JP2022165279A - 凝集膜ろ過処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜ろ過を利用した水処理において、被処理水に無機凝集剤を添加したことに起因するろ過膜のファウリングを効果的に抑制する水処理方法を提供すること【解決手段】被処理水に無機凝集剤を添加して撹拌し、凝集処理水を得る凝集処理工程と、凝集処理水を精密ろ過膜または限外ろ過膜で膜ろ過して処理水を得る膜ろ過工程と、を有する凝集膜ろ過処理方法である。凝集処理工程は、被処理水に対して、無機凝集剤を添加すると同時に、または無機凝集剤の添加の前に有機性アニオン性物質を添加する添加操作を含む。これにより、無機凝集剤由来ナノ粒子が効果的に捕捉され、無機凝集剤を添加したことに起因するろ過膜のファウリングを効果的に抑制することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、凝集膜ろ過処理方法に関し、特に、被処理水に無機凝集剤を添加して凝集処理を行う凝集膜ろ過処理方法に関する。
従来、浄水処理では、懸濁物質を含有する被処理水の固液分離方法として砂ろ過法が適用されてきた。近年では、より高度な固液分離を期待して、精密ろ過膜(MF膜)や限外濾過膜(UF膜)を用いた低圧膜ろ過法の導入が進んでいる。
低圧膜ろ過法を適用する場合、水道原水として利用する河川水などの表流水には色度成分などの溶解性物質が含まれているため、前処理として凝集処理を組み合わせることが多くなっている。
凝集処理では、膜の有機物汚染の原因物質であるバイオポリマーを低減することが可能であるが、一方で、無機凝集剤に起因する残留成分によって膜汚染が生じることが発明者らの検討によってわかってきた。
浄水処理において使用される無機凝集剤はアルミニウムを主たる成分とするポリ塩化アルミニウム(PACl)や硫酸バンド(Alm)であり、発明者らの検討によれば、それらの凝集剤に起因する残留アルミニウムが膜汚染を進行させる原因となっているようであるが、その詳細なメカニズムは未だ不明である。
膜汚染が進行した場合、浄水場で定めている供給水量を確保するためにポンプによる吸引を強化し、さらに膜汚染が進行した場合には硫酸などの薬品を用いた薬品洗浄を行う必要があり、費用がかかることが懸念される。そのため、凝集膜ろ過システムの安定運転の維持や経済面の観点から、無機凝集剤による膜汚染への対応は必要である。
非特許文献1は、従来の凝集沈殿砂ろ過システムにおける凝集処理プロセスを開示する。具体的には、非特許文献1に係る従来の凝集沈殿砂ろ過システムにおける凝集処理プロセスは、無機凝集剤を混和する急速撹拌槽と、急速撹拌槽で形成されたマイクロフロックを沈殿可能な大きさにフロックを成長させる緩速撹拌槽とで構成される。また、無機凝集剤のみでの凝集処理では十分な効果が得られない場合、凝集補助剤やフロック形成助剤の効果を期待して高分子凝集剤を併用することもある。
特許文献1は、水に溶解しないカチオン性ポリマー粒子及び無機凝集剤(PAC)を添加して凝集処理し、被処理水をバッグフィルターで処置した後に膜分離処理を行う技術を開示する。
特許文献2は、被処理水に無機凝集剤(鉄系またはアルミニウム系の無機凝集剤)を添加した後に水溶性のカチオン性ポリマーを添加して凝集処理し、膜分離装置の汚染を防止するとともに、凝集剤使用量を低減する技術を開示する。
特開2009-240905号公報 特開2019-188337号公報
高分子凝集剤使用ガイドライン、第2-7頁、水道技術研究センター出版、2015年12月
しかし、特許文献1の技術によれば、水に溶解しないカチオン性ポリマー粒子が添加されていることから、正に荷電したPAC等の無機凝集剤とは電気的に反発し、無機凝集剤に起因する残留アルミニウムを凝集させることができないと考えられる。
特許文献2についても特許文献1と同様、水溶性のカチオン性ポリマーを添加していることから、無機凝集剤に起因する残留アルミニウムを凝集させることが出来ないと考えられる。
すなわち、特許文献1および2のいずれにおいても、被処理水中の有機物や凝集フロックなどの除去を対象としており、凝集剤由来の残留アルミニウムナノ粒子による膜汚染抑制に関する効果は確認されていない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、膜ろ過を利用した水処理において、被処理水に無機凝集剤を添加したことに起因するろ過膜のファウリングを効果的に抑制する水処理方法を提供することにある。
発明者らは、上記目的達成に向け鋭意検討を行った。その結果、凝集膜ろ過処理において重大な影響を及ぼす汚染因子は大きく分類すると二つあり、一つは無機凝集剤中に含まれる100nmより小さいアルミニウムなどの金属粒子であり、もう一つはこの金属粒子と有機物などとの凝集粒子であり、この凝集粒子の大きさも100nm未満であることを見出した(以下、無機凝集剤中に含まれる100nmより小さいアルミニウムなどの金属粒子およびこの金属粒子と有機物などとの凝集粒子であって、大きさも100nm未満であるものを合わせて無機凝集剤由来ナノ粒子という)。
これら無機凝集剤由来ナノ粒子は100nm未満と非常に小さく、また、濃度も希薄なため、それら自身で凝集して粗大化し難いので、凝集処理水中に残留し、膜汚染を引き起こすことになる。
発明者らがさらに研究を重ねた結果、無機凝集剤由来ナノ粒子(例えば、アルミニウムナノ粒子)の除去において重要なフロック形成は、目視観察できるような大きなフロックの形成過程とそれらとの接触ではなく、肉眼では視認できない、サブミクロンオーダーの微小フロック(0.1~1μm程度)、いわゆるサブマイクロフロックと、数μm程度の比較的小さいマイクロフロック(1~10μm程度)であり、これらのフロック群の形成過程とそれらへのアルミニウムナノ粒子の衝突や取り込みが主な除去メカニズムであることを確認した。
さらに、膜ろ過前の無機凝集剤を添加する凝集処理工程において、所定の高分子凝集剤を無機凝集剤と同時に添加することにより、あるいはその高分子凝集剤を無機凝集剤の添加に先立ち添加・分散させることにより、無機凝集剤由来ナノ粒子を効果的に捕捉しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記目的は、被処理水に無機凝集剤を添加して撹拌し、凝集処理水を得る凝集処理工程と、凝集処理水を精密ろ過膜または限外ろ過膜で膜ろ過して処理水を得る膜ろ過工程と、を有する凝集膜ろ過処理方法において、
凝集処理工程が、被処理水に対して、無機凝集剤を添加すると同時に、または無機凝集剤の添加の前に有機性アニオン性物質を添加する添加操作を含むことを特徴とする凝集膜ろ過処理方法によって達成されることが見いだされた。
この構成によれば、被処理水に対して、無機凝集剤を添加すると同時に、または無機凝集剤の添加の前に有機性アニオン性物質が添加されることで、無機凝集剤に起因する膜閉塞を抑制することができる。
本発明に係る凝集膜ろ過処理方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)凝集処理工程が、無機凝集剤を添加して急速撹拌処理を行う急速撹拌操作と、前記急速撹拌操作後に緩速撹拌処理を行う緩速撹拌操作と、を含む。この態様によれば、各撹拌操作により、肉眼では視認できない、サブミクロンオーダーの微小フロック(0.1~1μm程度、いわゆるサブマイクロフロック)と、数μm程度の比較的小さいマイクロフロック(1~10μm程度)と、を効果的に形成することができ、これらサブマイクロフロックやマイクロフロックに無機凝集剤由来ナノ粒子を衝突させ、取り込ませることで、より効果的に無機凝集剤由来ナノ粒子を除去することが可能となる。
(2)有機性アニオン性物質が、アルギン酸塩、ポリ(メタ)アクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリグルタミン酸、アラビアゴム、キサンタンガム、グアガム、キトサンおよびポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種以上である。
本発明によれば、被処理水に対して、無機凝集剤を添加すると同時に、または無機凝集剤の添加の前に有機性アニオン性物質が添加されることで、無機凝集剤に起因する膜閉塞を抑制することができる。よって、膜汚染の進行遅延による膜の薬品洗浄の回数の削減、膜の寿命延長を期待することができる。
本発明の凝集膜ろ過処理方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の凝集膜ろ過処理方法による処理フローの一例を示す模式図である。 本発明の凝集膜ろ過処理方法による処理フローの他の例を示す模式図である。 実施例における、撹拌処理と、ポリ塩化アルミニウムおよび有機性アニオン性物質の注入時との時系列を示す模式図である。 横軸を有機性アニオン性物質の添加時(分)とし、縦軸をケーキろ過定数(Kc:単位(1/分))としたときの、実施例1~3および比較例1~3のケーキろ過定数(Kc)の分布図である。
<凝集膜ろ過処理方法>
図1は、本発明の凝集膜ろ過処理方法を説明するためのフローチャートである。本発明は、図1に示すように、被処理水に無機凝集剤を添加して撹拌し、凝集処理水を得る凝集処理工程(S100)と、前記凝集処理水を精密ろ過膜または限外ろ過膜で膜ろ過して処理水を得る膜ろ過工程(S110)と、を有する凝集膜ろ過処理方法である。
そして、本発明は、凝集処理工程が、被処理水に対して、無機凝集剤を添加すると同時に、または無機凝集剤の添加の前に有機性アニオン性物質を添加する添加操作を含むことを特徴とする。
被処理水は、例えば、河川水、地下水、ダム湖水、湖沼水、伏流水などの水道原水が挙げられる。
無機凝集剤としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム(硫酸バンド、Alm)などのアルミニウム系凝集剤、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、硫酸第一鉄などの鉄系凝集剤を挙げることができるが、これらに限られるものではない。本発明においては、無機凝集剤としては、アルミニウム系凝集剤を用いることが好ましい。
無機凝集剤の塩基度は、50~90%のいずれでも構わない。無機凝集剤の注入率は、特にポリ塩化アルミニウムを用いる場合、5~100mg/Lとすることが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。
有機性アニオン性物質は、例えば、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アラビアゴム、キサンタンガム、グアガム、キトサン等の多糖類;ポリ(メタ)アクリル酸塩;ポリグルタミン酸塩;ポリビニルアルコールなどが挙げられ、有機性アニオン性物質は、好ましくは、アルギン酸塩、ポリ(メタ)アクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、ポリグルタミン酸、アラビアゴム、キサンタンガム、グアガム、キトサンおよびポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種以上である。
アルギン酸塩や、カルボキシメチルセルロースなどの多糖類、ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリグルタミン酸塩であれば、カルボキシ基のプロトンが脱離した部分への正に荷電した無機凝集剤由来ナノ粒子の取り込みがナノフロック除去のメカニズムであると考えられる。
有機性アニオン性物質が、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースおよびポリ(メタ)アクリル酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種以上であることがさらに好ましい。
以下、図2に基づき、本発明の凝集膜ろ過処理方法を説明する。図2は、本発明の凝集膜ろ過処理方法による処理フローの一例を示す模式図である。
[凝集処理工程(S100)]
本工程では、被処理水1に無機凝集剤7を添加して撹拌し、凝集処理水8を得る。被処理水1は、図2に示す攪拌部2に流入し、その際に、必要であれば酸剤(硫酸など)やアルカリ剤(苛性ソーダなど)などのpH調整剤6を任意に添加し、凝集pHに調整する。凝集pHは、例えば、5.0~8.0の範囲であり、好ましくは6.5~7.2の範囲である。その後、所定の注入率となるように無機凝集剤7を添加する。
ここで、本発明の特徴的な構成として、本工程は、被処理水1に対して、無機凝集剤7を添加すると同時に、または無機凝集剤7の添加の前に有機性アニオン性物質5を添加する添加操作を含む。
無機凝集剤7を添加すると同時に、または無機凝集剤7の添加の前に有機性アニオン性物質5を添加できるのであれば、有機性アニオン性物質5の注入点は、攪拌部2に注入されてもよく、攪拌部2より上流で被処理水1に添加されてもよい。
攪拌操作はどのようなものであってもよいが、好ましくは、本工程は、無機凝集剤7を添加して急速撹拌処理を行う急速撹拌操作と、急速撹拌操作後に緩速撹拌処理を行う緩速撹拌操作と、を含む。
図3は、本発明の凝集膜ろ過処理方法による処理フローの他の例を示す模式図である。本工程が急速撹拌操作および緩速撹拌操作を含む場合、図3に示されるように、攪拌部2としては、急速撹拌処理の場となる急速撹拌部2-1と、急速撹拌部2-1の下流に位置し、緩速撹拌処理の場となる緩速撹拌部2-2と、を有する撹拌部2が使用される。
急速撹拌処理の撹拌強度は、G値で考えると、150 1/s以上が良く、さらに好ましくは、150~250 1/s、最も望ましくは、250 1/s以上であり、緩速撹拌プロセスの撹拌強度は、G値が10~75 1/sの範囲で行われる事が望ましい。
また、急速撹拌部2-1における水理学的滞留時間は2分以上であり、好ましくは3分以上であり、さらに好ましくは6分以上である。
緩速撹拌部2-2における水理学的滞留時間は1分以上であり、好ましくは2分以上であり、さらに好ましくは3分以上である。
特に、急速撹拌部の水理学的滞留時間が6分以上であり、かつ緩速撹拌分の水理学的滞留時間が3分以上の場合、サブマイクロフロック(0.1~1μm程度)およびマイクロフロック(1~10μm程度)のフロック群の形成が効果的になされ、無機凝集剤由来ナノ粒子の除去が進み、このナノ粒子に起因する膜閉塞が抑制されるために好ましい。
そして、急速撹拌部2-1での無機凝集剤7が添加された被処理水1の水理学的滞留時間は、緩速撹拌部2-2における水理学的滞留時間以上である。
なお、水理学的滞留時間(Hydraulic retention time、HRTともいう)とは、ここでは急速撹拌部2-1および緩速撹拌部2-2のそれぞれに処理対象水が滞留する時間をいう。例えば、処理対象水の流量と各槽の体積とから各槽における水理学的滞留時間を算出することができる。
また、急速撹拌処理と、緩速撹拌処理が行われる場合、従来の高分子凝集剤の添加位置は、フロック形成助剤や凝集補助剤の役割を期待して緩速撹拌部入口に添加されることが多かったが、本発明においては有機性アニオン性物質5の注入点は、急速撹拌部2-1か、急速撹拌部2-1より上流位置となる。無機凝集剤由来ナノ粒子が分散する前に捕捉してこの濃度を低減させるためである。
本工程で得られた凝集処理水8は、膜ろ過工程(S110)に送られる(以上、凝集処理工程(S100))。
[膜ろ過工程(S110)]
本工程では、凝集処理水を精密ろ過膜または限外ろ過膜で膜ろ過して処理水4を得る。
膜ろ過部3(図2または図3参照)に用いられる膜ろ過装置の構造はケーシング型でも槽浸漬型でもよく、また、精密ろ過膜(MF膜)または限外ろ過膜(UF膜)の材質も高分子膜、無機膜のいずれの場合でも構わないが、高濁度原水への対応や材質の強度の観点から、浸漬型膜モジュールが使用できる高分子膜、特に、物理的にも化学的にも強いPVDFを材質とする膜が好ましく、また処理効率の観点からMF膜が好ましい。
膜ろ過の方法について、本発明は、吸引ろ過、加圧ろ過のろ過方法に何ら制限される事はなく、ろ過方式も、定圧ろ過、定速ろ過のいずれでもよい。
本発明で使用する膜ろ過流束の範囲は、ろ過開始からろ過終了まで、定圧ろ過の場合は膜閉塞により次第に低下し、定速ろ過の場合は一定となるが、2.5m/日以上となる事が好ましく、より好ましくは、5.0m/日以上がよい。
膜ろ過流束が低いと、膜表層での膜閉塞原因物質の濃度分極現象や集塊化現象が生じ難い傾向にあり、短時間での膜閉塞が起こり難くなる(以上、膜ろ過工程(S110))。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
1.使用した使用した材料
使用した材料は以下の通りである。
被処理水には、比較的清澄な河川水(濁度:3.4度、色度:12度、pH7.4、TOC:0.9mg/L、UVA260:0.132(5cmセル))を使用した。なお、濁度・色度はWA6000(日本電飾工業社製)にて測定し、pHはHM-41X(東亜DKK社製)にて測定し、TOCはTOC-VCSH(島津製作所製)にて測定し、UVA260はUV-1800(島津製作所製)にて測定した。
無機凝集剤には、ポリ塩化アルミニウム(PACl)(タイパック、大明化学社製)を使用し、有機性アニオン性物質には水道用高分子凝集剤(水ing社製、エバグロースWA―521、アニオン系)を使用した。
2.凝集処理
被処理水に対し、有機性アニオン性物質を注入率0.1mg/L、ポリ塩化アルミニウムを注入率20mg/Lで添加し、容積500mLのビーカーを使用して凝集処理を行った。
図4は、撹拌処理と、ポリ塩化アルミニウムおよび有機性アニオン性物質の注入時との時系列を示す模式図である。同図に示すように、有機性アニオン性物質の添加時は、ポリ塩化アルミニウム注入時点を0分とし、-9分から6分とした。
被処理水に対して、有機性アニオン性物質およびポリ塩化アルミニウムの添加前から急速撹拌処理(130rpm)を行い、ポリ塩化アルミニウムを添加してからの撹拌条件は、急速撹拌処理(130rpm×6分)→緩速撹拌処理(30rpm×3分)→静置5分とした。なお、図4には記載されていないが、ポリ塩化アルミニウムのみを添加し、有機性アニオン性物質を添加しなかった試験を比較例1とした。
3.膜ろ過処理及び膜ろ過定数(Kc)の決定
上記「2.凝集処理」を行って得られた各凝集処理水に対して、膜ろ過試験を行った。
膜ろ過の膜は孔径0.1μmの疎水性PVDF膜(VVHP、ミリポア社製)を使用し、直径25mmの平膜用ガラス製フィルターホルダー(KG-25、Advantec社製)を使用した。
膜ろ過は、吸引ポンプ用いて全量定圧ろ過(吸引圧力90kPa)で各凝集処理水を通水し、ろ過水量の経時変化を測定した。そして、単位膜差圧当たりに得られる流量Vs(単位:m/m)を横軸とし、任意の時点の流量Qに対する初期流量Qの割合(Q/Q)を縦軸としてデータをプロットして得られた直線の傾きをケーキろ過定数(Kc)として求めた。
表1および図5に、凝集膜ろ過試験の結果を示す。図5は、横軸を有機性アニオン性物質の添加時(分)とし、縦軸をケーキろ過定数(Kc:単位(1/分))としたときの、実施例1~3および比較例1~3のケーキろ過定数(Kc)の分布図である。
Figure 2022165279000002
表1に示すように、無機凝集剤のみ(比較例1)の場合、Kcは6.1であった。また、表1および図5に示すように、有機性アニオン性物質をポリ塩化アルミニウムと同時に添加(実施例1)するか、あるいはポリ塩化アルミニウムよりも前に添加した場合(実施例2~4)、Kcは無機凝集剤のみ(比較例1)の場合、およびポリ塩化アルミニウムよりも後に添加した場合(比較例2、3)と比べて小さくなった。このKcの低下幅は、有機性アニオン性物質の注入時がポリ塩化アルミニウムの注入時よりも遅くなるにつれて増大した。
本発明は、水道水を得るための浄水処理の分野や、飲用はできなくとも、冷却用水や洗浄用水として適した水質の工業用水を得るための用水処理の分野において利用することができる。
1 被処理水
4 処理水
5 有機性アニオン性物質
7 無機凝集剤
8 凝集処理水

Claims (3)

  1. 被処理水に無機凝集剤を添加して撹拌し、凝集処理水を得る凝集処理工程と、
    前記凝集処理水を精密ろ過膜または限外ろ過膜で膜ろ過して処理水を得る膜ろ過工程と、
    を有する凝集膜ろ過処理方法において、
    前記凝集処理工程が、被処理水に対して、前記無機凝集剤を添加すると同時に、または前記無機凝集剤の添加の前に有機性アニオン性物質を添加する添加操作を含むことを特徴とする凝集膜ろ過処理方法。
  2. 前記凝集処理工程が、前記無機凝集剤を添加して急速撹拌処理を行う急速撹拌操作と、前記急速撹拌操作後に緩速撹拌処理を行う緩速撹拌操作と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の凝集膜ろ過処理方法。
  3. 前記有機性アニオン性物質が、アルギン酸塩、ポリ(メタ)アクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリグルタミン酸、アラビアゴム、キサンタンガム、グアガム、キトサンおよびポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の凝集膜ろ過処理方法。
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