JP5217751B2 - 画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像が形成される受容層と紙との間にボイド含有フィルムが配置された印画シートに画像を形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
インクリボンに印画ヘッドを当接し、熱転写により印刷を行う熱転写型のプリンタは、種々の用途に用いられ、例えば、特許文献1に記載のようにいわゆるプリクラ(登録商標)などのプリントシール機による写真の印刷に用いられている。このような装置では、一般に、給紙ロールから繰り出された印画シートの所定範囲に画像が印画されるとともに、その上流側及び下流側には印画がされないマージン領域が形成される。そして、印画がなされた印画領域及びマージン領域は、印画シートから切り出される。切り出された印画領域はプリント枚葉として利用者に提供される一方、マージン領域は不要なマージン片として装置内の回収容器に収容され、回収容器が満杯になったときに廃棄される。
特開2000−118077号公報
ところで、上記のような写真画像の形成には、紙、ボイド含有フィルム、及び画像が形成される受容層がこの順で積層された印画シートが使用される。上記のように、マージン片は装置内の回収容器に収容されるが、低湿になった場合には、紙内部の水分が蒸発して紙の層が縮み、マージン片が湾曲することがある。そして、このような湾曲したマージン片が回収容器内に溜まると、予定枚数に達する前に、回収容器が満杯になってしまうおそれがある。この状態になると、装置を停止して回収容器を空にする必要があり、頻繁に装置を停止させなければならないため、印刷操作に支障をきたすことになる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、切り出されたマージン片の湾曲を抑え、装置内の回収容器が予定よりも早く満杯になるのを防止することができる画像形成装置、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、画像が形成される受容層と紙との間にボイド含有フィルムが配置された印画シートに画像を形成する画像形成装置であって、上記問題を解決するためになされたものであり、印画シートの給紙ロールから、印画シートを繰り出す駆動部と、印画シートに印画を行う印画部と、前記印画シートを幅方向に切断するカッターと、 前記カッターにより切り出された印画シートの一部を収容する回収容器と、前記駆動部、印画部、及びカッターの駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、印画シートに画像を形成しつつ、当該画像形成領域の上流側及び下流側の少なくとも一方に所定長さのマージン領域を形成するとともに当該マージン領域に印画シートの幅方向に沿う少なくとも1つのラインを印画するように、前記駆動部及び印画部を制御し、印画シートから、画像形成領域を含む印画済み枚葉と、マージン領域を含むマージン片とを切り出し、当該マージン片を前記回収容器に収容するように、前記駆動部及びカッターを制御し、前記ラインの太さが0.5〜5.5mmである
この構成によれば、マージン領域に、印画シートの幅方向に沿うラインが印画されるようになっている。このように印画シートに印画がなされると、熱エネルギーが付与されるため、ボイド含有フィルムのボイドが収縮し、印画シートが受容層側に湾曲するように力が作用する。これにより、低湿によって紙の層が湾曲したとしても、これを相殺する方向にボイド含有フィルムが湾曲するため、結果的に、印画シートの湾曲が抑えられる。したがって、装置内の回収容器に溜まるマージン片が、かさ高になるのを防止することができ、従来例のように、回収容器が予定より早く満杯になるのを防止することができる。なお、本発明が対象とする印画シートのボイド含有フィルムは、例えば、PETにボイド発現剤を含有して処理した公知のフィルムが対象となる。
上記のように、マージン片を受容層側に湾曲させる際に、湾曲を大きくするには、ボイド含有フィルムに強い熱エネルギーを付与する必要がある。そのためには、濃い色のラインをマージン領域に印画することが好ましく、その例として、制御手段によって、ラインを構成する画素の階調値が200以上255以下となるように、印画部を制御することが好ましい。特に、ラインを構成する画素の階調値が255であると、ラインの色が黒になるので、強い熱エネルギーを付与することができるので好ましい。
また、本発明は、画像が形成される受容層と紙との間にボイド含有フィルムが配置された印画シートに画像を形成する画像形成方法であって、上記問題を解決するためになされたものであり、給紙ロールから印画シートを繰り出すステップと、印画シートに画像を形成しつつ、当該画像形成領域の上流側及び下流側の少なくとも一方に所定長さのマージン領域を形成するとともに当該マージン領域に印画シートの幅方向に沿う少なくとも1つのラインを印画するステップと、前記印画シートから、前記画像形成領域を含む印画済み枚葉と、マージン領域を含むマージン片とを切り出すステップと、を備えており、前記ラインの太さが0.5〜5.5mmである
この方法によれば、マージン領域に、印画シートの幅方向に沿うラインが印画されるため、印画による熱エネルギーによって、ボイド含有フィルムのボイドが収縮し、印画シートが受容層側に湾曲するように力が作用する。これにより、低湿によって紙の層が湾曲したとしても、これを相殺する方向にボイド含有フィルムが湾曲するため、結果的に、印画シートの湾曲が抑えることができる。これにより、マージン片を回収するためのスペースを小さくすることができる。上記方法においては、ラインを構成する画素の階調値が200以上255以下であることが好ましい。このとき、ラインを構成する画素の階調値が255であることが特に好ましい。
本発明によれば、切り出されたマージン片の湾曲を抑え、装置内の回収容器が予定よりも早く満杯になるのを防止することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を熱転写型プリンタに適用した場合の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態の回収装置が設けられたプリンタの概略構成図、図2は受像紙の断面図である。
図1に示すように、この熱転写プリンタは、印画ヘッド1とプラテンロール2との間に、インクリボンR及び受像紙(印画シート)Pを挟み、印画ヘッド(印画部)1をプラテンローラ2上に押圧することで、インクリボンRのインクを受像紙P上に熱転写し、印画を行うものである。インクリボンRは、繰り出しロール3から繰り出され、図1の左から右側に搬送されて印画ヘッド1を通過した後、巻き取りロール4に巻き取られる。繰り出しロール3、巻き取りロール4は、モータなどの駆動部(図示省略)によって回転される。一方、受像紙Pは、インクリボンRの巻き取りロール4側に配置された給紙ロール5から繰り出され、インクリボンRとは反対方向に搬送される。すなわち、図1の右から左側に搬送され、画像が形成される。その後、受像紙Pは下流側でカッター6によりプリント枚葉として切り出され、図示を省略する排出口から排出される。また、後述するように、プリント枚葉のほか、マージン片も切り出され、カッター6の直下に配置された回収容器7に回収される。上述した受像紙Pを繰り出す各ロール3,4,5の駆動部、印画ヘッド1、及びカッター6の駆動は、図示を省略するCPUを備えた制御部(制御手段)によって制御される。なお、上記のように、インクリボンR及び受像紙Pは互いに反対方向に繰り出されるが、本書では、それぞれの繰り出し方向に対して上流側、下流側という文言を用いることとする。すなわち、図1を例にすると、インクリボンRの上流側は図1の左側であり、受像紙Pの上流側は図1の右側になる。
ここで用いられるインクリボンRは、昇華転写用に構成された一般的なものであり、後述する図4に示すように、シアンC、マゼンタM、イエローY、コート層Aの染料層が基材の長手方向にこの順で繰り返し塗布されており、受像紙Pには、上記染料が順に印画されて重ね合わされる。なお、コート層Aは、画像を保護するために、重ねられた画像上にコーティングされるものである。
受像紙Pは、この種の熱転写プリンタで用いられる公知のものを使用することができ、例えば、図2に示すように、レジンコート層P1、紙P2、接着層P3、ボイド含有フィルムP4、及び受容層P5がこの順で積層されたものを用いることができる。ボイド含有フィルムP4としては、フィルム中にボイドが形成されたものであれば、種々のものを用いることができるが、例えば、次のようなフィルムを用いることができる。すなわち、PET(ポリエチレンテレフタレート)中にボイド発現剤を添加し、成膜、延伸過程でPETとボイド発現剤とを剥離させることで、ボイドをフィルム内に形成したフィルムを用いることができる。基材は、PETのほか、PP(ポリプロピレン)、PP(ポリエチレン)などポリオレフィン系樹脂を用いることができる。
図3は、画像が形成された受像紙の平面図である。図3に示すように、各染料が重ね合わされて画像が形成された画像形成領域S1は、受像紙P上に所定間隔をおいて形成される。すなわち、画像が形成されないマージン領域S2を介して複数の画像形成領域S1が受像紙Pの長さ方向に沿って形成される。
ところで、本実施形態では、図3に示すように、受像紙Pのマージン領域S2に、1本のラインLが印画される。このラインLは、受像紙Pの幅方向に沿って延びている。そして、このラインLを構成する画素の階調値は、200以上であることが好ましく、255であることが特に好ましい。すなわち、ラインは濃い色であることが好ましく、階調値が255のときは、ラインの色は黒になる。なお、マージン領域Sの繰り出し方向の長さは、5.0〜11.0 mmであることが好ましく、ラインLの太さ(繰り出し方向の長さ)は、0.5 〜5.5 mmとすることができる。この範囲にあることで、印画時に受像紙Pのフィードや印画物の縁まで安定して印画することができる。
続いて、上記のように構成されたプリンタの動作について図4を参照しつつ説明する。まず、図4(a)に示すように、インクリボンR及び受像紙Pが、印画ヘッド1とプラテンロール4との間に挟まれた状態で、X1の方向に搬送される。これにより、インクリボンR上のシアンCが受像紙に印画される。このとき、まず、画像形成領域S1に画像が印画され、所定間隔をおいてマージン領域S2にラインLが印画される。続いて、図4(b)に示すように、印画ヘッド1がインクリボンRから離間した状態で、インクリボンRがX1方向に繰り出され、マゼンタMの下流側端部が印画ヘッド1の直下に位置決めされる。一方、受像紙は、X1とは反対のX2方向に搬送され、シアンCが印画された画像形成領域S1の上流側端部が印画ヘッド1の直下に位置決めされる。これに続いて、図4(c)に示すように、印画ヘッド1がインクリボンRに当接し、インクリボンR及び受像紙Pが、印画ヘッド1及びプラテンロール2に挟まれた状態で、ともにX1方向に搬送される。これにより、画像形成領域S1にマゼンタMが重ねて印画されるとともに、マージン領域S2のラインLにもマゼンタが印画される。その後、同様にして、イエローY、及びコート層Aが印画され、画像形成領域S1には所望の画像が形成される。また、マージン領域S2には、シアンC、マゼンタM、イエローYが重ねられるので、黒のラインLが形成される。
そして、図5に示すように、画像形成領域S1とマージン領域S2との境界がカッター6により切断されると、画像形成領域S1はプリント枚葉(印画済み枚葉)W1となって排出口から排出される。一方、マージン領域S2は、マージン片W2として切り出され、図1に示す回収容器7に回収される。
以上のように、本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。上述したように、マージン片W2は、カッター6によって切り出された後、回収容器7に回収されるが、回収された後、低湿になると、紙P2の層が収縮してマージン片W2が湾曲することがある。より詳細には、図6に示すように、受容層側が凸になるように湾曲する(図6では説明の便宜のため、レジンコート層P1及び接着層P3を省略している)。従来は、このように、湾曲された状態で回収容器7に回収されたため、図7に示すように、平らな状態で回収容器7に回収されたときに比べ、少ない枚数で回収容器7が満杯になる。そのため、頻繁に回収容器7を空にする作業が必要となり、そのたびに装置を停止させなければならなかった。
これに対して、本実施形態では、マージン片W2に、ラインLが印画されているため、熱エネルギーが付与される。これにより、図8に示すように、ボイド含有フィルムP4のボイドが収縮し、マージン片W2には、紙P2の層側に凸になるように湾曲する力が作用する。そのため、低湿によって紙P2の層が湾曲したとしても、これを相殺する方向にボイド含有フィルムP4が湾曲するため、結果的に、マージン片W2の湾曲が抑えられる。その結果、マージン片がかさ高になるのを防止でき、回収容器7に溜まるマージン片W2が予定枚数より早く満杯になるのを防止できる。したがって、回収容器7を空にする作業を少なくすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、マージン片W2に黒のラインLを印画しているが、これに限定されるものではなく、ラインは種々の態様が可能である。例えば、ラインLは1本ではなく、2本以上形成されていてもよい。また、ボイド含有フィルムP4を湾曲させるだけの熱エネルギーを付与できるのであれば、実線ではなく点線でもよい。色は、階調が高いほど、熱エネルギーを付与できるので、階調値255の黒が好ましいが、ボイド含有フィルムP4を湾曲できるのであれば、マージン片W2の長さ及びラインLの太さを変更することで、階調値200以上とすることもできる。
次に、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されない。
上記実施形態で示した手順で、異なるラインを印画した2種類のマージン片(実施例1,2)と、ラインを印画していないマージン片(比較例)を作成し、所定時間経過後の湾曲の程度を評価した。受像紙、マージン片の構成は、以下の通りである。
(受像紙)
レジンコートP1: 材料 PP,PE 、厚さ 33μm
紙P2: 材料 天然紙、厚さ 154μm
接着剤P3: 材料 ポリウレタン、厚さ 5μm
ボイド含有フィルムP4: 材料 PP、厚さ 39μm
受容層P5: 材料 塩ビ・酢ビ共重合体、厚さ 6μm
(マージン片)
切り出し長さ 6mm
繰り出し方向と直交する幅 152mm
ラインの長さ 152mm
次に、評価方法について説明する。上記実施形態で示したプリンタ(シチズン・シズテムズ(株)製DS40プリンタ)により、実験室環境下(温度約23.5℃、湿度20%)にて印画を行った。その際、切り出されたマージン片を温度35℃、湿度10%環境下へ入れ、30分おきに湾曲量の測定を行った。湾曲量は、図6に示すように、マージン片の中央の長さを測定した。結果は、以下の通りである。
この結果によれば、印刷後、時間が経過するにしたがって、湾曲量が大きくなっているが、ラインを印画しているマージン片の湾曲量は小さく、さらにラインが太い方がさらに湾曲量が小さいことが分かる。
続いて、上記プリンタにより、上記実施例1,比較例と同じ条件で、給紙ロール1巻を完全に使い切るまで、印刷を行い、回収容器に回収されるマージン片の量を確認した。その他の条件は以下の通りである。
給紙ロールのロール長さ:47m
画像形成領域の長さ:101.6mm
回収容器の形状:縦 25mm,横 250mm,高さ 81mm
この実験の結果、実施例1の条件では、給紙ロールを1巻使い切ったとき、回収容器には3分の2程度の高さまでマージン片が積み重なっていた。一方、比較例の条件では、回収容器が満杯になっていた。
本発明の一実施形態係る熱転写型プリンタの概略構成図である。 図1のプリンタで用いられる受像紙の断面図である。 画像が形成された受像紙の平面図である。 図1のプリンタの動作説明図である。 図2の受像紙の切断状態を示す平面図である。 マージン片の湾曲の様子を示す断面図である。 マージン片が回収された回収容器の断面図である。 ラインが印画されたマージン片の湾曲の様子を示す断面図である。
符号の説明
1 印画ヘッド(印画部)
6 カッター
7 回収容器
P 受像紙(印画シート)
S1 画像形成領域
S2 マージン領域
W1 枚葉
W2 マージン片
L ライン

Claims (6)

  1. 画像が形成される受容層と紙との間にボイド含有フィルムが配置された印画シートに、画像を形成する画像形成装置であって、
    印画シートの給紙ロールから、印画シートを繰り出す駆動部と、
    印画シートに印画を行う印画部と、
    印画シートを幅方向に切断するカッターと、
    前記カッターにより切り出された印画シートの一部を収容する回収容器と、
    前記駆動部、印画部、及びカッターの駆動を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    印画シートに画像を形成しつつ、当該画像形成領域の上流側及び下流側の少なくとも一方に所定長さのマージン領域を形成するとともに当該マージン領域に印画シートの幅方向に沿う少なくとも1つのラインを印画するように、前記駆動部及び印画部を制御し、
    印画シートから、画像形成領域を含む印画済み枚葉と、マージン領域を含むマージン片とを切り出し、当該マージン片を前記回収容器に収容するように、前記駆動部及びカッターを制御し、
    前記ラインの太さが0.5〜5.5mmである、画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記ラインを構成する画素の階調値が200以上255以下となるように、前記印画部を制御する、請求項1に記載の画像形成装置
  3. 前記制御手段は、前記ラインを構成する画素の階調値が255となるように、前記印画部を制御する、請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 画像が形成される受容層と紙との間にボイド含有フィルムが配置された印画シートに画像を形成する画像形成方法であって、
    給紙ロールから印画シートを繰り出すステップと、
    印画シートに画像を形成しつつ、当該画像形成領域の上流側及び下流側の少なくとも一方に所定長さのマージン領域を形成するとともに当該マージン領域に印画シートの幅方向に沿う少なくとも1つのラインを印画するステップと、
    前記印画シートから、前記画像形成領域を含む印画済み枚葉と、マージン領域を含むマージン片とを切り出すステップと、
    を備えており、
    前記ラインの太さが0.5〜5.5mmである、画像形成方法。
  5. 前記ラインを構成する画素の階調値が200以上255以下である、請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記ラインを構成する画素の階調値が255である、請求項4に記載の画像形成方法。
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