JP2014112730A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】積層されている複数のセラミック層2と、複数の内部電極3及び4と、を有する積層体5と、積層体5の外表面に形成され、内部電極3及び4と電気的に接続されている複数の外部電極6及び7と、を備える積層セラミックコンデンサ1において、セラミック層2中に、セラミック層2を介して隣り合う内部電極3及び4の両方に接するセラミック粒子が存在し、セラミック層2の断面において、内部電極3及び4に垂直にセラミック粒子の平均粒径の間隔で引いた100本の直線のうち、隣り合う内部電極3及び4の両方に接するセラミック粒子が直線上に存在している直線の数の割合が5〜20%であり、かつ、セラミック層2の厚さが0.8μm以下であり、内部電極3及び4の厚さが0.60μm以下であることを特徴としている。
【選択図】図1
Description
実験例1では、セラミック層の主成分がBaTiO3系セラミックであり、隣り合う内部電極の両方に接するセラミック粒子の存在割合と内部電極の厚さを制御した積層セラミックコンデンサについて評価した。
主成分であるBaxTiO3の出発原料として、BaCO3及びTiO2の各粉末を用意した。そして、これらを表1に示す量、すなわちTi100モル部に対するBaの含有量が100×xモル部=100×1.008モル部=100.8モル部となるように秤量して、水を媒体としてボールミルにより一定時間混合した。その後、蒸発乾燥して仮焼することにより、主成分のセラミック粉末を得た。その際、仮焼温度を900〜1100℃の範囲で変化させ、主成分のセラミック粉末の粒径を変化させた。このようにして、後で作製する積層セラミックコンデンサのセラミック層に含まれる、隣り合う内部電極の両方に接するセラミック粒子の存在割合を制御した。
まず、セラミック層となるべきグリーンシートを形成した。具体的には、表1で表される化合物のセラミック粉末に、ポリビニルブチラール系バインダ及びエタノールを加えて、ボールミルにより湿式混合して、スラリーを作製した。このスラリーをリップ方式によりシート状に成形して、グリーンシートを得た。
得られた複数種類の積層セラミックコンデンサ(試料番号11〜20)について、各種特性を評価した。
[内部電極の厚さ・セラミック層の厚さの測定]
試料番号11〜20につき、内部電極の厚さ、およびセラミック層の厚さを測定した。なお、上述のとおり、内部電極の厚さは、グリーンシート上に印刷した導電性ペースト膜の厚さが異なるため、試料番号11〜20において異なる。一方、セラミック層の厚さは、グリーンシートの厚さが同一であるため、試料番号11〜20においてほぼ同一となる。
試料番号11〜20の各試料を垂直になるように立てて、各試料の周りを樹脂で固めた。このとき、各試料のLT側面(長さ・高さ側面;研磨すると外部電極への接続部分を含めて内部電極が露出する側面)が露出するようにした。研磨機により、LT側面を研磨し、積層体のW方向(幅方向)の1/2の深さで研磨を終了し、LT断面を出した。この研磨面に対しイオンミリングを行い、研磨によるダレを除去した。その後、粒界を明確にするために加熱処理 を行った。今回は1100℃にて加熱を行ったが、測定する試料により温度は適宜選択することができる。このようにして、観察用の断面を得た。
試料11〜20のセラミックコンデンサの静電容量を測定し、セラミック層の厚さと内部電極の対向面積から誘電率を算出した。静電容量は、温度25℃、1kHz、AC電圧0.5Vrmsの条件下で測定した。
実験例2では、セラミック層の主成分が(Ba,Ca)TiO3系セラミックである積層セラミックコンデンサについて評価した。
主成分である(Ba0.9Ca0.1)xTiO3の出発原料として、実験例1の出発原料に加えて、CaCO3の粉末を用意した。そして、これらを表3に示す量、すなわちTi100モル部に対するBaの含有量が100×x×0.9モル部=100×1.005×0.9モル部=90.45モル部、Caの含有量が100×x×0.1モル部=100×1.005×0.1モル部=10.05モル部となるように秤量して、水を媒体としてボールミルにより一定時間混合した。また、副成分として、実験例1のDy2O3の粉末の代わりにY2O3の粉末を用い、MnCO3の粉末の代わりにV2O3の粉末を用いた。そして、これらを上記Ti100モル部に対してY、Mg、V、Siの含有量が表3のモル部となるように秤量して主成分のセラミック粉末と配合した。それ以外は実験例1と同様の方法で、表3に表される化合物のセラミック粉末を作製した。
(B)積層セラミックコンデンサの作製
上記誘電体セラミック粉末を用いて、実験例1と同様の方法で積層セラミックコンデンサを作製した。隣り合う内部電極間に介在するセラミック層の厚さは0.7μmとした。
得られた積層セラミックコンデンサについて、実験例1と同様の方法で各種特性を評価した。表4に結果を示す。
実験例3では、セラミック層の主成分が(Ba,Ca)(Ti,Zr)O3系セラミックである積層セラミックコンデンサについて評価した。
主成分である(Ba0.9Ca0.1)x(Ti0.95Zr0.05)O3の出発原料として、実験例1の出発原料に加えて、CaCO3とZr2O3の各粉末を用意した。そして、これらを表5に示す量、すなわちTiとZrの合計含有量100モル部に対するBaの含有量が100×x×0.9モル部=100×1.010×0.9モル部=90.90モル部、Caの含有量が100×x×0.1モル部=100×1.010×0.1モル部=10.10モル部となるように秤量して、水を媒体としてボールミルにより一定時間混合した。また、副成分として、実験例1のDy2O3の粉末の代わりにGd2O3を用いた。そして、これらを上記TiとZrの合計含有量100モル部に対してGd、Mg、Mn、Siの含有量が表5のモル部となるように秤量して主成分のセラミック粉末と配合した。それ以外は実験例1と同様の方法で、表5に表される化合物のセラミック粉末を作製した。
上記誘電体セラミック粉末を用いて、実験例1と同様の方法で積層セラミックコンデンサを作製した。隣り合う内部電極間に介在するセラミック層の厚さは0.5μmとした。
得られた積層セラミックコンデンサについて、実験例1と同様の方法で各種特性を評価した。表6に結果を示す。
2 セラミック層
3、4 内部電極
5 積層体
6、7 外部電極
Claims (3)
- 積層されている複数のセラミック層と、前記セラミック層間の界面に沿って形成されている複数の内部電極と、を有する積層体と、前記積層体の外表面に形成され、前記内部電極と電気的に接続されている複数の外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサにおいて、
前記セラミック層中に、前記セラミック層を介して隣り合う前記内部電極の両方に接するセラミック粒子が存在し、
前記セラミック層の断面において、前記内部電極に垂直にセラミック粒子の平均粒径の間隔で引いた100本の直線のうち、隣り合う前記内部電極の両方に接するセラミック粒子が前記直線上に存在している直線の数の割合が5〜20%であり、かつ、
前記セラミック層の厚さが0.8μm以下であり、
前記内部電極の厚さが0.60μm以下であることを特徴とする、積層セラミックコンデンサ。 - 前記隣り合う前記内部電極の両方に接するセラミック粒子が前記直線上に存在している直線の数の割合が10〜20%であり、かつ、
前記セラミック層の厚さが0.7μm以下である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。 - 前記セラミック層が、BaおよびTiを含むペロブスカイト型化合物(ただし、Baの一部はCa及びSrの少なくとも一方で置換しても良く、Tiの一部はZrで置換しても良い)を主成分として含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。
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