JP5212544B2 - 移動体用スペクトル測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両、特に自動車などの移動体に搭載されたスペクトルセンサによって測定された測定対象のスペクトルデータから、測定対象を識別する移動体用スペクトル測定装置に関する。
近年、自動車等の車両には、その運転支援装置として、車両周囲において動的に変化する歩行者や信号などの状態を認識してドライバーの運転や意思決定を支援する装置が搭載されることが少なくない。そして、そのような装置の多くは、信号や歩行者等の状態をCCDカメラ等によって撮像するとともに、その撮像画像を実時間で画像処理して状態認識し、その認識した結果を上述した運転支援等に用いるようにしている。しかし通常、歩行者は、その形状が大きさや向き、あるいは持ち物の有無などによって多様に変化することから、上記画像処理に基づき得られる形状からその存在を正確に認識することは難しい。また、信号機は一般に、その大きさや色についての規格性が高いものの、見る角度によってはその形状が変化するなどの不都合も避けがたく、上記画像処理を通じた形状認識ではやはり限界がある。
一方、特許文献1には、測定対象を認識する技術として、スペクトルセンサによって採取されたスペクトルデータを用いるリモートセンシング技術が記載されている。すなわちここでは、航空機や人工衛星に搭載されたスペクトルセンサによって撮影された不可視光領域をも含むマルチスペクトル画像データから、例えば森林、田畑、市街地等のような、可視光領域のみでは認識の困難な測定対象の分類、特徴付けが行なわれ、こうして分類され、特徴付けされたデータに基づき測定対象が識別される。
特開2000−251052号公報 特開2006−145362号公報
このように、スペクトルセンサでは、不可視光領域をも含む各波長帯の輝度値(光強度)が観測されることから、波長毎の輝度値を比較することによって測定対象特有の特性を知ることができ、ひいてはその識別が可能となる。また近年は、このようなスペクトルセンサとして、撮像可能な帯域幅が広く、またその分解能も数nm〜数十nmと高いハイパースペクトルセンサなども実用化されている(特許文献2参照)。
そこで最近は、このようなスペクトルセンサを自動車等の車両に搭載し、このスペクトルセンサによって撮影されたスペクトルデータを用いて車両周囲の各種測定対象を識別することが検討されている。ただし、このようなスペクトルデータ、特に上記ハイパースペクトルセンサによるスペクトルデータともなると、そのデータ数も膨大であることからそのデータ処理に要する時間の増加が無視できず、測定対象を識別する際の実時間性の低下も避けられない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両等の移動体に搭載されたスペクトルセンサによる撮影データによって測定対象の精度の高い識別を可能にするとともに、同撮影データの実時間処理をも可能とする移動体用スペクトル測定装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に従う移動体用スペクトル測定装置は、移動体に搭載されるスペクトルセンサを備え、スペクトルセンサは波長情報と光強度情報とを測定可能である。移動体用スペクトル測定装置は、スペクトルセンサによって検出される観測光のスペクトルデータに基づき、移動体の周辺の測定対象を識別する。移動体用スペクトル測定装置はさらに、予め定められた複数の測定対象についての波長情報と光強度情報とを含むスペクトルデータが辞書データとして格納されている記憶部と、前記観測光のスペクトルデータと前記記憶部に格納されているスペクトルデータとの比較演算に基づき前記測定対象を識別する演算装置とを備える。前記演算装置は、前記記憶部に辞書データとして格納されているスペクトルデータが複数の波長領域に分割され、その分割された波長領域から、前記スペクトルセンサにより検出されたスペクトルデータより少なく、かつ、該演算装置による実時間処理が可能となるように選択された一部の波長帯域のみを参照して、前記観測光のスペクトルデータとの比較演算を行う。
このような構成によれば、観測光のスペクトルデータを、辞書データのスペクトルデータの一部の波長帯域と比較する。これによって、測定対象を識別するために行なわれる演算処理に要する時間が減少され、観測光のスペクトルデータに基づき行なわれる測定対象の識別に係る処理を、実時間で行なうことができるようにもなる。その結果、スペクトル測定装置が移動体としての車両に搭載される場合であれ、該車両によって測定対象の識別が実時間で行なうこともできるようになり、実時間処理を要する運転支援への該スペクトル測定装置の採用可能が高められるようになる。
また、測定対象を識別するために要する演算量の減少は、メモリなどの記憶装置の記憶容量を減少させることとなり、スペクトル測定装置の構成を容易にするなどしてその汎用性を高めるようにもなる。よって、スペクトル測定装置の移動体への採用可能性を高める。
本発明の一態様では、前記辞書データにされるスペクトルデータは、複数の波長領域に分割され、この分割された波長領域のうちの各々スペクトルデータとして特徴的な変化が含まれる波長領域のデータのみが、辞書データとして前記記憶部に保持される。
このような構成によれば、記憶部には、スペクトルデータとして特徴的が顕著に表れている波長領域のみが、辞書データとして保持される。この辞書データに基づき行なわれる比較演算は、辞書データに保持されている波長領域のみについて行なわれる。これによって、測定対象を識別するための演算処理に要する時間が、減少される。
また、辞書データとして保持されているスペクトルデータは、特徴的が顕著に表れている波長領域のみに限られる。このためデータ量が減少され、該データを保持する記憶部の記憶容量も減少されるようになる。
本発明の一態様では、前記スペクトルデータとして特徴的な変化が含まれる波長領域のデータは、前記測定対象の属性に応じて定まる複数の各別のデータからなる。
このような構成によれば、辞書データに含まれる複数の波長領域は、スペクトルデータとして測定対象の属性に基づく特徴的な変化が含まれる波長領域のみからなる。比較演算は、その辞書データに含まれる特徴的な変化を有する有意なデータを含む波長領域のみとして行なわれる。これによって、比較演算の演算量の減少および辞書データの容量の減少を図ることができるとともに、特徴的な変化との比較によって測定対象の識別精度を適切に維持することができる。
本発明の一態様では、前記辞書データにされるスペクトルデータは、複数の波長領域に分割された領域のうち、各々スペクトルデータとして極値もしくは変曲点に対応して定められた輝線スペクトルを表すデータである。該輝線スペクトルを表すデータのみが、辞書データとして前記記憶部に保持される。
このような構成によれば、記憶部には、複数の波長領域に分割された領域の各輝線スペクトルを表すデータが、辞書データとして保持される。この辞書データに基づき行なわれる比較演算は、その辞書データに保持されている輝線スペクトルのみについて行なわれる。これによって、測定対象を識別するための演算処理に要する時間は、大幅に減少される。また、辞書データとして保持されているスペクトルデータが、輝線スペクトルのみに限られるため、記憶部の記憶容量も大幅に減少されるようになる。
本発明の一態様では、前記輝線スペクトルを表すデータは、前記測定対象の属性に応じて定まる複数の各別のデータからなる。
このような構成によれば、辞書データに含まれる複数の輝線スペクトルは、測定対象の属性に応じて定まることから、比較演算は、その辞書データに含まれる測定対象の属性に応じた有意なデータとしての輝線スペクトルに基づき行なわれる。これによって、比較演算の演算量の減少および辞書データの容量の減少を図ることができるとともに、測定対象の属性との比較によって測定対象の識別精度を適切に維持することができる。
本発明の一態様では、前記演算装置は、前記観測光のスペクトルデータと前記辞書データとして前記記憶部に格納されているスペクトルデータとの比較演算に際して、前記辞書データにされるスペクトルデータに不使用領域を設定し、該不使用領域以外のスペクトルデータに基づき比較演算を行って前記測定対象を識別する。
このような構成によれば、辞書データにされるスペクトルデータに不使用領域を設定して、不使用領域以外のスペクトルデータが、測定対象を認識するための比較演算に使用される。よって、比較演算を行なう波長領域の減少に伴い、該演算に要する時間が減少されるようになる。
本発明の一態様では、前記不使用領域は、前記測定対象の属性に応じて、スペクトルデータとしての特徴的な変化が少ない領域に設定される。
このような構成によれば、スペクトルデータとして特徴的な変化が少ない領域が、不使用領域と設定される。よって、比較演算は、その特徴的な変化の少ない不使用領域を除いた部分、すなわち特徴的な変化を有する有意なデータを用いて行なわれる。これによって、比較演算の演算量の減少を図ることができるとともに、特徴的な変化を有するデータとの比較によって、測定対象の識別精度を適切に維持することができる。
本発明の一態様では、前記不使用領域は、前記測定対象の識別要求レベルに応じて可変とされる。
このような構成によれば、不使用領域の拡大もしくは縮小によってその識別レベルが低くもしくは高く変更されるようになり、実時間処理に応じて必要とされる適切な識別レベルを選択することができるようになる。
上記目的を達成するため、本発明に従う移動体用スペクトル測定装置は、移動体に搭載されるスペクトルセンサを備える移動体用スペクトル測定装置であって、前記スペクトルセンサは波長情報と光強度情報を測定可能であり、前記移動体用スペクトル測定装置は、前記スペクトルセンサによって検出される観測光のスペクトルデータに基づき、前記移動体の周辺の測定対象を識別し、前記移動体用スペクトル測定装置は、前記スペクトルデータとしての極値もしくは変曲点に対応して定められた輝線スペクトルを表すデータが属性マップデータとして格納されている属性マップ記憶部と、前記観測光のスペクトルデータと前記記憶部に前記属性マップデータとして格納されているデータとの比較演算に基づき、前記測定対象を仮識別する演算装置とを備える。
このような構成によれば、観測光のスペクトルデータは、属性マップ記憶部に格納された輝線スペクトルを表すデータのみと比較される。よって、測定対象の仮識別に要する時間を少なくすることができる。これによって、識別の際に行なわれる比較演算の回数を減少させることができ、その結果、スペクトル測定装置として測定対象の識別に要する時間を減少させることができる。
本発明の一態様では、前記属性マップデータは、前記測定対象の属性に応じて定まる複数の各別のデータからなる。
このような構成によれば、輝線スペクトルは、測定対象の属性に応じて定まる。よって、有意なデータとしての輝線スペクトルに基づく比較演算が行なわれる。これによって、仮識別の識別精度を、より適切に維持することができる。
本発明の一態様では、前記移動体用スペクトル測定装置は、前記スペクトルデータとしての極値もしくは変曲点に対応して定められた輝線スペクトルを表すデータが属性マップデータとして格納されている属性マップ記憶部を備え、前記演算装置は、前記観測光のスペクトルデータと前記辞書データとして前記記憶部に格納されているスペクトルデータとの前記比較演算に先立ち、前記属性マップ記憶部に前記属性マップデータとして格納されているデータと前記観測光のスペクトルデータとの比較演算を行って前記測定対象を仮識別するとともに、前記仮識別された前記測定対象の属性に応じて前記辞書データとしてのスペクトルデータが有する波長領域の一部を前記比較演算に用いる波長領域として予め絞り込む。
このような構成によれば、仮識別により比較演算都度の辞書データとしてのスペクトルデータの波長領域の絞り込みが可能となり、比較演算の自由度が高められる。
本発明の一態様では、前記移動体には、周囲の環境情報を取得する環境情報取得装置が設けられており、前記演算装置は、該環境情報取得装置によって取得された環境情報に応じて、前記辞書データにされるスペクトルデータの予めの絞り込みを行う。
このような構成によれば、環境情報取得装置によって取得された環境情報に応じて、例えば出現率の高くなる測定対象や優先度の高くなる測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにすることで、測定対象の早期の識別を可能とする。また、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれて、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
本発明の一態様では、前記環境情報取得装置によって取得される環境情報は、天候情報及び移動体の位置情報のうちの少なくとも一方である。
このような構成によれば、取得された環境情報が天候情報である場合、雨の場合であれば出現率の高い傘や水溜り、もしくは濡れた状態の測定対象など、晴れの場合には優先度が低くなる測定対象の優先度を高くして、測定対象の早期の識別が図られるようにする。また、環境情報が移動体の位置情報である場合、優先度の高い測定対象を、自動車専用道路であれば車や路上の白線にし、田畑の間の道では道路にし、市街地では人や信号にし、住宅街では人、特に子供や高齢者に設定するようにして、測定対象の早期の識別が図られるようにする。
本発明の一態様では、前記移動体には、前記スペクトルセンサの使用目的を選択する使用目的選択装置が設けられており、前記演算装置は、該使用目的選択装置を通じて選択された使用目的に応じて、前記辞書データにされるスペクトルデータの予めの絞り込みを行う。
このような構成によれば、使用目的選択装置によって設定された測定対処について、優先的に識別処理を行なうことができるようになる。これによって、移動体においてスペクトル測定装置による支援が必要な測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにするようにすることで、測定対象の早期の識別を可能とする。さらに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれて、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
本発明の一態様では、前記移動体には、その運転を支援する運転支援システムが設けられており、前記使用目的選択装置は、この運転支援システムとの協働のもとにその使用目的を選択する。
このような構成によれば、運転支援システムの使用目的によって定まる優先度の高い測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにすることで、測定対象の早期の識別を可能とする。さらに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれて、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。例えば、先行車両との車間を制御する車間維持制御(ACC)による運転支援が行なわれている場合、優先度の高い測定対象を、車とする。また、車両が走行する車線を制御する車線維持支援制御(LKA)による運転支援が行なわれている場合、優先度の高い測定対象を、路上の白線とする。また、車載用暗視装置(ナイトビュー)による運転支援が行なわれている場合、優先度の高い測定対象を歩行者とすることなどによって、運転支援システムとの協働のもとによる測定対象の識別が、同支援の目的に適して行なわれるようになる。よって、移動体用スペクトル測定装置の利用可能性が高められる。
本発明の一態様では、前記移動体には、その移動状態にかかる情報を取得する移動状態取得装置が設けられており、該移動状態取得装置によって取得された移動状態に応じて、前記辞書データにされるスペクトルデータの予めの絞り込みを行う。
このような構成によれば、移動状態取得装置によって取得された移動状態に応じて定まる優先度の高い測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにすることで、測定対象の早期の識別を可能とする。さらに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれて、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
本発明の一態様では、前記移動状態取得装置によって取得される当該移動体の移動状態にかかる情報は、当該移動体の速度情報、及び加速度情報、及び操舵情報のうちの少なくとも一つである。
このような構成によれば、移動体の速度情報、加速度情報や操舵情報によって、優先度の高い測定対象が定められる。例えば、速度情報や加速度情報によれば、識別レベルを変更して、所定の時間内に識別処理を終えるようにすることができる。また、操舵情報によれば、車道を横切る操舵の場合には測定対象を車にし、歩道を横切る操舵の場合には歩行者にすることなどができる。
本発明の一態様では、前記移動体は、路面を走行する自動車である。
このような構成によれば、自動車に搭載されたスペクトル測定装置であれ、路上走行にともない順次接近してくる測定対象の認識を実時間で行ない、適切な運転支援が行えるようになる。これによって、自動車へのスペクトル測定装置の採用可能性が高められる。
本発明の移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した、第1の実施形態を示すブロック図。 同実施形態における辞書データとしてスペクトルデータの一例を示すグラフ。 同実施形態において識別処理に用いられる辞書データの波長領域を示すグラフであって、(a)は波長領域が2つの場合を示し、(b)は波長領域が1つの場合を示す。 同実施形態における識別処理について示すフローチャート。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を具体化した、第2の実施形態における識別処理に用いられる辞書データについて説明するグラフであって、(a)は測定対象が人の場合の例を示し、(b)は測定対象が車の場合の例を示す。 同実施形態における識別処理について示すフローチャート。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した、第3の実施形態を示すブロック図。 同実施形態における辞書データとしてスペクトルデータの一例を示すグラフであって、(a)及び(b)は2つの測定対象の差分を示す。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を具体化した、第4の実施形態における識別処理に用いられる辞書データについて説明するグラフであって、(a)は波長領域を複数とした場合の例を示し、(b)は波長領域を1つとした場合の例を示す。 同実施形態の属性マップ記憶部の一例を示すブロック図。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した、第5の実施形態を示すブロック図。 同実施形態における辞書データとしてスペクトルデータの一例を示すグラフ。 同実施形態において識別処理に用いられる辞書データの波長領域を示すグラフであって、(a)は波長領域が2つの場合を示し、(b)は波長領域が1つの場合を示す。 同実施形態における識別処理について示すフローチャート。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を具体化した、第6の実施形態における識別処理に用いられる辞書データについて説明するグラフ。 同実施形態における識別処理について示すフローチャート。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を具体化した、第7の実施形態における識別処理に用いられる辞書データについて説明するグラフ。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した、第8の実施形態を示すブロック図。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した、第9の実施形態を示すブロック図。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した、第10の実施形態を示すブロック図。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した、他の実施形態を示す説明図。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した第1の実施形態について、図1〜図4に従って説明する。
図1は、移動体用スペクトル測定装置を備える移動体としての車両に備えられた同装置の機能の概略構成を示す図である。図1に示すように、車両10には、車両外部の可視光及び不可視光を含む光情報を取得するスペクトル測定装置11と、同スペクトル測定装置11から入力された情報を移動体の搭乗者に伝達するヒューマンマシンインタフェース12と、同スペクトル測定装置11から入力された情報を車両制御に反映させる車両制御装置13とが設けられている。
ヒューマンマシンインタフェース12は、光や色、音などを通じて搭乗者、特に操縦者に車両状態等を伝えるとともに、搭乗者の意思がボタン等を通じて入力されるように押しボタンやタッチパネルなどの操作装置が設けられている公知のインタフェース装置である。
車両制御装置13は、車両に搭載された制御装置の一つであり、例えばエンジン制御装置など同じく車両に搭載されている他の各種制御装置と直接的にもしくは車載ネットワークなどによって接続され、必要な情報を相互に伝達可能になっている装置である。なお本実施形態では、車両制御装置13は、その装置に入力されたスペクトル測定装置11によって識別された対象物などの情報を他の各種制御装置に伝達して、同識別された識別対象に応じて要求される運転支援が同車両10によって実行されるようにする。
スペクトル測定装置11には、観測光のスペクトルデータを検出するスペクトルセンサ14と、スペクトルセンサ14の検出した観測光のスペクトルデータを受けて同データを処理するスペクトルデータ処理装置15とが設けられている。スペクトルセンサ14は、可視光及び不可視光からなる光としての観測光を、所定の波長帯域に分光させる。そして、観測光を前記分光による波長帯域を構成する各波長を示す情報としての波長情報と、それら各波長毎にその波長における分光された同観測光の光強度を示す情報としての光強度情報とによって構成されるスペクトルデータとして出力する。なお、スペクトルセンサ14は、波長情報と光強度情報とを同時に測定してもよいし、それぞれ必要なときに測定するようにしてもよい。
スペクトルデータ処理装置15は、例えば演算装置や記憶装置などを有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。スペクトルデータ処理装置15には、スペクトルセンサ14の検出した観測光のスペクトルデータが入力される。スペクトルデータ処理装置15は、入力された観測光のスペクトルデータに基づき観測された測定対象を識別してその結果を出力することで、同結果をヒューマンマシンインタフェース12や車両制御装置13に出力する。スペクトルデータ処理装置15には、複数の測定対象のそれぞれのスペクトルデータが辞書データとして格納されている辞書データ記憶部16と、辞書データとしての測定対象のスペクトルデータを観測光のスペクトルデータと比較する比較演算に基づき測定対象を識別する演算装置17とが備えられている。
辞書データ記憶部16は、公知の記憶装置に設けられている記憶領域の全部もしくは一部からなり、該記憶領域に辞書データとしてのスペクトルデータが格納される。辞書データは、識別したい対象としての測定対象のスペクトルデータからなり、識別したい測定対象の数だけ予め準備される。測定対象としては、例えば、移動体として歩行者(人)、自転車、自動二輪車、自動車などがあり、非移動体として、信号、標識、路面のペイント、ガードレール、店舗、看板などがある。また、測定対象としては、例えば、歩行者(人)をさらに詳細な属性によって、子供、老人、男性、女性などに分類し、自動車をさらに詳細な属性によって、トラック、バス、セダン、SUV、軽自動車などに分類してもよい。すなわち辞書データ記憶部16としての記憶領域は、予め準備される複数の辞書データを格納可能な記憶容量が満足されるように、一または複数の記憶装置の記憶領域から構成されてもよい。
辞書データとしてのスペクトルデータは、波長情報と光強度情報とを有している。例えば、一つの測定対象の辞書データとしては、スペクトルセンサが測定可能な波長帯域を同スペクトルセンサの波長分解能で除して求まる数の光強度情報が対応する波長情報と一対として設けられており、そのデータ量は多いものとなっている。例えば、比較演算に用いる波長帯域を400〜2500(nm)とし、その波長分解能を5(nm)とした場合、一つの測定対象のスペクトルデータには、420組からなる波長情報と光強度情報とが含まれている。
次に、辞書データとしてのスペクトルデータについて説明する。
図2は、測定対象のスペクトルデータの一例を示すグラフである。図2に示されるように、測定対象が「人」の場合、グラフMに示すようにスペクトルデータは波長の短い領域と長い領域とにそれぞれ突部を有した形状となり、測定対象が「車」の場合、グラフCに示すようにスペクトルデータは全体的に強度の変化が少なく波長帯域の中程に突部を有した形状となる。そしてこのようなスペクトルデータに基づき辞書データが設けられる。
図3は、辞書データとしてスペクトルデータの波長領域が制限された例を示すグラフであり、(a)は波長領域を2つ有する場合を示し、(b)は波長領域を1つ有する場合を示している。詳述すると、測定対象のスペクトルデータの分布する波長帯域は予め複数の波長領域B1〜B6に分割されている。そして、それら複数の波長領域B1〜B6のうち、特に特徴が顕著に現れている波長領域を、測定対象のスペクトルデータから選択して辞書データとして保持するようにしている。例えば、波長領域を2つ有する場合、図3(a)に示すように、測定対象が「人」のときには、「人」のスペクトルデータの属性に基づきその特徴が顕著に表れているとして、波長領域B2と波長領域B5とのスペクトルデータを保持する。また、測定対象が「車」のときには、「車」のスペクトルデータの属性に基づきその特徴が顕著に表れているとして、波長領域B4と波長領域B5とのスペクトルデータを保持する。これによって、全波長帯域のスペクトルデータを構成する波長領域の一部の波長領域か抜けたかたちとなるため、例えば辞書データとして全波長帯域のスペクトルデータを保持する場合と比較すると、そのデータ量が減少されるようになる。なお、スペクトルデータとして特徴が顕著に表れているか否かは、その波長領域における波長変化の統計処理などを行ない定める。すなわち、例えば、変化率が所定値以上であるということや、波長領域における最大値や最小値、極値や変曲点などを有するか否かによって定めるようにしてもよい。
保持する波長領域を1つにして、よりデータ量を減少させることもできる。例えば、図3(b)に示すように、測定対象が「人」のときには先と同様に「人」のスペクトルデータの属性に基づきその特徴が顕著に表れているとして、波長領域B5のスペクトルデータのみを保持する。また、測定対象が「車」のときにも先と同様に「車」のスペクトルデータの属性に基づきその特徴が顕著に表れているとして、波長領域B5のスペクトルデータのみを保持する。これによって、辞書データとして全波長帯域のスペクトルデータを保持する場合と比較すると、そのデータ量がさらに減少されるようになる。なお上述のように、辞書データとしてのスペクトルデータのデータ量が減少されるが、各辞書データとして保持されている波長領域の属性に基づくスペクトルデータは、測定対象のスペクトルデータとして特徴が顕著に表れている領域であるため、このような辞書データを用いた識別処理であれ、所要の識別精度が維持されるようになる。
これによれば、識別処理において、例えば、高い精度が必要な場合、多くの波長領域を有する高精度の辞書データを用い、低負荷が求められる場合、少ない波長領域を有する低負荷の辞書データを用いることなどによって、目的に応じた識別処理も可能となる。
また例えば、演算装置17の負荷状態に応じて、高い負荷の識別処理が行えるような場合、高精度の辞書データを用い、低い負荷の識別処理しか行なえないような場合、低負荷の辞書データを用いることによって、負荷状態に対応した識別処理も可能となる。この場合、識別処理に要する負荷や時間を、辞書データの選択によって変更することも可能となる。
次に、本実施形態のスペクトル測定装置における測定対象の識別について、図4を参照して説明する。図4は、スペクトル測定装置によって行なわれる測定対象の識別処理について示すフローチャートである。なお、この識別処理は、スペクトル測定装置11の起動中には繰り返し行なわれる。
識別処理が開始されると、スペクトルデータ処理装置15は、現在の情報レベルを取得する(図4のステップS10)。ここで、現在の情報レベルとは、測定対象を絞り込むための各種情報であり、例えば別途設けられる検出装置から検出された対象物の情報や、環境情報として天候や時間帯、走行地域の情報や、使用目的として運転支援の情報や、車両状態として速度、加速度、操舵角の情報などである。なお、これらの各種情報は、それぞれの情報に対応する公知の測定装置や検出装置などを通じて取得される。
また、スペクトルデータ処理装置15は、取得された情報レベルに応じて定められる優先度や出現率の高さに基づき、絞り込まれた測定対象を識別するために、それら絞り込まれた測定対象に対応する辞書データを絞り込む(図4のステップS11)。測定対象と辞書データの絞込みは、優先度や出現率の高さに基づき行われるが、このような絞込みは例えば、測定対象の優先度を各種状態に応じて予め設定している優先度マップや、測定対象の出現率を各種状態に応じて予め設定している出現率マップなどに基づき行われる。なお、このような絞り込みは、例えば、識別処理に用いられる各種の優先度によって設定してもよい。また、絞り込まれた辞書データへのアクセスに時間を要する場合には、それら絞り込まれた辞書データを、内部メモリなど短時間でアクセス可能な記憶装置に予め読み出しておくようにしてもよい。
スペクトルデータ処理装置15は、その演算装置17に随時入力される観測光のスペクトルデータを取得し(図4のステップS12)、入力された観測光のスペクトルデータを、選択された測定対象の辞書データと比較する認識演算を行う(図4のステップS13)。このとき、認識演算に高精度用と低負荷用のどちらの辞書データを用いるかは、演算装置17の状態などに応じて定めればよい。すなわち、演算装置17の演算能力に余力がある場合には、高精度の辞書データを選択し、演算装置17の演算能力に余力が少ない場合には、低負荷の辞書データを選択するようにすればよい。これによって、もともとデータ量の少ない辞書データに基づき行なわれる認識演算であれ、演算装置17の負荷状態に適した認識演算が行なわれるようにもなり、低負荷の辞書データに基づき行なわれる認識演算であればさらなる負荷及び時間が減少されるようになる。なお、演算装置17の負荷状態によらず、認識演算を低負荷の辞書データから始めるようにしてもよい。ところで、測定対象が複数ある場合には、いずれかの測定対象が認識されるか、または絞り込まれた測定対象が無くなるまで、優先度などによって定められた順に各測定対象との比較演算を行なうようにすればよい。
認識演算が終了すると、その認識精度が適切かどうか判断する(図4のステップS14)。例えば、測定対象の識別が最も詳細に行なわれた場合などには、識別精度は適切であったと判断する。一方、測定対象の識別をまだ詳細に行なうことが可能であるような場合などにおいては、識別精度は適切でなかったと判断する。
識別精度が適切であると判断された場合(図4のステップS14でYES)、スペクトルデータ処理装置15は、測定対象の識別結果、すなわち特定結果を出力する(図4のステップS15)。そして、この識別処理は終了される。
一方、識別精度が適切ではなかったと判断された場合(図4のステップS14でNO)、スペクトルデータ処理装置15は、同測定対象の認識処理に用いられる辞書データを高精度の辞書データに変更して(図4のステップS16)、識別処理をステップS13に戻し、測定対象の識別を行うようにする。すなわち、本実施形態では、辞書データ変更は、低負荷の辞書データを、高精度の辞書データに変更するようにして行なわれる。これによって、測定対象の識別処理が、より高い精度で行なわれるようになる。
このように、通常はデータ量の多い測定対象のスペクトルデータからなる辞書データの代わりに、データ量を減少させた辞書データを認識演算に用いることによって、適切な識別精度を維持しつつ、識別処理に要する時間を減少させることができるようになる。また、辞書データのデータ量の減少によって、辞書データを保持させておく辞書データ記憶部16の容量を減少させることもできるようになる。
以上説明したように、本実施形態の移動体用スペクトル測定装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)観測光のスペクトルデータを、辞書データのスペクトルデータの一部の波長帯域と比較するようにした。これによって、測定対象を識別するために行なわれる演算処理に要する時間が減少され、観測光のスペクトルデータに基づき行なわれる測定対象の識別に係る処理を実時間で行なうことができるようにもなる。その結果、スペクトル測定装置11が、移動体としての車両10に搭載される場合であれ、該車両10によって測定対象の識別が実時間で行なうこともできるようになり、実時間処理を要する運転支援への該スペクトル測定装置の採用可能が高められるようになる。
(2)測定対象を識別するために要する演算量の減少は、内部メモリなどの記憶装置の記憶容量を減少させることとなる。その結果、スペクトル測定装置11の構成を容易にするなどして、その汎用性を高めるようにもなり、スペクトル測定装置11の移動体への採用可能性を高める。
(3)辞書データ記憶部16には、スペクトルデータとして特徴が顕著に表れている波長領域のみが辞書データとして保持されている。この辞書データに基づき行なわれる比較演算としての認識演算は、辞書データに保持されている波長領域のみについて行なわれる。これによって、測定対象を識別するための演算処理に要する時間が、減少される。
(4)比較に用いられる波長領域は、辞書データとして保持されているスペクトルデータの特徴が顕著に表れている波長領域のみに限られる。このため、データ量が減少され、該データを保持する記憶部の記憶容量も減少されるようになる。
(5)辞書データに含まれる複数の波長領域は、スペクトルデータとして測定対象の属性に基づく特徴的な変化が含まれる波長領域のみからなる。よって、比較演算は、辞書データに含まれる特徴的な変化を有する有意なデータを含む波長領域のみと行なわれる。これによって、比較演算の演算量の減少および辞書データの容量の減少を図ることができるとともに、特徴的な変化との比較によって測定対象の識別精度を適切に維持することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第2の実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。なお、本実施形態は、先の第1の実施形態とは、その構成は同一であり、辞書データに保持されているスペクトルデータの態様が相違する。以下では主に、先の第1の実施形態との相違点を中心に、スペクトル測定装置11としての識別処理について説明する。また、スペクトル測定装置11の構成については、先に示した第1の実施形態と重複する説明を省略する。
図5は、測定対象のスペクトルデータを示すグラフであり、(a)は測定対象が「人」の場合を示し、(b)は測定対象が「車」の場合を示す。図5(a)のグラフMに示すように、「人」のスペクトルデータには起伏があり、そのグラフには3つの極値がそれぞれ波長fm1,fm2,fm3に対応して存在している。すなわち、グラフMには、極値に対応する輝線スペクトルが波長fm1,fm2,fm3に分布している。また、図5(b)のグラフCに示すように、「車」のスペクトルデータには起伏があり、そのグラフには3つの極値がそれぞれ波長fc1,fc2,fc3に対応して存在している。すなわち、グラフCには、極値に対応する輝線スペクトルが波長fc1,fc2,fc3に分布している。なお、輝線スペクトルは、スペクトルデータの極値に対応する波長に限らず、変曲点などに対応する波長のスペクトルでもよい。
そして本実施形態では、辞書データ記憶部16に保持される測定対象のスペクトルデータとして、各極値毎の波長情報とそれに対応する波長強度情報からなる輝線スペクトルのみを有する。これによって、辞書データとして全波長帯域のスペクトルデータを保持する場合と比較すると、そのデータ量が減少されるようになる。なお、このとき、輝線スペクトルの数の多いものを高精度の辞書データとし、それより輝線スペクトルの数の少ないものを低負荷の辞書データとしてもよい。スペクトルデータとして輝線スペクトルのみを有する場合であれ、測定対象の輝線スペクトルは測定対象毎に特徴的に分布しているものであり、このようなスペクトルデータに基づいた認識処理であれ、所定の識別精度を確保することができるようになる。また、このようにデータ量の削減された辞書データを用いての識別処理であれば、それに要する時間も減少されるようになる。
次に、本実施形態のスペクトル測定装置における測定対象の識別について、図6を参照して説明する。図6は、スペクトル測定装置によって行なわれる測定対象の識別処理について示すフローチャートである。なお、この識別処理も先の第1の実施形態と同様の工程を有しており、説明の便宜上その重複する説明を省略する。
識別処理が開始されると、スペクトルデータ処理装置15は、現在の情報レベルを取得して(図6のステップS20)、取得された情報レベルに応じて定められる優先度や出現率に基づき、優先度や出現率の高い測定対象を識別するために識別処理に用いる辞書データを、測定対象に応じて絞り込む(図6のステップS21)。
スペクトルデータ処理装置15は、その演算装置17に随時入力される観測光のスペクトルデータを取得し(図6のステップS22)、入力された観測光のスペクトルデータを、選択された測定対象の辞書データと比較する認識演算を行う(図6のステップS23)。このとき、認識演算に用いられる辞書データは、演算装置17の状態などにも応じて定められてもよい。すなわち、演算装置17の演算能力に余力がある場合には、高精度の辞書データを選択し、演算装置17の演算能力に余力が少ない場合には、低負荷の辞書データを選択するようにする。これによって、認識演算が、データ量の少ない低負荷の辞書データに基づき行われるとともに、演算装置17の負荷状態に応じて低負荷の辞書データを用いれば、さらに負荷及び時間が減少されるようになる。なお、演算装置17の負荷状態によらず、認識演算を低負荷の辞書データから始めるようにしてもよい。
認識演算が終了すると、その認識精度が適切かどうか判断する(図6のステップS24)。例えば、測定対象の識別が最も詳細に行なわれた場合などには、識別精度は適切であったと判断する。一方、測定対象の識別がまだ詳細に行なうことが可能であるような場合などにおいては、識別精度は適切でなかったと判断する。
識別精度が適切であると判断された場合(図6のステップS24でYES)、スペクトルデータ処理装置15は、測定対象の識別結果、すなわち特定結果を出力する(図6のステップS25)。そして、この識別処理は終了される。
一方、識別精度が適切ではなかったと判断された場合(図6のステップS24でNO)、スペクトルデータ処理装置15は、同測定対象の認識処理に用いられる辞書データを高精度の辞書データに変更して(図6のステップS26)、識別処理をステップS23に戻し、測定対象の識別を行うようにする。
このように、通常はデータ量の多い測定対象のスペクトルデータからなる辞書データの代わりに、データ量をより減少させた辞書データを認識演算に用いることによって、所定の識別精度を維持しつつ、識別処理に要する時間を減少させることができるようになる。また、辞書データのデータ量のさらなる減少によって、辞書データを記憶させておく辞書データ記憶部16の容量を減少させることもできるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても先の第1の実施形態の前記(1)〜(5)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(6)辞書データ記憶部16には、複数の波長領域B1〜B6に分割された領域の各輝線スペクトルを表すデータが、辞書データとして保持される。この辞書データに基づき行なわれる比較演算は、その辞書データに保持されている輝線スペクトルのみについて行なわれる。これによって、測定対象を識別するための演算処理に要する時間が、大幅に減少される。また、辞書データとして保持されているスペクトルデータが輝線スペクトルのみに限られるため、記憶部の記憶容量も大幅に減少されるようになる。
(7)辞書データに含まれる複数の輝線スペクトルは、測定対象の属性に応じて定まる。このことから、比較演算は、その辞書データに含まれる測定対象の属性に応じた有意なデータとしての輝線スペクトルに基づき行なわれる。これによって、比較演算の演算量の減少および辞書データの容量の減少を図ることができるとともに、測定対象の属性との比較によって測定対象の識別精度を適切に維持することができる。
(第3の実施形態)
図7に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第3の実施形態についてその概略構成を示す。なお、本実施形態は、先の第1の実施形態とは、スペクトルセンサ14がスペクトルセンサ14Aに変更された点と、スペクトルセンサ制御装置40と対象検知装置50とが追加された点が相違するとともに、辞書データに保持されているスペクトルデータの態様が相違する。以下では主に、先の第1の実施形態との相違点を中心に、同スペクトル測定装置11としての具体的な構成について説明する。また、図7において、先に示した第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図7は、移動体用スペクトル測定装置を備える移動体としての車両に備えられた機能のブロック構成を示す図である。図7に示すように、車両10には、スペクトル測定装置11と、ヒューマンマシンインタフェース12と、車両制御装置13とに加えて、対象検知装置50が設けられている。
対象検知装置50は、公知の画像処理システムや特定対象を検出する各種の検知装置であり、接続されている演算装置17にその検出された対象物の情報を伝達する。なお、本実施形態では、対象検知装置50は、車両が走行する道路環境において出現率の高い対象物である人、車、信号機などを検出する装置である。すなわち、演算装置17には、対象検知装置50から人、車、信号機などの対象物の出現が通知される。対象検知装置50としては、例えば、人や動物を検出する各種センサや、近傍の車を検出する各種センサなどでもよい。
スペクトル測定装置11には、スペクトルセンサ14Aとスペクトルデータ処理装置15とスペクトルセンサ制御装置40とが設けられている。スペクトルデータ処理装置15には、演算装置17と辞書データ記憶部16とが設けられている。
スペクトルセンサ14Aは、第1の実施形態のスペクトルセンサ14と同様に、検出した観測光を波長情報と光強度情報とからなるスペクトルデータとして出力する。また、本実施形態では、スペクトルセンサ14Aは、光強度情報を検出する波長を変更することが可能になっており、例えば、波長分解能と波長帯域を設定することで、同波長分解能と同波長帯域から規定される波長の光強度情報のみを検出することができるようになっている。これによってスペクトルセンサ14Aは、観測光のスペクトルデータを、波長分解能と波長帯域とが制限されたスペクトルデータとして出力するようになっている。
演算装置17は、接続されている対象検知装置50から通知された情報に基づき、測定対象を選択する。これによって、対象検知装置50が検知した対象物について、迅速に詳細な識別が行なわれるようになる。
スペクトルセンサ制御装置40は、演算装置17とスペクトルセンサ14Aとに接続されており、演算装置17によって選択された測定対象に応じて、同演算装置17より観測光から検出する波長分解能と波長帯域などの規制情報が入力され、同規制情報をスペクトルセンサ14Aに設定する。
図8は、測定対象のスペクトルデータを示すグラフであり、(a)及び(b)は「人」と「車」のスペクトルデータをそれぞれ示している。図8(a)に示すように、「人」のスペクトルデータのグラフMと、「車」のスペクトルデータのグラフCとを重ね合わせたときに強度の差が大きくなる部分が複数あり、それぞれグラフMにおける波長fm11,fm12,fm13に対応している。同様に図8(b)に示すように、「人」と「車」のそれぞれのスペクトルデータのグラフMとグラフCとを重ね合わせたときに強度の差が大きくなる複数部分は、それぞれグラフCにおける波長fc11,fc12,fc13に対応している。なおこのとき、波長fm11は波長fc11と同じ波長であり、波長fm12は波長fc12と同じ波長であり、波長fm13は波長fc13とは同じ波長である。
なお、本実施形態では、辞書データ記憶部16に保持される測定対象のスペクトルデータとして、測定対象が「人」の場合には波長fm11,fm12,fm13における各波長強度情報を有し、測定対象が「車」の場合には波長fc11,fc12,fc13における各波長強度情報を有する。これによって、辞書データとして全波長帯域のスペクトルデータを保持する場合と比較すると、そのデータ量が減少されるようになる。スペクトルデータとして例えば、2つの測定対象の差が大きい部分の波長強度情報(スペクトル)のみを有する場合であれ、この2つの測定対象の関係においてはそれらを高い精度で識別できる程度の特徴を有するようになり、高い識別精度を確保することができるようになる。また、このようにデータ量の削減された辞書データを用いての識別処理であれば、それに要する時間も減少されるようになる。なお、このとき対象とされる2つの測定対象については、特に発現率の高いもの同士などを選択することによって、それらの迅速な識別を図ることができるようになる。また、スペクトル測定装置11の測定対象が「人」と「車」に限定されているような場合には、それらの識別処理が好適に行なわれるようになる。
このようにすることで、通常はデータ量の多い測定対象のスペクトルデータからなる辞書データのデータ量をより減少させて、所定の識別精度を維持しつつ、識別処理に要する時間を減少させることができるようになる。また、辞書データのデータ量の減少によって、辞書データを記憶させておく辞書データ記憶部16の容量を減少させることもできるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても先の第1の実施形態の前記(1)〜(5)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(8)辞書データに含まれる複数の輝線スペクトルは、2つの測定対象の属性に応じて定まる。よって比較演算は、その辞書データに含まれる2つの測定対象の属性に応じた有意なデータとしての輝線スペクトルに基づき、行なわれる。これによって、比較演算の演算量の減少および辞書データの容量の減少を図ることができるとともに、2つの測定対象の属性との比較によって、2つの測定対象の識別精度を適切に維持することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第4の実施形態について、図9を参照して説明する。なお、本実施形態は、先の第1の実施形態とは、その構成は同一であり、辞書データに保持されているスペクトルデータの態様が相違する。以下では主に、先の第1の実施形態との相違点としての辞書データに保持されているスペクトルデータの態様について説明する。また、スペクトル測定装置11の構成については、先に示した第1の実施形態と重複する説明を省略する。
なお、本実施形態にでは、辞書データが有するデータは、スペクトルデータそのものである必要がなく、測定対象の属性に基づき設定される測定対象の識別が可能なデータであればよく、説明の便宜上、この辞書データのデータを、属性マップデータと言う。
図9は、測定対象のスペクトルデータを示すグラフであり、(a)及び(b)は、「人」と「車」のスペクトルデータのグラフM,Cをそれぞれ示している。なお図9(a)には、予め分割されている波長領域のうちの一部の波長領域B2,B4,B5が示されており、図9(b)には、予め分割されている波長領域のうちの一部の波長領域B5が示されている。
本実施形態では、辞書データ記憶部16に保持される測定対象の辞書データとしての属性マップデータは、測定対象のスペクトルデータのうち特徴が顕著に表れている波長領域と、その波長領域における強度情報とを有している。また、複数の波長領域の強度情報を有する高精度の辞書データと、それより少ない波長領域の強度情報しか有さない低負荷の辞書データとを有している。例えば、2つの波長領域を有する高精度の辞書データは、図9(a)に示されるように、測定対象が「人」の場合、波長領域B2の情報とその最大強度の波長強度Pm1と、波長領域B5の情報とその最大強度の波長強度Pm2とを有している。また、測定対象が「車」の場合、波長領域B4の情報とその最大強度の波長強度Pc2と、波長領域B5の情報とその最小強度の波長強度Pc1とを有している。また、一つの波長領域を有する低負荷の辞書データは、図9(b)に示されるように、測定対象が「人」の場合、波長領域B5の情報とその最大強度の波長強度Pm2を有している。また、測定対象が「車」の場合、波長領域B5の情報とその最小強度の波長強度Pc1を有している。これによって、辞書データとして全波長帯域のスペクトルデータを保持する場合と比較すると、そのデータ量が減少されるようになる。また、このようにデータ量の削減された辞書データを用いての識別処理であれば、それに要する時間も減少されるようになる。なお、本実施形態では、波長強度Pm1,Pm2,Pc1,Pc2はいわゆる極値であるので、輝線スペクトルと一致することとなっている。
なお、属性マップデータは、例えば、最高点とその突部の幅からなる情報や、変化率の大きい波長域の情報など、スペクトルデータの全体の中で各種の統計データによって顕著な変化の表れるようなところをからなるデータでもよい。その場合にも、辞書データとして全波長帯域のスペクトルデータを保持する場合と比較すると、そのデータ量が減少されるようになる。また、図10に示すように、属性マップデータを、辞書データ記憶部16とは別に設けられる属性マップ記憶部19に保持し、演算装置17は、属性マップ記憶部19にアクセスして属性マップデータを取得するようにしてもよい。
このように、通常はデータ量の多い測定対象のスペクトルデータからなる辞書データの代わりに、データ量をより減少させた辞書データを認識演算に用いることによって、必要とされる識別精度を維持しつつ、識別処理に要する時間を減少させることができるようになる。また、辞書データのデータ量の減少によって、辞書データを記憶させておく辞書データ記憶部16の容量を減少させることもできるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても先の第1の実施形態の前記(1)〜(5)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(9)観測光のスペクトルデータは、辞書データ記憶部16もしくは属性マップ記憶部19に格納された輝線スペクトルを表すデータのみと比較される。よって、測定対象の識別処理に要する時間を、少なくすることができる。このように識別の際に行なわれる比較演算の回数を減少させることによって、スペクトル測定装置が測定対象の識別に要する時間を減少させることができる。
(第5の実施形態)
図11に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第5の実施形態についてその概略構成を示す。なお、本実施形態は、先の第1の実施形態とは、波長情報データ記憶部18が追加された点が相違する。以下では主に、先の第1の実施形態との相違点を中心に、同スペクトル測定装置11としての具体的な構成について説明する。また、図11において、先に示した第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図11は、移動体用スペクトル測定装置を備える移動体としての車両に備えられた機能のブロック構成を示す図である。図11に示すように、車両10には、スペクトル測定装置11と、ヒューマンマシンインタフェース12と、車両制御装置13とに加えて、波長情報データ記憶部18が設けられている。
辞書データ記憶部16には、「人」のスペクトルデータに対応する辞書データとして、図12のグラフMに示されるような、波長の短い領域と長い領域とにそれぞれ突部を有した形状のスペクトルデータが保持されている。この辞書データとしてのスペクトルデータは、波長情報と光強度情報とを有しており、そのデータ量は多いものとなっている。例えば、比較演算に用いる波長帯域を400〜2500(nm)とし、その波長分解能を5(nm)とした場合、一つの測定対象のスペクトルデータには、420組からなる波長情報と光強度情報とが含まれている。
波長情報データ記憶部18には、測定対象に応じて、スペクトルデータの予め分割された複数の波長領域のうち、特徴が顕著に表れている波長領域についての情報を有する波長情報データが保持されている。また、波長情報データは、高精度用と低負荷用の波長情報データが設けられている。すなわち、図13(a)に示すように、測定対象が「人」の場合、高精度の波長情報データとしては、「人」のスペクトルデータの波長帯域うち2つの波長領域B2,B5が設定されている。また、図13(b)に示すように、測定対象が「人」の場合、低負荷の波長情報データとしては、「人」のスペクトルデータの波長帯域うち一つの波長領域B5が設定されている。
このように、辞書データ記憶部16に保持されている測定対象「人」のスペクトルデータに、波長情報データ記憶部18に保持されている「人」用の高精度または低負荷の波長情報データを適用する。その結果、辞書データとして、波長情報データに設定された波長領域のみからなるデータの量の少ないスペクトルデータを得ることができるようになる。すなわち、広い波長帯域を有するスペクトルデータからなる辞書データについて、使用しない波長帯域を不使用領域として設定し、不使用領域が除かれたスペクトルデータを比較演算に用いるようにする。なお、不使用領域は、特徴的な変化が少ないので、不使用領域による識別精度の低下は小さくすることもできる。
次に、本実施形態のスペクトル測定装置における測定対象の識別について、図14を参照して説明する。図14は、スペクトル測定装置によって行なわれる測定対象の識別処理について示すフローチャートである。なお、この識別処理は、スペクトル測定装置11の起動中には繰り返し行なわれる。
識別処理が開始されると、スペクトルデータ処理装置15は、現在の情報レベルを取得する(図14のステップS30)。ここで、現在の情報レベルとは、測定対象を絞り込むための各種情報であり、例えば別途設けられる検出装置から検出された対象物の情報や、環境情報として天候や時間帯、走行地域の情報や、使用目的として運転支援の情報や、車両状態として速度、加速度、操舵角の情報などである。なお、これらの各種情報は、それぞれの情報に対応する公知の測定装置や検出装置を通じて取得される。
また、スペクトルデータ処理装置15は、取得された情報レベルに応じて定められる優先度や出現率に基づき、絞り込まれた優先度や出現率の高い測定対象を識別するために、それら絞り込まれた測定対象に対応する辞書データを絞り込む(図14のステップS31)。測定対象と識別辞書データの絞込みは、優先度や出現率の高い測定対象に基づき行われるが、このような絞込みは例えば、各種状態に応じた測定対象の優先度を指定している予め設けられた優先度マップや、各種状態に応じた測定対象の出現率を指定している予め設けられた出現率マップなどに基づき行われる。なお、このような絞り込みは、例えば、識別処理において設定される各種の優先度によって行なわれるようにしてもよい。また、絞り込まれた辞書データへのアクセスに時間を要する場合には、それら絞り込まれた辞書データを、メモリなどの短時間でアクセス可能な記憶装置に予め読み出しておくようにしてもよい。
スペクトルデータ処理装置15は、その演算装置17に随時入力される観測光のスペクトルデータを取得する(図14のステップS32)。
本実施形態では、スペクトルデータ処理装置15は、選択された測定対象に対応する波長情報データを、波長情報データ記憶部18から取得する(図14のステップS33)。このとき、認識演算によって辞書データの波長帯域を制限する波長情報データとして、高精度用を用いるか低負荷用を用いるかは、演算装置17の状態などに応じて定めればよい。すなわち、演算装置17の演算能力に余力がある場合には、高精度の波長情報データを選択し、演算装置17の演算能力に余力が少ない場合には、低負荷の波長情報データを選択すればよい。これによって、もともと少ないデータ量に基づき行なわれる認識演算であれ、演算装置17の負荷状態に適した認識演算が行なわれるようにもなり、低負荷の辞書データに基づき行なわれる認識演算であれば、さらなる負荷及び時間が減少されるようになる。なお、演算装置17の負荷状態によらず、認識演算を、低負荷の波長情報データから始めるようにしてもよい。
そして、スペクトルデータ処理装置15は、入力された観測光のスペクトルデータを、選択された測定対象の辞書データと比較する認識演算を行なう。この認識演算では、波長情報データに指定された波長領域のみが、比較に用いられる(図14のステップS34)。ここで認識演算が終了すると、その認識精度が適切かどうか判断する(図14のステップS35)。例えば、測定対象の識別が最も詳細に行なわれた場合には、識別精度は適切であったと判断する。一方、測定対象の識別がまだ詳細に行なうことが可能であるような場合などにおいては、識別精度は適切でなかったと判断する。
識別精度が適切であると判断された場合(図14のステップS35でYES)、スペクトルデータ処理装置15は、測定対象の識別結果、すなわち特定結果を出力する(図14のステップS36)。そして、この識別処理は終了される。
一方、識別精度が適切ではなかったと判断された場合(図14のステップS35でNO)、スペクトルデータ処理装置15は、認識精度が高くなるように変更して(図14のステップS37)、識別処理をステップS33に戻し、高負荷用の波長情報データを選択し、測定対象の識別を行うようにする。すなわち、本実施形態では、認識精度の変更は、波長情報データを、低負荷用から高負荷用に変更するようにして行なわれる。これによって、測定対象の識別処理が、より高い精度で行なわれるようになる。
これによって、適切な識別精度を維持しつつ、認識演算におけるデータ量を減少させることによって、識別処理に要する時間の増加を抑制することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても先の第1の実施形態の前記(1)及び(2)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(10)辞書データにされるスペクトルデータに、不使用領域を設定し、不使用領域以外のスペクトルデータを、測定対象を認識するための比較演算に使用する。よって、比較演算を行なう波長領域の減少に伴い、該演算に要する時間が減少されるようになる。
(11)スペクトルデータとして特徴的な変化が少ない領域が、不使用領域に設定される。よって比較演算は、特徴的な変化の少ない不使用領域を除いた部分、すなわち特徴的な変化を有する有意なデータによって行なわれる。これによって、比較演算の演算量の減少を図ることができるとともに、特徴的な変化を有するデータとの比較によって、測定対象の識別精度を適切に維持することができる。
(第6の実施形態)
次に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第6の実施形態について、図15及び図16を参照して説明する。なお、本実施形態は、先の第5の実施形態とは、その構成は同一であり、辞書データに保持されているスペクトルデータの態様、及び識別処理の工程の一部が相違する。以下では主に、先の第5の実施形態との相違点を中心に、同スペクトル測定装置11としての識別処理について説明する。また、スペクトル測定装置11の構成については、先に示した第5の実施形態と重複する説明を省略する。
辞書データ記憶部16には、「人」に対応する辞書データとして、図15のグラフMに示されるような、波長の短い領域と長い領域とにそれぞれ突部を有した形状のスペクトルデータが保持されている。前述のようにこの辞書データは多くの波長情報と光強度情報を含み、そのデータ量は多いものとなっている。
波長情報データ記憶部18には、波長情報データとして、測定対象に応じて、スペクトルデータの特徴的な部分である輝線スペクトルが保持されている。また、波長情報データとして、高精度用と低負荷用の波長情報データが設けられてもよい。例えば、図15に示すように、測定対象が「人」の場合の高精度の波長情報データとしては、「人」のスペクトルデータの波長fm1,fm2,fm3のそれぞれに対応する輝線スペクトルが設定される。また、低負荷の波長情報データとしては、「人」のスペクトルデータの波長fm3のみの輝線スペクトルのみが設定されるようにしてもよい。
このように、辞書データ記憶部16に保持されている測定対象「人」のスペクトルデータに、波長情報データ記憶部18に保持されている「人」用の高精度または低負荷の波長情報データを適用するようにする。そうすれば、波長帯域が波長情報データに制限された、データの量の少ないスペクトルデータを得ることができるようになる。
次に、本実施形態のスペクトル測定装置における測定対象の識別について、図16を参照して説明する。図16は、スペクトル測定装置によって行なわれる測定対象の識別処理について示すフローチャートである。なお、この識別処理も先の第5の実施形態と同様の工程を有しており、説明の便宜上その重複する説明を省略する。
識別処理が開始されると、スペクトルデータ処理装置15は、現在の情報レベルを取得し(図16のステップS40)、取得された情報レベルに応じて定められる、測定対象を識別するために識別処理に用いる辞書データを絞り込む(図16のステップS41)。
スペクトルデータ処理装置15は、その演算装置17に随時入力される観測光のスペクトルデータを取得する(図16のステップS42)。
また、本実施形態は、認識演算に先立ち、仮識別を行なう場合を例示している。すなわち、例えば、前述の一つの輝線スペクトルや属性マップデータなどの先の各辞書データのうち特に低負荷の辞書データや、スペクトルデータ以外の情報に基づき観測光のスペクトルデータから、測定対象の属性などを認識する(図16のステップS43)。その認識された測定対象の属性などによって、認識対象となる測定対象を所定の範囲に限定し(図16のステップS44)、その限定結果を出力する(図16のステップS45)。このように、認識演算に先立ち行なわれる仮識別などによれば、測定対象の絞り込みが行なわれ、識別が迅速になされるようにもなる。
仮識別の結果が出力されると、スペクトルデータ処理装置15は、選択された測定対象を、仮識別の結果によってより絞り込み、その上で選択される測定対象に対応する波長情報データを、波長情報データ記憶部18から取得する(図16のステップS46)。
そして、スペクトルデータ処理装置15は、入力された観測光のスペクトルデータを、選択された測定対象の辞書データと比較する認識演算を行なう。この認識演算では、波長情報データに指定された輝線スペクトルのみが、比較に用いられる(図16のステップS47)。ここで認識演算が終了すると、その認識精度が適切かどうか判断する(図16のステップS48)。識別精度が適切であると判断された場合(図16のステップS48でYES)、スペクトルデータ処理装置15は、測定対象の識別結果、すなわち特定結果を出力する(図16のステップS49)。そして、この識別処理は終了される。
一方、識別精度が適切ではなかったと判断された場合(図16のステップS48でNO)、スペクトルデータ処理装置15は、認識精度が高くなるように変更して(図16のステップS50)、識別処理をステップS46に戻し、高精度用の波長情報データを選択し、測定対象の識別を行うようにする。すなわち、本実施形態では、認識精度の変更は、波長情報データを、低負荷用から高精度用に変更するようにして行なわれる。これによって、測定対象の識別処理が、より高い精度で行なわれるようになる。
このようにすることで、適切な識別精度を維持しつつ、認識演算におけるデータ量を減少させて、識別処理に要する時間の増加を抑制することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても先の第1の実施形態の前記(1)及び(2)、先の第5の実施形態の前記(10)及び(11)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(12)波長情報データ記憶部18には、複数の波長領域に分割された領域の各輝線スペクトルが設定されている波長情報データが保持される。この波長情報データと辞書データに基づき行なわれる比較演算は、その辞書データに保持されている輝線スペクトルのみについて行なわれる。これによって、測定対象を識別するための演算処理に要する時間が、大幅に減少される。
(第7の実施形態)
次に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第7の実施形態について、図17を参照して説明する。なお、本実施形態は、先の第5の実施形態とは、その構成は同一であり、辞書データに保持されているスペクトルデータの態様が相違する。以下では主に、先の第5の実施形態との相違点を中心に、同スペクトル測定装置11としての識別処理について説明する。また、スペクトル測定装置11の構成については、先に示した第5の実施形態と重複する説明を省略する。
辞書データ記憶部16には、「人」に対応する辞書データとして、図17のグラフMに示されるような、波長の短い領域と長い領域とにそれぞれ突部を有した形状のスペクトルデータが保持されている。前述のようにこの辞書データは多くの波長情報と光強度情報を含み、そのデータ量は多い。
波長情報データ記憶部18には、波長情報データとして、測定対象に応じて、スペクトルデータの特徴的な部分である波長領域が保持されている。また、波長情報データは、高精度用と低負荷用の波長情報データを有する。すなわち、図17に示すように、測定対象が「人」の場合の低負荷の波長情報データとしては、「人」のスペクトルデータの波長領域B5が設定される。また、高精度の波長情報データとしては、「人」のスペクトルデータの波長領域B5を、短波長の方向に波長域B5a、長波長の方向に波長域B5bだけそれぞれ広げた波長領域B5αが設定されている。なお、波長領域B5に対して変更させる波長領域は、その拡大もしくは縮小が任意の変化量によって行なわれるようにしてもよく、その場合には、識別精度の細かな調整も可能となる。
これによって、辞書データ記憶部16に保持されている測定対象「人」のスペクトルデータに、波長情報データ記憶部18に保持されている「人」用の高精度または低負荷の波長情報データを適用するようにすれば、波長帯域が波長情報データに制限された、データの量の少ないスペクトルデータを得ることができるようになる。
このようにすることで、適切な識別精度を維持しつつ、認識演算におけるデータ量を減少させて、識別処理に要する時間の増加を抑制することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても先の第1の実施形態の前記(1)及び(2)、先の第5の実施形態の前記(10)及び(11)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(13)不使用領域の拡大もしくは縮小によって、その識別レベルが低くもしくは高く変更されるようになる。よって、実時間処理に応じて必要とされる適切な識別レベルを、選択することができるようになる。
(第8の実施形態)
図18に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第8の実施形態についてその概略構成を示す。なお、本実施形態は、先の第3の実施形態とは、対象検知装置50が環境情報取得装置52に変更された点が相違する。以下では主に、先の第1及び第3の実施形態との相違点を中心に、同スペクトル測定装置11としての具体的な構成について説明する。また、図18において、先に示した第1及び第3の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図18は、移動体用スペクトル測定装置を備える移動体としての車両に備えられた機能のブロック構成を示す図である。図18に示すように、車両10には、スペクトル測定装置11と、ヒューマンマシンインタフェース12と、車両制御装置13とに加えて、環境情報取得装置52が設けられている。
環境情報取得装置52は、車両10の外部環境の情報、例えば天候や位置などを取得する各種の環境取得装置であり、接続されている演算装置17に、その検出された環境情報を伝達する。なお、本実施形態では、環境情報取得装置52として、車両10の位置情報を検知して、同位置を表示パネルの地図上に示し搭乗者などに伝えるいわゆるナビゲーションシステムが採用されている。その他に、環境情報取得装置52としては、天候を取得するときには、ワイパー動作を検知したり、温度計や湿度計、もしくは気圧計の値を取得したり、ラジオや気象通報システムなどから通信によって取得するような装置でもよい。また、環境情報取得装置52は、位置を取得するときには、GPS(Global Positioning System)による位置情報や、同位置情報と地図の組み合わせなどによって位置を特定するいわゆるナビゲーションシステムを用いたり、位置情報を通報するシステムから通信によって取得するような装置でもよい。
スペクトル測定装置11には、スペクトルセンサ14Aとスペクトルデータ処理装置15とスペクトルセンサ制御装置40とが設けられている。スペクトルデータ処理装置15には、演算装置17と辞書データ記憶部16とが設けられている。
スペクトルセンサ14Aは、第3の実施形態と同様に、検出した観測光を、波長情報と光強度情報とからなるスペクトルデータとして出力するとともに、光強度情報を検出する波長を変更することが可能になっている。
演算装置17は、接続されている環境情報取得装置52から通知された情報に基づき、測定対象を選択する。これによって、環境情報取得装置52からの情報に基づき選択される測定対象について、迅速に詳細な識別が行なわれるようになる。
これによって、スペクトル測定装置において識別処理に要する時間の軽減を、図ることができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても先の第1〜第7の実施形態の前記(1)〜(13)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(14)環境情報取得装置52によって取得された環境情報に応じて、例えば出現率の高くなる測定対象や優先度の高くなる測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにする。このことで、測定対象の早期の識別を可能とする。また、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれ、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
(15)取得された環境情報が天候情報である場合、雨の場合であれば出現率の高い傘や水溜り、もしくは濡れた状態の測定対象など、晴れの場合には優先度が低くなる測定対象の優先度を高くして、測定対象の早期の識別が図られるようにする。また、環境情報が移動体の位置情報である場合、優先度の高い測定対象を、自動車専用道路であれば車や路上の白線にし、田畑の間の道では道路にし、市街地では人や信号にし、住宅街では人、特に子供や高齢者に設定するようにして、測定対象の早期の識別が図られるようにする。
(第9の実施形態)
図19に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第9の実施形態についてその概略構成を示す。なお、本実施形態は、先の第3の実施形態とは、対象検知装置50が使用目的選択装置54に変更された点が相違する。以下では主に、先の第1及び第3の実施形態との相違点を中心に、同スペクトル測定装置11としての具体的な構成について説明する。また、図19において、先に示した第1及び第3の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図19は、移動体用スペクトル測定装置を備える移動体としての車両に備えられた機能のブロック構成を示す図である。図19に示すように、車両10には、スペクトル測定装置11と、ヒューマンマシンインタフェース12と、車両制御装置13とに加えて、使用目的選択装置54が設けられている。
使用目的選択装置54は、車両10のシステム稼動状態や操作者の選択によって測定対象を絞り込む装置であり、接続されている演算装置17に、その絞り込まれた測定対象を伝達する。例えば、使用目的選択装置54として、車両10に設けられた識別対象選択ボタンが採用されてもよい。その他に、使用目的選択装置54としては、先行車両との車間を制御する車間維持制御(ACC)による運転支援が行なわれている場合、測定対象を車と選択してもよい。また、車両が走行する車線を制御する車線維持支援制御(LKA)による運転支援が行なわれている場合、測定対象を路面の白線としたりしてもよい。また、車載用暗視装置(ナイトビュー)による運転支援が行なわれている場合、測定対象を歩行者としてもよい。このように運転支援システムとの協働のもとによる測定対象の識別が同支援の目的に適して行なわれれば、移動体用スペクトル測定装置の利用可能性が高められるようにもなる。
スペクトル測定装置11には、スペクトルセンサ14Aとスペクトルデータ処理装置15とスペクトルセンサ制御装置40とが設けられている。スペクトルデータ処理装置15には、演算装置17と辞書データ記憶部16とが設けられている。
スペクトルセンサ14Aは、第3の実施形態と同様に、検出した観測光を、波長情報と光強度情報とからなるスペクトルデータとして出力するとともに、光強度情報を検出する波長を変更することが可能になっている。
演算装置17は、接続されている使用目的選択装置54から通知された情報に基づき、測定対象を選択する。これによって、使用目的選択装置54からの情報に基づき選択される測定対象について、迅速に詳細な識別が行なわれるようになる。
よって、スペクトル測定装置において識別処理に要する時間の軽減を、図ることができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても先の第1〜第7の実施形態の前記(1)〜(13)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(16)使用目的選択装置54によって設定された測定対処について、優先的に識別処理を行なうことができるようになる。これによって、移動体においてスペクトル測定装置11による支援が必要な測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにするようにすることで、測定対象の早期の識別を可能とする。さらに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれ、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
(17)運転支援システムの使用目的によって定まる優先度の高い測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにする。よって、測定対象の早期の識別を可能とするとともに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれ、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。例えば、先行車両との車間を制御する車間維持制御(ACC)による運転支援が行なわれている場合、優先度の高い測定対象を車とする。車両が走行する車線を制御する車線維持支援制御(LKA)による運転支援が行なわれている場合、優先度の高い測定対象を路上の白線とする。また、車載用暗視装置(ナイトビュー)による運転支援が行なわれている場合、優先度の高い測定対象を歩行者とする。このようなことによって、運転支援システムとの協働のもとによる測定対象の識別が、同支援の目的に適して行なわれるようになり、移動体用スペクトル測定装置の利用可能性が高められる。
(第10の実施形態)
図20に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第10の実施形態についてその概略構成を示す。なお、本実施形態は、先の第3の実施形態とは、対象検知装置50が車両状態検出装置59に変更された点が相違する。以下では主に、先の第1及び第3の実施形態との相違点を中心に、同スペクトル測定装置11としての具体的な構成について説明する。また、図20において、先に示した第1及び第3の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図20は、移動体用スペクトル測定装置を備える移動体としての車両に備えられた機能のブロック構成を示す図である。図20に示すように、車両10には、スペクトル測定装置11と、ヒューマンマシンインタフェース12と、車両制御装置13とに加えて、車両状態検出装置59が設けられている。
車両状態検出装置59は、車両10の状態、特に走行状態を取得する各種の検出装置であり、接続されている演算装置17に、その検出された車両状態を伝達する。車両状態検出装置59としては、車両10の移動速度である車速を検出する速度計や車両10の加速度を検出する加速度計のような装置、または車両10の操舵角を検知する装置などが採用されてもよい。
スペクトル測定装置11には、スペクトルセンサ14Aとスペクトルデータ処理装置15とスペクトルセンサ制御装置40とが設けられている。スペクトルデータ処理装置15には、演算装置17と辞書データ記憶部16とが設けられている。
演算装置17は、接続されている車両状態検出装置59から通知された情報に基づき、測定対象を選択する。これによって、車両状態検出装置59からの情報に基づき選択される測定対象について、迅速に詳細な識別が行なわれるようになる。もしくは観測光のスペクトルデータの好適な補正を行なうようにして、測定対象について迅速かつ高い精度による詳細な識別が行なわれるようになる。
これによって、スペクトル測定装置において識別処理に要する時間の軽減を、図ることができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によっても先の第1〜第7の実施形態の前記(1)〜(13)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(18)車両状態検出装置59によって取得された移動状態に応じて定まる優先度の高い測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにする。その結果、測定対象の早期の識別を可能とするとともに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれ、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
(19)移動体の速度情報、加速度情報や操舵情報によって、優先度の高い測定対象が定められる。例えば、速度情報や加速度情報によれば、識別レベルを変更して所定の時間内に識別処理を終えるようにすることができる。また、操舵情報によれば、車道を横切る操舵の場合には測定対象を車にし、歩道を横切る操舵の場合には歩行者にすることなどができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のような態様によって実施することもできる。
・上記第4の実施形態では、属性マップデータを辞書データとして用いた場合について例示した。しかしこれに限らず、属性マップデータを、認識演算に先立ち行なわれる仮識別などに用いるようにしてもよい。この場合、属性マップデータを、辞書データとは別に、属性マップ記憶部19に保持していてもよい。
・上記第4の実施形態では、属性マップデータを辞書データとして用いた場合について例示した。しかしこれに限らず、スペクトルデータにおいて輝線スペクトルを有する波長領域を、属性マップデータとしてもよい。
・上記第6の実施形態では、識別処理によって仮識別を行なう場合について例示したが、これに限らず、識別処理によって仮識別が行なわれなくてもよい。
・上記第8〜10の実施形態では、環境情報取得装置52、使用目的選択装置54、車両状態検出装置59が、第3の実施形態に記載されたスペクトル測定装置11に適用された場合について例示した。しかしこれに限らず、環境情報取得装置52、使用目的選択装置54、または車両状態検出装置59は、第1、第2、第4〜第7の実施形態に記載されたスペクトル測定装置11に適用されてもよい。すなわち、スペクトルセンサ制御装置を有さないスペクトル測定装置や、波長情報データ記憶装置を有するスペクトル測定装置に適用されてもよい。これによって、移動体用スペクトル測定装置の適用範囲が広げられるようになる。
・また、仮識別は、上記実施形態のいずれにも適用してもよい。これによれば、認識演算が行なうまえに好適に、測定対象のより一層の絞り込みや、使用辞書の絞り込みがなされて、測定対象の識別が迅速になされるようにもなる。
・さらに、仮識別により、比較演算に用いる辞書データとしてのスペクトルデータの波長領域を絞り込むようにしてもよい。すなわち、図21に示すように、スペクトル測定装置に設けられた仮識別部60にて観測光のスペクトルデータと属性マップデータとの比較演算に基づく仮識別を行なうようにしてもよい。その仮識別結果が入力される識別部61には、辞書作成部65を設け、同辞書作成部65にて予め設けられた候補群マップデータから対象候補群を選択するとともに、同選択された対象候補群に対応する波長領域として波長範囲からなる候補群用の辞書データ64を生成する。そして、識別部61は同候補群用の辞書データ64と観測光のスペクトスデータとを比較演算して測定対象を識別するようにしてもよい。これにより、迅速な絞り込みが可能となり、比較演算の自由度が高められる。
・上記第1〜第7の実施形態では、各実施形態毎に辞書データとして、スペクトルデータの一部の波長領域が抜けている場合、輝線スペクトルのみを有する場合、属性マップとして有する場合、また、スペクトルデータの全波長帯域を有しており比較演算によって不使用領域が設定されたり、輝線スペクトルのみが設定される場合について例示した。しかしこれに限らず、上述の各種の辞書データは、必要に応じてそれらを適宜組み合わせて用いるようにしてもよい。これによれば、スペクトル測定装置としての設計自由度が高められるようになる。
・上記各実施形態の車両は、自動車でもよい。このようなスペクトル測定装置であれば、自動車に搭載された場合であれ、路上走行にともない順次接近してくる測定対象の認識を、実時間行で行ない適切な運転支援が行えるようになる。これによって、自動車へのスペクトル測定装置の採用可能性が高められる。
・なお上記各実施形態は、車両としての自動車に限られず、自動二輪車やロボットなど路上を移動する移動体であれば、このような移動体用スペクトル測定装置の採用が可能である。
10…車両、11…スペクトル測定装置、12…ヒューマンマシンインタフェース、13…車両制御装置、14,14A…スペクトルセンサ、15…スペクトルデータ処理装置、16…辞書データ記憶部、17…演算装置、18…波長情報データ記憶部、19…属性マップ記憶部、40…スペクトルセンサ制御装置、50…対象検知装置、52…環境情報取得装置、54…使用目的選択装置、59…移動状態取得装置としての車両状態検出装置。

Claims (19)

  1. 移動体に搭載されるスペクトルセンサを備える移動体用スペクトル測定装置であって、前記スペクトルセンサは波長情報と光強度情報を測定可能であり、前記移動体用スペクトル測定装置は、前記スペクトルセンサによって検出される観測光のスペクトルデータに基づき、前記移動体の周辺の測定対象を識別し、前記移動体用スペクトル測定装置は、
    予め定められた複数の前記測定対象についての波長情報と光強度情報とを含むスペクトルデータが、辞書データとして格納されている記憶部と、
    前記観測光のスペクトルデータと前記記憶部に格納されているスペクトルデータとの比較演算に基づき、前記測定対象を識別する演算装置とを備え、
    前記演算装置は、前記記憶部に前記辞書データとして格納されているスペクトルデータが複数の波長領域に分割され、その分割された波長領域から、前記スペクトルセンサにより検出されたスペクトルデータより少なく、かつ、該演算装置による実時間処理が可能となるように選択された一部の波長帯域のみを参照して、前記観測光のスペクトルデータとの比較演算を行う
    ことを特徴とする移動体用スペクトル測定装置。
  2. 前記辞書データとしてのスペクトルデータは、複数の波長領域に分割され、
    この分割された波長領域のうちの各々スペクトルデータとして特徴的な変化が含まれる波長領域のデータのみが、前記辞書データとして前記記憶部に保持される
    請求項1に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  3. 前記スペクトルデータとして特徴的な変化が含まれる波長領域のデータは、前記測定対象の属性に応じて定まる複数の各別のデータからなる
    請求項2に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  4. 前記辞書データとしてのスペクトルデータは、複数の波長領域に分割された領域のうちの各々スペクトルデータとして極値もしくは変曲点に対応して定められた輝線スペクトルを表すデータであり、
    該輝線スペクトルを表すデータのみが、前記辞書データとして前記記憶部に保持される
    請求項1に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  5. 前記輝線スペクトルを表すデータは、前記測定対象の属性に応じて定まる複数の各別のデータからなる
    請求項4に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  6. 前記演算装置は、前記観測光のスペクトルデータと、前記辞書データとして前記記憶部に格納されているスペクトルデータとの前記比較演算に際して、前記辞書データにされるスペクトルデータに不使用領域を設定し、該不使用領域以外のスペクトルデータに基づき前記比較演算を行って前記測定対象を識別する
    請求項1に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  7. 前記不使用領域は、前記測定対象の属性に応じて、スペクトルデータとしての特徴的な変化が少ない領域に設定される
    請求項6に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  8. 前記不使用領域は、前記測定対象の識別要求レベルに応じて可変とされる
    請求項6または7に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  9. 移動体に搭載されるスペクトルセンサを備える移動体用スペクトル測定装置であって、前記スペクトルセンサは波長情報と光強度情報を測定可能であり、前記移動体用スペクトル測定装置は、前記スペクトルセンサによって検出される観測光のスペクトルデータに基づき、前記移動体の周辺の測定対象を識別し、前記移動体用スペクトル測定装置は、
    前記スペクトルデータとしての極値もしくは変曲点に対応して定められた輝線スペクトルを表すデータが属性マップデータとして格納されている属性マップ記憶部と、
    前記観測光のスペクトルデータと前記属性マップデータとの比較演算に基づき、前記測定対象を仮識別する演算装置とを備える
    ことを特徴とする移動体用スペクトル測定装置。
  10. 前記属性マップデータは、前記測定対象の属性に応じて定まる複数の各別のデータからなる
    請求項9に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  11. 前記移動体用スペクトル測定装置は、前記スペクトルデータとしての極値もしくは変曲点に対応して定められた輝線スペクトルを表すデータが属性マップデータとして格納されている属性マップ記憶部を備え、
    前記演算装置は、前記観測光のスペクトルデータと前記辞書データとして前記記憶部に格納されているスペクトルデータとの前記比較演算に先立ち、前記属性マップデータと前記観測光のスペクトルデータとの比較演算を行って前記測定対象を仮識別するとともに、前記仮識別された前記測定対象の属性に応じて前記辞書データとしてのスペクトルデータが有する波長領域の一部を前記比較演算に用いる波長領域として予め絞り込む
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  12. 前記移動体用スペクトル測定装置は、予め定められた複数の前記測定対象についての波長情報と光強度情報とを含むスペクトルデータが、辞書データとして格納されている記憶部を備え、
    前記演算装置は、前記仮識別された前記測定対象の属性に応じて前記辞書データとしてのスペクトルデータが有する波長領域の一部を予め絞り込み、前記観測光のスペクトルデータと前記辞書データとしてのスペクトルデータから絞り込まれた波長帯域の一部のみとの比較演算に基づき、前記測定対象を識別する
    請求項9または10に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  13. 前記移動体には、周囲の環境情報を取得する環境情報取得装置が設けられており、前記演算装置は、該環境情報取得装置によって取得された環境情報に応じて、前記辞書データにされるスペクトルデータの予めの絞り込みを行う
    請求項1〜8,11,12のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  14. 前記環境情報取得装置によって取得される環境情報は、天候情報及び移動体の位置情報のうちの少なくとも一方である
    請求項13に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  15. 前記移動体には、前記スペクトルセンサの使用目的を選択する使用目的選択装置が設けられており、前記演算装置は、該使用目的選択装置を通じて選択された使用目的に応じて、前記辞書データにされるスペクトルデータの予めの絞り込みを行う
    請求項1〜8,11,12のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  16. 前記移動体には、その運転を支援する運転支援システムが設けられており、前記使用目的選択装置は、この運転支援システムとの協働のもとにその使用目的を選択する
    請求項15に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  17. 前記移動体には、その移動状態にかかる情報を取得する移動状態取得装置が設けられており、該移動状態取得装置によって取得された移動状態に応じて、前記辞書データにされるスペクトルデータの予めの絞り込みを行う
    請求項1〜8,11,12のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  18. 前記移動状態取得装置によって取得される当該移動体の移動状態にかかる情報は、当該移動体の速度情報、加速度情報、及び操舵情報のうちの少なくとも一つである
    請求項17に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  19. 前記移動体は、路面を走行する自動車である
    請求項1〜18のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
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