JP5218736B2 - 研磨用組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ジルコニウム炭酸塩およびその水和物等のジルコニウム化合物を焼成し、湿式粉砕する方法で得られる酸化ジルコニウムゾルを含む研磨用組成物の製造方法と、その製造方法によって得られた研磨用組成物を用いた半導体デバイスの製造方法に関する。
従来の技術
10〜400m/gの比表面積と20〜500nmの粒子径(動的光散乱法により測定)を有し、かつ4〜15重量%の脱水性の水分を保有するコロイド状酸化ジルコニウムを400〜1000℃の温度で0.05〜50時間焼成し、焼成により得られた酸化ジルコニウムを、水溶性酸又は水溶性アルカリを添加した後、湿式粉砕することにより得られる粒子径(動的光散乱法により測定)が焼成前のコロイド状酸化ジルコニウムの粒子径の1〜3倍の酸化ジルコニウムの水性ゾル及びその製造方法が開示されている。(特許文献1)
また、ジルコニアとポリアクリル酸などの高分子酸からなる研磨剤が開示されている。(特許文献2、及び特許文献3)
また、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム等の水溶性ジルコニウム塩を含む水溶液をアンモニア水等により中和してジルコニウム水酸化物の沈殿を生成させ、この沈殿を濾過し、水洗いした後、乾燥仮焼する方法、或いは、水溶性ジルコニウム塩の水溶液を加熱加水分解してゾルを生成させ、これを乾燥仮焼する方法が知られている(非特許文献1)。
更に、水溶性ジルコニウム塩の水溶液を加熱加水分解してゾルを生成させ、これを乾燥仮焼する方法も知られている(非特許文献2)。
特開平8−59242号公報(特許請求の範囲、実施例) 特許3130279号公報(特許請求の範囲) 特許第3278532号公報(特許請求の範囲) ニューケラスシリーズ編集委員会編、セラミックス微粉末技術、145〜153頁、1994年発行、学献社 インオーガニックケミストリー(Inorg.Chem.)3版、146頁、1964年
酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物を分散させた水性無機酸化物スラリーは、半導体デバイスの製造工程において、凹凸面を有する基材を平坦化する化学的機械的研磨の研磨剤の砥粒として使用されているが、近年スクラッチなどの表面欠陥がなく、平坦性の高い高品質の研磨面が得られる研磨剤が強く求められている。
酸化ジルコニウム粒子を分散した水性スラリーについては、様々な製造方法が開示されているが、それらの従来法は製造工程が複雑で生産性が低いという問題点がある。また、ジルコニウム化合物を焼成し酸化ジルコニウムを得る場合、一般的には原料を充填したセラミックス製容器(こう鉢)を0.5m以上の電気炉またはガス焼成炉に仕込み、焼成を行っているが、大型焼成炉になればなる程、炉内に生じる温度分布によってジルコニウム化合物を均一に焼成することが困難である。
本発明はジルコニウム化合物を焼成して得られる酸化ジルコニウム粉末を水性媒体中で湿式粉砕する方法により酸化ジルコニウムゾルを得るが、原料のジルコニウム化合物の種類、その焼成方法、粉砕方法によって酸化ジルコニウムゾルの特性が大きく異なる。本発明は、半導体デバイスの製造工程における化学的機械的研磨(CMP)において適用した場合、研磨速度、特に銅膜の研磨速度が高く、研磨面の表面欠陥の少ない酸化ジルコニウムゾルを含有する研磨組成物を得る方法を提供しようとするものである。
本発明は第1観点として、酸化ジルコニウムゾルを含む研磨用組成物の製造方法であって、該方法は、ジルコニウム化合物のスラリーをレーザー回折法で測定したときのジルコニウム化合物粒子のd50(ただし、d50は、この粒子径以下の粒子数が全粒子数の50%であることを意味する粒子径を表わす。)が5〜25μmであり、かつジルコニウム化合物粒子のd99(ただし、d99は、この粒子径以下の粒子数が全粒子数の99%であることを意味する粒子径を表わす。)が60μm以下である該ジルコニウム化合物を、400〜1000℃の温度範囲で焼成する工程と、
得られた酸化ジルコニウム粉末を水性媒体中で、該酸化ジルコニウムスラリーをレーザー回折法で測定したときの酸化ジルコニウム粒子のd50が80〜150nm、及び酸化ジルコニウム粒子のd99が150〜500nmになるまで湿式粉砕する工程とからなり、そして
前記焼成する工程が、0.1〜5℃/分の昇温速度で室温から昇温させて200〜400℃未満の第1段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第1段目の焼成工程、及び、0.1〜10℃/分の昇温速度で該第1段目の焼成温度から昇温させて400〜1000℃の第2段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第2段目の焼成工程を含む方法、
第2観点として、前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウム炭酸塩又はその水和物である第1観点に記載の製造方法、
第3観点として、前記焼成工程が、第1段目の焼成温度に達した後、直ちに第2段目の焼成工程を行う方法であるか、又は第1段目の焼成温度で100時間以内の保持を行った後に第2段目の焼成工程を行う第1観点又は第2観点に記載の製造方法、
第4観点として、前記湿式粉砕工程が、水性媒体中の酸化ジルコニウム粉末を、直径0.1〜3.0mmの安定化ジルコニア製粉砕ビーズを用いて、(該酸化ジルコニウムスラリー)対(該粉砕ビーズ)の容積比1:0.5〜2.0の割合で、非連続式粉砕装置によって粉砕することにより行われる第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載の製造方法、
第5観点として、前記湿式粉砕工程が、水性媒体中の酸化ジルコニウム粉末を、直径0.03〜1mmの安定化ジルコニア製粉砕ビーズと1〜15m/秒の周速を有する攪拌翼と粉砕容器とを備えた連続式粉砕装置を用いて、該酸化ジルコニウムスラリーの粉砕容器内への通液速度が粉砕容器の容積Vリットルに対して(V/4〜V)リットル/分でありかつ粉砕容器内での(該酸化ジルコニウムスラリー)対(該粉砕ビーズ)の容積比が1:
0.5〜0.9である条件下で粉砕することにより行われる第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載の製造方法、
第6観点として、第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の製法で得られた研磨用組成物を、凹凸面を有する基板の平坦化に使用することを特徴とする半導体デバイスの製造方法
第7観点として、前記凹凸面が、銅又は銅合金の膜で形成されている凹凸面である第6観点に記載の半導体デバイスの製造方法である。
本発明により得られた酸化ジルコニウム粉末から製造された酸化ジルコニウムゾルは研磨剤として用いられ、半導体デバイス製造工程における凹凸面を有する基材を平坦化する工程において、化学的機械的研磨の研磨剤として使用される。例えば、本発明により得られた酸化ジルコニウム粉末から製造された酸化ジルコニウムゾルは、(1)被研磨面が銅又は銅合金の膜で形成された凹凸面を有する基板の研磨剤として、(2)前述の銅又は銅合金で形成された凹凸面を平坦化した後、露出する絶縁膜上に銅の拡散防止の目的で形成されたTa又はTaN膜を研磨する研磨剤として、(3)被研磨面が層間絶縁膜、低誘電率膜、及びトレンチ分離における絶縁膜で形成された凹凸面を有する基材を平坦化する研磨剤として有用である。また、(4)シリカを主成分とする水晶、フォトマスク用石英ガラス、及びガラス製ハードディスク基板等の研磨剤としても有用である。
本発明は、酸化ジルコニウムゾルを含む研磨用組成物の製造方法であって、
該方法は、ジルコニウム化合物のスラリーをレーザー回折法で測定したときのジルコニウム化合物粒子のd50(ただし、d50は、この粒子径以下の粒子数が全粒子数の50%であることを意味する粒子径を表わす。)が5〜25μmであり、かつジルコニウム化合物粒子のd99(ただし、d99は、この粒子径以下の粒子数が全粒子数の99%であることを意味する粒子径を表わす。)が60μm以下である該ジルコニウム化合物を、400〜1000℃の温度範囲で焼成する工程と、
得られた酸化ジルコニウム粉末を水性媒体中で、該酸化ジルコニウムスラリーをレーザー回折法で測定したときの酸化ジルコニウム粒子のd50が80〜150nm、及び酸化ジルコニウム粒子のd99が150〜500nmになるまで湿式粉砕する工程とからなり、そして
前記焼成する工程が、0.1〜5℃/分の昇温速度で室温から昇温させて200〜400℃未満の第1段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第1段目の焼成工程、及び、0.1〜10℃/分の昇温速度で該第1段目の焼成温度から昇温させて400〜1000℃の第2段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第2段目の焼成工程を含む方法である。

本発明で用いられるジルコニウム化合物は、ジルコニウム炭酸塩又はその水和物であり、例えば炭酸ジルコニウム〔Zr(CO〕、塩基性炭酸ジルコニウム〔ZrCO・ZrO・8HO〕、オキシ炭酸ジルコニウム〔ZrO(CO)〕等のジルコニウム炭酸塩が好ましく用いられる。
本発明ではこれらのジルコニウム炭酸塩をその後に続く焼成工程に用いるが、これらのジルコニウム炭酸塩としては、ジルコニウム塩を経由して得られるジルコニウム炭酸塩を用いることもできる。例えば、オキシ塩化ジルコニウム〔ZrOCl〕、オキシ硝酸ジルコニウム〔ZrO(NO・2HO〕等のジルコニウム塩の水溶液に炭酸ナトリウムを加えることにより沈殿として得られる塩基性炭酸ジルコニウムを用いる方法や、硝酸ジルコニウム〔Zr(NO〕を加水分解して得られる水酸化ジルコニウム〔Zr(OH)〕水溶液に二酸化炭素を通じて得られるオキシ炭酸ジルコニウムを用いる方法や、硝酸ジルコニウムと炭酸アンモニウムとの混合水溶液に二酸化炭素を通じて得られるオキシ炭酸ジルコニウムを用いる方法で得られるジルコニウム炭酸塩を本発明に使用することができる。ジルコニウム炭酸塩又はその水和物に不純物として含まれるアルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素の総含有量は、最終的に得られる酸化ジルコニウムに対して1重量%未満であることが好ましく、この含有量になる様にジルコニウム炭酸塩やその水和物の段階で水洗い等により不純物を取り除くことが好ましい。このジルコニウム炭酸塩やその水和物は水に不溶性の粉末である。
本発明ではジルコニウム炭酸塩やその水和物等のジルコニウム化合物は、その粒子径分布に特徴がある。ジルコニウム化合物は、そのジルコニウム化合物を水性媒体に分散して得られるスラリーを、レーザー回折法を用いて測定したときのジルコニウム化合物粒子のd50が5〜25μmであり、及びジルコニウム化合物のd99が60μm以下であるものを原料として使用する。
d50はこの粒子径以下の粒子数が全粒子数の50%であることを意味する粒子径を表し、d99はこの粒子径以下の粒子数が全粒子数の99%であることを意味する粒子径を表す。このd50は平均二次粒子径の値を示すものである。
レーザー回折法は例えばマルバーン社(MALVERN社)製のマスターサイザー(MASTERSIZER)等の装置によって測定され、レーザー回折法ではスラリーやゾル中の粒子の粒子径が観測され、粒子同士の凝集や癒着があるときはそれらの凝集粒子の粒子径が観測される。動的光散乱法でもスラリーやゾル中の粒子の粒子径が観測され、粒子同士の凝集や癒着があるときはそれらの凝集粒子の粒子径が観測される。
一方、スラリーやゾルを乾燥して得られた乾燥物の窒素ガスの吸着により測定される比表面積値から換算される粒子径(ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径)は、個々の粒子の粒子径の平均値が観測される。
本発明は、上記粒子径分布を有するジルコニウム炭酸塩やその水和物等のジルコニウム化合物を焼成処理する。焼成処理は、0.1〜5℃/分の昇温速度で室温(通常は20℃)から昇温させて200〜400℃未満の第1段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第1段目の焼成工程と、0.1〜10℃/分の昇温速度で該第1段目の焼成温度から昇温させて400〜1000℃の温度に達するまで焼成を続ける第2段目の焼成工程を含む。
第1段目の焼成工程は室温(通常は20℃)からスタートするが、何回も焼成炉を使用する場合は、常温まで冷却せずに例えば40℃くらいからスタートすることも可能である。
焼成工程は、第1段目の焼成温度に達した後、直ちに第2段目の焼成工程を行う方法か、又は第1段目の焼成工程で100時間以内の保持を行った後に第2段目の焼成工程を行う方法がとられる。第1段目の焼成工程で保持する場合は、その温度で一定に保たれる。第2段目の焼成工程では第2段目の焼成温度に達した後、240時間以内、好ましくは2〜48時間の保持が行われる。
上記焼成工程は、ジルコニウム化合物をセラミック製容器(例えばこう鉢)に入れ、焼成炉で行なう。本発明で用いられる焼成炉は、バッチ式や連続式の電気炉やガス焼成炉を用いる事ができる。セラミックス製容器(こう鉢)の材質は、アルミナ質、ムライト質、ムライトコーディライト質、コーディライト質等が挙げられる。
上記焼成によって得られる酸化ジルコニウム粉末は、ガス吸着法による比表面積値から換算した粒子径は8〜400nmであり、より好ましくは8〜200nmである。また、粉末X線回折装置を用いて計測される酸化ジルコニウムのhkl(111)ピークの半値幅からデバイ・シュラー法により算出されるX線結晶子径は6〜250nmであり、より好ましくは6〜150nmである。
本発明では、焼成によって得られた酸化ジルコニウム粉末を水性媒体に分散することによって水性の酸化ジルコニウムスラリーが得られ、このスラリーを湿式粉砕することにより酸化ジルコニウムゾルを製造することができる。この分散はボールミル、サンドグラインダー、アトライター等の湿式粉砕装置、及びアルティマイザー等を用いて行なうことができる。
湿式粉砕には、非連続式(バッチ式)粉砕装置による方法と、連続式(循環式)粉砕装置による方法がある。
湿式粉砕を行う際の酸化ジルコニウムスラリー中の酸化ジルコニウム濃度は、10〜60重量%が好ましく、より好ましくは20〜40重量%で行なわれる。この水性酸化ジルコニウムスラリーは、酸性物質の添加によりpH1〜6に調整することができる。これらの物質としては、硝酸、硫酸、塩酸、ホウ酸等の無機酸および酢酸等の有機酸が挙げられ、これらにグリシン等のアミノ酸を同時に添加することもできる。また、水性酸化ジルコニウムスラリーは、塩基性物質の添加によりpH7〜12に調整することもできる。これらの塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウムの他にエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、メチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、及びアンモニア等が挙げられる。また、アンモニウムシリケート、第4級アンモニウムシリケート等の水溶性珪酸アルカリが挙げられる。更に、第4級アンモニウムカーボネート等の水溶性炭酸アルカリが挙げられる。これらの化合物は本発明によって得られた水性酸化ジルコニウムゾルに添加することも、湿式粉砕時に添加することも出来る。
非連続式(バッチ式)粉砕装置による方法では、水性媒体中の酸化ジルコニウム粉末を、直径0.1〜3.0mmの安定化ジルコニア製粉砕ビーズを用いて、(該酸化ジルコニウムスラリー)対(該粉砕ビーズ)の容積比1:0.5〜2.0の割合で、湿式粉砕する。非連続式(バッチ式)粉砕装置の代表的な装置として、ボールミル装置があり、該装置を用いた場合、湿式粉砕工程は、例えば、15〜110m/分の周速で、10〜100時間行われる。
連続式(循環式)粉砕装置による方法では、水性媒体中の酸化ジルコニウム粉末を、直径0.03〜1mmの安定化ジルコニア製粉砕ビーズと1〜15m/秒の周速を有する攪拌翼と粉砕容器とを備えた連続式粉砕装置を用いて、該酸化ジルコニウムスラリーの粉砕容器内への通液速度が粉砕容器の容積Vリットルに対して(V/4〜V)リットル/分でありかつ粉砕容器内での(該酸化ジルコニウムスラリー)対(該粉砕ビーズ)の容積比が1:0.5〜0.9である条件下で湿式粉砕する。循環回数は通常、50〜500回行われる。
水性酸化ジルコニウムスラリーを湿式粉砕することにより水性酸化ジルコニウムゾルが得られる。水性酸化ジルコニウムゾルは、ガス吸着法による比表面積値から換算した酸化ジルコニウムの一次粒子径が8〜80nmであり、より好ましくは10〜60nmである。また、この水性酸化ジルコニウムゾルのレーザー回折法で測定される酸化ジルコニウム粒子のd50(平均粒子径)は80〜150nmの範囲、より好ましくは80〜130nmであり、かつレーザー回折法により測定される粒度分布から算出される99%粒子径(d99)は150〜500nmであり、レーザー回折法で測定される1μm以上の粒子径、より好ましくは0.6μm以上の粒子径の酸化ジルコニウム粒子は含有していない。また、本発明によって得られた水性酸化ジルコニウムゾルは、遠心機を用いて2000Gで1分間処理したときの沈降物を除いた回収ゾルにおける酸化ジルコニウムの回収率は95%以上である。この際、酸化ジルコニウムゾル中の酸化ジルコニウム粒子が遠心力により凝集して粗大な沈降物を形成したとしても、その割合は、レーザー回折法で測定される回収した沈降物スラリー中で、1μ以上の粒子の割合に換算して7重量%以下になり、研磨中に大きな力が加わったとしても本質的に安定性を有する水性酸化ジルコニウムゾルである。
上記の遠心機を用いた処理は以下の通り行う。まず、本発明によって得られた水性酸化ジルコニウムゾルを酸化ジルコニウムの固形分濃度が20%となるように調製する。調整ゾル36gを遠沈管に仕込み、これを高速冷却遠心機SRX−201(株式会社トミー精工社製)にて2000Gで1分間処理した後、沈降物を除き、水性酸化ジルコニウムゾルを回収し秤量する。回収ゾル約3gを30cc磁性ルツボに仕込み、110℃の乾燥機内で乾燥させた後、800℃で焼成して酸化ジルコニウムの固形分濃度、および処理後の酸化ジルコニウム回収率を算出する。また、沈降物を約30gの純水で再分散させ、レーザー回折法粒度分測定装置でその粒度分布を測定する。
酸化ジルコニウムゾルはそのままでも研磨用組成物として使用することができるが、水溶性高分子、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アミン系物質等の陽イオン性界面活性剤、過酸化水素水等の添加剤を単独または複数種組み合わせて研磨用組成物に添加することもできる。これらの添加剤は化合物の状態又はその水溶液の状態で酸化ジルコニウムゾルに加えて研磨組成物とすることができる。
水溶性高分子としては、カルボキシル基又はその塩を含有する水溶性有機化合物が挙げられる。該水溶性有機化合物は、分子内にカルボキシル基又はその塩を少なくとも1個有する重合体又は低分子化合物であり、例えばアクリル酸アンモニウム及び/又はメタクリル酸アンモニウムを含む重合体(A−1)、及びアミノ酸又はその誘導体(A−2)が挙げられる。更に、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性のセルロース、及びデキストリンが挙げられる。
(A−1)は、アクリル酸、メタクリル酸の重合体のアンモニウム塩である。これらの重合体は単独重合体とすることも、アクリル酸とメタクリル酸の共重合体することも、他の重合性化合物と共重合体することも可能である。その他の重合性化合物としてソルビン酸、クロトン酸、チグリン酸等の一塩基性不飽和カルボン酸、ムコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等の二塩基性不飽和カルボン酸、及び以下の例示されるアクリル酸エステル類を共重合成分として用いることができる。そのアクリル酸エステルとしては、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、イソブチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレート、イソブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、ステアリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ステアリルメタアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート、イソボニルメタアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルグリシジルエーテルエポキシアクリレート、フェノキシエチルメタアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノールエトキシ化アクリレート、アクリロイルオキシエチルフタル酸、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェノールエトキシ化メタアクリレート、メチルメタクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、メタクリロイルオキシエチル酸、メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、メタクリロイルオキシエチルフタル酸、ポリエチレングリコールメタアクリレート、ポリプロピレングリコールメタアクリレート、N−メチルアクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、グリシジルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、メタクリル酸アリル、セチルメタクリレート、ペンタデシルメタアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、メタクロイルオキシエチル琥珀酸、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチル、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、グリコールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリロイルフォスフェート、ビスフェノールAエチレングリコール付加物アクリレート、ビスフェノールFエチレングリコール付加物アクリレート、トリシクロデカンメタノールジアクリレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートジアクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレングリコール付加物トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレングリコール付加物トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレート、変性ε−カプロラクトントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、グリセリンプロピレングリコール付加物トリスアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエチレングリコール付加物テトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキトアクリレート、ポリエステルアクリレート、不飽和ポリエステルなどが挙げられる。
(A−1)成分では、ポリマー中のカルボン酸アンモニウムとカルボン酸エステルのモル比は、100:0〜80:20である。
(A−1)成分としては、ポリアクリル酸アンモニウムが最も好ましく用いられる。
(A−2)成分としては、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、及び複素環アミノ酸、それらの塩、及びアミノ酸系界面活性剤が例示される。
脂肪族アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン等のモノアミノモノカルボン酸、セリン、トレオニン等のオキシアミノ酸、システイン、シスチン、メチオニン等のヘテロ原子を含むアミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等のモノアミノジカルボン酸、リシン、アルギニン等のジアミノモノカルボン酸が挙げられる。
芳香族アミノ酸としては、フェニルアラニン、チロシン等が挙げられる。
複素環アミノ酸としては、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン、オキシプロリン等が挙げられる。
これらのアミノ酸の塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩類が挙げられる。
アミノ酸系界面活性剤は、N置換アミノ酸及びその塩が挙げられ、例えばNアシルアミノ酸及びその塩が例示される。塩としてはNaOH、KOHによるナトリウム塩、カリウム塩、又はトリエタノールアミン、アンモニアによる塩が挙げられ、例えば、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アシルアラニントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸トリエタノールアミン、ラウリル酸グルタミン酸トリエタノールアミンが挙げられる。
陰イオン界面活性剤としては、オレイン酸アンモニウム、ラウリル酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタアンモノラウレート、ポリオキシエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート等が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、水酸化第4級アミン、及びエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、メチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ベンゾトリアゾール等のアミン系物質の水溶液が挙げられる。また、アンモニウムシリケート、第4級アンモニウムシリケート等の水溶性珪酸アルカリが挙げられる。更に、炭酸テトラメチルアンモニウム、炭酸テトラエチルアンモニウム等の第4級アンモニウムカーボネート等の水溶性炭酸アルカリが挙げられる。
本発明の研磨用組成物は、酸化ジルコニウムゾルに由来する酸化ジルコニウムを研磨用組成物中に0.5〜10重量%含有し、上記の添加剤は酸化ジルコニウム100重量部に対してそれぞれの添加剤の添加量は、その固形分として0.2〜300重量部、好ましくは1〜200重量部の割合となるように添加される。
本発明において、第1段目の焼成工程は、ジルコニウム化合物、特にジルコニウム炭酸塩やその水和物におけるジルコニウム成分以外の成分を、焼成により除去して酸化ジルコニウム乃至は酸化ジルコニウム前駆体にするためのものである。
本発明では、原料として、そのスラリーをレーザー回折法で測定したときのジルコニウム化合物粒子のd50が5〜25μmであり、かつジルコニウム化合物のd99が60μm以下であるジルコニウム炭酸塩やその水和物を用い、該原料の第1段目の焼成工程を緩やかな昇温速度で行うことにより、一次粒子径の揃った酸化ジルコニウムを生成する。よって、後に続く湿式粉砕の工程を経た酸化ジルコニウムゾル中の粒子に粗大粒子が存在しないため、該酸化ジルコニウムゾルを研磨用組成物として使用した場合、研磨面にスクラッチが発生しない。
一方で、ジルコニウム炭酸塩又はその水和物が上記粒子径分布を満たさない、特に大きな粒子を多く含むジルコニウム炭酸塩又はその水和物を原料に用いた場合、焼成後の酸化ジルコニウム粉末の粒子径が、上記基準にあった原料を用いた場合と同じであったとしても、酸化ジルコニウムゾルの段階まで湿式粉砕する際に、より長時間の粉砕が必要になり、その結果として過粉砕物や未粉砕物が発生し易く、品質および生産性が低下する。
例えば、d50が20μmのジルコニウム炭酸塩又はその水和物を原料として用い、最終的に800℃まで焼成した場合、焼成後のBET法換算粒子径が85nmの酸化ジルコニウム粉末が得られ、これを本発明の酸化ジルコニウムゾルの粒子径まで分散するためには、湿式粉砕時間は22時間しか必要としなかった。
ところが、d50が40μmのジルコニウム炭酸塩又はその水和物を原料として用い、最終的に750℃まで焼成した場合、同様に、焼成後のBET法換算粒子径が85nmの酸化ジルコニウム粉末が得られたが、これを本発明の酸化ジルコニウムゾルの粒子径まで分散するためには、75時間もの湿式粉砕時間を必要とした。しかも、その粒子径範囲は小さな粒子を多く含み、粉砕しきれない粗大粒子も存在するものであった。
このように用いる原料の粒度分布は最終製品に大きく影響するものである。
更に、第1段目の焼成工程で比較的緩やかな昇温速度を保つことにより、ジルコニウム炭酸塩又はその水和物が酸化ジルコニウムに変化する際に、一次粒子径の小さな酸化ジルコニウムを生成するものと考えられる。このような酸化ジルコニウムはその後の焼成工程と湿式粉砕工程を経ても、粗大粒子の発生がなく、第1段目の焼成工程で生じた一次粒子径に近い状態まで粉砕される。
一方、第1段目の焼成工程で高い昇温速度を経由した場合は、一次粒子径の大きな酸化ジルコニウムが生成しやすく、その後に焼成工程と湿式粉砕工程を経ても、該酸化ジルコニウムには粗大粒子が存在し、このようなスラリーを更に長時間かけて湿式粉砕を行ったとしても過粉砕物や未粉砕物を生じるだけであり、この酸化ジルコニウムゾルを研磨用組成物として使用しても研磨速度は低く、研磨面にスクラッチが発生する傾向がある。
このように本発明の酸化ジルコニウムゾルを含む研磨用組成物の製造方法は、酸化ジルコニウムゾルを製造する際に用いる、ジルコニウム炭酸塩又はその水和物の粒子径分布と、第1段目の焼成における昇温速度と、後に続く第2段目の焼成と、湿式粉砕工程を組み合わせることにより、研磨用組成物に適した酸化ジルコニウムゾルを生成するものである。
本発明によって得られる水性酸化ジルコニウムゾルを含有する研磨用組成物は、半導体デバイス製造工程における凹凸面を有する基材を平坦化する工程において、化学的機械的研磨の研磨剤として使用される。例えば、被研磨面が銅(Cu)又は銅(Cu)合金の膜で形成された凹凸面を有する基板、被研磨面が層間絶縁膜、低誘電率膜、及びトレンチ分離における絶縁膜で形成された凹凸面を有する基材を平坦化する研磨剤として有用である。また、シリカを主成分とする水晶、フォトマスク用石英ガラス、及びガラス製ハードディスク基板等の研磨剤としても有用である。
本発明において採用した分析法は下記の通りである。
(1)pH測定
pH計((株)東亜電波工業製、商品名HM−30S)を用いて測定した。
(2)電気伝導度の測定
電気伝導度計((株)東亜電波工業製、商品名CM−30G)を用いて測定した。
(3)レーザー回折法によるd50(平均粒子径)の測定
レーザー回折法粒子径測定装置マスターサイザー2000(MASTERSIZER2000)マルバーン社製(MALVERN社製)を用いて平均粒子径測定した。
(4)ガス吸着法による比表面積値から換算した粒子径(BET法換算粒子
径)
予め所定の条件で乾燥した試料を窒素吸着法比表面積計〔カンタクローム社製(QUNTACHROME社製)、商品名モノソーブMS−16型(MONOSORB MS−16型)〕を用いて比表面積の値を測定し、その測定値から式(1)を用いてBET法換算粒子径を計算した。
BET法換算粒子径(nm)=6000/(d×A) 式(1)
d:酸化ジルコニウム比重=5.5g/cm、A:BET比表面積m/g
(5)粉末X線回折の測定
粉末X線回折装置(株式会社島津製作所製)を用いて、焼成により得られた化合物を同定した。また酸化ジルコニウムのhkl(111)ピークの半値幅を測定し、デバイ・シュラー法によりX線結晶子径を求めた。
(6)動的光散乱法による平均粒子径の測定
動的光散乱法粒子径測定装置、商品名DLS6000(大塚電子株式会社製)平均粒子径を用いて測定した。
(7)銅膜の膜厚の測定
シート抵抗測定装置、商品名VR−120S(国際電気アルファ(株)社製)を用いて銅膜のシート抵抗を測定し、その測定値から式(2)を用いて銅膜厚を計算した。
銅膜厚=銅抵抗率ρ(Ω−cm)/シート抵抗値ρs(Ω/sq) 式(2)
ただし、銅抵抗率ρ=0.0000017(Ω−cm)とした。
(8)銅膜の表面観察
表面観察装置3Dデジタルファインスコープ、商品名VC4500(オムロン株式会社製)を用いて銅膜表面を観察した。
(9)遠心機
高速冷却遠心機SRX−201(株式会社トミー精工社製)
実施例1
レーザー回折法により測定した平均粒子径d50が18.5μmであり、レーザー回折法で測定した粒度分布から算出された99%粒子径d99が47.7μmのオキシ炭酸ジルコニウム水和物(ZrOに換算して39.0重量%含有していた。)2800gをムライト質のセラミックス製容器に仕込み、耐熱板で蓋をして72L電気炉で焼成した。この時1℃/分の昇温速度で室温から350℃まで昇温させて、350℃で5時間保持した。更に、続けて2℃/分の昇温速度で500℃まで昇温させて、500℃で10時間保持し、自然冷却した後、電気炉からセラミックス製容器を取り出し、酸化ジルコニウム粉末1093gを得た。この粉末をX線回折装置で同定したところ酸化ジルコニウムの特性ピークと一致し、X線結晶子径は17.5nmであった。またこの粉末のガス吸着法による比表面積は44.7m/gで、比表面積から概算した粒子径(以下、BET法換算粒子径と記す)は24.4nmであった。
半径70mm×長さ220mmのポリエチレン製円筒容器を有するボールミル装置に1mmφの部分安定化ジルコニアビーズ3800gを仕込んだ。酸化ジルコニウム粉末369g、純水746g及び10%硝酸5.4gを混合し、酸化ジルコニウムスラリーを作成し、ボールミル装置に仕込んだ。(酸化ジルコニウムスラリー)対(ビーズ)の容積比は1:0.8であった。
この円筒容器を60rpmで24時間回転させることにより酸化ジルコニウムスラリーを粉砕した。純水で水押し洗浄しながらビーズを分離した後、酸化ジルコニウム濃度23.3重量%、pH5.8、電気伝導度115μS/cmの水性酸化ジルコニウムゾル(a−1)を得た。このゾルを300℃で乾燥させることにより得た粉末のBET法換算粒子径は19.4nmであった。またレーザー回折法により測定した平均粒子径d50は109nmであり、d99は234nmであり、0.6μm以上の粒子径の酸化ジルコニウム粒子は含有していなかった。また、動的光散乱法で測定したこの水性酸化ジルコニウムゾルの平均粒子径は150nmであった。
得られた水性酸化ジルコニウムゾルを、遠心機を用いて2000Gで1分間処理した。沈降物を除いた後得られた回収ゾルの酸化ジルコニウム回収率は98.7%であった。また、レーザー回折法で測定された回収した沈降物スラリー中の1μm以上の粒子の割合は6.3%であった。
濃度0.12モル/リットルのグリシン、濃度0.44モル/リットルの過酸化水素水、及び、濃度0.001モル/リットルのベンゾトリアゾールを含有する水溶液に、上記の酸化ジルコニウムゾルをそれらの混合溶液中で酸化ジルコニウム濃度が5.3重量%となる様に添加して研磨用組成物を作成した。
実施例2
レーザー回折法により測定した平均粒子径d50が16.8μmであり、レーザー回折法で測定した粒度分布から算出された99%粒子径d99が36.3μmのオキシ炭酸ジルコニウム水和物(ZrOに換算して39.8重量%含有していた。)2800gをムライト質のセラミックス製容器に仕込み、耐熱板で蓋をして72L電気炉で焼成した。この時1℃/分の昇温速度で室温から350℃まで昇温させて、350℃で5時間保持した。更に、続けて2℃/分の昇温速度で750℃まで昇温させて、750℃で10時間保持、自然冷却した後、電気炉からセラミックス製容器を取り出し、酸化ジルコニウム粉末1114gを得た。この粉末をX線回折装置で同定したところ酸化ジルコニウムの特性ピークと一致し、X線結晶子径は53.9nmであった。またこの粉末のBET法換算粒子径は82.7nmであった。
半径70mm×長さ220mmのポリエチレン製円筒容器を有するボールミル装置に1mmφの部分安定化ジルコニアビーズ3800gを仕込んだ。酸化ジルコニウム粉末を369g、純水746g及び10%硝酸3.7gを混合し、酸化ジルコニウムスラリーを作成し、ボールミル装置に仕込んだ。(酸化ジルコニウムスラリー)対(ビーズ)の容積比は1:0.8であった。
この円筒容器を60rpmで24時間回転させることにより酸化ジルコニウムスラリーを粉砕した。純水で水押し洗浄しながらビーズを分離した後、酸化ジルコニウム濃度24.9重量%、pH4.5、電気伝導度67μS/cmの水性酸化ジルコニウムゾル(b−1)を得た。このゾルを300℃で乾燥させることにより得た粉末のBET法換算粒子径は47.3nmであった。またレーザー回折法により測定した平均粒子径d50は105nmであり、d99は240nmであり、0.6μm以上の粒子径の酸化ジルコニウム粒子は含有していなかった。また、動的光散乱法で測定したこの水性酸化ジルコニウムゾルの平均粒子径は151nmであった。
得られた水性酸化ジルコニウムゾルを、遠心機を用いて2000Gで1分間処理した。沈降物を除いた後得られた回収ゾルの酸化ジルコニウム回収率は98.3%であった。また、レーザー回折法で測定された回収した沈降物スラリー中の1μm以上の粒子の割合は2.5%であった。
濃度0.12モル/リットルのグリシン、濃度0.44モル/リットルの過酸化水素水、及び、濃度0.001モル/リットルのベンゾトリアゾールを含有する水溶液に、上記の酸化ジルコニウムゾルをそれらの混合溶液中で酸化ジルコニウム濃度が5.3重量%となる様に添加して研磨用組成物を作成した。
実施例3
レーザー回折法により測定した平均粒子径d50が16.8μmであり、レーザー回折法で測定した粒度分布から算出された99%粒子径d99が36.3μmのオキシ炭酸ジルコニウム水和物(ZrOに換算して39.8重量%含有していた。)2800gをムライト質のセラミックス製容器に仕込み、耐熱板で蓋をして72L電気炉で焼成した。この時1℃/分の昇温速度で室温から350℃まで昇温させて、350℃で5時間保持した。更に、続けて2℃/分の昇温速度で900℃まで昇温させて、900℃で10時間保持し、自然冷却した後、電気炉からセラミックス製容器を取り出し、酸化ジルコニウム粉末1114gを得た。この粉末をX線回折装置で同定したところ酸化ジルコニウムの特性ピークと一致し、X線結晶子径は114nmであった。またこの粉末のBET法換算粒子径は186nmであった。
半径70mm×長さ220mmのポリエチレン製円筒容器を有するボールミル装置に1mmφの部分安定化ジルコニアビーズ3800gを仕込んだ。酸化ジルコニウム粉末369g、純水746g及び10%硝酸3.7gを混合し、酸化ジルコニウムスラリーを作成し、ボールミル装置に仕込んだ。(酸化ジルコニウムスラリー)対(ビーズ)の容積比は1:0.8であった。
この円筒容器を60rpmで45時間回転させることにより酸化ジルコニウムスラリーを粉砕した。純水で水押し洗浄しながらビーズを分離した後、酸化ジルコニウム濃度23.8重量%、pH4.6、電気伝導度45μS/cmの水性酸化ジルコニウムゾル(c−1)を得た。このゾルを300℃で乾燥させることにより得た粉末のBET法換算粒子径は58.7nmであった。またレーザー回折法により測定した平均粒子径d50は112nmであり、d99は262nmであり、0.6μm以上の粒子径の酸化ジルコニウム粒子は含有していなかった。また、動的光散乱法で測定したこの水性酸化ジルコニウムゾルの平均粒子径は171nmであった。
得られた水性酸化ジルコニウムゾルを、遠心機を用いて2000Gで1分間処理した。沈降物を除いた後得られた回収ゾルの酸化ジルコニウム回収率は96.0%であった。また、レーザー回折法で測定された回収した沈降物スラリー中の1μm以上の粒子の割合は0.3%であった。
濃度0.12モル/リットルのグリシン、濃度0.44モル/リットルの過酸化水素水、及び、濃度0.001モル/リットルのベンゾトリアゾールを含有する水溶液に、上記の酸化ジルコニウムゾルをそれらの混合溶液中で酸化ジルコニウム濃度が5.3重量%となる様に添加して研磨用組成物を作成した。
実施例4
レーザー回折法により測定した平均粒子径d50が19.3μmであり、レーザー回折法で測定した粒度分布から算出された99%粒子径d99が45.7μmのオキシ炭酸ジルコニウム水和物(ZrOに換算して39.9重量%含有していた。)2800gをムライト質のセラミックス製容器に仕込み、耐熱板で蓋をした。オキシ炭酸ジルコニウム水和物を仕込んだセラミックス製容器64個を炉内容積1mの電気炉で焼成した。この時0.5℃/分の昇温速度で室温から350℃まで昇温させて、350℃で5時間保持した。更に、続けて2℃/分の昇温速度で530℃まで昇温させて、530℃で10時間保持し、自然冷却した後、電気炉からセラミックス製容器を取り出し、酸化ジルコニウム粉末72kgを得た。この粉末をX線回折装置で同定したところ酸化ジルコニウムの特性ピークと一致し、X線結晶子径は26.0nmであった。またこの粉末のBET法換算粒子径は36.1nmであった。
半径70mm×長さ220mmのポリエチレン製円筒容器を有するボールミル装置に0.5mmφの部分安定化ジルコニアビーズ3800gを仕込んだ。酸化ジルコニウム粉末369g、純水739g及び10%硝酸10.8gを混合し、酸化ジルコニウムスラリーを作成し、ボールミル装置に仕込んだ。(酸化ジルコニウムスラリー)対(ビーズ)の容積比は1:0.8であった。
この円筒容器を60rpmで40時間回転させることにより酸化ジルコニウムスラリーを粉砕した。純水で水押し洗浄しながらビーズを分離した後、酸化ジルコニウム濃度23.3重量%、pH3.9、電気伝導度209μS/cmの水性酸化ジルコニウムゾル(d−1)を得た。このゾルを300℃で乾燥させることにより得た粉末のBET法換算粒子径は28.9nmであった。またレーザー回折法により測定した平均粒子径d50は92nmであり、d99は177nmであり、0.6μm以上の粒子径の酸化ジルコニウム粒子は含有していなかった。また、動的光散乱法で測定したこの水性酸化ジルコニウムゾルの平均粒子径は80nmであった。
得られた水性酸化ジルコニウムゾルを、遠心機を用いて2000Gで1分間処理した。沈降物を除いた後得られた回収ゾルの酸化ジルコニウム回収率は99.6%であった。また、レーザー回折法で測定された回収した沈降物スラリーは、1μm以上の粒子を含有していなかった。
濃度0.12モル/リットルのグリシン、濃度0.44モル/リットルの過酸化水素水、及び、濃度0.001モル/リットルのベンゾトリアゾールを含有する水溶液に、上記の酸化ジルコニウムゾルをそれらの混合溶液中で酸化ジルコニウム濃度が5.3重量%となる様に添加して研磨用組成物を作成した。
比較例1
レーザー回折法により測定した平均粒子径d50が39.8μmであり、レーザー回折法で測定された粒度分布から算出された99%粒子径d99が80.3μmのオキシ炭酸ジルコニウム水和物(ZrOに換算して40.5重量%含有していた。)3000gをムライト質のセラミックス製容器に仕込み、耐熱板で蓋をして72L電気炉で焼成した。この時0.5℃/分の昇温速度で室温から350℃まで昇温させて、350℃で5時間保持した。更に、続けて2℃/分の昇温速度で700℃まで昇温させて、700℃で10時間保持し、自然冷却した後、電気炉からセラミックス製容器を取り出し、酸化ジルコニウム粉末1221gを得た。この粉末をX線回折装置で同定したところ酸化ジルコニウムの特性ピークと一致し、X線結晶子径は41.0nmであった。またこの粉体のBET法換算粒子径は79.3nmであった。
半径70mm×長さ220mmのポリエチレン製円筒容器を有するボールミル装置に1mmφの部分安定化ジルコニアビーズ3800gを仕込んだ。酸化ジルコニウム粉末369g、純水746g及び10%硝酸5.5gを混合し、酸化ジルコニウムスラリーを作成し、ボールミル装置に仕込んだ。(酸化ジルコニウムスラリー)対(ビーズ)の容積比は1:0.8であった。
この円筒容器を60rpmで37時間回転させることにより酸化ジルコニウムスラリーを粉砕した。純水で水押し洗浄しながらビーズを分離した後、酸化ジルコニウム濃度21.5重量%、pH4.9、電気伝導度64μS/cmの水性酸化ジルコニウムゾル(e−1)を得た。このゾルを300℃で乾燥させることにより得た粉末のBET法換算粒子径は40.4nmであった。またレーザー回折法により測定した平均粒子径d50は118nmであり、d99は26.7μmであり、1μm以上の粒子径の酸化ジルコニウム粒子を9.3%含有していた。また、動的光散乱法で測定したこの水性酸化ジルコニウムゾルの平均粒子径は145nmであった。
得られた水性酸化ジルコニウムゾルを、遠心機を用いて2000Gで1分間処理した。沈降物を除いた後得られた回収ゾルの酸化ジルコニウム回収率は97.2%であった。また、レーザー回折法で測定された回収した沈降物スラリー中の1μm以上の粒子の割合は79.3%であった。
濃度0.12モル/リットルのグリシン、濃度0.44モル/リットルの過酸化水素水、及び、濃度0.001モル/リットルのベンゾトリアゾールを含有する水溶液に、上記の酸化ジルコニウムゾルをそれらの混合溶液中で酸化ジルコニウム濃度が5.3重量%となる様に添加して研磨用組成物を作成した。
調整した研磨剤の研磨は下記のように行った。
研磨剤の研磨は、研磨布として独立発泡ポリウレタン樹脂製研磨布IC−1400(ロデールニッタ(株)社製)を、被研磨物として銅電解蒸着膜を用い、定盤回転数90rpm、研磨圧力174g/cm、研磨時間1分間の条件で研磨機(テクノライズ(株)製)を使用して行った。
表1中で研磨面の評価は、目視および表面観察装置によって行い、欠陥が観察された時は(×)印を記載し、欠陥が全くない時は(○)印を記載した。研磨速度は研磨全後の銅膜のシート抵抗値から算出された膜厚から計算した。
表1
Figure 0005218736
実施例1〜4で得られた本発明の水性酸化ジルコニウムゾルを用いた研磨剤では、比較例1で得られた水性酸化ジルコニウムゾルを用いた研磨剤と比べて、同等乃至それ以上の研磨速度が得られた。また、表面観察から、比較例1の研磨剤ではスクラッチが発生したのに対し、実施例1〜4で得られた本発明の水性酸化ジルコニウムゾルを用いた研磨剤ではスクラッチが発生しなかった。
以上の評価結果から本発明の水性酸化ジルコニウムは化学的機械的研磨に用いる研磨剤として有用であることがわかった。
本発明の水性酸化ジルコニウムゾルを含有する研磨用組成物は、CMP(ケミカルメカニカルポリシング:Chemical Mechanical Polishing)と通常称されている半導体デバイス製造工程における平坦化研磨に用いる研磨剤として好適であり、アルミニウム、銅、タングステンなどの金属配線の研磨に適応できる。また、STI(シャロートレンチアイソレーション:Shallow Trench Isolation)と通常称されている半導体デバイスの素子分離工程に用いる研磨剤として好適であり、シロキサン系、有機ポリマー系、多孔質材料系、CVDポリマー系等の半導体デバイスの層間絶縁膜用低誘電率材料の研磨に用いる研磨剤としても好適である。シロキサン系の材料例としては、水素化シルセスキオキサン、メチルシルセスキオキサン、及び水素化メチルシルセスキオキサンが挙げられる。有機ポリマー系の材料の例としては、ポリアリーレンエーテル、熱重合性炭化水素、パーフロロ炭化水素、ポリキノリン、及びフッ素化ポリイミドがあげられる。多孔質材料系の材料の例としては、キセロゲル、及びシリカコロイドがあげられる。CVDポリマー系の材料の例としては、ダイヤモンド様炭素膜、フロロカーボン、芳香族炭化水素ポリマー、及びシロキサン系ポリマーが挙げられる。
ここでシリカを主成分とする基板とは、例えば水晶、石英ガラス、ガラス製ハードディスク、半導体デバイスの有機膜、低誘電率膜、層間絶縁膜及びトレンチ分離のCMPなどを指す。更に、本発明の水性酸化ジルコニウムゾルはニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等の光学結晶材料、窒化アルミニウム、アルミナ、フェライト、ジルコニア等のセラミックス材料の研磨に適応できる。

Claims (7)

  1. 酸化ジルコニウムゾルを含む研磨用組成物の製造方法であって、
    該方法は、ジルコニウム化合物のスラリーをレーザー回折法で測定したときのジルコニウム化合物粒子のd50(ただし、d50は、この粒子径以下の粒子数が全粒子数の50%であることを意味する粒子径を表わす。)が5〜25μmであり、かつジルコニウム化合物粒子のd99(ただし、d99は、この粒子径以下の粒子数が全粒子数の99%であることを意味する粒子径を表わす。)が60μm以下である該ジルコニウム化合物を、400〜1000℃の温度範囲で焼成する工程と、
    得られた酸化ジルコニウム粉末を水性媒体中で、該酸化ジルコニウムスラリーをレーザー回折法で測定したときの酸化ジルコニウム粒子のd50が80〜150nm、及び酸化ジルコニウム粒子のd99が150〜500nmになるまで湿式粉砕する工程とからなり、そして
    前記焼成する工程が、0.1〜5℃/分の昇温速度で室温から昇温させて200〜400℃未満の第1段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第1段目の焼成工程、及び、0.1〜10℃/分の昇温速度で該第1段目の焼成温度から昇温させて400〜1000℃の第2段目の焼成温度に達するまで焼成を続ける第2段目の焼成工程を含む方法。
  2. 前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウム炭酸塩又はその水和物である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記焼成工程が、第1段目の焼成温度に達した後、直ちに第2段目の焼成工程を行う方法であるか、又は第1段目の焼成温度で100時間以内の保持を行った後に第2段目の焼成工程を行う請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記湿式粉砕工程が、水性媒体中の酸化ジルコニウム粉末を、直径0.1〜3.0mmの安定化ジルコニア製粉砕ビーズを用いて、(該酸化ジルコニウムスラリー)対(該粉砕ビーズ)の容積比1:0.5〜2.0の割合で、非連続式粉砕装置によって粉砕することにより行われる請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記湿式粉砕工程が、水性媒体中の酸化ジルコニウム粉末を、直径0.03〜1mmの安定化ジルコニア製粉砕ビーズと1〜15m/秒の周速を有する攪拌翼と粉砕容器とを備えた連続式粉砕装置を用いて、該酸化ジルコニウムスラリーの粉砕容器内への通液速度が粉砕容器の容積Vリットルに対して(V/4〜V)リットル/分でありかつ粉砕容器内での(該酸化ジルコニウムスラリー)対(該粉砕ビーズ)の容積比が1:0.5〜0.9である条件下で粉砕することにより行われる請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の製法で得られた研磨用組成物を、凹凸面を有する基板の平坦化に使用することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  7. 前記凹凸面が、銅又は銅合金の膜で形成されている凹凸面である請求項に記載の半導体デバイスの製造方法。
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