JP5222808B2 - 凝集剤,凝集剤を用いた汚水浄化方法及び凝集剤を用いた浄水装置 - Google Patents

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Description

本発明は凝集剤,凝集剤を用いた汚水浄化方法及び凝集剤を用いた浄水装置に関する。
油田採掘等で発生する汚水には原油に共存していた大量の有機酸(酢酸,吉草酸,ナフテン酸等)が含まれてくる。これら有機酸を含有した状態で海や河川に放流した場合、生態系に与える影響が大きいので、これら有機酸を除去した後放流する必要がある。
特許文献1には次のような脱臭装置が開示されている。悪臭物質の脱臭装置であって、充填塔式生物脱臭塔1において、充填材に繊維状活性炭を含有した成形体を充填層2に充填し、悪臭ガスを装置の下方から導入する一方、情報の散水器3より散水を行い、繊維状活性炭含有接触材の表面に担持した微生物により吸着作用を併用して臭気成分を分解する。
特開2003−144839号公報
本発明の目的は、汚水から有機酸を除くことを目的とする。また、本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかにする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、汚水に含まれカルボキシル基を1個有する有機酸をイオン結合により凝集物とする凝集剤であって、凝集剤は、水溶性のジアミン,アミノ基を有する高分子及び酸性基を有する高分子からなることを特徴とする凝集剤である。
また、本発明の別の特徴は、汚水に含まれカルボキシル基を1個有する有機酸をイオン結合により凝集物とする汚水浄化方法において、汚水に水溶性のジアミン及び酸性基を有する高分子が添加された後、アミノ基を有する高分子が添加されることを特徴とする汚水浄化方法である。
また、本発明の別の特徴は、汚水に含まれカルボキシル基を1個有する有機酸をイオン結合により凝集物とする汚水浄化方法において、汚水に対して水溶性のジアミン及びアミノ基を有する高分子が添加された後、酸性基を有する高分子が添加されることを特徴とする汚水浄化方法である。
また、本発明の別の特徴は、汚水に含まれカルボキシル基を1個有する有機酸をイオン結合により凝集物とする凝集剤を用いた浄水装置であって、汚水にジアミンと第一の高分子との水溶液が投入される第一の混合槽と、第一の混合槽中の水溶液と第二の高分子の水溶液とが投入される第二の混合槽と、凝集物を除去する機構とを有し、第一の混合槽には第一の攪拌機構が配置され、第二の混合槽には第二の攪拌機構が配置され、第一の高分子がアミノ基を有する高分子であり、第二の高分子が酸性基を有する高分子であることを特徴とする浄水装置である。
また、本発明の別の特徴は、汚水に含まれカルボキシル基を1個有する有機酸をイオン結合により凝集物とする凝集剤を用いた浄水装置であって、汚水にジアミンと第一の高分子との水溶液が投入される第一の混合槽と、第一の混合槽中の水溶液と第二の高分子の水溶液とが投入される第二の混合槽と、凝集物を除去する機構とを有し、第一の混合槽には第一の攪拌機構が配置され、第二の混合槽には第二の攪拌機構が配置され、第一の高分子が酸性基を有する高分子であり、第二の高分子がアミノ基を有する高分子であることを特徴とする浄水装置である。

本発明により、汚水中の有機酸を除くことができる。
従来の汚濁微粒子を凝集物化する方法である。 本発明のフロック(凝集物)形成のスキームである。 本発明のフロック(凝集物)形成のスキームである。 本発明の浄水装置の模式図である。 本発明の浄水装置の模式図である。 本発明の浄水装置の模式図である。 本発明の浄水装置の模式図である。 本発明の浄水装置の模式図である。 本発明の浄水装置の模式図である。 本発明の浄水装置の模式図である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。
油田採掘等で発生する汚水の量は膨大であり、高速で且つ大量の処理技術が求められている。汚水中の汚れを除去する方法として水中に懸濁している汚濁微粒子の従来の除去方法を図1に示す。
汚濁微粒子を含む汚水中にポリ塩化アルミニウム(通称PAC)あるいは硫酸鉄を加えると、粒子径がおおよそ数十〜数百μmの小さな凝集物であるマイクロフロック1が形成される。その後、ポリアクリルアミドを添加することにより粒子径がおおよそ数百〜数千μmのフロック3と呼ばれる大きな凝集物が形成される。この汚水が濾過層を通ることで、フロック3が分離され除去される。あるいは、フロック3の形成時に磁性粉4を入れておいて、フロック3が形成された後に磁気を利用してフロック3を分離する方法でもよい。また、PACの代わりに硫酸鉄を用いることもある。これらの方法はいずれも、汚濁微粒子2を高速で除去できるが、水中に溶解している酢酸,吉草酸,ナフテン酸等の有機酸は除去が困難である。
一方、有機酸は活性炭やイオン交換樹脂等に吸着させる方法で除去するのが一般的である。また、逆浸透膜を用いて除去する方法もある。しかし、いずれも処理能力に限界があり、用いる活性炭やイオン交換樹脂、或いは逆浸透膜を頻繁に交換する必要もある。
上述のように、凝集剤を用いて汚濁微粒子を除去する方法は、高速で大量の汚水処理には適しているが、水中に溶解している有機酸は除去できない。
一方、活性炭やイオン交換樹脂等に吸着させる場合、吸着量は活性炭やイオン交換樹脂の表面積で決まってくる。そのため、粒子サイズは小さい方が表面積は大きくなる。しかし、粒子サイズが小さすぎると活性炭やイオン交換樹脂を保持できなくなるため、取り扱いが困難になる。また、活性炭は有機酸以外の有機物も吸着するので吸着効率はすぐに低下してしまう。
逆浸透膜は膜の表面の細孔に有機酸に限らず汚濁物質が詰まると使えなくなるので、大量の汚水を高速で処理することが困難であった。
このように、従来技術では高速で大量の汚水から有機酸を除くことは困難であった。そこで、図2を用いて有機酸をイオン結合により凝集物に変化させる本発明の方法を説明する。以下、本発明においては高分子を「ある同一の化学構造の部位が少なくとも3つ以上結合している化合物」とする。
まず、有機酸5を含む汚水に水溶性のジアミン6を添加する。これにより、有機酸5とジアミン6とからなるイオン結合7が生成される。こうして有機酸5がジアミン6にトラップされる。ここで、有機酸5は酸性基としてカルボキシル基を有している場合を図示しているが、スルホン酸基でもよい。
次に、酸性基を有する高分子8が添加される。これにより、ジアミン6と酸性基を有する高分子8とからなるイオン結合9が生成される。こうして、ジアミン6が酸性基を有する高分子8にトラップされる。ここで、酸性基を有する高分子8は酸性基としてカルボキシル基を有している場合を図示しているが、スルホン酸基でもよい。
なお、ジアミン6の添加量(分子数)は汚水中の有機酸5の分子数以上添加する。こうすることで、ジアミン6のアミノ基の片方が有機酸5をトラップしていない状態となり、このアミノ基が引き続く酸性基を有する高分子8の酸性基とのイオン結合を可能とする。
次に、アミノ基を有する高分子10の水溶液を加える。すると、アミノ基を有する高分子10のアミノ基と酸性基を有する高分子8の酸性基とからなるイオン結合11が形成される。アミノ基を有する高分子10のアミノ基と酸性基を有する高分子8の酸性基とからなるイオン結合11の形成により、アミノ基を有する高分子10と酸性基を有する高分子8とが架橋される。この架橋物はほとんど水に溶解されず、有機酸5をトラップした凝集物12として析出される。この凝集物12は濾過層を通すことで分離でき、結果として汚水から有機酸を除去することができる。
なお、ジアミン6でトラップできなかった有機酸5の一部は、後から加えたアミノ基を有する高分子10のアミノ基とイオン結合13を形成することでトラップされる。
また、酸性基を有する高分子8は水に溶解しているので、酸性基を有する高分子8の酸性基の多くがアミノ基を有する高分子10のアミノ基とイオン結合を形成する。しかし、最後に加えるアミノ基を有する高分子10のアミノ基の一部が酸性基を有する高分子8の酸性基とイオン結合しただけで水に不溶の凝集物になる。そのため、酸性基を有する高分子8を用いて水にほとんど溶けない凝集物にする場合、加えるアミノ基を有する高分子10のアミノ基の数は酸性基を有する高分子の酸性基8より多く加える必要がある。つまり、アミノ基を有する高分子のアミノ基の数をPB、前記酸性基を有する高分子の酸性基の数をPAとしたとき、PB≧PAを満足するように調整して浄化される方が好適である。
上記不等式を満足させることにより、汚水中の酸性基を有する高分子を極力凝集物として析出できる。これにより、汚水中のTOC濃度の上昇を防ぐことができる。
以上のように、水溶性のジアミン,アミノ基を有する高分子及び酸性基を有する高分子からなる凝集剤によって、有機酸をイオン結合により凝集物とすることができる。
次に、図3を用いて有機酸をイオン結合により凝集物に変化させる本発明のもう一つの方法を説明する。
まず、有機酸5を含む汚水にジアミン6及びアミノ基を有する高分子10を添加する。これにより、有機酸5はジアミン6とイオン結合7を形成する。また、有機酸5はアミノ基を有する高分子10とイオン結合13を形成する。
次に、酸性基を有する高分子8の溶液を加える。すると、アミノ基を有する高分子10のアミノ基と酸性基を有する高分子8の酸性基とからなるイオン結合11が形成される。このイオン結合の形成により、アミノ基を有する高分子10と酸性基を有する高分子8とが架橋される。この架橋物はほとんど水に溶解されず、有機酸をトラップした凝集物12として析出される。この凝集物12は濾過層を通すことで分離され、結果として汚水から有機酸5を除去することが可能となる。
ここで、酸性基を有する高分子は酸性基としてカルボキシル基を有している場合を図示しているが、スルホン酸基でもよい。
なお、アミノ基を有する高分子10は水に溶解しているので、有機酸5の多くがアミノ基を有する高分子10とイオン結合を形成する。しかし、最後に加える酸性基を有する高分子8の酸性基の一部がアミノ基を有する高分子10とイオン結合しただけで水に不溶の凝集物になる。そのため、アミノ基を有する高分子10を用いて水に不溶の凝集物にする場合、加える酸性基を有する高分子8の酸性基の数はアミノ基を有する高分子10のアミノ基より多く加えられる必要がある。つまり、アミノ基を有する高分子のアミノ基の数をPB、前記酸性基を有する高分子の酸性基の数をPAとしたとき、PB≦PAを満足する加え方が好適である。
上記不等式を満足させることにより、汚水中のアミノ基を有する高分子は凝集物として析出される。これにより、汚水中のTOC濃度の上昇を防ぐことができる。
従来の有機酸除去で最も一般的に用いられるイオン交換樹脂は、粒子径が0.1〜2mm程度の樹脂粒子表面のアミノ基に有機酸をトラップさせていた。粒子径が小さいほど粒子の表面積が大きくなるので多くの有機酸をトラップできる。しかし、本発明の場合、ジアミンが水溶性のため、粒子径があたかも数オングストロームのイオン交換樹脂を用いたのと同じように高効率で有機酸をトラップできる。そのため、従来のイオン交換樹脂を用いた場合に比べて同じ量だけ添加した場合の有機酸トラップ量は格段に大きくなる。
また、従来技術として、油分を含んだ排水に特定のアンモニウム塩構造を有する高分子とアニオン性高分子を添加することで油分を凝集物化し、油分を除去する旨の方法が提案されている。これは、アンモニウム塩構造を有する高分子とアニオン性高分子を用いている方法である。しかし、除去対象となるのはイオン結合を形成するための置換基を有していない油分のため、除去対象物である有機酸とイオン結合することで凝集物を形成する本発明とは凝集の形態が異なる。
本発明の実施形態について以下に説明する。
[1]凝集剤系
(1)ジアミン
ジアミンは有機酸をイオン結合でトラップするのが目的である。アミノ基を有する高分子もある程度はトラップできる。しかし、低分子の方が有機酸のモル数/添加した分子中のアミノ基の数は、ジアミンの方が大きい傾向がある。よって、本発明では初めにジアミンを加える。
ジアミンの有機酸のトラップ力は、有しているアミノ基の塩基性が高いほど大きい。そのため、芳香族アミンより脂肪族アミンの方がトラップ力は高い。具体的には、エチレンジアミン・1,3−ジアミノプロパン・1,4−ジアミノブタン・1,6−ジアミノヘキサン・1,8−ジアミノオクタン等がこれに該当する。
また、1級アミンより2級アミンの方がトラップ力は高い傾向にある。具体的には、N,N−ジメチルエチレンジアミン・1,3−ジアミノN,N−ジメチルプロパン・1,4−ジアミノN,N−ジメチルブタン・1,6−ジアミノN,N−ジメチルヘキサン等がこれに該当する。
立体障害の影響が小さければ、3級アミンは2級アミンよりトラップ力は高い傾向にある。具体的には、アミノ基の窒素原子に対してメチル基・エチル基・プロピル基・ブチル基等の立体障害の影響が小さい置換基が該当する。
また、直鎖で変形の自由度の高い置換基が結合している場合、立体障害は小さい傾向があるので、トラップ力が高く好ましい。例えば、N,N,N,N−テトラメチルエチレンジアミン・1,3−ジアミノN,N,N,N−テトラメチルプロパン・1,4−ジアミノN,N,N,N−テトラメチルブタン・1,6−ジアミノN,N,N,N−テトラメチルヘキサン等がこれに該当する。
しかし、立体障害が大きくなると有機酸のトラップ力は低下する。例えば、アミノ基の窒素原子に対してターシャリーブチル基・ターシャリーアミル基といった分岐鎖の置換基或いはベンジル基などのかさ高い置換基が結合している場合は有機酸のトラップ力は低下する。
ジアミンは汚水に溶解させる必要があるので、水溶性が望ましい。ただし、水に溶解しにくい場合は、ジアミンの片方のアミノ基を塩酸・硝酸等の添加でアンモニウム塩構造にすることで、水への溶解性を向上させることが可能である。
(2)アミノ基を有する高分子
アミノ基を有する高分子としては、同じ分子量中でアミノ基の割合が最も大きくなる点でポリエチレンイミンが好適である。また、ポリビニルアミン・ポリアリルアミンといった直鎖にアミノ基を有するタイプも、比較的安価で水に溶解しやすいので好適である。キトサンは、かにの甲羅・えびの外骨格・カブトムシ・ゴキブリといった生物の外骨格の主成分であるキチンを加水分解することで得られる。また、キトサンは水に対する溶解性が低い。しかし、原料が生物由来という点で環境負荷が小さい。キトサンの中でも、ポリリシン・ポリアルギニンはアミノ酸由来で毒性も低い点で好ましい。アミノ基を有する高分子は、平均分子量が小さいと常温でもアミン特有の臭気を発生する。具体的には平均分子量が200未満の場合に顕著になる。そこで、アミノ基を有する高分子は平均分子量が200以上であることが好ましい。また臭気をほとんど感じなくなるようにするため、可能であれば平均分子量は500以上が好ましい。なお、本発明において平均分子量は数平均分子量を示し、Gel permeation Chromatography(ゲルパーメーションクロマトグラフィ)法によって計測される。
一方、平均分子量が大きくなると、水溶液にしてもその粘度が高く、投入量管理,汚水への投入操作の際扱いが難しくなる。具体的には、平均分子量が1,000,000を超えると、10重量%の水溶液にしても粘度は3,000mPa・s以上になる。そこで、アミノ基を有する高分子の平均分子量は1,000,000以下が好ましい。また、平均分子量は200,000以下の場合は10重量%水溶液にしても粘度が1,000mPa・s以下となる。したがって、投入量管理,汚水への投入操作の際扱いが簡便になるためにはアミノ基を有する高分子の平均分子量は200,000以下が好ましい。
なお、アミノ基を有する高分子の水溶性が低い場合は、アミノ基を塩酸塩構造または硝酸塩構造にすることで、水に対する溶解性を向上させることが可能である。アミノ基を塩酸塩構造または硝酸塩構造とした後に汚水に添加することで有機酸と効率良くイオン結合を形成することができる。
(3)酸性基を有する高分子
酸性基を有する高分子は酸性基としてカルボキシル基またはスルホン酸基が考えられる。
このうち、カルボキシル基を有する高分子としては安価でアミノ基とイオン結合しやすい点でポリアクリル酸が好適である。このほか、アミノ酸由来のポリアスパラギン酸・ポリグルタミン酸等も毒性が低いという特徴がある。アルギン酸はコンブ等海草の主成分の一種であり、原料が生物由来という点で環境負荷が小さい特徴を持つ。スルホン酸基を有する高分子としてはポリビニルスルホン酸・ポリスチレンスルホン酸等が挙げられる。これらスルホン酸基はカルボキシル基よりも酸性度が大きいため、アミノ基とのイオン結合を形成する割合が高く、安定な凝集物を得られる点で好ましい。
なお、酸性基を有する高分子の水溶性が低い場合は、酸性基をアンモニウム塩構造・ナトリウム塩構造・カリウム塩構造にすることで水に対する溶解性を向上させることができる。酸性基をアンモニウム塩構造・ナトリウム塩構造・カリウム塩構造とした後に汚水に添加することで、アミノ基を有する高分子と効率良くイオン結合を形成することができる。
ところで、酸性基を有する高分子の平均分子量は、低すぎると凝集物の架橋部位の数が少なくなるので凝集物の安定性が低くなる。また、凝集物が粘度の高い液状になる傾向もある。こうなると、濾過では凝集物の除去は困難になる。そこで、酸性基を有する高分子の平均分子量は2,000以上が望ましい。
なお、酸性基を有する高分子の平均分子量が2,000の場合、汚水の温度が40℃以上になると凝集物が粘着性を有するようになる。工業排水の場合、排水の温度が60℃程度まで高くなる場合もある。この場合は更に、酸性基を有する高分子の平均分子量を大きくすることで高温でも凝集物を固体化することができる。具体的には、平均分子量を5,000以上にすることで、汚水の温度が40℃でも凝集物を固体化できる。よって、酸性基を有する高分子の平均分子量は5,000以上がより好ましい。更に、平均分子量を10,000以上にすることで、汚水の温度が60℃でも凝集物を固体化できる。よって、酸性基を有する高分子の平均分子量は10,000以上が更に好ましい。
なお、使用条件によって凝集物がどうしても液状になってしまう場合は、酸性基を有する高分子を加える前、または、酸性基を有する高分子を加える時に砂を添加する。これにより、砂が液状凝集物と混ざり合い、凝集物が固体化するので、濾過等による凝集物の除去が容易になる。
また、酸性基を有する高分子の平均分子量が大きくなりすぎると、アミノ基と架橋が形成される途中で水に対して溶解性が低下し、酸性基を有する高分子が析出してしまう傾向がある。すなわち、汚水中にある有機酸とアミノ基を有する高分子とのイオン結合状態のもの酸性基を有する高分子が析出してしまう可能性がある。こうなると、有機酸とアミノ基を有する高分子とのイオン結合状態の一部が汚水中に溶解した状態で残ってしまう。そのため、酸性基を有する高分子の平均分子量は1,000,000以下であることが望ましい。
(4)アミノ基または酸性基を有する高分子の溶解性向上策
アミノ基を有する高分子の水に対する溶解性が低い場合は、アミノ基を強酸でアンモニウム塩構造にすることで水に対する溶解性を向上できる。具体的には、塩酸・硝酸・硫酸等を添加し、塩酸塩・硝酸塩・硫酸塩等に変換することにより水に対する溶解性を大幅に向上できる。
また、酸性基を有する高分子の水に対する溶解性が低い場合は、酸性基を強塩基で塩構造にすることで水に対する溶解性を向上できる。具体的には、水酸化ナトリウム・水酸化マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物を添加し、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩等に変換することにより、水に対する溶解性を大幅に向上できる。
(5)有機酸トラップ向上のための添加剤
有機酸の酸性基の酸性度が低い場合、アミノ基とイオン結合を形成する割合が低下する。そこで、酸性基を有する高分子を添加する前に塩化ナトリウムや塩化カリウム等の無機塩を汚水に添加することにより、アミノ基とイオン結合する有機酸の割合が高まる。この理由として、塩を添加して水中に溶解している有機物を析出させる塩析と類似の効果により汚水中に溶解できる有機酸の許容割合を下げている可能性が考えられる。
添加する無機塩は塩化ナトリウム・塩化カリウム・塩化マグネシウム・塩化カルシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩酸塩、硫酸ナトリウム・硫酸カリウム・硫酸マグネシウム・硫酸カルシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の硫酸塩、硝酸ナトリウム・硝酸カリウム・硝酸マグネシウム・硝酸カルシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の硝酸塩、等が挙げられる。
[2]凝集方法
(1)本発明の凝集方法の概略
本発明の有機酸を凝集物にする方法は前述の図2または図3の2通りである。これを簡単に記述すると以下のようになる。なお、図2及び図3では酸性基をカルボキシル基で説明しているが、スルホン酸基でも同様である。
図2の方法は次の通りである。初めに汚水へジアミンを添加する。これにより、汚水中の有機酸のカルボキシル基がジアミンのアミノ基とイオン結合を形成する。次に、酸性基を有する高分子を添加する。これにより、ジアミンのアミノ基が酸性基を有する高分子の酸性基とイオン結合する。次に、アミノ基を有する高分子を添加する。これにより、アミノ基を有する高分子のアミノ基と酸性基を有する高分子の酸性基とが分子同士で多数のイオン結合し架橋し、水にほとんど不溶の凝集物が形成される。
図3の方法は次の通りである。初めに汚水へジアミンを添加する。次に、アミノ基を有する高分子を添加する。これにより、汚水中の有機酸の酸性基がジアミンのアミノ基及びアミノ基を有する高分子のアミノ基とイオン結合を形成する。ここで、汚水にジアミン及びアミノ基を有する高分子を同時に添加してもよい。次に、酸性基を有する高分子を添加する。これにより、酸性基を有する高分子の酸性基がアミノ基を有する高分子のアミノ基と分子同士で多数のイオン結合し架橋され、水にほとんど不溶の凝集物が形成される。
(2)有機酸除去の向上策
有機酸除去の向上策としては、ジアミン及びアミノ基を有する高分子のアミノ基の数が汚水中の酸性基の数よりなるべく多くなるようにジアミン及びアミノ基を有する高分子を添加する方法が考えられる。
また、酸性基を有する高分子の溶液を汚水中に添加する際、なるべく激しく攪拌することで、汚水全体に酸性基を有する高分子が行き渡り、効率良く凝集物を形成できる。よって、酸性基を有する高分子添加の際の攪拌状態を高めることで有機酸の除去率を向上できる。
その他に、有機酸の除去率を高める方法として、アミノ基を有する高分子を添加する前に汚水中に無機の塩を添加しておく方法が挙げられる。この理由として、塩析と類似の効果により除去率が高まる可能性が考えられる。加える無機の塩は自然界に豊富に存在する塩化ナトリウムが好適である。特に、海底油田の汚水処理の場合は、海水中の平均塩化ナトリウム濃度が約3%であることを考慮すると、塩化ナトリウム濃度が約3%になるまでは添加しても環境に与える影響は軽微なので特に好適である。
なお、添加の順序としては、アミノ基を有する高分子の添加前に加えるようにする。これは、アミノ基を有する高分子の添加後に加えてもこれ以上は凝集しないためである。
(3)凝集物大型化
前述した有機酸除去の向上のように、酸性基を有する高分子の溶液を添加する際はなるべく激しく攪拌する方が有機酸を凝集物に効率的にトラップできる。しかし、攪拌が激しすぎると凝集物のサイズが小さくなりすぎ、濾過層を通す際に詰まりやすくなるので、処理速度が低下する恐れもある。
そこで、凝集物を形成後、ポリ塩化アルミニウム及びポリアクリルアミドを添加し、凝集物を大型化することで濾過層のろ過速度を向上させ、ひいては汚水処理速度向上につなげることも可能である。なお、ポリ塩化アルミニウムの代わりに硫酸アルミニウム・ポリ硫酸第二鉄・塩化第二鉄等を用いても良い。
(4)磁気分離の適用
凝集物形成時に、凝集物内に磁性粉または鉄粉を含有させておくことで磁気分離による凝集物除去が可能になる。つまり、凝集剤に磁性粉または鉄粉が混合されることで磁気分離による凝集物除去が可能になる。
以下、図3の場合について説明する。酸性基を有する高分子を添加した後では凝集物内に磁性粉または鉄粉を入れることが困難である。したがって、酸性基を有する高分子を添加する前か、酸性基を有する高分子と一緒に汚水に添加されることで凝集物内に含有させることが可能になる。なお、凝集物の大型化のためポリ塩化アルミニウム及びポリアクリルアミドを添加する場合は、酸性基を有する高分子を添加した後でも、ポリアクリルアミド添加前に磁性粉または鉄粉を添加することで磁気分離での凝集物分離が可能となる。
なお、図2の場合を考慮すると、アミノを有する高分子を添加する前か、アミノを有する高分子と一緒に磁性粉または鉄粉が汚水に添加されることで凝集物内に含有させることが可能になる。
[3]浄水装置の発明の形態
次に、本発明の浄水装置について説明する。
(1)浄水装置の形態1
本発明の浄水装置の基本構成について図4を使って説明する。
汚水は、ポンプ21により配管22を通って第一の混合槽23に投入される。この中の液体は第一の攪拌機構であるオーバーヘッドスターラ24によって攪拌される。次に、ジアミンの水溶液のタンク25からポンプ26により、配管27を通ってジアミンの水溶液が第一の混合槽23に投入される。更に、第一の高分子の水溶液のタンク28からポンプ29により、配管30を通って第一の高分子の水溶液が第一の混合槽23に投入される。ここでいう第一の高分子とは図2の方法における酸性基を有する高分子を示す、あるいは、図3の方法におけるアミノ基を有する高分子を示す。
第一の混合槽23内の水溶液を十分混合した後、第一の混合槽23中の水溶液は、ポンプ31により第一の配管32を通して第二の混合槽33に投入される。第二の混合槽33中の液体は第二の攪拌機構であるオーバーヘッドスターラ34によって攪拌されている。
次に、第二の高分子水溶液のタンク35からポンプ36により第二の配管37を通って第二の高分子水溶液が第二の混合槽33に投入される。ここでいう第二の高分子とは、図2の方法におけるアミノ基を有する高分子を示し、あるいは、図3の方法における酸性基を有する高分子を示す。
第二の高分子水溶液を投入すると第二の混合槽33中で凝集物が生成される。凝集物が混ざった状態の水溶液はバルブ38を開けることにより、凝集物を除去する機構である濾過部39に流れ込む。流れ込んだ水溶液は濾過用の砂からなる濾過層40で濾過され、その後多孔質部材41により再度濾過され、有機酸が低減された水として出ていく。
図4では濾過部39a及び濾過部39bを有している装置を示している。始めに濾過部39aで濾過処理を行い、濾過層40aが詰まり濾過速度が低下した場合は、濾過部39bで濾過処理を行うようにする。濾過部39bで濾過処理中に、濾過部39aの濾過層40aを交換する等の処置をすることで、濾過処理を極力滞らないようにすることが可能となる。
配管37における第二の混合槽33に水溶液を投入する部分の先端42bはストレートではなく、扇状に広げたりシャワーの口のように広げたり、水溶液がなるべく広範囲に第二の混合槽33中に投入するようにする。これは、水溶液の投入に伴い瞬時に凝集が始まるため、狭い面積に投入すると投入した水溶液が凝集物に内包され、更なる凝集物生成に生かされないためである。
配管32及び配管37における第二の混合槽33に水溶液を投入する部分の先端42a及び先端42bは、第二の混合槽33の液面に接触しないよう液面の上に設ける。これにより、第二の混合槽33で生成する凝集物が配管等の先端に付着し先端の穴を塞がれることを防止できる。
(2)浄水装置の形態2
本発明の浄水装置のうち沈降槽を有するものの基本構成について図5を使って説明する。
この装置の構成は図4における濾過部の代わりに、沈降槽43を持つ。この構成により凝集物を沈降槽下部に沈殿させ、上澄みを浄化水として得る。
(3)浄水装置の形態3
本発明の浄水装置のうち濾過部に濾過層の目詰まりを防止する機構を有するものの基本構成について図6を使って説明する。
濾過処理を続けていくと、濾過層40は凝集物により表面が目詰まりを起こし、濾過速度が低下してくる。そこで、図6の装置では濾過層40の上面付近に表面に凹凸のあるディスク44を配置し、これをモーターで回転させる濾過層攪拌機構45を設けた。これにより濾過層の上部表面を削り、凝集物による目詰まりを解消することで、濾過を円滑に行うことが可能となる。
(4)浄水装置の形態4
本発明の浄水装置のうち磁気分離方式を利用したものの基本構成について図7を使って説明する。
汚水は、ポンプ51により配管52を通って第一の混合槽53に投入される。この中の水溶液はオーバーヘッドスターラ54によって攪拌される。ここにまず、ジアミンの水溶液のタンク55からポンプ56により配管57を通って、ジアミンの水溶液が第一の混合槽53に投入される。
更に、第一の高分子の水溶液のタンク58からポンプ59により配管60を通って第一の高分子の水溶液が第一の混合槽53に投入される。ここでいう第一の高分子とは、図2の方法における酸性基を有する高分子を示す、あるいは、図3の方法におけるアミノ基を有する高分子を示す。
第一の混合槽53内の水溶液を十分混合した後、第一の混合槽53中の水溶液をポンプ61により配管62を通して第二の混合槽63に投入する。この中の水溶液はオーバーヘッドスターラ64によって攪拌されている。
次に、第二の高分子水溶液のタンク65からポンプ66により配管67を通って第二の高分子の水溶液が第二の混合槽63に投入される。ここでいう第二の高分子とは、図2の方法におけるアミノ基を有する高分子を示す、もしくは、図3の方法における酸性基を有する高分子を示す。第二の高分子水溶液を投入すると第二の混合槽63中で凝集物が生成される。
ところで、第二の高分子水溶液のタンク65内は第二の高分子水溶液と磁性粉を混合するためのオーバーヘッドスターラ68(タンク内にある羽根等は図示していない)を設ける。ここで、第二の高分子水溶液と磁性粉とは第二の混合槽63に別々に入れることも可能である。しかし、凝集物に含有する磁性粉の単位堆積あたりの密度に偏りが生じる傾向があるので、本装置のようにあらかじめ混合後に第二の混合槽63へ投入する方法が望ましい。或いは、あらかじめ第一の混合槽53で混合しても同様の効果が得られる。
生成した凝集物には磁性粉が混ざっている。この凝集物は表面がメッシュ状で磁気を帯びているドラム69に付着する。ドラム69は図7では時計回りに回転し、ドラム69の表面に付着した凝集物はスクレイパー70によってドラム69のメッシュから剥がされる。剥がされた凝集物は、下面がメッシュ状になった凝集物集積容器71に集められる。集められたばかりの凝集物はかなりの水分を含んでいるので、凝集物集積容器71下面のメッシュから排水される。
一方、ドラム69のメッシュを通り抜けた水はメッシュにより凝集物が除かれている。この水は、有機酸が低減された水としてドラム69の中心部分にある配管72を通って出ていく。
配管67の第二の混合槽63に水溶液を投入する部分の先端73bはストレートではなく、扇状に広げたり、シャワーの口のように広げ、水溶液がなるべく広範囲に第二の混合槽63中に投入するようにする。これは投入に伴い、瞬時に凝集が始まるため、狭い面積に投入すると、投入した水溶液が凝集物に内包され、更なる凝集物生成に生かされないためである。
配管62及び配管67の第二の混合槽63に水溶液を投入する部分の先端73a及び73bは、第二の混合槽63の液面に接触しないよう、水溶液の投入口は液面の上に設ける。これにより、第二の混合槽63で生成される凝集物が配管等の先端に付着し、先端の穴を塞がれることを防止できる。
この装置では磁気分離するためのドラムを設けず、凝集物を沈降後、濾過する機構を設けても良い。凝集物は磁性粉を含有しているため、比重が大きくなり、沈みやすくなる。そこで、大半の凝集物を第二の混合槽63の下に沈め、上澄みを濾過することにより、磁気分離を行わなくても水の浄化が可能となる。
(5)浄水装置の形態5
本発明の浄水装置のうち磁気分離方式でドラムを2個備えたものの基本構成について図8を使って説明する。
この装置は表面がメッシュのドラム69上に凝集物を集めた後、ドラム69の内部から少量の水を吹き出し、これにより凝集物をドラム69のメッシュ上から剥がし、ドラム74の方に飛ばし、ドラム74の表面に付着させる。ドラム74の表面はメッシュではなく金属板である。
図7においては、ドラム69のメッシュ表面をスクレイパー70で擦ることにより凝集物を剥がしている。この時、ドラム69のメッシュにスクレイパー70が引っかかり、メッシュが破損してしまうことがある。それに対して、本装置ではスクレイパー70で凝集物を剥がす際、スクレイパー70と接触するのはメッシュに比べて丈夫な金属板であるため、スクレイパー70による破損を起こしにくい。
(6)浄水装置の形態6
本発明の浄水装置のうち磁気分離方式で凝集物除去槽75を別に設けたものの基本構成について図9を使って説明する。
第二の混合槽63で形成した凝集物を、同じ槽中で磁気分離するのではなく、別の槽(凝集物除去槽75)に移し、そこで磁気分離を行う。凝集物除去槽75に入れる処理水の量はバルブ76で制御する。
この構成にすることで、磁気分離前にかなりの割合の凝集物が第二の混合槽63中に残り、磁気分離で除去する凝集物の量が少なくなる。そのため、ドラム69のメッシュが詰まりにくくなり、メッシュへのメンテナンスの軽減が図れる。
(7)浄水装置の形態7
本発明の浄水装置のうち磁気分離方式でドラムが1個で凝集物除去槽77を別に設けたものの基本構成について図10を使って説明する。
凝集物除去槽77の底とドラム74との距離を小さくすることで、凝集物をドラム74にほぼ完全に付着させる。こうしてドラム1個で浄化を行う。ドラム69に付着した凝集物はスクレイパー70で取り除かれる。この方式はドラムが1個で浄化できるため、凝集物除去槽77、ひいては装置の省スペース化が図れる。
本発明における実施例について以下に説明する。
有機酸である安息香酸が122ppm溶解している試験水1リットル(安息香酸としては1mmol)を攪拌中に、ジアミンであるエチレンジアミンの10重量%水溶液0.601g(エチレンジアミンとしては1mmol)を加える。次に、酸性基を有する高分子であるカルボキシル基を有するポリアクリル酸(平均分子量は25,000)の10重量%水溶液1.4g(酸性基であるカルボキシル基の数としては1.94mmol)を加える。更に、アミノ基を有する高分子であるポリエチレンイミン(平均分子量は70,000)の10重量%水溶液1g(アミノ基の数としては2.33mmol)を加えると凝集物が析出する。この凝集物を濾取し、濾過液の安息香酸量を液体クロマトグラフィで定量したところ、濾過液中の安息香酸濃度は8ppmに低下した。
よって、本発明の凝集剤により水に溶解している安息香酸の除去が可能であることを確認した。
安息香酸が122ppm溶解している試験水1リットルの代わりに酢酸が60ppm溶解している試験水1リットルを用いる以外は実施例1と同様の試験を試みたところ、濾過液中の酢酸濃度は6ppmに低下した。
ポリエチレンイミン(平均分子量は70,000)の10重量%水溶液1gの代わりにポリアリルアミン(平均分子量は10,000)の10重量%水溶液1.2g(アミノ基の数としては2.16mmol)を用いる以外は実施例1と同様の試験を試みたところ、濾過液中の安息香酸濃度は9ppmに低下した。
よって、実施例1〜3よりジアミン,アミノ基を有する高分子及び酸性基としてカルボキシル基を有する高分子を用いることで、少量で効率的に水に溶解している有機酸を除去できることが確かめられた。
ポリアリルアミン(平均分子量は10,000)の10重量%水溶液1.2gの代わりにポリアリルアミン塩酸塩(平均分子量は10,000)の10重量%水溶液2g(アミノ基が塩酸塩になった構造の数としては2.14mmol)を用い、ポリアクリル酸(平均分子量は25,000)の10重量%水溶液1.4gの代わりにポリアクリル酸ナトリウムの10重量%水溶液1.8g(カルボキシル基がナトリウム塩になった構造の数としては1.89mmol)を用いる以外は実施例3と同様の試験を試みたところ、濾過液中の安息香酸濃度は10ppmに低下した。
よって、アミノ基,カルボキシル基とも塩構造に変換された高分子を用いても水に溶解している有機酸を少量で効率的に除去できることが確かめられた。
ポリアクリル酸ナトリウムの10重量%水溶液1.8gの代わりにポリメタクリル酸ナトリウムの10重量%水溶液2g(カルボキシル基がナトリウム塩になった構造の数としては1.83mmol)を用いる以外は実施例4と同様の試験を試みたところ、濾過液中の安息香酸濃度は10ppmに低下した。
よって、カルボキシル基を有する高分子としてポリアクリル酸の代わりにポリメタクリル酸を用いても水に溶解している有機酸を少量で効率的に除去できることが確かめられた。
ポリアクリル酸ナトリウムの10重量%水溶液3gの代わりにポリスチレンスルホン酸ナトリウムの10重量%水溶液4g(スルホン酸基がナトリウム塩になった構造の数としては1.94mmol)を用いる以外は実施例4と同様の試験を試みたところ、濾過液中の安息香酸濃度は10ppmに低下した。
よって酸性基を有する高分子としてスルホン酸基を有する水溶性を用いても、水に溶解している有機酸を少量で効率的に除去できることが確かめられた。
試験水にポリエチレンイミンの10重量%水溶液1gを加える前に5.85重量%の塩化ナトリウム水溶液を加える以外は実施例1と同様の試験を試みたところ、濾過液中の安息香酸濃度は6ppmに低下した。
よって塩化ナトリウムを添加することにより、添加しない場合に比べて試験水中の安息香酸濃度を低減できることが確かめられた。
5.85重量%の塩化ナトリウム水溶液の添加量を1gから10gにする以外は実施例7と同様の試験を試みたところ、濾過液中の安息香酸濃度は5ppmに低下した。
更に、5.85重量%の塩化ナトリウム水溶液の添加量を1gから100gにする以外は実施例7と同様の試験を試みたところ、濾過液中の安息香酸濃度は4ppmに低下した。
よって、添加する塩化ナトリウム量を大きくすることで安息香酸濃度をより低減できることが確かめられた。
5.85重量%の塩化ナトリウム水溶液1gの代わりに7.45重量%の塩化カリウム水溶液1gを用いる以外は実施例7と同様の試験を試みたところ、濾過液中の安息香酸濃度は6ppmに低下した。
また、5.85重量%の塩化ナトリウム水溶液1gの代わりに6重量%の硫酸マグネシウム水溶液2gを用いる以外は実施例7と同様の試験を試みたところ、濾過液中の安息香酸濃度は6ppmに低下した。
よって、種々の無機塩を添加することで安息香酸濃度をより低減できることが確かめられた。
実施例1において、ポリエチレンイミンの10重量%水溶液を加える際、攪拌はオーバーヘッドスターラを用い、その際の回転数は200rpmとした。すると、生成された凝集物のサイズは1〜3mm程度であった。
そこで、本実施例ではオーバーヘッドスターラの回転数は500rpmとしたところ、生成された凝集物のサイズは0.01〜0.3mmであり、粒子径のばらつきも大きかった。そのため、種々の目のサイズの濾紙の目を詰まらせやすくなるため、処理の効率が低くなる。
そこで、この細かな凝集物の生成した試験水に汚濁微粒子を大きな凝集物にする際用いるポリ塩化アルミニウム(PAC)の1重量%水溶液を1.5g加え、攪拌後ポリアクリルアミドの0.1重量%の水溶液を1g加え、更にオーバーヘッドスターラの回転数を200rpmに下げて攪拌し続けたところ、凝集物のサイズが1〜3mm程度まで大きくなった。凝集物が大きくなったため濾紙を用いての凝集物の濾取において、濾紙の目をほとんど詰まらせずに容易に行えるようになった。
よって凝集物が小さい場合はポリ塩化アルミニウム及びポリアクリルアミドを加えて凝集物のサイズを大型化し濾過をしやすくすることが可能となった。
実施例1においてポリエチレンイミンの水溶液を加える前に、試験水にフェライト系の磁性粉を100mg添加した。その後、ポリエチレンイミンの水溶液を加え、凝集物が生成された後、試験水内に永久磁石を入れ、30秒後に引き上げると、凝集物の約90%が磁石表面に付着した。残りは試験水を入れた容器の表面、或いはオーバーヘッドスターラの試験水に浸っている表面にこびり付いていた。
試験水中の安息香酸の濃度は8ppmであった。
以上より、磁性粉及び磁石を用いることにより、濾過を行わなくとも、試験水中から有機酸を除去できることが確認された。
実施例11において磁性粉の量を半分の50mgにする以外は同様の実験を行ったところ、磁性粉に付着した凝集物は全体の50%程度であった。約40%の凝集物は磁石には付着せず、試験水中を漂っていた。つまり、この方法では磁性粉量が凝集物の除去には不十分であることを示している。
しかし、磁性粉をポリエチレンイミンの水溶液に混合後、試験水中に加えた場合、即ちポリエチレンイミンと磁性粉を同時に試験水に加えた場合は磁性粉に付着した凝集物は全体の90%であった。また、この方法で試験水を処理したところ、安息香酸の濃度は8ppmになった。
以上より、磁性粉を試験水に加える際は、磁性粉と酸性基を有する高分子とを同時に加えることで、必要な磁性粉の量を低減できることが示された。
試験水に比べて磁性粉は比重が大きいため、試験水の攪拌速度をかなり高めても試験水中に均一には存在しにくい。そのため、凝集物中に含有される磁性粉の割合は、凝集物によって差がつきやすい。しかし、ポリエチレンイミンの水溶液は比重こそ試験水と同程度であるものの、試験水に比べて粘度が高い。したがって、磁性粉を分散した場合、ポリエチレンイミンの水溶液は沈降に時間がかかる。そこで、磁性粉をポリエチレンイミンの水溶液と一緒に加えることで、磁性粉が生成された凝集物に対してほぼ均一に含有され、結果として少量の磁性粉で磁石に付着させることが可能になったと考えられる。
ジアミンであるエチレンジアミンの10重量%水溶液0.601gの代わりに1,6−ジアミノヘキサン10重量%水溶液1.162g(1,6−ジアミノヘキサンとしては1mmol)を用いる以外は実施例1と同様の実験を行ったところ、濾過液中の安息香酸濃度は8ppmに低下した。よって、エチレンジアミン以外のジアミンでも有機酸除去が可能であることが確かめられた。
初めに、1,16−ジアミノヘキサデカン1g(2.52mmol)と10重量%塩酸0.92g(2.52mmol)を水8.08gに加えて1,16−ジアミノヘキサデカン溶液(1,16−ジアミノヘキサデカンのモノ塩酸塩溶液)を調製する。この溶液には、1,16−ジアミノヘキサデカンと等モル量の塩酸が添加されていることになる。1,16−ジアミノヘキサデカンは1分子中にアミノ基を2個有しているので、この溶液のアミノ基の半分はアミノ基のまま、残る半分は塩酸塩になっていると考えられる。
次にエチレンジアミンの10重量%水溶液0.601gの代わりに上記で調製したジアミンモノ塩酸塩溶液3.967g(1,16−ジアミノヘキサデカンのモノ塩酸塩としては1mmol)を用いる以外は実施例1と同様の実験を行ったところ、濾過液中の安息香酸濃度は26ppmに低下した。よって、ジアミンにおける一つのアミノ基が塩構造であっても有機酸除去が可能であることが確かめられた。
1,16−ジアミノヘキサデカンはメチレン鎖が長いため、エチレンジアミンに比べて水に溶解しにくい。その場合は、アミノ基の1個をあらかじめ塩構造にすることで、水溶性を高められ、凝集剤として用いることが可能になる。
ジアミンであるエチレンジアミンの10重量%水溶液0.601gの代わりにN,N−ジメチルエチレンジアミン10重量%水溶液0.882g(N,N−ジメチルエチレンジアミンとしては1mmol)を用いる以外は実施例1と同様の実験を行ったところ、濾過液中の安息香酸濃度は3ppmに低下した。よって、実施例1の結果と比較すると、ジアミンとして1級アミンより2級アミンを用いた方が安息香酸の除去効果の大きいことが判明した。
ジアミンであるエチレンジアミンの10重量%水溶液0.601gの代わりにN,N,N,N−テトラメチルエチレンジアミン10重量%水溶液1.162g(N,N,N,N−テトラメチルエチレンジアミンとしては1mmol)を用いる以外は実施例1と同様の実験を行ったところ、濾過液中の安息香酸濃度は5ppmに低下した。よって実施例1の結果と比較すると、ジアミンとして1級アミンより3級アミンを用いた方が安息香酸の除去効果の大きいことが判明した。
ジアミンであるエチレンジアミンの10重量%水溶液0.601gの代わりにm−フェニレンジアミンの2重量%水溶液5.41g(m−フェニレンジアミンとしては1mmol)を用いる以外は実施例1と同様の実験を行ったところ、濾過液中の安息香酸濃度は100ppmに低下した。しかし、実施例1,13の結果(いずれも8ppm)と比較すると、除去率は低かった。
そこで、ジアミンとしてエチレンジアミンの10重量%水溶液0.601gの代わりにp−フェニレンジアミンの2重量%水溶液5.41g(p−フェニレンジアミンとしては1mmol)を用いる以外は実施例1と同様の実験を行ったところ、濾過液中の安息香酸濃度は90ppmに低下した。しかし、この場合も実施例1,13の結果(いずれも8ppm)と比較すると、除去率は低かった。
m−フェニレンジアミン,p−フェニレンジアミンとも芳香族アミンである。これに対して実施例1で用いたエチレンジアミン、及び実施例13で用いた1,6−ジアミノヘキサンは脂肪族アミンである。
よって、有機酸除去に用いるジアミンは芳香族アミンに比べて脂肪族アミンの方が好適であることが判明した。
有機酸トラップの際、ジアミンのアミノ基は有機酸とイオン結合を形成する。イオン結合はアミノ基の塩基性が高いほど生成しやすい。また、一般に芳香族アミンに比べて脂肪族アミンの方が塩基性は高い。アミノ基は電子供与性があるので塩基性を示すわけであるが、芳香環が結合することで電子の非局在化が起こる電子供与性が低下してしまい、結果として塩基性が低下する。
以上より、塩基性の高い脂肪族アミンを用いることで有機酸の除去率の向上を図ることが可能になったと考えられる。
有機酸である安息香酸が122ppm溶解している試験水1リットル(安息香酸としては1mmol)を攪拌中に、ジアミンであるエチレンジアミンの10重量%水溶液0.601g(エチレンジアミンとしては1mmol)を加える。次に、アミノ基を有する高分子であるポリエチレンイミン(平均分子量は70,000)の10重量%水溶液1g(アミノ基の数としては2.33mmol)を加える。更に、酸性基を有する高分子であるカルボキシル基を有するポリアクリル酸(平均分子量は25,000)の10重量%水溶液2g(酸性基であるカルボキシル基の数としては2.78mmol)を加えると凝集物が析出される。この凝集物を濾取し、濾過液の安息香酸量を液体クロマトグラフィで定量したところ、濾過液中の安息香酸濃度は10ppmに低下した。
よって、アミノ基を有する高分子と酸性基を有する高分子の添加順序を変えても水に溶解している安息香酸の除去が可能であることを確認した。
実施例1において、ポリアクリル酸(平均分子量は25,000)の10重量%水溶液1.4g(酸性基であるカルボキシル基の数としては1.94mmol)を加えた後に、添加するポリエチレンイミン(平均分子量は70,000)の10重量%水溶液の添加量を変えた実験を5通り行った。
具体的には水溶液添加量を以下のようにして実験した。
Figure 0005222808
上記条件で実験を行い、凝集物除去後の試験水中の総有機物質濃度(TOC)を測定した。すると、番号1〜3はTOCが10ppm以下であった。しかし、番号4は20ppm、番号5は50ppmまで上昇した。液体クロマトグラフィで番号5のサンプル中の水に溶解している物質を調べたところ、ポリアクリル酸,エチレンジアミン,安息香酸であり、ポリエチレンイミンは観測限界(1ppm)以下であった。水質の浄化基準の一つとしてTOCは重要であり、有機酸除去のため用いた凝集剤によってTOCが上昇することは好ましくない。
ところで、ポリエチレンイミン添加前に加えたポリアクリル酸のカルボキシル基の数は1.94mmolである。つまり、TOCは添加するポリエチレンイミンのアミノ基の数が、添加するポリアクリル酸のカルボキシル基の数以上にならないとTOCが増大することを示している。
上記結果は、ジアミンと有機酸とのイオン結合生成物及びジアミンと酸性基を有する高分子とのイオン結合生成物が水に不溶の凝集物となるためには、アミノ基を有する高分子とのイオン結合生成が必要であることを示している。また、上記結果は、不溶化をほぼ完全に起こすには、アミノ基を有する高分子の添加量がアミノ基の数で酸性基を有する高分子の酸性基以上になる必要があることを示している。
以上をまとめると、有機酸除去のためにジアミン、酸性基を有する高分子、アミノ基を有する高分子の順に添加する場合、添加するアミノ基を有する高分子のアミノ基の数をPB、添加する酸性基を有する高分子の酸性基の数をPAとするとき、PB≧PAを満足することによりTOCを低減させることができる。
実施例18において、ポリエチレンイミン(平均分子量は70,000)の10重量%水溶液1g(アミノ基の数としては2.33mmol)を加えた後に、添加するポリアクリル酸(平均分子量は25,000)の10重量%水溶液の添加量を変えた実験を5通り行った。
具体的には、水溶液添加量を以下のようにして実験した。
Figure 0005222808
上記条件で実験を行い、凝集物除去後の試験水中の総有機物質濃度(TOC)を測定した。すると、番号1〜3はTOCが10ppm以下であった。しかし、番号4は20ppm、番号5は40ppmまで上昇した。液体クロマトグラフィで番号5のサンプル中の水に溶解している物質を調べたところ、ポリエチレンイミン,エチレンジアミン,安息香酸であり、ポリアクリル酸は観測限界(1ppm)以下であった。
ところで、ポリアクリル酸添加前に加えたポリエチレンイミンのアミノ基の数は2.33mmolである。つまり、TOCは添加するポリアクリル酸のカルボキシル基の数が、事前に添加しているポリエチレンイミンのアミノ基の数以上にならないとTOCが増大することを示している。
上記結果は、ジアミンと有機酸とのイオン結合生成物及び有機酸とアミノ基を有する高分子とのイオン結合生成物が水に不溶の凝集物となるためには、酸性基を有する高分子とのイオン結合生成が必要であることを示している。また、上記結果は、不溶化をほぼ完全に起こすには酸性基を有する高分子の添加量が酸性基の数でアミノ基を有する高分子のアミノ基以上になる必要があることを示している。
以上をまとめると、有機酸除去のためジアミン、アミノ基を有する高分子、酸性基を有する高分子の順に添加する場合、添加するアミノ基を有する高分子のアミノ基の数をPB、添加する酸性基を有する高分子の酸性基の数をPAとするとき、PB≦PAを満足することによりTOCを低減させることができる。
1 マイクロフロック
2 汚濁微粒子
3 フロック
4 磁性粉
5 有機酸
6 ジアミン
7,9,11,13 イオン結合
8 酸性基を有する高分子
10 アミノ基を有する高分子
12 有機酸をトラップした凝集物
21,26,29,31,36,51,56,59,61,66 ポンプ
22,27,30,32,37,52,57,60,62,67,72 配管
23,53 第一の混合槽
24,34,54,64,68 オーバーヘッドスターラ
25,55 ジアミンの水溶液のタンク
28,58 第一の高分子水溶液のタンク
33,63 第二の混合槽
35,65 第二の高分子水溶液のタンク
38,38a,38b,76 バルブ
39,39a,39b 濾過部
40,40a,40b 濾過層
41,41a,41b 多孔質部材
42,42a,42b,73,73a,73b 先端
43 沈降槽
44 ディスク
45 濾過層攪拌機構
69,74 ドラム
70 スクレイパー
71 凝集物集積容器
75,77 凝集物除去槽

Claims (19)

  1. 汚水に含まれカルボキシル基を1個有する有機酸をイオン結合により凝集物とする凝集剤であって、
    前記凝集剤は、水溶性のジアミン,アミノ基を有する高分子及び酸性基を有する高分子からなることを特徴とする凝集剤。
  2. 請求項1に記載の凝集剤において、
    前記水溶性のジアミンのアミノ基が2級または3級であることを特徴とする凝集剤。
  3. 請求項1または2に記載の凝集剤において、
    前記水溶性のジアミンが脂肪族アミンであることを特徴とする凝集剤。
  4. 請求項1に記載の凝集剤において、
    前記水溶性のジアミンの代わりに水溶性のジアミンの塩構造が用いられることを特徴とする凝集剤。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の凝集剤において、
    前記アミノ基を有する高分子の平均分子量が500以上200,000以下であることを特徴とする凝集剤。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の凝集剤において、
    前記酸性基を有する高分子の平均分子量が5,000以上1,000,000以下であることを特徴とする凝集剤。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の凝集剤において、
    磁性粉または鉄粉が混合されていることを特徴とする凝集剤。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の凝集剤において、
    砂が混合されていることを特徴とする凝集剤。
  9. 汚水に含まれカルボキシル基を1個有する有機酸をイオン結合により凝集物とする汚水浄化方法において、
    前記汚水に水溶性のジアミン及び酸性基を有する高分子が添加された後、アミノ基を有する高分子が添加されることを特徴とする汚水浄化方法。
  10. 請求項9に記載の汚水浄化方法において、
    前記アミノ基を有する高分子のアミノ基の数をPB、前記酸性基を有する高分子の酸性基の数をPAとするとき、
    前記アミノ基を有する高分子及び前記酸性基を有する高分子の添加量がPB≧PAを満たすように添加されることを特徴とする汚水浄化方法。
  11. 請求項9または10に記載の汚水浄化方法において、
    前記アミノ基を有する高分子が添加される前、もしくは前記アミノ基を有する高分子が添加される時に磁性粉または鉄粉が前記汚水中に添加されることを特徴とする汚水浄化方法。
  12. 汚水に含まれカルボキシル基を1個有する有機酸をイオン結合により凝集物とする汚水浄化方法において、
    前記汚水に水溶性のジアミン及びアミノ基を有する高分子が添加された後、酸性基を有する高分子が添加されることを特徴とする汚水浄化方法。
  13. 請求項12に記載の汚水浄化方法において、
    前記アミノ基を有する高分子のアミノ基の数をPB、前記酸性基を有する高分子の酸性基の数をPAとするとき、
    前記アミノ基を有する高分子及び前記酸性基を有する高分子の添加量がPB≦PAを満たすように添加されることを特徴とする請求項11記載の汚水浄化方法。
  14. 請求項12または13に記載の汚水浄化方法において、
    前記酸性基を有する高分子が添加される前、もしくは前記酸性基を有する高分子が添加される時に磁性粉または鉄粉が前記汚水中に添加されることを特徴とする汚水浄化方法。
  15. 請求項9乃至14のいずれか一項に記載の汚水浄化方法において、
    前記凝集物が形成された後に、アルミニウムまたは鉄の水溶性塩及びポリアクリルアミドが添加されることを特徴とする汚水浄化方法。
  16. 請求項15に記載の汚水浄化方法において、
    前記アルミニウムまたは鉄の水溶性塩がポリ塩化アルミニウム,硫酸アルミニウム,ポリ硫酸第二鉄もしくは塩化第二鉄のいずれかであることを特徴とする汚水浄化方法。
  17. 汚水に含まれカルボキシル基を1個有する有機酸をイオン結合により凝集物とする凝集剤を用いた浄水装置であって、
    前記汚水にジアミンと第一の高分子との水溶液が投入される第一の混合槽と、
    前記第一の混合槽中の水溶液と第二の高分子の水溶液とが投入される第二の混合槽と、
    前記凝集物を除去する機構とを有し、
    前記第一の混合槽には第一の攪拌機構が配置され、
    前記第二の混合槽には第二の攪拌機構が配置され
    前記第一の高分子がアミノ基を有する高分子であり、
    前記第二の高分子が酸性基を有する高分子であることを特徴とする浄水装置。
  18. 汚水に含まれカルボキシル基を1個有する有機酸をイオン結合により凝集物とする凝集剤を用いた浄水装置であって、
    前記汚水にジアミンと第一の高分子との水溶液が投入される第一の混合槽と、
    前記第一の混合槽中の水溶液と第二の高分子の水溶液とが投入される第二の混合槽と、
    前記凝集物を除去する機構とを有し、
    前記第一の混合槽には第一の攪拌機構が配置され、
    前記第二の混合槽には第二の攪拌機構が配置され
    前記第一の高分子が酸性基を有する高分子であり、
    前記第二の高分子がアミノ基を有する高分子であることを特徴とする浄水装置。
  19. 請求項17または18に記載の前記浄水装置において、
    前記第一の混合槽中の水溶液は第一の配管を通して前記第二の混合槽に投入され、
    前記第二の高分子の水溶液は第二の配管を通して前記第二の混合槽に投入され、
    前記第一の配管の先端及び前記第二の配管の先端は前記第二の混合槽中の水溶液に接触しないことを特徴とする浄水装置。
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