JP5218736B2 - 研磨用組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
また、ジルコニアとポリアクリル酸などの高分子酸からなる研磨剤が開示されている。(特許文献2、及び特許文献3)
また、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム等の水溶性ジルコニウム塩を含む水溶液をアンモニア水等により中和してジルコニウム水酸化物の沈殿を生成させ、この沈殿を濾過し、水洗いした後、乾燥仮焼する方法、或いは、水溶性ジルコニウム塩の水溶液を加熱加水分解してゾルを生成させ、これを乾燥仮焼する方法が知られている(非特許文献1)。
更に、水溶性ジルコニウム塩の水溶液を加熱加水分解してゾルを生成させ、これを乾燥仮焼する方法も知られている(非特許文献2)。
得られた酸化ジルコニウム粉末を水性媒体中で、該酸化ジルコニウムスラリーをレーザー回折法で測定したときの酸化ジルコニウム粒子のd50が80〜150nm、及び酸化ジルコニウム粒子のd99が150〜500nmになるまで湿式粉砕する工程とからなり、そして
前記焼成する工程が、0.1〜5℃/分の昇温速度で室温から昇温させて200〜400℃未満の第1段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第1段目の焼成工程、及び、0.1〜10℃/分の昇温速度で該第1段目の焼成温度から昇温させて400〜1000℃の第2段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第2段目の焼成工程を含む方法、
第2観点として、前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウム炭酸塩又はその水和物である第1観点に記載の製造方法、
第3観点として、前記焼成工程が、第1段目の焼成温度に達した後、直ちに第2段目の焼成工程を行う方法であるか、又は第1段目の焼成温度で100時間以内の保持を行った後に第2段目の焼成工程を行う第1観点又は第2観点に記載の製造方法、
第4観点として、前記湿式粉砕工程が、水性媒体中の酸化ジルコニウム粉末を、直径0.1〜3.0mmの安定化ジルコニア製粉砕ビーズを用いて、(該酸化ジルコニウムスラリー)対(該粉砕ビーズ)の容積比1:0.5〜2.0の割合で、非連続式粉砕装置によって粉砕することにより行われる第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載の製造方法、
第5観点として、前記湿式粉砕工程が、水性媒体中の酸化ジルコニウム粉末を、直径0.03〜1mmの安定化ジルコニア製粉砕ビーズと1〜15m/秒の周速を有する攪拌翼と粉砕容器とを備えた連続式粉砕装置を用いて、該酸化ジルコニウムスラリーの粉砕容器内への通液速度が粉砕容器の容積Vリットルに対して(V/4〜V)リットル/分でありかつ粉砕容器内での(該酸化ジルコニウムスラリー)対(該粉砕ビーズ)の容積比が1:
0.5〜0.9である条件下で粉砕することにより行われる第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載の製造方法、
第6観点として、第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の製法で得られた研磨用組成物を、凹凸面を有する基板の平坦化に使用することを特徴とする半導体デバイスの製造方法、
第7観点として、前記凹凸面が、銅又は銅合金の膜で形成されている凹凸面である第6観点に記載の半導体デバイスの製造方法である。
該方法は、ジルコニウム化合物のスラリーをレーザー回折法で測定したときのジルコニウム化合物粒子のd50(ただし、d50は、この粒子径以下の粒子数が全粒子数の50%であることを意味する粒子径を表わす。)が5〜25μmであり、かつジルコニウム化合物粒子のd99(ただし、d99は、この粒子径以下の粒子数が全粒子数の99%であることを意味する粒子径を表わす。)が60μm以下である該ジルコニウム化合物を、400〜1000℃の温度範囲で焼成する工程と、
得られた酸化ジルコニウム粉末を水性媒体中で、該酸化ジルコニウムスラリーをレーザー回折法で測定したときの酸化ジルコニウム粒子のd50が80〜150nm、及び酸化ジルコニウム粒子のd99が150〜500nmになるまで湿式粉砕する工程とからなり、そして
前記焼成する工程が、0.1〜5℃/分の昇温速度で室温から昇温させて200〜400℃未満の第1段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第1段目の焼成工程、及び、0.1〜10℃/分の昇温速度で該第1段目の焼成温度から昇温させて400〜1000℃の第2段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第2段目の焼成工程を含む方法である。
(A−1)成分としては、ポリアクリル酸アンモニウムが最も好ましく用いられる。
芳香族アミノ酸としては、フェニルアラニン、チロシン等が挙げられる。
複素環アミノ酸としては、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン、オキシプロリン等が挙げられる。
これらのアミノ酸の塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩類が挙げられる。
更に、第1段目の焼成工程で比較的緩やかな昇温速度を保つことにより、ジルコニウム炭酸塩又はその水和物が酸化ジルコニウムに変化する際に、一次粒子径の小さな酸化ジルコニウムを生成するものと考えられる。このような酸化ジルコニウムはその後の焼成工程と湿式粉砕工程を経ても、粗大粒子の発生がなく、第1段目の焼成工程で生じた一次粒子径に近い状態まで粉砕される。
(1)pH測定
pH計((株)東亜電波工業製、商品名HM−30S)を用いて測定した。
(2)電気伝導度の測定
電気伝導度計((株)東亜電波工業製、商品名CM−30G)を用いて測定した。
(3)レーザー回折法によるd50(平均粒子径)の測定
レーザー回折法粒子径測定装置マスターサイザー2000(MASTERSIZER2000)マルバーン社製(MALVERN社製)を用いて平均粒子径測定した。
(4)ガス吸着法による比表面積値から換算した粒子径(BET法換算粒子
径)
予め所定の条件で乾燥した試料を窒素吸着法比表面積計〔カンタクローム社製(QUNTACHROME社製)、商品名モノソーブMS−16型(MONOSORB MS−16型)〕を用いて比表面積の値を測定し、その測定値から式(1)を用いてBET法換算粒子径を計算した。
BET法換算粒子径(nm)=6000/(d×A) 式(1)
d:酸化ジルコニウム比重=5.5g/cm3、A:BET比表面積m2/g
(5)粉末X線回折の測定
粉末X線回折装置(株式会社島津製作所製)を用いて、焼成により得られた化合物を同定した。また酸化ジルコニウムのhkl(111)ピークの半値幅を測定し、デバイ・シュラー法によりX線結晶子径を求めた。
(6)動的光散乱法による平均粒子径の測定
動的光散乱法粒子径測定装置、商品名DLS6000(大塚電子株式会社製)平均粒子径を用いて測定した。
(7)銅膜の膜厚の測定
シート抵抗測定装置、商品名VR−120S(国際電気アルファ(株)社製)を用いて銅膜のシート抵抗を測定し、その測定値から式(2)を用いて銅膜厚を計算した。
銅膜厚=銅抵抗率ρ(Ω−cm)/シート抵抗値ρs(Ω/sq) 式(2)
ただし、銅抵抗率ρ=0.0000017(Ω−cm)とした。
(8)銅膜の表面観察
表面観察装置3Dデジタルファインスコープ、商品名VC4500(オムロン株式会社製)を用いて銅膜表面を観察した。
(9)遠心機
高速冷却遠心機SRX−201(株式会社トミー精工社製)
レーザー回折法により測定した平均粒子径d50が18.5μmであり、レーザー回折法で測定した粒度分布から算出された99%粒子径d99が47.7μmのオキシ炭酸ジルコニウム水和物(ZrO2に換算して39.0重量%含有していた。)2800gをムライト質のセラミックス製容器に仕込み、耐熱板で蓋をして72L電気炉で焼成した。この時1℃/分の昇温速度で室温から350℃まで昇温させて、350℃で5時間保持した。更に、続けて2℃/分の昇温速度で500℃まで昇温させて、500℃で10時間保持し、自然冷却した後、電気炉からセラミックス製容器を取り出し、酸化ジルコニウム粉末1093gを得た。この粉末をX線回折装置で同定したところ酸化ジルコニウムの特性ピークと一致し、X線結晶子径は17.5nmであった。またこの粉末のガス吸着法による比表面積は44.7m2/gで、比表面積から概算した粒子径(以下、BET法換算粒子径と記す)は24.4nmであった。
半径70mm×長さ220mmのポリエチレン製円筒容器を有するボールミル装置に1mmφの部分安定化ジルコニアビーズ3800gを仕込んだ。酸化ジルコニウム粉末369g、純水746g及び10%硝酸5.4gを混合し、酸化ジルコニウムスラリーを作成し、ボールミル装置に仕込んだ。(酸化ジルコニウムスラリー)対(ビーズ)の容積比は1:0.8であった。
この円筒容器を60rpmで24時間回転させることにより酸化ジルコニウムスラリーを粉砕した。純水で水押し洗浄しながらビーズを分離した後、酸化ジルコニウム濃度23.3重量%、pH5.8、電気伝導度115μS/cmの水性酸化ジルコニウムゾル(a−1)を得た。このゾルを300℃で乾燥させることにより得た粉末のBET法換算粒子径は19.4nmであった。またレーザー回折法により測定した平均粒子径d50は109nmであり、d99は234nmであり、0.6μm以上の粒子径の酸化ジルコニウム粒子は含有していなかった。また、動的光散乱法で測定したこの水性酸化ジルコニウムゾルの平均粒子径は150nmであった。
得られた水性酸化ジルコニウムゾルを、遠心機を用いて2000Gで1分間処理した。沈降物を除いた後得られた回収ゾルの酸化ジルコニウム回収率は98.7%であった。また、レーザー回折法で測定された回収した沈降物スラリー中の1μm以上の粒子の割合は6.3%であった。
濃度0.12モル/リットルのグリシン、濃度0.44モル/リットルの過酸化水素水、及び、濃度0.001モル/リットルのベンゾトリアゾールを含有する水溶液に、上記の酸化ジルコニウムゾルをそれらの混合溶液中で酸化ジルコニウム濃度が5.3重量%となる様に添加して研磨用組成物を作成した。
レーザー回折法により測定した平均粒子径d50が16.8μmであり、レーザー回折法で測定した粒度分布から算出された99%粒子径d99が36.3μmのオキシ炭酸ジルコニウム水和物(ZrO2に換算して39.8重量%含有していた。)2800gをムライト質のセラミックス製容器に仕込み、耐熱板で蓋をして72L電気炉で焼成した。この時1℃/分の昇温速度で室温から350℃まで昇温させて、350℃で5時間保持した。更に、続けて2℃/分の昇温速度で750℃まで昇温させて、750℃で10時間保持、自然冷却した後、電気炉からセラミックス製容器を取り出し、酸化ジルコニウム粉末1114gを得た。この粉末をX線回折装置で同定したところ酸化ジルコニウムの特性ピークと一致し、X線結晶子径は53.9nmであった。またこの粉末のBET法換算粒子径は82.7nmであった。
半径70mm×長さ220mmのポリエチレン製円筒容器を有するボールミル装置に1mmφの部分安定化ジルコニアビーズ3800gを仕込んだ。酸化ジルコニウム粉末を369g、純水746g及び10%硝酸3.7gを混合し、酸化ジルコニウムスラリーを作成し、ボールミル装置に仕込んだ。(酸化ジルコニウムスラリー)対(ビーズ)の容積比は1:0.8であった。
この円筒容器を60rpmで24時間回転させることにより酸化ジルコニウムスラリーを粉砕した。純水で水押し洗浄しながらビーズを分離した後、酸化ジルコニウム濃度24.9重量%、pH4.5、電気伝導度67μS/cmの水性酸化ジルコニウムゾル(b−1)を得た。このゾルを300℃で乾燥させることにより得た粉末のBET法換算粒子径は47.3nmであった。またレーザー回折法により測定した平均粒子径d50は105nmであり、d99は240nmであり、0.6μm以上の粒子径の酸化ジルコニウム粒子は含有していなかった。また、動的光散乱法で測定したこの水性酸化ジルコニウムゾルの平均粒子径は151nmであった。
得られた水性酸化ジルコニウムゾルを、遠心機を用いて2000Gで1分間処理した。沈降物を除いた後得られた回収ゾルの酸化ジルコニウム回収率は98.3%であった。また、レーザー回折法で測定された回収した沈降物スラリー中の1μm以上の粒子の割合は2.5%であった。
濃度0.12モル/リットルのグリシン、濃度0.44モル/リットルの過酸化水素水、及び、濃度0.001モル/リットルのベンゾトリアゾールを含有する水溶液に、上記の酸化ジルコニウムゾルをそれらの混合溶液中で酸化ジルコニウム濃度が5.3重量%となる様に添加して研磨用組成物を作成した。
レーザー回折法により測定した平均粒子径d50が16.8μmであり、レーザー回折法で測定した粒度分布から算出された99%粒子径d99が36.3μmのオキシ炭酸ジルコニウム水和物(ZrO2に換算して39.8重量%含有していた。)2800gをムライト質のセラミックス製容器に仕込み、耐熱板で蓋をして72L電気炉で焼成した。この時1℃/分の昇温速度で室温から350℃まで昇温させて、350℃で5時間保持した。更に、続けて2℃/分の昇温速度で900℃まで昇温させて、900℃で10時間保持し、自然冷却した後、電気炉からセラミックス製容器を取り出し、酸化ジルコニウム粉末1114gを得た。この粉末をX線回折装置で同定したところ酸化ジルコニウムの特性ピークと一致し、X線結晶子径は114nmであった。またこの粉末のBET法換算粒子径は186nmであった。
半径70mm×長さ220mmのポリエチレン製円筒容器を有するボールミル装置に1mmφの部分安定化ジルコニアビーズ3800gを仕込んだ。酸化ジルコニウム粉末369g、純水746g及び10%硝酸3.7gを混合し、酸化ジルコニウムスラリーを作成し、ボールミル装置に仕込んだ。(酸化ジルコニウムスラリー)対(ビーズ)の容積比は1:0.8であった。
この円筒容器を60rpmで45時間回転させることにより酸化ジルコニウムスラリーを粉砕した。純水で水押し洗浄しながらビーズを分離した後、酸化ジルコニウム濃度23.8重量%、pH4.6、電気伝導度45μS/cmの水性酸化ジルコニウムゾル(c−1)を得た。このゾルを300℃で乾燥させることにより得た粉末のBET法換算粒子径は58.7nmであった。またレーザー回折法により測定した平均粒子径d50は112nmであり、d99は262nmであり、0.6μm以上の粒子径の酸化ジルコニウム粒子は含有していなかった。また、動的光散乱法で測定したこの水性酸化ジルコニウムゾルの平均粒子径は171nmであった。
得られた水性酸化ジルコニウムゾルを、遠心機を用いて2000Gで1分間処理した。沈降物を除いた後得られた回収ゾルの酸化ジルコニウム回収率は96.0%であった。また、レーザー回折法で測定された回収した沈降物スラリー中の1μm以上の粒子の割合は0.3%であった。
濃度0.12モル/リットルのグリシン、濃度0.44モル/リットルの過酸化水素水、及び、濃度0.001モル/リットルのベンゾトリアゾールを含有する水溶液に、上記の酸化ジルコニウムゾルをそれらの混合溶液中で酸化ジルコニウム濃度が5.3重量%となる様に添加して研磨用組成物を作成した。
レーザー回折法により測定した平均粒子径d50が19.3μmであり、レーザー回折法で測定した粒度分布から算出された99%粒子径d99が45.7μmのオキシ炭酸ジルコニウム水和物(ZrO2に換算して39.9重量%含有していた。)2800gをムライト質のセラミックス製容器に仕込み、耐熱板で蓋をした。オキシ炭酸ジルコニウム水和物を仕込んだセラミックス製容器64個を炉内容積1m3の電気炉で焼成した。この時0.5℃/分の昇温速度で室温から350℃まで昇温させて、350℃で5時間保持した。更に、続けて2℃/分の昇温速度で530℃まで昇温させて、530℃で10時間保持し、自然冷却した後、電気炉からセラミックス製容器を取り出し、酸化ジルコニウム粉末72kgを得た。この粉末をX線回折装置で同定したところ酸化ジルコニウムの特性ピークと一致し、X線結晶子径は26.0nmであった。またこの粉末のBET法換算粒子径は36.1nmであった。
半径70mm×長さ220mmのポリエチレン製円筒容器を有するボールミル装置に0.5mmφの部分安定化ジルコニアビーズ3800gを仕込んだ。酸化ジルコニウム粉末369g、純水739g及び10%硝酸10.8gを混合し、酸化ジルコニウムスラリーを作成し、ボールミル装置に仕込んだ。(酸化ジルコニウムスラリー)対(ビーズ)の容積比は1:0.8であった。
この円筒容器を60rpmで40時間回転させることにより酸化ジルコニウムスラリーを粉砕した。純水で水押し洗浄しながらビーズを分離した後、酸化ジルコニウム濃度23.3重量%、pH3.9、電気伝導度209μS/cmの水性酸化ジルコニウムゾル(d−1)を得た。このゾルを300℃で乾燥させることにより得た粉末のBET法換算粒子径は28.9nmであった。またレーザー回折法により測定した平均粒子径d50は92nmであり、d99は177nmであり、0.6μm以上の粒子径の酸化ジルコニウム粒子は含有していなかった。また、動的光散乱法で測定したこの水性酸化ジルコニウムゾルの平均粒子径は80nmであった。
得られた水性酸化ジルコニウムゾルを、遠心機を用いて2000Gで1分間処理した。沈降物を除いた後得られた回収ゾルの酸化ジルコニウム回収率は99.6%であった。また、レーザー回折法で測定された回収した沈降物スラリーは、1μm以上の粒子を含有していなかった。
濃度0.12モル/リットルのグリシン、濃度0.44モル/リットルの過酸化水素水、及び、濃度0.001モル/リットルのベンゾトリアゾールを含有する水溶液に、上記の酸化ジルコニウムゾルをそれらの混合溶液中で酸化ジルコニウム濃度が5.3重量%となる様に添加して研磨用組成物を作成した。
レーザー回折法により測定した平均粒子径d50が39.8μmであり、レーザー回折法で測定された粒度分布から算出された99%粒子径d99が80.3μmのオキシ炭酸ジルコニウム水和物(ZrO2に換算して40.5重量%含有していた。)3000gをムライト質のセラミックス製容器に仕込み、耐熱板で蓋をして72L電気炉で焼成した。この時0.5℃/分の昇温速度で室温から350℃まで昇温させて、350℃で5時間保持した。更に、続けて2℃/分の昇温速度で700℃まで昇温させて、700℃で10時間保持し、自然冷却した後、電気炉からセラミックス製容器を取り出し、酸化ジルコニウム粉末1221gを得た。この粉末をX線回折装置で同定したところ酸化ジルコニウムの特性ピークと一致し、X線結晶子径は41.0nmであった。またこの粉体のBET法換算粒子径は79.3nmであった。
半径70mm×長さ220mmのポリエチレン製円筒容器を有するボールミル装置に1mmφの部分安定化ジルコニアビーズ3800gを仕込んだ。酸化ジルコニウム粉末369g、純水746g及び10%硝酸5.5gを混合し、酸化ジルコニウムスラリーを作成し、ボールミル装置に仕込んだ。(酸化ジルコニウムスラリー)対(ビーズ)の容積比は1:0.8であった。
この円筒容器を60rpmで37時間回転させることにより酸化ジルコニウムスラリーを粉砕した。純水で水押し洗浄しながらビーズを分離した後、酸化ジルコニウム濃度21.5重量%、pH4.9、電気伝導度64μS/cmの水性酸化ジルコニウムゾル(e−1)を得た。このゾルを300℃で乾燥させることにより得た粉末のBET法換算粒子径は40.4nmであった。またレーザー回折法により測定した平均粒子径d50は118nmであり、d99は26.7μmであり、1μm以上の粒子径の酸化ジルコニウム粒子を9.3%含有していた。また、動的光散乱法で測定したこの水性酸化ジルコニウムゾルの平均粒子径は145nmであった。
得られた水性酸化ジルコニウムゾルを、遠心機を用いて2000Gで1分間処理した。沈降物を除いた後得られた回収ゾルの酸化ジルコニウム回収率は97.2%であった。また、レーザー回折法で測定された回収した沈降物スラリー中の1μm以上の粒子の割合は79.3%であった。
濃度0.12モル/リットルのグリシン、濃度0.44モル/リットルの過酸化水素水、及び、濃度0.001モル/リットルのベンゾトリアゾールを含有する水溶液に、上記の酸化ジルコニウムゾルをそれらの混合溶液中で酸化ジルコニウム濃度が5.3重量%となる様に添加して研磨用組成物を作成した。
研磨剤の研磨は、研磨布として独立発泡ポリウレタン樹脂製研磨布IC−1400(ロデールニッタ(株)社製)を、被研磨物として銅電解蒸着膜を用い、定盤回転数90rpm、研磨圧力174g/cm2、研磨時間1分間の条件で研磨機(テクノライズ(株)製)を使用して行った。
表1中で研磨面の評価は、目視および表面観察装置によって行い、欠陥が観察された時は(×)印を記載し、欠陥が全くない時は(○)印を記載した。研磨速度は研磨全後の銅膜のシート抵抗値から算出された膜厚から計算した。
表1
以上の評価結果から本発明の水性酸化ジルコニウムは化学的機械的研磨に用いる研磨剤として有用であることがわかった。
ここでシリカを主成分とする基板とは、例えば水晶、石英ガラス、ガラス製ハードディスク、半導体デバイスの有機膜、低誘電率膜、層間絶縁膜及びトレンチ分離のCMPなどを指す。更に、本発明の水性酸化ジルコニウムゾルはニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等の光学結晶材料、窒化アルミニウム、アルミナ、フェライト、ジルコニア等のセラミックス材料の研磨に適応できる。
Claims (7)
- 酸化ジルコニウムゾルを含む研磨用組成物の製造方法であって、
該方法は、ジルコニウム化合物のスラリーをレーザー回折法で測定したときのジルコニウム化合物粒子のd50(ただし、d50は、この粒子径以下の粒子数が全粒子数の50%であることを意味する粒子径を表わす。)が5〜25μmであり、かつジルコニウム化合物粒子のd99(ただし、d99は、この粒子径以下の粒子数が全粒子数の99%であることを意味する粒子径を表わす。)が60μm以下である該ジルコニウム化合物を、400〜1000℃の温度範囲で焼成する工程と、
得られた酸化ジルコニウム粉末を水性媒体中で、該酸化ジルコニウムスラリーをレーザー回折法で測定したときの酸化ジルコニウム粒子のd50が80〜150nm、及び酸化ジルコニウム粒子のd99が150〜500nmになるまで湿式粉砕する工程とからなり、そして
前記焼成する工程が、0.1〜5℃/分の昇温速度で室温から昇温させて200〜400℃未満の第1段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第1段目の焼成工程、及び、0.1〜10℃/分の昇温速度で該第1段目の焼成温度から昇温させて400〜1000℃の第2段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第2段目の焼成工程を含む方法。 - 前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウム炭酸塩又はその水和物である請求項1に記載の製造方法。
- 前記焼成工程が、第1段目の焼成温度に達した後、直ちに第2段目の焼成工程を行う方法であるか、又は第1段目の焼成温度で100時間以内の保持を行った後に第2段目の焼成工程を行う請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記湿式粉砕工程が、水性媒体中の酸化ジルコニウム粉末を、直径0.1〜3.0mmの安定化ジルコニア製粉砕ビーズを用いて、(該酸化ジルコニウムスラリー)対(該粉砕ビーズ)の容積比1:0.5〜2.0の割合で、非連続式粉砕装置によって粉砕することにより行われる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記湿式粉砕工程が、水性媒体中の酸化ジルコニウム粉末を、直径0.03〜1mmの安定化ジルコニア製粉砕ビーズと1〜15m/秒の周速を有する攪拌翼と粉砕容器とを備えた連続式粉砕装置を用いて、該酸化ジルコニウムスラリーの粉砕容器内への通液速度が粉砕容器の容積Vリットルに対して(V/4〜V)リットル/分でありかつ粉砕容器内での(該酸化ジルコニウムスラリー)対(該粉砕ビーズ)の容積比が1:0.5〜0.9である条件下で粉砕することにより行われる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の製法で得られた研磨用組成物を、凹凸面を有する基板の平坦化に使用することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
- 前記凹凸面が、銅又は銅合金の膜で形成されている凹凸面である請求項6に記載の半導体デバイスの製造方法。
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