JP5212545B2 - 移動体用スペクトル測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両、特に自動車などの移動体に搭載されたスペクトルセンサによって測定された測定対象のスペクトルデータから、測定対象を識別する移動体用スペクトル測定装置に関する。
近年、自動車等の車両には、その運転支援装置として、車両周囲において動的に変化する歩行者や信号などの状態を認識することによってドライバーの運転や意思決定を支援する装置が搭載されることが少なくない。そして、そのような装置の多くは、信号や歩行者等の状態をCCDカメラ等によって撮像するとともに、その撮像画像を実時間で画像処理して状態認識し、その認識した結果を上述した運転支援等に用いるようにしている。しかし通常、歩行者は、その形状が大きさや向き、あるいは持ち物の有無などによって多様に変化することから、上記画像処理に基づき得られる形状からその存在を正確に認識することは難しい。また、信号機は一般に、その大きさや色についての規格性が高いものの、見る角度によってはその形状が変化するなどの不都合も避けがたく、上記画像処理を通じた形状認識ではやはり限界がある。
一方、特許文献1には、測定対象を認識する技術として、スペクトルセンサによって採取されたスペクトルデータを用いるリモートセンシング技術が記載されている。すなわちここでは、航空機や人工衛星に搭載されたスペクトルセンサによって撮影された不可視光領域をも含むマルチスペクトル画像データから、例えば森林、田畑、市街地等のような、可視光領域のみでは認識の困難な測定対象の分類、特徴付けが行なわれ、こうして分類され、特徴付けされたデータに基づき測定対象が識別される。
特開2000−251052号公報 特開2006−145362号公報
このように、スペクトルセンサでは、不可視光領域をも含む各波長帯の輝度値(光強度)が観測されることから、波長毎の輝度値を比較することによって測定対象特有の特性を知ることができ、ひいてはその識別が可能となる。また近年は、このようなスペクトルセンサとして、撮像可能な帯域幅が広く、またその分解能も数nm〜数十nmと高いハイパースペクトルセンサなども実用化されている(特許文献2参照)。
そこで最近は、このようなスペクトルセンサを自動車等の車両に搭載し、このスペクトルセンサによって撮影されたスペクトルデータを用いて、車両周囲の各種測定対象を識別することが検討されている。ただし、このようなスペクトルデータ、特に上記ハイパースペクトルセンサによるスペクトルデータともなると、そのデータ数も膨大であることから、そのデータ処理に要する時間の増加が無視できず、測定対象を識別する際の実時間性の低下も避けられない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両等の移動体に搭載されたスペクトルセンサによる撮影データによって測定対象の精度の高い識別を可能にするとともに、撮影データの実時間処理をも可能とする移動体用スペクトル測定装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に従う移動体用スペクトル測定装置は、移動体に搭載されるスペクトルセンサを有し、スペクトルセンサは、波長情報と光強度情報とを測定可能である。移動体用スペクトル測定装置は、スペクトルセンサによって検出される観測光のスペクトルデータに基づき、移動体周辺の測定対象を識別する。移動体用スペクトル測定装置は、予め定められた複数の測定対象についての波長情報と光強度情報とを含むスペクトルデータが、辞書データとして格納されている第1の記憶部と、前記観測光のスペクトルデータの波長域に含まれる波長情報を、前記測定対象の属性に基づき分類された一部の波長情報に規制する規制情報が格納されている第2の記憶部と、前記第2の記憶部に格納されている規制情報から、前記測定対象の要求される識別レベルに対応する規制情報を選択設定する識別レベル設定部と、前記観測光のスペクトルデータを、前記選択設定された規制情報によって規制された波長情報のみからなるスペクトルデータに制限する制限部と、前記制限部によって制限されたスペクトルデータと、前記第1の記憶部に格納されているスペクトルデータとの比較に基づき前記測定対象を識別する識別部と、を備える。
このような構成によれば、観測光のスペクトルデータの波長情報が、制限部によって、規制情報に基づく一部の波長情報のみからなるスペクトルデータに制限されることによって、スペクトルデータの波長情報のデータ量が削減される。識別部は、制限されたスペクトルデータに含まれている波長情報のみを、測定対象のスペクトルデータと比較することによって、該比較に要する演算量を減少させる。これによって、測定対象を識別するために行なわれる演算処理に要する時間も自ずと減少されるようになり、観測光のスペクトルデータに基づき行なわれる測定対象の識別に係る処理を、実時間で行なうことができるようにもなる。その結果、スペクトル測定装置が、移動体としての車両に搭載される場合であれ、該車両において測定対象の識別が実時間で行なわれるようになり、実時間処理を要する運転支援への該スペクトル測定装置の採用可能を高めるようになる。
また、スペクトルデータのデータ量の減少や、測定対象を識別するために要する演算量の減少は、メモリなどの記憶装置の記憶容量を減少させることとなり、識別部などの構成を容易にするなどして、その汎用性を高めるようにもなり、スペクトル測定装置の移動体への採用可能性を高める。
本発明の一態様では、前記規制情報によって規制される波長情報は、前記観測光のスペクトルデータの波長域を縮小した部分的な波長帯域を示す情報である波長帯域情報及びスペクトルデータとしての波長分解能を示す情報である波長分解能情報の少なくとも一方を含んで構成される。
このような構成によれば、観測光のスペクトルデータを、比較に必要とされる波長域を示す波長帯域情報及び比較に必要とされる波長分解能を示す波長分解能情報の少なくとも一方からなる規制情報に基づき、規制することができるようにもなる。このように規制されたスペクトルデータは、比較における測定対象の識別精度を適切に維持するとともに、データ量を少なくすることができる。
また、波長帯域情報や波長分解能情報によって、比較に用いる波長の数を任意に設定できるとともに、規制情報に波長帯域情報と波長分解能情報とが含まれる場合には、波長帯域情報と波長分解能情報の組合せによっても、比較に用いる波長の数を任意に設定できるようにもなり、測定対象の識別処理に要する時間の選択自由度が高められる。
本発明の一態様では、前記測定対象の要求される識別レベルは、識別レベルデータとして複数階層に階層化されてなり、前記波長帯域情報及び前記波長分解能情報の少なくとも一方は、この階層化された識別レベルデータに各々対応付けされて、前記第2の記憶部に格納されている。
このような構成によれば、識別精度などに基づき定められる識別レベルが、階層的に設定されている。よって、測定対象の識別処理における測定対象の選択は、同じ識別レベル内で選択する他にも、識別レベルの階層を上下させて選択することができる。例えば、上層を、大分類や概略分類に対応させ、下層を、上層に対する小分類や詳細分類に対応させるようにする。その結果、測定対象に対する識別レベルを、階層構造に基づき上から下に移動させたときに、測定対象の分類が細かくなったり、状態の詳細が分かるようになったりするようになる。そうすれば自ずと、測定対象の絞り込みが行なわれるようになり、測定対象の早期の識別が可能ともなる。これによって、スペクトル測定装置が車両に採用される場合、迅速な運転支援を行なうことが可能ともなる。
本発明の一態様では、前記識別レベルデータに各々対応付けされた前記波長帯域情報または前記波長分解能情報は、前記第2の記憶部内で、各別にマップデータ化されてなる。
このような構成によれば、波長帯域情報や波長分解能情報がそれぞれ各別にマップデータ化されているので、波長帯域情報や波長分解能情報の各別の管理も可能となる。
また、比較を、マップデータにおける測定対象の配列順に行なうようにすることによって、その配置順を、測定対象の優先度とし、例えば運転支援などで望まれるような優先度の高い測定対象の識別を優先的に行なうようにすることもできる。または、マップデータの配列を、測定対象の出現率に応じて設定するなど適切に設定すれば、測定対象が識別されるまでに行なわれるデータの比較の回数を減少させて、演算に要する時間を減少させるようにもできるようになる。いずれにせよ、スペクトル測定装置による測定対象の識別に要する時間の短縮を図り、実時間処理の可能性をさらに高めるようにもなる。
本発明の一態様では、前記制限部を通じて制限されるスペクトルデータが、全ての識別レベルにおいて同等のデータ量となるように、前記波長帯域情報及び前記波長分解能情報の少なくとも一方は設定されている。
この構成によるように、識別レベルの階層の上下にかかわらず、波長帯域情報及び波長分解能情報の少なくとも一方は、スペクトルデータのデータ量を同等とするように設定されていることによって、識別レベルの階層の上下にかかわらず、スペクトルデータのデータ量は同等となる。これによって、識別処理に要する時間の均一化が、識別レベルの階層の上下にかかわらず図られるようになる。
本発明の一態様では、前記制限部は、少なくとも、前記波長帯域情報によって指定される波長帯域からなるように、または前記波長分解能情報によって指定される波長分解能になるように、前記スペクトルセンサから出力されたスペクトルデータを制限するものである。
このような構成によれば、スペクトルセンサによって検出されたデータ量の多い観測光のスペクトルデータであれ、制限部によってそのデータ量が制限されるようになる。よって、データ量が削減されて、測定対象の識別のために行なわれる演算処理に要する時間が減少される。これによって、スペクトル測定装置による、実時間処理の可能性が高められる。
本発明の一態様では、前記移動体には、前記スペクトルセンサの観測波長帯域及び観測波長分解能の少なくとも一方を、それぞれ可変とするスペクトルセンサ制御装置が設けられてなる。前記制限部は、このスペクトルセンサ制御装置を通じて、前記波長帯域情報によって指定される波長帯域からなるように、または前記波長分解能情報によって指定される波長分解能となるように、前記スペクトルセンサによって検出される観測光のスペクトルデータを制限するものである。
このような構成によれば、波長帯域情報及び波長分解能情報の少なくとも一方によって、スペクトルセンサによって検出される観測光のスペクトルデータが制限される。よって、データ量が削減されて、測定対象識別のための演算処理に要する時間が減少される。これによっても、スペクトル測定装置による実時間処理の可能性が、高められる。
本発明の一態様では、前記測定対象の要求される識別レベルは、前記識別部によって識別された測定対象の識別内容に応じて、再帰的に自動更新される。
この構成によるように、識別レベルが再起的に自動更新されることによって、階層化された識別レベルが上層から下層に移動する場合、その層の移動に伴って、測定対象の識別がより細分化されたり、より詳細化されたりすることができるようにもなる。これによって、自ずと測定対象の絞り込みが行なわれ、測定対象の早期の識別ができるようになる。
本発明の一態様では、前記移動体には、前記測定対象を検知する対象検知装置が別途に設けられており、該対象検知装置によって検知された測定対象に応じて、前記スペクトルセンサによる測定対象の設定が行われる。
このような構成によれば、対象検知装置によって検知された測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにすることによって、測定対象の早期の識別を可能とする。さらに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれ、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
本発明の一態様では、前記移動体には、周囲の環境情報を取得する環境情報取得装置が設けられており、該環境情報取得装置によって取得された環境情報に応じて、前記スペクトルセンサによる測定対象の設定が行われる。
このような構成によれば、環境情報取得装置によって取得された環境情報に応じて、例えば出現率の高くなる測定対象や、優先度の高くなる測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにすることによって、測定対象の早期の識別を可能とする。このことから、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれ、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
本発明の一態様では、前記環境情報取得装置によって取得される環境情報は、天候情報及び移動体の位置情報のうちの少なくとも一方である。
このような構成によれば、取得された環境情報が天候情報である場合、雨の場合に出現率の高い傘、水溜り、もしくは濡れた状態の測定対象など、晴れの場合には優先度が低くなる測定対象の優先度を高くして、測定対象の早期の識別が図られるようにする。また、環境情報が移動体の位置情報である場合、優先度の高い測定対象を、自動車専用道路であれば車や路面の白線にし、田畑の間の道では道路にし、市街地では人や信号にし、住宅街では人、特に子供や高齢者に設定することによって、測定対象の早期の識別が図られるようにする。
本発明の一態様では、前記移動体には、前記スペクトルセンサの使用目的を選択する使用目的選択装置が設けられており、該使用目的選択装置を通じて選択された使用目的に応じて、前記スペクトルセンサによる測定対象の設定が行われる。
このような構成によれば、使用目的選択装置によって設定された測定対処について、優先的に識別処理を行なうことができるようになる。これによって、移動体においてスペクトル測定装置による支援が必要な測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにするようにすることによって、測定対象の早期の識別を可能とする。さらに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれ、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
本発明の一態様では、前記使用目的選択装置は、前記移動体の運転者によって手動操作される選択スイッチ群を含み、該選択スイッチ群を通じて選択された測定対象が、前記スペクトルセンサによる測定対象として設定される。
このような構成によれば、スペクトル測定装置による支援を、運転者の要求に応じて行うことができるようになり、運転者にとって優先度の高い測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにすることによって、測定対象の早期の識別が図られるようにもなる。
本発明の一態様では、前記移動体には、その運転を支援する運転支援システムが設けられており、前記使用目的選択装置は、この運転支援システムとの協働のもとに、その使用目的に見合った測定対象を選択するものである。
このような構成によれば、運転支援システムの使用目的によって定まる優先度の高い測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにすることによって、測定対象の早期の識別を可能とする。さらに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれ、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。例えば、先行車両との車間を制御する車間維持制御(ACC)による運転支援が行なわれている場合、優先度の高い測定対象を、車とする。また、車両が走行する車線を制御する車線維持支援制御(LKA)による運転支援が行なわれている場合、優先度の高い測定対象を、路面の白線とする。また、車載用暗視装置(ナイトビュー)による運転支援が行なわれている場合、優先度の高い測定対象を歩行者とすることなどによって、運転支援システムとの協働のもとによる測定対象の識別が、同支援の目的に適して行なわれるようになり、移動体用スペクトル測定装置の利用可能性が高められる。
本発明の一態様では、前記移動体には、その移動状態にかかる情報を取得する移動状態取得装置が設けられており、該移動状態取得装置によって取得された当該移動体の移動状態に応じて、前記スペクトルセンサによる測定対象の設定が行われる。
このような構成によれば、移動状態取得装置によって取得された移動状態に応じて定まる優先度の高い測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにすることによって、測定対象の早期の識別を可能とする。さらに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれ、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
本発明の一態様では、前記移動状態取得装置によって取得される当該移動体の移動状態にかかる情報は、当該移動体の速度情報、加速度情報、及び操舵情報のうちの少なくとも一つである。
このような構成によれば、移動体の速度情報、加速度情報、あるいは操舵情報によって、優先度の高い測定対象が定められる。例えば、速度情報や加速度情報によれば、識別レベルを変更して、所定の時間内に識別処理を終えるようにすることができる。また、操舵情報によれば、車道を横切る操舵の場合には、測定対象を車にし、歩道を横切る操舵の場合には、測定対象を歩行者にすることなどができる。
本発明の一態様では、前記移動体は、路面を走行する自動車である。
このような構成によれば、自動車に搭載されたスペクトル測定装置であれ、路上走行にともない順次接近してくる測定対象の認識を、実時間行で行ない適切な運転支援が行えるようになる。これによって、自動車へのスペクトル測定装置の採用可能性が、高められる。
本発明の移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した、第1の実施形態を示すブロック図。 同実施形態におけるスペクトル測定装置の、機能ブロックを示すブロック図。 同実施形態における辞書データとしてのスペクトル波形を示すグラフであって、(a)は分解能が低いときのスペクトル波形を示し、(b)は分解能が中程度のときのスペクトル波形を示し、(c)は分解能が高いときのスペクトル波形を示す。 同実施形態におけるスペクトルセンサから出力される、観測光のスペクトルデータの例を示すグラフ。 同実施形態における識別レベルの階層状態の一例を示すテーブル。 同実施形態における波長領域マップの一例を示すマップ。 同実施形態における波長分解能マップの一例を示すマップ。 同実施形態における識別処理について示すフローチャート。 同実施形態における識別処理について説明する図であって、(a)は測定対象の可視状態を示す図、(b)は広波長領域かつ低波長分解の場合の測定対象のスペクトルを示すグラフ、(c)は中波長領域かつ中波長分解の場合の測定対象のスペクトルを示すグラフ、(d)は狭波長領域かつ高波長分解の場合の測定対象のスペクトルを示すグラフ。 本発明の移動体用スペクトル測定装置の機能ブロックを具体化した、第2の実施形態を示すブロック図。 同実施形態における識別処理について示すフローチャート。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した、第3の実施形態を示すブロック図。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した、第4の実施形態を示すブロック図。 同実施形態における位置情報を取得する地図情報の一例を示す説明図。 同実施形態におけるLED型信号機の辞書データとしてのスペクトル波形を示すグラフであって、(a)は青色灯のスペクトルデータを示し、(b)は黄色灯のスペクトルデータを示し、(c)は赤色灯のスペクトルデータを示す。 同実施形態における白熱電球型信号機の辞書データとしてのスペクトル波形を示すグラフであって、(a)は青色灯のスペクトルデータを示し、(b)は黄色灯のスペクトルデータを示し、(c)は赤色灯のスペクトルデータを示す。 同実施形態におけるスペクトルセンサから出力される信号機を測定対象としたときの、観測光のスペクトルデータの例を示すグラフ。 同実施形態における識別処理について示すフローチャート。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した、第5の実施形態を示すブロック図。 同実施形態における使用状態測定装置の一例としての選択ボタンの模式図。 同実施形態におけるLED型信号機の辞書データとしてのスペクトル波形を示すグラフであって、(a)は車両のスペクトルデータを示し、(b)は人のスペクトルデータを示し、(c)は路面の白線のスペクトルデータを示す。 同実施形態におけるスペクトルセンサから出力される歩行者が測定対象となったときの、観測光のスペクトルデータの例を示すグラフ。 同実施形態における識別処理について示すフローチャート。 本発明の移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した、第6の実施形態を示すブロック図。 同実施形態における識別処理について示すフローチャート。 同実施形態における車両状態として、操舵角を用いる場合について説明する説明図。 同実施形態における識別処理について示すフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る移動体用スペクトル測定装置を備える移動体を具体化した第1の実施形態について、図1〜図9に従って説明する。
図1は、移動体用スペクトル測定装置を備える移動体としての車両に備えられた、同装置の機能の概略構成を示す図である。図1に示すように、車両10には、車両外部の可視光及び不可視光を含む光情報を取得するスペクトル測定装置11と、スペクトル測定装置11から出力された情報を移動体の搭乗者に伝達するヒューマンマシンインタフェース12と、スペクトル測定装置11から出力された情報を車両制御に反映させる車両制御装置13とが設けられている。
ヒューマンマシンインタフェース12は、光や色、音などを通じて搭乗者、特に操縦者に車両状態等を伝えるとともに、搭乗者の意思がボタン等を通じて車両制御装置13等に伝達されるように押しボタンやタッチパネルなどの操作装置が設けられている公知のインタフェース装置である。
車両制御装置13は、車両に搭載された制御装置の一つであり、例えばエンジン制御装置など同じく車両に搭載されている他の各種制御装置と直接的にもしくは車載ネットワークなどによって接続され、必要な情報を相互に伝達可能になっている装置である。なお本実施形態では、車両制御装置13は、その装置に入力されたスペクトル測定装置11によって識別された対象物などの情報を他の各種制御装置に伝達して、同識別された測定対象に応じて要求される運転支援が、車両10によって実行されるようにする。
スペクトル測定装置11には、観測光のスペクトルデータを検出するスペクトルセンサ14と、スペクトルセンサ14の検出した観測光のスペクトルデータを受けてデータを処理するスペクトルデータ処理装置15とが設けられている。スペクトルセンサ14は、可視光及び不可視光からなる光としての観測光を、所定の波長帯域に分光する。そして、観測光を、前記分光された波長帯域を構成する各波長を示す情報としての波長情報と、それら各波長毎にその波長における分光された観測光の光強度を示す情報としての光強度情報とによって構成されるスペクトルデータとして出力する。なお、スペクトルセンサ14は、波長情報と光強度情報とを同時に測定しても、それぞれ必要なときに測定するようにしてもよい。
次に、スペクトルデータ処理装置15について、図2を参照して説明する。図2は、スペクトルデータ処理装置15の詳細なブロック構造を示す図である。
スペクトルデータ処理装置15は、例えば演算装置や記憶装置などを有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。スペクトルデータ処理装置15には、スペクトルセンサ14の検出した観測光のスペクトルデータが入力される。スペクトルデータ処理装置15は、入力された観測光のスペクトルデータに基づき、観測された測定対象を識別してその結果を出力することによって、同結果をヒューマンマシンインタフェース12や車両制御装置13に出力する。スペクトルデータ処理装置15には、複数の測定対象のそれぞれのスペクトルデータが辞書データとして格納されている辞書データ記憶部16と、辞書データとしての測定対象のスペクトルデータを観測光のスペクトルデータと比較する比較演算に基づき測定対象を識別する演算装置17とが備えられている。またスペクトルデータ処理装置15には、演算装置17における比較演算における演算処理量を減少させるための規制情報を格納している規制情報記憶部18が設けられている。
辞書データ記憶部16は、公知の記憶装置に設けられている記憶領域の全部もしくは一部からなり、該記憶領域に辞書データとしてのスペクトルデータが格納される。辞書データは、識別したい対象としての測定対象のスペクトルデータからなり、識別したい測定対象の数だけ予め準備される。すなわち辞書データ記憶部16としての記憶領域は、予め準備される複数の辞書データを格納可能な記憶容量が満足されるように、一または複数の記憶装置の記憶領域から構成されてもよい。
辞書データとしてのスペクトルデータは、波長情報と光強度情報とを有している。例えば、辞書データとして一つの測定対象のデータは、スペクトルセンサが測定可能な波長帯域をスペクトルセンサの波長分解能で除して求まる数の光強度情報が、対応する波長情報と一対として設けられており、そのデータ量は多いものとなっている。例えば、比較演算に用いる波長帯域を400nm〜2500nmとし、その波長分解能を5nmとした場合、一つの測定対象のスペクトルデータには、420組からなる波長情報と光強度情報の対が含まれている。
図3には、辞書データとしてのスペクトルデータの一例が示されている。図3は複数の波長分解能のスペクトルデータを示すグラフであって、(a)は分解能が低い場合のグラフ、(b)は分解能が中程度の場合のグラフ、(c)は分解能が高い場合のグラフである。そして、図3(a)のグラフLM0は測定対象が「人」の場合のスペクトルデータの一例であり、グラフLC0は測定対象が「車」の場合のスペクトルデータの一例を示している。また、図3(b)のグラフLM1は測定対象が「小さい人」の場合のスペクトルデータの一例であり、グラフLM2は測定対象が「大きい人」の場合のスペクトルデータの一例であり、グラフLC1は測定対象が「ライトバン型の車」の場合のスペクトルデータの一例を示している。さらに、図3(c)のグラフLM3は測定対象が「子供」の場合のスペクトルデータの一例であり、グラフLM4は測定対象が「大人」の場合のスペクトルデータの一例であり、グラフLC2は測定対象が「救急車」の場合のスペクトルデータの一例を示している。このように、測定対象は、「人」であればそれに加えて細分化した「子供」や「大人」なども対象となっており、それら測定対象を識別するためのスペクトルデータとしての辞書データが設けられている。また「車」であればそれに加えてそれをより分類化した「救急車」なども対象となっており、それら測定対象を識別するためにそれぞれのスペクトルデータとしての辞書データが設けられている。
図2に示すように、演算装置17には、観測光のスペクトルデータから測定対象を識別してその識別結果を出力する識別部30と、比較演算の量を規制する規制情報を識別部に与える識別レベル設定部31とが設けられている。識別部30には、観測光のスペクトルデータが直に入力される制限部32と、制限部32からのスペクトルデータと辞書データ記憶部16から辞書データとを比較する比較部33とが設けられている。また、規制情報記憶部18には、識別レベルデータ記憶部20と、波長帯域マップ記憶部21と、波長分解能マップ記憶部22とが設けられている。
規制情報記憶部18の識別レベルデータ記憶部20には、識別レベルデータが保持されている。識別レベルデータは、測定対象の識別の際に要求される識別レベルを、複数の階層に階層化して配置させたものである。
次に、識別レベルデータにおける識別レベルと測定対象との関係について、図5を参照して説明する。図5は、識別レベルデータの具体化された一例としての識別レベルマップ25を示している。図5に示されるように、最上位の階層の識別レベルを「識別レベル1」、その下位の階層の識別レベルを「識別レベル2」、さらにその下位の階層の識別レベルを「識別レベル3」、そして最も下位の階層の識別レベルを「識別レベル4」とする。なお本実施形態では、識別レベルは、波長分解能の低い識別レベルは高い階層になり、波長分解能の高い識別レベルは低い階層になるように、波長分解能に応じて階層化されている。また、本実施形態では、説明の便宜上、相対的に階層の高い識別レベルを「上の識別レベル」と示し、相対的に階層の低い識別レベルを「下の識別レベル」と示す。これによって「下の識別レベル」は「上の識別レベル」に対して、階層は下位であり、波長分解能は高いものとなっている。上述の辞書データの例を用いて説明すると、図3(a)に示される測定対象「人」や「車」には上の識別レベルが要求され、図3(b)に示される測定対象「小さい人」、「大きい人」、「ライトバン型の車」にはその下の識別レベルが要求され、図3(c)に示される測定対象「子供」、「大人」、「救急車」には、さらにその下の識別レベルが要求される。
図5に示す識別レベルマップ25を用いて、測定対象の階層的な配置について説明する。本実施形態では、識別レベルマップ25に示される上位の階層に、大きい分類や概略的な分類となる測定対象を配置し、その下層の階層に、上位の測定対象を細かく分類したり詳細に分類した測定対象を配置するようにする。このような関係を、各上下層の関係にある各2つの識別レベル間に適用する。つまり、「識別レベル1」によって識別された測定対象を、さらに「識別レベル2」によって識別することによって、より詳細な測定対象に識別することができるようになる。また、このとき当初から全ての測定対象を高い精度で識別するように比較演算する場合と比べて、演算量が減少され、自ずと早期に測定対象が識別されるようにもなる。このことは、「識別レベル2」と「識別レベル3」との間、「識別レベル3」と「識別レベル4」との間においても同様である。
詳述すると、識別レベルマップ25の「識別レベル1」には、大まかな分類の測定対象として、「動物」「植物」「人工物」「その他」などを設定する。そして「識別レベル2」には、「識別レベル1」における「動物」などを詳しく分類した測定対象を設定する。例えば「動物」を詳しく分類した測定対象として、「人」「犬」「猫」「鹿」「猪」などを設定する。また「識別レベル3」には、「識別レベル2」における「人」などを詳しく分類した測定対象を設定する。例えば「人」を詳しく分類した測定対象として、「アジア人」「アメリカ人」「ヨーロッパ人」などを設定する。さらに「識別レベル4」には、例えば「識別レベル3」における「アジア人」などを詳しく分類した測定対象を設定する。例えば「アジア人」を詳しく分類した測定対象として、「高齢者」「大人」「子供」「体の不自由な人」などを設定する。
このような識別レベルマップ25によって、高い識別精度が要求される場合であれ、例えば「識別レベル4」に設定されている全ての測定対象との比較演算を行なうのではなく、識別を「識別レベル1」から始め、同識別レベルで識別された場合に「識別レベル2」に移行するようにする。このように、順次に下の識別レベルに移行させていくことによって、効率の高い識別が行えるようになる。
規制情報記憶部18の波長帯域マップ記憶部21には、図6に示すように、波長帯域マップ26が保持されている。波長帯域マップ26は、測定対象を識別する比較演算に使用する波長帯域を設定しているマップであり、測定対象毎にその識別に使用する波長帯域が定められている。これらの波長帯域は、識別精度に対応するかたちにスペクトルデータとして特徴的な波長帯域のみを抽出して、比較演算に用いるようにさせようとするものである。そのことから、「識別レベル1」に対応する測定対象には最も広い波長帯域が設定され、そして「識別レベル2」「識別レベル3」「識別レベル4」と下層になるにつれて波長帯域が順次狭域化されるように設定される。具体的には、「識別レベル1」においては、同レベルに設定されているいずれの測定対象にも、「400nm〜2500nm」の波長帯域が設定されている。「識別レベル2」においては、同レベルに設定されている測定対象の「人」には「400nm〜1500nm」の波長帯域が設定され、「犬」には「500nm〜2000nm」の波長帯域が設定されている。「識別レベル3」においては、同レベルに設定されている測定対象の「アジア人」には「400nm〜800nm」及び「1000nm〜1300nm」の波長帯域が設定され、「アメリカ人」には「400nm〜900nm」及び「1000nm〜1500nm」の波長帯域が設定されている。「識別レベル4」においては、同レベルに設定されている測定対象の「高齢者」には「1000nm〜1450nm」の波長帯域が設定され、「大人」には「900nm〜1400nm」の波長帯域が設定されている。すなわち、識別レベルの階層が下になるにつれて、波長帯域が順次狭くなるように設定されている。
規制情報記憶部18の波長分解能マップ記憶部22には、図7に示すように、波長分解能マップ27が保持されている。波長分解能マップ27は、測定対象を識別するときに使用する波長分解能を設定しているマップであり、測定対象毎に、本実施形態では識別レベル毎に識別に使用する波長分解能が定められている。これらの波長分解能は、上の識別レベルにおいて大まかな識別を行い、下の識別レベルにおいてより詳細な識別をするという目的から、「識別レベル1」の波長分解能が最も粗く、「識別レベル2」「識別レベル3」「識別レベル4」と下層になるにつれて波長分解能が細かくなるように設定されている。具体的には、「識別レベル1」においては「100nm」の波長分解能が設定され、「識別レベル2」においては「50nm」の波長分解能が設定され、「識別レベル3」においては「10nm」の波長分解能が設定され、「識別レベル4」においては「5nm」の波長分解能が設定されている。
これによって、この規制情報を用いた場合には、「識別レベル1」においては、「400nm〜2500nm」の帯域を「100nm」の分解能で識別することとなり、識別に用いられる波長の数は21個(=(2500−400)/100)となる。同様に、「識別レベル2」において「人」の場合、「400nm〜1500nm」の帯域を「50nm」の分解能で識別することとなり、同識別に用いられる波長の数は22個(=(1500−400)/50)となる。さらに同様に、「識別レベル3」において「アジア人」の場合、「400nm〜800nm」及び「1000nm〜1300nm」の帯域を「10nm」の分解能で識別することとなり、同識別に用いられる波長の数は70個(=((800−400)+(1300−1000))/10)となる。また同様に、「識別レベル4」において「高齢者」の場合、「1000nm〜1450nm」の帯域を「5nm」の分解能で識別することとなり、同識別に用いられる波長の数は90個(=(1450−1000)/5)となる。これら識別に用いられる波長の数は、ばらつきがあるようには見えるが、その識別に要する波長数を均一化させて演算量を大幅に減少させている。このことは、当初から「識別レベル4」の精度によって測定対象を識別しようとして「400nm〜2500nm」の波長帯域を「5nm」の波長分解能で識別した場合、その識別に用いられる波長の数がひとつの測定対象に対して420個(=(2500−400)/5)となることからも明らかである。
図2に示すように、識別レベル設定部31は、識別部30の識別結果に応じて測定対象を選択して、測定対象の識別が少ない演算量で行えるように設定された波長帯域情報と波長分解能情報を識別部30に与える。すなわち、識別レベル設定部31は、規制情報記憶部18の識別レベルデータ記憶部20の識別レベルマップ25から測定対象を選択するとともに、同選択した測定対象に対応する波長帯域情報を、波長帯域マップ記憶部21の波長帯域マップ26から取得する。さらに識別レベル設定部31は、同対応する波長分解能情報を、波長分解能マップ記憶部22の波長分解能マップ27から取得する。そして識別レベル設定部31は、選択した測定対象、取得した波長帯域情報及び波長分解能情報を、識別部30に出力する。
識別部30の制限部32には、前述のように観測光のスペクトルデータが入力されるとともに、識別レベル設定部31から波長帯域情報と波長分解能情報が入力される。制限部32には、スペクトルセンサ14によって検出された、例えば図4に示されるような、観測光のスペクトルデータが入力される。なお、このグラフLS1は、測定対象が「子供」である場合に検出された観測光のスペクトルデータである。そして制限部32は、入力された観測光のスペクトルデータを、波長分解能情報により定められる波長分解能によって、波長帯域情報により定められる波長領域のみを有するスペクトルデータに制限するようになっている。これによって、膨大なデータ量を有する観測光のスペクトルデータであれ、規制情報によって定められるデータ量のスペクトルデータに制限される。
比較部33は、観測光に基づくスペクトルデータと、測定対象に基づくスペクトルデータとの同一性を判定し、両スペクトルデータに同一性がある場合には観測光に基づくスペクトルデータは測定対象であると識別し、同一性がない場合には観測光に基づくスペクトルデータは測定対象ではないと判断する。本実施形態では、同一性は、両スペクトルデータを比較する比較演算に基づき行なうが、両スペクトルデータの同一性の判断に用いる演算手法は、公知の画像認識技術やデータ処理技術に用いられている各種の演算手法であってもよい。
比較部33には、制限部32で制限されたスペクトルデータと、識別レベル設定部31からの測定対象の情報とが入力される。比較部33は、入力された測定対象のスペクトルデータとしての辞書データを辞書データ記憶部16から取得する。そして、制限されたスペクトルデータを、当該辞書データにあって制限されたスペクトルデータに含まれている波長のみの光強度情報と比較する。これによって、データ量の少ない制限されたスペクトルデータに基づき、演算量の少ない比較演算が行なわれるようになり、比較演算に要する時間が短縮されるようになる。また、演算量が少ないために、演算に要するメモリなどの記憶装置の記憶容量も減少して、比較部33の構成の簡易化や汎用化を図ることができるようにもなる。
次に、スペクトル測定装置における測定対象の識別について、図8を参照して説明する。図8は、スペクトル測定装置によって行なわれる測定対象の識別処理について示すフローチャートである。
スペクトル測定装置11は、車両の電源投入などによって稼働状態とされ、スペクトルデータ処理装置15は、スペクトルセンサ14の検出した観測光のスペクトルデータに基づき、測定対象の識別処理を行なう。すなわち、スペクトルデータ処理装置15は、演算装置17に随時入力される観測光のスペクトルデータを取得する(図8のステップS10)。そしてスペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、スペクトルデータを識別する認識レベルと、その識別レベルにおける測定対象とを選択し、選択した測定対象に対応する波長帯域と波長分解能とを制限部32に入力し、選択した測定対象を比較部33に入力する。これによってスペクトルデータ処理装置15の制限部32は、観測光のスペクトルデータを、前記波長帯域と波長分解能とに基づき制限されたスペクトルデータにする(図8のステップS11)。スペクトルデータ処理装置15の比較部33は、入力された測定対象に対応する辞書データを、辞書データ記憶部16から取得し、辞書データと、制限されたスペクトルデータとを比較することによって、両データの同一性を判定する(図8のステップS13)。比較した両データに同一性がないと判断された場合(図8のステップS13でNO)、比較部33から、測定対象が識別されなかったことを示す情報が出力される。また、識別されなかったことを示す情報に基づき、識別レベル設定部31は、識別レベルを変更せずに次回の測定対象を選択するように設定する。そして識別処理はステップS10に戻される。
一方、比較した両データに同一性があると判断された場合(図8のステップS13でYES)、比較部33から、測定対象が識別されたことを示す情報を出力する。その識別されたことを示す情報に基づき、識別レベル設定部31は、識別レベルが適切であるか否かを判断する(図8のステップS14)。例えば、測定対象の識別が「識別レベル4」で行なわれていた場合などには、識別レベルは適切であったと判断する。一方、測定対象の識別が「識別レベル4」以外の識別レベルで行なわれていた場合などには、識別レベルは適切ではなかったと判断する。
識別レベルが適切であると判断された場合(図8のステップS14でYES)、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、識別レベルを初期値、例えば「識別レベル1」に戻し(図8のステップS15)、最も上の識別レベルから測定対象の識別を行なうようにする。すなわち、測定対象は最大限に詳細に識別されたため、これ以上の識別は不要なので、測定対象を初期状態に戻す。そして識別処理は、ステップS10に戻される。
一方、識別レベルが適切ではなかったと判断された場合(図8のステップS14でNO)、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、識別レベルを下の識別レベルに変更し(図8のステップS16)、次の測定対象を選択するようにする。そして識別処理はステップS10に戻される。
このような識別処理によって、測定対象がより詳細に識別されるようになるとともに、詳細な識別が終了したときには、新たに測定対象を大まかに識別することから始まることが繰り返されるようになる。
次に、このような識別処理における測定対象の識別について、図9を参照して説明する。図9は、識別が行なわれる状態を説明するための説明図であり、(a)は測定対象の可視状態を示し、(b)は上の識別レベルにおける測定対象のスペクトルデータを示すグラフであり、(c)は(b)より下の識別レベルにおける測定対象のスペクトルを示すグラフであり、(d)は(c)より下の識別レベルにおける測定対象のスペクトルを示すグラフである。
例えば、図9(a)に示されるような、車両前方の風景29がスキャンされて路上Rの左側に立つ歩行者Mの頭部Hのスペクトルデータが観測光のスペクトルデータとして取得され場合における、測定対象の識別について説明する。始めは「識別レベル1」が設定されているので、制限部32は、観測光のスペクトルデータを、図9(b)に示されるような「100nm」の波長分解能を有する「400nm〜2500nm」の波長帯域に制限されたスペクトルデータL11にする。比較部33は、スペクトルデータL11を、「識別レベル1」に対応した測定対象のスペクトルデータと比較して、同一性がある測定対象を識別する。ここでは、「動物」と識別されるものとする。
「動物」と識別されると、識別レベルが「識別レベル2」に変更される。そして、制限部32は、観測光のスペクトルデータを、図9(c)に示されるような「50nm」の波長分解能を有する「400nm〜1500nm」の波長帯域に制限されたスペクトルデータL12にする。比較部33は、スペクトルデータL12を、「識別レベル2」に対応した測定対象のスペクトルデータと比較して、同一性がある測定対象を識別する。ここでは、「人」と識別されるものとする。
「人」と識別されると、識別レベルが「識別レベル3」に変更される。そして、制限部32は、観測光のスペクトルデータを、図9(c)に示されるような「10nm」の波長分解能を有する「400nm〜800nm」及び「1000nm〜1300nm」の波長帯域に制限されたスペクトルデータL13a,L13bにする。比較部33は、スペクトルデータL12を、「識別レベル3」に対応した測定対象のスペクトルデータと比較することによって、同一性がある測定対象を識別する。
このようにすることによって、スペクトルセンサを用いて得られたデータ量の多い観測光のスペクトルデータを用いる場合であれ、識別処理に要する時間の増加を抑えるとともに、識別精度を高くすることができるようになる。
以上説明したように、本実施形態の移動体用スペクトル測定装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)観測光のスペクトルデータの波長情報は、制限部32によって、規制情報に基づく一部の波長情報のみからなるスペクトルデータに制限されることによって、データ量が削減される。そして、識別部30の比較部33は、制限されたスペクトルデータに含まれている波長情報のみを測定対象のスペクトルデータと比較することによって、該比較に要する演算量を減少させる。これによって、測定対象を識別するために行なわれる演算処理に要する時間も、自ずと減少されるようになり、観測光のスペクトルデータに基づき行なわれる測定対象の識別に係る処理を、実時間で行なうことができるようにもなる。その結果、スペクトル測定装置が移動体としての車両に搭載される場合であれ、該車両によって測定対象の識別が実時間で行なわれるようになり、実時間処理を要する運転支援への該スペクトル測定装置の採用可能を高めるようになる。
(2)スペクトルデータのデータ量の減少や、測定対象を識別するために要する演算量の減少は、スペクトルデータ処理装置15のメモリなどの記憶装置の記憶容量を減少させることとなる。よって、識別部30などの構成を容易にするなどしてその汎用性を高めるようにもなり、スペクトル測定装置の移動体への採用可能性を高める。
(3)観測光のスペクトルデータを、比較に必要とされる波長域を示す波長帯域情報と、比較に必要とされる波長分解能を示す波長分解能情報とからなる規制情報に基づき規制するようにした。このように制限されたスペクトルデータは、比較における測定対象の識別精度を適切に維持するとともに、データ量を少なくすることができる。
(4)また、波長帯域情報と波長分解能情報の組合せによって、比較に用いる波長の数を任意に設定できるようにもなり、測定対象の識別処理に要する時間の選択自由度が高められる。
(5)識別レベルマップ25によって、識別精度などに基づき定められる識別レベルを、階層的に設定するようにした。よって、測定対象の識別処理における測定対象の選択は、同じ識別レベル内で選択する他にも、識別レベルの階層を上下させて選択することができる。例えば、上層を大分類や概略分類に対応させ、下層を上層に対する小分類や詳細分類に対応させるようにすることによって、測定対象に対する識別レベルを階層構造に基づき上から下に移動させたときに、測定対象の分類が細かくなったり、状態が詳細に分かるようになったりするようになる。そうすれば、自ずと測定対象の絞り込みが行なわれるようになり、測定対象の早期の識別が可能ともなる。これによって、スペクトル測定装置が車両に採用される場合、迅速な運転支援を行なうことが可能ともなる。
(6)波長帯域情報は波長帯域マップ26としてマップデータ化され、波長分解能情報は波長分解能マップ27としてマップデータ化され、つまりそれぞれ各別にマップデータ化されている。よって、波長帯域情報と波長分解能情報の各別の管理も可能となる。
(7)また、比較を、識別レベルマップ25における測定対象の配列順に行なうようにすることによって、配置順を測定対象の優先度とすることもできる。例えば運転支援などで望まれるような優先度の高い測定対象の識別を、優先的に行なうようにすることもできる。または、マップデータの配列を、測定対象の出現率に応じて設定するなど適切に設定すれば、測定対象が識別されるまでに行なわれるデータの比較の回数を減少させて、演算に要する時間を減少させるようにもできる。いずれにせよ、スペクトル測定装置による測定対象の識別に要する時間の短縮を図り、実時間処理の可能性をさらに高めるようにもなる。
(8)「識別レベル1」から「識別レベル4」までの識別レベルの階層の上下にかかわらず、それぞれの識別レベルにおいて波長帯域情報と波長分解能情報は、スペクトルデータのデータ量が同等となるように設定された。よって、識別レベルの階層の上下にかかわらず、スペクトルデータのデータ量が同等となる。これによって、識別処理に要する時間の均一化が、識別レベルの階層の上下にかかわらず図られるようになる。
(9)識別レベルは、再起的に自動更新されるようにした。よって、階層化された識別レベルが上層から下層に移動する場合、その層の移動に伴って、測定対象の識別がより細分化されたり、より詳細化されたりすることができるようにもなる。これによって自ずと測定対象の絞り込みが行なわれて、測定対象の早期の識別ができるようになる。
(10)スペクトルセンサ14によって検出されたデータ量の多い観測光のスペクトルデータであれ、制限部32がスペクトルデータのデータ量を制限するようにした。よって、データ量が削減され、測定対象の識別のために比較部33によって行なわれる演算処理に要する時間が減少される。これによって、スペクトル測定装置による実時間処理の可能性が、高められる。
(第2の実施形態)
図10に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第2の実施形態の概略構成を示す。なお、本実施形態は、先の第1の実施形態とは、スペクトルセンサ14がスペクトルセンサ14Aに変更された点と、識別部30の構成が異なる点と、スペクトルセンサ制御装置40が追加された点とが相違する。以下では主に、先の第1の実施形態との相違点を中心に、同スペクトル測定装置11としての具体構成について説明する。また、図10において、先に示した第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図10は、スペクトル測定装置11の詳細なブロック構造を示す図である。図10に示すように、スペクトルセンサ14Aは、第1の実施形態のスペクトルセンサ14と同様に、検出した観測光を、波長情報と光強度情報とからなるスペクトルデータとして出力する。また、本実施形態では、スペクトルセンサ14Aは、光強度情報を検出する波長を変更することが可能になっており、例えば、波長分解能と波長帯域を設定することによって、波長分解能と波長帯域から規定される波長の光強度情報のみを検出することができるようになっている。これによってスペクトルセンサ14Aは、観測光のスペクトルデータを、波長分解能と波長帯域とが制限されたスペクトルデータとして出力するようになっている。
スペクトルデータ処理装置15の演算装置17には、識別部30と、識別レベル設定部31とが設けられており、識別部30には比較部33が設けられている。すなわち本実施形態では、識別部30には制限部32が設けられていないことが、第1の実施形態と異なっている。これによって、スペクトルセンサ14Aから出力された観測光のスペクトルデータは、直に比較部33に入力される。比較部33は、観測光のスペクトルデータと、辞書データ記憶部16から取得した辞書データとを比較する。
また、本実施形態では、スペクトル測定装置11には、スペクトルセンサ制御装置40が設けられている。スペクトルセンサ制御装置40は、スペクトルセンサ14Aに接続されており、観測光から検出する波長分解能と波長帯域などをスペクトルセンサ14Aにおいて設定することができる装置である。スペクトルセンサ制御装置40には、スペクトルセンサ14Aにおける波長帯域を設定することのできる波長帯域設定装置41と、スペクトルセンサ14Aにおける波長分解能を設定することのできる波長分解能設定装置42とが設けられている。これによって、スペクトルセンサ制御装置40は、スペクトルセンサ14Aの波長帯域を、識別レベル設定部31からの波長帯域情報に基づき設定し、スペクトルセンサ14Aの波長分解能を、識別レベル設定部31からの波長分解能情報に基づき設定する。これによって、スペクトルセンサ制御装置40は、スペクトルセンサ14Aが検出する観測光のスペクトルデータを、制限されたスペクトルデータとする制限部としての機能を果たすようになっている。
次に、本実施形態のスペクトル測定装置における測定対象の識別処理について、図11を参照して説明する。図11は、スペクトル測定装置によって行なわれる測定対象の識別処理について示すフローチャートである。
スペクトル測定装置11は、車両の電源投入などによって稼働状態とされ、スペクトルデータ処理装置15は、スペクトルセンサ14Aの検出した観測光のスペクトルデータに基づき、測定対象の識別処理を行なう。まず、スペクトルデータ処理装置15は、スペクトルセンサ制御装置40を通じて、スペクトルセンサ14Aの検出する波長帯域及び波長分解能を初期化し、例えば仕様上の最大波長帯域かつ最大分解能に設定する(図11のステップS20)。
前記初期設定が済むと、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、観測光のスペクトルデータを識別する認識レベルと、その識別レベルにおける測定対象とを選択し、選択した測定対象に対応する波長帯域と波長分解能とを、スペクトルセンサ制御装置40に入力し、そして測定対象を比較部33に入力する。これによって、スペクトルセンサ制御装置40は、スペクトルセンサ14Aの検出する波長領域と波長分解能を、入力された波長帯域情報と波長分解能情報に基づき設定するようになる。これによって、スペクトルセンサ14Aが検出する観測光のスペクトルデータは、波長帯域情報と波長分解能情報に基づき制限されたスペクトルデータとなる(図11のステップS21)。
スペクトルデータ処理装置15の演算装置17は、随時入力される制限されたスペクトルデータを取得する(図11のステップS22)。
スペクトルデータ処理装置15の比較部33は、入力された測定対象に対応する辞書データを辞書データ記憶部16から取得し、辞書データと、制限されたスペクトルデータとを比較して、両データの同一性を判定する(図11のステップS24)。比較した両データの同一性がないと判断された場合(図11のステップS24でNO)、比較部33から、測定対象が識別されなかったことを示す情報が出力される。また、識別されなかったことを示す情報に基づき、識別レベル設定部31は、識別レベルを変更せずに次回の測定対象を選択するように設定する。そして識別処理はステップS21に戻される。
一方、比較した両データに同一性があると判断された場合(図11のステップS24でYES)、比較部33から、測定対象が識別されたことを示す情報を出力する。その識別されたことを示す情報に基づき、識別レベル設定部31は、識別レベルが適切であるか否か判断する(図11のステップS25)。例えば、測定対象の識別が「識別レベル4」で行なわれていた場合などには、識別レベルは、適切であったと判断される。一方、測定対象の識別が「識別レベル4」以外の識別レベルで行なわれていた場合などには、識別レベルは適切ではなかったと判断される。
識別レベルが適切であると判断された場合(図11のステップS25でYES)、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、識別レベルを初期値、例えば「識別レベル1」に戻し(図11のステップS26)、最も上の識別レベルから、測定対象の識別を行なうようにする。すなわち、測定対象は最大限に詳細に識別されたため、これ以上の識別は不要であるので、測定対象を初期状態に戻される。そして識別処理は、ステップS21に戻される。
一方、識別レベルが適切ではなかったと判断された場合(図11のステップS25でNO)、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、識別レベルを下の識別レベルに変更し(図11のステップS27)、次の測定対象を選択するようにする。そして識別処理は、ステップS21に戻される。
このような識別処理によって、測定対象はより詳細に識別されるようになるとともに、詳細な識別が終了したときには、新たに測定対象を大まかに識別することから始まることが繰り返されるようになる。
これによって、データ量の少ない制限されたスペクトルデータに基づき、演算量の少ない比較演算が行なわれるようになり、比較演算に要する時間が短縮されるようになる。また、演算量が少ないために、演算に要するメモリなどの記憶装置の記憶容量も減少して、比較部33などスペクトルデータ処理装置15の構成の簡易化や汎用化を図ることができるようにもなる。
このようにすることによって、スペクトルセンサを用いて得られたデータ量の多い観測光のスペクトルデータを用いる場合であれ、識別処理に要する時間の増加を抑えるとともに、識別精度を高くすることができる。
以上説明したように、本実施形態によっても、先の第1の実施形態の前記(1)〜(9)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(11)波長帯域情報および波長分解能情報は、スペクトルセンサ14Aによって検出される観測光のスペクトルデータを制限するように設定される。よって、データ量が削減され、測定対象識別のための演算処理に要する時間が減少される。これによっても、スペクトル測定装置による実時間処理の可能性が高められる。
(第3の実施形態)
図12に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の、第3の実施形態の概略構成を示す。なお、本実施形態は、先の第2の実施形態とは、対象検知装置50が追加された点が相違する。以下では主に、先の第1及び第2の実施形態との相違点を中心に、スペクトル測定装置11としての具体構成について説明する。また、図12において、先に示した第1及び第2の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図12は、移動体用スペクトル測定装置を備える移動体としての、車両に備えられた機能のブロック構成を示す図である。図12に示すように、車両10には、スペクトル測定装置11と、ヒューマンマシンインタフェース12と、車両制御装置13とに加えて、別途の対象検知装置50が設けられている。
対象検知装置50は、公知の画像処理システムや特定対象を検出する各種の検知装置であり、接続されている演算装置17に、検出した対象物の情報を伝達する。なお、本実施形態では、対象検知装置50は、車両が走行する道路環境において出現率の高い対象物である人、車、信号機などを検出する装置である。すなわち、演算装置17には、対象検知装置50から、人、車、信号機などの対象物の出現が通知される。対象検知装置50は、例えば、人や動物を検出する各種センサや、近傍の車を検出する各種センサなどでもよい。
演算装置17の識別レベル設定部31は、対象検知装置50から通知された情報を処理する。識別レベル設定部31は、対象検知装置50から通知された対象物に高い優先度を与え、それ以降に行う測定対象の選択に反映させる。これによって、対象検知装置50が検知した対象物について、迅速に詳細な識別が行なわれるようになる。
このようにすることによって、スペクトルセンサを用いての識別処理を行なう場合に、識別精度を高く維持するとともに、その処理の一部を省略するようにして、識別処理に要する時間の短縮化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態によっても、先の第1及び第2の実施形態の前記(1)〜(11)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(12)対象検知装置50によって検知された測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにする。よって、測定対象の早期の識別を可能とするとともに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれ、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
(第4の実施形態)
図13に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第4の実施形態の概略構成を示す。なお、本実施形態は、先の第2の実施形態とは、環境情報取得装置52が追加された点が相違する。以下では主に、先の第1及び第2の実施形態との相違点を中心に、スペクトル測定装置11としての具体構成について説明する。また、図13において、先に示した第1及び第2の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図13は、移動体用スペクトル測定装置を備える移動体としての車両に、備えられた機能のブロック構成を示す図である。図13に示すように、車両10には、スペクトル測定装置11と、ヒューマンマシンインタフェース12と、車両制御装置13とに加えて、環境情報取得装置52が設けられている。
環境情報取得装置52は、車両10の外部環境の情報、例えば天候や位置などを取得する各種の環境取得装置であり、接続されている演算装置17に、検出した環境情報を伝達する。なお、本実施形態では、環境情報取得装置52として、車両10の位置情報を検知して、同位置を表示パネルの地図上に示すことによって搭乗者などに伝えるいわゆるナビゲーションシステムが採用されている。その他に、環境情報取得装置52は、天候を取得するときにワイパー動作を検知したり、温度計や湿度計、もしくは気圧計の値を取得したり、ラジオや気象通報システムなどから通信によってそれら値を取得するような装置でもよい。また、環境情報取得装置52は、位置を取得するときにGPS(GlobalPositioning System)による位置情報や、位置情報と地図の組合わせなどによって位置を特定するいわゆるナビゲーションシステムでも良いし、位置情報を通報するシステムから通信によって取得するような装置でもよい。
図14は、環境情報取得装置52による車両10の位置情報を示す一例である。図14に示すように、車両10が例えば第1地点P1にある場合、道路の周囲が「畑」であるので、演算装置17には、周囲に「畑」があることを伝達する。例えば演算装置17の識別レベル設定部31は、その情報を処理する。例えば、識別レベル設定部31は、環境情報取得装置52から通知された「畑」において認識要求の高い対象物である「道」を、例えば環境マップ23から選択し、この選択された対象物に高い優先度を与えて、それ以降に行う測定対象の選択に反映させるようにする。また例えば、車両10が第2地点P2にある場合、周囲が「自動車専用道路」であることが通知される識別レベル設定部31は、「自動車専用道路」において認識要求の高い対象物である「車」を環境マップ23から選択し、このとき選択された対象物に高い優先度を与えて、それ以降に行う測定対象の選択に反映させるようにする。さらに例えば、車両10が第4地点P4にある場合、周囲に「施設」が多いことが通知される識別レベル設定部31は、「施設」において認識要求の高い対象物である「人」を環境マップ23から選択し、このとき選択された対象物に高い優先度を与えて、それ以降に行う測定対象の選択に反映させるようにする。また例えば、車両10が第3地点P3にある場合、周囲が「交差点」であることが通知される識別レベル設定部31は、「交差点」において認識要求の高い対象物である「信号機」を環境マップ23から選択し、このとき選択された対象物に高い優先度を与えて、それ以降に行う測定対象の選択に反映させるようにする。
次に、信号機を例にして、本実施形態における識別処理を、図15〜図18を参照して説明する。図15は、LED型信号機の各信号灯のスペクトルデータの例を示すグラフであり、(a)は青色灯、(b)は黄色灯、(c)は赤色灯を示す。図16は、白熱電球型信号機の各信号灯のスペクトルデータの例を示すグラフであり、(a)は青色灯、(b)は黄色灯、(c)は赤色灯を示す。図17は、観測光のスペクトルデータの一例を示し、図18は本実施形態における測定対象の識別処理について示すフローチャートである。
辞書データ記憶部16には、信号機としてのLED型と白熱電球型の各型別に、LED型の辞書データとして図15に示される青色灯、黄色灯及び赤色灯の各スペクトルデータが保持され、白熱電球型の辞書データとして図16に示される青色灯、黄色灯及び赤色灯の各スペクトルデータが保持されている。そして交差点において例えば、図17に示される白熱電球型の青色灯の光としての、観測光のスペクトルデータが取得されるものとする。
次に、本実施形態のスペクトル測定装置における測定対象の識別処理について、図18を参照して説明する。図18は、スペクトル測定装置によって行なわれる環境情報を反映させた測定対象の識別処理を示すフローチャートである。
スペクトル測定装置11のスペクトルデータ処理装置15は、観測光のスペクトルデータに基づき、測定対象の識別処理を行なう。まず、スペクトルデータ処理装置15は、スペクトルセンサ制御装置40を通じて、スペクトルセンサ14Aの検出する波長帯域及び波長分解能を初期化する(図18のステップS30)。
前記初期設定が済むと、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、観測光のスペクトルデータを識別する認識レベルと、その識別レベルにおける測定対象とを選択する。このとき、本実施形態では、環境情報取得装置52によって取得された環境情報に基づき、同環境において識別要求の高い測定対象を環境マップ23などから選択することによって、同測定対象が高い確率で検出されるものとする。そして、環境に基づき取得された測定対象よりも優先度の高い他の測定対象が、通常の方法では識別されていない場合には、環境に基づき取得された測定対象が識別されたものとする。ここでは環境が「交差点」であるとの情報に基づき、環境マップ23から、「交差点」において認識要求の高い「信号機」が識別されるものとする。これによって、識別レベル設定部31は、「信号機」をより詳細に識別するために、信号灯を測定対象として選択する。なお、例えば信号灯は、それが識別されるまで、白熱電球型赤色灯、LED型赤色灯、白熱電球型黄色灯、LED型黄色灯、白熱電球型青色灯、LED型青色灯の順に識別処理が行われる。すなわち、始めは測定対象の信号灯として、白熱電球型赤色灯が選択される。つまり識別レベル設定部31は、白熱電球型赤色灯に対応する波長帯域と波長分解能をスペクトルセンサ制御装置40に入力し、また測定対象として白熱電球型赤色灯を比較部33に入力する。これによって、スペクトルセンサ14Aが検出する観測光のスペクトルデータは、白熱電球型赤色灯に対応する波長帯域と波長分解能に基づき制限されたスペクトルデータとなる(図18のステップS31)。
スペクトルデータ処理装置15の演算装置17は、随時入力される制限されたスペクトルデータを取得する(図18のステップS32)。このとき演算装置17には、図17に示すような、白熱電球型青色灯の観測光のスペクトルデータが入力されている。
スペクトルデータ処理装置15の比較部33は、入力された測定対象、この例では最初は白熱電球型赤色灯に対応する辞書データを、辞書データ記憶部16から取得し、辞書データと制限されたスペクトルデータとを比較することによって、両データの同一性を判定する(図18のステップS33)。比較した両データの同一性がないと判断された場合(図18のステップS34でNO)、比較部33から、測定対象が識別されなかったことを示す情報が出力される。また、識別されなかったことを示す情報に基づき、識別レベル設定部31は、識別レベルを変更せずに次回の測定対象を選択するように設定する。そして識別処理は、ステップS31に戻される。すなわち、白熱電球型青色灯の観測光のスペクトルデータが、白熱電球型赤色灯に対応する辞書データと比較された場合には、測定対象が識別されなかったことを示す情報が出力され、識別レベル設定部31は、識別レベルを変更せずに、次回の測定対象を選択するように設定される。つまり次回の測定対象として、LED型赤色灯が選択されるようになる。
一方、比較した両データに同一性があると判断された場合(図18のステップS34でYES)、比較部33は、測定対象が識別されたことを示す情報を出力する。すなわち、いずれかの後に、白熱電球型青色灯の観測光のスペクトルデータが、白熱電球型青色灯に対応する辞書データと比較された場合には、測定対象が識別されたことを示す情報が出力される。その識別されたことを示す情報に基づき、識別レベル設定部31は、識別レベルが適切であるか否かを判断する(図18のステップS35)。すなわち、白熱電球型青色灯は、それ以上詳細に識別される必要はないので、識別レベルが適切であったと判断される。
識別レベルが適切であると判断された場合(図18のステップS35でYES)、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、識別レベルを初期値に戻す(図18のステップS36)。そして識別処理はステップS31に戻される。
一方、識別レベルが適切ではなかったと判断された場合(図18のステップS35でNO)、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、識別レベルを下の識別レベルに変更する(図18のステップS37)。そして識別処理は、ステップS31に戻される。すなわち、このような識別処理によって、環境情報に基づき、測定対象がより詳細に識別されるようになる。
このようにすることによって、スペクトルセンサを用いて識別処理を行なう場合に、識別精度を高く維持するとともに、その処理の一部を省略するようにして識別処理に要する時間の短縮化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態によっても、先の第1及び第2の実施形態の前記(1)〜(11)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(13)環境情報取得装置52によって取得された環境情報に応じて、例えば出現率の高くなる測定対象や、優先度の高くなる測定対象について優先的に識別処理を行なうようにすることによって、測定対象の早期の識別を可能とする。このことから、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれて、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
(14)取得された環境情報が天候情報である場合、雨の場合であれば出現率の高い傘や水溜り、もしくは濡れた状態の測定対象など、晴れの場合には優先度が低くなる測定対象の優先度を高くする。その結果、測定対象の早期の識別が図られるようにする。
(15)また、環境情報が移動体の位置情報である場合、優先度の高い測定対象を、自動車専用道路であれば車や路面の白線にし、田畑の間の道では道路にし、市街地では人や信号にし、施設や住宅街では人、特に子供や高齢者に設定するようにする。その結果、測定対象の早期の識別が図られるようにする。
(第5の実施形態)
図19に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第5の実施形態の概略構成を示す。なお、本実施形態は、先の第2の実施形態とは、使用目的選択装置54が追加された点が相違する。以下では主に、先の第1及び第2の実施形態との相違点を中心に、スペクトル測定装置11としての具体構成について説明する。また、図19において、先に示した第1及び第2の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図19は、移動体用スペクトル測定装置を備える移動体としての、車両に備えられた機能のブロック構成を示す図である。図19に示すように、車両10には、スペクトル測定装置11と、ヒューマンマシンインタフェース12と、車両制御装置13とに加えて、使用目的選択装置54が設けられている。
使用目的選択装置54は、車両10のシステム稼動状態や、操作者の選択によって、測定対象を絞り込む装置であり、接続されている演算装置17に絞り込まれた測定対象を伝達する。なお、本実施形態では、使用目的選択装置54として、図20に示すような、車両10に設けられた識別対象選択ボタン55が採用されている。その他に、使用目的選択装置54は、先行車両との車間を制御する車間維持制御(ACC)による運転支援が行なわれている場合、測定対象を車と選択してもよい。また、車両の走行車線を制御する車線維持支援制御(LKA)による運転支援が行なわれている場合、測定対象を、路面の白線としてもよい。また、車載用暗視装置(ナイトビュー)による運転支援が行なわれている場合、測定対象を歩行者としてもよい。このように運転支援システムとの協働のもとによる測定対象の識別が、同支援の目的に適して行なわれれば、移動体用スペクトル測定装置の利用可能性が高められるようにもなる。
図20にその一例を示すように、識別対象選択ボタン55には、選択対象として歩行者を選択するための歩行者選択ボタン56、車両を選択するための車両選択ボタン57、及び信号を選択するための信号選択ボタン58が設けられている。識別対象選択ボタン55の歩行者選択ボタン56が選択されると、演算装置17には、測定対象が「歩行者」であることが伝達される。演算装置17の識別レベル設定部31は、その情報を処理し、「歩行者」や「歩行者」の下の識別レベルによる詳細な識別を行うように測定対象を選択する。つまり識別対象選択ボタン55は、車両10の運転者によって手動操作される選択スイッチ群である。
次に、「歩行者」を例にして、本実施形態における識別処理について、図21〜図23を参照して説明する。図21は、使用目的選択装置54によって選択される一部の測定対象の、スペクトルデータの例を示すグラフであり、(a)は車両、(b)は歩行者として人、(c)は路面の白線を示す。図22は、観測光のスペクトルデータの一例を示し、図23は、本実施形態における測定対象の識別処理について示すフローチャートである。
辞書データ記憶部16には、使用目的選択装置54によって選択される一部の測定対象の辞書データとして、図21に示される車両、人、路面の白線の各スペクトルデータLC3,LM5,LL3が保持されている。そしてスペクトルセンサ14Aは、図22に示される観測光のスペクトルデータLS3を検出するものとする。
次に、本実施形態のスペクトル測定装置における測定対象の識別処理について、図23を参照して説明する。図23は、スペクトル測定装置によって行なわれる使用目的選択を反映させた、測定対象の識別処理について示すフローチャートである。
スペクトル測定装置11のスペクトルデータ処理装置15は、観測光のスペクトルデータに基づき、測定対象の識別処理を行なう。まず、スペクトルデータ処理装置15は、スペクトルセンサ制御装置40を通じて、スペクトルセンサ14Aの検出する波長帯域及び波長分解能を初期化する(図23のステップS40)。
前記初期設定が済むと、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、観測光のスペクトルデータを識別する認識レベルと、その識別レベルにおける測定対象とを選択する。このとき、本実施形態では、使用目的選択装置54によって取得された使用目的選択に基づき、同選択において指示される測定対象が、高い確率で検出されるものとする。そして、指示された測定対象よりも優先度の高い他の測定対象が、通常の方法で識別されていない場合には、同指示された測定対象が識別されるものとする。ここでは、識別対象選択ボタン55によって選択されている歩行者選択ボタン56に基づき指示された測定対象が「歩行者」であるので、「人」が識別されるものとする。これによって、識別レベル設定部31は、「歩行者」を識別するため、「人」を測定対象として選択する。そして「人」に対応する波長帯域と波長分解能とを、スペクトルセンサ制御装置40に入力させ、測定対象として「人」を比較部33に入力する。これによって、スペクトルセンサ14Aによって検出される観測光のスペクトルデータは、「人」に対応する波長帯域と波長分解能に基づき制限されたスペクトルデータとなる(図23のステップS41)。
スペクトルデータ処理装置15の演算装置17は、随時入力される制限されたスペクトルデータを取得する(図23のステップS42)。このとき演算装置17には、図22に示すような「人」の観測光のスペクトルデータLS3が入力されている。
スペクトルデータ処理装置15の比較部33は、入力された測定対象、この例では最初は「人」に対応する辞書データを、辞書データ記憶部16から取得し、辞書データと制限されたスペクトルデータとを比較して、両データの同一性を判定する(図23のステップS44)。比較した両データの同一性がないと判断された場合(図23のステップS44でNO)、比較部33から、測定対象が識別されなかったことを示す情報が出力される。また、識別されなかったことを示す情報に基づき、識別レベル設定部31は、識別レベルを変更せずに次回の測定対象を選択するように設定する。そして識別処理は、ステップS21に戻される。
一方、比較した両データに同一性があると判断された場合(図23のステップS44でYES)、比較部33から、測定対象が識別されたことを示す情報を出力する。すなわち、「人」の観測光のスペクトルデータが、「人」に対応する辞書データと比較された場合には、測定対象が識別されたことを示す情報が出力される。その識別されたことを示す情報に基づき、識別レベル設定部31は、識別レベルが適切であるか否かを判断する(図23のステップS45)。
識別レベルが適切であると判断された場合(図23のステップS45でYES)、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、識別レベルを初期値に戻す(図23のステップS46)。そして識別処理は、ステップS41に戻される。
一方、識別レベルが適切ではなかったと判断された場合(図23のステップS45でNO)、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、識別レベルを、下の識別レベルに変更する(図23のステップS47)。そして識別処理は、ステップS31に戻される。すなわち、測定対象としての「人」が識別されたことによって、識別レベル設定部31は、識別レベルを変更して、次回の測定対象を選択するように設定され、つまり次回は、「人」を詳細に分類した測定対象が選択されるようになる。このような識別処理によって、環境情報に基づき、測定対象がより詳細に識別されるようになる。
このようにすることによって、スペクトルセンサを用いての識別処理を行なう場合に、識別精度を高く維持するとともに、その処理の一部を省略するようにして、識別処理に要する時間の短縮化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態によっても、先の第1及び第2の実施形態の前記(1)〜(11)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(16)使用目的選択装置54によって設定された測定対処について、優先的に識別処理を行なうことができるようになる。これによって、移動体においてスペクトル測定装置による支援が必要な測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにすることによって、測定対象の早期の識別を可能とする。さらに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれて、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
(17)識別対象選択ボタン55によって、運転者が選択した測定対象について、スペクトル測定装置11による支援が行なわれるようになる。これによって、運転者にとって優先度の高い測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにすることによって、測定対象の早期の識別が図られるようにもなる。
(18)運転支援システムの使用目的によって定まる優先度の高い測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにすることによって、測定対象の早期の識別を可能とする。さらに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれて、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。例えば、先行車両との車間を制御する車間維持制御(ACC)による運転支援が行なわれている場合、優先度の高い測定対象を、車とする。また、車両が走行する車線を制御する車線維持支援制御(LKA)による運転支援が行なわれている場合、優先度の高い測定対象を、路面の白線とする。また、車載用暗視装置(ナイトビュー)による運転支援が行なわれている場合、優先度の高い測定対象を、歩行者とする。このような設定によって、運転支援システムとの協働のもとによる測定対象の識別が、同支援の目的に適して行なわれるようになり、移動体用スペクトル測定装置の利用可能性が高められる。
(第6の実施形態)
図24に、本発明にかかる移動体用スペクトル測定装置の第6の実施形態の概略構成を示す。なお、本実施形態は、先の第2の実施形態とは、車両状態取得装置および移動状態取得装置としての車両状態検出装置59が追加された点が相違する。以下では主に、先の第1及び第2の実施形態との相違点を中心に、スペクトル測定装置11としての具体構成について説明する。また、図24において、先に示した第1及び第2の実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図24は、移動体用スペクトル測定装置を備える移動体としての、車両に備えられた機能のブロック構成を示す図である。図24に示すように、車両10には、スペクトル測定装置11と、ヒューマンマシンインタフェース12と、車両制御装置13とに加えて、車両状態検出装置59が設けられている。
車両状態検出装置59は、車両10の状態、特に走行状態を取得する各種の検出装置であり、接続されている演算装置17に、検出された車両状態を伝達する。なお、本実施形態では、車両状態検出装置59として、車両10の操舵角を検知する装置が採用されている。その他に、車両状態検出装置59は、車両10の移動速度である車速を検出する速度計や、車両10の加速度を検出する加速度計のような装置でもよい。
次に、本実施形態のスペクトル測定装置における測定対象の識別処理について、図25を参照して説明する。図25は、スペクトル測定装置によって行なわれる車両状態を反映させた、測定対象の識別処理について示すフローチャートである。
スペクトル測定装置11のスペクトルデータ処理装置15は、観測光のスペクトルデータに基づき、測定対象の識別処理を行なう。まず、スペクトルデータ処理装置15は、スペクトルセンサ制御装置40を通じて、スペクトルセンサ14Aの検出する波長帯域及び波長分解能を初期化する(図25のステップS50)。
前記初期設定が済むと、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、観測光のスペクトルデータを識別する認識レベルと、その識別レベルにおける測定対象とを選択する。例えば、車両状態検出装置59によって車速や加速度が取得された場合、観測光のスペクトルデータを規制する波長帯域や波長分解能を該車両状態において適した規制情報に補正する補正情報を、状態マップ24から選択するようにする。または、操舵角が取得された場合、識別要求の高い測定対象を状態マップ24などから選択することによって、同測定対象が高い確率で検出されるものとする。これによって、識別レベル設定部31は、測定対象に対応する波長帯域と波長分解能とを、補正情報がある場合にはその補正情報によって補正して、スペクトルセンサ制御装置40に入力させ、測定対象を比較部33に入力する。これによって、スペクトルセンサ14Aによって検出される観測光のスペクトルデータは、車両状態に応じた波長帯域と波長分解能に基づき制限されたスペクトルデータとなる(図25のステップS51)。
スペクトルデータ処理装置15の演算装置17は、随時入力される制限されたスペクトルデータを取得する(図25のステップS52)。
スペクトルデータ処理装置15の比較部33は、入力された測定対象の辞書データを、辞書データ記憶部16から取得し、辞書データと制限されたスペクトルデータとを比較して、両データの同一性を判定する(図25のステップS53)。比較した両データの同一性がないと判断された場合(図25のステップS54でNO)、比較部33から、測定対象が識別されなかったことを示す情報が出力される。また、識別されなかったことを示す情報に基づき、識別レベル設定部31は、識別レベルを変更せずに、次回の測定対象を選択するように設定する。そして識別処理はステップS51に戻される。
一方、比較した両データに同一性があると判断された場合(図25のステップS54でYES)、比較部33から、測定対象が識別されたことを示す情報を出力する。その識別されたことを示す情報に基づき、識別レベル設定部31は、識別レベルが適切であるか否かを判断する(図25のステップS55)。
識別レベルが適切であると判断された場合(図25のステップS55でYES)、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、識別レベルを初期値に戻す(図25のステップS56)。そして識別処理はステップS31に戻される。
一方、識別レベルが適切ではなかったと判断された場合(図25のステップS55でNO)、スペクトルデータ処理装置15の識別レベル設定部31は、識別レベルを、下の識別レベルに変更する(図25のステップS57)。そして識別処理は、ステップS31に戻される。すなわち、このような識別処理によって、車両状態に基づき、測定対象がより詳細に識別されるようになる。
次に、車両状態検出装置59から操舵角が取得された場合の処理について、図26及び図27を参照して詳細に説明する。図26は、操舵が行われる交差点を、模式的に示す図であり、(a)は車道を横切る場合を示す図であり、(b)は歩道を横切る場合を示す図である。図27は、本実施形態における識別処理において行われる、認識レベルの設定(例えば、図25のステップS51)について、車両状態として操舵角が取得された場合の識別処理について示すフローチャートである。
図26に示すように、車両10は、左側通行の場合に右折すると、交差点60などにおいて対向車線61を横切るようになる。この場合、特に対向車62への注意を要するため、測定対象として「車」の優先度が高くなる。また、車両10は、左側通行の場合に左折すると、交差点60などにおいて歩道63を横切るようになる。この場合、特に歩行者64への注意を要するため、測定対象として「人」の優先度が高くなる。
このような場合には、識別処理の認識レベル設定において、図27に示すフローチャートのような、操舵角に基づく認識レベルの設定が行われる。すなわち、認識レベル設定において、右折もしくは左折されることが検出されると(図27のステップS60でYES)操舵角を取得して(図27のステップS61)、操舵角が0度ではない場合(図27のステップS62でYES)、操舵角に応じて適切な測定対象を設定する。操舵角が左側の場合(図27のステップS63でYES)、車両10は歩道63を横切る可能性が高くなるので、歩行者用の認識レベルの設定をする(図27のステップS64)。これによって、認識レベル設定において、測定対象として「人」が選択されるようになる。一方、操舵角が右側の場合(図27のステップS63でNO)、車両10は対向車線61を横切る可能性が高くなるので、自動車用の認識レベルの設定をする(図27のステップS65)。これによって、認識レベル設定において、測定対象として「車」が選択されるようになる。
このようにすることによって、スペクトルセンサを用いて識別処理を行なう場合に、識別精度を高く維持するとともに、その処理の一部を省略するようにして、識別処理に要する時間の短縮化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態によっても、先の第1及び第2の実施形態の前記(1)〜(11)の効果と同等もしくはそれに準じた効果が得られるとともに、次のような効果が得られるようになる。
(19)移動状態取得装置としての車両状態検出装置59によって、取得された移動状態に応じて定まる優先度の高い測定対象について、優先的に識別処理を行なうようにする。そうすることによって、測定対象の早期の識別を可能とするとともに、出現している可能性の低い測定対象物の認識処理が省かれ、識別処理に要する時間の削減が図られるようにもなる。
(20)移動体の速度を含む速度情報、加速度を含む加速度情報や操舵角を含む操舵情報によって、優先度の高い測定対象が定められる。例えば、速度情報や加速度情報によれば、識別レベルを変更して、所定の時間内に識別処理を終えるようにするようにすることができる。また操舵情報によれば、車道を横切る操舵の場合には、測定対象を車にし、歩道を横切る操舵の場合には、歩行者にすることなどができる。
なお、上記各実施形態は、例えば以下のような態様によって実施することもできる。
・上記各実施形態では、波長情報には波長帯域情報と波長分解能情報とが含まれている場合について例示した。しかしこれに限らず、波長情報は、波長帯域情報及び波長分解能情報の少なくとも一方が含まれていればよい。この場合には、比較演算に用いられるデータの量が、波長帯域情報や波長分解能情報によって任意に設定できるようになるなど、規制情報の態様の自由度が高められるようになる。
・上記各実施形態では、波長帯域情報と波長分解能情報とによりスペクトルデータが制限される場合について例示した。しかしこれに限らず、スペクトルデータは波長帯域情報または波長分解能情報のいずれが一方により制限されてもよい。これによりスペクトルデータの制限の態様の自由度が高められるようになる。
・上記第2の実施形態では、スペクトルセンサ14Aに波長分解能と波長帯域とを設定する場合について例示した。しかしこれに限らず、スペクトルセンサには、波長分解能及び波長帯域のいずれか一方が設定されてもよい。これにより、スペクトルセンサの選択自由度が高められるようになる。
・上記第1の実施形態では、車両制御装置13は、識別された測定対象の情報を、他の各種制御装置に伝達する場合について例示した。しかしこれに限らず、車両制御装置は、それが運転支援を行なえるような場合には、識別された測定対象の情報を、他の各種制御装置に伝達せずに、自身で運転支援などを行なうようにしてもよい。これによって、移動体用スペクトル測定装置としての、実施の自由度が高められる。
・上記第1の実施形態では、辞書データは、第1の記憶部としての辞書データ記憶部16に保持され、規制情報は、第2の記憶部としての規制情報記憶部18に保持される場合について例示した。このとき、辞書データを記憶する第1の記憶部と、規制情報を保持する第2の記憶部とは、それぞれ各別の記憶装置に設けられても良いし、同一の記憶装置を共有する態様として設けられてもよい。これによって、移動体用スペクトル測定装置としての、実施の自由度が高められる。
・上記第2の実施形態では、スペクトルセンサ制御装置40は、スペクトルセンサ14Aとは個別に設けられる例について例示した。しかしこれに限らず、スペクトルセンサ制御装置は、スペクトルセンサと一体に設けられてもよい。そうすれば、スペクトルセンサのモジュール化によって、スペクトル測定装置の小型化も図られるようにもなる。
・上記第1の実施形態では、制限部32は、演算装置17の識別部30に設けられ、第2の実施形態では、スペクトルセンサ制御装置40が、制限部として機能した。しかしこれに限らず、スペクトルセンサ制御装置と、演算装置の識別部とは、共に設けられてもよい。その場合には、各別に規制情報を付与すれば、観測光のスペクトルデータのより細かい制限ができるようにもなる。
・上記各実施形態の車両は、自動車であることが好ましい。このようなスペクトル測定装置であれば、自動車に搭載された場合であれ、路上走行に伴い順次接近してくる測定対象の認識を実時間行で行ない、適切な運転支援が行えるようになる。これによって、自動車へのスペクトル測定装置の採用可能性が、高められる。
・なお上記各実施形態は、車両は自動車に限られず、自動二輪車やロボットなど路上を移動する移動体であれば、このような移動体用スペクトル測定装置の採用が可能である。
10…車両、11…スペクトル測定装置、12…ヒューマンマシンインタフェース、13…車両制御装置、14,14A…スペクトルセンサ、15…スペクトルデータ処理装置、16…辞書データ記憶部、17…演算装置、18…規制情報記憶部、20…識別レベルデータ記憶部、21…波長帯域マップ記憶部、22…波長分解能マップ記憶部、23…環境マップ、24…状態マップ、25…識別レベルマップ、26…波長帯域マップ、27…波長分解能マップ、29…風景、30…識別部、31…識別レベル設定部、32…制限部、33…比較部、40…スペクトルセンサ制御装置、41…波長帯域設定装置、42…波長分解能設定装置、50…対象検知装置、52…環境情報取得装置、54…使用目的選択装置、55…識別対象選択ボタン、56…歩行者選択ボタン、57…車両選択ボタン、58…信号選択ボタン、59…車両状態検出装置、60…交差点、61…対向車線、62…対向車、63…歩道、64…歩行者。

Claims (17)

  1. 移動体に搭載されるスペクトルセンサを有する移動体用スペクトル測定装置であって、前記スペクトルセンサは波長情報と光強度情報とを測定可能であり、前記移動体用スペクトル測定装置は前記スペクトルセンサによって検出される観測光のスペクトルデータに基づき前記移動体の周辺の測定対象を識別し、
    予め定められた複数の測定対象についての波長情報と光強度情報とを含むスペクトルデータが辞書データとして格納されている第1の記憶部と、
    前記観測光のスペクトルデータの波長域に含まれる波長情報を、前記測定対象の属性に基づき分類された一部の波長情報に規制する規制情報が格納されている第2の記憶部と、
    前記第2の記憶部に格納されている規制情報から、前記測定対象の要求される識別レベルに対応する規制情報を選択設定する識別レベル設定部と、
    前記観測光のスペクトルデータを、前記選択設定された規制情報によって規制された波長情報のみからなるスペクトルデータに制限する制限部と、
    前記制限部によって制限されたスペクトルデータと、前記第1の記憶部に格納されているスペクトルデータとの比較に基づき前記測定対象を識別する識別部と、を備える
    ことを特徴とする移動体用スペクトル測定装置。
  2. 前記規制情報によって規制される波長情報は、前記観測光のスペクトルデータの波長域を縮小した部分的な波長帯域を示す情報である波長帯域情報及びスペクトルデータとしての波長分解能を示す情報である波長分解能情報の少なくとも一方を含んで構成される
    請求項1に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  3. 前記測定対象の要求される識別レベルは、識別レベルデータとして複数階層に階層化されてなり、前記波長帯域情報及び前記波長分解能情報の少なくとも一方は、この階層化された識別レベルデータに各々対応付けされて前記第2の記憶部に格納されている
    請求項2に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  4. 前記識別レベルデータに各々対応付けされた前記波長帯域情報または前記波長分解能情報は、前記第2の記憶部内で各別にマップデータ化されてなる
    請求項3に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  5. 前記制限部を通じて制限されるスペクトルデータが全ての識別レベルにおいて同等のデータ量となるように、前記波長帯域情報及び前記波長分解能情報の少なくとも一方は設定されている
    請求項2〜4のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  6. 前記制限部は、少なくとも、前記波長帯域情報によって指定される波長帯域からなるように、または前記波長分解能情報によって指定される波長分解能になるように、前記スペクトルセンサから出力されたスペクトルデータを制限するものである
    請求項2〜5のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  7. 前記移動体には、前記スペクトルセンサの観測波長帯域及び観測波長分解能の少なくとも一方をそれぞれ可変とするスペクトルセンサ制御装置が設けられてなり、前記制限部は、このスペクトルセンサ制御装置を通じて、前記波長帯域情報によって指定される波長帯域からなるように、または前記波長分解能情報によって指定される波長分解能となるように、前記スペクトルセンサによって検出される観測光のスペクトルデータを制限するものである
    請求項2〜5のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  8. 前記測定対象の要求される識別レベルは、前記識別部によって識別された測定対象の識別内容に応じて再帰的に自動更新される
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  9. 前記移動体には、前記測定対象を検知する対象検知装置が別途に設けられており、該対象検知装置によって検知された測定対象に応じて、前記スペクトルセンサによる測定対象の設定が行われる
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  10. 前記移動体には、周囲の環境情報を取得する環境情報取得装置が設けられており、該環境情報取得装置によって取得された環境情報に応じて、前記スペクトルセンサによる測定対象の設定が行われる
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  11. 前記環境情報取得装置によって取得される環境情報は、天候情報及び移動体の位置情報のうちの少なくとも一方である
    請求項10に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  12. 前記移動体には、前記スペクトルセンサの使用目的を選択する使用目的選択装置が設けられており、該使用目的選択装置を通じて選択された使用目的に応じて、前記スペクトルセンサによる測定対象の設定が行われる
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  13. 前記使用目的選択装置は、前記移動体の運転者によって手動操作される選択スイッチ群を含み、該選択スイッチ群を通じて選択された測定対象が、前記スペクトルセンサによる測定対象として設定される
    請求項12に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  14. 前記移動体には、その運転を支援する運転支援システムが設けられており、前記使用目的選択装置は、この運転支援システムとの協働のもとにその使用目的に見合った測定対象を選択するものである
    請求項12に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  15. 前記移動体には、その移動状態にかかる情報を取得する移動状態取得装置が設けられており、該移動状態取得装置によって取得された当該移動体の移動状態に応じて、前記スペクトルセンサによる測定対象の設定が行われる
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  16. 前記移動状態取得装置によって取得される当該移動体の移動状態にかかる情報は、当該移動体の速度情報、加速度情報、及び操舵情報のうちの少なくとも一つである
    請求項15に記載の移動体用スペクトル測定装置。
  17. 前記移動体は、路面を走行する自動車である
    請求項1〜16のいずれか一項に記載の移動体用スペクトル測定装置。
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