JP5373250B2 - 半導体ウエハ研磨用組成物の製造方法 - Google Patents

半導体ウエハ研磨用組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコンウエハあるいは表面に金属膜、酸化物膜、窒化物膜等(以下、金属膜等と記載する)が形成された半導体デバイス基板等の半導体ウエハの平面およびエッジ部分に研磨加工を施す半導体ウエハ研磨用組成物及びその製造方法に関する。更に本発明は前記半導体ウエハ研磨用組成物を使用して半導体ウエハの平面およびエッジ部分の鏡面加工を行なう加工方法に係る。
シリコン単結晶等半導体素材を原材料としたIC、LSIあるいは超LSI等の電子部品は、シリコンあるいはその他の化合物半導体の単結晶インゴットを薄い円板状にスライスしたウエハに多数の微細な電気回路を書き込み分割した小片状の半導体素子チップを基に製造されるものである。インゴットからスライスされたウエハは、ラッピング、エッチング、更には研磨(以下ポリッシングと記載することもある)という工程を経て、平面およびエッジ面が鏡面に仕上げられた鏡面ウエハに加工される。ウエハは、その後のデバイス工程にてその鏡面仕上げされた表面に微細な電気回路が形成されて行くのであるが、現在、LSIの高速化の観点から、配線材料は従来のAlからより電気抵抗の低いCuに、配線間の絶縁膜は、シリコン酸化膜からより誘電率の低い低誘電率膜に、更にCuと低誘電率膜の間に、Cuが低誘電率膜中に拡散することを防止するためのタンタルや窒化タンタルによるバリア膜を介した構造を有する配線形成プロセスに移行しつつある。こうした配線構造の形成と高集積化のために、層間絶縁膜の平坦化、多層配線の上下配線間の金属接続部(プラグ)形成や埋め込み配線形成などに繰り返し頻繁に研磨工程が行われる。この平面の研磨においては、合成樹脂発泡体あるいはスウェード調合成皮革等よりなる研磨布を展張した定盤上に半導体ウエハを載置し、押圧回転しつつ研磨組成物溶液を定量的に供給しながら加工を行なう方法が一般的である。
エッジ面は上記の金属膜等が不規則に堆積した状態となっている。半導体素子チップに分割されるまではウエハは最初の円板状の形状を保ったままエッジ部を支えにした搬送等の工程が入る。搬送時にウエハの外周側面エッジが不規則な構造形状であると、搬送装置との接触により微小破壊が起こり微細粒子を発生する。その後の工程で発生した微粒子が散逸して精密加工を施した面を汚染し、製品の歩留まりや品質に大きな影響を与える。この微粒子汚染を防止するために、金属膜等の形成後に半導体ウエハのエッジ部分を鏡面研磨する加工が必要となっている。
上述のエッジ研磨は、研磨布支持体の表面に、合成樹脂発泡体、合成皮革あるいは不織布等からなる研磨布を貼付した研磨加工機に、半導体ウエハのエッジ部分を押圧しながら、シリカ等の研磨砥粒を主成分とする研磨組成物溶液を供給しつつ、研磨布支持体とウエハもしくはどちらか一方を回転させて達成される。この際用いられる研磨組成物の砥粒としては、シリコンウエハのエッジ研磨に用いられるものと同等のコロイダルシリカや、デバイスウエハの平面研磨に用いられるヒュームドシリカやセリア、アルミナなどが提案されている。特にコロイダルシリカやヒュームドシリカは微細な粒子であるため平滑な鏡面を得られ易く注目されている。
このような研磨組成物は「スラリー」とも呼ばれ、以下にそのように記載することもある。
シリカ砥粒を主成分とする研磨組成物は、アルカリ成分を含む溶液が一般的で、加工の原理は、アルカリ成分による化学的作用、具体的には酸化珪素膜や金属膜等の表面に対する浸蝕作用とシリカ砥粒の機械的な研磨作用を併用したものである。具体的には、アルカリ成分の侵食作用により、ウエハ等被加工物表面に薄い軟質の浸蝕層が形成される。その浸蝕層を微細砥粒粒子の機械的研磨作用により除去する機構と推定されており、この工程を繰り返すことにより加工が進むと考えられている。被加工物の研磨後、洗浄工程が施され被加工面およびエッジ部からシリカ砥粒やアルカリ液が取り除かれる。
この洗浄工程において、ウエハ表面に研磨砥粒が残存する問題が指摘されている。ウエハ表面の砥粒の残存は研磨条件や洗浄方法により大きく改善することが可能であるが、反面研磨速度の大幅な低下、洗浄方法の煩雑化を伴い、課題の解決に至っていない。
さらに、デバイス配線の微細化は年々顕著になってきており、国際半導体技術ロードマップ(International Technology Roadmap for Semiconductors)によれば、デバイスの配線幅の目標値として2004年90nm、2007年65nm、2010年50nm、2013年35nmが示されている。デバイスの配線幅の微細化が進むにつれ研磨後、半導体ウエハ表面に対しいっそうの清浄度が要求される。半導体ウエハの研磨に用いる研磨剤には、前述の通り数十nm程度の粒子径の研磨砥粒が含まれている。従来は、配線幅に対し研磨砥粒の粒子径が十分小さいため半導体ウエハ表面に生じる研磨砥粒の残存は大きな課題とならなかった。しかし、デバイス配線の微細化により、研磨砥粒の粒子径とデバイスの配線幅がほぼ同じ大きさとなり、半導体ウエハ表面に対する研磨砥粒の残存はデバイスの動作不良をもたらすため、深刻な課題となっている。
従来から半導体ウエハの鏡面研磨では、様々な研磨組成物が提案されている。たとえば、特許文献1では、炭酸ナトリウムと酸化剤を含有するコロイダルシリカが開示されている。特許文献2には、エチレンジアミンを含有するコロイダルシリカが開示されている。特許文献3には、繭状の形状をしたシリカ粒子の使用が記載されている。特許文献4には、エチレン・ジアミン・ピロカテコールとシリカの微粉末を含有する水溶液を用いたデバイスウエハの研磨方法が開示されている。特許文献5には、グリシン、過酸化水素、ベンゾトリアゾールとシリカの微粉末を含有する水溶液を用いた半導体ウエハの研磨方法が開示されている。特許文献6には、KOH水溶液に平均粒子径5〜30nmのヒュームドシリカを分散した研磨剤とその製法が開示されている。特許文献7には、カチオン交換によりナトリウムを除去したコロイダルシリカの研磨スラリーが記載されており、研磨促進剤としてアミンの添加および殺細菌剤としての第4アンモニウム塩の添加が提案されている。特許文献8には、特定のアミンの使用が記載されている。特許文献9には、コロイダルシリカの粒子成長工程で使用するアルカリ剤として、水酸化ナトリウムの代わりに水酸化テトラメチルアンモニウムを使用してコロイダルシリカを製造し、実質的にナトリウムを含有しない研磨用高純度コロイダルシリカが記載されている。特許文献10には、弱酸と強塩基、弱酸と弱塩基あるいは弱酸と弱塩基の何れかの組み合わせのものを添加することによって、pH8.7〜10.6の間で緩衝作用を有する緩衝溶液として調整された酸化珪素コロイド溶液が記載されている。特許文献11には、アルカリ成分と酸成分とを加えた緩衝作用を持つ研磨用組成物であって、アルカリ成分として第4アンモニウムを用いたものが記載されている。
上記特許文献1、特許文献2のようにコロイダルシリカを用いる場合には不純物の問題がある。コロイダルシリカは珪酸ソーダを原料として製造され、ナトリウムなどのアルカリ金属が比較的多く含まれており、砥粒残りの起きやすい材料である。特許文献3の繭状の形状をしたシリカ粒子は、有機珪素化合物を原料にして製造されるので高純度であり、アルカリ金属を含まない点で優れているが、このシリカ粒子は柔らかいため、研磨速度が低いことが欠点である。特許文献4、特許文献5ではアルカリ金属を含まない点で優れているが、シリカの微粉末を用いる記載であるからヒュームドシリカの使用であり、研磨速度は高いが研磨面にスクラッチが発生しやすくなる。特許文献6はヒュームドシリカを用いたスラリーであり、研磨速度は高いが研磨面にスクラッチが発生しやすくなり、かつKOH水溶液を使用しており適切な材料ではない。特許文献7に記載の低ナトリウムのコロイダルシリカは同文献7ページに明記されているように、研磨促進剤はアミンであり、第4アンモニウム塩は研磨促進効果も有する殺細菌剤として微量添加されている。実施例ではアミンとしてはアミノエチルエタノールアミンとピペラジンの使用が記載されている。最近になって、アミンはその金属キレート形成作用のため、ウエハの金属汚染、特に銅汚染の原因になることが判ってきた。また、同文献ではpH調製にKOHを使用と記載されナトリウム量の低減を課題としている。特許文献8にはアミノエチルエタノールアミンによるウエハ汚染の危険性が記載されている。特許文献9記載のコロイダルシリカは、水相および粒子表面、粒子内部にもナトリウムが存在しないため極めて好ましい研磨剤である。しかしながら、水酸化ナトリウムに比べて粒子成長が格段と遅く、特に粒子径の大きい50nm以上のコロイダルシリカの製造には何らかの対策が求められる。
半導体ウエハのエッジ部分の研磨加工と、半導体ウエハの平面部分の研磨加工を比較すると、後者に比較し前者は、研磨布がエッジ部分に接触する時間が短いため、加工面にかかる圧力を高く、かつ加工面に対する研磨布の線速度も速くしてある。すなわち、平面研磨に比べ、エッジ部分の研磨加工工程は大変過酷な条件であるといえる。半導体ウエハのエッジ部分はその面粗さは大変粗い。このような加工条件下において、従来のヒュームドシリカを用いた半導体ウエハの平面研磨用組成物を用いても十分な研磨速度と面粗さは得られない。
特開昭62−101034号公報 第5頁 特開平2−146732号公報 特許請求の範囲 特開平11−60232号公報 第2頁 特開平6−53313号公報 第3頁 特開平8−83780号公報 第5頁 特開平9−193004号公報 特許請求の範囲 特開平3−202269号公報 特許請求の範囲 第7頁 特開2002−105440号公報 第2頁 特開2003−89786号公報 特開平11−302634号公報 特許請求の範囲 特開2000−80349号公報 特許請求の範囲
本発明の目的は、半導体ウエハ表面に生じる砥粒の残存を抑制し、かつ高い研磨速度を維持しつつ、良好な面粗さが得られる半導体ウエハの平面およびエッジ部分の鏡面研磨用組成物およびその製造方法を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、前記研磨用組成物を用いた、半導体ウエハの平面およびエッジ部分の鏡面研磨方法を提供することにある。
本発明者等は、粒子表面及び水相にアルカリ金属を含まず、第4アンモニウム塩基によって安定化されたコロイダルシリカであって、コロイド溶液全体に対してシリカ濃度が2〜50重量%である水分散液である研磨組成物を用いることにより、半導体ウエハの平面およびエッジ部分の鏡面研磨加工が効果的に行なえることを見出し、本発明を完成するに到った。本発明にいう半導体ウエハとは、シリコンウエハあるいは表面に金属膜、酸化物膜、窒化物膜等を形成した半導体デバイス基板等を指す。
また、本発明は、ルカリ金属を含有しかつシリカ粒子のBET法による平均粒子径が20nm乃至80nmであるコロイダルシリカをカチオン交換樹脂に接触させ、粒子表面及び水相に存在するアルカリ金属を除去した後、水酸化テトラメチルアンモニウムを混合することを特徴とする半導体ウエハ研磨用組成物の製造方法であって、粒子表面及び水相にアルカリ金属を含まず、粒子表面にテトラメチルアンモニウムイオンが存在することによって安定化されたコロイダルシリカを含み、コロイド溶液全体に対してシリカ濃度が5.6〜22重量%である水分散液である半導体ウエハ研磨用組成物の製造方法である。
本発明による研磨組成物を用いれば、半導体ウエハ等の研磨において平面部にパーティクル汚染、特に砥粒の残存(以下、「砥粒残り」と記す)を起こしにくいという卓越した効果が得られる。「砥粒残り」とは、研磨中に研磨用組成物の砥粒成分がウエハの平面部分に固着してしまい、洗浄後にも平面部分に砥粒が残留している状態である。本発明により、従来比較的対策が不十分であった平面部の砥粒残りを解決し、ウエハの鏡面研磨加工において優れた研磨力とその持続性をもった研磨組成物が得られたものであり、関連業界に及ぼす効果は極めて大である。
本発明の研磨組成物は粒子表面及び水相にアルカリ金属を含まず、第4アンモニウムによって安定化されたコロイダルシリカであることが肝要である。市販のナトリウムで安定化されたコロイダルシリカは一般に20乃至50重量%のシリカ(SiO)成分と、0.1乃至0.3重量%のNaO成分(Naに換算して0.07乃至0.22重量%)とを含有している。Naの量をシリカ当たりで表せば、シリカ当たり0.2乃至0.7重量%を含有している。一般に粒子径の大きいコロイダルシリカほどNa量は少ない。
「安定化」について少し説明する。例えば、シリカ粒子が純水に分散している状態では粒子表面にはシラノール基があり、その外側は水分子だけである。粒子はブラウン運動で振動し移動するため、粒子同士の衝突が起こり、シラノール基間で脱水縮合がおこり、粒子は連結し、連結が拡大してゆくと、コロイドは粘性が上がり、最終的にはゲル状となる。一方、例えば、シリカ粒子がpH9程度の希水酸化ナトリウム水溶液に分散している状態では粒子表面のシラノール基の外側には水和したナトリウムカチオンが存在し、粒子はアニオン電荷を帯び、ナトリウムカチオンの水和相の外側にはOHイオンが接近して存在し、更にその外側に水分子が存在することになる。シリカ粒子表面がこのような拘束相を有することで、粒子間には反発力が生じ、粒子の衝突、連結が起こらなくなる。これを「安定化」と呼んでいる。
珪酸ナトリウムを原料として製造されたコロイダルシリカは、水相、シリカ粒子表面及びシリカ粒子内部にNaを含有している。シリカ粒子内部のNaはシリカ当たり0.1乃至0.5重量%である。水相及びシリカ粒子表面のNaは、コロイダルシリカをプロトン型のカチオン交換樹脂に接触させることで除去することができる。カチオン交換樹脂との接触方法はバッチ式でもカラム式でも行なえるがカラム式が好ましい。こうして得られるコロイダルシリカはpHが2乃至4の酸性を呈する。シリカ粒子内部のNaは一部が、常温では数ヶ月単位の速さで徐々に粒子表面へ移動してきて、pHの変化として観察される。pHの変化はpH4.5程度までの上昇で平衡に達し、それ以上のNaの移動はない。この程度のNaの存在は許容される。
水相およびシリカ粒子表面のNaの存否は、適宜希釈したコロイダルシリカに硝酸を加えて、pHを4に調製して1時間攪拌熟成を行った後、限外ろ過を行い、得られたろ液の
NaをICPで分析することで判別できる。カチオン交換樹脂との接触をおこなったpHが2乃至4のコロイダルシリカでは不検出に近い微量となる。
水相およびシリカ粒子表面のNaの量はシリカ当たり500ppm以下とするのが好ましい。更に好ましくは、200ppm以下である。Na量は砥粒残りに直接関係するのであるから、ゼロに近いほど砥粒残りの可能性が低減し、半導体性能の向上が期待されることになる。しかしながら、上記のようにシリカ粒子内部から表面へのNaの移動は避けられないため、200ppm以下を目標とする。
市販のナトリウムを除去したコロイダルシリカをそのまま使用することもできるが、このような製品はシリカ粒子表面のアニオン電荷を強めるために、粒子表面に酸化アルミニウム成分が添加されており、ウエハの種類によっては使用に注意が必要となる。
また、希釈珪酸ソーダから得られた活性珪酸溶液に、水溶性アルミニウム塩を微量添加した活性珪酸溶液を用いてコロイダルシリカの粒子成長を行うと、粒子全体に酸化アルミニウムの均一に存在するシリカ粒子のコロイダルシリカが得られる。このシリカ粒子は粒子内部のアルミニウム成分により、粒子内部までアニオン電荷が強められている。このため、粒子内部のNaは移動しにくく、上記のシリカ粒子内部から表面へのNaの移動を低くすることができる。このようなシリカゾルの使用は好ましいが、やはり、酸化アルミニウム成分による弊害を予想し、ウエハの種類によっては使用に注意が必要となる。
水相及びシリカ粒子表面のナトリウムを除去したコロイダルシリカに第4アンモニウムを添加混合し25℃におけるpHが8〜11となるようにする。第4アンモニウムとしてはコリンイオン、テトラメチルアンモニウムイオンもしくはテトラエチルアンモニウムイオンまたはこれらの混合物であることが好ましい。その他の第4アンモニウムイオンとしては、炭素数4以下のアルキル基または炭素数4以下のヒドロキシアルキル基から構成される第4アンモニウムイオンが好ましく、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基であり、ヒドロキシアルキル基としてはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基である。具体的にはテトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、メチルトリヒドロキシエチルアンモニウムイオン、トリエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムイオンなどが入手しやすく、好ましい。
更にその他の第4アンモニウムイオンとしては、ベンジルトリメチルアンモニウムイオン、フェニルトリメチルアンモニウムイオンなども入手しやすく、好ましい。
第4アンモニウムイオンは有機基の種類によりウエハに対する腐食性および研磨性能が異なり、また砥粒の洗浄性も異なるため、適宜選択して用いることが好ましく、複数を組み合わせて用いることも好ましい。
水相及びシリカ粒子表面のナトリウムを除去し、第4アンモニウムで安定化したコロイダルシリカのシリカ粒子がウエハ表面に固着しにくいという現象は、本発明により初めて明らかになったのであるが、その機構については以下のように推測できる。まず、水酸化ナトリウムで安定化したコロイダルシリカの場合には、研磨後のウエハ表面に研磨スラリーが付着したままでの僅かな時間の経過中に、水分の若干の蒸発を伴い、シリカ粒子とウエハ表面金属(または金属酸化物)を水酸化ナトリウムが腐食し、シリカと金属水酸化物の結合が起こる。結合は、粒子表面と金属水酸化物表面の融着によるか、あるいはシリカのアニオン電荷と金属水酸化物表面のカチオン電荷による静電気的な結合であろう。
一方、第4アンモニウムで安定化したコロイダルシリカの場合には、シリカ粒子表面には第4アンモニウムイオンが存在し、ウエハ表面にも第4アンモニウムイオンが存在し、どちらの表面も第4アンモニウムイオンのアルキル基がむき出しになっている。このアルキル基同士の反発力がシリカ粒子のウエハ表面への固着を防止している。金属防食の分野では第4アンモニウムやアミンはインヒビター(防錆剤)として扱われており、分子中の窒素原子が金属面に吸着し、アルキル基側が液相面に向くことで、金属に撥水相を形成して防食作用を発現するとされている。それと似た防食作用がウエハ表面でも発現されているのであろう。
前記のプロトン型のカチオン交換樹脂を用いる代わりに、第4アンモニウム型のカチオン交換樹脂を用いて、一工程でNaと第4アンモニウムを入れ替えてしまうこともできる。この場合、カチオン交換樹脂を第4アンモニウム型にする工程で過剰の第4アンモニウムの使用が必要となり、コスト面での不利が伴う。
ナトリウムを除去したコロイダルシリカに第4アンモニウムを添加するのが好ましいが、その逆に第4アンモニウムの液にコロイダルシリカを注入しても良い。
本発明の研磨用組成物において、コロイド溶液全体に対してシリカ濃度が5.622重量%である水分散液であることが好ましい。研磨用組成物の研磨力をより向上させる観点から、シリカ粒子の濃度は、10〜22重量%であることが望ましい。
さらに、本発明においては、実際の研磨加工時に安定な研磨力を持続するために、溶液全体のpHを8〜11の範囲に保つことが好ましい。pHが8未満であると研磨速度は低下し実用の範囲からは外れることがある。また、pHが11を超えると、研磨部以外でのエッチングが強くなりすぎ、またシリカ粒子が凝集を始めるため研磨組成物の安定性が低下しこれも実用の範囲から外れることがある。
さらに、このpHは摩擦、熱、外気との接触あるいは他の成分との混合等、考えられる外的条件により容易に変化しないことが好ましい。特にエッジ研磨においては、研磨組成物は循環流として使用される。すなわち、スラリータンクから研磨部位へ供給された研磨組成物は、スラリータンクへ戻す方式で使用される。アルカリ剤だけを含む研磨組成物は、使用時に短時間でpHが低下してしまう。これは、被研磨物の溶解や洗浄水の混入によるもので、pHの変動がもたらす研磨速度の変動は、研磨不足もしくは、研磨を行いすぎるために生じるオーバーポリッシュを起こしやすくなる。
本発明の研磨組成物のpHを一定に保つために好ましくは、25℃における酸解離定数の逆数の対数値(pKa)が8.0〜12.5の弱酸および第4アンモニウムを組み合わせて緩衝溶液組成とするのが良い。この場合もpH8〜11の間で緩衝作用を有することが好ましい。
弱酸を構成する陰イオンは、炭酸イオン及び炭酸水素イオンであり、かつ第4アンモニウム強塩基を構成する陽イオンがコリンイオン、テトラメチルアンモニウムイオンまたはテトラエチルアンモニウムイオンのうち少なくとも一つであることが好ましい。その他の第4アンモニウムイオンとしては、前記の物が使用される。
従って、本発明においては研磨組成物自体を、外的条件の変化に対してpH変化の幅が少ない、所謂緩衝作用の強い液とすることが好ましい。緩衝溶液を形成するためには、25℃における酸解離定数(Ka)の逆数の対数値(pKa)が8.0〜12.5の範囲にある弱酸および第4アンモニウム強塩基を組み合わせて使用すればよい。25℃における酸解離定数の逆数の対数値(pKa)が8.0未満の場合、pHを上昇させるために、弱酸及び強塩基を大量に添加することが必要となるため好ましくない。25℃における酸解離定数の逆数の対数値(pKa)が12.5より大きい場合、pHを8〜11の範囲で安定させる大きな緩衝作用を持つ緩衝溶液を形成しにくいため好ましくない。
本発明において、緩衝作用を有する研磨組成物の形成に使用する弱酸としては、炭酸(pKa=6.35)、炭酸水素(pKa=10.33)が好ましく、ホウ酸(pKa=9.24)、燐酸(pKa=2.15、7.20、12.35)類及び水溶性の有機酸等があげられ、またその混合物であってもかまわない。また、強塩基としては、第4アンモニウムの水酸化物が使用される。本発明で述べる緩衝溶液とは、上述の組合せで形成され、溶液の中で弱酸が価数の異なるイオンとして解離している状態、または、解離状態と未解離状態が共存している溶液を示し、少量の酸または、塩基が混入してもpHの変化が少ないことが特徴である。
本発明においては、研磨組成物の導電率を高くすることにより、研磨加工速度を著しく向上することができる。導電率とは液中の電気の通り易さを示す数値であり、単位長さあたりの電気抵抗値の逆数値である。本発明においては単位長あたりの導電率の数値(micro・Siemens)をシリカ1重量%当たりに換算した数値で示す。本発明においては、25℃における導電率が15mS/m/1%−SiO以上であれば研磨加工速度の向上に対して好ましく、20mS/m/1%−SiO以上であれば更に好ましい。塩類の添加はコロイドの安定性を低下させるため、添加には上限がある。上限はシリカの粒子径によって異なるが、概ね60mS/m/1%−SiO程度である。
上述のように、この加工は、その成分であるアルカリの化学的作用、具体的には酸化珪素膜や金属膜等の被加工物に対する浸蝕性を応用したものである。すなわち、アルカリの腐食性により、ウエハ等被加工物表面に薄い軟質の浸蝕層が形成される。その薄層を微細な砥粒粒子の機械的作用により除去してゆくことにより加工が進むのである。金属膜の浸蝕は金属が酸化される反応であり、金属表面は接触している溶液から電子を受け取り、水酸化金属イオンとして溶液に移動する。この電子の授与が速やかに進行するためには、溶液の導電率が高いことが必要である。
導電率を上昇させる方法としては、次の二方法がある。一つは緩衝溶液の濃度を高くする方法、もう一つは塩類を添加する方法である。緩衝溶液の濃度を高くするには、酸と塩基とのモル比を変えずに濃度のみを高くすればよい。塩類を添加する方法に用いる塩類は、酸及び塩基の組み合わせより構成されるが、酸としては、強酸、弱酸いずれであってもかまわず、鉱酸および、有機酸が使用でき、その混合物でもよい。塩基としては、水溶性の第4アンモニウムの水酸化物が使用される。弱酸及び強塩基、強酸及び弱塩基、弱酸及び弱塩基の組み合わせで添加する場合は、緩衝溶液のpHを変化させることがあるため、大量に添加することは望ましくない。前述の二方法を併用してもかまわない。
強酸と第4アンモニウムの塩としては、硫酸第4アンモニウム、硝酸第4アンモニウムまたはフッ化第4アンモニウムの少なくとも一つであることが好ましい。第4アンモニウム強塩基を構成する陽イオンはコリンイオン、テトラメチルアンモニウムイオンまたはテトラエチルアンモニウムイオンのうち少なくとも一つであることが好ましい。その他の第4アンモニウムイオンとしては、前記の物が使用される。
コロイダルシリカのシリカ粒子のBET法による平均粒子径が20nm乃至80nm、好ましくは20nm乃至80nmであることが好ましい。ここで言うBET法による平均粒子径とは、粉末化したコロイダルシリカの比表面積を窒素吸着BET法で測定し、下式に基づき、比表面積から真球換算で算出した平均一次粒子径である。
2720/比表面積(m/g)=真球換算で算出した平均一次粒子径(nm)
また、本発明の研磨用組成物は、銅と水不溶性のキレート化合物を形成するキレート化剤を含有していることも好ましい。例えば、キレート化剤としては、ベンゾトリアゾールのようなアゾール類やキノリノール、キナルジン酸のようなキノリン誘導体など公知の化合物が好ましい。前記したように、エタノールアミンのような銅と水溶性のキレート化合物を形成するキレート化剤は好ましくない。同様にアンモニアも銅と水溶性のキレート化合物を形成するので好ましくない。
本発明の研磨組成物の物性を改良するため、界面活性剤、分散剤、消泡剤、沈降防止剤などを併用することができる。界面活性剤、分散剤、消泡剤、沈降防止剤としては、水溶性の有機物、無機層状化合物などがあげられる。また、本発明の研磨組成物は水溶液としているが、有機溶媒を添加してもかまわない。本発明の研磨組成物は、研磨時にコロイダルアルミナ、コロイダルセリア、コロイダルジルコニア等の他の研磨剤、塩基、添加剤、水等を混合して調製してもよい。
本発明の研磨組成物は、シリカ濃度30乃至50重量%で製造し、その使用時に純水で希釈し必要に応じて弱酸、強塩基、脱イオン水、及び導電率調整のための塩類等を適宜加えて本発明の研磨組成物とすることが好ましい。
次に本発明の研磨組成物を用いた半導体ウエハの研磨方法について説明する。
平面研磨の場合、上下面もしくは、片面に合成樹脂発泡体あるいはスウェード調合成皮革等よりなる研磨布を貼付した回転可能な定盤に被加工物の研磨面を押圧し、酸化珪素の微粒子を水に分散させた研磨用組成物等を定量的に供給しがら、定盤及び被加工物もしくはそのどちらか一方を回転させて被加工物の研磨面を研磨加工する方法で行われる。本発明に用いる平面ポリッシング用加工機とは、例えばスピードファム社製SH−24片面研磨装置、FAM−20B両面研磨装置等に示される装置である。
エッジ研磨の場合、一般的には回転可能な研磨布支持体の表面に、合成樹脂発泡体、合成皮革あるいは不織布等からなる研磨布を貼付した研磨加工機に、ワーク(被加工物)であるべべリング(面取り)を施したシリコンウエハ等のエッジ部分を回転させつつ傾斜押圧し、研磨組成物を供給しながら、エッジ部分の研磨加工を行なう方法で行われる。本発明に用いるエッジポリッシング用加工機とは、例えばスピードファム社製EP−IV型エッジポリッシュ装置に示されるようなものであり、表面に研磨布を貼付した回転可能な研磨布支持体と、ワークを把持し回転し任意の角度で傾斜させる把持部とからなり、該把持部に取り付けられたワークのエッジ部分を前記研磨布支持体に押圧し、本発明の研磨組成物を供給しながらワークと研磨布支持体の双方を回転せしめ、ワークのエッジ部分の鏡面研磨加工を行なう。即ち、回転しつつ少しずつ上昇あるいは下降して位置を変えてゆく研磨布支持体に、ワークを回転させながら一定の角度で押しあて、本発明の研磨組成物を加工部分に滴下しながら研磨を行なう。本発明の研磨組成物を用いた半導体ウエハの研磨方法は以下の実施例にて詳細に説明する。なお、装置については上記の記載に限定されるものではなく、例えば特開2000−317788号公報、特開2002−36079号公報などに記載のいかなる装置も使用可能である。
次に、実施例及び比較例をあげて本発明の半導体ウエハ研磨用組成物、及びそれを用いた研磨方法を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
<材料>
原料のコロイダルシリカとして、BET法による平均粒子径が20nm、50nmおよび80nmでシリカ濃度がいずれも40%の3種類の市販のコロイダルシリカ(日本化学工業(株)製 商品名シリカドール)を用いた。それぞれの性状を表1に記載した。
カチオン交換樹脂としては、市販の強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ(株)製 アンバーライトIR120B)を用い、カラムに充填し、5%塩酸でプロトン型とした。
また、純水37.5gに試薬の95%硫酸37.5gを加えて75gの希釈硫酸を作し、この希釈硫酸に25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液265gを滴下して、pH7に中和して、硫酸テトラメチルアンモニウム水溶液340gを作した。
また、強攪拌下に25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液1640gに炭酸ガスを吹き込み、pH8.4に中和して、33%炭酸水素テトラメチルアンモニウム水溶液1842g(4.50mol)を作した。これに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液1491g(4.10mol)を添加混合して、3333gの緩衝組成用の混合テトラメチルアンモニウム溶液を作した。
添加物のうち、炭酸水素テトラメチルアンモニウムは弱酸としての炭酸(pKa=10.33)と強塩基との組み合わせになる塩であり本発明の緩衝溶液である。硫酸テトラメチルアンモニウムは、導電率を上げるための添加物である。
Figure 0005373250
(実施例1)
<水酸化テトラメチルアンモニウムで安定化したコロイダルシリカの調製>
前記20nmのコロイダルシリカ(原料1)150Kg(約115リットル)に純水250Kgを加えて、シリカ濃度15%の希釈コロイダルシリカ400Kg(約360リットル)とした。この希釈コロイダルシリカを前記カチオン交換樹脂25リットルを充填したカラムに通して、pH2.9の酸性コロイダルシリカ約500リットルを得た。この酸性コロイダルシリカに攪拌下25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を添加して、pH9.0として水酸化テトラメチルアンモニウムによって安定化したコロイダルシリカを得た。次いで、分画分子量10000の中空糸型限外濾過膜(旭化成(株)製マイクローザUFモジュールSIP−3053)を用いてポンプ循環送液による加圧ろ過を行った。濃縮液量が150リットル程度になった時点で、前記硫酸テトラメチルアンモニウム水溶液354gを濃縮液に添加混合し、再び限外ろ過を開始し、シリカ濃度40%のコロイダルシリカ128Kgを回収した。
同様にして、50nm(原料2)と80nm(原料3)のコロイダルシリについても、それぞれ、希釈、カチオン交換、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液の添加、濃縮、硫酸テトラメチルアンモニウム水溶液の添加、再濃縮の各工程を行って、シリカ濃度40%のコロイダルシリカを回収した。回収したコロイダルシリカは、いずれもpH8乃至8.5であり、それぞれに25%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を添加して、pH9.9とした。水酸化テトラメチルアンモニウムで安定化した3種類のコロイダルシリカをそれぞれTMA−1、TMA−2、TMA−3と略記して、その性状を表2に記載した。表中「Na(ppm/SiO)」はシリカ当たりのナトリウム濃度をあらわす。
Figure 0005373250
(実施例2)
<水酸化テトラメチルアンモニウムで安定化しpH緩衝組成のコロイダルシリカの調製>
実施例1の調製方法によって作成したTMA−1、TMA−2およびTMA−3の各128Kgに前記3333gの緩衝組成用の混合テトラメチルアンモニウム溶液をそれぞれ加えて24時間混合した。こうしてpH緩衝作用を有し、シリカ濃度39%のコロイダルシリカを作成した。3種類のコロイダルシリカをそれぞれBUF−1、BUF−2、BUF−3と略記して、その性状を表3に記載した。なお、表中「Na(ppm/SiO)」はシリカ当たりのナトリウム濃度をあらわす。また、表中導電率「mS/m/1%−SiO」は導電率計を用いて各コロイダルシリカの導電率を測定し、測定値をシリカ濃度で除した値である。
Figure 0005373250
(実施例3)
実施例1および実施例2のコロイダルシリカを表4の各水準のシリカ濃度となるよう純水で希釈して下記の研磨試験を行ない、結果を表4に記載した。
<研磨試験>
上述の方法にて8インチのポリSi膜付シリコンウエハの研磨実験を行なった。本発明に使用したウエハエッジ研磨装置および研磨条件は以下の通りである。
研磨装置:スピードファム株式会社製、EPD−200X型エッジポリッシュ装置
ウエハ回転数:2000回/分
研磨時間:60秒/枚
研磨組成物流量:3L/分
研磨布:suba400
加重:40N/ユニット
ウエハは連続して10枚を研磨し10枚目のウエハについて下記の評価試験を行った。
行った。
エッジ研磨終了後、研磨組成物に代えて純水を流して研磨組成物を洗い流し、研磨装置からウエハを取り外し、1%アンモニア水溶液および純水を用いてブラシスクラブ洗浄後、窒素ブローを施しながらスピン乾燥を実施した。
上記にて得られたウエハについて、表面に付着した0.15μm以上のパーティクルをSEM及びレーザー光散乱法表面検査装置によりパーティクルの個数測定を行った。
さらに研磨面に生じるヘイズ及ピットの状態及びエッジポリッシュが不完全であることによって発生する削り残りを、集光灯下での目視観察及び、800倍での光学顕微鏡観察をワーク全周に対し実施した。研磨速度は、研磨前後のデバイスウエハの重量差より求めた。
(比較例1)
実施例1と同じコロイダルシリカをカチオン交換せずにそのまま用いて、研磨組成物を調製した。すなわち、前記コロイダルシリカ128Kgに前記3333gの緩衝組成用の混合テトラメチルアンモニウム溶液を加えて24時間混合した。こうしてpH緩衝作用を有し、シリカ濃度39%でpH10.4のコロイダルシリカすなわち研磨組成物を作した。なお、この研磨組成物の導電率は691mS/mであり、シリカ濃度で除して17.7mS/m/1%−SiOであった。
この研磨組成物のシリカ当たりのNaは3080ppmであり、上記の方法による水相およびシリカ粒子表面のNaはシリカ当たり1000ppmであった。
この研磨組成物を用いて実施例1と同じ研磨試験を行ない、結果を表4に記載した。
Figure 0005373250
(実施例4)
実施例1および実施例2のコロイダルシリカを表5の各水準のシリカ濃度となるよう純水で希釈して下記の研磨試験を行ない、結果を表5に記載した。
<研磨試験>
上述の方法にて8インチエッチドシリコンウエハを用いて研磨実験を行なった。本発明に使用したウエハ研磨装置および研磨条件は以下の通りである。研磨条件は以下の方法で鏡面研磨を実施した。
研磨装置: スピードファム株式会社製
SH−24型
定盤回転数:70RPM
プレッシャープレート回転数:50RPM
研磨布:SUBA400(ロデールニッタ社製)
荷重:150g/cm
研磨組成物流量:80ml/分
研磨時間:10分
平面研磨終了後、研磨組成物に代えて純水を流して研磨組成物を洗い流し、研磨装置からウエハを取り外し、1%アンモニア水溶液および純水を用いてブラシスクラブ洗浄後、窒素ブローを施しながらスピン乾燥を実施した。上記にて得られたウエハについて、表面に付着した0.15μm以上のパーティクルをSEM及びレーザー光散乱法表面検査装置によりパーティクルの個数測定を行った。研磨速度は、研磨前後のシリコンウエハの重量差より求めた。研磨面の評価は、集光灯下で肉眼にてヘイズ及びピットの状態を観察した。
Figure 0005373250
表4及び表5の実施例に示す結果から明らかなように、粒子表面及び水相にナトリウムの存在しない研磨組成物で、研磨組成物を循環使用してエッジ部分の加工を行なった実験においては、平面の砥粒残りが極めて少なく、研磨速度、エッジ表面状態ともに満足し得る結果が得られ、良好であった。これに対し、表4及び表5の比較例に示すようにナトリウムの除去を行わない研磨組成物では、平面の砥粒残りが多く、半導体性能に不具合が予想される結果となった。

Claims (2)

  1. ルカリ金属を含有しかつシリカ粒子のBET法による平均粒子径が20nm乃至80nmであるコロイダルシリカをカチオン交換樹脂に接触させ、粒子表面及び水相に存在するアルカリ金属を除去した後、水酸化テトラメチルアンモニウムを混合することを特徴とする半導体ウエハ研磨用組成物の製造方法であって、粒子表面及び水相にアルカリ金属を含まず、粒子表面にテトラメチルアンモニウムイオンが存在することによって安定化されたコロイダルシリカを含み、コロイド溶液全体に対してシリカ濃度が5.6〜22重量%である水分散液である半導体ウエハ研磨用組成物の製造方法
  2. 前記アルカリ金属を含有しかつシリカ粒子のBET法による平均粒子径が20nm乃至80nmであるコロイダルシリカが、珪酸ナトリウムを原料として製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハ研磨用組成物の製造方法。
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