JP3409322B2 - 純水製造方法 - Google Patents

純水製造方法

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JP3409322B2
JP3409322B2 JP27297397A JP27297397A JP3409322B2 JP 3409322 B2 JP3409322 B2 JP 3409322B2 JP 27297397 A JP27297397 A JP 27297397A JP 27297397 A JP27297397 A JP 27297397A JP 3409322 B2 JP3409322 B2 JP 3409322B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、純水製造方法に関
する。さらに詳しくは、本発明は、凝集、固液分離工程
と脱塩工程を有する純水製造方法において、処理水中に
残留する高分子凝集剤により逆浸透膜やイオン交換樹脂
が汚染されることがなく、長期間にわたって安定して純
水を得ることができる純水製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】工場用水や排水は、凝集処理により水中
の懸濁物質やシリカ、重金属などの不純物を分離したの
ち、逆浸透膜やイオン交換樹脂を用いて脱塩処理を行
い、純水として生産ラインで使用している。凝集沈殿や
凝集加圧浮上などの懸濁物質の分離を効率的に行うため
には、高分子凝集剤を使用することが望ましいが、凝集
工程で未反応で残存する高分子凝集剤が、後段の逆浸透
膜に沈積して透過水量の低下やイオン交換樹脂に吸着さ
れて樹脂のファウリングによる劣化を招くために、その
使用量が制限されるとともに、逆浸透膜やイオン交換樹
脂の短期洗浄や交換で対処せざるを得なかった。本発明
者らは、先に特開平4−267994号公報において、
金属含有廃水にアルカリを添加して処理水と汚泥とに固
液分離する方法において、固液分離された汚泥の一部と
アルカリ及び高分子凝集剤とを混合し、得られた混合物
を金属含有廃水に添加する処理方法を提案した。この方
法によれば、生成汚泥の沈降速度を高め、装置の小型化
を図ることができる。図1は、従来の純水製造方法の一
態様の工程系統図である。本態様においては、中和槽1
において原水にアルミニウム塩などの無機凝集剤を添加
するとともに、水酸化ナトリウムなどのアルカリにより
pHを調整したのち、凝集槽2において高分子凝集剤を添
加して生成フロックを成長させる。生成フロックが成長
した処理水は、沈殿槽3において固液分離を行い、さら
に分離していない微量の懸濁物質をろ過器4を用いて除
去し、処理水槽5に貯留する。処理水槽中の水は、逆浸
透膜装置6に送り、脱塩処理を行って純水を得る。沈殿
槽の代わりに加圧浮上槽を用いて固液分離することがで
き、逆浸透膜の代わりにイオン交換樹脂を用いて脱塩処
理することも可能である。原水中の溶解性有機物の濃度
が高い場合は、ろ過器の後段に活性炭塔が設置される
が、親水性の高い高分子凝集剤は活性炭に吸着されずそ
のまま通過する。逆浸透膜を用いるときは、逆浸透膜装
置の前段に、脱カルシウム用イオン交換樹脂や脱炭酸塔
が設置される場合もある。処理水中に残留する高分子凝
集剤の量を少なくするために、沈殿汚泥又は浮上スカム
の一部を、中和槽又は凝集槽に汚泥返送管7を通じて返
送し、凝集フロックの成長を促進し、過剰の高分子凝集
剤を汚泥に吸着させる方法や、無機凝集剤の添加量を多
くして、これらに高分子凝集剤を吸着させる試みもなさ
れているが、高分子凝集剤/懸濁物質の比が小さくなっ
て凝集が不十分となるため、沈殿槽からの懸濁物質のリ
ーク量が多くなり、後段のろ過器の逆洗頻度が多くなる
という問題がある。このため、最小の高分子凝集剤の使
用量で、最大の懸濁物質分離効果を挙げることができる
凝集法の改善が求められている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、凝集、固液
分離工程と脱塩工程を有する純水製造方法において、生
成する凝集フロックの径が大きく、懸濁物質の分離効果
が良好で、処理水中に残留する高分子凝集剤の量が少な
く、逆浸透膜やイオン交換樹脂の洗浄頻度を低減し、純
水製造システムを効率的に稼働させることができる純水
製造方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、固液分離工程か
ら排出される凝集汚泥の一部に、高分子凝集剤を添加し
て凝集工程に返送することにより、固液分離工程後の処
理水中に残留する高分子凝集剤の量を低減し得ることを
見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(1)(1)原水に無機凝集剤
を添加するとともに、高分子凝集剤を含む返送汚泥を添
加して凝集反応を行わせる凝集工程、(2)凝集工程で生
成した凝集フロックを固液分離する固液分離工程、(3)
固液分離工程から得られる処理水を逆浸透膜装置及び/
又はイオン交換装置に通水して脱塩する脱塩工程、(4)
固液分離工程から排出される凝集汚泥の一部を凝集工程
に返送する汚泥返送工程、並びに(5)凝集工程に返送さ
れる凝集汚泥に高分子凝集剤を添加する工程を有するこ
とを特徴とする純水製造方法、を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、(2)凝集工程
において、pH調整剤の添加によりpH調整を行う第(1)項
記載の純水製造方法、(3)返送汚泥の量が、原水に対
する懸濁物質の増加分として20〜200mg/リットル
である第(1)項記載の純水製造方法、及び、(4)返送
汚泥に添加する高分子凝集剤の量が、原水に対して0.
1〜1.0mg/リットルである第(1)項記載の純水製造
方法、を挙げることができる。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明の純水製造方法は、凝集工
程、固液分離工程、脱塩工程、汚泥返送工程及び返送汚
泥に高分子凝集剤を添加する工程を有する。本発明方法
においては、原水に無機凝集剤を添加するとともに、高
分子凝集剤を含む返送汚泥を添加して凝集反応を行わせ
る。使用する無機凝集剤に特に制限はなく、例えば、硫
酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、
硫酸第一鉄などを挙げることができる。これらの無機凝
集剤の添加により、Al3+、Fe3+、Fe2+などの多価
カチオンが、懸濁粒子の荷電を中和して、凝結作用によ
り原水中の懸濁物、有機物、重金属などのフロックが形
成される。添加する無機凝集剤の量は、被処理水中の懸
濁物質(SS)などの汚濁物質の量に応じて適宜選択す
ることができるが、通常は数十〜数百mg/リットルの範
囲で選択することが好ましい。本発明方法においては、
原水に無機凝集剤及び高分子凝集剤を含む返送汚泥を添
加するとともに、pH調整剤を添加してpH調整を行うこと
が好ましい。pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどを挙げるこ
とができる。調整するpH値は、使用する無機凝集剤の種
類に応じて適切な値を選択することができる。例えば、
硫酸アルミニウム及びポリ塩化アルミニウムを用いた場
合はpH5〜7.5とすることが好ましく、塩化第二鉄を
用いた場合はpH5〜8とすることが好ましく、硫酸第一
鉄を用いた場合はpH9〜11とすることが好ましい。原
水に無機凝集剤を添加した状態ですでにpHが好適範囲に
あれば、pH調整剤の添加を省略することができる。pHを
調整して不溶性の金属水酸化物を形成することにより、
懸濁粒子の荷電の中和とフロックの形成が進行する。凝
集工程を行う凝集槽の滞留時間は5〜10分であること
が好ましく、凝集槽の撹拌速度は周速0.3〜3m/sec
であることが好ましい。 【0006】本発明方法においては、凝集工程において
凝集フロックを生成せしめたのち、固液分離により凝集
フロックと処理水を分離する。使用する固液分離方法に
は特に制限はなく、凝集フロックの性状に応じて、例え
ば、重力沈殿法、遠心沈殿法などの沈殿法や、加圧浮上
法、減圧浮上法などの浮上法などから、適宜選択するこ
とができる。固液分離工程において分離した汚泥の一部
は凝集工程に返送し、残部は汚泥として系外に排出す
る。本発明方法において、固液分離工程に沈殿法又は浮
上法を用いた場合は、さらにろ過工程を設けて、処理水
中に残留する微量の懸濁物質を除去することが好まし
い。ろ過方法には特に制限はなく、例えば、ろ材として
ろ砂を充填した砂ろ過器を用いることができ、あるい
は、ろ砂とアンスラサイト、ガーネットなどを組み合わ
せた多層ろ過を行うこともでき、さらには、カートリッ
ジフィルターを用いることもできる。処理水をろ過して
微量の懸濁物質を完全に除去することにより、後段の逆
浸透膜装置、イオン交換装置などを保護することができ
る。本発明方法において、固液分離工程から得られる処
理水は、いったん処理水槽に貯留することが好ましい。
固液分離工程と脱塩工程の間に処理水槽を設けることに
より、脱塩工程への給水を安定して行うことができる。
本発明方法においては、固液分離工程から得られる処理
水を、逆浸透膜装置又はイオン交換装置、あるいはその
両方を用いて脱塩し、水中の塩類が除去された純水とす
る。本発明に使用する逆浸透膜には特に制限はなく、例
えば、酢酸セルロース、ポリアミド、複素環ポリマーな
どの多孔質膜を挙げることができる。逆浸透膜装置にも
特に制限はなく、例えば、平板型モジュール、スパイラ
ル型モジュール、管型モジュール、中空糸型モジュール
などを備えた装置を挙げることができる。原水側に浸透
圧以上の圧力をかけて逆浸透膜を透過させることによ
り、通常は大部分の塩類の95%以上、弱電解質の重炭
酸イオンやケイ酸イオンの90%程度を除去することが
できる。逆浸透膜装置の透過水は、必要に応じてさらに
混床型イオン交換装置などをポリッシャーとして用い、
完全に塩類を除去することができる。本発明に使用する
イオン交換装置には特に制限はなく、例えば、カチオン
交換塔、脱ガス塔及びアニオン交換塔から構成される2
床3塔式のイオン交換装置などを挙げることができる。 【0007】本発明方法においては、固液分離工程から
排出される凝集汚泥の一部を凝集工程に返送する。凝集
汚泥の一部を凝集工程に返送して凝集槽に添加すること
により、凝集フロックの成長を促進し、固液分離工程に
おける沈降性又は浮上性の良好な凝集フロックを生成さ
せることができる。返送汚泥の量は、原水に対する懸濁
物質の増加分として、10〜200mg/リットルである
ことが好ましく、30〜80mg/リットルであることが
より好ましい。返送汚泥の量が、原水に対する懸濁物質
の増加分として10mg/リットル未満であると、生成す
る凝集フロックの分離性が十分に向上しないおそれがあ
る。返送汚泥の量が、原水に対する懸濁物質の増加分と
して200mg/リットルを超えると、凝集フロックの生
成に必要な高分子凝集剤の量が増加し、その結果残留す
る高分子凝集剤の量も多くなるおそれがある。本発明方
法においては、凝集工程に返送される凝集汚泥に高分子
凝集剤を添加する。使用する高分子凝集剤には特に制限
はないが、高分子量のノニオン性又はアニオン性の重合
体であることが好ましい。このような高分子凝集剤とし
ては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルア
ミド又はそれらの部分加水分解物、アクリルアミド若し
くはメタクリルアミド又はそれらのナトリウム塩とアク
リル酸又はメタクリル酸との共重合体、ポリアクリル酸
ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸又はそのナトリウム塩の重合体又は共重合体
などを挙げることができる。返送される凝集汚泥に高分
子凝集剤を添加する方法には特に制限はなく、例えば、
汚泥返送管に高分子凝集剤の注入口を設けて固液分離凝
集剤の水溶液を注入することができ、あるいは、凝集汚
泥の返送ラインの途中に撹拌槽を設け、高分子凝集剤を
添加することもできる。これらの方法の中で、汚泥返送
管に高分子凝集剤の注入口を設ける方法は、設備を簡略
化することができるので好ましい。汚泥返送管の内径が
大きく、汚泥が層流となって移送される場合は、注入口
より下流にラインミキサー、スタティックミキサーなど
の固定型管内混合器を設け、返送汚泥と高分子凝集剤の
急速混合を図ることが好ましい。通常は、高分子凝集剤
の注入口から、凝集槽に達するまでに10秒以上の時間
があれば、高分子凝集剤と返送汚泥を十分に混合するこ
とができる。本発明方法において、返送汚泥に添加する
高分子凝集剤の量は原水量に対して設定し、通常は原水
に対して0.1〜1.0mg/リットルであることが好まし
く、0.3〜0.6mg/であることがより好ましい。高分
子凝集剤の添加量が原水に呈して0.1mg/リットル未
満であると、凝集フロックの成長が不十分で、生成する
凝集フロックの分離性が向上しないおそれがある。高分
子凝集剤の添加量が原水に呈して1.0mg/リットルを
超えると、固液分離工程から得られる処理水中に高分子
凝集剤が残留し、逆浸透膜装置及び/又はイオン交換装
置に悪影響を与えるおそれがある。 【0008】図2は、本発明方法の一態様の工程系統図
である。本態様においては、中和・凝集槽8において、
原水に無機凝集剤を添加するとともに、高分子凝集剤を
含む返送汚泥を添加し、さらにアルカリによりpHを調整
する。中和・凝集槽の撹拌が弱い場合は、あらかじめ無
機凝集剤を原水ラインに注入してもよい。中和・凝集槽
に設けたpH計9からアルカリ送液ポンプ10に信号を送
ることにより、自動的に所定のpH値に調整することがで
きる。中和・凝集槽において生成フロックが成長した処
理水は、沈殿槽3において固液分離を行い、さらに分離
していない微量の懸濁物質をろ過器4を用いて除去し、
処理水槽5に貯留する。処理水槽中の水は、逆浸透膜装
置6に送り、脱塩処理を行って純水を得る。沈澱槽から
排出される凝集汚泥の一部は、汚泥返送管7を通じて中
和・凝集槽に返送し、その途中において汚泥返送管に設
けた注入口より高分子凝集剤を添加することにより、高
分子凝集剤を含む返送汚泥として、中和・凝集槽中で原
水に添加される。本発明方法によれば、従来のように中
和槽と凝集槽を別個に設置する必要がなく、中和と凝集
を兼用する中和・凝集槽1槽のみで足りるので、設備を
簡略化することができる。また、本発明方法において生
成する凝集フロックは、分離性が良好なので沈澱槽など
の固液分離装置を小型化することができ、さらに固液分
離工程から得られる処理水中の懸濁物質の量が少なく、
ろ過器を設ける場合には、ろ過器も小型化し、あるいは
逆洗頻度を減らすことができる。さらに、本発明方法に
おいて固液分離工程から得られる処理水中には、残留す
る高分子凝集剤が少なく、逆浸透膜装置及び/又はイオ
ン交換装置に悪影響を与えるおそれがなく、安定して純
水を製造することができる。 【0009】返送汚泥と高分子凝集剤をあらかじめ混合
して中和・凝集槽へ添加する本発明方法により、沈降性
又は浮上性の良好な凝集フロックが生成し、しかも処理
水中に残留する高分子凝集剤が少なくなる機構は明確で
はないが、以下のように推定される。すなわち、従来法
によって中和槽に汚泥返送を行い、凝集槽に高分子凝集
剤を添加する場合は、中和槽中には、返送汚泥に由来す
る比較的大きなフロックと、無機凝集剤の加水分解に由
来する微細な水酸化物の基礎フロックが共存する。フロ
ック数としては、微細フロックの割合が多いため、高分
子凝集剤の吸着点に微細フロックが主として吸着され、
大きなフロックが生成しにくくなるものと考えられる。
一方、返送汚泥に高分子凝集剤を添加する本発明方法に
おいては、返送汚泥中に存在するフロックはすでに凝集
したものであり、フロック数としては少ないために、返
送汚泥に吸着された高分子凝集剤は吸着点が完全に占有
されることなく残存しており、無機凝集剤に基づく微細
フロックの吸着余力を保有している。さらに、凝集フロ
ックの大きさは、造粒脱水時間から分かるように、懸濁
物質濃度と高分子凝集剤濃度が高いほど大きなフロック
に生長する。中和・凝集槽では、未反応の状態で残存す
る吸着点を有する大きなフロック上に、無機凝集剤より
発生する微細な基礎フロックが沈積するとともに、フロ
ックを形成していない未反応の高分子凝集剤も、微細フ
ロックを凝集させながら沈積してくるため、全体として
大きなフロックが生成し、処理水中に未反応で残留する
高分子凝集剤の量が減少するものと考えられる。 【0010】 【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、沈殿槽の処理水を、3,
000rpmで30分間遠心分離処理を行い、その上澄液
を、目皿外径40mm、目皿上高さ100mmのブフナーロ
ートと、直径47mm、孔径0.45μmのメンブレンフ
ィルター[ミリポア社]を用いて、目皿上の空間が常に
水で満たされた状態でろ過し、ろ過量が1,000mlと
なるまでの時間をMF時間とした。分子量数十万以上の
高分子凝集剤は、孔径0.45μmのメンブレンフィル
ターを通過しないことが確認されているので、MF時間
から、凝集フロックを形成していない未反応高分子凝集
剤の残留量を推定することができる。 実施例1 pH6.4〜6.8、電気伝導率30〜40mS/m、SS
5mg/リットル以下、Mアルカリ度8〜10mg/リット
ルの原水を用い、図2に示す工程を有するパイロットテ
スト機を使用して、原水量120リットル/hrの条件で
6カ月間純水製造試験を継続した。中和・凝集槽の容量
は20リットル、滞留時間10分、撹拌周速1m/sec
であり、中和・凝集槽に、アニオン系高分子凝集剤[栗
田工業(株)、クリフロックPA332]を添加した汚泥
を返送するとともに、ポリ塩化アルミニウム20mg/リ
ットルを添加し、さらに水酸化ナトリウムを用いてpHを
6.5に調整した。凝集フロックが生成した水を、直径
90cm、深さ80cmの沈殿槽に導き、滞留時間4時間で
固液分離を行った。沈殿槽の汚泥を0.4リットル/hr
の割合で汚泥返送管を経由して返送するとともに、汚泥
返送管の途中でアニオン系高分子凝集剤[栗田工業
(株)、クリフロックPA332]を60mg/hrの割合で
注入した。返送汚泥の濃度は1.4〜1.6重量%であ
り、原水のSS増加量約50mg/リットルに相当する。
汚泥返送管の高分子凝集剤注入口の下流側にラインミキ
サーを設け、添加した高分子凝集剤を返送汚泥中に均一
に溶解させた。沈殿槽の上澄水を、直径30cm、高さ1
50cmで、平均径0.45mmのろ砂を高さ50cmまで充
填したろ過器に、通水速度5m/hrで送り、微量のSS
を除去した。なお、ろ過器は、1日1回定期的に逆洗を
行った。ろ過器より流出する処理水は、いったん処理水
槽に貯留した。処理水槽の容量は60リットルであり、
滞留時間は30分である。最後に処理水槽中の水を逆浸
透テスト機に送り、逆浸透処理を行った。用いた逆浸透
テスト機は、ROエレメント[日東電工(株)、NTR7
250HR−S2F]1本を備えたものであり、水温2
5〜30℃、運転圧力13kgf/cm2で運転した。透過水
流量は90リットル/hr、濃縮排水流量は30リットル
/hr、すなわち、回収率を75%とした。6カ月間の試
験中、凝集槽のフロック径は6〜8mmであり、沈殿槽処
理水の水質は、pH6.4〜6.5、電気伝導率32〜41
mS/m、SS0.2〜0.5mg/リットル、MF時間2
00〜250秒であった。また、逆浸透テスト機より流
出する透過水の電気伝導度は、1.6〜2.0mS/mで
あった。逆浸透膜のフラックスを、圧力1kgf/cm2、温
度25℃において、1カ月ごとに測定した。フラックス
は、試験開始時に0.080m/日であったものが、1
カ月後0.075m/日、2カ月後0.074m/日、3
カ月後0.072m/日、4カ月後0.072m/日、5
カ月後0.071m/日、6カ月後0.070m/日とな
り、フラックスは6カ月間に12.5%低下した。 比較例1 実施例1に用いたパイロットテスト機のうち、中和・凝
集槽を中和槽とし、中和槽と沈殿槽の間に容量10リッ
トルの凝集槽を設け、汚泥返送管の高分子凝集剤の注入
口とラインミキサーを取り外した、図1に示す工程を有
するテスト機を用いて6カ月間純水製造試験を継続し
た。アニオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロ
ックPA332]0.5mg/リットルを、凝集槽で添加
した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。な
お、凝集槽の滞留時間は5分であり、撹拌周速は0.8
m/secである。6カ月間の試験中、凝集槽のフロック
径は2〜4mmであり、沈殿槽処理水の水質は、pH6.4
〜6.5、電気伝導率32〜41mS/m、SS0.8〜
1.5mg/リットル、MF時間360〜400秒であっ
た。また、逆浸透テスト機より流出する透過水の電気伝
導度は、1.6〜2.0mS/mであった。実施例1と同
様にして測定した逆浸透膜のフラックスは、試験開始時
に0.080m/日であったものが、1カ月後0.070
m/日、2カ月後0.068m/日、3カ月後0.065
m/日、4カ月後0.064m/日、5カ月後0.062
m/日、6カ月後0.060m/日となり、フラックス
は6カ月間に25%低下した。実施例1及び比較例1に
ついて、凝集槽のフロック径と、沈殿槽処理水の水質を
第1表に、逆浸透膜のフラックスの変化を第2表及び図
3に示す。 【0011】 【表1】 【0012】 【表2】 【0013】第1表に見られるように、凝集工程に返送
される凝集汚泥に高分子凝集剤を添加した実施例1の方
が、中和槽の次に凝集槽を設けて高分子凝集剤を添加す
る従来法の比較例1よりも、凝集槽において生成するフ
ロックの径が大きく、その結果、沈澱槽処理水中のSS
濃度が低くなっている。また、MF時間が短かいことか
ら、高分子凝集剤のリーク量が少ないものと推定され
る。また、第2表及び図3に見られるように、実施例1
の方が、比較例1よりも、逆浸透膜のフラックスの低下
量が小さく、本発明方法によれば、逆浸透膜のファウリ
ングが少ないことが明らかである。 【0014】 【発明の効果】本発明の純水製造方法によれば、中和・
凝集槽1槽で、中和と凝集を行うので、槽の数が少な
く、装置を簡略化することができる。また、沈殿又は浮
上処理水のSS濃度が低くなり、処理水の水質が向上
し、差圧上昇時逆洗方式のろ過器を設ける場合には、逆
洗頻度が少なくなる。さらに、高分子凝集剤のリーク量
が少なくなるために、逆浸透膜装置やイオン交換装置な
どの洗浄頻度も低減することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1は、従来の純水製造方法の一態様の工程系
統図である。 【図2】図2は、本発明方法の一態様の工程系統図であ
る。 【図3】図3は、逆浸透膜のフラックスの変化を示すグ
ラフである。 【符号の説明】 1 中和槽 2 凝集槽 3 沈殿槽 4 ろ過器 5 処理水槽 6 逆浸透膜装置 7 汚泥返送管 8 中和・凝集槽 9 pH計 10 ポンプ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−94787(JP,A) 特開 平7−136408(JP,A) 特開 昭62−180793(JP,A) 特開 昭52−49645(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/52 C02F 1/42 C02F 1/44 C02F 1/56 C02F 9/00 502

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(1)原水に無機凝集剤を添加するととも
    に、高分子凝集剤を含む返送汚泥を添加して凝集反応を
    行わせる凝集工程、(2)凝集工程で生成した凝集フロ
    ックを固液分離する固液分離工程、(3)固液分離工程
    から得られる処理水を逆浸透膜装置及び/又はイオン交
    換装置に通水して脱塩する脱塩工程、(4)固液分離工
    程から排出される凝集汚泥の一部を凝集工程に返送する
    汚泥返送工程、並びに(5)凝集工程に返送される凝集
    汚泥に高分子凝集剤を添加する工程を有することを特徴
    とする純水製造方法。
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