JP5225241B2 - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

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Description

この発明は、積層セラミック電子部品に関するもので、特に、積層セラミック電子部品における内部電極の薄層化を図るための改良に関するものである。
積層セラミック電子部品において、その小型化(薄型化)を図るにあたっては、セラミック層だけでなく、内部電極についても薄層化を図ることが有効である。内部電極の薄層化にあたっては、その厚みをたとえば0.3μm以下にできることが望まれる。
しかしながら、内部電極の薄層化が進むと、生の積層体を焼結させるための焼成工程の結果、電極切れが生じやすくなり、その結果、内部電極の被覆率が低下しやすくなる。この電極切れを抑制するためには、焼成工程において、セラミック層を構成するセラミックの低温焼結化が必要である。このような低温焼結化のため、セラミックに焼結助剤としてのSiO2を添加することが一般的であるが、さらなる低温焼結を求める場合、Li化合物等を添加することがある。
たとえば特開平8−31232号公報(特許文献1)では、BaTiO3系の誘電体セラミックにおいて、希土類元素、Mn、Mg、LiおよびSiを添加している。
しかしながら、上記特許文献1に記載の誘電体セラミックを誘電体セラミック層の材料として用いて積層セラミックコンデンサを構成すると、構造欠陥が発生しやすいという問題に遭遇することがあった。この問題は、内部電極の酸化膨張に起因するものと考えられる。
特開平8−31232号公報
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決し得る積層セラミック電子部品を提供しようとすることである。
この発明は、積層された複数のセラミック層、およびセラミック層間の特定の界面に沿って形成された複数の内部電極をもって構成される、積層体と、積層体の外表面上の互いに異なる位置に形成され、かつ内部電極の特定のものに電気的に接続される、複数の外部電極とを備え、内部電極は卑金属を導電成分として含み、セラミック層は、ABO3(Aは、Baを必ず含み、さらにCaおよびSrの少なくとも一方を含むことがある。Bは、Tiを必ず含み、さらにZrおよびHfの少なくとも一方を含むことがある。)を主成分とし、副成分として、Li、KおよびNaから選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属元素を含有する、セラミックから構成される、積層セラミック電子部品に向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
すなわち、各内部電極の厚みは0.3μm以下であり、内部電極は、端縁部まで含めて全域で上述の組成を有するセラミック層に接しており、上記セラミックにおいて、アルカリ金属元素の含有量は主成分100モル部に対して0.2モル部以上であり、内部電極の表面には、上記アルカリ金属元素が固溶している酸化物相が形成されていることを特徴としている。
アルカリ金属元素は、Li、KおよびNaのうち、特にLiを含むことが好ましく、この場合、Liの含有量は主成分100モル部に対して0.2モル部以上であることが好ましい。
各セラミック層の厚みは1μm以下であることが好ましい。
アルカリ金属元素の含有量は主成分100モル部に対して3.5モル部以下であることが好ましい。
内部電極の主成分はNiであることが好ましい。
この発明によれば、積層セラミック電子部品において、構造欠陥を減らすことができる。
内部電極の厚みが0.3μm以下とより薄くされたとき、内部電極の厚みが0.3μmを超えるものに比べて、構造欠陥をさらに減らすことができる。
セラミックにおいて、アルカリ金属元素として、Liを含み、かつLiの含有量が主成分100モル部に対して0.2モル部以上であると、Liを含まないものに比べて、構造欠陥をさらに減らすことができる。
セラミック層の厚みが1μm以下であると、セラミック層の厚みが1μmを超える場合に比べて、セラミック自体の誘電率が向上する。
また、セラミックにおいて、アルカリ金属元素の含有量が主成分100モル部に対して3.5モル部以下であると、3.5モル部を超える場合に比べて、誘電率を向上させることができる。
この発明の一実施形態による積層セラミックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
図1は、この発明に係るセラミックが適用される積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を示す断面図である。
積層セラミックコンデンサ1は、部品本体としての積層体2を備えている。積層体2は、積層された複数の誘電体セラミック層3と誘電体セラミック層3間の特定の界面に沿って形成される複数の内部電極4および5とを備えている。積層体2の一方および他方端面6および7には、それぞれ、複数の内部電極4および5の各端部が露出していて、これら内部電極4の各端部および内部電極5の各端部を、それぞれ、互いに電気的に接続するように、外部電極8および9が形成されている。内部電極4および5は、端縁部分まで含めて全域でセラミック層3に接している。
このような積層セラミックコンデンサ1を製造するにあたっては、まず、内部電極4および5が印刷されたセラミックグリーンシートを積層するといった周知の方法により、積層体2の生の状態のものが作製される。次いで、生の積層体を焼結させるため、焼成工程が実施される。次いで、焼結した積層体2の端面6および7上に、それぞれ、外部電極8および9が形成され、積層セラミックコンデンサ1が完成される。
この発明では、内部電極4および5は、たとえばNiまたはCuのような卑金属、好ましくは、Niを導電成分として含む。
誘電体セラミック層3は、ABO3(Aは、Baを必ず含み、さらにCaおよびSrの少なくとも一方を含むことがある。Bは、Tiを必ず含み、さらにZrおよびHfの少なくとも一方を含むことがある。)を主成分とし、副成分として、Li、KおよびNaから選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属元素を含有する、誘電体セラミックから構成される。ここで、上記アルカリ金属元素の含有量は上記主成分100モル部に対して0.2モル部以上とされる。
内部電極4および5の各々の厚みは0.3μm以下とされる。
以上のような条件を満たすことにより、積層セラミックコンデンサ1において、構造欠陥による不良を発生しにくくすることができる。通常、内部電極が薄くなると焼成時に内部電極が球状化しやすくなり、内部電極切れによる構造欠陥が発生しやすくなると思われる。しかし、上記のような条件を満たす場合、意外にも、内部電極4および5が薄い方が、むしろ構造欠陥が減ることがわかった。この理由については、次のように推測することができる。
焼成後にアルカリ金属元素が残存する場合、その大部分が焼成中に内部電極4および5の表面の酸化物相に固溶し、焼成後にもその状態で残存しているものと思われる。
アルカリ金属イオンは1価であり、内部電極4および5の導電成分がたとえばNiであれば、Niイオンは2価であるため、アルカリ金属イオン2個がNiイオン1個に対して置換固溶する。その結果、内部電極4および5中に存在するカチオンが増え、カチオン間の距離が縮まる。このとき、内部電極4および5の厚みが0.5μm以下、特に0.3μm以下になると、Niイオンの移動度が大きく落ち、内部電極4および5の表面に到達しにくくなる。そのため、Niが雰囲気中の酸素に触れる機会が減り、内部電極4および5は酸化しにくくなる。このようにして、内部電極4および5の酸化を抑えることにより、構造欠陥を抑制することができるものと推測される。
上述の効果は1価のカチオンが固溶する場合に限られるので、アルカリ金属元素特有の効果ということができる。
なお、存在するアルカリ金属元素すべてが酸化物相に固溶していることが望ましいが、このことは必須ではなく、一部が偏析相として界面や誘電体セラミック層3中に存在していてもよい。
上述の説明では、内部電極4および5の導電成分がNiであったが、Ni以外の卑金属を導電成分とする場合であっても、同様のことが言える。
なお、この発明が適用される積層セラミックコンデンサは、図1に示すような構造を有するものに限らず、たとえば、複数の内部電極がコンデンサ本体内部において直列容量を形成する構造のもの、あるいは、アレイ状の積層セラミックコンデンサまたは低ESL化された積層セラミックコンデンサのような多端子構造のものであってもよい。
また、この発明は、積層セラミックコンデンサ以外の積層セラミック電子部品にも適用することができる。
以下に、この発明に基づいて実施した実験例について説明する。
[実験例1]
実験例1は、アルカリ金属元素の含有量および内部電極厚について、この発明の範囲を求めるために実施した。
(A)誘電体原料配合物の作製
出発原料として、BaTiO3、Li2CO3、SiO2およびMgCO3の各粉末を用意し、主成分となるBaTiO3が100モル部に対して、副成分としてのLi2CO3をLiが表1の「Li含有量」に示されたモル部となるように加えるとともに、SiO2を2.5モル部、MgCO3を1.5モル部となるように加え、水を媒体としてボールミルにより12時間混合した。その後、蒸発乾燥および仮焼を行ない、誘電体原料配合物を得た。
(B)積層セラミックコンデンサの作製
上記誘電体原料配合物に、ポリビニルブチラール系バインダおよびエタノールを加えて、ボールミルにより所定の時間湿式混合し、セラミックスラリーを作製した。
次に、このセラミックスラリーを、リップ方式によりシート状に成形し、セラミックグリーンシートを得た。
次に、上記セラミックグリーンシート上に、Niを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷し、内部電極となるべき導電性ペースト膜を形成した。このとき、焼成後の内部電極の厚みが、表1の「内部電極厚」に示される、0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.5μm、0.6μmおよび0.7μmの各々となるように、導電性ペースト膜の塗布厚みを調節した。
次に、導電性ペースト膜が形成されたセラミックグリーンシートを導電性ペースト膜の引き出されている側が互い違いになるように複数枚積層し、生の積層体を得た。
次に、生の積層体を、N2雰囲気中にて300℃の温度に加熱し、バインダを燃焼させた後、酸素分圧10-10または10-9MPaのH2−N2−H2Oガスからなる還元性雰囲気中にて焼成し、焼結した積層体を得た。
次に、焼結した積層体の両端面にB23−Li2O−SiO2−BaOガラスフリットを含有するCuペーストを塗布し、N2雰囲気中において800℃の温度で焼き付け、内部電極と電気的に接続された外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサを得た。
このようにして得られた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、長さ2.0mm、幅1.2mmおよび厚さ1.0mmであり、内部電極間に介在する誘電体セラミック層の厚みは0.8μmであった。また、有効誘電体セラミック層の数は100であり、誘電体セラミック層の1層あたりの対向電極面積は1.4mm2であった。
(C)不良個数の評価
外部電極形成前であって焼成後の積層体について、外観を観察し、内部電極と誘電体セラミック層との界面付近において、デラミネーションやクラックが生じているものを構造欠陥が生じている不良と判定し、100個の試料中での不良個数を求めた。その結果が表1に示されている。ここで、不良個数が10個以下であれば、合格とすることができる。
内部電極厚については、焼成後の積層体を研磨した後、研磨断面を電子顕微鏡にて観察することによって、測長した。
Figure 0005225241
表1において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲外の試料である。また、試料番号に*が付されていないが、試料109、110、115、116、121、122、127、128、133、134、139、140、145、および146は、内部電極厚が0.3μmを超える点でこの発明の範囲外の参考例である。
表1からわかるように、Li含有量が0.2モル部以上、かつ内部電極厚が0.5μm以下という条件を満たす試料では、不良個数が10個以下と少なかった。
上記の試料のうち、さらに、内部電極厚が0.3μm以下という条件を満たす、この発明の範囲内の試料では、不良個数が極めて少なくなった。
[実験例2]
実験例2は、誘電体セラミックの副成分としてのアルカリ金属元素間での優劣の有無を見出すために実施した。
(A)誘電体原料配合物の作製
出発原料として、BaTiO3、Na2CO3、K2CO3、Li2CO3、SiO2およびMgCO3の各粉末を用意し、主成分となるBaTiO3が100モル部に対して、副成分としてのNa2CO3、K2CO3およびLi2CO3を表2の「アルカリ金属」の欄に示すように用いながら、それぞれ、Na、KおよびLiが表2の「アルカリ含有量」に示されたモル部となるように加えるとともに、SiO2を2.5モル部、MgCO3を1.5モル部となるように加え、水を媒体としてボールミルにより12時間混合した。その後、蒸発乾燥および仮焼を行ない、誘電体原料配合物を得た。
(B)積層セラミックコンデンサの作製
上記誘電体原料配合物を用い、実験例1の場合と同様にして、積層セラミックコンデンサを作製した。ここで、焼成後の内部電極の厚みが、表2の「内部電極厚」に示される、0.2μm、0.4μmおよび0.6μmの各々となるように、内部電極となるべき導電性ペースト膜の塗布厚みを調節した。
(C)不良個数の評価
実験例1の場合と同様にして、構造欠陥が生じた不良個数を評価した。その結果が表2に示されている。
Figure 0005225241
表2において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲外の試料である。また、試料番号に*が付されていないが、試料205、208、211、214、217、220、223、および226は、内部電極厚が0.3μmを超えるという点でこの発明の範囲外の参考例である。
表2からわかるように、いずれのアルカリ金属元素を用いても、不良個数低減の点で、実験例1の場合と同様の効果が得られた。ただし、特にLiを添加した場合には、他のアルカリ金属元素を添加した場合に比べて、不良個数の低減の点で、より大きい効果が得られた。この理由は明確ではないが、Liがより内部電極に固溶しやすいか、もしくは、Liが固溶した相の方が他のアルカリ金属元素が固溶した相に比べて、より大きな効果を有するためであると考えられる。
[実験例3]
実験例3では、誘電体セラミック層の厚みが及ぼす誘電率への影響を調査した。
(A)誘電体原料配合物の作製
主成分となるBaTiO3が100モル部に対して、副成分としてのLi2CO3をLiが表3の「Li含有量」に示されたモル部となるように加えることを除いて、実験例1の場合と同様にして、誘電体原料配合物を得た。
(B)積層セラミックコンデンサの作製
上記誘電体原料配合物を用い、実験例1の場合と同様にして、積層セラミックコンデンサを作製した。ここで、焼成後の誘電体セラミック層の厚みが、表3の「誘電体層厚」に示される、0.8μm、1.0μm、1.2μmおよび1.4μmの各々となるように、セラミックグリーンシートの厚みを調節した。なお、内部電極の厚みについては、焼成後に0.5μmとなるように導電性ペースト膜の塗布厚みを調節した。なお、内部電極の厚みが0.3μmを超えるという点で、実験例3で作製した試料は、この発明の範囲外の参考例である。
(C)特性評価
得られた積層セラミックコンデンサについて、LCRメーターを用い、室温において、周波数1kHzにてAC1.0Vを印加し、静電容量を測定した。そして、この静電容量値から、誘電率を算出した。その結果が表3に示されている。ここで、誘電率が1800未満のとき、不良と判定できる。
Figure 0005225241
表3において、試料番号に△を付したものは、「誘電体層厚」が1.0μmを超える試料である。
表3から、誘電体セラミック層の厚みが1.0μm以下になると、誘電率が1800以上と増加することがわかった。この理由としては、誘電体セラミック層が厚い場合には、添加されたLiが内部電極との界面にまで移動せずに一部誘電体セラミック層中に残り、時に偏析相を生成するためであると思われる。そのため、本発明において、より高い誘電率を得るためには、誘電体セラミック層の厚みが1.0μm以下であることが望ましい。
なお、実験例3において作製したすべての試料について、構造欠陥が生じた不良個数は10以下であった。
[実験例4]
実験例4では、実験例2の場合と同様、アルカリ金属元素として、Li、NaおよびKの各々を用いながら、実験例3の場合と同様、誘電体セラミック層の厚みが及ぼす誘電率への影響を調査した。
(A)誘電体原料配合物の作製
実験例2の場合と同様、出発原料として、BaTiO3、Na2CO3、K2CO3、Li2CO3、SiO2およびMgCO3の各粉末を用意し、主成分となるBaTiO3が100モル部に対して、副成分としてのNa2CO3、K2CO3およびLi2CO3を表4の「アルカリ金属」の欄に示すように用いながら、それぞれ、Na、KおよびLiが表4の「アルカリ含有量」に示されたモル部となるように加えるとともに、SiO2を2.5モル部、MgCO3を1.5モル部となるように加え、水を媒体としてボールミルにより12時間混合した。その後、蒸発乾燥および仮焼を行ない、誘電体原料配合物を得た。
(B)積層セラミックコンデンサの作製
上記誘電体原料配合物を用い、実験例3の場合と同様にして、積層セラミックコンデンサを作製した。ここで、焼成後の誘電体セラミック層の厚みが、表4の「誘電体層厚」に示される、0.8μmおよび1.0μmの各々となるように、セラミックグリーンシートの厚みを調節した。また、内部電極の厚みについては、焼成後に0.5μmとなるように導電性ペースト膜の塗布厚みを調節した。なお、内部電極の厚みが0.3μmを超えるという点で、実験例4で作製した試料は、この発明の範囲外の参考例である。
(C)特性評価
実験例3の場合と同様にして、誘電率を求めた。その結果が表4に示されている。
Figure 0005225241
表4において、試料番号に△を付しているものは、アルカリ含有量が3.5モル部を超えた試料である。
表4から、いずれのアルカリ金属元素を用いた場合でも、焼成後において、アルカリ含有量が3.5モル部より多いと、3.5モル部以下の場合と比べて、誘電率が大きく減少していることがわかる。この理由としては、アルカリ含有量が多い場合には、そのすべてが内部電極との界面部には存在できず、一部が誘電体セラミック層中に残り、時には偏析相を生成するためであると思われる。そのため、本発明において、高い誘電率を得るためには、アルカリ含有量が3.5モル部以下であることが望ましい。
なお、実験例4において作製したすべての試料について、構造欠陥が生じた不良個数は10以下であった。
上記実験例1〜4では、誘電体セラミックの主成分ABO3として、BaTiO3を用いたが、AサイトのBaの一部がCaおよびSrの少なくとも一方に置換された主成分を用いても、あるいは、BサイトのTiの一部がZrおよびHfの少なくとも一方に置換された主成分を用いても、同様の結果が得られることを確認している。
1 積層セラミックコンデンサ
2 積層体
3 誘電体セラミック層
4,5 内部電極
8,9 外部電極

Claims (5)

  1. 積層された複数のセラミック層、および前記セラミック層間の特定の界面に沿って形成された複数の内部電極をもって構成される、積層体と、
    前記積層体の外表面上の互いに異なる位置に形成され、かつ前記内部電極の特定のものに電気的に接続される、複数の外部電極と
    を備え、
    前記内部電極は卑金属を導電成分として含み、
    各前記内部電極の厚みは0.3μm以下であり、
    前記セラミック層は、ABO3(Aは、Baを必ず含み、さらにCaおよびSrの少なくとも一方を含むことがある。Bは、Tiを必ず含み、さらにZrおよびHfの少なくとも一方を含むことがある。)を主成分とし、副成分として、Li、KおよびNaから選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属元素を含有する、セラミックから構成され、
    前記内部電極は、端縁部分まで含めて全域で前記セラミック層に接しており、
    前記アルカリ金属元素の含有量は前記主成分100モル部に対して0.2モル部以上であり、
    前記内部電極の表面には、前記アルカリ金属元素が固溶している酸化物相が形成されている、
    積層セラミック電子部品。
  2. 前記アルカリ金属元素はLiを含み、Liの含有量は前記主成分100モル部に対して0.2モル部以上である、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 各前記セラミック層の厚みは1μm以下である、請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
  4. 前記アルカリ金属元素の含有量は主成分100モル部に対して3.5モル部以下である、請求項1ないしのいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
  5. 前記内部電極の主成分はNiである、請求項1ないしのいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
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