JP5224850B2 - アルカリキチナーゼ - Google Patents
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Description
従って、アルカリ領域で作用し且つより安定性の高いキチナーゼが求められていた。
1)以下の酵素学的性質を有するバチルス属菌微生物由来のアルカリキチナーゼ
1.作用:
キチンのβ−1,4−グリコシド結合を加水分解する。
2.基質特異性:
コロイダルキチン及びρ−ニトロフェニル−トリ−N−アセチル−β−キトトリオシドを分解する。
3.最適反応pH:
コロイダルキチンを基質として50℃で反応させた場合、最適反応pHは約9.0である。
4.pH安定性:
コロイダルキチンを基質として4℃で24時間処理した場合、pH5.0〜12.0で未処理の80%以上の残存活性を示す。
5.最適反応温度:
コロイダルキチンを基質としてpH9.0で60分間反応させた場合、最適反応温度は約50℃である。
6.熱安定性:
コロイダルキチンを基質としてpH9.0で30分間処理した場合、50℃までは未処理の90%以上の残存活性を示す。
7.分子量:
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分子量は約66kDaである。
2)上記1)のアルカリキチナーゼを含有する洗浄剤組成物。
(1)作用
キチンに作用しこれを加水分解する。
(2)基質特異性
コロイダルキチン及びρ−ニトロフェニル−トリ−N−アセチル−β−キトトリオシドを分解する。
すなわち、pH9.0のホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液中で50℃で各基質を作用させた場合、コロイダルキチン及びρ−ニトロフェニル−トリ−N−アセチル−β−キトトリオシドを加水分解する。
また、エチレングリコールキチン、ρ−ニトロフェニル−N−アセチル−β−グルコサミン、ρ−ニトロフェニル−ジ−N−アセチル−β−キトビオシド、キトサン10、キトサン1000、グリコールキトサン、キシラン、キシログルカン、カルボキシメチルセルロース、セルロースパウダー、アビセル、β−1,3−グルカンは加水分解しない。
以下に示す条件で酵素活性を測定した場合、最適反応pHは約9.0(9.0±0.5)で、pH7.5〜10.0で最大活性の90%以上を示し、pH6.0〜10.5で最大活性の60%以上を示す(図1)。
〔測定条件〕
基質として、0.4%(w/v)コロイダルキチンを用いて、各0.1Mの緩衝液(塩化カリウム−塩酸緩衝液pH1.0、pH1.5、pH2.0、グリシン−塩酸緩衝液pH2.0、pH2.5、pH3.0、pH3.5、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液pH3.5、pH4.0、pH5.0、トリス−塩酸緩衝液pH7.0、pH8.0、pH9.0、ホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液pH9.0、pH10.0、pH11.5、リン酸−水酸化ナトリウム緩衝液pH11.0、pH12.0)中、50℃、60分間反応させ、キチナーゼ活性を測定する(最大活性時を示したpHの値を100%とした相対活性で示す)。尚、キチナーゼ活性測定にはコロイダルキチン分解活性で0.06ユニット/mLの酵素溶液を0.1mL使用した。
以下に示す条件で酵素活性を測定した場合、キチナーゼ活性はpH5.0〜pH12.0の範囲では残存活性は80%以上であり、広いpH範囲で安定である(図2)。
〔測定条件〕
各0.1Mの緩衝液(グリシン−塩酸緩衝液pH2.0、pH2.5、pH3.0、pH3.5、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液pH3.5、pH4.0、pH5.0、トリス−塩酸緩衝液pH7.0、pH8.0、pH9.0、ホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液pH9.0、pH10.0、pH11.5、リン酸−水酸化ナトリウム緩衝液pH11.0、pH12.0)中、4℃で24時間処理後、参考例に記載のキチナーゼ標準活性測定法にて活性を測定する(pH緩衝液未処理での活性を100%とした残存活性で示す)。尚、キチナーゼ活性測定ではコロイダルキチン分解活性で0.06ユニット/mLの酵素液を用いた。
以下に示す条件で酵素活性を測定した場合、キチナーゼ活性の最適反応温度は約50℃で、45℃〜65℃で最大活性の80%以上を示し、40℃〜60℃で最大活性の60%以上を示す(図3)。
〔測定条件〕
参考例に記載のキチナーゼ標準活性測定法に準じ、反応温度を30℃、40℃、50℃、60℃、70℃で反応させる(最高活性を示した温度での値を100%とした相対活性で示す)。尚、キチナーゼ活性測定にはコロイダルキチン分解活性で0.3ユニット/mLの酵素溶液を0.1mL使用した。
以下に示す条件で酵素活性を測定した場合、キチナーゼ活性は50℃、20分間の熱処理では、95%以上の残存活性を有しており、50℃までは安定である(図4)。
〔測定条件〕
コロイダルキチン分解活性で0.06ユニット/mLの酵素液を20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃の各温度下で0.1Mホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0)中、20分間熱処理した後、参考例に記載のキチナーゼ標準活性測定法にて残存活性を測定する(熱に対して未処理の活性を100%とした残存活性で示す)。
分子量マーカーとして、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動スタンダードLOW(バイオラッド製)を用い、ゲル濃度12.5%のゲルを用いて、15mAで約90分間電気泳動を行い、分子量を求めると約66kDaである(ただし、電気泳動法では±5kDa程度の誤差を生じる)(図5)。
(a)細胞の形態 :桿菌(0.8×1.5〜2.0μm)
(b)細胞の多形性 :なし
(c)運動性 :なし
(d)胞子 :有(中央〜準端立)
(e)グラム染色 :陽性
(a)肉汁寒天培地での生育状態:コロニー(淡黄色不透明、円形、レノズ状の隆起、周縁は波状、表面の形状はスムーズ、バター様の粘稠度)を形成、色素産生はなし
(b)肉汁液体培養 :表面発育しない、培地の混濁あり
(c)ゼラチン穿刺培養 :生育し、液化する
(d)リトマス・ミルク :凝固せず、液化しない
(a)硝酸塩の還元 :−
(b)脱窒反応 :−
(c)MRテスト :−
(d)VPテスト :−
(e)インドールの産生 :−
(f)硫化水素の生成 :−
(g)澱粉の加水分解 :−
(h)クエン酸の利用 :−
(i)無機窒素源の利用
硝酸塩 :+
アンモニウム :−
(j)ウレアーゼ :−
(k)カタラーゼ :+
(l)オキシダーゼ :−
(m)β−ガラクトシダーゼ :+
(n)アルギニンヒドラーゼ :−
(o)リジンデカルボキシラーゼ :−
(p)オルニチンデカルボキシラーゼ:−
(q)トリプトファンデアミナーゼ :−
(r)ゼラチナーゼ :+
(s)生育の温度範囲 :20〜50℃で生育
(t)生育のpH範囲 :pH6〜9で生育
(u)嫌気的生育性 :−
(v)糖類からの酸の生成(+;生成する、−;生成しない)
グリセロール :+
エリスリトール :−
D−アラビノース :−
L−アラビノース :+
リボース :+
D−キシロース :−
L−キシロース :−
アドニトール :−
β−メチル−D−キシロシド :−
ガラクトース :−
グルコース :+
フラクトース :+
マンノース :+
ソルボース :−
ラムノース :−
ズルシトール :+
イノシトール :−
マンニトール :+
ソルビトール :+
α−メチル−D−マンノシド :−
α−メチル−D−グルコシド :−
N−アセチルグリコサミン :+
アミグダリン :−
アルブチン :+
エスクリン :+
サリシン :+
セロビオース :+
マルトース :+
乳糖 :−
メリビオース :−
白糖 :+
トレハロース :+
イヌリン :−
メレチトース :−
ラフィノース :−
澱粉 :−
グリコーゲン :−
キシリトール :−
ゲンチオビオース :−
D−ツラノース :+
D−リキソース :−
D−タガトース :+
D−フコース :−
L−フコース :−
D−アラビトール :−
L−アラビトール :−
グルコネート :−
2−ケトグルコン酸 :−
5−ケトグルコン酸 :−
(1)界面活性剤
界面活性剤は洗浄剤組成物中0.5〜60質量%配合され、特に粉末状洗浄剤組成物については10〜45質量%、液体洗浄剤組成物については20〜50質量%配合することが好ましい。また本発明洗浄剤組成物が漂白剤、または自動食器洗浄機用洗剤である場合、界面活性剤は一般に1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%配合される。
二価金属イオン捕捉剤は0.01〜50質量%、好ましくは5〜40質量%配合される。本発明洗浄剤組成物に用いられる二価金属イオン捕捉剤としては、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、オルソリン酸塩などの縮合リン酸塩、ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩、合成層状結晶性ケイ酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、ポリアセタールカルボン酸塩などが挙げられる。このうち結晶性アルミノケイ酸塩(合成ゼオライト)が特に好ましく、A型、X型、P型ゼオライトのうち、A型が特に好ましい。合成ゼオライトは、平均一次粒径0.1〜10μm、特に0.1〜5μmのものが好適に使用される。
アルカリ剤は0.01〜80質量%、好ましくは1〜40質量%配合される。粉末洗剤の場合、デンス灰や軽灰と総称される炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、並びにJIS1号、2号、3号などの非晶質のアルカリ金属珪酸塩が挙げられる。これら無機性のアルカリ剤は洗剤乾燥時に、粒子の骨格形成において効果的であり、比較的硬く、流動性に優れた洗剤を得ることができる。これら以外のアルカリとしてはセスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられ、またトリポリリン酸塩などのリン酸塩もアルカリ剤としての作用を有する。また、液体洗剤に使用されるアルカリ剤としては、上記アルカリ剤の他に水酸化ナトリウム、並びにモノ、ジ又はトリエタノールアミンを使用することができ、活性剤の対イオンとしても使用できる。
再汚染防止剤は0.001〜10質量%、好ましくは1〜5質量%配合される。本発明洗浄剤組成物に用いられる再汚染防止剤としてはポリエチレングリコール、カルボン酸系ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。このうちカルボン酸系ポリマーは再汚染防止能の他、金属イオンを捕捉する機能、固体粒子汚れを衣料から洗濯浴中へ分散させる作用がある。カルボン酸系ポリマーはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などのホモポリマーないしコポリマーであり、コポリマーとしては上記モノマーとマレイン酸の共重合したものが好適であり、分子量が数千〜10万のものが好ましい。上記カルボン酸系ポリマー以外に、ポリグリシジル酸塩などのポリマー、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、並びにポリアスパラギン酸などのアミノカルボン酸系のポリマーも金属イオン捕捉剤、分散剤及び再汚染防止能を有するので好ましい。
例えば過酸化水素、過炭酸塩などの漂白剤は1〜10質量%配合するのが好ましい。漂白剤を使用するときは、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)や特開平6−316700号公報記載などの漂白活性化剤(アクチベーター)を0.01〜10質量%配合することができる。
本発明洗浄剤組成物に用いられる蛍光剤としてはビフェニル型蛍光剤(例えばチノパールCBS−Xなど)やスチルベン型蛍光剤(例えばDM型蛍光染料など)が挙げられる。蛍光剤は0.001〜2質量%配合するのが好ましい。
本発明品洗浄剤組成物には、衣料用洗剤の分野で公知のビルダー、柔軟化剤、還元剤(亜硫酸塩など)、抑泡剤(シリコーンなど)、香料、その他の添加剤を含有させることができる。
日本各地の土壌約0.2gを滅菌生理食塩水5.0mLに懸濁し、80℃、15分間熱処理した後、0.1mLを表1に示す組成を有する液体培地10mLに添加した。30℃の培養器で1週間、300rpmで振とう培養後、その培養液0.1mLを新しい培地に添加し、再度30℃の培養器で1週間、300rpmで振とう培養した。培養液を表2に示す組成を有する寒天平板培地に塗布して30℃の培養器で静置培養し、菌の生育後、コロイダルキチンの分解に伴う溶解斑が検出されたものを選抜し、シングルコロニー化を繰り返した。これによりアルカリキチナーゼ生産菌を取得した。
表3に示す組成を有する液体培地10mLに、実施例1で得られたアルカリキチナーゼ生産菌1白金耳を接種し、30℃の培養器で4日間、250rpmで振とう培養を行った。その培養液0.3mLを新しい培地30mLに添加し、30℃の培養器で4日間、120rpmで振とう培養した。この方法により、アルカリキチナーゼ活性を有する培養液を1.2L調製した。
実施例2で得られた培養液1.2Lを遠心分離(8,000rpm、15分間、4℃)し、その上清1Lをペンシル型モジュール(旭化成製)及びアミコンウルトラ(ミリポア製)を用いて6.0mLに濃縮した。濃縮液3.0mLをEcono−Pac10DGカラム(バイオラッド製)で4.0mLの50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で置換し、その3.7mLを同緩衝液で平衡化したToyoscreen DEAE−650M(東ソー製)に添着させた。同緩衝液約30mLでカラム内を洗浄し、0−1.0Mの塩化ナトリウム約70mLによる直線濃度勾配溶出を行ったところ、アルカリキチナーゼ活性を示すピークを得た。アルカリキチナーゼ活性を示すピークの画分を集め(17mL)、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけたところ、単一のバンドを示したので、この画分を酵素精製標品とした(図5)。
(1)基質特異性
参考例に示した方法に従って、本酵素のコロイダルキチン、エチレングリコールキチン、ρ−ニトロフェニル−N−アセチル−β−グルコサミン、ρ−ニトロフェニル−ジ−N−アセチル−β−キトビオシド、ρ−ニトロフェニル−トリ−N−アセチル−β−キトトリオシド、キトサン10、キトサン1000、グリコールキトサン、キシラン、キシログルカン、カルボキシメチルセルロース、セルロースパウダー、アビセル、β−1,3−グルカンに対する加水分解能を調べた結果、コロイダルキチン及びρ−ニトロフェニル−トリ−N−アセチル−β−キトトリオシドに対する加水分解能は有していたが、エチレングリコールキチン、ρ−ニトロフェニル−N−アセチル−β−グルコサミン、ρ−ニトロフェニル−ジ−N−アセチル−β−キトビオシド、キトサン10、キトサン1000、グリコールキトサン、キシラン、キシログルカン、カルボキシメチルセルロース、セルロースパウダー、アビセル、β−1,3−グルカンに対する加水分解能は有していなかった。
基質には0.4%(w/v)コロイダルキチンを用いて、各0.1Mの緩衝液(塩化カリウム−塩酸緩衝液pH1.0、pH1.5、pH2.0、グリシン−塩酸緩衝液pH2.0、pH2.5、pH3.0、pH3.5、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液pH3.5、pH4.0、pH5.0、トリス−塩酸緩衝液pH7.0、pH8.0、pH9.0、ホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液pH9.0、pH10.0、pH11.5、リン酸−水酸化ナトリウム緩衝液pH11.0、pH12.0)中、50℃で60分間の反応条件下で測定した。キチナーゼ活性測定にはコロイダルキチン分解活性で0.06ユニット/mLの酵素溶液を0.1mL使用した。最大活性時を示したpHの値を100%とした相対活性で示した。コロイダルキチンを基質とした場合の最適反応pHはpH約9.0でpH7.5〜10.0で最大活性の90%以上を示し、pH6.0〜10.5で最大活性の60%以上を示した(図1)。
各0.1Mの緩衝液(グリシン−塩酸緩衝液pH2.0、pH2.5、pH3.0、pH3.5、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液pH3.5、pH4.0、pH5.0、トリス−塩酸緩衝液pH7.0、pH8.0、pH9.0、ホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液pH9.0、pH10.0、pH11.5、リン酸−水酸化ナトリウム緩衝液pH11.0、pH12.0)中、4℃で24時間処理後、参考例に記載のキチナーゼ標準活性測定法にて活性を測定した。pH緩衝液未処理での活性を100%とした残存活性で示した。本実験には0.06ユニット/mL(キチナーゼ)の酵素液を用いた。その結果、キチナーゼ活性は、pH5.0〜pH12.0の範囲では残存活性は80%以上であり、広いpH範囲で安定であることが判った(図2)。
参考例に記載のキチナーゼ標準活性測定法に準じ、反応温度を30℃、40℃、50℃、60℃、70℃で反応させた。最高活性を示した温度での値を100%とした相対活性で示した。キチナーゼ活性測定にはコロイダルキチン分解活性で0.3ユニット/mLの酵素溶液を0.1mL使用した。その結果、キチナーゼ活性の最適反応温度は約50℃で、45℃〜65℃で最大活性の80%以上を示し、40℃〜60℃で最大活性の60%以上を示した(図3)。
コロイダルキチン分解活性で0.06ユニット/mLの酵素液を20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃の各温度下で0.1Mホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0)中、20分間熱処理した後、残存活性を参考例に記載のキチナーゼ標準活性測定法にて測定した。熱に対して未処理の活性を100%とした残存活性で示した。その結果、キチナーゼ活性は、50℃、20分間の熱処理では、95%以上の残存活性を有しており、50℃までは安定であった。(図4)。
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動は、Laemmliらの方法に従い行った。尚、用いた分子量マーカーは、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動スタンダードLOW(バイオラッド製)であり、標準タンパク質として、phosphorylase B(分子量;97,400)、serum albumin(分子量;66,200)、ovalbumin(分子量;45,000)、carbonic anhydrase(分子量;31,000)、trypsin inhibitor(分子量;21,500)及びlysozyme(分子量;14,400)を含んでいた。ゲル濃度12.5%のゲルを用いて、15mA/ゲルで約90分間電気泳動を行い、分子量を求めた結果、分子量は約66kDaであった(図5)。
コロイダルキチン分解活性で0.06ユニット/mLの酵素液を終濃度0.1%(w/v)の各界面活性剤(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(花王製)、SDS(バイオラッド製)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王製)、IEC−A洗剤(wfk製))存在下で0.1Mホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0)中、30℃で処理した後、残存活性を参考例に記載のキチナーゼ標準活性測定法にて測定した。界面活性剤未処理での活性を100%とした残存活性で示した。その結果、キチナーゼ活性は、5日間後でも残存活性は100%以上であり、界面活性剤に対して極めて安定であることが判った(図6)。
コロイダルキチン分解活性で0.06ユニット/mLの酵素液を各プロテアーゼ(終濃度4μg/mLトリプシン(和光製)、0.1%(v/v)サビナーゼ(ノボザイムズ製))存在下で0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)中、30℃で処理した後、残存活性を参考例に記載のキチナーゼ標準活性測定法にて測定した。プロテアーゼ未処理での活性を100%とした残存活性で示した。その結果、キチナーゼ活性は、27時間後でも残存活性は90%以上であり、プロテアーゼに対して強い耐性があることが判った(図7)。
(1)コロイダルキチン分解活性測定法[DNS法]
終濃度0.4%(w/v)コロイダルキチン(シグマ製キチンを用いて調製)、0.1Mホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0)の基質溶液0.9mLに、酵素液0.1mLを添加して50℃で60分間反応した。DNS溶液1mLを添加して反応を停止させた後、沸騰湯浴中で5分間煮沸した。氷水中で冷却後、遠心分離(3000rpm、15分間、25℃)により得られた上清液の535nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダー(VERSAmax、Molecular Devices製)で測定した。尚、基質溶液0.9mLにDNS溶液1mLを添加後、酵素液0.1mLを加え、同様の操作を行ったものをブランクとした。酵素1ユニットは、1分間当たり、1μmolのN―アセチルグルコサミンを遊離する酵素量とした。
終濃度0.4%(w/v)エチレングリコールキチン(生化学工業製)を基質として、コロイダルキチン分解活性測定法と同様の測定法で行った。
終濃度0.5mM N−アセチルキトオリゴ糖ρ−ニトロフェニル誘導体(生化学工業製)、0.1Mホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0)の基質溶液0.9mLに、酵素液0.1mLを添加して50℃で20分間反応した。1M炭酸ナトリウム溶液2mLを添加して反応を停止させた後、上清液の420nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダー(VERSAmax、Molecular Devices製)で測定した。尚、基質溶液0.9mLに炭酸ナトリウム溶液2mLを添加後、酵素液0.1mLを加え、同様の操作を行ったものをブランクとした。酵素1ユニットは、1分間当たり、1μmolのρ−ニトロフェノールを遊離する酵素量とした。
終濃度0.4%(w/v)キトサン(和光製)を基質として、コロイダルキチン分解活性測定法と同様の測定法で行った。
終濃度0.4%(w/v)キトサン1000(和光製)を基質として、コロイダルキチン分解活性測定法と同様の測定法で行った。
終濃度0.4%(w/v)グリコールキトサン(和光製)を基質として、コロイダルキチン分解活性測定法と同様の測定法で行った。
終濃度1%(w/v)キシラン(フルカ製)、0.1Mホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0)の基質溶液0.9mLに、酵素液0.1mLを添加して50℃で60分間反応した。DNS溶液1mLを添加して反応を停止させた後、沸騰湯浴中で5分間煮沸した。氷水中で冷却後、遠心分離(3000rpm、15分間、25℃)により得られた上清液1mLにイオン交換水4mLを加え、上清液の535nmにおける吸光度をU2000スペクトロフォトメーター(日立製作所製)を用いて測定した。尚、基質溶液0.9mLにDNS溶液1mLを添加後、酵素液0.1mLを加え、同様の操作を行ったものをブランクとした。酵素1ユニットは、1分間当たり、1μmolのキシロースを遊離する酵素量とした。
終濃度0.4%(w/v)キシログルカン(メガザイム製)、0.1Mホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0)の基質溶液0.9mLに、酵素液0.1mLを添加して50℃で60分間反応した。DNS溶液1mLを添加して反応を停止させた後、沸騰湯浴中で5分間煮沸した。氷水中で冷却後、イオン交換水4mLを加え、上清液の535nmにおける吸光度をU2000スペクトロフォトメーター(日立製作所製)を用いて測定した。尚、基質溶液0.9mLにDNS溶液1mLを添加後、酵素液0.1mLを加え、同様の操作を行ったものをブランクとした。酵素1ユニットは、1分間当たり、1μmolのグルコースを遊離する酵素量とした。
終濃度1%(w/v)カルボキシメチルセルロース(日本製紙製)を基質として、キシログルカン分解活性測定法と同様の測定法で行った。
終濃度1%(w/v)セルロースパウダー(シグマ製)、0.1Mホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0)の基質溶液0.9mLに、酵素液0.1mLを添加して50℃で60分間反応した。DNS溶液1mLを添加して反応を停止させた後、遠心分離(3000rpm、15分間、25℃)により得られた上清液1mLを沸騰湯浴中で5分間煮沸した。氷水中で冷却後、イオン交換水2mLを加え、上清液の535nmにおける吸光度をU2000スペクトロフォトメーター(日立製作所製)を用いて測定した。尚、基質溶液0.9mLにDNS溶液1mLを添加後、酵素液0.1mLを加え、同様の操作を行ったものをブランクとした。酵素1ユニットは、1分間当たり、1μmolのグルコースを遊離する酵素量とした。
終濃度1%(w/v)アビセル(メルク製)を基質として、セルロースパウダー分解活性測定法と同様の測定法で行った。
終濃度0.4%(w/v)β−1,3−グルカン(メガザイム製)を基質として、キシログルカン分解活性測定法と同様の測定法で行った。
Claims (2)
- 以下の酵素学的性質を有するバチルス属菌微生物由来のアルカリキチナーゼ
1.作用:
キチンのβ−1,4−グリコシド結合を加水分解する。
2.基質特異性:
コロイダルキチン及びρ−ニトロフェニル−トリ−N−アセチル−β−キトトリオシドを分解する。
3.最適反応pH:
コロイダルキチンを基質として50℃で反応させた場合、最適反応pHは約9.0である。
4.pH安定性:
コロイダルキチンを基質として4℃で24時間処理した場合、pH5.0〜12.0で未処理の80%以上の残存活性を示す。
5.最適反応温度:
コロイダルキチンを基質としてpH9.0で60分間反応させた場合、最適反応温度は約50℃である。
6.熱安定性:
コロイダルキチンを基質としてpH9.0で30分間処理した場合、50℃までは未処理の90%以上の残存活性を示す。
7.分子量:
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分子量は約66kDaである。 - 請求項1記載のアルカリキチナーゼを含有する洗浄剤組成物。
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