JP4955253B2 - デバイスウエハエッジ研磨用研磨組成物、その製造方法、及び研磨加工方法 - Google Patents
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Description
このような研磨組成物は「スラリー」とも呼ばれ、以下にそのように記載することもある。
前記研磨用研磨組成物は、塩基(アルカリ剤)を含有し、かつ25℃におけるpHが10.3〜10.5であることが好ましい。
前記研磨用研磨組成物は、25℃における導電率がシリカ粒子1重量%あたり20〜35mS/mであることが好ましい。
本発明においては、デバイスウエハエッジ研磨用研磨組成物中に含まれる研磨砥粒としてある特定の粒子径と形状を有するヒュームドシリカを使用する。すなわち、本発明において、研磨砥粒としてのヒュームドシリカは、BET法により測定した比表面積が70〜160m2/gであり、かつTEM観察による粒子の長径Aと短径Bとの比A/Bが2〜5の範囲にあることが肝要である。
d=6/(S×D)
を整理して、下式の関係にある。
2720/比表面積(m2/g)=真球換算で算出した平均一次粒子径(nm)
ヒュームドシリカは真球状ではなく、球が2ないし7個連結・分岐した形状、棒状、俵状、繭状、ひも状などのさまざまな粒子が、更に凝集して二次粒子を形成し、不規則な形状のため、真球換算で算出した平均一次粒子径を用いた数値では正確な形状を表しきれない。従って、あくまでも粒子の太さを表すという観点で比表面積を用いた。
本発明の研磨組成物の物性を改良するため、界面活性剤、分散剤、沈降防止剤などを併用することができる。界面活性剤、分散剤、沈降防止剤としては、水溶性の有機物、無機層状化合物などがあげられる。また、本発明の研磨組成物は水溶液としているが、有機溶媒を添加してもかまわない。本発明の研磨組成物は、研磨時にコロイダルシリカ等の他の研磨剤、塩基、添加剤、水等を混合して調製してもよい。
強塩基の水溶液とヒュームドシリカとを混合し、湿式粉砕を行いヒュームドシリカを分散させた後、弱酸を添加して緩衝溶液とし、更に湿式粉砕を行う。湿式粉砕は、ビーズミルやサンドグラインダーなどの強力な粉砕手段を用いて行い、更にそのスラリーから沈降分離により粗粒を除去することが好ましい。得られたヒュームドシリカスラリーに必要に応じて弱酸、強塩基、脱イオン水、及び導電率調整のための塩類等を適宜加えて本発明の研磨組成物とする。
または、pH8〜11の間で緩衝作用を有する弱酸および強塩基の水溶液をあらかじめ調製し、この緩衝溶液とヒュームドシリカとを混合して湿式粉砕を行い、得られたヒュームドシリカスラリーに上記と同様の各種添加剤を加えて研磨組成物とすることもできる。
エッジポリッシングの場合、一般的には回転可能なパッド支持体の表面に、合成樹脂発泡体、合成皮革あるいは不織布等からなるポリッシングパッドを貼付した研磨加工機に、ワーク(被加工物)であるべべリングを施したシリコンウエハ等のエッジ部分を回転させつつ傾斜押圧し、研磨組成物溶液を供給しながら、エッジ部分の研磨加工を行なう方法で行われる。本発明に用いるエッジポリッシング用加工機とは、例えばスピードファム社製EP−IV型エッジポリッシュ装置に示されるようなものであり、表面にポリッシングパッドを貼付した回転可能なパッド支持体と、ワークを把持し回転し任意の角度で傾斜させる把持部とからなり、該把持部に取り付けられたワークのエッジ部分を前記パッド支持体に押圧し、本発明の研磨組成物を供給しながらワークとパッド支持体の双方を回転せしめ、ワークのエッジ部分の鏡面研磨加工を行なう。即ち、回転しつつ少しずつ上昇あるいは下降して位置を変えてゆくパッド支持体に、ワークを回転させながら一定の角度で押しあて、本発明の研磨組成物を加工部分に滴下しながらポリッシングを行なう。本発明の研磨組成物を用いたデバイスウエハエッジの具体的研磨加工方法は以下に述べる実施例にて明らかにされよう。なお、装置については上記の記載に限定されるものではなく、例えば特開2000−317788号公報、特開2002−36079号公報などに記載のいかなる装置も使用できる。
(実施例1〜12、比較例1〜8)
<研磨組成物の調製>
純水70重量部にヒュームドシリカ15重量部を加えて強力に攪拌して分散させ、微量の水酸化テトラメチルアンモニウムを加えてpHを8とした。次いで、この高粘性なスラリーを、0.5mmのジルコニアビーズを粉砕媒体とするサンドグラインダー(アイメックス社製:4TSG−1/4型)の容器に仕込んで、2000rpmで粉砕を行った。粉砕後、内容物を取り出し、ジルコニアビーズを篩で取り除き、粉砕スラリーを回収した。粉砕スラリーは低粘性になっており、ここにヒュームドシリカ15重量部を再度加えて強力に攪拌して分散させ、微量の水酸化テトラメチルアンモニウムを加えて再びpHを8とした。次いで上記サンドグラインダーによる粉砕を再度行い、ジルコニアビーズを篩で取り除き、シリカ濃度30%の粉砕スラリーを回収した。ヒュームドシリカの酸成分によりpHが僅かに低下したので、再度微量の水酸化テトラメチルアンモニウムでpHを8とした。
ヒュームドシリカは、BET比表面積130m2/gの市販品aと、BET比表面積50m2/gの市販品bを使用した。
それぞれのシリカスラリーは、純水で所定のシリカ濃度に希釈した後、表1、表2記載の薬剤を所定量加えて、研磨組成物として用いた。なお、上記粉砕工程で使用した水酸化テトラメチルアンモニウムは表に記載の薬剤量には含まれない。
添加物のうち、炭酸水素テトラメチルアンモニウム、炭酸水素カリウムは弱酸としての炭酸(pKa=10.33)と強塩基との組み合わせになる塩であり本発明の緩衝溶液である。フッ化カリウムは、導電率を上げるための添加物である。上述の方法にて各々デバイスウエハの研磨実験を行なった。本研磨加工試験では、酸化珪素膜、窒化チタン膜、金属銅膜の積層した8インチのシリコンウエハを使用した。
本発明に使用したデバイスウエハエッジ研磨装置およびそれによる研磨条件は以下の通りである。
研磨装置:スピードファム株式会社製、EP−IV型エッジポリッシュ装置
ドラム回転数:800RPM
ウエハ回転速度:60秒/REV
ウエハ回転数:4回/枚
研磨布:DRP−II(スピードファム株式会社製)
加重:2.5kg
研磨組成物流量:250ml/分
実施例3における、弱酸としての炭酸(pKa=10.33)と強塩基との組み合わせになる塩である炭酸水素カリウム(KHCO3)を、同モル量の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)に置換した以外は、実施例3と同じ研磨組成物を調製した。すなわち、シリカAを15重量%、水酸化テトラメチルアンモニウムを0.168mol/kg−SiO2、フッ化カリウム(KF)を0.034mol/kg−SiO2の組成のスラリーを調製した。水酸化テトラメチルアンモニウムは0.08と0.088の加算された量である。このスラリーのpHは11.5であり、スラリーの安定化のため5%硝酸を滴下してpHを11.0に調節し、研磨組成物とした。研磨試験には実施例3と同じ、酸化珪素膜、窒化チタン膜、金属銅膜の積層した8インチのシリコンウエハを使用し、実施例3と同じ研磨条件で試験を行った。研磨試験中、スラリータンク内の研磨組成物を攪拌しつつ、pHを測定し、pHが10.5に低下した時点で25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を滴下して、pHを11.0とする方法で、研磨組成物のpHを10.5と11.0との間に調節した。
循環1回目から10回目まで、研磨速度は2.3±0.1mg/minで安定しており、表面の品質にも重大な欠陥がなく良好であった。
Claims (5)
- BET法により測定した比表面積が70〜160m2/gであり、かつTEM観察による粒子の長径Aと短径Bとの比A/Bの平均値が2〜5の範囲にあるヒュームドシリカを含むシリカ粒子の濃度が、溶液全体に対して5〜25重量%である水分散液であることを特徴とするデバイスウエハエッジ研磨用研磨組成物。
- 塩基を含有し、かつ25℃におけるpHが10.3〜10.5であることを特徴とする請求項1に記載のデバイスウエハエッジ研磨用研磨組成物。
- 25℃における導電率が、シリカ粒子1重量%あたり20〜35mS/mであることを特徴とする請求項1または2に記載のデバイスウエハエッジ研磨用研磨組成物。
- 請求項2に記載のデバイスウエハエッジ研磨用研磨組成物の製造方法であって、
強塩基の水溶液とヒュームドシリカとを混合し、湿式粉砕を行った後、弱酸を添加して緩衝溶液とし、更に湿式粉砕を行う工程を有することを特徴とするデバイスウエハエッジ研磨用研磨組成物の製造方法。 - 合成樹脂発泡体、合成皮革あるいは不織布等からなるポリッシングパッドを貼付したパッド支持体を有するエッジ研磨加工機に、被加工物であるデバイスウエハを載置押圧し、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のデバイスウエハエッジ研磨用研磨組成物を供給しつつ、前記パッド支持体及び被加工物の双方あるいはその一方を回転して研磨することを特徴とするデバイスウエハのエッジ研磨加工方法。
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