が媒体に気づいていないものと判断して媒体取出し検知手段11fにより、一定時間、時間監視を行って(ステップS7)媒体が取り出されたか否かを各受付取出口のセンサで検知し(ステップS8)、取り出されないときは、媒体を取り込んで処理を終了する(ステップS9)。取り出されたときは、単に処理を終了する。
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、顧客の視線方向が、取り忘れ媒体の方向と不一致のときは、顧客が媒体の取り忘れに気づいていないものとし、媒体取出し検知手段11fにより、一定時間、時間監視を行う(ステップS7)。当該取引においては、媒体の排出時に取り忘れ検知手段11aによりすでに時間監視が行われており、2度目の時間監視となるため、実際には、顧客が取り忘れに気づくまでの時間を延長することになる。この結果、顧客が媒体に気づく可能性が高くなり媒体取り忘れ防止効果が向上する。
(実施例2の構成)
本発明の実施例2におけるATMは、実施例1とほぼ同様の媒体取り忘れ防止機能を有している。
(実施例2の媒体取り忘れ防止の動作)
図5は、本発明の実施例2における図1のATMの媒体取り忘れ防止の動作を示すフローチャートである。なお、図5において、実施例1の媒体取り忘れ防止の動作を示す図4中のステップと共通のステップには共通の符号が付されている。
ステップS1〜ステップS6は、実施例1の媒体取り忘れ防止の動作と同様である。実施例2では、実施例1と次のような処理が異なっている。
ステップS6において、顧客の視線方向が、取り忘れ媒体の方向と不一致のときは、スピーカ8a、8bを使用し、音声誘導手段11gにより、通常音声で媒体を受け取るよう誘導する(ステップS11)。例えば、「通帳をお受け取りください。」等の、音声での誘導後、媒体取出し検知手段11fにより、一定時間、時間監視を行い、当該媒体が取り出されたか否かを検知して(ステップS12)取り出されないときは、誘導回数が一定数に達したかチェックする(ステップS13)。達していないときは、ステップS11に戻り通常音声での案内を繰り返す。誘導回数が一定数に達したときは、例えば、音を大きくする等の強調音声で誘導する(ステップS14)。次に、実施例1と同様に、媒体取出し検知手段11fにより、媒体が取り出されたか否かを各受付取出口のセンサで検知し(ステップS8)、取り出されないときは、媒体を取り込んで処理を終了する(ステップS9)。取り出されたときは、単に処理を終了する。
(実施例2の効果)
顧客の視線方向が、取り忘れ媒体の方向と不一致のときは、音声誘導手段11fにより、音声で誘導し(ステップS11)、前記顧客の注意を取り忘れ媒体に向けさせる。一定回数通常音声で誘導しても顧客が媒体取り忘れに気づかないときは、音量を上げる等の強調音声で誘導するので(ステップS14)、顧客が媒体に気づく可能性が高くなり媒体取り忘れ防止効果が向上する。
(実施例3の構成)
本発明の実施例3におけるATMは、実施例1とほぼ同様の媒体取り忘れ防止機能を有している。
(実施例3の媒体取り忘れ防止の動作)
図6は、本発明の実施例3における図1のATMの媒体取り忘れ防止の動作を示すフローチャートである。なお、図6において、実施例1の媒体取り忘れ防止の動作を示す図4中のステップと共通のステップには共通の符号が付されている。
前記(実施例1のATMの全体動作)で説明したとおり、引き出し取引等の通常の取引が行われる(ステップS1)。媒体排出予告手段11hにより、どの媒体を排出するかがスピーカ8a、8bを用い誘導される(ステップS21)。例えば、「カードが排出されますのでお受け取りください。」等の音声案内を行う。
撮像手段11bにより、撮像部23及びビデオカメラ9を用いATM1で取引中の顧客が撮影される(ステップS22)。顔画像抽出手段11cで、撮影した画像から顧客の顔画像が抽出され、視線決定手段11dで、顧客の視線方向が決定される。取出口判定手段11iで、顧客の視線方向が、排出を予告された媒体の受付取出口の方向と一致するか否かが判定される(ステップS23)。
一致したときは、予告媒体排出手段11jにより、媒体を排出する(ステップS25)。不一致のときは、排出媒体の音声誘導が一定回数に達したか否かが判定される(ステップS24)。達しないときは、ステップS21に戻り、排出媒体の音声誘導を繰り返す。達したときは、予告媒体排出手段11jにより、媒体を排出する(ステップS25)。その後、未排出媒体があるか判定され、あるときは、他の媒体を排出予定媒体としてステップS21に戻る(ステップS26)。未排出媒体がないときは、実施例1と同様に、媒体取出し検知手段11fにより、媒体が取り出されたか否かを各受付取出口のセンサで検知し(ステップS27)、取り出されないときは、媒体を取り込んで処理を終了する(ステップS9)。取り出されたときは、単に処理を終了する。
(実施例3の効果)
媒体排出予告手段11hにより、音声案内で顧客に媒体の排出を予告し、顧客の視線が当該媒体の取出口方向と一致しているか否かを判断し、顧客の視線方向と一致しているときは、当該の媒体を排出し、不一致のときは、繰り返し媒体の排出の予告を音声誘導で繰り返す。1つの媒体の返却処理が完了すると次の未排出媒体の返却処理を順次行うので確実に媒体の返却が行われ、媒体取り忘れ防止効果が向上する。
(変形例)
本発明は、上記実施例に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(e)がある。
(a) 自動取引装置は、金融機関の店舗、コンビニエンスストア等に設置されるATMのみに限定されない。顧客による操作で取引を行う装置で、パスワードを使用するものであれば、広く適用ができる。例えば、駅などに設置される券売機、空港などに設置される航空券発行機、スーパーマーケットに設置されるセルフレジ、住民票、戸籍、印鑑登録証明書等を発行する行政サービス端末機などが考えられる。
(b) 実施例1において、ステップS8及びステップS9において、取り忘れ媒体が受け取られなかったときは、媒体の取り込みを行ったが、取り込まないでおくことでもよい。
(c) 実施例2において、ステップS6で視線方向に取り忘れ媒体があったときは、取引を終了させていたが、媒体を取り込んでから終了させてもよい。
(d) 実施例2において、ステップS14での強調音声による誘導は、効果音を伴って音声誘導してもよい。
(d) 実施例3において、ステップS27で媒体が受け取られなかったときは、媒体を取り込み、取引を終了させたが、一定の回数になるまで音声誘導で媒体の取り忘れを知らせ、受け取りを誘導するようにしてもよい。
図1は、本発明の実施例1における図2のATMを示す機能ブロック図である。 本発明の実施例1における自動取引装置の1つであるATMの概略を示す外観図である。 図1中の入力操作部3上に表示される取引選択画面例を示す図である。 本発明の実施例1における図1のATMの媒体取り忘れ防止の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例2における図1のATMの媒体取り忘れ防止の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例3における図1のATMの媒体取り忘れ防止の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ATM
3 入力操作部
11a 取り忘れ検知手段
11b 撮像手段
11c 顔画像抽出手段
11d 視線決定手段
11e 媒体判定手段
11f 媒体取出し検知手段
11g 音声誘導手段
11h 媒体排出予告手段
11i 取出口判定手段
11j 予告媒体排出手段

Claims (2)

  1. 使用者の媒体を出し入れする受付取出口を有し、前記媒体を介して所定の取引処理を行う自動取引装置において、
    前記取引処理を行って、前記媒体を前記受付取出口に排出した後、前記使用者により前記媒体が取り出されたか否かを検知する取り忘れ検知手段と、
    取引を行っている前記使用者を撮影する撮像手段と、
    前記撮像手段で撮影した画像から前記使用者の顔画像を抽出する顔画像抽出手段と、
    前記顔画像抽出手段で抽出された顔画像から前記使用者の視線方向を決定する視線決定手段と、
    前記使用者が前記媒体を前記受付取出口から取り忘れた場合に、前記取り忘れ媒体に対して、前記使用者の視線方向が、前記取り忘れ媒体の方向と一致しているか否かを判定する媒体判定手段と、
    前記使用者の視線方向が、前記取り忘れ媒体の方向に対して不一致のときは、前記媒体判定手段の判定後に一定時間、時間監視を行い、前記取り忘れ媒体が取り出されたか否かを検知する媒体取出し検知手段と、
    を有することを特徴とする自動取引装置。
  2. 使用者の媒体を出し入れする受付取出口を有し、前記媒体を介して所定の取引処理を行う自動取引装置において、
    前記取引処理を行って、前記媒体を前記受付取出口に排出した後、前記使用者により前記媒体が取り出されたか否かを検知する取り忘れ検知手段と、
    取引を行っている前記使用者を撮影する撮像手段と、
    前記撮像手段で撮影した画像から前記使用者の顔画像を抽出する顔画像抽出手段と、
    前記顔画像抽出手段で抽出された顔画像から前記使用者の視線方向を決定する視線決定手段と、
    前記使用者が前記媒体を前記受付取出口から取り忘れた場合に、前記取り忘れ媒体に対して、前記使用者の視線方向が、前記取り忘れ媒体の方向と一致しているか否かを判定する媒体判定手段と、
    前記使用者の視線方向が、前記取り忘れ媒体の方向に対して不一致のときは、音声で誘導し、前記使用者の注意を前記取り忘れ媒体に向けさせる音声誘導手段と、
    を有することを特徴とする自動取引装置。
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